説明

試料分析装置およびデータ処理装置

【課題】装置の構成が複雑化するのを抑制し、また製造コストを低減することが可能な試料分析装置を提供する。
【解決手段】この血液分析装置1は、測定ユニット2と、データ処理ユニット3とを備え、測定ユニット2は、試料を分析するための分注用アクチュエータ7と、測定データを出力する測定用アクチュエータ9および検出部4と、駆動回路5、8および10とを含み、データ処理ユニット3は、制御データを生成するための処理を所定時間(約100msec)毎に実行するCPU301aを含み、CPU301aによって生成された制御データは、測定ユニット2に送信されるとともに、測定ユニット2の駆動回路5、8および10は、測定ユニット2によって受信された制御データに基づいて、検出部4、分注用アクチュエータ7および測定用アクチュエータ9を駆動するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、試料分析装置およびデータ処理装置に関し、特に、試料を測定する試料分析装置およびデータ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、試料を測定する試料分析装置およびデータ処理装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に記載の液体クロマトグラフ分析装置(試料分析装置)は、目的試料の分析を行う分析部と、分析部により取得されたデータを解析処理することにより解析結果を得るデータ処理部とを備えている。分析部には、分析部の動作制御を行う制御部が設けられている。また、データ処理部は、パーソナルコンピュータにより構成されており、分析部により取得されたデータの解析処理を行うように構成されている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−197509号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の液体クロマトグラフ分析装置では、分析部およびデータ処理部のそれぞれに制御部が設けられているため、装置の構成が複雑になり、また製造コストが嵩むという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、装置の構成が複雑化するのを抑制し、また製造コストを低減することが可能な試料分析装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
この発明の第1の局面による試料分析装置は、試料を測定し、測定データを出力する測定ユニットと、測定ユニットにより出力された測定データを処理するデータ処理ユニットとを備え、測定ユニットは、試料を分析するための動作機構と、動作機構を駆動する駆動回路と、外部との通信が可能な第1通信部とを備え、データ処理ユニットは、動作機構を制御するための制御データを生成するための処理を所定時間毎に実行するマイクロプロセッサと、第1通信部と通信可能であり、マイクロプロセッサによって生成された制御データを第1通信部へ送信する第2通信部とを備え、駆動回路は、第1通信部によって受信された制御データに基づいて、動作機構を駆動するように構成されている。
【0008】
この発明の第1の局面による試料分析装置では、上記のように、データ処理ユニットに、動作機構を制御するための制御データを生成するための処理を所定時間毎に実行するマイクロプロセッサを設け、マイクロプロセッサによって生成され、第1通信部によって受信された制御データに基づいて、駆動回路が動作機構を駆動するように構成することによって、測定ユニットにマイクロプロセッサ(制御部)を設けることなく、測定ユニットの動作機構を駆動することができる。これにより、装置の構成が複雑になるのを抑制することができる。また、測定ユニットに動作機構制御用のマイクロプロセッサを設ける必要がないため、装置の製造コストを低減することが可能となる。
【0009】
上記第1の局面による試料分析装置において、好ましくは、測定ユニットは、マイクロプロセッサを有しないように構成されている。このように構成すれば、容易に、装置の構成が簡素化された試料分析装置を得ることができる。
【0010】
上記第1の局面による試料分析装置において、好ましくは、第1通信部と、第2通信部とは、USBインタフェースである。このように構成すれば、広く普及している規格品のUSBインタフェースを用いることにより、装置の開発工数を低減し、且つ低廉なコストで装置を製造することができる。
【0011】
上記第1の局面による試料分析装置において、好ましくは、第1通信部および第2通信部は、それぞれ、インタラプト転送により制御データの送受信を行うように構成されている。測定ユニットの動作機構は、たとえば、100msec以下の微少な単位時間毎に制御される必要がある。また、USBのインタラプト転送では、設定された期間毎にデータの転送が行われる。したがって、このように構成すれば、データ処理ユニットにより生成された制御データを、所定の単位時間内に測定ユニットに転送することができるので、測定ユニットの動作機構を単位時間内に制御することができる。
【0012】
上記第1の局面による試料分析装置において、好ましくは、データ処理ユニットは、制御データを生成するための制御プログラムを記憶する記憶部を備え、マイクロプロセッサは、記憶部に記憶された制御プログラムを、OSのカーネルレベルにより実行するように構成されている。このように構成すれば、所定時間毎に制御データを生成する必要がある制御プログラムを、他のアプリケーションプログラム等のカーネルレベルよりも下位のレベルにより実行されるプログラムに優先して実行することができる。したがって、他のアプリケーションプログラムの実行にマイクロプロセッサが使用されることにより所定時間毎の制御データの生成が妨害されることを抑制することができる。
【0013】
上記制御プログラムをOSのカーネルレベルにより実行するマイクロプロセッサを備えた試料分析装置において、好ましくは、動作機構は、試料を測定して測定データを生成する測定機構を含み、第1通信部は、測定機構によって生成された測定データを第2通信部へ送信するように構成されており、記憶部は、測定データを処理するための測定データ処理プログラムをさらに記憶し、マイクロプロセッサは、記憶部に記憶された測定データ処理プログラムにより測定データを処理するように構成されている。このように構成すれば、測定ユニットの動作機構を駆動するのみならず、データ処理ユニットにおいて測定データを処理することが可能となる。
【0014】
この場合において、好ましくは、マイクロプロセッサは、測定データ処理プログラムを、OSのユーザレベルにより実行するように構成されている。このように構成すれば、制御プログラムが測定データ処理プログラムよりも優先的に処理されるので、マイクロプロセッサが測定データ処理プログラムを実行するのに伴って、所定時間毎の制御プログラムの実行が妨害されるのを抑制することができる。これにより、測定データ処理用のプログラムの処理状況に関わらず、測定ユニットの動作機構を安定した状態で動作させることができる。
【0015】
上記第1の局面による試料分析装置において、好ましくは、マイクロプロセッサは、動作機構を制御するための制御データを生成するための処理を平均して100msec以下の時間毎に実行するように構成されている。このように構成すれば、約100msec以下の時間毎に測定ユニットを制御することが可能となる。
【0016】
上記第1の局面による試料分析装置において、好ましくは、動作機構は、試料の分注に用いられる第1アクチュエータと、試料の測定に用いられる第2アクチュエータと、試料を検出する検出部とを含み、第1アクチュエータ、第2アクチュエータおよび検出部は、マイクロプロセッサによって生成された制御データに基づいて動作されるように構成されている。このように構成すれば、マイクロプロセッサによって生成された制御データにより、測定ユニットの第1アクチュエータおよび第2アクチュエータを駆動し、且つ検出部の動作制御も実行することが可能となる。
【0017】
上記第1の局面による試料分析装置において、好ましくは、測定ユニットは、マイクロプロセッサによって生成された制御データを格納する記憶部をさらに備え、動作機構は、測定ユニットの記憶部に格納された制御データに基づいて駆動されるように構成されている。このように構成すれば、測定ユニットの記憶部に格納された制御データに基づいて、容易に、測定ユニットの動作機構の動作制御を実行することができる。
【0018】
この発明の第2の局面によるデータ処理装置は、動作機構を備えており、動作機構が動作することによって試料を測定する測定装置の動作機構を制御するための制御プログラムを記憶する記憶部と、記憶部に記憶された制御プログラムを実行し、動作機構を制御するための制御信号を所定時間毎に生成するマイクロプロセッサと、測定装置と通信可能に接続されており、マイクロプロセッサによって生成された制御信号を測定装置へ送信する通信部とを備える。
【0019】
この発明の第2の局面によるデータ処理装置では、上記のように、測定装置の測定機構を制御するための制御信号を生成するための処理を所定時間毎に実行するマイクロプロセッサが設けられ、マイクロプロセッサによって生成された制御信号を、測定装置へ送信することによって、測定装置にマイクロプロセッサを設けることなく、測定装置の動作制御を行うことができる。したがって、測定装置の構成が複雑になるのを抑制することができる。また、測定装置に動作機構制御用のマイクロプロセッサを設ける必要がないため、測定装置の製造コストを低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態による血液分析装置の全体構造を示す斜視図である。図2は、本発明の一実施形態による測定ユニットおよびデータ処理ユニットの構成を示すブロック図である。図3は、図1に示した一実施形態による血液分析装置の構成を説明するための図である。まず、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態による血液分析装置1の全体構成について説明する。
【0022】
本発明の一実施形態による血液分析装置1は、細胞および血球などの粒子をフローセルに導くと共に各粒子にレーザ光を照射し、各粒子から散乱光および蛍光を検出することにより、血液中の血球分析を行う装置である。
【0023】
この血液分析装置1は、図1に示すように、試料である血液の測定を行う機能を有する測定ユニット2と、測定ユニット2から出力された測定結果を処理して分析結果を得るデータ処理ユニット3とにより構成されている。測定ユニット2は、図2に示すように、血球の検出部4と、検出部4を駆動(動作)させる駆動回路5と、検出部4が出力する信号対して波形処理を行う波形処理回路6と、試料を分注する際に駆動される分注用アクチュエータ7と、分注用アクチュエータ7を駆動させる駆動回路8と、測定データを出力する測定用アクチュエータ9と、測定用アクチュエータ9を駆動させる駆動回路10とを備えている。
【0024】
検出部4は、光学式検出部として構成されている。具体的には、検出部4は、フローサイトメトリー法により血液中の細胞および血球などの粒子を検出するように構成されている。なお、フローサイトメトリー法は、細胞およびその他の生物学的な粒子を細い通路の中に通過させることにより、細胞およびその他の生物学的な粒子の物理的な性質および化学的な性質を測定するための方法である。この検出部4は、レーザ光が照射された血球から発せられる前方散乱光、側方散乱光および側方蛍光を検出するように構成されている。
【0025】
具体的には、検出部4には、駆動回路5が接続されており、駆動回路5は、レジスタ11に接続されている。そして、検出部4は、駆動回路5がレジスタ11に記憶されている後述する制御データに応じた信号を出力することによって、レーザ光の発振などの動作および駆動が行われるように構成されている。
【0026】
また、検出部4は、検出された前方散乱光、側方散乱光および側方蛍光を、それぞれ、光信号から電気信号に変換可能に構成されている。また、検出部4には、波形処理回路6が接続されており、波形処理回路6には、各々の光信号から変換された電気信号が伝達される。そして、波形処理回路6は、前方散乱光、側方散乱光および側方蛍光の各電気信号を増幅し、増幅した側方散乱光の電気信号を波形処理するように構成されている。また、波形処理回路6は、レジスタ11に接続されており、波形処理回路6により波形処理された電気信号は、レジスタ11に格納されるように構成されている。
【0027】
また、分注用アクチュエータ7には、駆動回路8が接続されており、測定用アクチュエータ9には、駆動回路10が接続されている。これら駆動回路8および駆動回路10は、それぞれ、レジスタ11に接続されており、分注用アクチュエータ7および測定用アクチュエータ9は、駆動回路8および駆動回路10がレジスタ11に記憶(格納)されている後述する制御データに応じた制御信号を出力することによって、前記制御データにしたがい駆動されるように構成されている。
【0028】
また、レジスタ11には、通信インタフェース12が接続されている。通信インタフェース12は、USBのシリアルインターフェースであり、後述するデータ処理ユニット3の通信インタフェース301fとの間をUSBケーブル20により接続可能に構成されている。これにより、データ処理ユニット3に対してデータの送受信を行うことが可能である。
【0029】
データ処理ユニット3は、図1に示すように、パーソナルコンピュータ(PC)などからなり、CPU、ROM、RAMなどからなる制御部301と、表示部302と、入力デバイス303とを含んでいる。また、表示部302は、測定ユニット2から送信されたデジタル信号のデータを処理して得られた分析結果を表示するために設けられている。
【0030】
次に、データ処理ユニット3の構成について説明する。データ処理ユニット3は、図2に示すように、制御部301と、表示部302と、入力デバイス303とから主として構成されたコンピュータによって構成されている。制御部301は、CPU301a(たとえば、Celeron2000Mhz)と、ROM301bと、RAM301c(たとえば、512MBのRAM)と、ハードディスク301dと、読出装置301eと、通信インタフェース301fと、画像出力インタフェース301gとから主として構成されている。CPU301a、ROM301b、RAM301c、ハードディスク301d、読出装置301e、通信インタフェース301fおよび画像出力インタフェース301gは、バス301hによって接続されている。
【0031】
CPU301aは、ROM301bに記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM301cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、後述するようなアプリケーションプログラム304aおよび制御プログラム304bをCPU301aが実行することにより、コンピュータがデータ処理ユニット3として機能する。また、本実施形態では、CPU301aは、測定ユニット2の検出部4、分注用アクチュエータ7および測定用アクチュエータ9を制御するための制御データ(制御信号)を生成するための処理を所定時間毎(平均約100msec毎)に実行するように構成されている。
【0032】
ROM301bは、マスクROM、PROM、EPROM、またはEEPROMなどによって構成されており、CPU301aに実行されるコンピュータプログラムおよびこれに用いるデータなどが記録されている。
【0033】
RAM301cは、SRAMまたはDRAMなどによって構成されている。RAM301cは、ROM301bおよびハードディスク301dに記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU301aの作業領域として利用される。
【0034】
ハードディスク301dは、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU301aに実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびそのコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。後述するアプリケーションプログラム304aおよび制御プログラム304bも、このハードディスク301dにインストール(記憶)されている。
【0035】
読出装置301eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブなどによって構成されており、可搬型記録媒体304に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体304には、コンピュータにデータ処理ユニットとしての機能を実現させるためのアプリケーションプログラム304aおよび制御プログラム304bが格納されており、コンピュータがその可搬型記録媒体304からアプリケーションプログラム304aおよび制御プログラム304bを読み出し、そのアプリケーションプログラム304aおよび制御プログラム304bをハードディスク301dにインストールすることが可能である。
【0036】
なお、上記アプリケーションプログラム304aおよび制御プログラム304bは、可搬型記録媒体304によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータと通信可能に接続された外部の機器から上記電気通信回線を通じて提供することも可能である。たとえば、上記アプリケーションプログラム304aおよび制御プログラム304bがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータに上記コンピュータがアクセスして、そのアプリケーションプログラム304aおよび制御プログラム304bをダウンロードし、これをハードディスク301dにインストールすることも可能である。
【0037】
また、ハードディスク301dには、たとえば、米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのグラフィカルユーザインタフェース環境を提供するオペレーティングシステム(OS)がインストールされている。以下の説明においては、本実施形態に係るアプリケーションプログラム304aおよび制御プログラム304bは上記オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0038】
通信インタフェース301fは、上記した通信インタフェース12と同様に、USBのシリアルインターフェースである。また、通信インタフェース301fには、キーボードおよびマウスからなる入力デバイス303(図1参照)が接続されており、ユーザがその入力デバイス303を使用することにより、データ処理ユニット3にデータを入力することが可能である。また、本実施形態では、データ処理ユニット3の通信インタフェース301fおよび測定ユニット2の通信インタフェース12は、それぞれ、データの転送時間が保証される転送方法であるインタラプト転送により、制御プログラム304bに基づいて生成される制御データ(制御信号)の送受信を行うように構成されている。これにより、本実施形態による測定ユニット2およびデータ処理ユニット3は、データ処理ユニット3のCPU301aにより生成された制御データ(制御信号)が一定の時間内に測定ユニット2に受信されるように構成されている。なお、インタラプト転送とは、所定のデータ量(たとえば1000バイト)を所定時間(たとえば125msec)毎に略確実に転送する転送方法である。
【0039】
画像出力インタフェース301gは、LCDまたはCRTなどで構成された表示部302に接続されており、CPU301aから与えられた画像データに応じた映像信号を表示部302に出力するようになっている。表示部302は、入力された映像信号に基づいて画像(画面)を表示するように構成されている。
【0040】
ここで、本実施形態では、データ処理ユニット3の制御部301のハードディスク301dにインストールされたアプリケーションプログラム304aは、測定ユニット2の通信インタフェース12から送信された側方散乱光、前方散乱光、側方蛍光(デジタル信号のデータ)を用いて測定試料の血球の量を測定するとともに、測定されたデータの処理を行うように構成されている。また、ハードディスク301dにインストールされた制御プログラム304bは、各駆動回路5、8および10と、波形処理回路6とを制御するための制御データ(制御信号)を生成するとともに、生成された制御データは、通信インタフェース301fに接続されているUSBケーブル20を介して測定ユニット2に送信される。その送信された制御データは、通信インタフェース12に接続されたレジスタ11に書き込まれる(格納される)。これにより、測定ユニット2にCPUなどのマイクロプロセッサを設けることなく、データ処理ユニット3のCPU301aによって生成された制御データに基づいて測定ユニット2を制御することが可能となり、測定ユニット2の検出部4、分注用アクチュエータ7および測定用アクチュエータ9を駆動および動作させることが可能となる。また、制御プログラム304bは、上記した測定ユニット2の検出部4、分注用アクチュエータ7および測定用アクチュエータ9のみならず、測定ユニット2のその他の機構部についても動作制御を行うように構成されている。
【0041】
また、本実施形態では、測定データ処理用のプログラムであるアプリケーションプログラム304aは、OSであるWindows(登録商標)のユーザレベルにより実行されるように構成されているとともに、駆動回路5、8および10の制御用プログラムである制御プログラム304bは、Windows(登録商標)のユーザレベルよりも処理の優先順位が高いカーネルレベルにより実行されるように構成されている。
【0042】
具体的には、Windows(登録商標)には、図3に示すように、複数の割り込み要求レベル(IRQL)が設けられており、IRQLは、0から31の階層を有するように構成されている。このIRQLの数字が大きい階層で行われる処理は、その数字よりも数字が小さい階層で行われる処理よりも優先的に実行される。したがって、IRQLの数字が大きい階層(高階層)で行われる処理を実行する際に、数字が小さい階層(低階層)の処理が実行されている場合でも、低階層で行われる処理が中断されて高階層の処理が実行される。そして、本実施形態による血液分析装置1の測定データ処理用のプログラムであるアプリケーションプログラム304aは、図3のPASSIVE_LEVEL(ユーザレベル)において実行されるように構成されており、測定ユニット2の駆動回路5、8および10の制御用プログラムである制御プログラム304bは、図3のDISPATCH_LEVEL(カーネルレベル)において実行されるように構成されている。なお、図3のDISPATCH_LEVELよりも高い階層で行われる処理は、ハードウェア割り込みと言われ、ハードウェア割り込みは、CPU301aが演算処理する間、不定期に複数回実行される。
【0043】
また、本実施形態では、CPU301aは、測定ユニット2の検出部4、分注用アクチュエータ7および測定用アクチュエータ9を制御するための制御データ(制御信号)を生成するための処理を所定時間毎(平均約100msec毎)に実行するように構成されている。
【0044】
図4は、図1に示した一実施形態による血液分析装置のCPUの動作時間について説明するためのタイミングチャートである。このタイミングチャートは、図3に示したIRQLの優先順位の高さを縦軸に表しているとともに、時間を横軸に表している。図2〜図4を参照して、次に、CPU301aがアプリケーションプログラム304aおよび制御プログラム304bを実行する際の処理方法の一例について説明する。
【0045】
まず、図4に示すように、CPU301aにより、PASSIVE_LEVELでアプリケーションプログラム304aが実行されている場合に、時間t0において、DISPATCH_LEVELで制御プログラム304bが制御データを生成するための処理が開始される。この際、CPU301aは、DISPATCH_LEVELの制御プログラム304bを優先的に処理するため、制御プログラム304bを処理している間、PASSIVE_LEVELのアプリケーションプログラム304aの処理を中断する。
【0046】
そして、CPU301aにより、DISPATCH_LEVELで制御プログラム304bが実行されている場合に、時間t1において、DIRQLでハードウェア割り込みが立ち上げられる。この際、CPU301aは、DIRQLのハードウェア割り込みを優先的に処理するため、ハードウェア割り込みを処理している間、DISPATCH_LEVELの制御プログラム304bの処理を中断する。
【0047】
その後、時間t2において、DIRQLのハードウェア割り込みが終了する。そして、ハードウェア割り込みが終了するのに伴って、DISPATCH_LEVELの制御プログラム304bの処理が再開される。この際、CPU301aは、DISPATCH_LEVELの制御プログラム304bを優先的に処理するため、制御プログラム304bを処理している間、PASSIVE_LEVELのアプリケーションプログラム304aの処理は再開しない。
【0048】
その後、時間t3において、DISPATCH_LEVELの制御プログラム304bの処理が終了する。そして、制御プログラム304bの処理が終了するのに伴って、PASSIVE_LEVELのアプリケーションプログラム304aの処理が再開される。
【0049】
そして、時間t0から約100msec後の時間t4において、DISPATCH_LEVELの制御プログラム304bが制御データを生成するための処理が再度開始され、PASSIVE_LEVELのアプリケーションプログラム304aおよびDISPATCH_LEVELの制御プログラム304bの処理が終了するまで上記と同様の動作が繰り返される。
【0050】
なお、制御プログラム304bが制御データを生成するための処理が開始される時間t0と、制御データを生成するための処理が終了する時間t3との間の時間間隔(t3−t0)は、CPUにCeleron2000Mhzが使用され、RAMが512MBの場合において、約0.5msecであり、制御プログラム304bが制御データを生成するための処理が再度開始されるまでの時間間隔(t4−t0:約100msec)の約0.5%である。また、ハードウェア割り込みが開始される時間t1と、ハードウェア割り込みが終了する時間t2との間の時間間隔(t2−t1)は、一般的にたかだか約0.1msecであり、通常無視することができる程度の微少時間である。つまり、制御プログラム304bが制御データを生成するための処理およびハードウェア割り込みがPASSIVE_LEVELのアプリケーションプログラム304aの処理に及ぼす影響を実質的に無視することが可能である。また、上記数値などは、実際に血液分析装置1を使用した場合と同等の負荷をCPU301aに与えた状態で行われたシミュレーション結果に基づいて記載しており、再現可能である。
【0051】
図5および6は、図1に示した本実施形態による血液分析装置の測定ユニットおよびデータ処理ユニットの測定および処理フローを説明するためのフローチャートである。次に、図1、図2、図5および図6を参照して、本発明の一実施形態による血液分析装置1のCPU301aがアプリケーションプログラム304aおよび制御プログラム304bの処理を行う際の動作について説明する。
【0052】
図5のステップS1において、データ処理ユニット3(図1参照)の図示しないメインスイッチがオンされると、CPU301a(図2参照)の初期化が行われた後に、データ処理ユニット3のOSであるWindows(登録商標)が起動される。
【0053】
次に、ステップS2において、CPU301a(図2参照)により、USBケーブル20がデータ処理ユニット3の通信インタフェース301fと測定ユニット2の通信インタフェース12との両方に接続されているか否かが判断される。そして、ステップS2において、USBケーブル20がデータ処理ユニット3の通信インタフェース301fと測定ユニット2の通信インタフェース12との両方に接続されていないと判断された場合には、後述するステップS16に進む。また、ステップS2において、USBケーブル20がデータ処理ユニット3の通信インタフェース301fと測定ユニット2の通信インタフェース12との両方に接続されていると判断された場合には、ステップS3に進む。
【0054】
その後、ステップS3において、CPU301aにより、制御プログラム304bがカーネルレベルのDISPATCH_LEVELにおいて起動され、ステップS4に進む。そして、ステップS4において、スタートメニューから選択、または、デスクトップ上の所定のアイコンがダブルクリックされることによって、アプリケーションプログラム304aの起動指示を受け付けたか否かが判断される。そして、ステップS4において、CPU301aにより、アプリケーションプログラム304aの起動指示を受けたと判断された場合には、ステップS5において、CPU301aにより、アプリケーションプログラム304aがユーザレベルのPASSIVE_LEVELにおいて起動され、ステップS6に進む。また、ステップS4において、CPU301aにより、アプリケーションプログラム304aの起動指示を受けていないと判断された場合には、後述する図6のステップS14に進む。
【0055】
次に、ステップS6において、測定ユニット2に設けられた図示しないスタートスイッチが押されることによって、USBケーブル20を介してデータ処理ユニット3に測定開始指示が送信されたか否かが判断される。そして、ステップS6において、データ処理ユニット3に測定開始指示が送信されたと判断されていない場合には、後述する図6のステップS11に進む。また、ステップS6において、データ処理ユニット3に測定開始指示が送信されたと判断された場合には、ステップS7に進み、アプリケーションプログラム304aと、制御プログラム304bとのプログラム間通信により、測定ユニット2に測定を開始させるように測定開始要求が制御プログラム304bへ発行される。これにより、制御プログラム304bに基づいて、上述したようにCPU301aにより約100msec毎に制御データが生成されるとともに、生成された制御データは、USBケーブル20を介して測定ユニット2のレジスタ11に書き込まれ、駆動回路5、8および10が駆動される。
【0056】
その後、ステップS8において、CPU301aにより、測定ユニット2の検出部4により検出された後に波形処理回路6により処理された測定データが受信されたか否かが判断される。そして、ステップS8において、測定データが受信されていないと判断された場合には、ステップS8の処理を繰り返す。また、ステップS8において、測定データが受信されたと判断された場合には、ステップS9に進む。
【0057】
その後、ステップS9において、CPU301aにより、受信された測定データが処理され、ステップS10に進む。そして、ステップS10において、表示部302に分析結果が表示され、図6のステップS11に進む。
【0058】
その後、図6に示すように、ステップS11において、CPU301aにより、ユーザから血液分析装置1のシャットダウン指示を受け付けたか否かが判断される。ユーザは、データ処理ユニット3の表示部302に表示された図示しないシャットダウンアイコンをクリックすることにより、またはアプリケーションプログラム304aの表示画面中のメニューからシャットダウンメニューを選択することにより、血液分析装置1のシャットダウンの指示を行うことができる。CPU301aは、ステップS11において、シャットダウン指示が受け付けられたと判断されていない場合には、図5のステップS6に処理を戻し、これによってステップS6からステップS11の動作が繰り返される。また、ステップS11において、血液分析装置1のシャットダウン指示が受け付けられたと判断された場合には、ステップS12に進み、アプリケーションプログラム304aと、制御プログラム304bとのプログラム間通信により、測定ユニット2にシャットダウンさせるようにシャットダウンの指示要求が制御プログラム304bに発行される。そして、CPU301aによる制御プログラム304aの実行により、測定ユニット2の各部が洗浄動作等のシャットダウン動作を実行し、その後測定ユニット2の電源が切断される。
【0059】
その後、ステップS13において、CPU301aにより、アプリケーションプログラム304aが終了されるとともに、ステップS14に進む。そして、ステップS14において、USBケーブル20が取り外されることにより、データ処理ユニット3の通信インタフェース301fと、測定ユニット2の通信インタフェース12との接続が切断されたか否かが判断される。そして、ステップS14において、データ処理ユニット3の通信インタフェース301fと、測定ユニット2の通信インタフェース12との接続が切断されていないと判断された場合には、データ処理ユニット3の通信インタフェース301fと、測定ユニット2の通信インタフェース12との接続が切断されるまでステップS14の判断が繰り返される。また、ステップS14において、データ処理ユニット3の通信インタフェース301fと、測定ユニット2の通信インタフェース12との接続が切断されたと判断された場合には、ステップS15に進むとともに、ステップS15において、CPU301aにより、制御プログラム304bが終了され、ステップS16に進む。
【0060】
その後、ステップS16において、CPU301aにより、データ処理ユニット3のOSであるWindows(登録商標)のスタートメニューからシャットダウンが選択されることによってOSのシャットダウンが指示されたか否かが判断される。そして、ステップS16において、OSのシャットダウンが指示されていないと判断された場合には、図5のステップS2に戻る。また、ステップS16において、OSのシャットダウンが指示されたと判断された場合には、ステップS17に進み、CPU301aにより、データ処理ユニット3のOSであるWindows(登録商標)のシャットダウン処理が行われ、処理が終了する。
【0061】
本実施形態では、上記のように、データ処理ユニット3に、検出部4、分注用アクチュエータ7および測定用アクチュエータ9を制御するための制御データを生成するための処理を所定時間(約100msec)毎に実行するCPU301aを設け、CPU301aによって生成された制御データを、測定ユニット2に送信し、測定ユニット2の駆動回路5、8および10を、測定ユニット2から送信された制御データに基づいて、検出部4、分注用アクチュエータ7および測定用アクチュエータ9を駆動するように構成することによって、測定ユニット2にCPUを設けることなく、測定ユニット2の検出部4、分注用アクチュエータ7および測定用アクチュエータ9を駆動することができる。これにより、装置の構成が複雑になるのを抑制し、装置の製造コストを低減することができる。
【0062】
また、本実施形態では、上記のように、駆動回路5、8および10を制御する制御プログラム304bを、ユーザレベルよりも処理の優先順位が高いOSのカーネルレベルにより実行することによって、駆動回路5、8および10を制御する制御プログラム304bが測定データ処理用のアプリケーションプログラム304aよりも優先的に処理されるので、CPU301aが測定データ処理用のアプリケーションプログラム304aを実行するのに伴って、駆動回路5、8および10を制御する制御プログラム304bの所定時間毎の実行が妨害されるのを抑制することができる。これにより、測定データ処理用のアプリケーションプログラム304aの処理状況に関わらず、測定ユニット2の検出部4、分注用アクチュエータ7および測定用アクチュエータ9を安定した状態で動作させることができる。
【0063】
また、本実施形態では、上記のように、データ処理ユニット3および測定ユニット2を、それぞれ、インタラプト転送により制御データの送受信を行うように構成することによって、データ処理ユニット3により生成された制御データを、一定時間内に測定ユニット2に転送することができるので、測定ユニット2の検出部4、分注用アクチュエータ7および測定用アクチュエータ9を安定した状態で動作させることができる。
【0064】
また、本実施形態では、上記のように、USBインタフェースである通信インタフェース301f,12により制御データをインタラプト転送する構成について述べたが、これに限定されるものではなく、たとえば、バルク転送により制御データを転送することもできる。しかしながら、バルク転送の場合には、USBメモリー等のUSBデバイスを使用した場合に、その影響により制御データの転送が100msec(所定時間)毎に行われなくなる場合がある。インタラプト転送を場合にはこのような影響を排除することができるため、インタラプト転送を用いることが好適である。
【0065】
また、本実施形態では、上記のように、測定ユニット2の検出部4、分注用アクチュエータ7および測定用アクチュエータ9を、レジスタ11に格納された制御データに基づいて駆動されるように構成することによって、測定ユニット2側にマイクロプロセッサ(制御部)が設けられていなくても、測定ユニット2のレジスタ11に格納された複数の制御データに基づいて、駆動回路5、8および10が、測定ユニット2の検出部4、分注用アクチュエータ7および測定用アクチュエータ9を駆動することができる。
【0066】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0067】
たとえば、上記実施形態では、本発明を試料分析装置の一例である血液分析装置に適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、測定ユニットとデータ処理ユニットとを備えた試料分析装置であれば、尿分析装置、血液凝固測定装置、免疫分析装置、遺伝子増幅測定装置などの他の試料分析装置に適用してもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、測定ユニットとデータ処理ユニット間をUSBケーブルにより接続するように構成した例について示したが、本発明はこれに限らず、測定ユニットとデータ処理ユニットとをUSBケーブルではなく、PCIバスにより接続するように構成してもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、測定ユニットとデータ処理ユニットとにUSBインタフェースを設け、それぞれをUSBケーブルにより接続した例について示したが、本発明はこれに限らず、たとえば、測定ユニットとデータ処理ユニットとにIEEE1394など他の通信インタフェースを設け、その通信インタフェース用のケーブルにより接続するようにしてもよい。また、測定ユニットとデータ処理ユニットとをワイヤレスUSBなど、無線通信により接続するようにしてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、制御プログラムをカーネルレベルのDISPATCH_LEVELにより処理するように構成した例について示したが、本発明はこれに限らず、制御プログラムがユーザレベルのPASSIVE_LEVELよりも優先順位の高いIRQLにより処理されれば、制御プログラムをDISPATCH_LEVEL以外の優先順位のIRQLにより処理するように構成してもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、制御プログラムを、CPUが制御データを生成するための処理を約100msec毎に実行するように構成した例について示したが、本発明はこれに限らず、制御プログラムを、CPUが制御データを生成するための処理を約100msecよりも短いまたは長い時間毎に実行するように構成してもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、アプリケーションプログラムおよび制御プログラムを、Windows(登録商標)からなるOSにより実行されるように構成した例について示したが、本発明はこれに限らず、複数の割り込み要求レベルを有するOSであれば、アプリケーションプログラムおよび制御プログラムを、たとえば、リナックスなどの他のOSにより実行されるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の一実施形態による血液分析装置の全体構造を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態による測定ユニットおよびデータ処理ユニットの構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示した一実施形態による血液分析装置において使用するOSの構成を説明するための図である。
【図4】図1に示した一実施形態による血液分析装置のCPUの動作時間について説明するためのタイミングチャートである。
【図5】図1に示した本実施形態による血液分析装置の測定ユニットおよびデータ処理ユニットの測定および処理フローを説明するためのフローチャートである。
【図6】図1に示した本実施形態による血液分析装置の測定ユニットおよびデータ処理ユニットの測定および処理フローを説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0074】
1 血液分析装置
2 測定ユニット
3 データ処理ユニット
4 検出部
5、8、10 駆動回路
7 分注用アクチュエータ
9 測定用アクチュエータ
11 レジスタ
12 通信インタフェース
20 USBケーブル
301a CPU
301d ハードディスク
301f 通信インタフェース
304a アプリケーションプログラム
304b 制御プログラム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を測定し、測定データを出力する測定ユニットと、
前記測定ユニットにより出力された測定データを処理するデータ処理ユニットとを備え、
前記測定ユニットは、
試料を分析するための動作機構と、
前記動作機構を駆動する駆動回路と、
外部との通信が可能な第1通信部とを備え、
前記データ処理ユニットは、
前記動作機構を制御するための制御データを生成するための処理を所定時間毎に実行するマイクロプロセッサと、
前記第1通信部と通信可能であり、前記マイクロプロセッサによって生成された制御データを前記第1通信部へ送信する第2通信部とを備え、
前記駆動回路は、前記第1通信部によって受信された制御データに基づいて、前記動作機構を駆動するように構成されている、試料分析装置。
【請求項2】
前記測定ユニットは、マイクロプロセッサを有しないように構成されている、請求項1に記載の試料分析装置。
【請求項3】
前記第1通信部と、前記第2通信部とは、USBインタフェースである、請求項1または2に記載の試料分析装置。
【請求項4】
前記第1通信部および前記第2通信部は、それぞれ、インタラプト転送により制御データの送受信を行うように構成されている、請求項1に記載の試料分析装置。
【請求項5】
前記データ処理ユニットは、前記制御データを生成するための制御プログラムを記憶する記憶部を備え、
前記マイクロプロセッサは、前記記憶部に記憶された制御プログラムを、OSのカーネルレベルにより実行するように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の試料分析装置。
【請求項6】
前記動作機構は、試料を測定して測定データを生成する測定機構を含み、
前記第1通信部は、前記測定機構によって生成された測定データを前記第2通信部へ送信するように構成されており、
前記記憶部は、前記測定データを処理するための測定データ処理プログラムをさらに記憶し、
前記マイクロプロセッサは、前記記憶部に記憶された測定データ処理プログラムにより前記測定データを処理するように構成されている、請求項5に記載の試料分析装置。
【請求項7】
前記マイクロプロセッサは、前記測定データ処理プログラムを、OSのユーザレベルにより実行するように構成されている、請求項6に記載の試料分析装置。
【請求項8】
前記マイクロプロセッサは、前記動作機構を制御するための制御データを生成するための処理を平均して100msec以下の時間毎に実行するように構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の試料分析装置。
【請求項9】
前記動作機構は、試料の分注に用いられる第1アクチュエータと、試料の測定に用いられる第2アクチュエータと、試料を検出する検出部とを含み、
前記第1アクチュエータ、前記第2アクチュエータおよび前記検出部は、前記マイクロプロセッサによって生成された制御データに基づいて動作されるように構成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の試料分析装置。
【請求項10】
前記測定ユニットは、前記マイクロプロセッサによって生成された制御データを格納する記憶部をさらに備え、
前記動作機構は、前記測定ユニットの記憶部に格納された制御データに基づいて駆動されるように構成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の試料分析装置。
【請求項11】
動作機構を備えており、前記動作機構が動作することによって試料を測定する測定装置の前記動作機構を制御するための制御プログラムを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された制御プログラムを実行し、前記動作機構を制御するための制御信号を所定時間毎に生成するマイクロプロセッサと、
前記測定装置と通信可能に接続されており、前記マイクロプロセッサによって生成された制御信号を前記測定装置へ送信する通信部とを備える、データ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−85622(P2009−85622A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−252217(P2007−252217)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.リナックス
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】