説明

試料容器を移送するように適応された方法、システムおよび装置

試料容器、例えば、栓付きの試料管を移送するように適応された方法を開示する。一つの態様では、方法は、グリッパ装置の第一のグリッパ対で試料管体を、第二のグリッパ対で栓を把持する工程を包含する。もう一つの態様では、安着部材が栓に接触し、試料容器の位置付けを支援することができる。他の態様のように、方法を実施するための装置およびシステムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、すべての目的のため、全体を引用例として開示が本明細書に取り込まれる、2009年8月7日に提出され、「Robotic Tube Transport System」と題する、米国仮特許出願第61/232,021号(整理番号2009P04772US)の優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、一般的に、試料容器(例えば、試料管)を位置間で移送するために適応されている、方法、システムおよび装置に関する。
【0003】
発明の背景
患者から採取した生体液、例えば、全血、血清、血漿、間質液、尿などにおいて、様々な化学成分を測定するための臨床検査室内での試験では、自動臨床分析器および他の自動機器(例えば、遠心機)により、分析または分析前処理を行うために要求される熟練技師数を低減し、全体的な精度を改善し、行われる作業毎の費用を低減することができる。
【0004】
通常、分析前処理を行うための自動分析器または自動機器は、一つの位置からもう一つに試料容器(例えば、試料管)を自動的に移送するように適応されている、自動システム(例えば、ロボット)を包含することができる。
【0005】
移送作業中、ロボットコントローラの制御下のロボットは、試料容器を把持するため、一対のフィンガを位置付けることができる。移送工程中、時には、フィンガ内で管が滑ることができ、したがって、次の作業にとって不適切に位置付けられることができる。加えて、特に、試料容器が各種のサイズおよびタイプにわたる(換言すれば、異なる幅および/または長さの試料管体および様々な構成の栓を有する)ことができるとすれば、フィンガ内の位置が不明であることができる。そのため、ロボットコントローラは、試料容器がフィンガ内で不適切に位置付けられていることから、試料容器を受けるように適応されたレセプタクルに試料容器を激突させるか、さもなければ、試料容器がレセプタクルに不適切に挿入される(例えば、底部に達しない)ことを許容するかのいずれかであることができる。それゆえに、本発明者は、上記の問題が生じない、試料容器を移送する方法が要望されていることを認めた。
【発明の概要】
【0006】
第一の態様によると、本発明は、グリッパ装置を提供する。グリッパ装置は、グリッパ軸と平行に配置されている、第一および第二の可動ジョウを包含する、グリッパ部品;第一の可動ジョウに連結した第一のフィンガ;第二の可動ジョウに連結した第二のフィンガであって、第一および第二のフィンガが試料容器を把持するように適応されている、第二のフィンガ;および第一および第二のフィンガに隣接して位置付けられ、グリッパ軸に沿って可動である安着部材であって、第一および第二のフィンガが開放構成にあるとき、試料容器の栓に接触するように適応されている、安着部材を包含する。
【0007】
もう一つの態様によると、本発明は、試料容器移送システムを提供する。システムは、少なくとも一つの座標方向に可動である、ロボット装置;およびロボット装置に連結し、ロボット装置によって可動であるグリッパ装置であって、それぞれ、グリッパ軸と平行に配置されている、第一の可動ジョウおよび第二の可動ジョウを包含する、グリッパ部品と、第一の可動ジョウに連結した第一のフィンガと、第二の可動ジョウに連結した第二のフィンガであって、第一および第二のフィンガが試料容器を把持するように適応されている、第二のフィンガと、第一のフィンガおよび第二のフィンガに隣接して位置付けられ、グリッパ軸に沿って可動であり、第一および第二のフィンガが開放構成にあるとき、試料容器の栓に接触するように適応されている、安着部材とを包含する、グリッパ装置を包含する。
【0008】
本発明は、試料容器を移送する方法も提供する。方法は、それぞれ、グリッパ軸と平行に配置されている、第一の可動ジョウおよび第二の可動ジョウを包含する、グリッパ部品を提供する工程;第一の可動ジョウに連結した第一のフィンガを提供する工程;第二の可動ジョウに連結した第二のフィンガを提供する工程;グリッパ軸に沿って可動であり、第一および第二のフィンガに隣接して位置付けられている安着部材に対し、第一および第二のフィンガが開放構成にあるときに、試料容器の栓を接触させる工程;および第一のフィンガおよび第二のフィンガで試料容器を把持する工程を包含する。
【0009】
もう一つの態様によると、本発明は、グリッパ装置を提供する。装置は、第一の可動ジョウおよび第二の可動ジョウを包含する、第一のグリッパ部品;第三の可動ジョウおよび第四の可動ジョウを包含する、第二のグリッパ部品;第一の可動ジョウに連結した第一のフィンガ;第二の可動ジョウに連結した第二のフィンガであって、第一のフィンガおよび第二のフィンガがそれぞれ、グリッパ軸と平行に配置され、試料容器の試料管体を把持するように適応されている、第二のフィンガ;第三の可動ジョウに連結した第三のフィンガ;および第四の可動ジョウに連結した第四のフィンガであって、第三のフィンガおよび第四のフィンガがそれぞれ、グリッパ軸と平行に配置され、試料容器の栓を把持するように適応されている、第四のフィンガを包含する。
【0010】
もう一つの態様によると、本発明は、試料容器移送システムを提供する。システムは、少なくとも一つの座標方向に可動であるように適応されている、ロボット装置;およびロボット装置に連結し、ロボット装置によって移動するように適応されるグリッパ装置であって、それぞれ、グリッパ軸と平行に配置されている、第一の可動ジョウおよび第二の可動ジョウを包含する、第一のグリッパ部品と、グリッパ軸と平行に配置されている、第三の可動ジョウおよび第四の可動ジョウを包含する、第二のグリッパ部品と、第一の可動ジョウに連結した第一のフィンガと、第二の可動ジョウに連結した第二のフィンガであって、第一のフィンガおよび第二のフィンガが試料容器の試料管体を把持するように適応されている、第二のフィンガと、第三のフィンガおよび第四のフィンガが試料容器の栓を把持するように適応されている、第三の可動ジョウに連結した第三のフィンガと、第四の可動ジョウに連結した第四のフィンガとを包含する、グリッパ装置を包含する。
【0011】
本発明は、試料容器を移送する方法も提供する。方法は、グリッパ装置のフィンガの第一の対により、試料容器の試料管体を把持する工程;グリッパ装置のフィンガの第二の対により、試料容器の栓を把持する工程;およびグリッパ装置により、把持されている試料容器を第一の位置から第二の位置に移送する工程を包含する。
【0012】
本発明のなお他の態様、フィーチャおよび効果は、本発明を実施するために企図された最良の形態を包含する、数多くの例示的な実施態様および具現化を例示することにより、以降の詳細な説明から容易に明白であることができる。本発明は、他および異なる実施態様にも対応可能であり、そのいくらかの詳細は、本発明の本質および範囲をまったく逸することなく、様々な点で修正することができる。それゆえに、図面および説明は、例証的な性質であり、限定的と見なされない。図面は、必ずしも縮尺通りに描かれていない。本発明は、本発明の本質および範囲内にある、すべての変形、均等物および代替を網羅する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
以下の図面に伴い、提示されている詳細な説明を参照することにより、本発明がよりよく理解される。
【図1A】本発明の態様による試料容器移送システムの部分断面概略側面図である。
【図1B】例示的な試料ラックの概略側面図である。
【図1C】本発明の態様による代替グリッパ装置の部分断面側面図である。
【図1D】切断線1D−1Dに沿って提示された、図1Cのグリッパ装置の下面図である。
【図1E】完全に伸張して示された安着部材を包含する、本発明の態様による代替グリッパ装置の部分断面側面図である。
【図1F】完全に伸張して示された安着部材を包含する、本発明の態様による代替グリッパ装置の部分断面側面図である。
【図2A】本発明の態様による試料容器移送システムの例示的な実施態様の斜視図である。
【図2B】本発明の態様によるグリッパ装置の例示的な実施態様の斜視図である。
【図2C】本発明の態様によるグリッパ装置の例示的な実施態様の斜視図である。
【図3A】本発明の態様によるグリッパ装置のもう一つの例示的な実施態様の斜視図である。
【図3B】図3Aのグリッパ装置の例示的な実施態様の様々な部品を例示する、分解図である。
【図3C】図3Aのグリッパ装置の実施態様の下面図である。
【図3D】試料容器を把持している、図3Aのグリッパ装置の実施態様の部分断面側面図である。
【図3E】試料容器を把持して示されている、図3Aのグリッパ装置の実施態様の斜視図である。
【図3F】例示的な試料ラックのポストを把持して示されている、図3Aのグリッパ装置の実施態様の斜視図である。
【図3G】レセプタクルに挿入された試料容器を把持している、図3Aのグリッパ装置の実施態様の部分断面斜視図である。
【図4A】本発明の態様による試料容器移送システムのもう一つの例示的な実施態様の斜視図である。
【図4B】図4Aの試料容器移送システムの例示的な実施態様の側面図である。
【図4C】図4Aの試料容器移送システムの例示的な実施態様の上面図である。
【図5】本発明の実施態様による方法を例示する、流れ図である。
【図6】本発明の実施態様による他の方法を例示する、流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
前記の困難を考慮し、試料容器移送システムにおいて、試料容器(例えば、試料管)が滑るか、グリッパ装置により、不適切に把持される傾向を低減することが依然として要望されている。加えて、試料容器移送システムにより、グリッパ装置内またはピックもしくはプレース目標位置において、試料容器(例えば、試料管)が不適切に位置付けられる傾向を低減することが依然として要望されている。試料管体のサイズ(例えば、長さおよび/または直径)および/または栓の構成が相当に変動できることから、これが発生することができる。
【0015】
それゆえに、一つの態様では、ロボット装置に設置されたグリッパ装置(例えば、デュアル平行ジョウグリッパ装置)を包含するか、それからなる、試料容器移送システムを提供する。グリッパ装置のグリッパ部品は、共通のグリッパ軸に沿って設置されていることができる。それぞれのグリッパ部品は、試料管体および栓を有する試料容器を把持するように設計されている、それに連結したフィンガを包含することができる。フィンガの第一のセット(対)は、低い固定位置で試料管を把持するように適応されている。フィンガの第二のセット(対)は、栓(例えば、栓の側面)を把持するように適応されている。それゆえに、試料管体の高さもしくは幅または栓の形状もしくはサイズにかかわらず、試料容器の確実な把持が提供される。フィンガの両方のセットは、大きい直径または小さい直径の試料管体および様々なサイズおよび形状の栓に対処することができる。
【0016】
もう一つの例示的な実施態様では、グリッパ装置は、グリッパ軸に実質的に平行な方向において、フィンガの端部に向かって伸張することができる、安着部材(例えば、プランジャ)を包含することができる。とりわけ、いくつかの実施態様では、安着部材は、フィンガが開放構成にあるときに収縮することができ、フィンガが閉鎖構成にあるときに、フィンガの端部から収縮することができる。この方式では、試料容器を位置から取得するピック作業中、栓の上面に接触するように、安着部材が適応されていることができる。フィンガが閉鎖構成にあるとき、安着部材(例えば、プランジャ)は、収縮(例えば、上方に移動)することができる。いくつかの事例(例えば、ピック作業中)では、安着部材に連結した位置センサにより、栓の位置についての位置情報を取得することができるように、安着部材は、栓に接触すると、実質的に自由に上方に移動することが許容されることができる。同様の方式では、フィンガが開放構成にあるとき、例えば、試料容器がレセプタクルにプレースされる、プレース作業をグリッパ装置が行っているとき、安着部材(例えば、プランジャ)は、フィンガから試料容器を押し出すためのストリッパとしての役割を果たすことができる。
【0017】
さらなる実施態様によると、グリッパ装置または試料容器移送システムは、垂直負荷制限デバイス(例えば、リニアクラッチまたはクラッシュスライド)を包含することができる。垂直負荷制限デバイスは、グリッパ装置上またはロボット装置とグリッパ装置との間の他の場所に設置されていることができる。垂直負荷制限デバイスは、(事前設定された負荷を超えることを介して)衝突を検出し、(例えば、Z軸に沿って)分離するように機能することができる。これにより、グリッパ装置は、その前進動作を停止し、それにより、ピックまたはプレース目標位置、(ガラスであることができる)試料容器またはグリッパ装置の過負荷を防止することが可能になり、激突が発生することができるそのような目標位置に対し、グリッパ装置がさらに接近することを防止することができる。
【0018】
本明細書における図1A〜6を参照しながら、本発明のこれらおよび他の態様およびフィーチャを記載する。
【0019】
ここで、図1Aを参照すると、試料容器移送システム100を例示している。試料容器移送システム100は、グリッパ装置104に連結したロボット装置102を包含する。ロボット装置102およびグリッパ装置104は、共に、試料容器106を把持し、例として、第一の位置と第二の位置との間で試料容器106の動作を実施するように適応されている。図1Bに示すように、第一の位置は、例として、一つ以上の試料容器106が受けられ、処理を待機している、試料ラック108にあることができる。第二の位置は、試料容器106に含有された検体がさらなる処理または分析を経ることができる、臨床分析器、自動輸送システムまたは他の機器個体(例えば、分析前処理機器)の位置であることができる。例として、第二の位置は、試料容器106を受けるように適応されている、レセプタクル110であることができる。レセプタクルは、任意のサイズまたは形状であることができ、臨床分析器または機器個体に一体化されていることができる。例として、レセプタクルは、遠心機内に受けられているか、遠心機の一部であることができる。
【0020】
ロボット装置102は、少なくとも一つの座標方向にグリッパ装置104を移動させるため、任意の好適なタイプのロボットを包含することができる。例として、いくつかの実施態様では、ロボット装置は、Z軸動作能力のみを持つ、簡易なZ軸ロボットであることができる。他の実施態様では、ロボット的装置102は、X軸およびZ軸動作能力のみを持つ、XZ軸ロボットであることができる。このバージョンでは、ロボット的装置102は、一つの位置から試料容器106をピックし、Z軸においてグリッパ装置104を上昇させ、X軸方向に沿って進み、その後、グリッパ装置104を下降させ、レセプタクル110内に試料容器106をプレースすることができる。なおさらにもう一つの実施態様では、図1Aに例示するように、ロボット的装置102は、X軸、Y軸およびZ軸動作能力を持つ、XYZ軸ロボットであることができる。この方式では、ロボット的装置102は、一つの位置から(例えば、試料容器108から)試料容器106をピックし、Z軸においてグリッパ装置104を上昇および/または下降させ、X軸方向およびY軸方向(図1Aの紙の内外)に沿って進み、その後、グリッパ装置104を下降させ、例として、レセプタクル110内に試料容器106をプレースすることができる。
【0021】
ロボット装置102は、スカラタイプ(SCARA-type)ロボットであることができ、固定軸116の周りにアームアセンブリ114の回転を引き起こし、例として、(X軸およびY軸方向の)水平動作能力を提供するように適応されている、回転式モータ112(例えば、ステッパモータ)を包含することができる。アームアセンブリ114は、相互に対して相対的に順にはめ込むか、さもなければ、相互に対して相対的に移動することができる、一つ以上のアームを包含することができる。例として、いくつかの実施態様では、アームアセンブリ114は、フォアアーム部品、エルボ部品および上部アーム部品を包含することができる。そのうえ、アームアセンブリ114とグリッパ装置104との間に連結している、任意の好適なタイプのリニアアクチュエータ118(例えば、空気式、液圧式、電気式等)により、垂直のZ軸に沿って、グリッパ装置104の垂直動作を提供することができる。
【0022】
ロボット位置制御サブシステム122を利用し、すべてのロボット動作を実行するように適応されている、コントローラ120により、回転式アクチュエータ112およびリニアアクチュエータ118の動作を制御することができる。位置制御サブシステム122は、ピックおよびプレース作業を実現するために提供されている、所定かつプログラミングされた動作ルーチンにより、動作を制御することができる。センサ124、126または他のフィードバック部品もしくはシステムにより、ロボット位置制御サブシステム122に好適な位置/回転フィードバックを提供することができる。コントローラ120が行う制御機能は、任意の好適なコンピュータ、プロセッサなどにより、提供することができる。ロボット装置102のロボット工学および位置制御は、全面的に従来のものであり、本明細書においてさらに記載しない。
【0023】
ここで、本明細書における図1A〜1Eを参照しながら、グリッパ装置104の様々な広範囲にわたる先進的な態様を詳細に記載する。第一に、図1Aを参照すると、グリッパ装置104は、一つの態様では、試料管体106Aおよび栓106Bの両方で試料容器106を同時に把持するように適応され、動作可能であることができる。この方式では、一つの試料容器106から次にかけて、試料管体106Aおよび/または栓106Bのサイズが極めて可変的であることができるときでも、試料容器106の優れた把持作用が提供される。
【0024】
第一のグリッパ部品128および第二のグリッパ部品130を包含することにより、管体106Aおよび栓106Bを同時に把持するための働きを達成することができる。第一および第二のグリッパ部品128、130は、図1Dの実施態様に示すように、並列構成で配置されていることができる。部品128、130の並列構成は、図1Aおよび1Eの実施態様と同一である。グリッパ部品128、130は、平行ジョウグリッパ、例えば、ミシガン州シャーレボイのDe-Sta-Coから入手可能である、二つのジョウのモデルであるDPDLシリーズ平行グリッパであることができる。しかし、可動ジョウ、例えば、平行または非平行でもある可動ジョウを包含する、任意の好適なグリッパ部品を使用することができる。グリッパ部品128、130を電気的、空気的または液圧的に駆動し、ジョウを開放および閉鎖することができる。また、本発明は、チャックタイプである、三つのジョウのグリッパ部品に適応されていることができる。
【0025】
描写した実施態様では、第一のグリッパ部品128の対向ジョウ128A、128Bを作動させ、矢印135で指示した方向に沿って開放および閉鎖するように、ジョウ128A、128Bに機械的に連結している、第一のフィンガ134Aおよび第二のフィンガ134B(第一のフィンガ対)を移動させることができる。同じように、第二のグリッパ部品130の対向ジョウ130A、130Bは、第三および第四のフィンガ140A、140Bに機械的に連結していることができる。ジョウ130A、130Bに連結している、第三および第四のフィンガ140A、140B(第二のフィンガ対)を移動させる(開放および閉鎖する)ように、ジョウ130A、130Bも矢印137で指示した方向に沿って開放および閉鎖するために可動である。この結果、第一および第二のフィンガ134A、134Bならびに第三および第四のフィンガ140A、140Bの動作を独立して制御する働きがもたらされる。そのため、フィンガ134A、134Bの第一の対は、(例えば、栓106Bの下部におけるその上部部位で)試料管体106Aに接触し、把持するように適応され、フィンガ140A、140Bの第二の対は、(例えば、その側面で)栓106Bに接触し、把持するように適応されていることができる。
【0026】
いくつかの代替実施態様では、フィンガ134A、134Bおよびフィンガ140A、140Bは、グリッパ軸142に沿って位置決めされていることができ、それぞれの対は、グリッパ軸142を挟んで対向する向きに位置付けられていることができる。いくつかの実施態様では、フィンガの一つの対をもう一つの対内に埋め込み、それにより、比較的限られた空間内で同一の横断方向(例えば、水平)に沿って、把持作用を提供することが可能になる。試料容器106を移送する位置の一つについて、多くの密に離間した試料容器106を包含する、試料ラック108であるとき、これが要求されることができる(図1Bを参照されたい)。例として、図1Cの実施態様に示すように、フィンガ140A、140Bの部位は、フィンガ134A、134Bに形成された凹部143A、143Bで受けられていることができる。いくつかの実施態様では、栓106Bを把持するように適応されている第二の対140A、140Bは、第一の対134A、134Bよりも長さにおいて短い。
【0027】
図1Fに記載されているような、もう一つの広範囲にわたる態様によると、グリッパ装置104は、第一および第二の可動ジョウ128A、128Bを包含する単一のグリッパ部品128のみを包含し、第一のフィンガ134Aが第一の可動ジョウ128Aに連結し、第二のフィンガ134Bが第二の可動ジョウ128Bに連結している。作業では、第一および第二のフィンガ134A、134Bは、上記の実施態様のように、試料容器106(図示せず)を把持するように適応されている。加えて、安着部材144は、第一および第二のフィンガ134A、134Bに隣接して提供および位置付けられていることができ、グリッパ軸142に沿って可動(例えば、並進可能)であることができる。
【0028】
安着部材144は、栓106Aに接触するように適応され、機能する、任意の好適な部材であることができる。例として、安着部材144は、円筒状に形状化されたパックであることができる。場合により、安着部材144は、簡易的にロッドまたはシャフトの端部であることができる。グリッパ軸142に平行な(好ましくは、一致した)方向において、移動が制約されたシャフト148により、安着部材144の並進能力(伸張および収縮)を提供することができる。任意の好適なスライド部材、例えば、シャフト148に係合した軸受(例えば、リニア軸受)またはブッシング(図示せず)により、動作抑制を提供することができる。任意の好適なリニア動作生成装置149、例えば、リニアモータ、リニアサーボモータ、リニア駆動、駆動モータおよびギアアセンブリ等により、グリッパ軸142に沿って、安着部材144の制御されたリニア動作を提供することができる。センサ150(または複数のセンサ)を提供し、グリッパ軸142に沿った安着部材144の位置を検知し、安着部材144の位置を確定するため、好適な位置コントローラ146に位置情報を提供することができる。センサ150は、例として、LVDTであることができる。リニア動作を検知するように適応されている、他のセンサを利用することができる。優れた位置制御と共に、試料容器106の管体106Aのみを把持することが求められる場合、図1Aのグリッパ装置104の代わりに、単一のジョウ対および安着部材144からなる、図1Eのグリッパ装置104を挿入することができる。
【0029】
先に記載したような類似の安着部材144、リニア動作生成装置149およびセンサ150は、図1Aおよび1Eならびに図1Cおよび1Dの実施態様で提供されていることもできる。それぞれの安着部材144を駆動している、それぞれのリニア動作生成装置149は、安着部材位置制御146に対し電気的に連結していることができ、安着部材位置制御146は、第一および第二のフィンガ134A、134Bと平行して、事前プログラミングされた任意の伸張または収縮位置まで、安着部材144を駆動するように適応されていることができる。
【0030】
作業では、安着部材144は、試料容器106の移送サイクル中の様々な時間において、試料容器106の栓106Bに接触するように適応されていることができる。例として、第一および第二のフィンガ134A、134Bが開放構成にあり、グリッパ装置102が第一の位置で(例えば、試料ラック108から)試料容器106をピックするように配置されているとき、安着部材144は、完全またはほぼ完全に伸張していることができる。例として、図1Eに示すように、安着部材144は、フィンガ134A、134Bの端部に向かって位置付けられていることができ、フィンガ134A、134Bが開放構成で示されている。認められるべきであるように、本発明のこの態様は、安着部材144に合わせて稼動する、フィンガの単一の対のみを要求する。しかし、試料管体106Aおよび栓106Bの両方を把持することが望ましいときには、追加的なフィンガ(例えば、フィンガ140A、140B)を用いることができる。
【0031】
個々にグリッパ部品128、130が連結している第一のフィンガ対制御151および第二のフィンガ対制御153により、フィンガ134A、134Bおよびフィンガ140A、140Bの動作の制御を実現することができる。グリッパ部品128、130が電気式であるとき、連結は、電気式であることができる。グリッパ部品128、130が液圧式または空気式であるとき、サーボ、ポンピング機構またはバルブへの連結であることができる。事前プログラミングされたルーチンにより、フィンガ対制御151、153からの好適な制御信号を介し、フィンガ134A、134Bおよび140A、140Bの個々の開放および閉鎖を適切に制御することができる。フィンガ134A、134Bおよび140A、140Bの動作は、好ましくは、安着部材144の作業と連係している。
【0032】
加えて、試料容器移送システム100は、制限デバイス155を包含することができる。制限デバイス155は、リニアクラッチ、クラッシュスライドまたは他の力もしくは動作制限デバイスであることができる。制限デバイス155は、グリッパ装置104上またはロボット装置102とグリッパ装置104との間の他の場所に設置されていることができる。例として、制限デバイス155は、グリッパ装置104に付加されているブラケット156に設置されていることができる。制限デバイス155は、ロボット装置102の垂直シャフト158を受けることができる。制限デバイス155は、(事前設定された負荷を超えることを介して)衝突を検出し、シャフト158が制限デバイス155内にスライドすることを許容することにより、(例えば、Z軸に沿って)分離するように機能することができる。これにより、Z軸方向において、グリッパ装置104がその前進動作を停止し、それにより、試料容器移送システム100の負荷経路およびピックまたはプレース目的位置において、フィンガ134A、134Bおよび/もしくは140A、140B、試料容器106または任意の他の部品の過負荷を防止することが可能になる。
【0033】
グリッパ装置204を包含する、試料容器移送システム200のもう一つの実施態様を図2A〜2Cに示す。これまでに記載した実施態様のように、試料容器移送システム200は、ロボット装置202およびグリッパ装置204を包含する。ロボット装置202は、アームアセンブリ214の回転を引き起こすように適応されている、回転式モータ212を包含し、軸216の周りのグリッパ装置204の回転を引き起こす。垂直モータ218により、グリッパ装置204の垂直動作を提供することができ、シャフト218Aが垂直に上方(+Z)および下方(−Z)に移動することを引き起こす。グリッパ装置204に連結していることができるブラケットアセンブリ219に対し、シャフト218Aが連結していることができる。
【0034】
ブラケットアセンブリ219は、制限デバイス221、例えば、リニアクラッチ装置を包含することができ、リニアクラッチ装置は、Z軸に沿った垂直方向(+Z)において、グリッパ装置204に印加されることができる負荷を制限するように機能する。制限デバイス221は、設計された所定の力レベルが加わると滑る、クラッチ部位221Aを包含することができる。クラッチ部位221Aは、クラッチシャフト221Bに摩擦係合していることができ(図2Cを参照されたい)、既定の負荷を超えたときに、クラッチ部位221Aとクラッチシャフト221Bとの間の相対的動作が発生することができる。例えば、キーおよびキー溝、一つよりも多いシャフトの使用または他の好適な機構により、クラッチ部位221Aに対する相対的なクラッチシャフト221Bの回転止めを提供することができる。負荷が除去されると、グリッパ装置204は、実質的に自由に中立位置(例えば、非トリップ位置)に戻ることができる。
【0035】
これまでの実施態様のように、デュアル可動ジョウグリッパ部品228、230が提供されている。これらの部品228、230は、ブラケット231に設置され、連結していることができる。グリッパ部品228、230の移動により、フィンガ対234、240の動作(開放および閉鎖)が引き起こされる。とりわけ、コネクタブラケット233A、233Bおよび235A、235Bは、グリッパ部品228、230のジョウ228A、228B、230A、230Bと、フィンガ対234、240との間を接続している。一つ以上のばね237で個々のブラケット間(例えば、233A、233Bおよび235A、235B)を接続して、閉鎖状態に対し、グリッパ部品228の安全側故障を確保することができる。図2Cでは、ばね237は、未接続で示されている。低いフィンガ対234は、試料容器206の管体106を把持するように適応されている一方、上部の対240は、栓206Bを把持するように適応されている。
【0036】
安着アセンブリ241もブラケット231に連結し、設置されていることができる。安着アセンブリ241は、安着部材244の垂直動作を引き起こすように機能する。安着アセンブリ241は、安着部材244の動作を引き起こすように適応されている垂直モータ249と、安着部材244と、センサとを包含することができる。安着部材244の位置について、フィードバック情報を提供するため、様々なセンサ250A、250Bが提供されていることができる。例として、端部スイッチを使用することができる。他のタイプの位置センサを使用することができる。
【0037】
ここで、図3A〜3Gを参照すると、グリッパ装置304のもう一つの実施態様の様々な図を提供している。要素の多くがこれまでに記載した実施態様に類似しているので、説明が簡単である。グリッパ装置304は、それぞれ、可動ジョウ328A、328B、330A、330Bを有する、第一および第二のグリッパ部品328、330;板状のコネクタブラケット333A、333Bを介し、可動ジョウ328A、328Bに連結している、第一および第二のフィンガ334A、334B;板状のコネクタブラケット335A、335Bを介し、可動ジョウ330A、330Bに連結している、第二および第三のフィンガ340A、340B;安着部材344、シャフト348、リニア動作生成装置349、制限デバイス355およびブラケット356を包含することができる。明らかに見てとれるように、フィンガ340A、340Bの一つ以上は、栓106Bの把持を支援するため、その把持表面に沿って鋸歯状を包含することができる。この実施態様では、安着部材344は、シャフト348に接続したロッドの端部として提供されている。
【0038】
図3Fは、第一の位置に配設されたグリッパ装置304を例示している。いくらかの試料容器106が試料ラック308に受けられ、試料管体106Aの異なる高さおよび栓106Bの異なる構成を有して例示されている。本発明は、異なる形状および構成を有する、そのような試料容器106を試料ラック308からピックし、その後、これらのピックされた試料容器106を第二の位置でプレースすることに長けている。加えて、ピック作業により、実際に、試料ラックを第一の位置から第二の位置に移送することができる。図3Fは、第一の位置で試料ラックのピック作業を行っていることを例示している。この試料ラック上では、管および栓構成を模している、中央ポスト360が試料ラック308の本体から伸張している。中央ポスト360は、ポスト本体から横向きに伸張し、フィンガ対334A、334Bの一つ以上の側面に整列するように適応されている、一つ以上の側面エクステンダ360Aを包含する。フィンガ334A、334Bの一つ以上の側面上に切欠きが形成されていることができ、切欠きは、側面エクステンダ360Aの部位の近似形状を有し、係合して整列をさらに支援する。試料ラック308のプレース作業を、公知のグリッパ装置304に対する相対的な試料ラック308の向きに正確に実施することができるように、側面エクステンダ360Aは、試料ラック308の回転的な位置決めが維持されることを補助する。
【0039】
図3Gは、プレース作業の一部として、試料管体106Aおよび栓106Bを包含する、試料容器106がレセプタクル310(断面で示されている)内に挿入されている、グリッパ装置およびロボット装置(図3Gでは図示せず)による作業を例示している。レセプタクル310は、試料容器106を受け、試験のため、様々な前処理作業または臨床分析器に容器を搬送するために使用することができる。
【0040】
ここで、図4A〜4Cを参照すると、試料容器移送システム400のもう一つの実施態様の様々な図を提供している。この実施態様では、ロボット装置402は、グリッパ装置404のX軸、Y軸およびZ軸動作を実施し、それにより、グリッパ装置404が把持した試料容器(例えば、106)の三軸動作を許容するための、リニアX軸ステージ402X、リニアY軸ステージ402YおよびリニアZ軸ステージ402Zを包含する、多段ロボット装置である。例として、図1A〜1E、図2A〜2Cおよび図3A〜3Gを参照しながら示し、記載したように、グリッパ装置404は、任意の上記のグリッパ装置タイプであることができる。
【0041】
ロボット装置404は、任意の好適なフレーム405上に設置されていることができる。フレーム405は、様々な固定位置でその上に設置されている、一つ以上のトレイ407A、407Bを包含することができる。トレイは、その固定位置で一つ以上の試料ラック408を受けることができる。例として、トレイ407A、407Bから突出したピンにより、試料ラック408の位置が固定されていることができ、ピンは、試料ラック408の底部に形成されている、孔またはスロット(図示せず)で受けられていることができる。多数の試料容器(例えば、10^)は、試料ラック408内で整列していることができる。試料ラック408は、例として、図3Fに示したものと同一であることができる。
【0042】
好適な位置コントローラ(図示せず)により、X、YおよびZ方向の一つ以上、および、好ましくは、三つすべてにおいて、ロボット装置402がグリッパ装置404を移動させることを引き起こすことができる。グリッパ装置404は、ラック408から試料容器(例えば、106)をピックし、試料容器を臨床分析器または他の前処理機器に移送することができる。描写した実施態様では、試料容器(例えば、106)は、一つ以上の試料容器に含有されている一つ以上の検体の遠心分離の予備工程を実施することができる、遠心機装置409のレセプタクルに挿入されている。しかし、試料容器を処理し、高い水準の自動化が求められる、任意のタイプの分析器または装置個体に対し、試料容器(例えば、106)を供給するため、現行の試料容器移送装置400を使用できることが認められるべきである。試料ラック408内のすべての試料容器の処理が完了した後、次の処理作業、例えば、もう一つの臨床分析器またはもう一つの前処理ステーションに向かうコンベア上に、ラック408自体および包含された試料容器をプレースすることができる。
【0043】
ここで、図5を参照すると、本発明の第一の態様による、試料容器を移送する広範囲にわたる方法を例示している。方法500は、502において、試料管体106Aおよび栓106Bを包含する試料容器106を提供する工程を包含する。504では、フィンガの第一の対(例えば、フィンガ134A、134B)により、試料容器106が試料管106Aで把持される。506では、フィンガの第二の対(例えば、フィンガ140A、140B)により、試料容器106が栓106Bで把持される。この方途では、試料容器106の優れた把持および位置制御を実現することができる。試料管体106Aおよび栓106Bの把持に続いて、ロボット位置制御サブシステム122によるロボット装置(例えば、102)の制御を介し、グリッパ装置(例えば、104)により、試料容器106を第一の位置から第二の位置に移送することができる。例として、試料容器106を試料ラック108(図1Bを参照されたい)からレセプタクル110(図1Aを参照されたい)に移送し、その後、レセプタクル110に挿入することができる。
【0044】
ここで、図6を参照すると、本発明のもう一つの態様による、試料容器106を移送する広範囲にわたる方法を例示している。方法600は、502において、試料管体106Aおよび栓106Bを包含する試料容器106を提供する工程を包含する。604では、それぞれ、グリッパ軸(例えば、142)と平行に配置されている、第一の可動ジョウ(例えば、128A)および第二の可動ジョウ(例えば、128B)を包含する、グリッパ部品(例えば、128)が提供される。606では、第一の可動ジョウに連結した第一のフィンガ(例えば、134A)が提供され、608では、第二の可動ジョウに連結した第二のフィンガ(例えば、134B)が提供される。610では、試料容器106の栓106Bが安着部材(例えば、144)に接触する。安着部材は、グリッパ軸(例えば、142)に沿って可動であることができ、第一および第二のフィンガに隣接して位置付けられていることができる。好ましくは、第一および第二のフィンガが開放構成にあるとき、栓106Bに接触する。栓への接触を介し、試料容器の位置が確定されると、612では、第一のフィンガおよび第二のフィンガで試料容器を把持することができる。
【0045】
いくつかの実施態様では、試料容器106は、フィンガの第一の対(例えば、フィンガ134A、134B)により、試料管106Aで把持され、同時に、フィンガの第二の対(例えば、フィンガ140A、140B)により、栓106Bで把持される。把持に続いて、ロボット装置(例えば、102)の制御を介し、グリッパ装置(例えば、104)により、試料容器106を第一の位置から第二の位置に移送することができる。例として、ロボット装置(例えば、102)およびグリッパ装置(例えば、104)は、第一に、レセプタクル(例えば、110)に対し、レセプタクル内の第一の深さ位置まで試料容器106が挿入され、その後、安着部材(例えば、144)が試料容器106の栓106Bに接触し、レセプタクル110内の第二のより深い位置に試料容器106を移動させる、プレース作業を行うことができる。方法のもう一つの実施態様では、ロボット装置(例えば、102)およびグリッパ装置(例えば、104)は、第一のフィンガ対(例えば、134A、134B)および個別の第二のフィンガ対(例えば、140A、140B)により、試料容器106の試料管体106Aおよび栓106Bの両方を把持する前に、第一に、試料容器106の栓106Bが伸張構成の安着部材(例えば、144)に接触する、ピック作業を行うことができる。
【0046】
本発明において、広範囲にわたる有用性および用途の余地があることは、当業者により、容易に認識されるべきである。本明細書において記載した以外の本発明の多くの実施態様および適応ならびに多くの変形形態、変形および均等物配置は、本発明の実体または範囲を逸することなく、本発明およびその前記の説明から明白であるか、合理的に示唆される。それゆえに、特有の実施態様に関連して、本明細書において詳細に本発明を記載しているものの、本開示は、本発明について例証的かつ例示的に過ぎず、単に、本発明の完全かつ可能な開示を提供する目的のため、作成されたことが理解される。本開示は、開示された具体的なシステム、装置または方法に本発明を制限することを意図していないが、対照的に、意図は、本発明の本質および範囲にあるすべての変形、均等物および代替を網羅することである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリッパ装置であって、
グリッパ軸と平行に配置されている第一および第二の可動ジョウを包含する、グリッパ部品、
第一の可動ジョウに連結した第一のフィンガ、
第二の可動ジョウに連結した第二のフィンガであって、第一および第二のフィンガが試料容器を把持するように適応されている、第二のフィンガ、および
第一および第二のフィンガに隣接して位置付けられ、グリッパ軸に沿って可動であり、第一および第二のフィンガが開放構成にあるとき、安着部材が試料容器の栓に接触するように適応されている、安着部材
を含む、グリッパ装置。
【請求項2】
安着部材がグリッパ軸に沿って可動である、請求項1記載のグリッパ装置。
【請求項3】
安着部材が第一および第二のフィンガと平行に伸張可能および収縮可能である、請求項2記載のグリッパ装置。
【請求項4】
第一および第二のフィンガが、グリッパ軸を挟んで対向する向きに位置付けられている、対向フィンガの第一の対をさらに含む、請求項1記載のグリッパ装置。
【請求項5】
試料容器を把持するように適応されている、対向フィンガの第二の対をさらに含む、請求項4記載のグリッパ装置。
【請求項6】
対向フィンガの第一の対がフィンガの第二の対よりも長さにおいて短く、フィンガの第一の対が栓を把持するように適応されている、請求項5記載のグリッパ装置。
【請求項7】
管体に接触するように適応されている対向フィンガの第一の対と、試料容器の栓に接触するように適応されているフィンガの第二の対とをさらに含む、請求項1記載のグリッパ装置。
【請求項8】
対向フィンガの第一の対に形成された凹部内で受けられている、フィンガの第二の対のそれぞれの部位をさらに含む、請求項7記載のグリッパ装置。
【請求項9】
少なくとも一つの座標方向に可動であるロボット装置、および
ロボット装置に連結し、ロボット装置によって可動であるグリッパ装置を含む、試料容器移送システムであって、
グリッパ装置が、
それぞれ、グリッパ軸と平行に配置されている第一の可動ジョウおよび第二の可動ジョウを包含する、グリッパ部品と、
第一の可動ジョウに連結した第一のフィンガと、
第二の可動ジョウに連結した第二のフィンガであって、第一のフィンガおよび第二のフィンガがそれぞれ、試料容器を把持するように適応されている、第二のフィンガと、
第一のフィンガおよび第二のフィンガに隣接して位置付けられ、グリッパ軸に沿って可動であり、第一および第二のフィンガが開放構成にあるとき、安着部材が試料容器の栓に接触するように適応されている、安着部材と
を包含する、試料容器移送システム。
【請求項10】
ロボット装置とグリッパ装置との間に連結し、移送作業中、グリッパ装置に印加される負荷を制限するように適応されている、負荷制限デバイスをさらに含む、請求項11記載のシステム。
【請求項11】
試料容器を移送する方法であって、
それぞれ、グリッパ軸と平行に配置されている第一の可動ジョウおよび第二の可動ジョウを包含する、グリッパ部品を提供する工程、
第一の可動ジョウに連結した第一のフィンガを提供する工程、
第二の可動ジョウに連結した第二のフィンガを提供する工程、
第一および第二のフィンガが開放構成にあるときに、グリッパ軸に沿って可動であり、第一および第二のフィンガに隣接して位置付けられている安着部材に対して、試料容器の栓を接触させる工程、および
第一のフィンガおよび第二のフィンガで試料容器を把持する工程
を含む、試料容器を移送する方法。
【請求項12】
第一に、レセプタクルに対し、レセプタクル内の第一の位置まで試料容器が挿入され、その後、安着部材が試料容器の栓に接触し、レセプタクル内の第二のより深い位置に試料容器を移動させる、プレース作業を行う工程
をさらに含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
試料容器の試料管および栓の両方を把持する前に、第一に、試料容器の栓が伸張構成の安着部材に接触する、ピック作業を行う工程
をさらに含む、請求項11記載の方法。
【請求項14】
グリッパ装置であって、
第一の可動ジョウおよび第二の可動ジョウを包含する、第一のグリッパ部品、
第三の可動ジョウおよび第四の可動ジョウを包含する、第二のグリッパ部品、
第一の可動ジョウに連結した第一のフィンガ、
第二の可動ジョウに連結した第二のフィンガであって、第一のフィンガおよび第二のフィンガがそれぞれ、グリッパ軸と平行に配置され、試料容器の試料管体を把持するように適応されている、第二のフィンガ、
第三の可動ジョウに連結した第三のフィンガ、および
第四の可動ジョウに連結した第四のフィンガであって、第三のフィンガおよび第四のフィンガがそれぞれ、グリッパ軸と平行に配置され、試料容器の栓を把持するように適応されている、第四のフィンガ
を含む、グリッパ装置。
【請求項15】
グリッパ軸に沿って可動である、安着部材をさらに含む、請求項14記載のグリッパ装置。
【請求項16】
安着部材が伸張可能および収縮可能の両方である、請求項15記載のグリッパ装置。
【請求項17】
第一のフィンガおよび第二のフィンガが、グリッパ軸を挟んで対向する向きに位置付けられている、対向フィンガの第一の対をさらに含む、請求項14記載のグリッパ装置。
【請求項18】
第一および第二のフィンガがフィンガの第一の対を含み、フィンガの第一の対が、それぞれ、第三および第四のフィンガから形成されたフィンガの第二の対よりも長さにおいて短い、請求項14記載のグリッパ装置。
【請求項19】
第一および第二のフィンガに形成された凹部内で受けられている、第三および第四のフィンガのそれぞれの部位をさらに含む、請求項14記載のグリッパ装置。
【請求項20】
少なくとも一つの座標方向に可動であるように適応されている、ロボット装置、および
ロボット装置に連結し、ロボット装置によって移動するように適応されているグリッパ装置を含む、試料容器移送システムであって、
グリッパ装置が、
それぞれ、グリッパ軸と平行に配置されている第一の可動ジョウおよび第二の可動ジョウを包含する、第一のグリッパ部品と、
グリッパ軸と平行に配置されている第三の可動ジョウおよび第四の可動ジョウを包含する、第二のグリッパ部品と、
第一の可動ジョウに連結した第一のフィンガと、
第二の可動ジョウに連結した第二のフィンガであって、第一のフィンガおよび第二のフィンガが試料容器の試料管体を把持するように適応されている、第二のフィンガと、
第三の可動ジョウに連結した第三のフィンガと、
第四の可動ジョウに連結した第四のフィンガであって、第三のフィンガおよび第四のフィンガが試料容器の栓を把持するように適応されている、第四のフィンガと
を包含する、試料容器移送システム。
【請求項21】
試料容器を移送する方法であって、
グリッパ装置のフィンガの第一の対により、試料容器の試料管体を把持する工程、
グリッパ装置のフィンガの第二の対により、試料容器の栓を把持する工程、および
グリッパ装置により、把持されている試料容器を第一の位置から第二の位置に移送する工程
を含む、試料容器を移送する方法。
【請求項22】
さらに、
ピックまたはプレース作業中、試料容器の栓を安着部材に接触させる工程
を含む、請求項21記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−501633(P2013−501633A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523970(P2012−523970)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【国際出願番号】PCT/US2010/044648
【国際公開番号】WO2011/017586
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(507269175)シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレーテッド (39)
【氏名又は名称原語表記】SIEMENS HEALTHCARE DIAGNOSTICS INC.
【Fターム(参考)】