試験システムおよびその制御方法並びに試験装置
【課題】容易に被試験部の接続や被試験部の離脱が可能な試験システムおよびその制御方法並びに試験装置を提供すること。
【解決手段】本発明は、被試験物に被試験信号を出力させる被試験部(10)と、被試験信号を用い被試験物の試験項目を試験する試験部(20)と、複数の被試験物の少なくとも1つから出力された被試験信号を複数の試験部(20)のうち少なくとも1つに接続するスイッチ部(30)と、を有し、被試験部(10)は、試験部(20)が試験可能な試験項目を示す試験項目情報を取得し、試験項目情報に基づき、試験すべき試験部を選択し、スイッチ部(30)によって選択した試験部に被試験信号を接続させるための命令を出力する試験部選択手段を有する試験システムおよびその制御方法並びに試験装置である。
【解決手段】本発明は、被試験物に被試験信号を出力させる被試験部(10)と、被試験信号を用い被試験物の試験項目を試験する試験部(20)と、複数の被試験物の少なくとも1つから出力された被試験信号を複数の試験部(20)のうち少なくとも1つに接続するスイッチ部(30)と、を有し、被試験部(10)は、試験部(20)が試験可能な試験項目を示す試験項目情報を取得し、試験項目情報に基づき、試験すべき試験部を選択し、スイッチ部(30)によって選択した試験部に被試験信号を接続させるための命令を出力する試験部選択手段を有する試験システムおよびその制御方法並びに試験装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験システムおよびその制御方法並びに試験装置に関し、特に、複数の被試験物の試験を複数の試験装置で行う試験システムおよびその制御方法並びに試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光信号を出力する例えば半導体レーザ等の光発光装置や電気信号を出力する半導体装置等の被試験物の試験は以下の様に行う。電源、信号発生器、温度コントローラ等が被試験物(例えば半導体レーザや半導体装置)に電圧や電流、信号、温度等を加える。この電圧や電流、信号、温度等により被試験物は試験するための被試験信号(例えば光信号や電気信号)を出力する。試験器が、被試験信号を用い、被試験物の試験項目を試験する。以下、電源、信号発生器、温度コントローラ等およびこれらを制御するユニットを被試験部、試験器および試験器を制御するユニットを試験部とする。
【0003】
特許文献1には、複数の被試験物から出力された電気信号を、スイッチにより複数の試験器に接続し、試験器が電気信号を用い試験する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平10−68753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような試験システムにおいては、試験システムへの新たな被試験部の接続や被試験部の離脱の際、プログラムの変更やシステムの停止等が必要となってしまう。よって、被試験部の有効な利用が妨げられる。本発明は、試験システムへの新たな被試験部の接続や被試験部の離脱の際、プログラムの変更やシステム全体を停止させることがなく、容易に被試験部の接続や被試験部の離脱が可能な試験システムおよびその制御方法並びに試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、被試験物に被試験信号を出力させる被試験部と、前記被試験信号を用い前記被試験物の試験項目を試験する試験部と、複数の前記被試験物の少なくとも1つから出力された前記被試験信号を複数の前記試験部のうち少なくとも1つに接続するスイッチ部と、を具備し、前記被試験部は、前記試験部が試験可能な試験項目を示す試験項目情報を取得し、前記試験項目情報に基づき、試験すべき試験部を選択し、前記スイッチ部によって前記選択した試験部に前記被試験信号を接続させるための命令を出力する試験部選択手段を有することを特徴とする試験システムである。本発明によれば、試験システムへの新たな被試験部の接続や被試験部の離脱の際、プログラムの変更やシステムを停止させることなく、容易に被試験部の接続や被試験部の離脱が可能となり、稼働率を下げることなく生産性を向上できる。
【0006】
上記構成において、前記試験項目情報は、前記試験部または前記試験項目情報を保持したシステム制御部から提供されるものである構成とすることができる。
【0007】
上記構成において、前記試験部選択手段は、前記試験部に前記試験項目情報を取得するための試験項目要求を出力し、前記試験項目要求に対応し、前記試験部より前記複数の試験部の前記試験項目情報を取得する構成とすることができる。この構成によれば、試験項目情報の取得を効率的に行うことができる。
【0008】
上記構成において、前記試験部選択手段は、前記試験部より試験を行う待ち順番に関する順番情報を取得し、前記試験部の前記順番情報および前記試験項目情報に基づき、接続すべき前記試験部を選択する構成とすることができる。この構成によれば、試験部選択手段は、早期に試験を行うことのできる試験部を選択することができる。
【0009】
上記構成において、前記試験選択手段は、前記選択した試験部に対して試験順番を優先させることが可能である構成とすることができる。この構成によれば、より早期に試験を行うことができる。
【0010】
上記構成において、複数の前記被試験物から出力された波長の異なる前記被試験信号である光信号を多重分割化する多重分割部と、多重分割化された前記光信号を伝送する伝送部と、伝送された前記光信号を復調し前記スイッチ部に出力する復調部と、を具備する構成とすることができる。この構成によれば、被試験部とスイッチ部との間の伝送のための部材を減らすことができる。
【0011】
本発明は、被試験物から出力された被試験信号を用い前記被試験物の試験項目を試験する試験部より、試験可能な試験項目を示す試験項目情報を取得し、前記試験可項目情報に基づき、試験すべき試験部を選択し、複数の前記被試験物から出力された前記被試験信号を複数の前記試験部のうち少なくとも1つに接続するスイッチ部によって、前記選択した試験部に前記被試験信号を接続させる試験部選択手段と、前記被試験物に前記試験信号を出力させる信号出力手段と、を有することを特徴とする試験装置である。本発明によれば、試験システムへの新たな試験装置の接続や試験装置の離脱の際、プログラムの変更やシステムを停止させることなく、容易に試験装置の接続や試験装置の離脱が可能となり、稼働率を下げることなく生産性を向上できる。
【0012】
上記構成において、前記試験部選択手段は、前記試験項目情報を取得するための試験項目要求を出力し、前記試験項目要求に対応し、前記試験項目情報を取得する構成とすることができる。この構成によれば、試験項目情報の取得を効率的に行うことができる。
【0013】
上記構成において、前記試験部選択手段は、前記試験部の試験を行う待ち順番に関する順番情報を取得し、前記試験部の前記順番情報および前記試験項目情報に基づき、接続すべき前記試験部を選択する構成とすることができる。この構成によれば、試験部選択手段は、早期に試験を行うことのできる試験部を選択することができる。
【0014】
上記構成において、前記試験選択手段は、前記選択した試験部に対して試験順番を優先させることが可能である構成とすることができる。この構成によれば、より早期に試験を行うことができる。
【0015】
本発明は、被試験物に被試験信号を出力させる被試験部と、前記被試験信号を用い前記被試験物の試験項目を試験する試験部と、を具備する試験システムの制御方法において、前記試験部の試験可能な試験項目である試験項目情報を取得するステップと、前記試験項目情報に基づき、試験すべき試験部を選択するステップと、前記選択した試験部に前記被試験信号を接続するステップと、を有することを特徴とする試験システムの制御方法である。本発明によれば、試験システムへの新たな被試験部の接続や被試験部の離脱の際、プログラムの変更やシステムを停止させることなく、容易に被試験部の接続や被試験部の離脱が可能となり、稼働率を下げることなく生産性を向上できる。
【0016】
上記構成において、前記試験項目情報を取得するステップは、前記試験項目情報を取得するための試験項目要求を出力するステップを含む構成とすることができる。試験項目情報の取得を効率的に行うことができる。
【0017】
上記構成において、前記選択試験部を選択するステップは、前記試験部の試験を行う待ち順番に関する順番情報を取得するステップと、前記試験部の前記順番情報および前記試験項目情報に基づき、接続すべき前記試験部を選択するステップと、を有する構成とすることができる。この構成によれば、早期に試験を行うことのできる試験部を選択することができる。
【0018】
上記構成において、前記選択した試験部を選択するステップは、前記選択した試験部の試験項目の試験順番を優先させるステップを有する構成とすることができる。この構成によれば、より早期に試験を行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、試験システムへの新たな被試験部の接続や被試験部の離脱の際、プログラムの変更やシステムを停止させることなく、容易に被試験部の接続や被試験部の離脱が可能な試験システムおよびその制御方法並びに試験装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施例を図面を参照に説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は実施例1に係る試験システムの構成を示す図である。図1より、複数の被試験部10が設けられている。図2は被試験部10のブロック図である。測定冶具15に被試験物である半導体レーザ16がセットされている。半導体レーザ16には電源13および信号発生器12が接続されている。電源13は電流を、信号発生器12は電気信号を半導体レーザ16に出力する。半導体レーザ16は光ファイバ18に被試験信号である光信号を出力する。温度コントローラ14は半導体レーザ16を所定の温度に制御する。被試験制御部11は信号発生器12、電源13、温度コントローラを制御する。被試験制御部11は例えばパーソナルコンピュータでありネットワークに接続されており、OAシステムの再起動することなくネットワークに接続および離脱が可能である。このように、被試験部10は、対応する半導体レーザ16に光信号を出力させる信号発生器12、電源13および温度コントローラ(信号出力手段)と被試験制御部11(試験部選択手段)を有している。
【0022】
図1より、複数の試験部20が設けられている。図3は試験部20のブロック図である。光ファイバ25より半導体レーザ16の光信号が入力する。試験器24は例えば、光パワーメータ、光オシロスコープ、エラービット測定器であり、光信号を用い被試験部10に対応する半導体レーザの試験項目を試験する。このように、試験部20は被試験物から出力された被試験信号を用い被試験物の試験項目を試験する。試験制御部22は例えばパーソナルコンピュータでありネットワークに接続されており、OAシステムの再起動することなくネットワークに接続および離脱が可能である。このように、試験部20は、光信号を、試験部が要求する試験項目で試験する試験器24(試験実行手段)と試験制御部22(試験情報手段)とを有している。なお、試験部20は複数の試験器24を有していても良い。また、試験部20は光信号を電気信号に変換する変換器を有し、光ファイバ25は変換器に接続され、変換器から出力された電気信号を試験器24が試験する構成であっても良い。
【0023】
図1を参照に、被試験部10a、10bおよび10cから出力した被試験信号はそれぞれ光ファイバである伝送経路LA、LBおよびLCを伝搬しスイッチ部30に入力する。スイッチ部30から出力した被試験信号は光ファイバである伝送経路La、LbおよびLcを伝搬し、それぞれ試験部20a、20bおよび20cに入力する。スイッチ部30は、光スイッチであり、伝送経路LA、LBおよびLBの任意の線路を伝送経路La、LbおよびLcの任意の線路に接続する。このように、スイッチ部30は、複数の被試験物部の少なくとも1つから出力された被試験信号(すなわち、被試験物の少なくとも1つから出力された被試験信号)を複数の試験部20のうち少なくとも1つに接続する。スイッチ部30は複数の被試験部10に接続された第1スイッチ32と、複数の試験部20に接続された第2スイッチ34と、第1スイッチ32から第2スイッチ34に被試験信号を伝送する接続部36と、を有する。ここでは、第1スイッチ32および第2スイッチ34にはマトリックススイッチを用いている。
【0024】
第1スイッチ32は伝送経路LA、LBおよびLCを接続部36の光ファイバである伝送経路L1、L2およびL3の任意の線路に接続する。伝送経路L1は第2スイッチ34に入力する。伝送経路L2は光信号を分岐する分岐部38に入力する。分岐部38は例えば光用カプラであり光信号を光ファイバである伝送経路L21、L22およびL23に分岐する。伝送経路L21およびL22はそのまま第2スイッチ34に入力する。伝送経路L23は、伝送経路L21,L22とは伝送距離が長い。つまり伝送距離が異なる。伝送距離が長い伝送経路は、例えば長い光ファイバを用い伝送経路を形成することにより実現される。伝送経路L21、L22およびL23は第2スイッチ34に入力する。伝送経路L3は伝送経路L1に比べ伝送距離が長い。伝送経路L3は第2スイッチ34に入力する。第2スイッチ34は伝送経路L1、L21、L22、L23およびL3を光ファイバである伝送経路La、LbおよびLcに任意の線路に接続する。伝送経路La、LbおよびLcはそれぞれ試験部20a、20bおよび20cに接続される。各被試験部10、試験部20、第1スイッチ32、第2スイッチ34(つまりスイッチ部30)はLAN等のネットワークに接続されている。
【0025】
このように、実施例1に係る試験システムは、半導体レーザ16(被試験物)に光信号を出力させる複数の被試験部10と、複数の半導体レーザ16のうち1つの半導体レーザから出力された光信号(被試験信号)を用い半導体レーザの試験項目を試験する複数の試験部20と、を備えている。さらに、複数の半導体レーザ16の少なくとも1つから出力された光信号を複数の試験部20のうち少なくとも1つに接続するスイッチ部30を備えている。
【0026】
図4および図5を参照に、実施例1に係る試験システムの動作を説明する。被試験部A10aの被試験物を試験する場合を例に説明する。図4は複数の被試験部10のうちの1つである被試験部A10a(選択被試験部)が行う制御であり、図5は試験部20が行う制御である。被試験部A10aの被試験制御部11は被試験物の試験を行う試験項目のリストを有している。図6(a)は試験項目リストの例である。試験項目リストには、試験を行う順番に対応した試験項目1、2、3が記載されている。また、被試験部A10aは例えば図6(b)のような試験フローを有している。図6(b)の試験フローの例では、試験項目1から試験項目4(ステップS60からS66)を行う。その後、試験項目2から試験項目4の試験結果が全て所定の基準を満たしているか判定する(ステップS68)。所定の基準を満たしていれば、試験項目5の試験を行い(ステップS70)、試験結果を保存し終了する。ステップS68において、所定の基準を満たしていなければ、試験部20が行う試験の試験条件、半導体レーザ16に光信号を出力させる条件、スイッチ部30が選択する伝送経路等の試験条件を変更し(ステップS72)、ステップS62に戻る。このように、被試験部10は、単に試験項目リストに基づき、試験を行うだけでなく、試験結果に基づき、試験条件を変更し再度試験を行うこともできる。なお、試験項目1から試験項目5は同じ試験部20で試験を行うこともできるし、それぞれ異なる試験部20で試験を行うこともできる。
【0027】
次に、1つの試験項目の試験を行う際のフローを説明する。図4を参照に、まず、被試験制御部11は、各試験部20a、20b、20cに試験可能な試験項目である試験項目情報を要求する(ステップS10)。試験部20の試験制御部22は図7のように、試験可能な試験項目のリストを有している。例えば試験部aは試験項目1、2および3の試験が可能である。試験部bは試験項目1、3および4の試験が可能である。試験部cは試験項目2および4の試験が可能である。図5を参照に、試験部20の試験制御部22は、被試験部A10aの試験項目要求に応じ、各自の試験可能な試験項目(試験項目情報)を被試験部A10aの被試験制御部11に出力する(ステップS40)。図4を参照に、被試験部A10aの被試験制御部11は各試験部20より各試験項目情報を取得する(ステップS12)。
【0028】
図4を参照に、試験部20の中で試験項目1が試験可能な試験部20は試験部a20aおよび試験部b20bである。そこで、被試験部A10aの被試験制御部11は試験すべき試験項目1を有する試験部20a、20bに順番情報等を要求する(ステップS14)。試験部20の試験制御部22は試験を行う優先順位に関する順番情報を有している。図8は試験部a20aおよび試験部b20bの順番情報の例を示した図である。順番情報には、例えば試験を行う順番、被試験部、試験項目が記載されている。試験部a20aは、次の試験として被試験部B10bの試験項目1を試験する。次に、被試験部C10cの試験項目1を試験する。試験部b20bは次に被試験部C10cの試験項目4を試験する。図5を参照に、試験部a20aおよび試験部b20bの試験制御部22は、被試験部A10aの被試験制御部11に順番情報を出力する(ステップS42)。このとき、被試験部A10aの被試験制御部11はスイッチ部30に光信号を試験器に接続させるための認識情報を、試験部20の試験の稼動状態を示す稼動情報等を被試験部A10aの被試験制御部11に出力しても良い。また、識別情報、稼動情報は、順番情報とは別の機会に被試験部A10aに出力しても良い。図4を参照に、被試験部A10aの被試験制御部11は試験部a20aおよび試験部b20bより順番情報、認識情報、稼動情報等を取得する(ステップS16)。
【0029】
被試験部A10aの被試験制御部11は順番情報に基づき、試験項目1を試験させる試験部20である選択試験部を選択する(ステップS18)。例えば、順番情報として、試験待ちの順番を取得し、順番の早い試験部20を選択することができる。また、試験待ちの試験項目を入手し、試験項目の試験時間を勘案し選択試験部を選択することもできる。実施例1では試験部b20bを選択したとする。被試験部A10aの被試験制御部11は、選択試験部である試験部b20bに試験項目1の試験を指示する(ステップS20)。被試験部A10aの被試験制御部11は、試験部b20bより試験可能の通知を待つ(ステップS21)。図5を参照に、試験部b20bの試験制御部22は被試験部A10aの指示を受け、図9のように、順番情報に被試験部A10aの試験項目1を追加する(ステップS44)。
【0030】
被試験部A10aの試験項目1の試験が可能となると、被試験部A10aに試験可能を通知する(ステップS48)。図4を参照に、被試験部A10aの被試験制御部11は、スイッチ部30に試験部b20bの認識情報に基づき、被試験部A10aから出力した光信号が伝播する伝送経路LAを選択試験部20bに対応する伝送経路Lbに接続することを指示する(ステップS22)。被試験部A10aの被試験制御部11は、信号発生器12、電源13および温度コントローラ14に指示し、被試験物である半導体レーザ16に被試験信号である光信号を出力させる(ステップS24)。被試験部A10aの被試験制御部11は、試験の終了まで待機する(ステップS26)。図5を参照に、試験部b20bの試験器24は、被試験部A10aに対応する半導体レーザ16から出力した光信号を用い、試験項目1の試験を行う(ステップS50)。試験部b20bの試験制御部22は、試験が終了すると試験の終了を被試験部A10aに通知する(ステップS52)。試験部b20bの試験制御部22は、被試験部A10aに試験項目1の試験データを出力する(ステップS54)。
【0031】
図4を参照に、被試験部A10aの被試験制御部11は、試験部b20bより試験データを取得する(ステップS28)。被試験部A10aの被試験制御部11は、試験データに問題がないか確認し、問題なければ、スイッチ部30および試験部b20bに試験の終了を通知する(ステップS30)。図5を参照に、試験部b20bの試験制御部22は、試験終了の通知を受け、順番情報の被試験部A10aの試験項目1を削除する(ステップS56)。図4を参照に、被試験部A10aの被試験制御部11は、試験項目リストを基に、最後の試験項目かを判断する(ステップS32)。最後の試験項目でなければ、図6(a)の試験項目リストの次の試験項目に進む(ステップS34)。ステップS32において、最後の試験項目であれば、試験を終了する。
【0032】
実施例1に係る試験システムの試験装置である被試験部A10aにおいて、図4のステップS12のように、被試験部A10aの被試験制御部11(試験部選択手段)は、複数の試験部20の少なくとも一部20a、20bより、試験可能な試験項目を示す試験項目情報を取得する。図4のステップS18のように、試験項目情報に基づき、試験すべき試験項目を試験する試験部20である選択試験部20bを選択する。図4のステップS22のように、スイッチ部30に選択試験部20bに光信号を接続させるための命令を出力する。例えば、被試験部A10aを新たに接続した場合、被試験部A10aの被試験制御部11は、ある試験項目の試験を複数の試験部20のうちいずれの試験部20で行うべきかの情報を有していない。このような場合も、実施例1によれば、被試験部A10aは各試験部20の試験項目情報を取得し、試験部20を選択できる。これにより、被試験制御部11に試験項目の試験を行う試験部20を指定するようなプログラムの変更を行うことなく、試験システムへの新たな被試験部A10aの接続が可能となる。また、被試験部A10aを試験システムから離脱した場合、例えば試験部20がいずれの被試験部10の指示で試験を行うかのプログラムの変更やシステムを停止する必要必要がない。このように、試験システムへの被試験部10の接続および離脱が容易となる。また、ネットワークに接続された複数の試験部20より選択試験部を選択できるため、複数の試験部20を有効に利用することができる。
【0033】
被試験制御部11は試験項目要求を出力せず、試験部20が定期的に出力する試験項目情報を取得しても良い。しかし、実施例1においては、図4のステップS10のように、被試験制御部11は、試験部20a、20bに試験項目情報を取得するための試験項目要求を出力する。ステップS12のように、試験項目要求に対応し、試験部20a、20bおよび20cより試験項目情報を取得する。これにより、試験項目情報の取得を効率的に行うことができる。
【0034】
被試験制御部11は順番情報を入手せず、試験項目情報に基づき選択試験部を選択することもできる。しかし、実施例1においては、図4のステップS16のように、被試験制御部11は、試験部20a、20bより試験を行う待ち順番に関する順番情報を取得する。図4のステップS18のように被試験制御部11は、試験部20a、20bの順番情報に基づき、接続すべき選択試験部20bを選択する。これにより、早期に試験を行うことのできる試験部20bを選択することができる。なお、順番情報は、試験部20の試験を行う順番に関する情報であれば良く、例えば、現在、他の試験を行っているか否かの稼動情報のみでも良い。
【0035】
実施例1に係る試験システムの試験装置である試験部20において、図5のステップS40のように、試験制御部22(試験情報手段)は、自己が試験可能な試験項目である試験項目情報を、複数の被試験部10の1つである選択被試験部A10aに出力する。ステップS50のように、試験器24(試験実行手段)は、選択被試験部10aに対応する半導体レーザ16から出力され、スイッチ部30により接続された光信号を、試験可能な試験項目のうち選択被試験部A10aの要求する試験項目で試験する。つまり、試験器24は、試験項目情報に基づいて選択された半導体レーザ16からの光信号を該当する試験項目で試験する。例えば、試験システムに新たに試験部b20bを接続した場合、試験部b20bの試験制御部22は,試験可能な試験項目のうちいずれの試験項目で試験を行うかの情報を有していない。このような場合も、実施例1によれば、試験部b20bは選択被試験部A10aに試験項目情報を出力し、試験器24は選択被試験部A10aの要求する試験項目で試験することができる。これにより、試験制御部22おいて試験を行う試験項目を指定するようなプログラムの変更を行うことなく、試験システムへの新たな試験部b20bの接続が可能となる。また、試験部b20bを試験システムから離脱した場合、例えば、被試験部10において、試験部20の試験項目情報のプログラム変更やシステムを停止する必要がない。このように、試験システムへの試験部20の接続および離脱が容易となる。
【0036】
試験制御部22は試験項目情報を定期的に選択試験部に出力しても良い。しかし、実施例1においては、図5のステップS40のように、試験制御部22は、選択被試験部10aの要求に応じ試験項目情報を出力する。これにより、試験項目情報の出力を効率的に行うことができる。
【0037】
図8のように、試験制御部22は、試験を行う順番に関する順番情報を有する。これにより、試験部20は、試験項目を順番に試験することができる。また、順番情報を被試験部10に出力することができる。
【0038】
図5のステップS42のように、試験制御部22は、スイッチ部30に選択被試験部10aに対応する半導体レーザ16から出力された光信号を試験器24に接続させるための認識情報を選択被試験部10aに出力する。これにより、試験制御部22は、スイッチ部30に対応する試験器24に選択被試験部10aの光信号を接続させることができる。
【0039】
図10(a)および図10(b)は、順番情報が優先情報を有する例である。図10(a)および図10(b)は試験部b20bの順番情報を示す図である。図8の順番情報の内容に加え、各順番の試験項目に対応し優先情報を有している。優先情報は2以上の優先度を有し、実施例1では優先または普通の2つの優先度を有する。図4のステップS20において、被試験部A10aの被試験制御部11が試験部b20bに試験を指示する際、試験項目の優先情報を同時に出力する。例えば、この優先情報が優先の場合、試験部b20bの試験制御部22は、先の試験項目(被試験部C10cの試験項目4)の優先情報が普通の(優先度が低い)場合は、図10(a)のように、先の試験項目より、被試験部A10aの試験項目4の試験の順番を先とする。つまり、被試験部A10aの試験項目4の試験を優先する。一方、図10(b)のように、先の試験項目の優先情報が優先の(優先度が同じか高い)場合は先の試験項目を優先する。
【0040】
このように、被試験制御部11は、試験部b20bの順番情報の試験をすべき試験項目の試験順番を優先させることが可能である。また、図4のステップS18において、優先情報にも基づき、選択試験部を選択することもできる。また、実施例1においては、スイッチ部30は第1スイッチ32、第2スイッチ34および接続部36を有していたが、スイッチ部30は複数の伝送経路LA、LB、LCのうち任意の1つを伝送経路La、Lb、Lcの任意の1つに接続するスイッチ部であってもよい。
【実施例2】
【0041】
実施例2は、システム制御部40を有する例である。図11を参照に、試験システムは、試験部20と被試験部10とに接続されたシステム制御部40を有する。システム制御部40は例えばパーソナルコンピュータであり、被試験部10、試験部20、スイッチ部30の例えばパーソナルコンピュータおよびシステム制御部40を含み接続されるLAN等のネットワークに接続されている。その他の構成は実施例1と同じであり同じ部材は同じ符号を付し説明を省略する。実施例2に係る試験システムにおいては、システム制御部40が試験項目情報を保持している。実施例に係る試験システムの制御は以下のように行われる。図4のステップS10において、被試験制御部11はシステム制御部40に試験項目情報を取得するための試験項目要求を出力する。ステップS12において、システム制御部40より試験部20の試験項目情報を取得する。このように、試験項目情報は、実施例1のように試験部20から提供されてもよいし、実施例2のようにシステム制御部40から提供されてもよい。また、システム制御部40が試験部20の順番情報、認識情報を有している。ステップS16において、被試験制御部11は、システム制御部40より試験部20の順番情報および認識情報を取得する。ステップS20において、被試験制御部11は、選択試験部20bへの試験の指示を直接選択試験部20bにまたはシステム制御部40を介して指示する。ステップS21において、被試験制御部11は、試験可能の通知を選択試験部から直接またはシステム制御部40を介して取得する。ステップS22において、被試験制御部11はスイッチ部30への指示を直接選択試験部20bにまたはシステム制御部40を介して指示する。ステップS28において、被試験制御部11は、試験データの取得を選択試験部20bから直接またはシステム制御部40を介して取得する。ステップS30において、終了の通知を直接選択試験部20bにまたはシステム制御部40を介して通知する。その他の制御は実施例1と同じであり説明を省略する。このように、システム制御部40を介し情報の取得、指示、通知を行っても実施例1と同様の効果を奏することができる。また、図10(a)および図10(b)を用い説明したように、被試験制御部11は、試験部b20bの順番情報の試験をすべき試験項目の試験順番を優先させることも可能である。
【0042】
実施例1および2において、被試験信号は電気信号または光信号等とすることができる。特に光信号を用いた場合は、光ファイバを用いることにより長距離を伝送させた場合の損失が小さく耐ノイズ性能も高いため被試験部10と試験部20とが物理的に大きく離れている場合も、実施例1に係る試験システムを用いることができる。よって、試験部20を一層効率的に利用することができる。なお、光ファイバを用いた場合、被試験信号である光信号の波長が1.3μm帯から1.5μm帯の場合、光信号の伝送による損失を一層低減することができる。また、被試験物は半導体レーザ以外であっても良く、発光ダイオードのように光信号を出力する発光素子とすることができる。被試験部10の信号出力手段は、電源13、信号発生器12および温度コントローラ14のいずれか、または被試験物に被試験信号を出力させるためのその他の装置であってもよい。試験部20の試験器24は被試験物から出力された被試験信号を試験できる装置であれば良く、一台以上の組み合わせでもよい。
【0043】
被試験信号が電気信号の場合は、被試験物は例えば、電気信号としてアナログ信号やデジタル信号を出力する電子装置である。被試験部10の信号出力手段は電子装置に電気信号を出力させるための例えば電源13、信号発生器12および温度コントローラ14とすることができる。試験部20の試験器24は電気信号を試験するテスタ等の試験器とすることができる。分岐部38は電気信号を分岐する分岐部、伝送経路は電気ケーブルとすることができる。
【実施例3】
【0044】
実施例3は被試験信号が光信号であり、被試験物からスイッチ部30への光信号の伝送を多重分割化して行う例である。図12を参照に、被試験部10とスイッチ部30との間に多重分割部50と復調部52とが接続されている。その他の構成は実施例1と同様であり説明を省略する。被試験部A10aの半導体レーザから例えば波長λ1の波長の光信号A(λ1)が光ファイバLA出力される。同様に、例えば被試験部B10b、C10c、D10dからそれぞれ光信号B(λ2)、C(λ3)およびD(λ1)がそれぞれ光ファイバLB、LCおよびLDに出力される。ここでλ1、λ2およびλ3は波長が異なる。多重分割部50は、異なる波長の光信号を多重分割化し伝送経路L1、L2に出力する。光信号A(λ1)、B(λ2)およびC(λ3)は多重分割され伝送経路L1に出力される。光信号D(λ1)はA(λ1)と波長が同じため、光信号A(λ1)とは別の伝送経路L2に出力される。復調部52は多重分割化された光信号を復調させ、光信号A(λ1)、B(λ2)、C(λ3)およびD(λ1)をそれぞれ光ファイバLA´、LB´、LC´およびLD´に出力する。光スイッチであるスイッチ部30は光ファイバLA´、LB´、LC´およびLD´の任意の光ファイバを光ファイバLa、Lb、LcおよびLdの任意の光ファイバに接続する。図12の例では、光ファイバLaにLB´が接続される。同様に、Lb、LcおよびLdにLA´、LC´およびLD´が接続される。
【0045】
実施例3においては、複数の被試験物から出力された波長の異なる光信号を多重分割化する多重分割部50と、多重分割化された光信号を伝送する光ファイバL1、L2(伝送部)と、伝送された光信号を復調しスイッチ部30に出力する復調部と、を有している。これにより、被試験部10とスイッチ部30と間の光信号の伝送のための光ファイバの本数を減らすことができる。特に、被試験部10とスイッチ部30とが離れている場合有効である。
【0046】
被試験部10、試験部20およびスイッチ部30の制御は実施例1と同様に行うことができる。また、実施例2のシステム制御部40を付加し、実施例2と同様に制御することもできる。
【0047】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は実施例1に係る試験システムのブロック図である。
【図2】図2は被試験部のブロック図である。
【図3】図3は試験部のブロック図である。
【図4】図4は被試験部のフローチャートである。
【図5】図5試験部のフローチャートである。
【図6】図6(a)は被試験部が有する試験項目リストの例、図6(b)は被試験部が行う試験フローの例を示す図である。
【図7】図7は試験部が有する試験項目情報の例を示す図である。
【図8】図8は試験部が有する順番情報の例を示す図である。
【図9】図9は試験部が有する順番情報の例を示す図である。
【図10】図10(a)および図10(b)は優先情報を有する順番情報の例を示す図である。
【図11】図11は実施例2に係る試験システムのブロック図である。
【図12】図12は実施例3に係る試験システムのブロック図である。
【符号の説明】
【0049】
10 被試験部
11 被試験制御部
16 半導体レーザ
20 試験部
22 試験制御部
24 試験器
30 スイッチ部
40 システム制御部
50 多重分割部
52 復調部
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験システムおよびその制御方法並びに試験装置に関し、特に、複数の被試験物の試験を複数の試験装置で行う試験システムおよびその制御方法並びに試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光信号を出力する例えば半導体レーザ等の光発光装置や電気信号を出力する半導体装置等の被試験物の試験は以下の様に行う。電源、信号発生器、温度コントローラ等が被試験物(例えば半導体レーザや半導体装置)に電圧や電流、信号、温度等を加える。この電圧や電流、信号、温度等により被試験物は試験するための被試験信号(例えば光信号や電気信号)を出力する。試験器が、被試験信号を用い、被試験物の試験項目を試験する。以下、電源、信号発生器、温度コントローラ等およびこれらを制御するユニットを被試験部、試験器および試験器を制御するユニットを試験部とする。
【0003】
特許文献1には、複数の被試験物から出力された電気信号を、スイッチにより複数の試験器に接続し、試験器が電気信号を用い試験する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平10−68753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような試験システムにおいては、試験システムへの新たな被試験部の接続や被試験部の離脱の際、プログラムの変更やシステムの停止等が必要となってしまう。よって、被試験部の有効な利用が妨げられる。本発明は、試験システムへの新たな被試験部の接続や被試験部の離脱の際、プログラムの変更やシステム全体を停止させることがなく、容易に被試験部の接続や被試験部の離脱が可能な試験システムおよびその制御方法並びに試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、被試験物に被試験信号を出力させる被試験部と、前記被試験信号を用い前記被試験物の試験項目を試験する試験部と、複数の前記被試験物の少なくとも1つから出力された前記被試験信号を複数の前記試験部のうち少なくとも1つに接続するスイッチ部と、を具備し、前記被試験部は、前記試験部が試験可能な試験項目を示す試験項目情報を取得し、前記試験項目情報に基づき、試験すべき試験部を選択し、前記スイッチ部によって前記選択した試験部に前記被試験信号を接続させるための命令を出力する試験部選択手段を有することを特徴とする試験システムである。本発明によれば、試験システムへの新たな被試験部の接続や被試験部の離脱の際、プログラムの変更やシステムを停止させることなく、容易に被試験部の接続や被試験部の離脱が可能となり、稼働率を下げることなく生産性を向上できる。
【0006】
上記構成において、前記試験項目情報は、前記試験部または前記試験項目情報を保持したシステム制御部から提供されるものである構成とすることができる。
【0007】
上記構成において、前記試験部選択手段は、前記試験部に前記試験項目情報を取得するための試験項目要求を出力し、前記試験項目要求に対応し、前記試験部より前記複数の試験部の前記試験項目情報を取得する構成とすることができる。この構成によれば、試験項目情報の取得を効率的に行うことができる。
【0008】
上記構成において、前記試験部選択手段は、前記試験部より試験を行う待ち順番に関する順番情報を取得し、前記試験部の前記順番情報および前記試験項目情報に基づき、接続すべき前記試験部を選択する構成とすることができる。この構成によれば、試験部選択手段は、早期に試験を行うことのできる試験部を選択することができる。
【0009】
上記構成において、前記試験選択手段は、前記選択した試験部に対して試験順番を優先させることが可能である構成とすることができる。この構成によれば、より早期に試験を行うことができる。
【0010】
上記構成において、複数の前記被試験物から出力された波長の異なる前記被試験信号である光信号を多重分割化する多重分割部と、多重分割化された前記光信号を伝送する伝送部と、伝送された前記光信号を復調し前記スイッチ部に出力する復調部と、を具備する構成とすることができる。この構成によれば、被試験部とスイッチ部との間の伝送のための部材を減らすことができる。
【0011】
本発明は、被試験物から出力された被試験信号を用い前記被試験物の試験項目を試験する試験部より、試験可能な試験項目を示す試験項目情報を取得し、前記試験可項目情報に基づき、試験すべき試験部を選択し、複数の前記被試験物から出力された前記被試験信号を複数の前記試験部のうち少なくとも1つに接続するスイッチ部によって、前記選択した試験部に前記被試験信号を接続させる試験部選択手段と、前記被試験物に前記試験信号を出力させる信号出力手段と、を有することを特徴とする試験装置である。本発明によれば、試験システムへの新たな試験装置の接続や試験装置の離脱の際、プログラムの変更やシステムを停止させることなく、容易に試験装置の接続や試験装置の離脱が可能となり、稼働率を下げることなく生産性を向上できる。
【0012】
上記構成において、前記試験部選択手段は、前記試験項目情報を取得するための試験項目要求を出力し、前記試験項目要求に対応し、前記試験項目情報を取得する構成とすることができる。この構成によれば、試験項目情報の取得を効率的に行うことができる。
【0013】
上記構成において、前記試験部選択手段は、前記試験部の試験を行う待ち順番に関する順番情報を取得し、前記試験部の前記順番情報および前記試験項目情報に基づき、接続すべき前記試験部を選択する構成とすることができる。この構成によれば、試験部選択手段は、早期に試験を行うことのできる試験部を選択することができる。
【0014】
上記構成において、前記試験選択手段は、前記選択した試験部に対して試験順番を優先させることが可能である構成とすることができる。この構成によれば、より早期に試験を行うことができる。
【0015】
本発明は、被試験物に被試験信号を出力させる被試験部と、前記被試験信号を用い前記被試験物の試験項目を試験する試験部と、を具備する試験システムの制御方法において、前記試験部の試験可能な試験項目である試験項目情報を取得するステップと、前記試験項目情報に基づき、試験すべき試験部を選択するステップと、前記選択した試験部に前記被試験信号を接続するステップと、を有することを特徴とする試験システムの制御方法である。本発明によれば、試験システムへの新たな被試験部の接続や被試験部の離脱の際、プログラムの変更やシステムを停止させることなく、容易に被試験部の接続や被試験部の離脱が可能となり、稼働率を下げることなく生産性を向上できる。
【0016】
上記構成において、前記試験項目情報を取得するステップは、前記試験項目情報を取得するための試験項目要求を出力するステップを含む構成とすることができる。試験項目情報の取得を効率的に行うことができる。
【0017】
上記構成において、前記選択試験部を選択するステップは、前記試験部の試験を行う待ち順番に関する順番情報を取得するステップと、前記試験部の前記順番情報および前記試験項目情報に基づき、接続すべき前記試験部を選択するステップと、を有する構成とすることができる。この構成によれば、早期に試験を行うことのできる試験部を選択することができる。
【0018】
上記構成において、前記選択した試験部を選択するステップは、前記選択した試験部の試験項目の試験順番を優先させるステップを有する構成とすることができる。この構成によれば、より早期に試験を行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、試験システムへの新たな被試験部の接続や被試験部の離脱の際、プログラムの変更やシステムを停止させることなく、容易に被試験部の接続や被試験部の離脱が可能な試験システムおよびその制御方法並びに試験装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施例を図面を参照に説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は実施例1に係る試験システムの構成を示す図である。図1より、複数の被試験部10が設けられている。図2は被試験部10のブロック図である。測定冶具15に被試験物である半導体レーザ16がセットされている。半導体レーザ16には電源13および信号発生器12が接続されている。電源13は電流を、信号発生器12は電気信号を半導体レーザ16に出力する。半導体レーザ16は光ファイバ18に被試験信号である光信号を出力する。温度コントローラ14は半導体レーザ16を所定の温度に制御する。被試験制御部11は信号発生器12、電源13、温度コントローラを制御する。被試験制御部11は例えばパーソナルコンピュータでありネットワークに接続されており、OAシステムの再起動することなくネットワークに接続および離脱が可能である。このように、被試験部10は、対応する半導体レーザ16に光信号を出力させる信号発生器12、電源13および温度コントローラ(信号出力手段)と被試験制御部11(試験部選択手段)を有している。
【0022】
図1より、複数の試験部20が設けられている。図3は試験部20のブロック図である。光ファイバ25より半導体レーザ16の光信号が入力する。試験器24は例えば、光パワーメータ、光オシロスコープ、エラービット測定器であり、光信号を用い被試験部10に対応する半導体レーザの試験項目を試験する。このように、試験部20は被試験物から出力された被試験信号を用い被試験物の試験項目を試験する。試験制御部22は例えばパーソナルコンピュータでありネットワークに接続されており、OAシステムの再起動することなくネットワークに接続および離脱が可能である。このように、試験部20は、光信号を、試験部が要求する試験項目で試験する試験器24(試験実行手段)と試験制御部22(試験情報手段)とを有している。なお、試験部20は複数の試験器24を有していても良い。また、試験部20は光信号を電気信号に変換する変換器を有し、光ファイバ25は変換器に接続され、変換器から出力された電気信号を試験器24が試験する構成であっても良い。
【0023】
図1を参照に、被試験部10a、10bおよび10cから出力した被試験信号はそれぞれ光ファイバである伝送経路LA、LBおよびLCを伝搬しスイッチ部30に入力する。スイッチ部30から出力した被試験信号は光ファイバである伝送経路La、LbおよびLcを伝搬し、それぞれ試験部20a、20bおよび20cに入力する。スイッチ部30は、光スイッチであり、伝送経路LA、LBおよびLBの任意の線路を伝送経路La、LbおよびLcの任意の線路に接続する。このように、スイッチ部30は、複数の被試験物部の少なくとも1つから出力された被試験信号(すなわち、被試験物の少なくとも1つから出力された被試験信号)を複数の試験部20のうち少なくとも1つに接続する。スイッチ部30は複数の被試験部10に接続された第1スイッチ32と、複数の試験部20に接続された第2スイッチ34と、第1スイッチ32から第2スイッチ34に被試験信号を伝送する接続部36と、を有する。ここでは、第1スイッチ32および第2スイッチ34にはマトリックススイッチを用いている。
【0024】
第1スイッチ32は伝送経路LA、LBおよびLCを接続部36の光ファイバである伝送経路L1、L2およびL3の任意の線路に接続する。伝送経路L1は第2スイッチ34に入力する。伝送経路L2は光信号を分岐する分岐部38に入力する。分岐部38は例えば光用カプラであり光信号を光ファイバである伝送経路L21、L22およびL23に分岐する。伝送経路L21およびL22はそのまま第2スイッチ34に入力する。伝送経路L23は、伝送経路L21,L22とは伝送距離が長い。つまり伝送距離が異なる。伝送距離が長い伝送経路は、例えば長い光ファイバを用い伝送経路を形成することにより実現される。伝送経路L21、L22およびL23は第2スイッチ34に入力する。伝送経路L3は伝送経路L1に比べ伝送距離が長い。伝送経路L3は第2スイッチ34に入力する。第2スイッチ34は伝送経路L1、L21、L22、L23およびL3を光ファイバである伝送経路La、LbおよびLcに任意の線路に接続する。伝送経路La、LbおよびLcはそれぞれ試験部20a、20bおよび20cに接続される。各被試験部10、試験部20、第1スイッチ32、第2スイッチ34(つまりスイッチ部30)はLAN等のネットワークに接続されている。
【0025】
このように、実施例1に係る試験システムは、半導体レーザ16(被試験物)に光信号を出力させる複数の被試験部10と、複数の半導体レーザ16のうち1つの半導体レーザから出力された光信号(被試験信号)を用い半導体レーザの試験項目を試験する複数の試験部20と、を備えている。さらに、複数の半導体レーザ16の少なくとも1つから出力された光信号を複数の試験部20のうち少なくとも1つに接続するスイッチ部30を備えている。
【0026】
図4および図5を参照に、実施例1に係る試験システムの動作を説明する。被試験部A10aの被試験物を試験する場合を例に説明する。図4は複数の被試験部10のうちの1つである被試験部A10a(選択被試験部)が行う制御であり、図5は試験部20が行う制御である。被試験部A10aの被試験制御部11は被試験物の試験を行う試験項目のリストを有している。図6(a)は試験項目リストの例である。試験項目リストには、試験を行う順番に対応した試験項目1、2、3が記載されている。また、被試験部A10aは例えば図6(b)のような試験フローを有している。図6(b)の試験フローの例では、試験項目1から試験項目4(ステップS60からS66)を行う。その後、試験項目2から試験項目4の試験結果が全て所定の基準を満たしているか判定する(ステップS68)。所定の基準を満たしていれば、試験項目5の試験を行い(ステップS70)、試験結果を保存し終了する。ステップS68において、所定の基準を満たしていなければ、試験部20が行う試験の試験条件、半導体レーザ16に光信号を出力させる条件、スイッチ部30が選択する伝送経路等の試験条件を変更し(ステップS72)、ステップS62に戻る。このように、被試験部10は、単に試験項目リストに基づき、試験を行うだけでなく、試験結果に基づき、試験条件を変更し再度試験を行うこともできる。なお、試験項目1から試験項目5は同じ試験部20で試験を行うこともできるし、それぞれ異なる試験部20で試験を行うこともできる。
【0027】
次に、1つの試験項目の試験を行う際のフローを説明する。図4を参照に、まず、被試験制御部11は、各試験部20a、20b、20cに試験可能な試験項目である試験項目情報を要求する(ステップS10)。試験部20の試験制御部22は図7のように、試験可能な試験項目のリストを有している。例えば試験部aは試験項目1、2および3の試験が可能である。試験部bは試験項目1、3および4の試験が可能である。試験部cは試験項目2および4の試験が可能である。図5を参照に、試験部20の試験制御部22は、被試験部A10aの試験項目要求に応じ、各自の試験可能な試験項目(試験項目情報)を被試験部A10aの被試験制御部11に出力する(ステップS40)。図4を参照に、被試験部A10aの被試験制御部11は各試験部20より各試験項目情報を取得する(ステップS12)。
【0028】
図4を参照に、試験部20の中で試験項目1が試験可能な試験部20は試験部a20aおよび試験部b20bである。そこで、被試験部A10aの被試験制御部11は試験すべき試験項目1を有する試験部20a、20bに順番情報等を要求する(ステップS14)。試験部20の試験制御部22は試験を行う優先順位に関する順番情報を有している。図8は試験部a20aおよび試験部b20bの順番情報の例を示した図である。順番情報には、例えば試験を行う順番、被試験部、試験項目が記載されている。試験部a20aは、次の試験として被試験部B10bの試験項目1を試験する。次に、被試験部C10cの試験項目1を試験する。試験部b20bは次に被試験部C10cの試験項目4を試験する。図5を参照に、試験部a20aおよび試験部b20bの試験制御部22は、被試験部A10aの被試験制御部11に順番情報を出力する(ステップS42)。このとき、被試験部A10aの被試験制御部11はスイッチ部30に光信号を試験器に接続させるための認識情報を、試験部20の試験の稼動状態を示す稼動情報等を被試験部A10aの被試験制御部11に出力しても良い。また、識別情報、稼動情報は、順番情報とは別の機会に被試験部A10aに出力しても良い。図4を参照に、被試験部A10aの被試験制御部11は試験部a20aおよび試験部b20bより順番情報、認識情報、稼動情報等を取得する(ステップS16)。
【0029】
被試験部A10aの被試験制御部11は順番情報に基づき、試験項目1を試験させる試験部20である選択試験部を選択する(ステップS18)。例えば、順番情報として、試験待ちの順番を取得し、順番の早い試験部20を選択することができる。また、試験待ちの試験項目を入手し、試験項目の試験時間を勘案し選択試験部を選択することもできる。実施例1では試験部b20bを選択したとする。被試験部A10aの被試験制御部11は、選択試験部である試験部b20bに試験項目1の試験を指示する(ステップS20)。被試験部A10aの被試験制御部11は、試験部b20bより試験可能の通知を待つ(ステップS21)。図5を参照に、試験部b20bの試験制御部22は被試験部A10aの指示を受け、図9のように、順番情報に被試験部A10aの試験項目1を追加する(ステップS44)。
【0030】
被試験部A10aの試験項目1の試験が可能となると、被試験部A10aに試験可能を通知する(ステップS48)。図4を参照に、被試験部A10aの被試験制御部11は、スイッチ部30に試験部b20bの認識情報に基づき、被試験部A10aから出力した光信号が伝播する伝送経路LAを選択試験部20bに対応する伝送経路Lbに接続することを指示する(ステップS22)。被試験部A10aの被試験制御部11は、信号発生器12、電源13および温度コントローラ14に指示し、被試験物である半導体レーザ16に被試験信号である光信号を出力させる(ステップS24)。被試験部A10aの被試験制御部11は、試験の終了まで待機する(ステップS26)。図5を参照に、試験部b20bの試験器24は、被試験部A10aに対応する半導体レーザ16から出力した光信号を用い、試験項目1の試験を行う(ステップS50)。試験部b20bの試験制御部22は、試験が終了すると試験の終了を被試験部A10aに通知する(ステップS52)。試験部b20bの試験制御部22は、被試験部A10aに試験項目1の試験データを出力する(ステップS54)。
【0031】
図4を参照に、被試験部A10aの被試験制御部11は、試験部b20bより試験データを取得する(ステップS28)。被試験部A10aの被試験制御部11は、試験データに問題がないか確認し、問題なければ、スイッチ部30および試験部b20bに試験の終了を通知する(ステップS30)。図5を参照に、試験部b20bの試験制御部22は、試験終了の通知を受け、順番情報の被試験部A10aの試験項目1を削除する(ステップS56)。図4を参照に、被試験部A10aの被試験制御部11は、試験項目リストを基に、最後の試験項目かを判断する(ステップS32)。最後の試験項目でなければ、図6(a)の試験項目リストの次の試験項目に進む(ステップS34)。ステップS32において、最後の試験項目であれば、試験を終了する。
【0032】
実施例1に係る試験システムの試験装置である被試験部A10aにおいて、図4のステップS12のように、被試験部A10aの被試験制御部11(試験部選択手段)は、複数の試験部20の少なくとも一部20a、20bより、試験可能な試験項目を示す試験項目情報を取得する。図4のステップS18のように、試験項目情報に基づき、試験すべき試験項目を試験する試験部20である選択試験部20bを選択する。図4のステップS22のように、スイッチ部30に選択試験部20bに光信号を接続させるための命令を出力する。例えば、被試験部A10aを新たに接続した場合、被試験部A10aの被試験制御部11は、ある試験項目の試験を複数の試験部20のうちいずれの試験部20で行うべきかの情報を有していない。このような場合も、実施例1によれば、被試験部A10aは各試験部20の試験項目情報を取得し、試験部20を選択できる。これにより、被試験制御部11に試験項目の試験を行う試験部20を指定するようなプログラムの変更を行うことなく、試験システムへの新たな被試験部A10aの接続が可能となる。また、被試験部A10aを試験システムから離脱した場合、例えば試験部20がいずれの被試験部10の指示で試験を行うかのプログラムの変更やシステムを停止する必要必要がない。このように、試験システムへの被試験部10の接続および離脱が容易となる。また、ネットワークに接続された複数の試験部20より選択試験部を選択できるため、複数の試験部20を有効に利用することができる。
【0033】
被試験制御部11は試験項目要求を出力せず、試験部20が定期的に出力する試験項目情報を取得しても良い。しかし、実施例1においては、図4のステップS10のように、被試験制御部11は、試験部20a、20bに試験項目情報を取得するための試験項目要求を出力する。ステップS12のように、試験項目要求に対応し、試験部20a、20bおよび20cより試験項目情報を取得する。これにより、試験項目情報の取得を効率的に行うことができる。
【0034】
被試験制御部11は順番情報を入手せず、試験項目情報に基づき選択試験部を選択することもできる。しかし、実施例1においては、図4のステップS16のように、被試験制御部11は、試験部20a、20bより試験を行う待ち順番に関する順番情報を取得する。図4のステップS18のように被試験制御部11は、試験部20a、20bの順番情報に基づき、接続すべき選択試験部20bを選択する。これにより、早期に試験を行うことのできる試験部20bを選択することができる。なお、順番情報は、試験部20の試験を行う順番に関する情報であれば良く、例えば、現在、他の試験を行っているか否かの稼動情報のみでも良い。
【0035】
実施例1に係る試験システムの試験装置である試験部20において、図5のステップS40のように、試験制御部22(試験情報手段)は、自己が試験可能な試験項目である試験項目情報を、複数の被試験部10の1つである選択被試験部A10aに出力する。ステップS50のように、試験器24(試験実行手段)は、選択被試験部10aに対応する半導体レーザ16から出力され、スイッチ部30により接続された光信号を、試験可能な試験項目のうち選択被試験部A10aの要求する試験項目で試験する。つまり、試験器24は、試験項目情報に基づいて選択された半導体レーザ16からの光信号を該当する試験項目で試験する。例えば、試験システムに新たに試験部b20bを接続した場合、試験部b20bの試験制御部22は,試験可能な試験項目のうちいずれの試験項目で試験を行うかの情報を有していない。このような場合も、実施例1によれば、試験部b20bは選択被試験部A10aに試験項目情報を出力し、試験器24は選択被試験部A10aの要求する試験項目で試験することができる。これにより、試験制御部22おいて試験を行う試験項目を指定するようなプログラムの変更を行うことなく、試験システムへの新たな試験部b20bの接続が可能となる。また、試験部b20bを試験システムから離脱した場合、例えば、被試験部10において、試験部20の試験項目情報のプログラム変更やシステムを停止する必要がない。このように、試験システムへの試験部20の接続および離脱が容易となる。
【0036】
試験制御部22は試験項目情報を定期的に選択試験部に出力しても良い。しかし、実施例1においては、図5のステップS40のように、試験制御部22は、選択被試験部10aの要求に応じ試験項目情報を出力する。これにより、試験項目情報の出力を効率的に行うことができる。
【0037】
図8のように、試験制御部22は、試験を行う順番に関する順番情報を有する。これにより、試験部20は、試験項目を順番に試験することができる。また、順番情報を被試験部10に出力することができる。
【0038】
図5のステップS42のように、試験制御部22は、スイッチ部30に選択被試験部10aに対応する半導体レーザ16から出力された光信号を試験器24に接続させるための認識情報を選択被試験部10aに出力する。これにより、試験制御部22は、スイッチ部30に対応する試験器24に選択被試験部10aの光信号を接続させることができる。
【0039】
図10(a)および図10(b)は、順番情報が優先情報を有する例である。図10(a)および図10(b)は試験部b20bの順番情報を示す図である。図8の順番情報の内容に加え、各順番の試験項目に対応し優先情報を有している。優先情報は2以上の優先度を有し、実施例1では優先または普通の2つの優先度を有する。図4のステップS20において、被試験部A10aの被試験制御部11が試験部b20bに試験を指示する際、試験項目の優先情報を同時に出力する。例えば、この優先情報が優先の場合、試験部b20bの試験制御部22は、先の試験項目(被試験部C10cの試験項目4)の優先情報が普通の(優先度が低い)場合は、図10(a)のように、先の試験項目より、被試験部A10aの試験項目4の試験の順番を先とする。つまり、被試験部A10aの試験項目4の試験を優先する。一方、図10(b)のように、先の試験項目の優先情報が優先の(優先度が同じか高い)場合は先の試験項目を優先する。
【0040】
このように、被試験制御部11は、試験部b20bの順番情報の試験をすべき試験項目の試験順番を優先させることが可能である。また、図4のステップS18において、優先情報にも基づき、選択試験部を選択することもできる。また、実施例1においては、スイッチ部30は第1スイッチ32、第2スイッチ34および接続部36を有していたが、スイッチ部30は複数の伝送経路LA、LB、LCのうち任意の1つを伝送経路La、Lb、Lcの任意の1つに接続するスイッチ部であってもよい。
【実施例2】
【0041】
実施例2は、システム制御部40を有する例である。図11を参照に、試験システムは、試験部20と被試験部10とに接続されたシステム制御部40を有する。システム制御部40は例えばパーソナルコンピュータであり、被試験部10、試験部20、スイッチ部30の例えばパーソナルコンピュータおよびシステム制御部40を含み接続されるLAN等のネットワークに接続されている。その他の構成は実施例1と同じであり同じ部材は同じ符号を付し説明を省略する。実施例2に係る試験システムにおいては、システム制御部40が試験項目情報を保持している。実施例に係る試験システムの制御は以下のように行われる。図4のステップS10において、被試験制御部11はシステム制御部40に試験項目情報を取得するための試験項目要求を出力する。ステップS12において、システム制御部40より試験部20の試験項目情報を取得する。このように、試験項目情報は、実施例1のように試験部20から提供されてもよいし、実施例2のようにシステム制御部40から提供されてもよい。また、システム制御部40が試験部20の順番情報、認識情報を有している。ステップS16において、被試験制御部11は、システム制御部40より試験部20の順番情報および認識情報を取得する。ステップS20において、被試験制御部11は、選択試験部20bへの試験の指示を直接選択試験部20bにまたはシステム制御部40を介して指示する。ステップS21において、被試験制御部11は、試験可能の通知を選択試験部から直接またはシステム制御部40を介して取得する。ステップS22において、被試験制御部11はスイッチ部30への指示を直接選択試験部20bにまたはシステム制御部40を介して指示する。ステップS28において、被試験制御部11は、試験データの取得を選択試験部20bから直接またはシステム制御部40を介して取得する。ステップS30において、終了の通知を直接選択試験部20bにまたはシステム制御部40を介して通知する。その他の制御は実施例1と同じであり説明を省略する。このように、システム制御部40を介し情報の取得、指示、通知を行っても実施例1と同様の効果を奏することができる。また、図10(a)および図10(b)を用い説明したように、被試験制御部11は、試験部b20bの順番情報の試験をすべき試験項目の試験順番を優先させることも可能である。
【0042】
実施例1および2において、被試験信号は電気信号または光信号等とすることができる。特に光信号を用いた場合は、光ファイバを用いることにより長距離を伝送させた場合の損失が小さく耐ノイズ性能も高いため被試験部10と試験部20とが物理的に大きく離れている場合も、実施例1に係る試験システムを用いることができる。よって、試験部20を一層効率的に利用することができる。なお、光ファイバを用いた場合、被試験信号である光信号の波長が1.3μm帯から1.5μm帯の場合、光信号の伝送による損失を一層低減することができる。また、被試験物は半導体レーザ以外であっても良く、発光ダイオードのように光信号を出力する発光素子とすることができる。被試験部10の信号出力手段は、電源13、信号発生器12および温度コントローラ14のいずれか、または被試験物に被試験信号を出力させるためのその他の装置であってもよい。試験部20の試験器24は被試験物から出力された被試験信号を試験できる装置であれば良く、一台以上の組み合わせでもよい。
【0043】
被試験信号が電気信号の場合は、被試験物は例えば、電気信号としてアナログ信号やデジタル信号を出力する電子装置である。被試験部10の信号出力手段は電子装置に電気信号を出力させるための例えば電源13、信号発生器12および温度コントローラ14とすることができる。試験部20の試験器24は電気信号を試験するテスタ等の試験器とすることができる。分岐部38は電気信号を分岐する分岐部、伝送経路は電気ケーブルとすることができる。
【実施例3】
【0044】
実施例3は被試験信号が光信号であり、被試験物からスイッチ部30への光信号の伝送を多重分割化して行う例である。図12を参照に、被試験部10とスイッチ部30との間に多重分割部50と復調部52とが接続されている。その他の構成は実施例1と同様であり説明を省略する。被試験部A10aの半導体レーザから例えば波長λ1の波長の光信号A(λ1)が光ファイバLA出力される。同様に、例えば被試験部B10b、C10c、D10dからそれぞれ光信号B(λ2)、C(λ3)およびD(λ1)がそれぞれ光ファイバLB、LCおよびLDに出力される。ここでλ1、λ2およびλ3は波長が異なる。多重分割部50は、異なる波長の光信号を多重分割化し伝送経路L1、L2に出力する。光信号A(λ1)、B(λ2)およびC(λ3)は多重分割され伝送経路L1に出力される。光信号D(λ1)はA(λ1)と波長が同じため、光信号A(λ1)とは別の伝送経路L2に出力される。復調部52は多重分割化された光信号を復調させ、光信号A(λ1)、B(λ2)、C(λ3)およびD(λ1)をそれぞれ光ファイバLA´、LB´、LC´およびLD´に出力する。光スイッチであるスイッチ部30は光ファイバLA´、LB´、LC´およびLD´の任意の光ファイバを光ファイバLa、Lb、LcおよびLdの任意の光ファイバに接続する。図12の例では、光ファイバLaにLB´が接続される。同様に、Lb、LcおよびLdにLA´、LC´およびLD´が接続される。
【0045】
実施例3においては、複数の被試験物から出力された波長の異なる光信号を多重分割化する多重分割部50と、多重分割化された光信号を伝送する光ファイバL1、L2(伝送部)と、伝送された光信号を復調しスイッチ部30に出力する復調部と、を有している。これにより、被試験部10とスイッチ部30と間の光信号の伝送のための光ファイバの本数を減らすことができる。特に、被試験部10とスイッチ部30とが離れている場合有効である。
【0046】
被試験部10、試験部20およびスイッチ部30の制御は実施例1と同様に行うことができる。また、実施例2のシステム制御部40を付加し、実施例2と同様に制御することもできる。
【0047】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は実施例1に係る試験システムのブロック図である。
【図2】図2は被試験部のブロック図である。
【図3】図3は試験部のブロック図である。
【図4】図4は被試験部のフローチャートである。
【図5】図5試験部のフローチャートである。
【図6】図6(a)は被試験部が有する試験項目リストの例、図6(b)は被試験部が行う試験フローの例を示す図である。
【図7】図7は試験部が有する試験項目情報の例を示す図である。
【図8】図8は試験部が有する順番情報の例を示す図である。
【図9】図9は試験部が有する順番情報の例を示す図である。
【図10】図10(a)および図10(b)は優先情報を有する順番情報の例を示す図である。
【図11】図11は実施例2に係る試験システムのブロック図である。
【図12】図12は実施例3に係る試験システムのブロック図である。
【符号の説明】
【0049】
10 被試験部
11 被試験制御部
16 半導体レーザ
20 試験部
22 試験制御部
24 試験器
30 スイッチ部
40 システム制御部
50 多重分割部
52 復調部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験物に被試験信号を出力させる被試験部と、
前記被試験信号を用い前記被試験物の試験項目を試験する試験部と、
複数の前記被試験物の少なくとも1つから出力された前記被試験信号を複数の前記試験部のうち少なくとも1つに接続するスイッチ部と、を具備し、
前記被試験部は、前記試験部が試験可能な試験項目を示す試験項目情報を取得し、前記試験項目情報に基づき、試験すべき試験部を選択し、前記スイッチ部によって前記選択した試験部に前記被試験信号を接続させるための命令を出力する試験部選択手段を有することを特徴とする試験システム。
【請求項2】
前記試験項目情報は、前記試験部または前記試験項目情報を保持したシステム制御部から提供されるものであることを特徴とする請求項1記載の試験システム。
【請求項3】
前記試験部選択手段は、前記試験部または前記システム制御部に前記試験項目情報を取得するための試験項目要求を出力し、
前記試験項目要求に対応し、前記試験部または前記システム制御部より前記複数の試験部の前記試験項目情報を取得することを特徴とする請求項2記載の試験システム。
【請求項4】
前記試験部選択手段は、前記試験部より試験を行う待ち順番に関する順番情報を取得し、前記試験部の前記順番情報および前記試験項目情報に基づき、接続すべき前記試験部を選択することを特徴とする請求項1記載の試験システム。
【請求項5】
前記試験選択手段は、前記選択した試験部に対して試験順番を優先させることが可能であることを特徴とする請求項4記載の試験システム。
【請求項6】
複数の前記被試験物から出力された波長の異なる前記被試験信号である光信号を多重分割化する多重分割部と、
多重分割化された前記光信号を伝送する伝送部と、
伝送された前記光信号を復調し前記スイッチ部に出力する復調部と、を具備することを特徴とする請求項1記載の試験システム。
【請求項7】
被試験物から出力された被試験信号を用い前記被試験物の試験項目を試験する試験部より、試験可能な試験項目を示す試験項目情報を取得し、前記試験可項目情報に基づき、試験すべき試験部を選択し、複数の前記被試験物から出力された前記被試験信号を複数の前記試験部のうち少なくとも1つに接続するスイッチ部によって、前記選択した試験部に前記被試験信号を接続させる試験部選択手段と、
前記被試験物に前記試験信号を出力させる信号出力手段と、を有することを特徴とする試験装置。
【請求項8】
前記試験部選択手段は、前記試験項目情報を取得するための試験項目要求を出力し、
前記試験項目要求に対応し、前記試験項目情報を取得することを特徴とする請求項7記載の試験装置。
【請求項9】
前記試験部選択手段は、前記試験部の試験を行う待ち順番に関する順番情報を取得し、前記試験部の前記順番情報および前記試験項目情報に基づき、接続すべき前記試験部を選択することを特徴とする請求項7記載の試験装置。
【請求項10】
前記試験選択手段は、前記選択した試験部に対して試験順番を優先させることが可能であることを特徴とする請求項9記載の試験装置。
【請求項11】
被試験物に被試験信号を出力させる被試験部と、前記被試験信号を用い前記被試験物の試験項目を試験する試験部と、を具備する試験システムの制御方法において、
前記試験部の試験可能な試験項目である試験項目情報を取得するステップと、
前記試験項目情報に基づき、試験すべき試験部を選択するステップと、
前記選択した試験部に前記被試験信号を接続するステップと、を有することを特徴とする試験システムの制御方法。
【請求項12】
前記試験項目情報を取得するステップは、
前記試験項目情報を取得するための試験項目要求を出力するステップを含むことを特徴とする請求項11記載の試験システムの制御方法。
【請求項13】
前記選択試験部を選択するステップは、前記試験部の試験を行う待ち順番に関する順番情報を取得するステップと、前記試験部の前記順番情報および前記試験項目情報に基づき、接続すべき前記試験部を選択するステップと、を有することを特徴とする請求項11記載の試験システムの制御方法。
【請求項14】
前記選択した試験部を選択するステップは、前記選択した試験部の試験項目の試験順番を優先させるステップを有することを特徴とする請求項13記載の試験システムの制御方法。
【請求項1】
被試験物に被試験信号を出力させる被試験部と、
前記被試験信号を用い前記被試験物の試験項目を試験する試験部と、
複数の前記被試験物の少なくとも1つから出力された前記被試験信号を複数の前記試験部のうち少なくとも1つに接続するスイッチ部と、を具備し、
前記被試験部は、前記試験部が試験可能な試験項目を示す試験項目情報を取得し、前記試験項目情報に基づき、試験すべき試験部を選択し、前記スイッチ部によって前記選択した試験部に前記被試験信号を接続させるための命令を出力する試験部選択手段を有することを特徴とする試験システム。
【請求項2】
前記試験項目情報は、前記試験部または前記試験項目情報を保持したシステム制御部から提供されるものであることを特徴とする請求項1記載の試験システム。
【請求項3】
前記試験部選択手段は、前記試験部または前記システム制御部に前記試験項目情報を取得するための試験項目要求を出力し、
前記試験項目要求に対応し、前記試験部または前記システム制御部より前記複数の試験部の前記試験項目情報を取得することを特徴とする請求項2記載の試験システム。
【請求項4】
前記試験部選択手段は、前記試験部より試験を行う待ち順番に関する順番情報を取得し、前記試験部の前記順番情報および前記試験項目情報に基づき、接続すべき前記試験部を選択することを特徴とする請求項1記載の試験システム。
【請求項5】
前記試験選択手段は、前記選択した試験部に対して試験順番を優先させることが可能であることを特徴とする請求項4記載の試験システム。
【請求項6】
複数の前記被試験物から出力された波長の異なる前記被試験信号である光信号を多重分割化する多重分割部と、
多重分割化された前記光信号を伝送する伝送部と、
伝送された前記光信号を復調し前記スイッチ部に出力する復調部と、を具備することを特徴とする請求項1記載の試験システム。
【請求項7】
被試験物から出力された被試験信号を用い前記被試験物の試験項目を試験する試験部より、試験可能な試験項目を示す試験項目情報を取得し、前記試験可項目情報に基づき、試験すべき試験部を選択し、複数の前記被試験物から出力された前記被試験信号を複数の前記試験部のうち少なくとも1つに接続するスイッチ部によって、前記選択した試験部に前記被試験信号を接続させる試験部選択手段と、
前記被試験物に前記試験信号を出力させる信号出力手段と、を有することを特徴とする試験装置。
【請求項8】
前記試験部選択手段は、前記試験項目情報を取得するための試験項目要求を出力し、
前記試験項目要求に対応し、前記試験項目情報を取得することを特徴とする請求項7記載の試験装置。
【請求項9】
前記試験部選択手段は、前記試験部の試験を行う待ち順番に関する順番情報を取得し、前記試験部の前記順番情報および前記試験項目情報に基づき、接続すべき前記試験部を選択することを特徴とする請求項7記載の試験装置。
【請求項10】
前記試験選択手段は、前記選択した試験部に対して試験順番を優先させることが可能であることを特徴とする請求項9記載の試験装置。
【請求項11】
被試験物に被試験信号を出力させる被試験部と、前記被試験信号を用い前記被試験物の試験項目を試験する試験部と、を具備する試験システムの制御方法において、
前記試験部の試験可能な試験項目である試験項目情報を取得するステップと、
前記試験項目情報に基づき、試験すべき試験部を選択するステップと、
前記選択した試験部に前記被試験信号を接続するステップと、を有することを特徴とする試験システムの制御方法。
【請求項12】
前記試験項目情報を取得するステップは、
前記試験項目情報を取得するための試験項目要求を出力するステップを含むことを特徴とする請求項11記載の試験システムの制御方法。
【請求項13】
前記選択試験部を選択するステップは、前記試験部の試験を行う待ち順番に関する順番情報を取得するステップと、前記試験部の前記順番情報および前記試験項目情報に基づき、接続すべき前記試験部を選択するステップと、を有することを特徴とする請求項11記載の試験システムの制御方法。
【請求項14】
前記選択した試験部を選択するステップは、前記選択した試験部の試験項目の試験順番を優先させるステップを有することを特徴とする請求項13記載の試験システムの制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−271588(P2007−271588A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−101120(P2006−101120)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000154325)ユーディナデバイス株式会社 (291)
【復代理人】
【識別番号】100137615
【弁理士】
【氏名又は名称】横山 照夫
【復代理人】
【識別番号】100134511
【弁理士】
【氏名又は名称】八田 俊之
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000154325)ユーディナデバイス株式会社 (291)
【復代理人】
【識別番号】100137615
【弁理士】
【氏名又は名称】横山 照夫
【復代理人】
【識別番号】100134511
【弁理士】
【氏名又は名称】八田 俊之
【Fターム(参考)】
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