説明

試験機器の運転管理装置

【課題】測定者に掛ける作業負担を軽減し、且つ、評価試験を効率的に行うことのできる試験機器の運転状態を管理するための試験機器の運転管理装置の提供。
【解決手段】取り付けられる試験機器は、本体上に設置された試験中の試験容器を本体とともに囲繞し測定者の接近を遮断するとともに、試験中断及び試験終了後に開動作して移動し測定者の接近を許容する殻状体からなる安全装置を含む。ここで運転管理装置は、殻状体の開動作に応じて信号を生成するセンサ手段と、センサ手段からの信号に応答してアドレス信号を送出する信号送出手段と、からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種物性値の測定に使用される試験機器に取り付けられて運転状態を管理するための試験機器の運転管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物体の質量やある温度での物体の大きさなどは1回の測定だけで得ることができる。一方、得たい物性値や測定の方法によっては、連続若しくは所定間隔で複数回の測定を行わなければ得られない場合もある。例えば、示差熱分析により物体を構成する物質の変態温度を得るためには、参照物質及び試験物質の間の温度差を、これらを加熱しながら連続若しくは所定間隔で複数回測定しなければならない。また、物体を構成する物質の劣化や変性を知るための耐久試験など、各種物質の変化を知るための試験では、同様に、連続若しくは所定間隔で複数回の測定が必要となる。かかる場合、測定者による手測定では作業負担が大きく、特に長時間の測定となると測定者の作業負担は更に大きくなってしまう。故に、測定を自動的に行うことができる試験機器の使用が望まれる。
【0003】
1つの例として、油脂の貯蔵安定性を評価するための酸化安定度の評価試験を挙げる。酸化安定度の測定・評価方法はJIS K2514に定められているが、これによれば恒温浴槽中の試験容器から一定時間ごとに試料である油脂を採取して、粘度比や全酸価増加量などを測定して酸化安定度を評価することとしている。この油脂の採取及び測定の繰り返しを測定者の手作業によるとすれば、長時間の作業となり、測定者に掛ける作業負担は大きかった。
【0004】
例えば、特許文献1では、酸化安定度の評価試験において、測定者の手作業による油脂の採取及び測定作業を必要とせず、測定を自動化できる試験機器が開示されている。試験容器内で連続して測定し得る油脂の温度や臭い強度、透過率などの測定値(物性値)から油脂の酸化安定度を評価している。かかる試験機器では、油脂中に酸素を吹き込んで攪拌し、酸化を促進しながら加速試験を行っているため、測定を短時間で行い得るとも述べている。
【0005】
更に、このような評価試験のうち、バイオディーゼル油やディーゼル/バイオディーゼル混合油の酸化安定度の評価試験では、一般の油脂に比べてその性状のばらつきが大きいことから、測定に必要とされる測定時間のばらつきも非常に大きい。またより多くの試験回数を行って、正確な評価を行う必要も生じる。その結果、試験を監視する測定者の負担が大きくなっていた。そこで特許文献1のような測定を自動化できる試験機器においても、測定者に掛ける作業負担を更に軽減し、且つ、評価試験を効率的に行う観点から、試験機器の試験の終了を試験機器から離れた場所に居る測定者に対して通報できる運転管理装置を試験機器に与えることが考えられた。
【0006】
例えば、特許文献2では、通知義務者に回線を通じて電気設備や機械設備の異常を自動的に通報する通報システムが開示されている。かかる通報システムを運転管理装置として上記した油脂の酸化安定度の評価試験のための試験機器に与えることで、試験機器の試験の終了を試験機器から離れた場所に居る測定者に対して通報できる。測定者はいつ終了するか判らない評価試験のために試験機器にずっと立ち会うことなく、試験機器から離れた場所において測定の終了を通報された後に、試験機器のある場所に戻り、次の測定の準備をすることが出来るのである。故に、測定者に掛ける作業負担を軽減し、且つ、評価試験を効率的に行うことができる。また試験機器を効率よく使用できることから、コストの削減にも繋がる。
【0007】
ところで、バイオディーゼル油やディーゼル/バイオディーゼル混合油の酸化安定度の評価試験を加速試験によって行う試験機器の1つにおいて、試験容器内に酸素とともにこれらの油脂を入れて密閉し、百数十度の温度に加熱して試験容器内の圧力が一定値に達するまでの時間を測定する試験機器がある。試験機器の運転中は、高温・高圧の油脂を蓄える試験容器に測定者(管理者)が接近できないよう、試験容器を覆った殻状体などからなる安全装置が設けられる。そして試験中断及び試験終了後には、安全装置が解除され、測定者は試験容器への接近を許容され、試験容器の作業を行い得る。つまり、試験機器の運転中には、測定者は作業をすることはできないから、特許文献2のような通報システムにより試験終了の通報を受けるまで試験機器から離れた場所で他の作業をすることができるのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−270397号公報
【特許文献2】特開2002−56071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記した試験機器と通報システムを組み合わせる場合において、測定者への通報を行うタイミング信号を試験機器から通報システムへ出力する必要がある。しかしながら、試験機器には、このようなタイミング信号を出力するための外部出力端子を設けていないことも多い。また、試験機器が検定を受けた精密な測定機器であるような場合には、試験機器内部に改造を与えることは難しく、ノイズの発生などの測定への影響を防止する対策も必要となってしまう。
【0010】
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、測定者に掛ける作業負担を軽減し、且つ、評価試験を効率的に行うことのできる試験機器の運転状態を管理するための試験機器の運転管理装置の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による運転管理装置は、試験機器本体上に設置された試験中の試験容器を該試験機器本体とともに囲繞し該試験容器への測定者の接近を遮断するとともに、試験中断及び試験終了後に開動作して移動し該試験容器への測定者の接近を許容する殻状体からなる安全装置を含む試験機器に取り付けられてその運転状態を管理するための試験機器の運転管理装置であって、前記殻状体の開動作に応じて信号を生成するセンサ手段と、前記センサ手段からの前記信号に応答してアドレス信号を送出する信号送出手段と、からなることを特徴とする。
【0012】
かかる発明によれば、安全装置の動作に基づいて、試験機器における試験中断及び試験終了後にアドレス信号によって特定される通報先の測定者(管理者)へ通報を行うことが出来る。測定者はいつ終了するか判らない評価試験のために試験機器にずっと立ち会うことなく、試験機器から離れた場所において測定の終了を通報された後に、試験機器のある場所に戻り、次の測定の準備をすることが出来る。また、試験機器における試験終了だけでなく、試験中断にあっても通報はなされ得るから、試験の再セッティングを速やかに行い得る。すなわち、測定者に掛ける作業負担を軽減し、且つ、評価試験を効率的に行うことが出来て、試験機器を効率的に使用できることからコストをも削減できる。更に、試験機器内部の測定に関与する部分に改造を与える必要がなく、測定に管理装置の動作ノイズの影響を与えることもない。すなわち、測定に影響を与えることなく、取り付けが簡単に出来るのである。
【0013】
更に、上記発明において、前記センサ手段は、開動作による前記殻状体の移動を機械的接触により検出する検出部を有することを特徴としてもよい。
【0014】
かかる発明によれば、試験機器の設置される環境に大きく依存されることなく、確実に測定者に向けて通報をなし得る。また、安価に運転管理装置を製造できて、且つ、簡易に取り付け得る。
【0015】
更に、上記発明において、前記検出部は、少なくとも試験中断及び試験終了時において前記殻状体に機械的に接触せず、開動作による移動で検出位置に達した後に前記殻状体に機械的に接触することを特徴としてもよい。
【0016】
かかる発明によれば、少なくとも安全装置の解除動作初期には殻状体に検出部が機械的に接触をしていないから、殻状体の動作に影響を与えることがなく、試験機器を安全に使用することが出来る。
【0017】
更に、上記発明において、前記安全装置は、試験中断及び試験終了とともに前記殻状体の開動作を開始し少なくとも前記検出位置を越えて第1位置に移動させて固定し、所定条件を満たすと前記殻状体の固定を解除して第2位置への移動を許容して開動作を終了することを特徴としてもよい。
【0018】
かかる発明によれば、試験中断及び試験終了とともに第1位置に移動する殻状体により検出部を介して通報がなされる。測定者は、通報後に試験機器のある場所に戻り、殻状体の固定を解除されて第2位置への移動を許容されるまでの間に次の測定の準備をすることが出来る。つまり、評価試験を効率的に行い得る。
【0019】
更に、上記発明において、前記試験容器内の圧力及び/又は温度が所定値以下となることを前記所定条件とすることを特徴としてもよい。
【0020】
かかる発明によれば、測定者は、試験容器内の圧力及び/又は温度が所定値以下となるまで試験容器を取り扱えないから、安全に試験を行うことが出来る。
【0021】
更に、上記発明において、前記信号送出手段は、前記アドレス信号を通信回線に向けて送出することを特徴としてもよい。
【0022】
かかる発明によれば、既存の通信回線を用いて測定者への通報を行い得るから、簡易且つ安価にシステムを組み得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明による運転管理装置を含むシステムの図である。
【図2】本発明による運転管理装置を取り付けられる試験機器の一例の図である。
【図3】本発明による運転管理装置の要部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明者は、試験機器と通報システムとの組み合わせにおいて、測定者への通報を行うタイミング信号を試験機器の測定部から直接、通報システムへ出力するのではなく、試験機器の安全装置の動作によるべきであることを想到した。各種安全装置のうち、特に、試験中など一定の場合にだけ試験機器の特定部分への測定者の接近を遮断するように作動し、それ以外の場合にはこれを許容するように解除される遮蔽物を含む安全装置がある。かかる安全装置では、試験終了時だけでなく、試験中断時にあっても該特定部分での作業を出来るように解除されなければならない。故に、このような試験機器の安全装置の動作により通報がなされようにすれば、試験終了時だけでなく、試験中断時にあっても通報がなされ得て、試験機器の管理を行う上で非常に好ましい。しかも測定部とは直接の関係は有さないから、測定に影響を与えることもないのである。
【0025】
本発明の1つの実施例である試験機器の運転状態を管理するための試験機器の運転管理装置について、図1乃至3を用いてその詳細を説明する。
【0026】
図1に示すように、運転管理装置1は、装置本体5と、試験機器10の安全装置に取り付けられるセンサー部3とを含み、試験機器10の運転状態を管理する。すなわち、試験機器10が測定(試験)中であるかどうかをモニターして、測定が終了若しくは中断すると、測定者(管理者)への通報を自動的に行うのである。運転管理装置1は、あらかじめ設定された通報を行うべき測定者の端末を示すアドレス信号を交換器25に与える。交換器25は、有線及び無線を問わず通信回線、例えば、会社などの保有する専用回線や加入者電話回線などの公衆回線からなる回線20、又は、インターネットなどの回線30を介して、アドレス信号によって特定される端末22又は32へ通報を送信する。
【0027】
図2に運転管理装置1を取り付ける対象となる試験機器10の一例を示す。ここでは油脂の酸化安定度の評価試験を加速試験によって行う試験機器を示す。しかしながら、試験機器10はこれに特定されるものではなく、測定部と別に安全装置を設けている試験機器であれば取り付け得る。
【0028】
図2(a)に示すように、試験機器本体12上に設けられた凹部である容器収容部14には、試料容器14aが収容される。また容器収容部14の側部には、上下に移動自在に設けられた昇降ステージ18があって、この試験準備段階において、上方限界移動位置にある。昇降ステージ18の上方端部には、カップ状の殻状体16が開口部を下に向けて且つその一端部を回転軸X1の周りで揺動自在に取り付けられている。殻状体16は、この試験準備段階において、その揺動端部を上方に移動させて開いた状態にある(S1:試験準備位置)。すなわち、容器収容部14及び試料容器14aは、外部に向けて露出した状態にあって、例えば、試料収容部14に固定されている試料容器14a内に油脂を充填し、もしくは取り出し可能な試料容器14aを容器収容部14にセットするなどの試験準備をなしえる。
【0029】
試験準備が終了すると、殻状体16の揺動端部を下方へ向けて移動させるようにして、殻状体16を回転軸X1の周りを回転させ(図中のM1参照)、揺動端部を試験機器本体12の上面に当接させる。
【0030】
図2(b)に示すように、揺動端部は固定フック11に係合し、固定される(S2:試験待機位置)。このとき殻状体16は、試験機器本体12とともに、収容部14及び試料容器14aを囲繞し、わずかな隙間があるものの、測定者が試料容器14aに接近出来ないようになる。
【0031】
続いて、図2(c)に示すように、昇降ステージ18は下方に移動し、下方限界移動位置に達すると、殻状体16は試験機器本体12とともに収容部14及び試料容器14aを完全に覆ってしまう(S3:試験位置)。なお、このとき回転軸X1は、昇降ステージ18の上方端部において水平に移動するようなされている。この状態で、測定が開始され、試料容器内の油脂に圧力及び/又は温度が与えられる。
【0032】
一方、試料容器内の油脂の圧力が所定値に達すると、測定が終了する。測定の終了とともに、昇降ステージ18が上方限界移動位置に移動して、回転軸X1は先ほどとは逆に昇降ステージ18の上方端部において水平に移動し、試験待機位置となる(図2(b)参照)。このとき、殻状体16と試験機器本体12との間には、わずかな隙間ができるため、試料容器14aが外気によって効率よく冷却される。また、容器内の圧力が図示しない圧力調整弁などで大気圧前後に調整される。
【0033】
試料容器14aの内部の温度及び/又は圧力が所定値以下に低下すると、殻状体16と固定フック11との係合が解除可能となる。これにより、殻状体16は、回転軸X1の周りを回転自在となって、試料容器14aへの測定者の接近が許容され、試料の交換など、試験準備をなし得る試験準備位置となる。
【0034】
なお、昇降ステージ18が上方限界移動位置に戻ったとき、測定者によって、殻状体16及び固定フック11の機械的係合を強制的に外して、殻状体14を試験準備位置に移動せしめ、試料収容部14の内部の操作をできるようになっていてもよい。かかる状態では、所定条件、例えば、所定温度以下、若しくは、所定圧力以下に試料容器14a内部が達していないとき、ブザー(警報)を鳴動せしめて、測定者に注意を喚起するようになっていることが好ましい。
【0035】
なお、安全装置は、試料容器14への測定者の接近を所定の時のみ許容するものであるから、測定が終了したときのみならず、例えば、測定が中断された場合などにも上記したのと同じ動作が行われる。
【0036】
図3に運転管理装置1の拡大図を示す。
【0037】
試験機器本体12の昇降ステージ18の近傍には、ステイ41が立設されており、その上方端部近傍には、側方へ突出するように取り付けられたマイクロスイッチ43があり、そのスイッチ接点43aを下に向けている。すなわち、スイッチ接点43aが上方に押し上げられると、スイッチが入り、マイクロスイッチ43に接続された装置本体5のスイッチがオンになる。
【0038】
また、試験機器本体12に上下動自在に設けられた昇降ステージ18の側部には、レバー45が取り付けられており、レバー45の側方突出端部は少なくともマイクロスイッチ43のスイッチ接点43aの下にある。つまり、少なくとも安全装置の解除動作初期(試験位置→試験待機位置)では、殻状体16にセンサー部3が機械的に接触していないから、殻状体16の動作に影響を与えることがなく、試験機器1を安全に使用することが出来るのである。
【0039】
また、昇降ステージ18の側部にレバー45を取り付けることにより、上昇する昇降ステージ18がステイ41と干渉することを防止できるが、後述するように、スイッチ接点43aの押し上げを昇降ステージ18の上方端部によることとしても良い。
【0040】
試験機器10での測定の終了及び測定の中断によって、試験位置から試験待機位置へ安全装置が動作すると、昇降ステージ18に取り付けられたレバー45が昇降ステージ18の上昇とともに上昇し、やがてマイクロスイッチ43のスイッチ接点43aに当接しこれを上に押し上げる。これにより、運転管理装置1の装置本体5のスイッチがオンとなり、図1を併せて参照すると、あらかじめ設定された通報を行うべき測定者の端末を示すアドレス信号を交換器25に与える。交換器25は、有線及び無線を問わず通信回線、例えば、会社などの保有する専用回線や加入者電話回線などの公衆回線からなる回線20、又は、インターネットなどの回線30を介して、アドレス信号によって特定される端末22又は32へ通報を送信する。
【0041】
以上において、昇降ステージ18の昇降を光学スイッチや磁気スイッチなどで検出しても良い。しかしながら、機械スイッチによれば、例えば、試験室の光の状態によっては光学スイッチは誤動作を起こし得るなど、試験機器の設置される環境に大きく依存されることなく、確実に測定者に向けて通報をなし得る故に好ましい。また、安価に運転管理装置1を製造できて、且つ、簡易に取り付け得るのである。
【0042】
本実施例による運転管理装置によれば、測定者はいつ終了するか判らない評価試験のために試験機器にずっと立ち会うことなく、試験機器から離れた場所において測定の終了を通報された後に、試験機器のある場所に戻り、次の測定の準備をすることが出来る。また、試験中断にあっても通報はなされ得るから、試験の再セッティングを速やかに行い得る。すなわち、測定者に掛ける作業負担を軽減し、且つ、評価試験を効率的に行うことが出来る。
【0043】
また、本実施例による運転管理装置によれば、試験機器内部の測定に関与する部分に改造を与える必要がなく、測定に運転管理装置の動作ノイズの影響を与えることもない。すなわち、測定に影響を与えることなく、試験機器への取り付けが簡単に出来るのである。
【0044】
ここまで本発明による代表的実施例及びこれに基づく変形例を述べたが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではなく、適宜、当業者によって変更され得る。例えば、本発明の実施例では、特定の形状及び特定の試験目的の試験機器へ取り付けられる運転管理装置について述べてきた。しかしながら、他の形状及び試験目的などを有する異なる試験機器への取り付けも適宜なされ得る。すなわち、当業者であれば、添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、種々の代替実施例及び改変例を見出すことが出来るであろう。
【符号の説明】
【0045】
1 運転管理装置
3 センサー部
5 装置本体
10 試験機器
11 固定フック
12 試験機器本体
14a 試料容器
16 殻状体
18 昇降ステージ
25 交換器
20、30 回線
22、32 端末
43 マイクロスイッチ
43a スイッチ接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験機器本体上に設置された試験中の試験容器を該試験機器本体とともに囲繞し該試験容器への測定者の接近を遮断するとともに、試験中断及び試験終了後に開動作して移動し該試験容器への測定者の接近を許容する殻状体からなる安全装置を含む試験機器に取り付けられてその運転状態を管理するための試験機器の運転管理装置であって、
前記殻状体の開動作に応じて信号を生成するセンサ手段と、
前記センサ手段からの前記信号に応答してアドレス信号を送出する信号送出手段と、からなることを特徴とする運転管理装置。
【請求項2】
前記センサ手段は、開動作による前記殻状体の移動を機械的接触により検出する検出部を有することを特徴とする請求項2記載の運転管理装置。
【請求項3】
前記検出部は、少なくとも試験中断及び試験終了時において前記殻状体に機械的に接触せず、開動作による移動で検出位置に達した後に前記殻状体に機械的に接触することを特徴とする請求項2記載の運転管理装置。
【請求項4】
前記安全装置は、試験中断及び試験終了とともに前記殻状体の開動作を開始し少なくとも前記検出位置を越えて第1位置に移動させて固定し、所定条件を満たすと前記殻状体の固定を解除して第2位置への移動を許容して開動作を終了することを特徴とする請求項3記載の運転管理装置。
【請求項5】
前記試験容器内の圧力及び/又は温度が所定値以下となることを前記所定条件とすることを特徴とする請求項4記載の運転管理装置。
【請求項6】
前記信号送出手段は、前記アドレス信号を通信回線に向けて送出することを特徴とする請求項1乃至5のうちの1つに記載の運転管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−190627(P2010−190627A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−33248(P2009−33248)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【出願人】(000186913)昭和シェル石油株式会社 (322)
【Fターム(参考)】