説明

試験片を供給する方法

【課題】試験片を供給する方法であって、内部ハウジングが外部ハウジング内で移動する間、供給される試験片は固定した状態である方法を提供する。
【解決手段】試験片を供給する方法は、ハウジングと試験片ポートを有する測定器を含む試験片ディスペンサに配置される複数の試験片を載置するステップと、前記測定器の前記試験片ポートを前記試験片ディスペンサの前記ハウジングに接続するステップと、第1の試験片を固定して保持すると同時に第1の位置から第2の位置にガイド部材に沿って前記ハウジングを移動させるステップと、前記第1の試験片を前記ハウジングから取り除くステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
試験片を供給する方法であって、内部ハウジングが外部ハウジング内で移動する間、供給される試験片は固定した状態である方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生体液の成分を測定する装置および方法や、かかる装置に用いられる試験片は周知である。通常、試験片は、対象の液体成分を測定する装置から分離した使い捨て容器に保存される。公知の試験片システムでは、試験片を容器から取り出し、液状サンプルを試験片に供給し、所望の成分を分析する光度測定器または電気化学測定器に試験片を挿入する。分析完了後、試験片は測定器から抜き取られて廃棄される。
【0003】
携帯型の試験片ディスペンサおよび測定器、特に視覚と手の協調関係の低下した人または触覚の低下した人が用いるディスペンサは、その使いやすさが重要となる。通常、例えば、糖尿病患者は、一方または両方の眼に視力障害があり、指の感覚が弱い。かかる人は、試験片および測定器を用い、1日に何回も血糖値を検査する必要がある。しかしながら、典型的な試験片の幅や長さは、数ミリメートルにすぎないことから、取り扱いにくい。さらに、従来の試験片は、通常、1つの試験片を容易に抜き取ることが困難である小型の円筒容器に詰められる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、出願人は、公知の試験片および上記の関連構成部品の従来の欠点を改善する発明を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
試験片を供給する方法であって、内部ハウジングが外部ハウジング内で移動する間、供給される試験片は固定した状態である方法を提供する。その方法は、ハウジングと試験片ポートを有する測定器を含む試験片ディスペンサに配置される複数の試験片を載置することと、測定器の試験片ポートを試験片ディスペンサのハウジングに接続することと、第1の試験片を固定して保持すると同時に第1の位置から第2の位置にガイド部材に沿ってハウジングを移動させることと、第1の試験片を外部ハウジングから取り除くことを含むことによって達成することができる。
【0006】
このような実施形態ならびに他の実施形態、特徴および利点については、添付の図面による簡単な説明とともに以下の本発明の詳細な説明によって、当業者に明らかとなる。
【0007】
添付の図面は、本発明の好ましい本実施形態を示し、上記の概説および以下の詳細な説明とともに、本発明の特徴を説明する(類似の符号は類似の要素を示す)ために用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書に開示する様々な実施形態が、多種多様な電気化学試験片および光度測定試験片(例えば全血、血清または血漿の測定での使用に適している試験片)の保存または送達に適した試験片を供給する方法および装置を含む。一態様では、試験片ディスペンサは、複数のかかる試験片を保存することができ、「測定器」として公知の診断装置が受け取るために個々の試験片を供給することができる。また、本明細書に開示する試験片は、試験片ディスペンサと嵌合し、試験片ディスペンサから試験片を受け取るように構成される測定器を含む試験片供給システムである。
【0009】
以下の詳細な説明については、図面を参照することによって理解され、異なる図面の同様の要素には、同一の符号を付与されることに留意する。図面は、必ずしも原寸に比例しておらず、選択された実施形態を示し、本発明の範囲を限定するためのものではない。詳細な説明は、本発明の原則を示すものであり、限定するためのものではない。この説明によって、当業者は本発明を製作および使用できることは明らかであり、現在、本発明を実施する最良の形態であると考えられるものを含む本発明のいくつかの実施形態、改作例、変形例、他の実施形態およびその使用について記載する。
【0010】
図1A〜1Cおよび図2〜4は、実施形態による試験片ディスペンサ100を示す。試験片ディスペンサ100は、近端部102、遠端部104、外部ハウジング106および内部ハウジング108を含む。内部ハウジング108は、複数の試験片200(例えば多くの試験片)を収容するように構成され、外部ハウジング106内でで入れ子となり、外部ハウジング内で移動可能である。外部ハウジング106および内部ハウジング108は、ほぼ矩形であり、適切な材料(例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂スチレン、ポリカーボネートまたはその組み合わせが好ましい)で形成してもよい。
【0011】
本明細書において、図に示す様々な実施形態に用いることができる複数の試験片200の各々は、ほぼ細長い形状であり、内部ハウジング内で装着するような寸法である。例示の実施形態では、試験片200は、例えば、市販されているOneTouch(登録商標)ウルトラ(登録商標)ブランドグルコース試験片または他の適切な試験片であってよい。
【0012】
通常、複数の試験片200の各々は、液状サンプルが試験片ディスペンサ100の遠端部に添加され、試験片ディスペンサ100の遠端部に延びる遠端部を有する試験片ディスペンサ100に保持され、電気化学試験片の場合は、試験片ディスペンサ100の近端部の方へ延びる電気接続を含む近端部を有する試験片ディスペンサ100に保存される。これは、1つの試験片が測定器によって試験片ディスペンサ100から取り除かれたときに、試験片が液状サンプルを添加するための正しい方向にあることを確実にし、電気化学試験片の場合は、測定器との電気接続を確実にする。
【0013】
図1A〜1Cにおいて、外部ハウジング106は、第1部材110および第2部材112を含む。第2部材112は、内部ハウジング108に保存される試験片200に近づく開口部114を含む。例えば、第1部材110および第2部材112は、内部ハウジングを保持するの空間を形成するように、スナップフィットまたは超音波溶接で接合される。
【0014】
図2および図5に示すように、外部ハウジング106は、第1内面118上のガイド部材116、第2内面122に第1凹部120および第3内面126上の任意の第2凹部124をさらに含む。ガイド部材116は、近端部136上のレッジ128および止め具130および内部ハウジング108が移動する表面132を含む。ガイド部材116は、近端部136に第1のばねロケータ134を任意に含む。図5に示す一実施形態では、ガイド部材116の断面図はT字形である。図6および図7に示す実施形態では、ガイド部材116は、左または右のアームがそれぞれ取り除かれたT字形であってもよい。
【0015】
図1B、図1Cおよび図2に示す内部ハウジング108は、近端部138、遠端部140、第1側部142、第2側部144、第1端部146および第2端部148を含む。内部ハウジング108の近端部138は、試験片が供給される間に試験片が移動する開口152を有する突起部150を含む。突起部150は、長方形であり、開口部114内に外部ハウジング106が装着するように構成される。
【0016】
内部ハウジング108は、ばね154によって試験片ディスペンサ100の近端部102の方へ付勢される。ばね154は、図2に示すように、ガイド部材116に対して近位に位置してもよく、図12に示すように、内部ハウジング108の近端部138に対して遠位で位置してもよい。ガイド部材116に位置するばね154を有することによって、小型の試験片ディスペンサ100となる。ばね154がガイド部材116に対して近位で位置する場合、第2のばねロケータ156は、内部ハウジング108の第1端部146上の突起部162の第1側部160上に任意に位置する(図2および図8Aを参照)。
【0017】
図8Aおよび図8Bに示すように、内部ハウジング108は、第1端部146に溝部158をさらに含み、溝部は、図9A〜9Dにさらに詳述するように、試験片が供給される間、外部ハウジング106の第1内面118上のガイド部材116と嵌合してガイド部材上を移動する。図8Aおよび8Bに示す一実施形態では、溝部158は、T字形であり、内部ハウジング108の遠端部140から近端部138の約1/4の長さである。溝部158が「T」断面を有することを示すが、溝部158は、ガイド部材116に嵌合してガイド部材上を移動する限り、ガイド部材116の形状に適合するあらゆる形状であってよい。
【0018】
図1B、図2および図3に示すように、ばねを載せるプラットフォーム164は、内部ハウジング108の第1端部146の方へ複数の試験片200を付勢する。プラットフォーム164を付勢するために用いられるばねの例は、うず巻ばね166である。内部ハウジング108の第1端部146の近傍にあるスロット170の適当な位置で、うず巻ばね166の第1端部168を保持してもよい(図1Bを参照)。あるいは、内部ハウジング108の第1端部146の近傍で、うず巻ばね166の第1端部168を、適切な処理(例えばプラスチックの溶接、接着または好ましくは熱かしめ)によって接続してもよい。うず巻ばね166の第2端部172は、プラットフォーム164のニッチ174でらせん体を形成する。内部ハウジング108の内に複数の試験片200を適切に収容するため、うず巻ばね166は、内部ハウジング108の第1側部146の長手方向の空間176を通って任意に延びることができる。
【0019】
図4に示すように、内部ハウジング108は、第1端部182および第2端部184を有する少なくとも1つのフリッパー180による試験紙詰まりを防ぐ構造をさらに含む。少なくとも1つのフリッパー180の第1端部182は、例えばヒンジ186によって内部ハウジング108の第1側部142に枢動可能に取り付けられる。試験片が、図10Cに示すように試験片が供給される間は測定器によって係合されない場合、少なくとも1つのフリッパー180の第2の端部184は、外部ハウジング106の第1凹部120の傾斜面190を係合するアーム188を含む。
【0020】
図9A〜9Dおよび図10A〜10Cには、試験片を供給する方法の一連のステップを示す。図1A〜1C、図2〜4および図8A〜8Bには、主題の方法によって用いることができる試験片ディスペンサを例示し、このような図に示す試験片ディスペンサの要素と類似の要素には同じ符号が用いられる。
【0021】
実施形態によれば、主題の方法の第1のステップでは、複数の試験片200を収容する試験片ディスペンサ100および測定器220が設けられている(図9Aおよび10Aを参照)。第1の試験片202が供給される前は、試験片ディスペンサ100は休止位置にあり、内部ハウジング108の溝部158はガイド部材116の表面132に載置され、複数個の試験片200はガイド部材116のレッジ128に載置される。
【0022】
次に、図9Bおよび10Bに示すように、測定器220の試験片ポート222は、外部ハウジング106の開口部114に嵌入され、内部ハウジング108をガイド部材116に沿って試験片ディスペンサ100の遠端部104に対して圧接して内部ハウジング108の突起部150と係合する。内部ハウジング108がガイド部材116に沿って圧接されると、第1の試験片202は実質的に固定された状態であるが、残りの複数の試験片200は試験片ディスペンサ100の遠端部104の方へ移動する。内部ハウジング108がガイド部材116に沿って圧接されると、第1の試験片202の近端部は、側面に沿って外側に外部ハウジング106の内面の方へ少なくとも1つのフリッパー180を押して、少なくとも1つのフリッパー180の第2の端部184の傾斜を係合する。図9Bおよび図10Bに示すように、内部ハウジング108が試験片ディスペンサ100の遠端部104の方へ押されるまで、内部ハウジング108をガイド部材116に沿って可能な限り圧接されると、第1の試験片202の遠端部は、ガイド部材116の止め具130と係合し、第1の試験片202の近端部は、測定器220の試験片ポートコネクタ224と係合する。通常、止め具130の高さは、1つの試験片のみが止め具130と1回で係合するために、試験片の厚さよりわずかに低いことに留意する必要がある。この時点で、少なくとも1つのフリッパー180の第2の端部184上のアーム188は、外部ハウジング106の第1凹部120内で円滑に移動する。
【0023】
試験片ポート222が、試験片ポートコネクタ224内で係止される第1の試験片202を有する外部ハウジング106の開口部114から取り除かれると、第1の試験片202は内部ハウジング108の突起部150の開口152を通して引っ張られ、内部ハウジング108は試験片ディスペンサ100の近端部102の方へ付勢される(図9Cを参照)。その開口152は、一度に1つの試験片のみを収容するような寸法である点に留意する必要ある。第1の試験片202の遠端部が開口152に入るとすぐ、第2の試験片はプラットフォームによって内部ハウジング108の第1端部146に向かって供給位置へと付勢される(図示せず)。試験片ポートコネクタ224が第1の試験片202と係合されない場合、少なくとも1つのフリッパー180のアーム188は、外部ハウジング106の第1凹部120の傾斜面190と係合して、内部ハウジング108が休止位置まで戻るのを防ぎ、第2の試験片の遠端部をガイド部材116の止め具130と係合するのを防ぐ(図10Cを参照)。内部ハウジング108は、測定器が再び内部ハウジング108に対して圧接され、試験片ポートコネクタ224が第1の試験片202を係合するまで、この試験紙詰まりを防ぐ位置で係止された状態のままである。
【0024】
図9Dに示すように、第1の試験片202は、測定器220の試験片ポートコネクタ224内で係合させた状態で、試験片ディスペンサ100から完全に取り除かれ、検査のために配置される。
【0025】
図11A〜11Cおよび図12〜16は、他の実施形態による試験片ディスペンサ300を示す。試験片ディスペンサ300は、近端部302、遠端部304、外部ハウジング306および内部ハウジング308を含む。内部ハウジング308は、複数の試験片400(例えば多くの試験片)を収容するように構成され、外部ハウジング306内で入れ子となり、外部ハウジング内で移動可能である。外部ハウジング306および内部ハウジング308は、ほぼ矩形であり、適切な材料(例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂スチレン、ポリカーボネートまたはその組み合わせが好ましい)で形成してもよい。
【0026】
本明細書において、図に示す様々な実施形態に用いることができる複数の試験片400の各々は、ほぼ細長い形状であり、内部ハウジング内で装着するような寸法である。記載されている実施形態では、試験片400が、例えば、米国特許第6,749,887号明細書に記載されているグルコース試験片であってよく、この開示内容は、援用によって本明細書の内容の一部をなす。あるいは、本明細書に記載される実施形態とともに、他の適切な市販の試験片を用いてもよい。
【0027】
通常、複数の試験片400の各々は、液状サンプルが試験片ディスペンサ100の遠端部に添加され、試験片ディスペンサ100の遠端部に延びる遠端部を有する試験片ディスペンサ100に保持され、電気化学試験片の場合は、試験片ディスペンサ300の遠端部304の方へ延びる電気接続を含む近端部302を有する試験片ディスペンサ300に保存される。これは、1つの試験片が測定器によって試験片ディスペンサ300から取り除かれたときに、試験片が、液状サンプルを添加するための正しい方向にあることを確実にし、電気化学試験片の場合は、測定器との電気接続を確実にする。
【0028】
図11A〜11Cに示すように、外部ハウジング306は、第1部材310および内部ハウジング308に保存される試験片に近づく開口部314を有する第2部材312を含む。例えば、第1部材310および第2部材312は、内部ハウジングを保持するの空間を形成するように、スナップフィットまたは超音波溶接で接合される。図12〜14に示すように、外部ハウジング306は、第1内面318上のガイド部材316と、第2内面320上の任意のばねロケータ334をさらに含む。一実施形態では、ガイド部材316は、T字形であり、レッジ322と、近端部336上の止め具324と、内部ハウジング308が移動する表面326を含む。他の実施形態では、ガイド部材316は、左または右のアームがそれぞれ取り除かれたT字形であってもよい(図示せず)。
【0029】
図11B〜11Cに再び言及して、内部ハウジング308は、例えば、複数個の試験片400を収容するように構成されるように空間を形成するために、ネジまたは超音波溶接によって接合される第1の部分330および第2の部分332を含む。内部ハウジング308を、1つの成形体で形成してもよい。図11Cに示す組立形では、内部ハウジングは、近端部338、遠端部340、第1側部342、第2側部344、第1端部346および第2端部348を含む。内部ハウジング308の近端部338は、試験片が供給される間に試験片が移動する開口352を有する突起部350を含む。突起部350は、長方形であり、開口部314内に外部ハウジング306が装着するように構成される。
【0030】
内部ハウジング308は、ばね354によって試験片ディスペンサ300の近端部302の方へ付勢される。図12に示すように、ばね354は、内部ハウジング308の近端部338に対して遠位に設置される。内部ハウジング308は、ばね354の端部を設置させるために遠端部340上の凹部356を任意に含んでもよい(図12および1図5を参照)。
【0031】
図15に示すように、内部ハウジング308は、第1端部346に溝部358をさらに含み、溝部は、図17A〜17Dでさらに詳しく示すように、試験片が供給される間、外部ハウジング306の第1内面318上のガイド部材116と嵌合してガイド部材上を移動する。図15に示す一実施形態では、溝部358がT字形であってよく、内部ハウジング308の第1端部346と同じ長さである。あるいは、溝部358は、ガイド部材316の形状に適合するあらゆる形状であってよい。
【0032】
図16に示すように、内部ハウジング308は、複数の試験片400が供給される前と間に載置される第1の棚360と、供給される試験片が供給される間に落下する第1内面364上の第2の棚362をさらに含む。さらに、内部ハウジング308は、後述するように、複数の試験片400を係合する内部ハウジング308の近端部338の近位で第2内面368から突き出るアーム366を含む。また、アーム366は、1つの試験片のみを一度に移動させることができるチャンネル367の一面を形成する。チャンネル367の他面は、第2の棚362によって形成される。
【0033】
図11B、図12および図13に示すように、ばねを載せるプラットフォーム307は、内部ハウジング308の第1端部346の方へ複数の試験片400を付勢する。プラットフォームを付勢するために用いられるばねの例は、うず巻ばね372である。内部ハウジング308の第1端部346の近傍にあるスロット376の適当な位置で、うず巻ばね372の第1端部374を保持してもよい。あるいは、内部ハウジング308の第1端部346の近傍で、うず巻ばね372の第1端部374を、熱かしめなどの処理によって付着してもよい。うず巻ばね372の第2端部378は、プラットフォーム370のニッチ380でらせん体を形成する。内部ハウジング308の内に複数の試験片400のとまりばめを収容するため、うず巻ばね372は、内部ハウジング308の第1側部346の長手方向の空間(図示せず)を通って任意に延びてもよい。
【0034】
内部ハウジング308は、内部ハウジング308内に留まる試験片の数を視認する(図11Bを参照)のためのウインドウ382を第1側部342または第2側部344に任意に含んでもよい。あるいは、ディスペンサ内に留まる試験片の数を視認可能にするため、通常、内側ハウジングおよび外部ハウジングを透明材料または半透明材料で形成してもよい。
【0035】
図17A〜17Dおよび図18Cでは、試験片を供給する方法の一連のステップを示す。図11A〜11C、図12〜16には、主題の方法によって用いることができる試験片ディスペンサを例示し、このような図に示す試験片ディスペンサの要素と類似の要素には同じ符号が用いられる。
【0036】
実施形態によれば、主題の方法の第1のステップでは、複数の試験片300を収容する試験片ディスペンサ400および測定器420が設けられている(図17Aを参照)。第1の試験片402が供給される前に、試験片ディスペンサ300は休止位置にあり、内部ハウジング308の溝部358の一部はガイド部材316の表面326に載置され、複数の試験片400は、内部ハウジング308の第1内面364の第1の棚360に載置される(図18の第1の棚360を参照)。
【0037】
次に、図17Bに示すように、測定器420の試験片ポート422は、外部ハウジング306の開口部314に嵌入され、内部ハウジング308をガイド部材316に沿って試験片ディスペンサ300の遠端部304に対して圧接して内部ハウジング308の突起部350と係合する。内部ハウジング308がガイド部材316に沿って圧接されると同時に、内部ハウジング308の第2内面368から突き出たアーム366は、複数の試験片400のうち第1の試験片402を除くすべてを係合する。第1の試験片402は実質的に固定された状態であるが、残りの複数の試験片400が試験片ディスペンサ300の遠端部304の方へ移動する。内部ハウジング308は、試験片ディスペンサ300の遠端部304の方へ可能な限り押されるまでガイド部材316に沿って圧接された状態であり、第1の試験片402が内部ハウジング308の第1内面364上の第2の棚362の上に落下すると、第1の試験片402の遠端部は、ガイド部材316の止め具324と係合される(図17Bおよび図18を参照)。第1の試験片402の遠端部がガイド部材316の止め具324と係合されるとほぼ同時に、第1の試験片402の近端部は、測定器420の試験片ポートコネクタ424と係合される。第1の試験片402は第2の棚362上に落下し、試験片ディスペンサ300の遠端部304の方へ移動する残りの複数の試験片400への圧力を解放し、試験片ポートコネクタ424によって必要とされる把持力を減少させる。
【0038】
図17C図では、試験片は、測定器420のポート422は、試験片ポートコネクタ424内と係合する第1の試験片402を有する外部ハウジング306の開口部314から取り除かれるため、第1の試験片402は、チャンネル367を通して引っ張られ、その後内部ハウジング308の突起部350の開口352を通して引っ張られる。第1の試験片がチャンネル367および開口352を通して引っ張られると、内部ハウジング308は試験片ディスペンサ300の近端部302の方へ付勢される。
【0039】
図17Dに示すように、第1の試験片402は、測定器420の試験片ポートコネクタ424内で係合させた状態で、試験片ディスペンサ300から完全に取り除かれ、検査のために配置される。
【0040】
本発明は、特定の変形例および例証を示す図によって記載されているが、当業者は、本発明が記載されている変形例または図に限定されるものではないことを認識する。さらに、上記の方法およびステップが、特定の順序で発生する特定の事象を示す場合、当業者は、特定のステップの順序を変更することができ、かかる変更は本発明の変形例と等価であることを認識する。さらに、特定のステップは、上記の通りに順序どおり実施されるが、可能であれば並列処理で同時に実施してもよい。したがって、本発明の開示の精神または本願請求の範囲に記載された本発明の等価物の範囲内である本発明の変形例である限り、本発明はそのような変形例を含む。最後に、本明細書に引用されるすべての公報及び特許出願の内容全体は、個々の刊行物または特許出願を特別かつ個々に本明細書に開示するかのように、援用によって本明細書の内容の一部をなす。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1A】実施形態による試験片ディスペンサの斜視図である。
【図1B】実施形態による試験片ディスペンサの分解図である。
【図1C】実施形態による試験片ディスペンサの部分的な分解図である。
【図2】図1Aに示す試験片ディスペンサの断面図である。
【図3】図1Aに示す試験片ディスペンサの断面図である。
【図4】図1Aに示す試験片ディスペンサの断面図である。
【図5】図1A〜1Cに示す試験片ディスペンサの外部ハウジングの部分的な斜視断面図である。
【図6】他の実施形態による試験片ディスペンサの外部ハウジングの部分的な斜視断面図である。
【図7】他の実施形態による試験片ディスペンサの外部ハウジングの部分的な斜視断面図である。
【図8A】図1A〜1Cに示す試験片ディスペンサの内部ハウジングの第1端部の斜視断面図である。
【図8B】図1A〜1Cに示す試験片ディスペンサの内部ハウジングの近端部の斜視断面図である。
【図9A】試験片ディスペンサから測定器の検査位置まで試験片を供給する処理で用いられる一連のステップの部分的な概略垂直断面図である。
【図9B】試験片ディスペンサから測定器の検査位置まで試験片を供給する処理で用いられる一連のステップの部分的な概略垂直断面図である。
【図9C】試験片ディスペンサから測定器の検査位置まで試験片を供給する処理で用いられる一連のステップの部分的な概略垂直断面図である。
【図9D】試験片ディスペンサから測定器の検査位置まで試験片を供給する処理で用いられる一連のステップの部分的な概略垂直断面図である。
【図10A】試験紙詰まりを防ぐ処理で用いられる一連のステップの概略水平断面図である。
【図10B】試験紙詰まりを防ぐ処理で用いられる一連のステップの概略水平断面図である。
【図10C】試験紙詰まりを防ぐ処理で用いられる一連のステップの概略水平断面図である。
【図11A】試験片ディスペンサの斜視図である。
【図11B】試験片ディスペンサの分解図である。
【図11C】試験片ディスペンサの部分的な分解図である。
【図12】図11A〜11Cに示す試験片ディスペンサの断面図である。
【図13】図11A〜11Cに示す試験片ディスペンサの断面図である。
【図14】図11A〜11Cに示す試験片ディスペンサの内部ハウジングの第1端部の部分的な斜視断面図である。
【図15】図11A〜11Cに示す試験片ディスペンサの内部ハウジングの第1端部の斜視断面図である。
【図16】図11Bに示す内部ハウジングの第2の部分の内面の拡大斜視図である。
【図17A】試験片ディスペンサから検査位置まで試験片を供給する処理で用いられる一連のステップの部分的な概略垂直断面図である。
【図17B】試験片ディスペンサから検査位置まで試験片を供給する処理で用いられる一連のステップの部分的な概略垂直断面図である。
【図17C】試験片ディスペンサから検査位置まで試験片を供給する処理で用いられる一連のステップの部分的な概略垂直断面図である。
【図17D】試験片ディスペンサから検査位置まで試験片を供給する処理で用いられる一連のステップの部分的な概略垂直断面図である。
【図18】試験片を供給する処理の間、供給される試験片の位置を示している図11Bに示す内部ハウジングの第2の部分の内面の拡大斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験片を供給する方法であって、
ハウジングと試験片ポートを有する測定器を含む試験片ディスペンサに配置される複数の試験片を載置するステップと、
前記測定器の前記試験片ポートを前記試験片ディスペンサの前記ハウジングに接続するステップと、
第1の試験片を固定して保持すると同時に第1の位置から第2の位置にガイド部材に沿って前記ハウジングを移動させるステップと、
前記第1の試験片を前記ハウジングから取り除くステップとを含む方法。
【請求項2】
前記ハウジングは、外部ハウジングの内部に位置する内部ハウジングを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ハウジングに接続するステップは、試験片ポートコネクタを前記内部ハウジングに係合することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ハウジングを移動させるステップは、前記内部ハウジングを直線経路に沿って付勢することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記内部ハウジングを前記外部ハウジングの開口部の方へ付勢して第2の試験片を供給位置に移動させることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記内部ハウジングは、直線経路に沿って付勢される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記内部ハウジングの底面から上面に前記複数の試験片を向かい合わせで積み重ねることと、
前記複数の試験片を前記底面の方へ付勢することとを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記ハウジングを移動させるステップは、前記試験片ポートコネクタが前記第1の試験片と係合しないとき、前記内部ハウジングを前記第1の位置の方に移動させないようにすることを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の試験片を提供するステップは、前記内部ハウジングに配置される前記複数の試験片の数を視認できるように、前記内部ハウジングにウインドウを形成することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の試験片を提供するステップは、通常の透明材料の前記内部ハウジングおよび前記外部ハウジングを形成することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記試験片ディスペンサは、
複数の試験片を保存するための内部空間を有するとともに、前記試験片が供給される開口を有し、溝部を含む内部ハウジングと、
第1の方向に前記内部ハウジングを付勢するばねと、
前記試験片が通るように、前記内部ハウジングの開口と実質的に直線上にある開口部を有するとともに、
前記内部ハウジングの溝部と嵌合するガイド部材を有する外部ハウジングとを含む、請求項1に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図17D】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−224667(P2008−224667A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−57057(P2008−57057)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(596159500)ライフスキャン・インコーポレイテッド (100)
【氏名又は名称原語表記】Lifescan,Inc.
【住所又は居所原語表記】1000 Gibraltar Drive,Milpitas,California 95035,United States of America
【Fターム(参考)】