説明

試験用排ガスフィルタの構造、試験装置及び評価方法

【課題】 排気ガス中のPM又は加熱再生後の灰分がDPF等の排ガスフィルタにどのように堆積するかについて、効率的で簡易的であるとともに精度も良く評価が可能となる試験用排ガスフィルタ構造、該試験フィルタを適用した試験装置及び評価方法を提供する。
【解決手段】 内燃機関に直接連結している排ガスの主通路から分岐して設けられる排ガス試験装置であって、主通路から分岐する1つ以上の1次分岐管と、1次分岐管からさらに分岐する1つ以上の2次分岐通路と、1次及び/又は2次分岐通路の少なくともいずれか1つに配設され、1次及び/又は2次分岐通路の排ガス条件を制御する条件制御手段と、条件制御手段の配設された1次及び/又は2次分岐管に配置され、排ガスの流れる方向に厚さ0.1〜5mm、該厚さ方向に直交する面の面積が10〜10000mmの平板形状を有する、試験用排ガスフィルタ(123)と、備える排ガス試験装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の試験用排ガスフィルタの構造、該試験用排ガスフィルタを適用した試験装置及び試験方法に関する。詳しくは排ガス中の粒子物質をトラップするディーゼルパティキュレートフィルタ(以下「DPF」と記述する。)等の排ガスフィルタの性能及び/又はDPF付着物を評価し、そのとき内燃機関、その運転条件、内燃機関に適用した燃料及び/又は潤滑油の組成の適正を評価するための排ガスフィルタ構造、試験装置及び評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関は、小型でありながら比較的大きな動力の出力が可能であるという優れた特性を備えていることから、自動車、船舶及び航空機等の各種輸送機関や定位置の各種機器の動力源として使用されている。これら内燃機関は、燃焼室内で圧縮した混合気を燃焼させ、そのときに発生する燃焼圧力を機械的な仕事に変換して動力として取り出すことを動作原理としている。
【0003】
こうした内燃機関の中でも燃料を燃焼室内に直接噴射し、燃料噴霧を拡散燃焼させる方式の内燃機関(いわゆるディーゼルエンジンや筒内噴射ガソリンエンジン等)は、燃料消費効率が高いという優れた特性を有している。しかし、その一方で排気ガス中に含まれる粒子状物質(Particulate Matter、以下「PM」と記述する。)が健康に悪影響を与える可能性が指摘されているため、ディーゼルエンジン等のこうした燃焼方式の内燃機関には、排気ガス中に含まれるPMの重量濃度を許容値以下に抑制する旨の法律的な規制が定められている。
【0004】
PMの削減方法の一つとしてDPFが広く利用されている。DPFは高収率でPMをトラップできる。しかし一方で、目詰まりを起こし、燃費の悪化、出力の低下を引き起こすことがある。そのため、DPFを加熱して堆積したススを燃焼させて再生させることが行われている。この再生の際、エンジンの油由来の成分(主に灰分)がDPFの中に残存して堆積してしまうことが問題となっている。これは内燃機関の種類や運転条件(燃焼方式、燃焼状態等)、内燃機関に使用する燃料及び潤滑油組成、あるいはDPFの構造、材質、細孔径、さらには排ガス浄化触媒の有無等により、その堆積状態が異なる可能性があり、その詳細を明らかにすることも必要とされている。
【0005】
この問題の検討に際しては、DPFに堆積するPM及び再生後の灰分の組成を調べる必要があることはもちろんであるが、PMあるいは灰分等がどのように排ガスフィルタに堆積するのかということも観察する必要があった。
【0006】
従来において排ガスフィルタへのPM又は灰分等の堆積状態を観察する技術としては、例えば、非特許文献1において使用後のDPFから一部を切り出して観察する方法が提案されている。
【非特許文献1】「連続再生式DPFの詰まりに及ぼすオイルアッシュの影響調査 その1(硫酸灰分3水準での台上走行試験)」、JCAP技術報告書、財団法人 石油産業活性センター JCAP推進部、平成15年5月、p.9
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の方法によるとDPFの一部を切り出すこと自体が容易でなく、また、切り出しの際にPM又は灰分等の堆積状況が変化してしまう虞があった。従って、正確な堆積状況の確認が容易でなく、実用的で簡便な測定方法とは言い難いという問題があった。また、このことは、三元触媒、酸化触媒、NOx吸蔵型還元触媒等の排ガス浄化触媒を担持した排ガスフィルタ、これらの排ガス浄化触媒を担持したDPF等、各種の排ガスフィルタに関しても同様の問題であった。
【0008】
また、1回の実験で1条件についての結果しか得られないことが多く、実験の回数の分の実機に用いられるDPF等の排ガスフィルタが必要となり、膨大な時間や費用がかかるといった問題もあった。
【0009】
そこで、本発明は排気ガス中のPM又は加熱再生後の灰分がDPF等の排ガスフィルタにどのように堆積するかについて、効率的で簡易的であるとともに精度も良く評価が可能となる試験用排ガスフィルタ構造、該試験フィルタを適用した試験装置及び評価方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0011】
請求項1の発明は、内燃機関(10)に直接連結している排ガスの主通路(30)から分岐して設けられた排ガスの通路(101、102、103)に配置され、排ガスの流れる方向に厚さ0.1〜5mm、該厚さ方向に直交する面の面積が10〜10000mmの平板形状を有する、試験用排ガスフィルタ(123)を提供することにより前記課題を解決する。
【0012】
請求項2の発明は、内燃機関(10)に直接連結している排ガスの主通路(30)から分岐して設けられる排ガス試験装置(100)であって、主通路から分岐する1つ以上の1次分岐管(101)と、1次分岐管からさらに分岐する1つ以上の2次分岐通路(102、103)と、1次分岐通路及び/又は2次分岐通路の少なくともいずれか1つに配設され、1次分岐通路及び/又は2次分岐通路の排ガス条件を制御する条件制御手段(110、126、170)と、条件制御手段の配設された1次分岐管及び/又は2次分岐管に配置され、排ガスの流れる方向に厚さ0.1〜5mm、該厚さ方向に直交する面の面積が10〜10000mmの平板形状を有する、試験用排ガスフィルタ(123)と、備える排ガス試験装置(100)を提供することにより前記課題を解決する。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2に記載の発明で、条件制御手段(110、126、170)及び試験用排ガスフィルタ(123)が、複数の1次分岐通路(101)及び/又は2次分岐通路(102、103)に配置されることにより、同時に複数の試験が可能であること特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3いずれか一項に記載の排ガス試験装置(100)で、条件制御手段(110、126、170)が、排ガスの流速を制御する流速制御手段(170)と、ガスフィルタの上流側の排ガスを加熱する加熱手段(110)と、排ガスフィルタの温度を制御する温度制御手段(126)と、排ガスフィルタの排ガス上流側と下流側における排ガスの圧力差を検知する差圧計測手段(130)とを備えることを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明は、請求項2〜4のいずれか一項に記載の排ガス試験装置(100)で、試験用排ガスフィルタ(123)がそのままの状態で着脱可能であることにより、排ガスフィルタ、その性能及び/又は前記排ガスフィルタへの付着物が評価可能であるとともに、内燃機関(10)、その運転条件、内燃機関に使用した燃料及び潤滑油の組成のうちから選ばれる少なくとも1つを評価することができることを特徴とする。
【0016】
請求項6の発明は、請求項2〜4のいずれか一項に記載の排ガス試験装置(100)を用いて、排ガスフィルタ(123)、その性能及び/又は前記排ガスフィルタへの付着物を評価するとともに、該評価から内燃機関(10)、その運転条件、内燃機関に使用した燃料及び潤滑油の組成のうちから選ばれる少なくとも1つを評価する評価方法を提供することにより前記課題を解決する。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、本発明の排ガスフィルタは、実際の排ガスフィルタよりも小さい形状を有している。これにより、本発明の排ガスフィルタは、内燃機関に直接連結した主通路から分岐した排ガス通路のいずれかに配置して試験を実施した後、排ガスフィルタの評価をする際に、切断等のような、評価のための後処理をすることなく、SEM、EDX,EPMA及びTGA等の分析機器に直接導入できる。よって、試験後の作業によって生じる、適正な評価を阻害するという不具合を大きく減らすことができるので、簡易的かつ精度よい排ガスフィルタ評価が可能となる。さらに、切断等の後処理を必要としないので、これに費やす費用や時間を減らすことができるという効果も得ることができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、内燃機関に直接接続されている排ガスの主通路に、本発明の排ガスフィルタを設置するための専用分岐通路を付加して設ける。そして該分岐通路には排ガスの条件を再現することのできる排ガスの条件制御手段とともに本発明の試験用フィルタを配置する。これにより、試験のために、主通路に大きな変更を加えることなく試験可能とし、かつ、実機の内燃機関からの排ガスを分岐したものなので、実際に即した試験を行うことができる。また、各分岐通路に条件制御手段を設けているので、再現性良い試験のみでなく、加速試験も行うことが可能である。
【0019】
請求項3の発明によれば、複数の分岐通路の各分岐通路に条件制御手段及び試験用排ガスフィルタを配置することによって、複数の排ガスフィルタを同時に試験することも可能となる。これより例えば分岐通路ごとに異なる条件を設定すれば、効率よく多くの試験を行うことができる。
【0020】
請求項4の発明によれば、1次分岐通路及び/又は2次分岐通路に、排ガスフィルタとともに、温度制御装置及び流速制御装置を備えることにより、排ガスの温度及び流速の制御が可能となる。排ガスに関連する試験においては、温度と排ガスの流量(流速)は最も重要な条件の1つであるので、温度制御装置及び流速制御装置を備えることにより、精度の良い試験ができるとともに、多くの条件を設定することができ、それに対応する多くの結果を得ることが可能となる。
【0021】
請求項5の発明によれば、請求項2〜4のいずれか一項に記載されている排ガス試験装置の試験用排ガスフィルタは、切り出し等を行う必要なくそのままの状態で着脱が可能である。従って、精度よく排ガスフィルタ、その性能や排ガスフィルタに付着した付着物の評価が可能となる。さらには排ガスフィルタの評価のみではなく、内燃機関、該内燃機関の運転条件、内燃機関に使用した燃料及び潤滑油の組成等も評価することができ、排気ガスに関連する事項を幅広く評価することができる。
【0022】
請求項6の発明によれば、請求項2〜4のいずれか一項に記載の排ガス試験装置を利用することにより、排ガスフィルタ、その性能及び/又は排ガスフィルタに付着した付着物を評価するとともに、該評価から前記内燃機関、その運転条件、前記内燃機関に使用した燃料及び潤滑油の組成を評価する評価方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。
【0024】
図1は、1つの実施形態にかかる排ガスフィルタ123の斜視図である。排ガスフィルタ123は、排ガスが流れる方向に厚さ0.4mm、該厚さに直交する面の直径が11mm(断面積:95mm)の円板状である炭化ケイ素(SiC)からなるフィルタである。炭化ケイ素(SiC)は実際にDPFとして使用されているものの1つの材質である。排ガスフィルタ123を後述の排ガス試験装置100(図2参照)の排ガス通路に配設して試験を行う。従来の排ガスフィルタ試験においては、前述のように主通路に配置された実際と同じ大きさの排ガスフィルタを用いていたため、フィルタ付着物を評価するためには、試験終了後に分析のために切り出さなければならなかった。排ガスフィルタは切り出しが容易でないばかりでなく、切り出すことによって排ガスフィルタの状態が変化してしまう虞があった。しかし本発明の排ガスフィルタ123によれば、その構造により、試験後に排ガスフィルタ123を取り出し、切り出し等のその他の処理せずに、SEM、EDX,EPMA及びTGA等の各種分析機器に直接導入することが可能である。そのため、切り出し等によって排ガスの堆積状態が変化するといった、試験後の作業による、適正な評価を阻害する不具合を大きく低減することができるので、簡易的で精度の良い評価ができる。
【0025】
なお、排ガスフィルタ123は、排ガスフィルタ面を水平に配置しても、垂直に配置しても良く、あるいは斜めに配置しても良いが、PMの堆積状態を均一にし、そのままの状態で各種試験装置に導入できる点で水平に配置(すなわち、排ガスが流れる方向が垂直に上から下へ流れるように配置)することが望ましい。
【0026】
排ガスフィルタ123は大きさを直径11mm、厚さ0.4mmとしたが、この大きさ及び形状に限定される必要はなく、例えば矩形(長方形、正方形)あるいは楕円であってもよい。各種分析機器に直接導入可能な大きさであれば適宜変更が可能であり、例えば該フィルタを電子顕微鏡で観察する場合であれば、直径50mm程度の円板状、あるいはそれ以上の大きさでも良く、熱重量測定装置(TGA)等サンプルが小型である必要があるものは、直径10mm前後であれば良い。また、厚さは、フィルタの材質や大きさにもよるが、強度をある程度持たせる必要性から、0.1mm以上とするのが良く、圧力損失を小さくできる点、熱重量測定装置に適用できるだけの軽量化が必要である点で5mm以下とすることが良い。なおフィルタを補強する金網等を併用すれば、強度を確保できるため、厚さをより小さくすることもできる。このことから、排ガスの流れる方向に厚さ0.1〜5mm、好ましくは0.1〜2mm、特に好ましくは0.2〜1mm、該厚さ方向に直交する面の面積が10〜10000mm、好ましくは20〜1000mm、さらに好ましくは50〜200mm、特に好ましくは70〜100mmの範囲であることが好ましい。また、排ガスフィルタは、PMを補足し、排ガスを通過させるために多孔質であることが必要であり、その細孔径の分布は、通常、数nm〜数百μm、好ましくは数nm〜100μm程度であり、本発明の試験装置を用いることで、排ガスフィルタの細孔径分布の最適化をも評価することができる。
【0027】
また、排ガスフィルタ123はその材質を炭化ケイ素(SiC)としたが、この材質に限定される必要はなく、試験目的に応じて変更可能である。例えば、ゼオライト、ジルコニア、γアルミナ、αアルミナ、ムライト、酸化チタン、磁器、リシア、コージェライト、窒化ケイ素等のセラミック及びこれらの複合セラミックス、ワイヤーメッシュ、金属多孔体等から製造される排ガスフィルタ、あるいは、これら排ガスフィルタに三元触媒、酸化触媒、NOx吸蔵型還元触媒等の触媒を担持した排ガスフィルタとして、試験を行っても良く、前記触媒を担持した排ガスフィルタと触媒を担持していない排ガスフィルタとを併用して試験をおこなっても良い。このような触媒担持排ガスフィルタを用いる場合、排ガス中のPMや灰分が触媒へ与える影響、触媒への付着状況や、触媒担持フィルタの再生処理後の触媒の状況や性質等を同時に評価することもできる。
【0028】
排ガスフィルタが適正に評価可能であることにより、該排ガスフィルタ(構造、材質、細孔径等)及びその性能等の評価のみでなく、そのときの内燃機関、その運転条件や燃料、潤滑油の適正も評価可能となる。これは例えば、試験後において排ガスフィルタに堆積したPMや灰分を精度よく分析可能とすることにより、PMや灰分の発生源である燃料及び潤滑油組成を検討し、最適化するといったことである。なお、排ガスフィルタを通過した後段の排ガス通路に排ガス分析計を設置すれば、排ガス組成等も同時に分析することができる。以上のように本排ガスフィルタの適用により、非常に多くの評価が精度良く、簡易的にできることとなる。
【0029】
図2は、第一実施形態にかかる排ガス試験装置100を概略的に示した図である。動力計20により負荷を受けて運転している内燃機関10から排ガスが、主通路30を通じて外部に放出される。主通路30に本発明の排ガス試験装置100が備えられる。排ガス試験装置100は主通路30より分岐した1次分岐通路101と、該1次分岐通路101からさらに分岐した2つの2次分岐通路102、103を有している。1次分岐通路101にはヒーター110が取り付けられている。また、2次分岐通路102には、図中に直線矢印で示した排ガスの流れ方向に沿って、排ガスの上流側から、排ガスフィルタ123を保持した保持手段120と、凝縮水分離器150と、2次フィルタ160と、ポンプ170とがこの順に2次分岐通路102に直列に配置されている。そして、保持手段120の上流側及び下流側の2次分岐通路102には、導入管131、132が取り付けられ、差圧計130に接続されている。また、保持手段120には温度計140が取り付けられている。さらに2次フィルタ160の下流側でポンプ170の上流側には、2次分岐通路102に対して並列に圧力計180及び流量計190が配置されている。2次分岐通路103には該2次分岐通路103と直列にポンプ370が備えられ、ポンプ370の上流側には流量計390が2次分岐通路103に対して並列に配置されている。
【0030】
以上のような構成の排ガス試験装置100とすることにより、例えば試験用内燃機関ではなく、実機として使用される内燃機関からの排ガスが各分岐管に供給され、各種制御機器により排ガスの条件を設定する。これにより、実機におけるDPFを再現した条件で、試験用排ガスフィルタ123に排ガスを導入することができ、排ガスフィルタ123の精度良い評価が可能となる。また、制御機器を利用して実験条件を適切に変更することにより、適正な評価ができる加速試験となり、試験期間短縮をはかることも可能である。
【0031】
排ガス試験装置100には、2つの2次分岐通路102、103が設けられているが、2次分岐通路が2つに限定される必要は無く、3つ以上の2次分岐通路が設けられてもよい。また1つの2次配管であってもよい。この場合は1次分岐通路101を流れる排ガスの全てが1つの2次分岐通路に流れることになる。さらに、排ガス試験装置100では、排ガスフィルタ123、保持手段120、差圧計130、温度計140、凝縮水分離器150、2次フィルタ160、圧力計180は2次分岐通路102のみに備えられ、2次分岐通路103には備えられていない。しかし、2次分岐通路103にも排ガスフィルタ、保持手段、差圧計、温度計、凝縮分離器、2次フィルタ及び圧力計を備えてもよく、さらに多くの2次分岐通路を設けた場合においても該2次分岐通路の全てにこれらのものを備えてもよい。
【0032】
これにより、後述する実施形態のような試験が可能となり、精度を維持しつつ、効率よく、簡易的に多くの試験結果を得ることができる。
【0033】
次に排ガス試験装置100の各構成要素について説明する。1次分岐通路101は、排ガス通路30に接続され、主通路30より小さい径を有している。これにより、分岐管を配置したことによる主通路30への影響を少なくすることができる。1次分岐通路101は、2次分岐通路102、103に排ガスを供給する役割を有している。1次分岐通路101内の排ガスの流速は、ポンプ170やポンプ370により制御可能であり、特に限定されるものではないが、4m/s以上であることが好ましい。1次分岐通路101内の排ガス流速を4m/s以上とすることにより、1次分岐通路101内でPMが管壁に堆積する現象である「管内沈着」を防止することができる。2次分岐通路102、103は、1次分岐通路101から分岐し、後述の排ガスフィルタ123や他の制御、測定機器等が配置される。
【0034】
ヒーター110は、1次分岐通路101を形成する管の外周を巻いて取り付けられる。ヒーター110は、1次分岐通路101を流れる排ガスが冷却されること、及び冷却されることによる排ガス中の水分の凝縮を防止している。2次分岐通路102、103へは、評価するに値する状態の排ガスを供給しなければならない。このときに、排ガスが1次分岐通路の中を流れることにより、冷却され、さらに該冷却により排ガス中の水分が凝縮し、液化が生じてしまうと、下流にある2次分岐通路102、103に評価に適した排ガスが供給されない虞がある。これを防止するために、ヒーター110が1次分岐通路101に備えられる。ヒーター110の放熱量は制御可能であり、実験条件に応じて適宜変更することができる。排ガス中の水分を凝縮させないためには排ガス温度が110℃程度となるようにヒーターの放熱量を調節することが好ましい。ただし、試験条件により、1次分岐通路101中の排ガス温度を110℃より低く設定したり、逆に110℃よりも高く設定したりしてもよく、そのときにはヒーターの放熱量を適切に変更させることにより行う。
【0035】
2次分岐通路102には、排ガスフィルタ123を取り付けた保持手段120が、2次分岐通路102に直列に配置されている。図3は排ガスフィルタ123を含めた保持手段120を分解して示した正面図である。図3において、見易さのためヒーター126のみは縦断面で示している。紙面上方が排ガスの上流、紙面下方が排ガスの下流である。保持手段120は、排ガスの上流側から、上流側固定部材121と、上流側シール材122、下流側シール材124と、下流側固定部材125とをこの順に備え、外周をヒーター126で囲まれている。排ガスフィルタ123は、上流側シール材122と下流側シール材124との間に挟まれて配置される。上流側部材121は、配管接続部121a、部材121b及び連結部121cが一体に形成され、該配管接続部121a、部材121b及び連結部121cを通じる貫通孔121dを有している。上流側シール材122はリング状であり、厚さ方向に貫通孔122dが設けられている。下流側シール部材124は、上流側シール材122と同形状を有し、厚さ方向に貫通孔124dが設けられている。下流側固定部材125は、配管接続部125a、連結部125c、及び配管接続部125aと連結部125cとを貫通して連結する通路125bとを有している。該配管接続部125a、連結部125c、及び通路125bが下流側部材125の貫通孔125dを構成している。これらのシール材の材料は特に制限はなく、フッ素樹脂やシリコンゴム、二トリルゴム等の有機材料を使用できる他、耐熱性(例えば300〜800℃程度)を持たせるために金属製(例えば、鋼材やアルミニウム系材料など)も使用することができる。
【0036】
次に保持手段120の組立方法の1例を示す。最初に、下流側固定部材125の連結部125cの底部に下流側シール材124を配置する。下流側シール材124の外径は通路125bの径よりも大きく、かつ、連結部125cの径よりも小さく作られている。従って、下流側シール材124は連結部125cの底部に留まって配置可能である。次に下流側シール材124の上流側に排ガスフィルタ123を配置する。排ガスフィルタ123の外径は、下流側シール材124の貫通孔124dの径よりも大きく、かつ、下流側シール材124の外径よりも小さい。よって排ガスフィルタ123は、連結部125cの底部に配置された下流側シール材124の上流側に配置できる。次に該排ガスフィルタ123のさらに上流側に上流側シール材122が配置される。上流側シール材122は、下流側シール材124と同じ形状を有しているので、連結部125c内の排ガスフィルタ123の上流側に配置できる。かかるように配置された下流側固定部材125、下流側シール材124、排ガスフィルタ123及び上流側シール材122のさらに上流側から、上流側固定部材121を取り付ける。上流側固定部材121の連結部121cと下流側固定部材125の連結部125cはそれぞれ対応するおねじとめねじの関係を有しており、連結部121cを連結部125cにねじ込むことができるようになっている。上側固定部材121bの下流側端面を上側シール材122の上流側端面に当接させて配置する。ねじ込みの程度は排ガスが漏れないことが目安となる。これにより上流側シール材122、排ガスフィルタ123及び下流側シール材124が、上流側固定部材121と下流側固定部材125との間に、固定して配置される。以上により、保持手段120には、貫通孔121d、122d、124d、125dが略同一軸上に配置され、排ガスフィルタ123を備えた1つの排ガス通路を形成する。また、上流側固定部材121の配管接続部121aは、テーパおねじとなっており、2次分岐通路102に配置される。さらに下流側固定部材125の配管接続部125aは、テーパめねじとなっており、2次分岐通路102に接続される。そして、組み立てられた上側固定部材121と下側固定部材125の周りをヒーター126で囲んで配置する。
【0037】
1次分岐通路101から分岐して2次分岐通路102に流入した排ガスは、貫通孔121dに流入し、貫通孔122d、排ガスフィルタ123、貫通孔124dを通過して貫通孔125aを流れ、2次分岐通路102の下流側へ流出する。これにより2次分岐通路10を流れた排ガスは、排ガスフィルタ123を通過するので、排ガスの条件を適切にすることにより、実際の排ガスフィルタを再現する形で排ガスフィルタの性質や性能等必要な事項の多くを評価することができる。また、排ガスフィルタ123は、ヒーター126の出力を調整することにより実験条件に見合った排ガスフィルタ123の温度とすることができる。排ガスフィルタ123の温度は、実験目的により異なるので特に限定されるものではないが、室温から750℃程度、好ましくは150℃以上、さらに好ましくは300℃以上、特に好ましくは500℃以上で変更可能であることが好ましい。排ガスフィルタ123の温度を300〜750℃程度に制御することにより、堆積したPMや灰分を燃焼し、再生処理を行うことができ、そのときのフィルタ状態の評価や再生条件の最適化も評価可能となる。
【0038】
保持手段120は、試験終了後、上述の組立方法の逆の手順により、各部材を分離することができる。従って、排ガスフィルタ123を取り出し、切り出し等やその他の処理をせずに、SEM、EDX,EPMA及びTGA等の分析機器に直接導入できる。そのため、切り出し等によってPMや灰分の堆積状態が変化するといった、試験後の作業によって、適正な評価を阻害する不具合を大きく低減することができる。これにより、簡易的で精度良い評価が可能となる。
【0039】
以上のように、本発明では、試験後において、排ガスフィルタ123を分析し、該排ガスフィルタの評価をした上で、排ガスフィルタに堆積したPMや灰分をさらに分析することにより、使用された燃料や潤滑油組成の適性の評価が可能となる一連の評価方法も提供することができる。例えば、この適性を評価した燃料や潤滑油組成を元に、さらに適性を向上させた燃料や潤滑油組成を考察してもよい。かかる評価方法により、内燃機関の排ガスに関する多くの事項を、簡易的で精度良く、短時間で得ることができる。
【0040】
図2に戻り、排ガス試験装置100の構成要素について説明を継続する。保持手段120には温度計140が取り付けられる。温度計140は排ガスフィルタ123に隣接した位置の温度(排ガス温度あるいはヒーター126を用いて加熱する場合は排ガスフィルタ(再生)処理温度)を測定することができる。温度を測定する方法は、排ガスフィルタ近傍の測定するためのあらゆる方法が適用可能である。例えば、熱電対の先端を排ガス通路に突出させることにより排ガスフィルタ近傍の温度を測定するという方法が挙げられる。
【0041】
さらに保持手段120の上流側及び下流側には、導入管131、132が2次分岐通路102に対して並列に接続され、他端が差圧計130に連結されている。差圧計130は排ガスフィルタ123による排ガスの圧力損失を測定するために設置されたものであり、試験中における排ガスフィルタ123の状態を推測することができる。例えば、実験条件として該差圧を閾値として利用することもできる。差圧計130はあらゆる種類の差圧計を選択することができ、例えばマノメーターや、ひずみゲージを利用した差圧計などが挙げられる。
【0042】
2次分岐通路102における導入管132の下流側には凝縮水分離器150及び2次フィルタ160が、2次分岐通路102に対して直列に接続されている。凝縮水分離器150は、排ガス中に生じた凝縮水を選択的に排除するための装置である。凝縮水分離器150と2次フィルタ160は、さらに下流側に配置される圧力計180、流量計190及びポンプ170を凝縮水や異物から保護することを目的に備えられている。
【0043】
2次分岐通路102の2次フィルタ160の下流側には、圧力計180と流量計190が、2次分岐通路102に対して並列に備えられている。圧力計180と流量計190とは排ガスの圧力と流量を測定するための計測器であり、計測結果は試験の測定データの一部となり得るものである。これら圧力計180及び流量計190は、排ガスを測定するために適正なものであれば、その測定方法は特に限定されるものではない。
【0044】
2次分岐通路のさらに下流側には、ポンプ170が、2次分岐通路102に直列に配置されている。ポンプ170は、2次分岐通路102を流れる排ガスの流量を制御するもので、流量が試験条件に合うように適宜調整可能となっている。ポンプ170は、排ガスの流量を制御するために適したポンプであれば、その種類は特に限定されるものではない。
【0045】
2次分岐通路103には、流量計390及びポンプ370が備えられている。これは、2次分岐通路103を流れる排ガスの流量をポンプ370により制御し、その流量を390により測定するというものである。2次分岐通路103を流れる排ガスは2次分岐通路102を流れる排ガスと密接に関連しているので、2次分岐通路102を流れる排ガスを制御するためのポンプ370でもあり、その流量を得る流量計390でもある。
【0046】
以上の構成により、2次分岐通路102、103を、主通路30の条件を再現するような条件に設定することができる。また、条件を適切に選択することにより、評価に値する形で加速試験も可能となる。
【0047】
図4は第二実施形態にかかる排ガス試験装置500の概要を示した図である。排ガス装置500は3つの2次分岐管102、103、104を有し、各2次分岐管102、103、104に、保持手段120、120a、120b、差圧計130、130a、130b、温度計140、140a、140b、凝縮水分離器150、150a、150b、2次フィルタ160、160a、160b、圧力計180、180a、180b、流量計190、190a、190b及びポンプ170、170a、170bを備えている。また、各保持手段120、120a、120bには、互いに異なる種類の排ガスフィルタが備えられている。このようにすることで、異なった種類の排ガスフィルタを3種類同時に試験できる。2次分岐管をさらに増やすことによりその分の排ガスフィルタを同時に試験することが可能となる。
【0048】
また、各2次分岐管102、103、104はそれぞれにポンプ、保持手段を備えているので、2次分岐管ごとに条件を変えて試験することも可能である。
【0049】
図5は第三実施形態にかかる排ガス試験装置600の概要を示した図である。これは、第二実施形態にかかる排ガス試験装置500の2次分岐管102、103、104の保持手段120、120a、120bの排ガス上流側に、バルブ105、105a、105bを取り付けたものである。バルブ105、105a、105bの操作により第2分岐管102、103、104を個別に閉鎖することが可能となる。これにより例えば、3つの保持手段120、120a、120bには同じ種類の排ガスフィルタを設置し、バルブ105は5時間、バルブ105aは10時間、バルブ105bは15時間でそれぞれ閉鎖することとし、試験後3つの排ガスフィルタを評価すれば、経時的な試験が可能である。
【0050】
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う排ガスフィルタ、試験装置及び評価方法もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【実施例】
【0051】
次に本発明の試験用排ガスフィルタ及び排ガス試験装置を使用して試験した結果の一部を実施例として示す。本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。
【0052】
試験には、直列4気筒、OHC、渦流室式で、排気量1937cmのエンジンを用いた。試験の初期条件は、試験用排ガスフィルタを通過する排ガス流量を500ml/min、試験用排ガスフィルタ出口温度を180℃とした。該条件下において、試験開始3時間後に試験用排ガスフィルタの上流側と下流側との差圧が30kPaとなった後、さらに2時間試験を継続し、試験用排ガスフィルタを通過する排ガス流量が400ml/minまで低下した時点で試験用排ガスフィルタを取り出した。以下にそのときの結果を示す。
【0053】
図6は、試験中における、試験用排ガスフィルタを流れる排ガス流量、及び試験用排ガスフィルタの排ガス上流側と下流側との差圧の経時変化を示した図である。横軸に時間、縦軸に流量及び差圧を取っている。図中四角で示した点が流量を、菱形で示した点が差圧(ΔP)をそれぞれ示している。図6からわかるようにΔPの上昇に伴い、流量の減少が見られ、PMが堆積していると推測できる。これによって、試験中において試験用排ガスフィルタへのPMの堆積状態の予測が可能となり、フィルタを取り出して分析を開始する1つの条件とすることができる。
【0054】
図7は、取り出した試験用排ガスフィルタを熱重量測定装置(TGA)により分析した結果である。横軸には時間、縦軸には重量(分析前を100%としたときに対する割合)及び温度を示している。図7の破線矢印で示した分の重量が、温度の上昇とともに減少し、特に400〜600℃で急激に減少していることがわかる。これは加熱により堆積したススが燃焼し、試験用排ガスフィルタが再生していることを示す。このように本発明の試験用排ガスフィルタは直接TGAに導入可能であり、精度良い分析が可能であるとともにTGAによる加熱でフィルタが再生もできる。さらに他の分析装置や各種分析方法(化学的分析等)を適宜組み合わせることにより、再生後に試験用排ガスフィルタに残存した灰分の量だけでなく詳細な灰分に関する情報をえることも可能となる。
【0055】
図8、図9及び図10は試験後の排ガスフィルタを各種顕微鏡に導入し、観察を行った結果を示したものである。図8は光学顕微鏡により、図9はレーザー顕微鏡により観察した試験用排ガスフィルタの表面観察結果である。図10は、試験用排ガスフィルタの断面をSEMにより観察したものである。図8及び図9中に示したように表面からは堆積物を確認することができる。以上のように本発明のフィルタは簡易的にかつ精度よく、光学顕微鏡をはじめとする、レーザー顕微鏡、TGA、SEM、EPMA、ESCA等の各種分析機器等に導入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の1つの実施形態にかかる排ガスフィルタの斜視図である。
【図2】第一実施形態にかかる試験装置の概略を示す図である。
【図3】保持手段を分解して示す正面図である。
【図4】第二実施形態にかかる試験装置の概略を示す図である。
【図5】第三実施形態にかかる試験装置の概略を示す図である。
【図6】試験中における排ガス流量、及び時間と排ガス上流側と下流側との差圧の経時変化を示すグラフである。
【図7】取り出した試験用排ガスフィルタを熱重量測定装置(TGA)により分析した結果である。
【図8】光学顕微鏡による試験後の試験用排ガスフィルタの表面観察結果である。
【図9】レーザー顕微鏡による試験後の試験用排ガスフィルタの表面観察結果である。
【図10】SEMによる試験後の試験用排ガスフィルタの断面観察結果である。
【符号の説明】
【0057】
10 内燃機関
20 動力計
30 排ガス通路
100 試験装置
101 1次分岐通路
102 2次分岐通路
103 2次分岐通路
110 ヒーター
120 保持手段
123 排ガスフィルタ
130 差圧計
140 温度計
150 凝縮水分離機
160 2次フィルタ
170 ポンプ
180 圧力計
190 流量計
370 圧力計
390 流量計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関に直接連結している排ガスの主通路から分岐して設けられた排ガスの通路に配置され、
排ガスの流れる方向に厚さ0.1〜5mm、該厚さ方向に直交する面の面積が10〜10000mmの平板形状を有する、試験用排ガスフィルタ。
【請求項2】
内燃機関に直接連結している排ガスの主通路から分岐して設けられる排ガス試験装置であって、
前記主通路から分岐する1つ以上の1次分岐管と、
前記1次分岐管からさらに分岐する1つ以上の2次分岐通路と、
前記1次分岐通路及び/又は前記2次分岐通路の少なくともいずれか1つに配設され、前記1次分岐通路及び/又は前記2次分岐通路の排ガス条件を制御する条件制御手段と、
前記条件制御手段の配設された前記1次分岐管及び/又は前記2次分岐管に配置され、排ガスの流れる方向に厚さ0.1〜5mm、該厚さ方向に直交する面の面積が10〜10000mmの平板形状を有する、試験用排ガスフィルタと、
を備える排ガス試験装置。
【請求項3】
前記条件制御手段及び前記試験用排ガスフィルタが、複数の前記1次分岐通路及び/又は前記2次分岐通路に配置されることにより、
同時に複数の試験が可能であること特徴とする、請求項2に記載の排ガス試験装置。
【請求項4】
前記条件制御手段が、
排ガスの流速を制御する流速制御手段と、
前記ガスフィルタの上流側の排ガスを加熱する加熱手段と、
前記排ガスフィルタの温度を制御する温度制御手段と、
前記排ガスフィルタの排ガス上流側と下流側における排ガスの圧力差を検知する差圧計測手段と、を備える、
請求項2又は請求項3のいずれか一項に記載の排ガス試験装置。
【請求項5】
前記試験用排ガスフィルタがそのままの状態で着脱可能であることにより、
前記排ガスフィルタ、その性能及び/又は前記排ガスフィルタへの付着物が評価可能であるとともに、前記内燃機関、その運転条件、前記内燃機関に使用した燃料及び潤滑油の組成のうちから選ばれる少なくとも1つを評価することができることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の排ガス試験装置。
【請求項6】
請求項2〜4のいずれか一項に記載の排ガス試験装置を用いて、前記排ガスフィルタ、その性能及び/又は前記排ガスフィルタへの付着物を評価するとともに、該評価から前記内燃機関、その運転条件、前記内燃機関に使用した燃料及び潤滑油の組成のうちから選ばれる少なくとも1つを評価する評価方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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