説明

詰め替え用ティッシュペーパーの包装体および包装方法

【課題】詰め替え用のティッシュペーパーの束の体積を減容した状態で1パックとすると共に、多数パックを、段ボール箱を使用せずに包装する包装体および包装方法を提供する。
【解決手段】ティッシュペーパー容器への詰め替え分の枚数が積層されたティッシュペーパーの束1を熱収縮性結束フィルム2により結束し、熱収縮性結束フィルム2を熱収縮させてティッシュペーパーの束1を圧縮した状態で結束してパックPとし、その結束されたティッシュペーパーの複数パックPを包装袋内に収納して包装して、詰め替え用ティッシュペーパーの包装体を製造する。これにより、ティッシュペーパーの束1の個々の体積を減容することができると共に、多数パックを、段ボール箱を使用せずに包装することができるため、省資源、省輸送コストを実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、詰め替え用ティッシュペーパーの束の嵩、すなわち空間に占める体積を減容した状態で包装する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ティッシュペーパーは、一般的には紙製の直方体の箱の中に多数枚を折り畳んだ状態で収納され、上面の楕円状のミシン目を破り取って取り出し口を空け、取り出し口から一枚ずつ(実際は2枚1組のものが多い。)ティッシュペーパーを取り出して使用するようになっている。そして、ティッシュペーパーが無くなると、空になった紙製の箱は廃棄して次の新しいティッシュペーパーを使用している。しかし、空になった紙製の箱を捨てるのは資源の無駄であり、ごみとして回収、処理を行う自治体の負担も重くなる。箱分のコストも無駄である。
【0003】
ホテルや旅館などの業務用としては、容器は据え置き形とし、中のティッシュペーパーは詰め替え用を用いて、箱を廃棄する無駄をなくすと共に、紙製の箱の分のコストを節減している(例えば、特許文献1,2参照)。
この詰め替え用のティッシュペーパーは、詰め替え用の1パック(たとえば200枚(100組))を1単位として包装し、これを例えば30パック、段ボール箱に入れて購入者に出荷、搬送するようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−33978号公報
【特許文献2】実開平7−27397号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、詰め替え用のティッシュペーパーで箱の節約をしても、全体を段ボール箱に入れて出荷するのでは、その段ボール箱が紙資源の無駄になる。何回か、通い箱として利用しても、破損したら使用できなくなる。
さらに、近年の石油燃料の価格高騰により、ティッシュペーパーといえども、輸送コストを無視できなくなっている。そこで、1台で輸送できるティッシュペーパーの体積を減容できれば、1単位当たりの輸送コストを低減することができる。
【0006】
そこで本発明は、詰め替え用のティッシュペーパーの束の体積を減容した状態で1パックとすると共に、多数パックを、段ボール箱を使用せずに包装する包装体および包装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明の詰め替え用ティッシュペーパーの包装体は、ティッシュペーパー容器への詰め替え分の枚数が積層されたティッシュペーパーの1束が熱収縮性結束フィルムにより圧縮された状態で1パックに結束され、その結束されたティッシュペーパーが複数パック、包装袋内に包装されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の詰め替え用ティッシュペーパーの包装方法は、ティッシュペーパー容器への詰め替え分の枚数が積層されたティッシュペーパーの1束を熱収縮性結束フィルムにより包み、前記熱収縮性結束フィルムを熱収縮させて前記ティッシュペーパーの1束を圧縮した状態で1パックに結束し、その結束されたティッシュペーパーの複数パックを包装袋内に収納して包装することを特徴とする。
【0009】
本発明においては、詰め替え用のティッシュペーパーの1回分の枚数を1束として、熱収縮性結束フィルムにより結束する。この熱収縮性結束フィルムで結束されたティッシュペーパーの1束を所定温度で、所定時間加熱することにより熱収縮性結束フィルムを熱収縮させ、ティッシュペーパーの1束を結束する。これにより、体積が減容された1パック分のティッシュペーパーが作られる。次いで、ティッシュペーパーの複数パックを包装袋内に包装する。このように複数パックを包装袋内に包装することにより、段ボール箱に収納する必要がなく、また同一パック数のティッシュペーパーであれば減容した状態で出荷、輸送、保管することができる。
【0010】
さらに、熱収縮性結束フィルムを熱収縮させてティッシュペーパーの1束を圧縮した状態で結束する際、ティッシュペーパーの1束を厚み方向に圧縮した状態で熱収縮させることにより、1パック分のティッシュペーパーの厚みをさらに減容でき、その複数パックを包装袋内に包装したときも、包装袋全体の容積を小さくすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ティッシュペーパー容器への詰め替え分の枚数が積層されたティッシュペーパーの1束が熱収縮性結束フィルムにより圧縮された状態で1パックに結束され、その結束されたティッシュペーパーが複数パック、包装袋内に包装されているので、ティッシュペーパーの束の個々の体積を減容することができると共に、多数パックを、段ボール箱を使用せずに包装することができる。そのため、省資源、省輸送コストを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて具体的に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る詰め替え用ティッシュペーパーの包装方法の工程の概要を示す工程図、図2は結束フィルムでティッシュペーパーの束を結束する状態の平面図、図3は包装状態の包装体の斜視図である。
【0013】
図1において、まず(a)に示すように、ティッシュペーパー容器への詰め替え分の枚数、例えば150〜200組(1組は通常、2枚で構成されている。)を折り畳んだ状態のティッシュペーパーの束1を、図1(b)に示すように筒状の熱収縮性結束フィルム2の内部に収納し、その状態で加熱すると、熱収縮性結束フィルム2が収縮して図1(c)に示すように圧縮されたティッシュペーパーのパックPとなる。
【0014】
結束工程としては、図2に示すように、搬送ライン10上を運ばれてきたティッシュペーパーの束1を、搬送ライン10に併設された結束ライン20上に押し出す。一方、所定の長さ(ティッシュペーパーの束1を包装する長さ)に切断された筒状の熱収縮性結束フィルム2を、反対方向から結束ライン20に供給する。結束ライン20上では、搬送ライン10から押し出されたティッシュペーパーの束1を熱収縮性結束フィルム2の内部に収納する。熱収縮性結束フィルム2の内部に収納されたティッシュペーパーの束1は、結束ライン20上を搬送されながら、熱収縮性結束フィルム2が収縮する温度に加熱されることにより、結束され、ティッシュペーパーのパックPとなる。この熱収縮処理時に、ティッシュペーパーの束1を厚さ方向にプレス装置(図示せず)でプレスすることにより、厚さ方向に圧縮された状態で熱収縮性結束フィルム2が収縮することになり、熱収縮性結束フィルム2の熱収縮のみの場合に比べ、半分程度、ティッシュペーパーの厚みが薄くなった状態となる。
【0015】
熱収縮性結束フィルム2の素材は、シュリンクフィルムと呼ばれるポリオレフィン系のフィルムを用いることができる。このフィルムは、100℃程度で約50%収縮する(フィルム単独の場合)。このフィルムを用いることにより、ティッシュペーパーの1束を圧縮状態で結束することができる。
【0016】
このティッシュペーパーのパックPを、図3に示すように、包装袋の中に10パック〜60パック収納することにより、ティッシュペーパーパックの包装体3とする。
この包装袋の素材は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン等のシート材の新材あるいは再生材を用いることができる。
【0017】
この包装体3を開梱するときは、包装体3を開き、内部のパックPを取り出す。各パックPは詰め替え用の枚数になっているので、熱溶着されている熱収縮性結束フィルム2を切るか、ミシン目等に沿って裂くことにより内部のティッシュペーパーの束1を取り出し、ティッシュペーパー容器に収納することにより、詰め替えを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明は、詰め替え用のティッシュペーパーの束の体積を減容した状態で1パックとすると共に、多数パックを、段ボール箱を使用せずに包装する包装体および包装方法として、ティッシュペーパー製造分野、流通分野において利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る詰め替え用ティッシュペーパーの包装方法の工程の概要を示す工程図である。
【図2】本発明の実施の形態において、結束フィルムでティッシュペーパーの束を結束する状態の平面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る詰め替え用ティッシュペーパーの包装体の斜視図である。
【符号の説明】
【0020】
P パック
1 ティッシュペーパーの束
2 熱収縮性結束フィルム
3 包装体
10 搬送ライン
20 結束ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ティッシュペーパー容器への詰め替え分の枚数が積層されたティッシュペーパーの1束が熱収縮性結束フィルムにより圧縮された状態で1パックに結束され、その結束されたティッシュペーパーが複数パック、包装袋内に包装されていることを特徴とする詰め替え用ティッシュペーパーの包装体。
【請求項2】
ティッシュペーパー容器への詰め替え分の枚数が積層されたティッシュペーパーの1束を熱収縮性結束フィルムにより結束し、
前記熱収縮性結束フィルムを熱収縮させて前記ティッシュペーパーの1束を圧縮した状態で1パックに結束し、
その結束されたティッシュペーパーの複数パックを包装袋内に収納して包装する
ことを特徴とする詰め替え用ティッシュペーパーの包装方法。
【請求項3】
前記熱収縮性結束フィルムを熱収縮させて前記ティッシュペーパーの1束を圧縮した状態で結束する際、前記ティッシュペーパーの1束を厚み方向に圧縮した状態で熱収縮させることを特徴とする請求項2記載の詰め替え用ティッシュペーパーの包装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−47270(P2010−47270A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−212056(P2008−212056)
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【出願人】(592172781)
【Fターム(参考)】