詰替え収納容器
【課題】軟質性袋状容器に収容されている内容物を剛性容器に収納する際、容易にかつ衛生的に行えるようにした詰替え収納容器の提供。
【解決手段】剛性容器と、不使用時密封包装され、使用時開封され前記剛性容器にセットする帯状ガイド５を備えた詰替え用の軟質性袋状容器４との組合せからなる詰替え収納容器とすることで、軟質性袋状容器４を剛性容器内に収納し、軟質性袋状容器４の帯状ガイド５により軟質性袋状容器４と剛性容器とを密着させることができる。
【解決手段】剛性容器と、不使用時密封包装され、使用時開封され前記剛性容器にセットする帯状ガイド５を備えた詰替え用の軟質性袋状容器４との組合せからなる詰替え収納容器とすることで、軟質性袋状容器４を剛性容器内に収納し、軟質性袋状容器４の帯状ガイド５により軟質性袋状容器４と剛性容器とを密着させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、剛性容器と、軟質性袋状容器との組合せからなる詰替え収納容器に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
剛性容器は、保存性や密封性、再封性の機能が高く、粉末石鹸や液体洗剤から調味料、粉末コーヒー、粉ミルク等の粉末、顆粒状、粒状、液体に至るまで様々な食品類や内容物の品質を劣化させることなく使用できる特徴を有している。又環境意識の高まりと相まって、詰替え容器としても利用され、詰替え用の内容物を剛性容器に移して使用することも行われている。とりわけ衛生性の確保が重要である食品に関しては、内容物の入った軟質性袋状容器ごと剛性容器に収納し使用する技術（特許文献１）が知られている。この特許文献１では軟質性袋状容器を収納後、開口部を剛性容器の口縁に嵌合するリングにより掛止めをして使用し、内容物が無くなり次第軟質性袋状容器を廃棄処分し、内容物の入った新たなる軟質性袋状容器を収納して使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開平９−７７１３４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところが上記の特許文献１の技術は、軟質性袋状容器を剛性容器に収納後、該袋状容器の開口部を外側に向かって折り込み、剛性容器の口縁に嵌合するリングにより掛止めをする必要があるため、収納作業が煩雑で時間がかかることから、ゴミや虫等の異物混入が発生する可能性があった。又軟質性袋状容器の上端開口部を折り込むことから、該袋状容器の内側を指で触れざるを得ず、消費に比較的時間のかかる食品や非常に衛生性が要求される食品、また取り扱いに非常に注意を要する等の内容物については、この方法を使用することが難しいという問題があった。
【０００５】
そこで、本発明では軟質性袋状容器を剛性容器に容易に収容でき、かつ衛生的に内容物の詰替えが行える詰替え収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記課題を解決するために本発明は、内容物の入った軟質性袋状容器がそのまま剛性容器に収納され、帯状ガイドを備えた詰替え用の軟質性袋状容器と剛性容器の組み合わせで、軟質性袋状容器を剛性容器に容易に収容し、かつ衛生的に内容物の詰替えが行える。
【０００７】
即ち、本発明は、次のとおりである。
[１]剛性容器と、不使用時密封包装され、使用時開封され前記剛性容器にセットする帯状ガイドを備えた詰替え用の軟質性袋状容器との組合せからなる詰替え収納容器。
[２]剛性容器の開口部にリングを備え、剛性容器の強度確保および軟質性袋状容器と剛性容器との隙間の遮蔽、また軟質性袋状容器の脱落防止機能を有する上記[１]に記載の詰替え収納容器。
[３]軟質性袋状容器の上部に、十分な弾性および柔軟性の合成樹脂製あるいは十分な弾性および柔軟性のある素材で作られた帯状ガイドを備え、剛性容器の内側に密着することができる上記[１]又は[２]に記載の詰替え収納容器。
【発明の効果】
【０００８】
本発明の詰替え収納容器は、剛性容器内に軟質性袋状容器をそのまま収納することで詰替えを行え、柔軟性袋状容器の収納が簡単に行われるので、非常に衛生的である。作業は煩雑でなく、短時間で詰替え作業が終わることから従来以上にゴミ、虫等の異物混入の危険性がなく、又詰替え時に内容物に手が触れることがないので、手を汚すことなく衛生的であり、かつ内容物の品質も確保できる。衛生的に取り扱われた内容物は、剛性容器の機密性とも相まって製品の品質を低下させることなく、長期間にわたって最後まで使用できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１】剛性容器、内蓋、外蓋の斜視図
【図２】軟質性袋状容器の斜視図
【図３】外装容器の開封状態を示す斜視図
【図４】外蓋、軟質性袋状容器、剛性容器の装着を示す斜視図
【図５】剛性容器のリブ形状を示す一部断面図
【符号の説明】
【００１０】
１：剛性容器
２：内蓋
３：外蓋
４：軟質性袋状容器
５：帯状ガイド
６：外装容器
７：リング
８：リブ
【発明を実施するための形態】
【００１１】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明は、剛性容器と、不使用時密封包装され、使用時開封されて前記剛性容器に収納できる軟質性袋状容器との組合せからなる詰替え収納容器を基本とするものである。
【００１２】
ここで剛性容器とは、スチール、ブリキ、アルミ等の金属、あるいは硬質性の合成樹脂等によって円筒状や楕円状、あるいは角柱状に形成されたものをいう。剛性容器の大きさはいかなるものでもよい。好ましくは、金属によるものであり、使用時に計量スプーン等で少量ずつ取り出して使用する円筒状の上端部が全面開口する形状のものが好適である。又強度の確保のため、更に自立性の無いような軟質性袋状容器が剛性容器内での自立性を確保するための密着部として、適宜外面又は内面の周囲にリブ等が１ないし複数形成されていてもよい。ここでリブ等は外内面の双方に設けてもよい。更に軟質性袋状容器に設けられた対応するリブと係合して密着部とすることもできる。
【００１３】
この剛性容器の開口部にはリングを備えることもできる。リングは剛性容器に形成、又は嵌合されていてもよい。リングは剛性容器の強度確保に寄与するだけでなく、軟質性袋状容器と剛性容器との間を物理的に遮蔽し内容物の落下の防止、又該袋状容器のガイドともなり、剛性容器を横にしても逆さにしても軟質性袋状容器自体が抜け落ちない脱落防止機能も有する。剛性容器の開口部に形成、又は嵌合されているリングは、剛性容器自体に設けられている一体的なリング、又は剛性容器の開口部に別体として形成する等いかなる手段で構成してもよい。例えば、剛性容器が金属製の缶であるならば、イージーオープン式蓋の開口部のリングであってもよい。
【００１４】
軟質性袋状容器は、紙、アルミ箔、軟質性の合成樹脂等の材料、あるいはこれらを複合した材料により形成される。又軟質性袋状容器の形状は特に問わない。好ましくは、ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィンとアルミ箔とを複合したラミネート材で、これらの材料を用いて袋状とし側面をヒートシールした後、上部を内容物の充填口および取り出し口とし、軟質性袋状容器の上部の袋口は、横裂き性が付与されたイージーカットあるいはカットテープにより開封できる軟質性袋状容器が例示できる。
【００１５】
軟質性袋状容器の上部には、剛性容器に軟質性袋状容器が密着するように十分な弾性および柔軟性の合成樹脂製あるいは十分な弾性および柔軟性のある素材で作られた帯状ガイドを備えている。ここで、上部とは、軟質性袋状容器の開け口から底部までの長さの４０％位置までぐらいをいう。帯状ガイドは、軟質性袋状容器の内側・外側どちら側に設けられていてもよく、密着力に応じて内外双方に設けられていてもよく、又層状のフィルム製容器の場合は層間に挟み込まれていても良い。帯状ガイドは、軟質性袋状容器に構成することができる手段ならばよく、例えば接着、溶着、圧着等何れでも良い。
【００１６】
帯状ガイドは、剛性容器に軟質性袋状容器が密着するように十分な弾性および柔軟性を有しているので、剛性容器から軟質性袋状容器が抜け出したりせず、しかも、内容物が無くなった時には、軟質性袋状容器を容易につまみ引き出せる。帯状ガイドは、内容物が充填された軟質性袋状容器が剛性容器内に挿入された後、内側の軟質性袋状容器が外側の剛性容器に密着するよう作用するものならばいかなる形状のものでもよい。好ましくは角柱状であるが、密着させる場所や形状に合わせて変えても良い。帯状ガイドの長さと剛性容器の内周の長さは、剛性容器の内側と軟質性袋状容器が密着できる長さであり、好ましくはほぼ同じ長さである。帯状ガイドの幅は、軟質性袋状容器の上部に収まればいかなる幅でもよい。
【００１７】
帯状ガイドの材質は、剛性容器に軟質性袋状容器が密着するように十分な弾性および柔軟性を有しているものであれば、如何なるものでもよい。例えば、ＰＰやＰＥ等のオレフィン系単独素材、もしくはＰＰやＰＥ等が複合された素材、合成樹脂と金属との複合材、金属素材等で構成される。好ましくは幅０．１〜５ｃｍ、厚さ０．１〜１ｍｍ程度のＰＥもしくはＰＰで、指で折り曲げられる程度の弾性力とし、開放時復元できるものである。帯状ガイドには穴を開けたり、切り込み等の加工を施したりして弾性力を調整しても良い。
【００１８】
詰替え収納容器に収納できる内容物は、粉ミルクやコーヒー等の粉末、調味料や洗剤等の顆粒状、粒状もしくは液状物質、海苔、加工品等の流動状物、固形物質等何れでも良い。好ましくは粉末状の食品である粉ミルクや粉コーヒーまたは海苔等の比較的長期に渡って使用し、衛生性や密閉性の確保が要求されるものである。
【００１９】
詰め替え作業は、剛性容器に内容物が充填された軟質性袋状容器ごと挿入し、軟質性袋状容器に構成された帯状ガイドを用いて密着させるだけでよく、容器内に残った古い内容物が混じることが無い。又操作に煩雑性が無く、短時間で詰替えが終了するためゴミや虫等の異物混入の可能性が極めて低い。このように形成した軟質性袋状容器は、粉体食品を始め様々な製品を充填包装し流通販売される。またこの軟質性袋状容器をさらに箱容器等の外装容器に入れ重複包装容器とすることにより強度が増し、流通段階における破損や汚れの防止を図ることができる。
【実施例】
【００２０】
以下に、実施の形態を図面に基づいて説明するが、本発明は以下の実施例になんら限定されるものではない。
図１において１は、剛性容器としての円柱状の缶であり、内蓋２は開封後廃棄し、外蓋３で密封できる。外蓋３は合成樹脂製で、一部が上方に開閉自在に折れ曲げ線が入れられており、外蓋３の一部を上方に引き上げることにより、一部を明けることができるようになっている。内容物が無くなると、図３に示すとおり、外装容器６より軟質性袋状容器４を取り出し、図４に示すように剛性容器１内に収納する。外装容器６には軟質性袋状容器４が内装されており、引き出して軟質性袋状容器４を取り出す。軟質性袋状容器４に横裂き性が付与されたイージーカット、あるいはカットテープ、ハサミにより開封し、剛性容器１の開口部から挿入する。又は剛性容器に軟質性袋状容器４を挿入してからイージーカット、あるいはカットテープ、ハサミにより開封してもよく、軟質性袋状容器４の開封は何れの時点でもかまわない。内容物入り軟質性袋状容器４の収納後も剛性容器１は外蓋２で密封できる。
【００２１】
軟質性袋状容器４が剛性容器１に収納される際は、図２に示す軟質製袋状容器４の帯状ガイド５が剛性容器１の上部にあるリング７を乗り越え、帯状ガイド５の力により剛性容器１に密着する。軟質性袋状容器４が収納されると剛性容器１のリング７により形成される内側の寸法が剛性容器上部の寸法より小さく、剛性容器１を横にしても逆さまにしても軟質性袋状容器４が抜け落ちることはない。自立性の無いような軟質性袋状容器４を使用した場合は、例えば、剛性容器１の胴部にリブ８を１又は複数個設けることができる。又剛性容器１の内周面にリブ８や凸部等を複数箇所設け、更に、軟質性袋状容器４の外周に対応するリブを設けることも好ましい。この場合軟質性袋状容器４に設けられた対応するリブが剛性容器内側のリブ８に密着し、剛性容器内でのズレを防止する。剛性容器１のリブ８が凸状であるならば、軟質性袋状容器４はそれに対応する凹状、剛性容器１のリブ８が凹状であるならば、軟質性袋状容器４はそれに対応する凸状とすることで、剛性容器内でのズレをより防止できる。
【００２２】
剛性容器１に収容された軟質性袋状容器４内の内容物が無くなったら、再度軟質性袋状容器１を用いて内容物を軟質性袋状容器１ごと詰替えることを繰り返し行える。軟質性袋状容器１の帯状ガイド５は、十分な弾性および柔軟性に富む素材であり、物理的な力を加えてやれば容易に形を変形させることができるため、軟質性袋状容器４をつまんで引っ張れば、剛性容器１より簡単に取り出せる。一方、剛性容器１に収容された状態では軟質性袋状容器４は、帯状ガイド５の拡張により、剛性容器内側に密着される。
【００２３】
以上の如く、軟質性袋状容器は剛性容器に収納されるが、煩雑な工程を踏むことなく短時間で収納されることから、衛生性および安全性を確保できる。かくして、剛性容器に軟質性袋状容器ごと詰替え使用すると衛生性が確保され、かつ気密性、密閉性に優れているため品質を低下させること無く内容物を最後まで使用することができる。
【００２４】
次に、具体的な態様を示す。軟質性袋状容器は、ＰＥアルミラミネートフィルム製であり、容器上端の位置にＰＥ製の帯状ガイドが、軟質性袋状容器の内側に圧着されている。軟質性袋状容器の開口部上部には直線カット性が付与されており、端部につけられたＶノッチから開封すると帯状ガイドの上で袋が開封される。開封後にブリキ製剛性容器の開口部から装填し、帯状ガイドの弾性力により軟質性袋状容器と剛性容器は密着する。内容物が無くなったら、柔軟性袋状容器を引っ張れば、帯状ガイドは容易に変形でき剛性容器より容易に取り出すことができる。
【産業上の利用可能性】
【００２５】
本発明の詰替え容器は、内容物の入った軟質性袋状容器ごと剛性容器に収納するもので、剛性容器の保存性、密封性、再封性により、内容物の品質を長期にわたり劣化させることなく使用できる。内容物の使用後には軟質性袋状容器ごと内容物を短時間で、簡単に収納でき、とりわけ衛生性の確保、保存性や密封性が重要である内容物、特に食品、調味料、洗剤、家庭用品等詰替え内容物の容器として、様々な用途の内容物の収納に使用できる。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、剛性容器と、軟質性袋状容器との組合せからなる詰替え収納容器に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
剛性容器は、保存性や密封性、再封性の機能が高く、粉末石鹸や液体洗剤から調味料、粉末コーヒー、粉ミルク等の粉末、顆粒状、粒状、液体に至るまで様々な食品類や内容物の品質を劣化させることなく使用できる特徴を有している。又環境意識の高まりと相まって、詰替え容器としても利用され、詰替え用の内容物を剛性容器に移して使用することも行われている。とりわけ衛生性の確保が重要である食品に関しては、内容物の入った軟質性袋状容器ごと剛性容器に収納し使用する技術（特許文献１）が知られている。この特許文献１では軟質性袋状容器を収納後、開口部を剛性容器の口縁に嵌合するリングにより掛止めをして使用し、内容物が無くなり次第軟質性袋状容器を廃棄処分し、内容物の入った新たなる軟質性袋状容器を収納して使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開平９−７７１３４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところが上記の特許文献１の技術は、軟質性袋状容器を剛性容器に収納後、該袋状容器の開口部を外側に向かって折り込み、剛性容器の口縁に嵌合するリングにより掛止めをする必要があるため、収納作業が煩雑で時間がかかることから、ゴミや虫等の異物混入が発生する可能性があった。又軟質性袋状容器の上端開口部を折り込むことから、該袋状容器の内側を指で触れざるを得ず、消費に比較的時間のかかる食品や非常に衛生性が要求される食品、また取り扱いに非常に注意を要する等の内容物については、この方法を使用することが難しいという問題があった。
【０００５】
そこで、本発明では軟質性袋状容器を剛性容器に容易に収容でき、かつ衛生的に内容物の詰替えが行える詰替え収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記課題を解決するために本発明は、内容物の入った軟質性袋状容器がそのまま剛性容器に収納され、帯状ガイドを備えた詰替え用の軟質性袋状容器と剛性容器の組み合わせで、軟質性袋状容器を剛性容器に容易に収容し、かつ衛生的に内容物の詰替えが行える。
【０００７】
即ち、本発明は、次のとおりである。
[１]剛性容器と、不使用時密封包装され、使用時開封され前記剛性容器にセットする帯状ガイドを備えた詰替え用の軟質性袋状容器との組合せからなる詰替え収納容器。
[２]剛性容器の開口部にリングを備え、剛性容器の強度確保および軟質性袋状容器と剛性容器との隙間の遮蔽、また軟質性袋状容器の脱落防止機能を有する上記[１]に記載の詰替え収納容器。
[３]軟質性袋状容器の上部に、十分な弾性および柔軟性の合成樹脂製あるいは十分な弾性および柔軟性のある素材で作られた帯状ガイドを備え、剛性容器の内側に密着することができる上記[１]又は[２]に記載の詰替え収納容器。
【発明の効果】
【０００８】
本発明の詰替え収納容器は、剛性容器内に軟質性袋状容器をそのまま収納することで詰替えを行え、柔軟性袋状容器の収納が簡単に行われるので、非常に衛生的である。作業は煩雑でなく、短時間で詰替え作業が終わることから従来以上にゴミ、虫等の異物混入の危険性がなく、又詰替え時に内容物に手が触れることがないので、手を汚すことなく衛生的であり、かつ内容物の品質も確保できる。衛生的に取り扱われた内容物は、剛性容器の機密性とも相まって製品の品質を低下させることなく、長期間にわたって最後まで使用できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１】剛性容器、内蓋、外蓋の斜視図
【図２】軟質性袋状容器の斜視図
【図３】外装容器の開封状態を示す斜視図
【図４】外蓋、軟質性袋状容器、剛性容器の装着を示す斜視図
【図５】剛性容器のリブ形状を示す一部断面図
【符号の説明】
【００１０】
１：剛性容器
２：内蓋
３：外蓋
４：軟質性袋状容器
５：帯状ガイド
６：外装容器
７：リング
８：リブ
【発明を実施するための形態】
【００１１】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明は、剛性容器と、不使用時密封包装され、使用時開封されて前記剛性容器に収納できる軟質性袋状容器との組合せからなる詰替え収納容器を基本とするものである。
【００１２】
ここで剛性容器とは、スチール、ブリキ、アルミ等の金属、あるいは硬質性の合成樹脂等によって円筒状や楕円状、あるいは角柱状に形成されたものをいう。剛性容器の大きさはいかなるものでもよい。好ましくは、金属によるものであり、使用時に計量スプーン等で少量ずつ取り出して使用する円筒状の上端部が全面開口する形状のものが好適である。又強度の確保のため、更に自立性の無いような軟質性袋状容器が剛性容器内での自立性を確保するための密着部として、適宜外面又は内面の周囲にリブ等が１ないし複数形成されていてもよい。ここでリブ等は外内面の双方に設けてもよい。更に軟質性袋状容器に設けられた対応するリブと係合して密着部とすることもできる。
【００１３】
この剛性容器の開口部にはリングを備えることもできる。リングは剛性容器に形成、又は嵌合されていてもよい。リングは剛性容器の強度確保に寄与するだけでなく、軟質性袋状容器と剛性容器との間を物理的に遮蔽し内容物の落下の防止、又該袋状容器のガイドともなり、剛性容器を横にしても逆さにしても軟質性袋状容器自体が抜け落ちない脱落防止機能も有する。剛性容器の開口部に形成、又は嵌合されているリングは、剛性容器自体に設けられている一体的なリング、又は剛性容器の開口部に別体として形成する等いかなる手段で構成してもよい。例えば、剛性容器が金属製の缶であるならば、イージーオープン式蓋の開口部のリングであってもよい。
【００１４】
軟質性袋状容器は、紙、アルミ箔、軟質性の合成樹脂等の材料、あるいはこれらを複合した材料により形成される。又軟質性袋状容器の形状は特に問わない。好ましくは、ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィンとアルミ箔とを複合したラミネート材で、これらの材料を用いて袋状とし側面をヒートシールした後、上部を内容物の充填口および取り出し口とし、軟質性袋状容器の上部の袋口は、横裂き性が付与されたイージーカットあるいはカットテープにより開封できる軟質性袋状容器が例示できる。
【００１５】
軟質性袋状容器の上部には、剛性容器に軟質性袋状容器が密着するように十分な弾性および柔軟性の合成樹脂製あるいは十分な弾性および柔軟性のある素材で作られた帯状ガイドを備えている。ここで、上部とは、軟質性袋状容器の開け口から底部までの長さの４０％位置までぐらいをいう。帯状ガイドは、軟質性袋状容器の内側・外側どちら側に設けられていてもよく、密着力に応じて内外双方に設けられていてもよく、又層状のフィルム製容器の場合は層間に挟み込まれていても良い。帯状ガイドは、軟質性袋状容器に構成することができる手段ならばよく、例えば接着、溶着、圧着等何れでも良い。
【００１６】
帯状ガイドは、剛性容器に軟質性袋状容器が密着するように十分な弾性および柔軟性を有しているので、剛性容器から軟質性袋状容器が抜け出したりせず、しかも、内容物が無くなった時には、軟質性袋状容器を容易につまみ引き出せる。帯状ガイドは、内容物が充填された軟質性袋状容器が剛性容器内に挿入された後、内側の軟質性袋状容器が外側の剛性容器に密着するよう作用するものならばいかなる形状のものでもよい。好ましくは角柱状であるが、密着させる場所や形状に合わせて変えても良い。帯状ガイドの長さと剛性容器の内周の長さは、剛性容器の内側と軟質性袋状容器が密着できる長さであり、好ましくはほぼ同じ長さである。帯状ガイドの幅は、軟質性袋状容器の上部に収まればいかなる幅でもよい。
【００１７】
帯状ガイドの材質は、剛性容器に軟質性袋状容器が密着するように十分な弾性および柔軟性を有しているものであれば、如何なるものでもよい。例えば、ＰＰやＰＥ等のオレフィン系単独素材、もしくはＰＰやＰＥ等が複合された素材、合成樹脂と金属との複合材、金属素材等で構成される。好ましくは幅０．１〜５ｃｍ、厚さ０．１〜１ｍｍ程度のＰＥもしくはＰＰで、指で折り曲げられる程度の弾性力とし、開放時復元できるものである。帯状ガイドには穴を開けたり、切り込み等の加工を施したりして弾性力を調整しても良い。
【００１８】
詰替え収納容器に収納できる内容物は、粉ミルクやコーヒー等の粉末、調味料や洗剤等の顆粒状、粒状もしくは液状物質、海苔、加工品等の流動状物、固形物質等何れでも良い。好ましくは粉末状の食品である粉ミルクや粉コーヒーまたは海苔等の比較的長期に渡って使用し、衛生性や密閉性の確保が要求されるものである。
【００１９】
詰め替え作業は、剛性容器に内容物が充填された軟質性袋状容器ごと挿入し、軟質性袋状容器に構成された帯状ガイドを用いて密着させるだけでよく、容器内に残った古い内容物が混じることが無い。又操作に煩雑性が無く、短時間で詰替えが終了するためゴミや虫等の異物混入の可能性が極めて低い。このように形成した軟質性袋状容器は、粉体食品を始め様々な製品を充填包装し流通販売される。またこの軟質性袋状容器をさらに箱容器等の外装容器に入れ重複包装容器とすることにより強度が増し、流通段階における破損や汚れの防止を図ることができる。
【実施例】
【００２０】
以下に、実施の形態を図面に基づいて説明するが、本発明は以下の実施例になんら限定されるものではない。
図１において１は、剛性容器としての円柱状の缶であり、内蓋２は開封後廃棄し、外蓋３で密封できる。外蓋３は合成樹脂製で、一部が上方に開閉自在に折れ曲げ線が入れられており、外蓋３の一部を上方に引き上げることにより、一部を明けることができるようになっている。内容物が無くなると、図３に示すとおり、外装容器６より軟質性袋状容器４を取り出し、図４に示すように剛性容器１内に収納する。外装容器６には軟質性袋状容器４が内装されており、引き出して軟質性袋状容器４を取り出す。軟質性袋状容器４に横裂き性が付与されたイージーカット、あるいはカットテープ、ハサミにより開封し、剛性容器１の開口部から挿入する。又は剛性容器に軟質性袋状容器４を挿入してからイージーカット、あるいはカットテープ、ハサミにより開封してもよく、軟質性袋状容器４の開封は何れの時点でもかまわない。内容物入り軟質性袋状容器４の収納後も剛性容器１は外蓋２で密封できる。
【００２１】
軟質性袋状容器４が剛性容器１に収納される際は、図２に示す軟質製袋状容器４の帯状ガイド５が剛性容器１の上部にあるリング７を乗り越え、帯状ガイド５の力により剛性容器１に密着する。軟質性袋状容器４が収納されると剛性容器１のリング７により形成される内側の寸法が剛性容器上部の寸法より小さく、剛性容器１を横にしても逆さまにしても軟質性袋状容器４が抜け落ちることはない。自立性の無いような軟質性袋状容器４を使用した場合は、例えば、剛性容器１の胴部にリブ８を１又は複数個設けることができる。又剛性容器１の内周面にリブ８や凸部等を複数箇所設け、更に、軟質性袋状容器４の外周に対応するリブを設けることも好ましい。この場合軟質性袋状容器４に設けられた対応するリブが剛性容器内側のリブ８に密着し、剛性容器内でのズレを防止する。剛性容器１のリブ８が凸状であるならば、軟質性袋状容器４はそれに対応する凹状、剛性容器１のリブ８が凹状であるならば、軟質性袋状容器４はそれに対応する凸状とすることで、剛性容器内でのズレをより防止できる。
【００２２】
剛性容器１に収容された軟質性袋状容器４内の内容物が無くなったら、再度軟質性袋状容器１を用いて内容物を軟質性袋状容器１ごと詰替えることを繰り返し行える。軟質性袋状容器１の帯状ガイド５は、十分な弾性および柔軟性に富む素材であり、物理的な力を加えてやれば容易に形を変形させることができるため、軟質性袋状容器４をつまんで引っ張れば、剛性容器１より簡単に取り出せる。一方、剛性容器１に収容された状態では軟質性袋状容器４は、帯状ガイド５の拡張により、剛性容器内側に密着される。
【００２３】
以上の如く、軟質性袋状容器は剛性容器に収納されるが、煩雑な工程を踏むことなく短時間で収納されることから、衛生性および安全性を確保できる。かくして、剛性容器に軟質性袋状容器ごと詰替え使用すると衛生性が確保され、かつ気密性、密閉性に優れているため品質を低下させること無く内容物を最後まで使用することができる。
【００２４】
次に、具体的な態様を示す。軟質性袋状容器は、ＰＥアルミラミネートフィルム製であり、容器上端の位置にＰＥ製の帯状ガイドが、軟質性袋状容器の内側に圧着されている。軟質性袋状容器の開口部上部には直線カット性が付与されており、端部につけられたＶノッチから開封すると帯状ガイドの上で袋が開封される。開封後にブリキ製剛性容器の開口部から装填し、帯状ガイドの弾性力により軟質性袋状容器と剛性容器は密着する。内容物が無くなったら、柔軟性袋状容器を引っ張れば、帯状ガイドは容易に変形でき剛性容器より容易に取り出すことができる。
【産業上の利用可能性】
【００２５】
本発明の詰替え容器は、内容物の入った軟質性袋状容器ごと剛性容器に収納するもので、剛性容器の保存性、密封性、再封性により、内容物の品質を長期にわたり劣化させることなく使用できる。内容物の使用後には軟質性袋状容器ごと内容物を短時間で、簡単に収納でき、とりわけ衛生性の確保、保存性や密封性が重要である内容物、特に食品、調味料、洗剤、家庭用品等詰替え内容物の容器として、様々な用途の内容物の収納に使用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
剛性容器と、不使用時密封包装され、使用時開封され前記剛性容器にセットする帯状ガイドを備えた詰替え用の軟質性袋状容器との組合せからなる詰替え収納容器。
【請求項２】
剛性容器の開口部にリングを備え、剛性容器の強度確保および軟質性袋状容器と剛性容器との隙間の遮蔽、また軟質性袋状容器の脱落防止機能を有する請求項１に記載の詰替え収納容器。
【請求項３】
軟質性袋状容器の上部に、十分な弾性および柔軟性の合成樹脂製あるいは十分な弾性および柔軟性のある素材で作られた帯状ガイドを備え、剛性容器の内側に密着することができる請求項１又は２に記載の詰替え収納容器。
【請求項１】
剛性容器と、不使用時密封包装され、使用時開封され前記剛性容器にセットする帯状ガイドを備えた詰替え用の軟質性袋状容器との組合せからなる詰替え収納容器。
【請求項２】
剛性容器の開口部にリングを備え、剛性容器の強度確保および軟質性袋状容器と剛性容器との隙間の遮蔽、また軟質性袋状容器の脱落防止機能を有する請求項１に記載の詰替え収納容器。
【請求項３】
軟質性袋状容器の上部に、十分な弾性および柔軟性の合成樹脂製あるいは十分な弾性および柔軟性のある素材で作られた帯状ガイドを備え、剛性容器の内側に密着することができる請求項１又は２に記載の詰替え収納容器。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２０１１−２５１７３３（Ｐ２０１１−２５１７３３Ａ）
【公開日】平成２３年１２月１５日（２０１１．１２．１５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１２６４４６（Ｐ２０１０−１２６４４６）
【出願日】平成２２年６月２日（２０１０．６．２）
【出願人】（５０７０４２６４８）ビーンスターク・スノー株式会社 (6)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年１２月１５日（２０１１．１２．１５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年６月２日（２０１０．６．２）
【出願人】（５０７０４２６４８）ビーンスターク・スノー株式会社 (6)
【Ｆターム（参考）】
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