説明

誘導駆動型プラズマ光源

【課題】
【解決手段】電磁放射線源は、イオン化可能な媒質を保持する円環状室を含む。該電磁放射線源は、円環状室の一部分を取り囲む磁気コアも含む。該放射線源は、エネルギパルスを磁気コアに提供して円環状室内に形成されたプラズマに対し電力を送り出し、円環状室の壁を通って半径方向に放射する電磁放射線を発生させる、パルス電力システムも含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、プラズマを発生させる方法及び装置、より詳細には、誘導駆動されるプラズマ光源を提供する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] プラズマ放電は、多岐に渡る用途にて使用することができる。例えば、プラズマ放電は、ガスを励起してイオン、遊離基、原子及び分子を保持する活性化したガスを発生させるため使用することができる。プラズマ放電は、電磁放射線(例えば、光線)を発生させるため使用することもできる。プラズマ放電の結果として発生された電磁放射線は、それ自体、多岐に渡る用途にて使用することができる。例えば、プラズマ放電により発生された電磁放射線は、半導体製造システムにて材料を硬化させる光源とすることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003] 1つの実施の形態において、本発明は、薄いフィルム材料を硬化させる電磁放射線源を特徴とする。
【0004】
[0004] 本発明は、1つの形態において、イオン化可能な媒質を保持する円環状室を含む電磁放射線源を特徴とする。該電磁放射線源は、また、円環状室の一部分を取り囲む磁気コアも含む。該源は、エネルギパルスを磁気コアに提供して円環状室内に形成されたプラズマに対し電力を送り出し円環状室の壁を通って半径方向に放射する電磁放射線を発生させるパルス電力システムも含む。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005] 幾つかの実施の形態において、円環状室の壁を通して半径方向に放射された電磁放射線は、半導体ウェハの面を実質的に均一に照射する。幾つかの実施の形態において、該源は、電磁放射線の一部分を材料に向ける反射器を含む。幾つかの実施の形態において、イオン化可能な媒質は、キセノン、スズ、亜鉛、カドミウム又は水銀を含む。幾つかの実施の形態において、イオン化可能な媒質は、水銀と貴ガスとの混合体を含む。幾つかの実施の形態において、該混合体は、約20ないし200μg/cmの水銀と、約1ないし約10μg/cmのキセノンとを含む。幾つかの実施の形態において、イオン化可能な媒質は、水銀と、クリプトン、ネオン及びキセノンの1つの又はより多くの混合体から成っている。幾つかの実施の形態において、電磁放射線は、イオン化可能な媒質のイオンにより実質的に発生される。
【0006】
[0006] 幾つかの実施の形態において、少なくとも1つのエネルギパルスは、約80μsの周期を有する約2μsないし約10μsの間の複数のエネルギパルスである。幾つかの実施の形態において、少なくとも1つのエネルギパルスは、約800ボルト及び約1000アンペアのパルスである。パルス電力システムは、同一極性、交番極性又は任意の連続的な極性のエネルギパルスを送り出すことができる。幾つかの実施の形態において、パルス電力システムは、架橋回路(例えば、半架橋又は全架橋)を有し且つ交番極性又は連続的な色々な極性の磁気コアに対しエネルギパルスを送り出す。幾つかの実施の形態において、磁気コアは、各々が円環状室の一部分を取り囲む複数のコアである。幾つかの実施の形態において、複数のコアが取り囲むのは、円環状室の円周の約10%よりも少ない部分である。幾つかの実施の形態において、磁気コアは、各々が円環状室の一部分を取り囲み且つ、円環状室の円周に沿って均一に配分された2つ又はより多くの(例えば、3つの)磁気コアである。幾つかの実施の形態において、円環状室は、紫外線に対して実質的に透明である。幾つかの実施の形態において、円環状室は石英を含む。
【0007】
[0007] 幾つかの実施の形態において、該源は、円環状室の壁を通して半径方向に放射する電磁エネルギを受け取る処理室を含む。幾つかの実施の形態において、処理室は、半導体ウェハを保持し、また、室の壁を通して放射された電磁エネルギは、半導体ウェハの上又はその上方にて薄いフィルムを硬化させる。幾つかの実施の形態において、該源は、処理時に使用し得るよう円環状室の壁を通って半径方向に放射する電磁放射線の一部分を反射すべく円環状室に対して配置された反射器を含む。幾つかの実施の形態において、円環状室の壁を通して放射された電磁エネルギは、酸素を含むコンパウンドと反応してオゾンを発生させる。幾つかの実施の形態において、該源は、ガスの流れを円環状室の外面を渡って向ける形態とされた冷却ガス源(例えば、遠心型送風機、強制通風機、誘導通風機、又はその他の冷却ガス又は流体源)を含む。ガスの流れは、1つ又はより多くのガス及び(又は)流体を含むことができる。ガスの流れは、該源の構成要素(例えば、室)を冷却する。ガスの流れは、窒素を含むガスの流れとすることができる。ガスの流れは、酸素無し又は実質的に酸素無しのガスとすることができる。幾つかの実施の形態において、該源は、円環状室を保持するハウジングを含む。幾つかの実施の形態において、該源は、ガスの流れを円環状室の表面及びハウジング内の電気的構成要素を渡って向けるようハウジング内に配置された冷却ガス源(例えば、遠心型送風機)を含む。
【0008】
[0008] 別の形態において、本発明は、電磁放射線源を特徴とする。該放射線源は、イオン化可能な媒質を保持する円環状室と、円環状室の一部分を取り囲む磁気コアとを含む。該源は、磁気コアに対し高エネルギパルスを提供して円環状室内に形成されたプラズマに対し電力を送り出し、プラズマを実質的にイオン化して円環状室の壁を通って半径方向に放射する紫外線を発生させるパルス電力システムも含む。
【0009】
[0009] 別の形態において、本発明は、薄いフィルム材料を硬化させる電磁放射線源を特徴とする。該源は、イオン化可能な媒質を封じ込めるため電磁放射線に対して少なくとも部分的に透明な円環状室を含む。該源は、円環状室の一部分を取り囲む磁気コアも含む。該源は、エネルギパルスを磁気コアに提供し、電力を円環状室内にて形成されたプラズマに対し送り出し、円環状室の壁を通して半径方向に放射する電磁放射線を発生させるパルス電力システムも含む。
【0010】
[0010] 別の形態において、本発明は、電磁放射線を薄いフィルム材料に送り出す方法にも関する。例えば、薄いフィルムは、化学的気相成長法、印刷法又はスピンオン法の結果物であるものとすることができる。該方法は、プラズマを発生させることのできるイオン化可能な媒質を円環状室内に導入するステップを含む。該方法は、また、少なくとも1つのエネルギパルスを円環状室の一部分を取り囲む磁気コアに印加して、磁気コアが電力をプラズマに送り出すステップも含む。該方法は、プラズマにより円環状室の壁を通して半径方向に放出された電磁放射線を薄いフィルム材料に向けて向けるステップも含む。
【0011】
[0011] 別の形態において、本発明は、薄いフィルム材料を硬化させる電磁放射線源を特徴とする。該源は、イオン化可能な媒質を封じ込めるため電磁放射線に対して少なくとも部分的に透明な円環状室を含む。該源は、また、円環状室の一部分を取り囲む磁気コアも含む。該源は、エネルギパルスを磁気コアに提供し、電力を円環状室内にて形成されたプラズマに対し送り出し、円環状室の壁を通して半径方向に放射する電磁放射線を発生させる手段も含む。
【0012】
[0012] 別の形態において、本発明は、電磁放射線を発生させる方法に関する。該方法は、プラズマを発生させることのできるイオン化可能な媒質を円環状室内に導入するステップを含む。該方法は、少なくとも1つのエネルギパルスを円環状室の一部分を取り囲む磁気コアに印加して、磁気コアが電力をプラズマに送り出すようにするステップも含む。該方法は、プラズマにより円環状室の壁を通して半径方向に放出された電磁エネルギを向き決めするステップを含む。
【0013】
[0013] 幾つかの実施の形態において、該方法は、プラズマにより円環状室の壁を通して半径方向に放出された電磁エネルギにて半導体ウェハの表面を照射するステップを含む。幾つかの実施の形態において、該方法は、プラズマにより円環状室の壁を通して半径方向に放出された電磁エネルギにて薄いフィルム材料を照射するステップを含む。薄いフィルム材料は誘電性材料とすることができる。
【0014】
[0014] 幾つかの実施の形態において、該方法は、電磁放射線の一部分を薄いフィルム材料に向けて反射するステップも含む。幾つかの実施の形態において、電磁放射線は、イオン化可能な媒質のイオンによって実質的に発生される。該少なくとも1つのエネルギパルスは、約80μsの周期を有する約2μsないし約10μsの範囲の複数のパルスとすることができる。磁気コアは、各々が円環状室の一部分を取り囲む複数のコアとすることができる。円環状室は、紫外線に対して実質的に透明であるようにすることができる。
【0015】
[0015]幾つかの実施の形態において、該方法は、円環状室の壁を通して処理室まで半径方向に放射する電磁放射線を提供するステップを含む。幾つかの実施の形態において、該方法は、円環状室の壁を通して放射された電磁エネルギを処理室内に向けて、半導体ウェハの上の薄いフィルムを硬化するステップを含む。幾つかの実施の形態において、該方法は、円環状室の壁を通して放射された電磁エネルギを、酸素を含むコンパウンドと相互作用させ、オゾンを発生させるステップを含む。幾つかの実施の形態において、該方法は、ガスの流れを円環状室の外面を渡って向けるステップを含む。
【0016】
[0016] 本発明は、別の形態において、電磁放射線を発生させる円環状室を含む電磁放射線源を特徴とする。該源は、室を取り囲み且つ実質的に酸素無しの環境を維持し得るよう密封されたハウジングを含む。該源は、ハウジングを通じて冷却ガス(例えば、窒素)を循環させ、円環状室を冷却する冷却ガス源も含む。
【0017】
[0017] 幾つかの実施の形態において、該源は、円環状室の一部分を取り囲むハウジング内に配置された少なくとも1つの磁気コアも含む。幾つかの実施の形態において、該源は、エネルギパルスを磁気コアに提供して電力を円環状室内にて形成されたプラズマに送り出し、円環状室の壁を通して半径方向に放射する電磁放射線を発生させるパルス電力システムも含む。幾つかの実施の形態において、該源は、円環状室を冷却した後、冷却ガスを冷却すべくハウジング内に配置された熱交換器を含む。
【0018】
[0018] 本発明は、別の形態において、イオン化可能な媒質を保持する円環状室を含む電磁放射線源を特徴とする。該源は、また、円環状室の一部分を取り囲む磁気コアも含む。該源は、また、交番極性のエネルギパルスを磁気コアに提供して、円環状室内に形成されたプラズマに対し電力を送り出し、円環状室の壁を通って半径方向に放射する電磁放射線を発生させるパルス電力システムを含む。1つの実施の形態において、磁気コア内にて使用される材料の量は、交番極性のエネルギパルスを提供することにより源を作動させることで減少させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
[0027] 図1は、本発明の原理を具体化する電磁放射線源100の一部分の等角図である。源100は円環状室108を含む。この実施の形態において、円環状室108は、紫外線(UV)に対して実質的に透明な石英材料を使用して製造される。イオン化可能な媒質(例えば、キセノン、スズ、亜鉛、カドミウム又は水銀)が入口112を介して円環状室108内に導入される。幾つかの実施の形態において、入口112は、イオン化可能な媒質を導入した後、密封される。幾つかの実施の形態において、入口112は、例えば、ガス(例えば、イオン化可能な媒質)を円環状室108の内部に導入するため、ガス圧送システム(図示せず)と接続される。幾つかの実施の形態において、円環状室は、ガスが円環状室108から流れ出るのを許容する出口(図示せず)を含む。
【0020】
[0028] この実施の形態において、源100は、円環状室108の円周に沿って均一に隔てられた3つの磁気コア104a、104b、104c(全体として、104)も含む。磁気コア104a、104b、104cの各々は、内部通路116a、116b、116cを画成する。円環状室108は、磁気コア104a、104b、104cに対して配設され、円環状室108の一部分が磁気コア104の内部通路116a、116b、116cをそれぞれ通る。イオン化可能な媒質を使用して円環状室108の内部にて円環状プラズマを発生させる。磁気コア104は、一次巻線120により連結され(すなわち、一次巻線120は、磁気コア104の内部通路116a、116b、116cを通る)、円環状室108内にて電流を誘発させるべく使用される変圧器の一次回路を形成する。
【0021】
[0029] 幾つかの実施の形態において、源は、磁気コア104の1つの通路を通る別個の一次巻線120を有している。単に一例として、第一の一次巻線は、磁気コア104aの内部通路116aを通るようにする。第二の一次巻線は、磁気コア104bの内部通路116bを通るようにする。第三の一次巻線は、磁気コア104cの内部通路116cを通るようにする。巻線(第一、第二及び第三)は、源100の望まれる変圧器比を実現するのに必要とされるように直列又は並列にて電気的に接続される。
【0022】
[0030] 電力システム124は、一次巻線120の端部128a、128bに連結され且つ磁気コア104と電気的に連通している。電力システム124は、円環状プラズマを発生させる円環状室108内にて電流を誘発させる。円環状プラズマは、ファラデーの誘導法則に従って、変圧器の二次回路として機能する。円環状プラズマは、例えば、薄いフィルム誘電性材料に向けて、円環状室108の壁を通って半径方向に放射する電磁放射線(例えば、紫外線)を発生させる。幾つかの実施の形態において、源100は、半導体ウェハ又は平板を清浄するために使用される紫外線を発生させる。
【0023】
[0031] この実施の形態において、室108は、室の円周に沿ってほぼ均一な円形の断面を有する円環状室である。本発明の色々な実施の形態にて代替的な室の形状を使用することができる。例えば、室108は、室の円周の全部又は一部分に沿って楕円形、四角形又は矩形の断面を有すようにしてもよい。幾つかの実施の形態において、室は、楕円形の形状の室である。
【0024】
[0032] 図2Aは、例えば、図1の電磁放射線源100と共に使用される電力システム236の概略図的な電気回路モデル200である。この実施の形態において、電力システム236は、エネルギの少なくとも1つのパルスを磁気コア104a、104b、104cに送り出すパルス電力システムである。この実施の形態において、電力システム236は、磁気コア104a、104b、104cに対し同一極性のエネルギパルスを送り出す。作動時、電力システム236は、典型的に、連続的なパルスエネルギを磁気コア104a、104b、104cに送り出して電力をプラズマに送り出す。電力システム236は、エネルギパルスを変圧器の一次回路204に送り出す(この場合、円環状室108内に配置された円環状プラズマは変圧器の二次回路である)。エネルギパルスは、磁気コア104内にて電流の流れを誘発し、この電流は電力を円環状室108内の円環状プラズマに送り出す。円環状プラズマに送り出される電力の大きさは、磁気コア104により発生された磁界、変圧器に送り出されたエネルギパルスの周波数及び大きさに依存する。
【0025】
[0033] 幾つかの実施の形態において、電力システム236は、同一極性、交番極性又は任意の連続的な極性のエネルギパルスを送り出す。例えば、幾つかの実施の形態において、電力システム236は、架橋回路(例えば、半架橋又は全架橋)を含み且つ、エネルギパルスを交番極性又は連続的な変化する極性の磁気コア104a、104b、104cに送り出すよう改変されている。幾つかの実施の形態において、電力システム236は、磁気コア104に対して複数のパルスを提供する。パルスは、ある持続時間の間、約100μsの周期にて約2μs及び約4μsの間、提供される。幾つかの実施の形態において、電力システム236は、約800ボルト及び約1000アンペアの少なくとも1つのエネルギパルスを提供する。幾つかの実施の形態において、電力システム236は、約100アンペア以上の少なくとも1つの電流パルスを提供する。幾つかの実施の形態において、電力システム236は、パルス当たり約0.5ジュールよりも大きい、少なくとも1つのエネルギパルスを提供する。
【0026】
[0034] この実施の形態において、電力システム236は、正の電圧端子218と、負の電圧端子(又は接地)222とを有する直流電圧源214を含む。正の電圧端子218は、インダクタ226及びダイオード230と直列である。インダクタ226及びダイオード230は、トランジスタ248が作動されたとき、プラズマに伝達されるであろうエネルギにてキャパシタ252を充電するため使用される。
【0027】
[0035] 電力システム236は、また、ゲートドライバ240と、トランジスタ248とを含む。トランジスタ248のゲート端子268は、ゲートドライバ240の出力部272と接続される。ゲートドライバ240の入力部264は、負の電圧端子222と接続される。トランジスタ248のソース端子276は、負の電圧端子222と接続される。トランジスタ248のドレーン端子280は、ダイオード230の出力部と、また、キャパシタ252の1つの接続部と接続されている。キャパシタ252に対する他方の接続部は、選択随意のインダクタ210の一側部と接続される。この実施の形態において、インダクタ210は、飽和可能なインダクタである。インダクタ210に対する他方の接続部は、磁気コア104の通路116を通る導体284と接続されている。導体284は、例えば、図1の一次巻線120のような変圧器の一次巻線である。このとき、導体284は、負の電圧端子222にて終わる。インダクタ210は、インダクタ210が飽和状態となったとき、キャパシタ252内に蓄えられたエネルギを磁気コア104に送り出す磁気スイッチである。インダクタ210は、キャパシタ252内に蓄えられたエネルギが磁気コア104に送り出される時点を遅らせる。幾つかの実施の形態において、選択随意のインダクタ210は、トランジスタ248内でのエネルギの消散を減少させる。インダクタ256及びダイオード260は、磁気コア104と並列に接続され且つ、バイアス電流を提供する機能を果たし、このバイアス電流は、磁気コア104をパルスの間にてリセットする。ゲートドライバ240がパルスをトランジスタ248のゲート268に送り出したとき、トランジスタ248は電流を伝導し、キャパシタ252内に蓄えられたエネルギをパルスにて磁気コア104を通って且つ円環状室108内のプラズマに放出する。その後、キャパシタ252は、インダクタ226及びダイオード230の作用により再充電される。
【0028】
[0036] 幾つかの実施の形態において、電力システム236は、高エネルギパルスを磁気コア104に提供して電力を円環状室108内にて形成されたプラズマに送り出す。高エネルギパルスは、イオン化可能な媒質を実質的にイオン化して実質的に紫外線である電磁放射線を発生させ、この紫外線は、円環状室108の壁を通して半径方向に放射する。
【0029】
[0037] 図2Bは、例えば、図1の電磁放射線源100又は図3A、図3B、図3Cの電磁放射線源300と共に使用される電力システム236の概略図的な電気回路のモデル200である。この実施の形態において、電力システム236は、全架橋回路を含み且つ、交番極性のエネルギパルスを磁気コア104a、104b、104cに送り出す。作動時、電力システム236は、典型的に、連続的なエネルギパルスを磁気コア104a、104b、104cに送り出し、電力を電磁放射線源の円環状室108内にてプラズマに送り出す。電力システム236は、エネルギパルスを変圧器の一次回路204に送り出す(この場合、円環状室108内に配置された円環状プラズマは、変圧器の二次回路である)。エネルギパルスは、磁気コア104内にて電流の流れを誘発させ、この電流は、電力を円環状室108内の円環状プラズマに送り出す。円環状プラズマに送り出された電力の大きさは、磁気コア104により発生された磁界、及び変圧器に送り出されたエネルギパルスの周波数及び大きさに依存する。
【0030】
[0038] 1つの実施の形態において、磁気コア104に提供されるエネルギパルスは、ある持続時間に渡り、約100μsの周期にて約2μsないし約4μsの範囲である。幾つかの実施の形態において、電力システム236は、約800ボルト及び約1000アンペアの少なくとも1つのエネルギパルスを提供する。幾つかの実施の形態において、電力システム236は、約100アンペアよりも大きい少なくとも1つの電流パルスを提供する。幾つかの実施の形態において、動力システム236は、約0.5ジュール/パルスよりも大きい、少なくとも1つのエネルギパルスを提供する。
【0031】
[0039] この実施の形態において、電力システム236は、正の電圧端子218と、負の電圧端子(又は接地)222とを有する直流電圧源214を含む。キャパシタ290は、直流電圧源214と並列に配置されている。キャパシタ290の第一の端部は、正の電圧端子218と接続され、キャパシタ290の第二の端部は、負の電圧端子222と接続されている。幾つかの実施の形態において、キャパシタ290は、直流電圧源214が出力することのできる高周波数スパイクをフィルタする。幾つかの実施の形態において、キャパシタ290は、エネルギパルスが磁気コア104に送り出されたときの電力システム236の電流源である。幾つかの実施の形態において、キャパシタ290はフィルタであり且つ電流源である。
【0032】
[0040] 電力システム236は、4つのゲートドライバ240a、240b、240c、240d(全体として、240)も含む。電力システム236は、4つのゲートドライバ240a、240b、240c、240dとそれぞれ作用可能に接続された4つのトランジスタ248a、248b、248c、248d(全体として、248)も含む。ゲートドライバ240の各々は、入力部264と、出力部272とを有する。トランジスタ248の各々は、ゲート端子268と、ドレーン端子280と、ソース端子276とを有している。トランジスタ248のゲート端子268は、ゲートドライバ240の出力部272と接続されている。電力システムは、4つのダイオード294a、294b、294c、294d(全体として、294)も有している。ダイオード294の第一の端部は、トランジスタ248のドレーン端子280と接続されている。ダイオード294の第二の端部は、トランジスタ248のソース端子276と接続されている。
【0033】
[0041] トランジスタ248aのドレーン端子280aは、正の電圧端子218と接続されている。トランジスタ248aのソース端子276aは、トランジスタ248bのドレーン端子280bと接続されている。トランジスタ248bのソース端子276bは、負の電圧端子222と接続されている。トランジスタ248cのドレーン端子280cは、正の電圧端子218と接続されている。トランジスタ248cのソース端子276cは、トランジスタ248dのドレーン端子280dと接続されている。トランジスタ248dのソース端子276dは、負の電圧端子222と接続されている。
【0034】
[0042] 電力システム236は、また、キャパシタ296と、インダクタ298とを含む。キャパシタ296の第一の端部は、トランジスタ248aのソース端子276a及びトランジスタ248bのドレーン端子280bと接続されている。キャパシタ296の第二の端部は、磁気コア104の通路116を通る導体284の第一の端部と接続されている。導体284の第二の端部は、インダクタ298の第一の端部と接続されている。インダクタ298の第二の端部は、トランジスタ248cのソース端子276c及びトランジスタ248dのドレーン端子280dと接続されている。
【0035】
[0043] 幾つかの実施の形態において、インダクタ298は、電気的構成要素である。幾つかの実施の形態において、インダクタ298は、変圧器内の漏洩電流のため、インダクタンスである(導体284は、一次巻線であり、室108内のプラズマループは、変圧器の二次回路である)。インダクタ298は、飽和可能なインダクタとすることができる。幾つかの実施の形態において、キャパシタ296は、インダクタ298と共振して磁気コア104に送り出される正弦波電流パルスを発生させる。幾つかの実施の形態において、キャパシタ296は、直流電流が磁気コア104に送り出されるのをブロックする。
【0036】
[0044] ゲートドライバ240がパルスをトランジスタ248のゲート268に送り出したとき、トランジスタ248は電流を伝導する。1つの実施の形態において、電力システム236は、ゲートドライバ240aがパルスをゲート端子268aに送り出し、ゲートドライバ240dがパルスをゲート端子268aに送り出して電流が導体284を通って一方向に流れ、パルスエネルギを磁気コア104及び円環状室108内のプラズマ内に送り出すように制御される。次に、電力システム236は、ゲートドライバ240aに命令してトランジスタ248に最早、電流を伝導しないよう命令し、また、ゲートドライバ240dに命令してトランジスタに最早、電流を伝導しないようにする。次に、電力システム236は、ゲートドライバ240bに命令してパルスをゲート端子268bに送り出し、また、ゲートドライバ240cがパルスをゲート端子268cに送り出して電流が導体284を通って反対方向に流れ、パルスエネルギ(逆の極性)を磁気コア104及び円環状室108内のプラズマ内に送り出すようにする。このようにして、電力システム236は、磁気コアに対し交番極性のエネルギパルスを提供する。
【0037】
[0045] 本発明の幾つかの実施の形態において、電力システム236は、磁気コア104に対し交番極性のエネルギパルスを提供し、磁気コア104が同一極性の反復的なエネルギパルスの場合のように容易に飽和するのを防止するようにすることが望ましい。交番極性のエネルギパルスを提供する電力システム236の1つの有利な点は、磁気コアはより効率的に使用され、また、作動中、磁気コアが飽和する可能性が減少するから、作動中、必要とされる磁気コア材料が少なくて済むことである。使用する磁気コア材料が少ないことの追加的な有利な効果は、プラズマ室108の壁を通るプラズマにより放出される光をブロックする程度が少ない、寸法の小さい磁気コア104となる点である。
【0038】
[0046] 幾つかの実施の形態において、キャパシタ296は約3.5μFの静電容量を有し、インダクタ298は約1μH未満のインダクタンスを有する。幾つかの実施の形態において、キャパシタ296は、約30μF以上の静電容量を有し、インダクタ298は約1μH未満のインダクタンスを有する。電力システム236及び電磁放射線源の作動を改変するため、代替的な値の静電容量及びインダクタンスを使用することができる。単に一例として、1つの実施の形態において、キャパシタ296が約3.5μFの静電容量を有し、インダクタ298が約1μH未満のインダクタンスを有する場合、電力システム236により磁気コア104に提供されるエネルギパルスの形状は正弦波状である。これに反して、別の実施の形態において、キャパシタ296が約30μF以上の静電容量を有し、インダクタ298が約1μH未満のインダクタンスを有する場合、電力システム236により磁気コア104に提供されるエネルギパルスの形状は矩形である。
【0039】
[0047] 幾つかの実施の形態において、電力システム236は、半架橋回路を含む。半架橋回路において、ゲートドライバ240c、トランジスタ248、ダイオード294cは、第一のキャパシタにて置換され、また、ゲートドライバ240d、トランジスタ248d及びダイオード294dは、第二のキャパシタにて置換されている。第一のキャパシタの第一の端部は、正電圧端子218と接続されている。第一のキャパシタの第二の端部は、インダクタ298の第二の端部及び第二のキャパシタの第一の端部と接続されている。第二のキャパシタの第二の端部は、負電圧端子222と接続されている。
【0040】
[0048] 図3A、図3B及び図3Cは、本発明の一例としての実施の形態に従った電磁放射線源300の概略図である。図3Aを参照すると、源300は、室316(例えば、図1の円環状室108)と、3つの磁気コア328a、328b、328c(図面の明確化の目的のため328aのみが図3Aに示されている)とを保持するハウジング304を含む。磁気コア328a、328b、328cの各々は、内部通路332a、332b、332cをそれぞれ画成する。室316は、磁気コア328a、328b、328cの内部通路332a、332b、332cを通る。一次巻線350a、350b、350cは、内部通路332a、332b、332cをそれぞれ通り、本明細書にて上記に説明したのと同様に、変圧器の一次回路を形成する。一次巻線350a、350b、350cは、例えば、図2Aの電力システム236のような電力システムと直列に電気的に接続されている。電力システムは、電力を磁気コア328a、328b、328cに提供する一方、これらの磁気コアは、電力を室316内に形成されたプラズマに提供する。磁気コア328a、328b、328cによりプラズマに提供された電力は、入口314を介して室316内に導入されたイオン化可能な媒質(例えば、水銀)をイオン化する。イオン化されたイオン化可能な媒質は、室316の壁を通して半径方向に放射する紫外線を発生させる。幾つかの実施の形態において、一次巻線350a、350b、350cは、電力システムに対し電気的に並列に接続されている。
【0041】
[0049] 源300は反射器324も含む。反射器324は、室316を取り囲み、方向336以外の方向に向け、室316の壁を通して半径方向に放射された電磁放射線は、反射器324により方向336に向けて実質的に反射される。このようにして、室316から出る電磁放射線のかなりの量がハウジング304の底部(図3Aの図にて見たとき)に配置された反射器324の前部340に配置された窓部380に且つ該窓部380を通して向けられる。
【0042】
[0050] 窓部380は、例えば、電磁放射線に対して透明又は実質的に透明な材料のパネル又は薄板とすることができる。幾つかの実施の形態において、窓部380は、電磁放射線の1つ又はより多くの特定の周波数帯域に対して透明である。幾つかの実施の形態において、反射器324の内部344は、反射器324の反射特性を向上させる材料(例えば、フィルム又は被覆)にて被覆されている。1つの実施の形態において、反射器324の内部344は、紫外線内の電磁放射線の波長を反射する一方にて、赤外線帯域内の電磁放射線の波長の反射(又は、吸収)を最小にする材料にて被覆されている。このようにして、電磁放射線源300の作動は、特定の用途に合うよう特別に調整することができる。
【0043】
[0051] 源300は、ガスの流れ320をハウジング304内の導管312に提供する冷却ガス源308も含む。この実施の形態において、冷却ガス源308は遠心型送風機である。一例としての遠心型送風機は、オハイオ州、ケントに事務所があるアメテックインク(Ametek,Inc.)が製造するノーティレア(Nautilair)(登録商標名)8.9インチ(225mm)可変速度送風機モデル150240−00である。ガスの流れ320は、導管312を通って進み、反射器324の開口部に且つ該開口部を通って向けられる。ガスの流れ320は、作動中、室316の外面を渡って向けられ、室を冷却する。このようにして、室316は高速度のガスの流れ320にて包み込まれる。次に、ガスの流れ320は、ハウジング304を通して熱交換器372に向けられる。
【0044】
[0052] ガスの流れ320の少なくとも一部分は、X軸線の正方向に沿って且つ、熱交換器372を通って(熱交換器372の第一の側部376aから熱交換器372の第二の側部376bまで)進む。ガスの流れ320が熱交換器372を通るとき、熱交換器372の伝熱フィン(図示せず)は、ガスの流れ320から熱を除去する。熱交換器372は、ガスの流れ320を冷却しそのガスの流れを冷却ガス源308により室316に向けて再循環させ又は再圧送することができる。ガスの流れ320は、冷却ガス源308の入口368に且つ入口368の内部に向けられ且つ、導管312に提供される。
【0045】
[0053] 1つの実施の形態において、ハウジング304は、外部環境から密封されており、冷却ガス源308は、酸素が実質的に存在しないガス(例えば、窒素を含み、又は源300の作動に悪影響を与えない少量のみの酸素を含むガス)を圧送する。ハウジング304は、室316を取り囲み且つ、ハウジング304内にて実質的に酸素無しの環境を維持するよう密封される。酸素を含まないガスを圧送することにより、オゾンの発生を最小にし且つ解消することが可能である。オゾンは、ハウジング304内の構成要素を攻撃し又は構成要素と反応する可能性のある反応性ガスである。ハウジング内でのオゾンの発生を解消し又は最小にするその他の理由は、オゾンは極めて有毒であること、形成された後、空気清浄システム内にて破壊するのに費用が掛かり、また、酸素及びオゾンは短い波長のUV光を吸収して、ある用途に対する光源の効果を低下させることを含む。
【0046】
[0054] 図4は、本発明を具体化する電磁放射線を発生させる電磁放射線システム400の部分的な概略図である。システム400は、室484(例えば、円環状室)を保持するハウジング408を含む。システム400は、導体428を介して電力を少なくとも1つの磁気コア460に提供する電源424も含む。該少なくとも1つの磁気コア460は室484の一部分を取り囲む。該少なくとも1つの磁気コア460は、例えば、図1及び図2Aに関して上述したのと同様に、室484内にて形成されたプラズマに対し電力を提供する。室内にて形成されたプラズマは、室484の壁を通して半径方向に放射される、電磁放射線432を発生させる。
【0047】
[0055] システム400は反射器450も含む。電磁放射線432の一部は、ハウジング408に連結された窓部472に直接向けられる。電磁放射線432の一部は、反射器450に向けて進む。反射器は、この電磁放射線を反射させ且つ、それを窓部472に向ける。電磁放射線432の組み合わせは、窓部472を通って処理室434に入る。処理室434内に配置された試料ホルダ460は、電磁放射線432により処理される材料456(例えば、ウェハ又はパネル)を支持する。1つの実施の形態において、電磁放射線は、材料456上に配置された薄いフィルム材料の硬化を促進する。
【0048】
[0056] 本発明の実施の形態は多岐に渡る用途にて使用することができる。1つの実施の形態において、電磁放射線源(例えば、図3A、図3B及び図3Cの電磁放射線源300)を使用して紫外電磁放射線を窓部380を通して処理室(例えば、図4の室404)に送り出すことができる。紫外線は、処理室内の酸素と反応して処理室内にてオゾンを発生させる。オゾンは、処理室内に配置された試料の表面にて炭化水素と反応して試料の表面における炭化水素を除去する。本発明の原理を具体化する電磁放射線源と共に使用される追加的な適用例が考えられる。例えば、本発明の原理を具体化する電磁放射線源は、半導体ウェハにおける薄いフィルム材料(例えば、誘電性材料)の硬化、インク及び塗料の硬化、インプリントリソグラフィ過程の一部として紫外線の提供、半導体処理過程にて使用されるフォトレジスト処理又は半導体処理にて使用されるリソグラフィ用の光源として使用することが可能である。
【0049】
[0057] 単に一例として、図3A、図3B及び図3Cの電磁放射線源300は、電磁放射線を発生させるため実験にて使用した。キセノン及び水銀の混合体を入口314を介して室316内に導入し、入口314を密封した。室316は円環状形状の室であり、入口314は、サプレイセル(Suprasil)(登録商標名)石英(ドイツ、ヘラエウスクアルツシュメルツ(Heraeus Quarzschmelze)G.m.b.H.)が製造する管状形状のものとした。入口314は、入口314を溶融させ且つ癒着させることにより密封した。この実験において、約4μg/cmのキセノン及び約35μg/cmの水銀を室316内に導入した。図2Aの電力システム236を使用して3つの磁気コア328a、328b、328cに対し約8750ワットの電力を提供した。3つの磁気コア328a、328b、328cは室316内に形成されたプラズマに対し約8750ワット−約100ないし200ワット(磁気コアの損失に起因する)の電力を提供した。反復率は、磁気コア328a、328b、328cに提供されたエネルギパルスに対し8.75kHzとした。パルス当たりのエネルギは約1ジュールとした。図2Aの電力システム236に対する全入力電力は約9600ワットとした。
【0050】
[0058] 図5は、照射の絶対的な測定値を図3A、図3B及び図3Cの電磁放射線源300のような電磁放射線源により発生された波長に対して示したプロット500のグラフ図である。プロット500のY軸504はμW/cmnm単位で表わした絶対的照射量である。プロット500のX軸508はnmの単位にて表わした電磁放射線の波長である。曲線512は、測定した絶対的照射量対200nmないし400nmの範囲の波長である。照射量曲線512は、石英室316の中心から約18cmの位置に配置され且つ円環状室316に沿ってプラズマを2.5cmの範囲の程度、見ることができるようコリメートさせた光ファイバプローブを使用して測定した。
【0051】
[0059] 本明細書に記載したものの変更例、改変例及びその他の実施例は、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに当該技術の当業者に案出されるであろうし、これらは、本発明に包含されるものと見なされる。従って、本発明は、上記の一例としての説明によってのみ規定されるべきでものはない。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明を具体化する電磁放射線源の一部分を示す等角図である。
【図2A】本発明の一例としての実施の形態に従った、電磁放射線源と共に使用される電力システムの概略電気回路モデル図である。
【図2B】本発明の一例としての実施の形態に従った、電磁放射線源と共に使用される電力システムの概略電気回路モデル図である。
【図3A】本発明の一例としての実施の形態に従った、電磁放射線源の概略断面図である。
【図3B】図3Aの電磁放射線源の一部分を示す拡大図である。
【図3C】図3Aの電磁放射線源の室の一部分、反射器及び磁気コアを示す二次元図である。
【図4】本発明の原理を具体化する、電磁放射線源及び処理室の一部分の概略図である。
【図5】本発明に従った電磁放射線源を使用するときの、絶対的照射量を波長に対して示すグラフ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁放射線源において、
イオン化可能な媒質を保持する円環状室と、
円環状室の一部分を取り囲む磁気コアと、
エネルギパルスを磁気コアに提供して円環状室内に形成されたプラズマに対し電力を送り出し円環状室の壁を通って半径方向に放射する電磁放射線を発生させるパルス電力システムとを備える、電磁放射線源。
【請求項2】
請求項1に記載の源において、円環状室の壁を通して半径方向に放射された電磁放射線は、半導体ウェハの面を実質的に均一に照射する、電磁放射線源。
【請求項3】
請求項1に記載の源において、電磁放射線の一部分を薄いフィルム材料に向ける反射器を備える、電磁放射線源。
【請求項4】
請求項3に記載の電磁放射線源において、薄いフィルム材料は誘電性材料である、源。
【請求項5】
請求項1に記載の電磁放射線源において、イオン化可能な媒質は、キセノン、スズ、亜鉛、カドミウム又は水銀から成る、電磁放射線源。
【請求項6】
請求項1に記載の電磁放射線源において、電磁放射線は、イオン化可能な媒質のイオンにより実質的に発生される、電磁放射線源。
【請求項7】
請求項1に記載の電磁放射線源において、少なくとも1つのエネルギパルスは、約80μsの周期を有する約2μsないし約10μsの間の複数のエネルギパルスである、電磁放射線源。
【請求項8】
請求項1に記載の電磁放射線源において、少なくとも1つのエネルギパルスは、約800ボルト及び約1000アンペアのパルスである、電磁放射線源。
【請求項9】
請求項1に記載の電磁放射線源において、少なくとも1つのエネルギパルスは、約100アンペア以上の電流パルスである、電磁放射線源。
【請求項10】
請求項1に記載の電磁放射線源において、少なくとも1つのエネルギパルスは、パルス当たり約0.5ジュールよりも大きいパルスである、電磁放射線源。
【請求項11】
請求項1に記載の電磁放射線源において、パルス電力システムは、磁気コアに対し同一極性又は交番極性のエネルギを送り出す、電磁放射線源。
【請求項12】
請求項1に記載の電磁放射線源において、パルス電力システムは、半架橋又は全架橋回路を備える、電磁放射線源。
【請求項13】
請求項1に記載の電磁放射線源において、磁気コアは、各々が円環状室の一部分を取り囲む複数のコアである、電磁放射線源。
【請求項14】
請求項13に記載の電磁放射線源において、複数のコアが取り囲むのは、円環状室の円周の約10%よりも少ない部分である、電磁放射線源。
【請求項15】
請求項1に記載の電磁放射線源において、磁気コアは、各々が円環状室の一部分を取り囲み且つ、円環状室の円周に沿って均一に配分された2つ又はより多くの磁気コアである、電磁放射線源。
【請求項16】
請求項1に記載の電磁放射線源において、円環状室は、紫外線に対して実質的に透明である、電磁放射線源。
【請求項17】
請求項1に記載の電磁放射線源において、円環状室は石英から成る、電磁放射線源。
【請求項18】
請求項1に記載の電磁放射線源において、円環状室の壁を通して半径方向に放射する電磁放射線を受け取る処理室を備える、電磁放射線源。
【請求項19】
請求項18に記載の電磁放射線源において、処理室は、半導体ウェハを保持し、また、室の壁を通して放射された電磁エネルギは、半導体ウェハの上方にて薄いフィルムを硬化させる、電磁放射線源。
【請求項20】
請求項1に記載の電磁放射線源において、処理時に使用し得るよう円環状室の壁を通って半径方向に放射する電磁放射線の一部分を反射すべく円環状室に対して配置された反射器を備える、電磁放射線源。
【請求項21】
請求項1に記載の電磁放射線源において、円環状室の壁を通して放射された電磁エネルギは、酸素を含むコンパウンドと反応してオゾンを発生させる、電磁放射線源。
【請求項22】
請求項1に記載の電磁放射線源において、ガスの流れを円環状室の外面を渡って向ける形態とされたファンを備える、電磁放射線源。
【請求項23】
請求項22に記載の電磁放射線源において、ガスの流れは、窒素を含むガスの流れである、電磁放射線源。
【請求項24】
請求項22に記載の電磁放射線源において、ガスの流れは、酸素無しのガスの流れである、電磁放射線源。
【請求項25】
請求項1に記載の電磁放射線源において、円環状室を保持するハウジングを備える、電磁放射線源。
【請求項26】
請求項25に記載の電磁放射線源において、ガスの流れを円環状室の表面及びハウジング内の電気的構成要素を渡って向けるようハウジング内に配置されたファンを備える、電磁放射線源。
【請求項27】
請求項1に記載の電磁放射線源において、イオン化可能な媒質は、水銀と貴ガスとの混合体である、電磁放射線源。
【請求項28】
請求項27に記載の電磁放射線源において、混合体は、約20ないし200μg/cmの水銀と、約1ないし約10μg/cmのキセノンとから成る、電磁放射線源。
【請求項29】
請求項1に記載の電磁放射線源において、イオン化可能な媒質は、水銀と、クリプトン、ネオン及びキセノンの1つの又はより多くの混合体から成る、電磁放射線源。
【請求項30】
電磁エネルギを提供する電磁放射線源において、
イオン化可能な媒質を保持する円環状室と、
円環状室の一部分を取り囲む磁気コアと、
高エネルギパルスを磁気コアに提供して円環状室内に形成されたプラズマに対し電力を送り出しプラズマを実質的にイオン化し、円環状室の壁を通って半径方向に放射する紫外光線を発生させるパルス電力システムとを備える、電磁放射線源。
【請求項31】
薄いフィルム材料を硬化させる電磁放射線源において、
イオン化可能な媒質を保持するよう電磁放射線に対して少なくとも部分的に透明な円環状室と、
円環状室の一部分を取り囲む磁気コアと、
エネルギパルスを磁気コアに提供して円環状室内に形成されたプラズマに対し電力を送り出し円環状室の壁を通って半径方向に放射する電磁放射線を発生させるパルス電力システムとを備える、電磁放射線源。
【請求項32】
薄いフィルム材料を硬化させる電磁放射線源において、
イオン化可能な媒質を保持するよう電磁放射線に対して少なくとも部分的に透明な円環状室と、
円環状室の一部分を取り囲む磁気コアと、
エネルギパルスを磁気コアに提供して円環状室内に形成されたプラズマに対し電力を送り出し円環状室の壁を通って半径方向に放射する電磁放射線を発生させる手段とを備える、電磁放射線源。
【請求項33】
電磁放射線を発生させる方法において、
プラズマを発生させることのできるイオン化可能な媒質を円環状室内に導入するステップと、
少なくとも1つのエネルギパルスを円環状室の一部分を取り囲む磁気コアに印加して、磁気コアが電力をプラズマに送り出すようにするステップと、
プラズマにより円環状室の壁を通して半径方向に放出された電磁エネルギを向き決めするステップとを備える、電磁放射線を発生させる方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法において、プラズマにより円環状室の壁を通して半径方向に放出された電磁エネルギにて半導体ウェハの表面を照射するステップを備える、方法。
【請求項35】
請求項33に記載の方法において、プラズマにより円環状室の壁を通して半径方向に放出された電磁エネルギにて薄いフィルム材料を照射するステップを備える、方法。
【請求項36】
請求項35に記載の方法において、薄いフィルム材料は、誘電性材料である、方法。
【請求項37】
請求項33に記載の方法において、電磁放射線の一部分を薄いフィルム材料に向けて反射するステップを備える、方法。
【請求項38】
請求項33に記載の方法において、電磁放射線は、イオン化可能な媒質のイオンによって実質的に発生される、方法。
【請求項39】
請求項33に記載の方法において、少なくとも1つのエネルギパルスは、約80μsの周期を有する約2μsないし約10μsの範囲の複数のパルスである、方法。
【請求項40】
請求項33に記載の方法において、磁気コアは、各々が円環状室の一部分を取り囲む複数のコアである、方法。
【請求項41】
請求項33に記載の方法において、円環状室は、紫外線に対して実質的に透明である、方法。
【請求項42】
請求項33に記載の方法において、円環状室の壁を通して処理室まで半径方向に放射する電磁放射線を提供するステップを備える、方法。
【請求項43】
請求項33に記載の方法において、円環状室の壁を通して放射された電磁エネルギを処理室内に向けて半導体ウェハの上方の薄いフィルムを硬化させるステップを備える、方法。
【請求項44】
請求項33に記載の方法において、円環状室の壁を通して放射された電磁エネルギを酸素を含むコンパウンドと相互作用させ、オゾンを発生させるステップを備える、方法。
【請求項45】
請求項33に記載の方法において、ガスの流れを円環状室の外面を渡って向けるステップを備える、方法。
【請求項46】
電磁放射線源において、
電磁放射線を発生させる円環状室と、
室を取り囲み且つ実質的に酸素無しの環境を維持し得るよう密封されたハウジングと、
ハウジングを通じて冷却ガスを循環させ、円環状室を冷却する冷却ガス源とを備える、電磁放射線源。
【請求項47】
請求項46に記載の電磁放射線源において、円環状室の一部分を取り囲むハウジング内に配置された少なくとも1つの磁気コアと、エネルギパルスを磁気コアに提供して電力を円環状室内にて形成されたプラズマに送り出し、円環状室の壁を通して半径方向に放射する電磁放射線を発生させるパルス電力システムとを備える、電磁放射線源。
【請求項48】
請求項46に記載の電磁放射線源において、円環状室を冷却した後、冷却ガスを冷却すべくハウジング内に配置された熱交換器を備える、電磁放射線源。
【請求項49】
電磁放射線源において、
イオン化可能な媒質を保持する円環状室と、
円環状室の一部分を取り囲む磁気コアと、
交番極性のエネルギパルスを磁気コアに提供して円環状室内に形成されたプラズマに対し電力を送り出し円環状室の壁を通って半径方向に放射する電磁放射線を発生させるパルス電力システムとを備える、電磁放射線源。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2009−510698(P2009−510698A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533592(P2008−533592)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/037801
【国際公開番号】WO2007/041192
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(507005768)エナジェティック・テクノロジー・インコーポレーテッド (8)
【Fターム(参考)】