説明

語学訓練方法及びシステム

語学訓練システムは、生徒が遠隔に位置する講師との言語スキルのオンデマンド訓練を受けることを可能にする。訓練は、多様な言語及びトピックで提供される。システムは、生徒がそこから選択してもよい会話のデータベースを含む。会話が選択された後で、生徒はまた、訓練を提供する講師を選択する。システムは、生徒と選択された講師との間のリアルタイム通信を確立し、選択された会話に関するスクリプトを供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、語学学習及び訓練システムに関し、特に、互いから物理的に遠く離れている語学訓練の参加者(例えば、1人又は複数の講師と1人又は複数の生徒)との間のリアルタイム接続を手配するための自動化されたシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
第2言語又は外国語は、生徒に正規の教室の場でしばしば教えられる。生徒はまた、本、録音、及びソフトウェア・パッケージのような学習材料を用いて独学で語学を学ぶ場合もある。これらの方法は、生徒に新しい言語で食事を注文すること又は方向を尋ねることのような簡単なコミュニケーション課題に対処する用意をさせる場合があるが、それらは決して生徒に新しい言語での会話に参加する及びこれを理解するための適切な用意をさせるものではない場合がある。
【0003】
生徒は、第2言語又は外国語を流暢に読み書きすることをしばしば学ぶが、その言語で効果的に会話することはできない。生徒は、話された第2言語又は外国語をしばしば理解することができるが、まだこれを正確に話すことはできない。これには多くの理由がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
伝統的な教室での学習は、母国語のスキルをもつ対応可能な教師の不足によって妨げられる場合がある。教室の場は、特に、或る生徒達は他の生徒たちよりも彼らの勉強がより進んでいる場合があるので、生徒に適切な言語の練習を提供しない場合がある。加えて、多くの生徒は、人前で新しい言語を話すことを練習するのに十分な自信がなく、教室の場でそうするのを恥ずかしがる。したがって、生徒は、新しい言語で楽に会話するのに必要な適正な発音及び聴解力を習得するのに失敗する場合がある。同様に、独学の生徒は、新しい言語を楽に用いるようになるのに彼らの語学力に対する十分なフィードバックを受け取っていない場合があり、彼らは新しい言語で他者と自信を持って会話するようになるのに必要な訓練が不足している場合がある。
【0005】
語学講座は、語彙、会話トピック、及び練習の繰り返しが通例は限られており、生徒は、彼らにとって関心のある特定の対象分野での教育を受けることができない場合がある。加えて、外国語の生徒は、彼らのスキルが使わないとすぐに衰えることを経験する場合がある。彼らの以前に学んだスキルを磨き上げ且つ維持するには、正規の再教育講座又はネイティブ・スピーカと会話するために外国への旅行が必要な場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、語学の生徒に、選択された言語のネイティブ・スピーカである講師との、選択された言語での多様なトピック又はスクリプトなしの会話の会話型教育及び訓練を提供する、オンデマンドの、リアルタイムの、自動化されたシステムに対する必要性が存在する。こうしたシステムは、すべての参加者の相互の便宜のために、時間、場所、及び予算の最大限の融通性を提供するであろう。したがって、本開示によれば、生徒を遠隔に位置する講師と接続し、且つ生徒にとって関心ある多様なトピックのうちのいずれかで外国語会話を教育し及び練習するための機構を提供する、自動化されたシステムが提供される。開示された実施形態では、システムは、生徒が特定の言語及びトピックでの練習会話スクリプトと、選択された言語のネイティブ・スピーカであり且つ選択されたトピックにおいて知識のある又は少なくとも精通している講師を選択することを可能にする。システムは、次いで、生徒と講師とを接続し、選択された会話のリアルタイムの練習を制御する。
【0007】
生徒はサービスの買い手であり、講師はサービスの売り手である。サービスの価格は、買い手(生徒)と売り手(講師)との間の交渉を通じた市場によって決定される。価格はまた、オークションによって又は自動化されたシステムの所有者によって設定されることがある。特定の言語において流暢なあらゆるネイティブ・スピーカが、如何なる特別なスキル又は訓練の必要もなしに講師又は売り手となることができる。システムは、任意の訓練されていないネイティブ・スピーカが熟練講師として従事することを可能にする。システムは、訓練セッションの全体を制御し、且つ買い手(生徒)と売り手(講師)が効果的に通信するための会話型スクリプトを提供する。生徒と講師はまた、他の生徒及び講師に対して開かれているソーシャルネットワークに参加する。買い手(生徒)及び売り手(講師)の講評及びランキングは、ソーシャルネットワーキング・アプリケーションのコンポーネントであり、妥当なサービス価格を判定する一助となる公開市場を生み出し、選択された講師の能力レベルを知る際の信頼を生徒に提供する。
【0008】
1つの態様では、本開示の例示的な実施形態に係る語学訓練のための方法は、(a)会話データベースから選択された言語での選択された会話スクリプトの第1のユーザ(買い手又は生徒)による選択を受信すること、(b)第1のユーザの、第2のユーザ(売り手又は講師)の選択を受信すること、(c)第1のユーザと第2のユーザとの間の訓練セッションの条件に対する合意を確立し、選択された会話スクリプトを確認し、合意した価格での買い手アカウントへの請求を承認すること、(d)第1のユーザと第2のユーザとの間の音声通信を確立すること、(e)選択された会話スクリプト及び対話型訓練セッションの教育及び手順を第1及び第2のユーザに供給すること、(f)選択された言語での選択された会話スクリプトを用いて第1のユーザと第2のユーザとの間の訓練セッションを行うことによって大まかに特徴付けられてもよい。方法はまた、第1のユーザに対する第1のアカウント及び第2のユーザに対する第2のアカウントを確立する予備ステップと、訓練セッションが完了したときに第1及び第2のアカウントを更新するさらなるステップとを含んでもよい。
【0009】
別の態様では、本開示の例示的な実施形態に係る語学訓練システムは、会話スクリプト・データベース及びリアルタイム講師データベースを収容する記憶装置と、第1のユーザ(例えば生徒)によって用いられるように構成された第1のインターネットで可能にされるクライアント・システムであり、会話スクリプト・データベース及び講師データベースにアクセスするためにコンピュータ・システムに第1のインターフェースを提供する第1のクライアント・システムと、第2のユーザ(例えば講師)によって用いられる第2のインターネットで可能にされるクライアント・システムであり、会話スクリプト・データベース及び講師データベースにアクセスするためにコンピュータ・システムに第2のインターフェースを提供する第2のクライアント・システムと、会話スクリプト・データベースから選択された会話スクリプトを用いて第1のユーザと第2のユーザとの間の音声通信を確立するように構成されたリアルタイム通信システムとを含むコンピュータ・システム(例えばサーバ)によって大まかに特徴付けられてもよい。特定の実施形態では、システムは、アカウント管理/支払い機能及び/又はソーシャルネットワーキング/格付け機能を提供するようにプログラムされてもよいプロセッサを含む。
【0010】
別の態様では、本開示の例示的な実施形態に係る語学訓練のための方法は、生徒に関連付けられた第1のクライアント・システムから会話の選択を受信するステップと、選択された会話に基づいて対応可能な講師を第1のクライアント・システムに提示するステップと、第1のクライアント・システムから対応可能な講師のうちの講師の選択を受信するステップと、第1のクライアント・システムと選択された講師に関連付けられた第2のクライアント・システムとの間のリアルタイム通信を確立するステップと、選択された会話に関するスクリプトを第1のクライアント・システム及び第2のクライアント・システムに供給するステップによって大まかに特徴付けられてもよい。
【0011】
別の態様では、本開示の例示的な実施形態に係るコンピュータ可読媒体は、生徒に関連付けられた第1のクライアント・システムから会話の選択を受信する命令と、選択された会話に基づいて対応可能な講師を第1のクライアント・システムに提示する命令と、第1のクライアント・システムから対応可能な講師のうちの講師の選択を受信する命令と、第1のクライアント・システムと選択された講師に関連付けられた第2のクライアント・システムとの間のリアルタイム通信を確立することを指示する命令と、選択された会話に関するスクリプトを第1のクライアント・システム及び第2のクライアント・システムに供給する命令とを含むプログラム命令を収容するものとして大まかに特徴付けられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本開示の態様に係る語学訓練システムの例示的な実施形態のブロック図である。
【図2】図1の語学訓練システムに用いられるコンピュータ・システムのより詳細な図を示し、且つ語学訓練システムのユーザ間の通信リンクを示すブロック図である。
【図3】本開示の態様に係る語学訓練のための方法の例示的な実施形態のフローチャートである。
【図4】本開示の態様に係る語学訓練のための方法の例示的な実施形態の別のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1及び図2は、本開示の態様に係る語学訓練システムの例示的な実施形態を例証する。例証された実施形態では、語学訓練システムは、3つのサブシステム、すなわち、コンピュータ・システム100(有利にはサーバ)、第1のユーザ又は生徒に関連付けられた第1の又は生徒クライアント・システム110、及び第2のユーザ又は講師に関連付けられた第2の又は講師クライアント・システム120を含む。コンピュータ・システム100は、一般に、語学訓練システムのプロバイダによって制御される。図1では単一の講師クライアント・システムと単一の生徒クライアント・システムが例証されるが、実施形態は、通例、多数のそれぞれを含み、同時のユーザ数に対する制限はほとんどない。
【0014】
例証されるように、コンピュータ・システム100は、典型的に、プロセッサ102、記憶装置又はサブシステム104、メモリデバイス又はサブシステム106、及び通信インターフェース108を含んでもよい。コンピュータ・システム100のデバイスとサブシステムはバス109によって接続される。バス109は、ブリッジによって接続される複数のバスを含んでもよい。幾つかの実施形態では、プロセッサ102は、複数のプロセッサ、複数のコア、マルチスレッドのプロセッサ、又はこれらの組合せを含んでもよい。記憶装置104は、磁気ディスク及び光ディスク並びにテープ、集積回路などを含んでもよく、任意の手段によってデータを保持するために動作可能である。一実施形態では、記憶装置104は、オペレーティングシステムプログラム・ファイル、アプリケーションプログラム・ファイル、及び他のファイルを格納する。プロセッサ102は、メモリデバイス106(例えば、ランダムアクセスメモリ)の外でプログラム可能命令を実行する。例えば、プロセッサ101は、アプリケーションプログラムを適正に実行してもよいように、アプリケーションプログラムのコンピュータで実行可能なプロセス・ステップを実行してもよい。記憶装置104から格納されたコンピュータで実行可能なプロセス・ステップを実行するときに、プロセッサ101は、メモリデバイス106の外でプロセス・ステップを格納し及び実行してもよい。通信インターフェース108は、コンピュータ・システム100と他のシステムとの間の通信のための経路を提供する。通信インターフェース108は、例えば、イーサネット(登録商標)、標準又は専用の高速バス、若しくは電話会社インターフェースを含んでもよく、且つデータ及び音声信号を送受信してもよい。幾つかの実施形態では、通信インターフェース108は、コンピュータ・システム100の外部にあってもよい。
【0015】
生徒クライアント・システム110は、典型的に、少なくとも1つのプロセッサ112、記憶装置又はサブシステム114、メモリデバイス又はサブシステム116(記憶装置又はサブシステム114と随意的に組み合わされてもよい)、通信インターフェース118、及びユーザ・インターフェース119を有してもよい。通信インターフェース118は、一般にインターネット接続を提供する。ユーザ・インターフェース119は、第1のユーザ又は生徒に情報を提供し且つ第1のユーザ又は生徒から入力を受信する。生徒クライアント・システム110は、幾つかの実施形態では、移動電話デバイスであってもよく、且つユーザ・インターフェース119のディスプレイ、タッチスクリーン、スピーカ、マイクロフォン、及びキーボードを含む。第1のユーザ又は生徒は、ウェブブラウザ若しくは別のグラフィカル又は音声ユーザ・インターフェースを用いて生徒クライアント・システム110と対話してもよい。同様に、講師クライアント・システム120は、典型的に、少なくとも1つのプロセッサ122、記憶装置又はサブシステム124、メモリデバイス又はサブシステム126(記憶装置又はサブシステム124と随意的に組み合わされてもよい)、通信インターフェース128、及びユーザ・インターフェース129を有してもよい。
【0016】
図2に示すように、コンピュータ・システム100は、一実施形態では、インターネットで可能にされるネットワーク化されたコンピュータ・サーバであり、データ及びソフトウェア・モジュールを含む。モジュールは、典型的に、コンピュータ・システム100の記憶装置104に格納される。リアルタイム通信モジュール130は、講師と生徒との間のリアルタイム通信を管理するように構成される。リアルタイム通信モジュール130は、音声及びデータ通信を提供する。幾つかの実施形態では、リアルタイム通信モジュール130は、ビデオ通信、例えば、テレビ会議を提供する。音声通信は、例えば、コンピュータ・システム100の通信インターフェース108を使用するナレータの声のインターネット・コールによるものであってもよい。リアルタイム通信モジュール130はまた、例えば、配線接続及び無線接続を含む公衆交換電話網を用いてコールを開始することによって、コンピュータ・システム100の外部のサービスを使用して音声通信を制御してもよい。リアルタイム通信モジュール130はまた、生徒と講師に通信スクリプトを流してもよい。
【0017】
会話スクリプト・データベース132はまた、コンピュータ・システム100の中に含まれ、且つ会話スクリプトを格納する。会話スクリプト・データベース132は、例えば、会話スクリプトを追加する及び修正するために更新されてもよい。会話スクリプトは、言語及びトピックによって格納され及び参照される。例えば、食べ物、自動車、科学、文芸、音楽、歴史、趣味などのトピックに関係する複数の言語での会話スクリプトが存在していてもよく、これらのトピックは、検索のために目録又は索引が付けられる。会話スクリプトは、加えて、生徒の適切な上達レベルを示す初級、中級、及び上級のような語学上達レベルによってランク付けされてもよい。会話スクリプト・データベース132の中の各会話スクリプトは、講師と生徒との双方に対する通信スクリプトを含む。詳細なスクリプトを提供されると、ネイティブ・スピーカは、彼らの母国語での会話のための講師を務めてもよい。会話スクリプト・データベース132は、付加的な教材、例えば、会話スクリプトと関連付けられた翻訳、辞書、発音ガイド、又は語彙リストを含んでもよい。
【0018】
講師データベース134はまた、コンピュータ・システム100の中に含まれ、且つ講師に関する情報を含む。講師情報は、対応可能な講師の表示を含む。対応可能な講師は、語学訓練システムのサービスを提供することに合意し、且つ現在オンラインであり(又はすぐに対応可能であり)、且つ生徒との訓練セッションに入る準備ができている人である。講師データベース134は、講師と、彼らのそれぞれの母国語の識別を含む。幾つかの実施形態では、講師情報は、講師の講評及びランキングを含む。講師の対応状況は、例えば、講師が現在オンラインである、オフラインである、生徒と関わっている、若しくは彼又は彼女のサービスを売るために対応可能であることを示すためにリアルタイムで更新される。
【0019】
ソーシャルネットワーキング/格付けモジュール136はまた、コンピュータ・システム100の中に含まれ、且つ生徒及び講師に他の生徒及び講師の講評及びランクを提供する。ソーシャルネットワーキング/格付けモジュール136はまた、売り手(講師)と買い手(生徒)が合意するのに妥当な価格を判定する一助とするために用いられてもよい機構を提供する。加えて、ソーシャルネットワーキング/格付けモジュール136は、例えば、講評の数に基づいて講師の能力レベルを信用するための信頼を生徒に提供してもよい。ソーシャルネットワーキング/格付けモジュール136はまた、典型的なソーシャルネットワーキングのアクティビティに参加するために、生徒及び講師のための及び潜在的な生徒及び潜在的な講師のための会議室を提供する。ソーシャルネットワーキング/格付けモジュール136は、適切なデータを読み出す及び書き込むことによって講師データベース134を使用してもよい。
【0020】
アカウント管理及び支払いモジュール138はまた、コンピュータ・システム100の中に含まれ、買い手(生徒)と売り手(講師)との双方に対する包括的なアカウント管理を提供する。上述のソーシャルネットワーキング/格付けモジュール136と併せて、アカウント管理及び支払いモジュール138は、随意的に、語学訓練サービスの売買のための妥当な価格を判定するために買い手及び売り手によって採用される場合がある「オークション」モード又は他の任意の適切な様相で動作してもよい。アカウント管理及び支払いモジュール138はまた、買い手及び売り手に対するアカウントを設定し、且つこれらのサービスの売買のために資金を交換するのに用いられてもよい。
【0021】
図2に示すように、生徒又は買い手140は、第1の通信デバイス142によってコンピュータ・システム100上の語学訓練システムにアクセスしてもよく、一方、講師又は売り手150は、第2の通信デバイス152によってコンピュータ・システム100上の語学訓練システムにアクセスしてもよい。第1の通信デバイス142及び第2の通信デバイス152は、幾つかの実施形態では、生徒クライアント・システム110及び講師クライアント・システム120であってもよい。第1の通信デバイス142及び第2の通信デバイス152はまた、普通の電話機であってもよく、例えば、グラフィカル・ユーザ・インターフェースではなく音声プロンプト及びプッシュホン式応答を用いてもよい。第1の通信デバイス142及び第2の通信デバイス152は、インターネット接続のようなデータ通信又は電話接続のような音声通信を使用してもよい。
【0022】
典型的に、生徒140は、生徒が精通することを望む言語での生徒140にとって関心あるトピックを見つける及び選択するために、会話スクリプト・データベース132にアクセスする。生徒140は、次いで、講師データベース134にアクセスして、選択された言語での選択された会話スクリプトを用いて教育を提供するために対応可能な講師を見つける及び選択する。生徒140は、講師を選択する際に価格情報を使用してもよい。加えて、生徒140は、例えば、講師との以前の生徒の経験のフィードバックに基づいて講師を選択する助けとするために、ソーシャルネットワーキング/格付けモジュール136を用いてもよい。生徒140が会話スクリプトと講師を選択した後で、コンピュータ・システム100のリアルタイム通信モジュール130は、生徒140と選択された講師150との間の音声通信を確立する。幾つかの実施形態では、アカウント管理及び支払いモジュール138は、生徒140と講師150との間の音声通信が確立される前に、訓練セッションの条件についての生徒140と講師150との間の合意を完成させてもよい。他の実施形態では、生徒140と講師150は、音声通信を用いて訓練セッションの条件に合意してもよい。生徒140と講師150との間の合意に至らなかった場合、語学訓練システムは、生徒140が選択された講師とのアクションを終えることを可能にする。生徒140は、次いで、対応可能な講師のリストから第2の講師を選択し、第2の講師と上記のように進めてもよい。通信が確立され、生徒140と講師150によって訓練セッションが合意されると、彼らは音声的に(及び随意的に、ビデオ接続が利用可能であり且つ選択される場合には視覚的に)接続される。語学訓練システムは、会話スクリプト・データベース132から選択された会話スクリプトをリアルタイムで供給するであろう。付加的な教材もまた供給されてもよい。
【0023】
典型的に、講師150は、講師のアカウントにアクセスし、これが次に講師データベース134にアクセスして、彼又は彼女の対応状況についての情報を提供する。加えて、講師150は、語学力のフィードバックを受信する及び提供するために、ソーシャルネットワーキング/格付けモジュール136にアクセスしてもよい。ソーシャルネットワーキング/格付けモジュール136は、生徒140と講師150に異なるビューを提供してもよい。代替的に、例えば、アカウント管理及び支払いモジュール138を通じて互いに接続される別個の生徒及び講師ネットワーキング/格付けモジュールが存在してもよい。
【0024】
図1及び図2のブロック図は単なる例示であって、任意の具体的な実施形態は、幾つかの特徴を省略し、他の特徴を追加し、又は特徴を異なるように手配してもよい。例えば、実施形態は、コンピュータ・システム100の外部のリアルタイム通信モジュール130を提供してもよい。
【0025】
図3は、本開示の態様に係る会話型の語学訓練のための方法又はプロセスの例示的な実施形態のフローチャートである。プロセスは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組合せによって行われてもよい。プロセスは、図1及び図2の語学訓練システムによって行われてもよい。加えて、プロセスを行うための命令は、コンピュータ可読媒体上に格納されてもよい。プロセスは、遠く離れている講師と遠く離れている生徒を接続し、且つ語学学習の実施のための会話を提供するために、オンデマンドの仲介体として作用する。
【0026】
プロセスはステップ201で始まり、この場合、生徒は、会話スクリプト・データベース、例えば、図1及び図2の語学訓練システムの会話スクリプト・データベース132から会話スクリプトを選択する。システムにアクセスする前の予備ステップとして、生徒は、例えば、生徒/買い手がコンピュータ・システムに彼らが練習することを望む言語、連絡先情報、好み、及び支払い方法のような生徒情報を供給する、生徒又は買い手アカウントを確立することによってシステムを用いるために入会し又は登録してもよい。アクセスされたときに、プロセスは、生徒から選択された会話の表示を受信し、対応可能であり且つ選択された会話スクリプトを用いて生徒に教育することができる講師データベースからの講師のリストを生徒に提示する。対応可能な講師は、例えば、講師/売り手が彼らの母国語、連絡先情報、好み、及び支払いの受取り方法のような講師情報を供給する、講師又は売り手アカウントを確立することによってシステムを介してサービスを売るために予備ステップで以前に入会した又は登録した人である。プロセスは、図2に示された講師データベース134のようなデータベースを用いて、選択された会話で生徒に教育することができる講師の対応状況を判定してもよい。
【0027】
ステップ203で、プロセスは、選択された講師を雇うという生徒の申し込みを受信し、この申し込みを選択された講師に伝える。申し込みは、用いられることになる会話スクリプト、訓練セッションの長さ(期間)、訓練セッションの分(又は他の時間)単位の価格、及び支払い方法のような条件を含む。ステップ205で、プロセスは、生徒と選択された講師が条件に合意するかを試す。条件が合意された場合、プロセスはステップ211に続き、合意されない場合には、プロセスはステップ203に戻り、生徒は新しい申し込みを行ってもよい。
【0028】
ステップ211で、プロセスは、例えば、図2のリアルタイム通信モジュール130を用いて生徒と講師とを接続する。生徒と講師との間の接続はまた、選択された会話スクリプトを各関係者に供給してもよい。ステップ213で、生徒は、選択された会話スクリプトを用いて講師と会話を練習する。ステップ215で、プロセスは、会話の練習が終了したかを確認する。終了した場合、プロセスはステップ217に続き、トランザクションを完了し、生徒及び講師のアカウントを更新する。終了していない場合には、プロセスはステップ213に戻る。会話の練習は、例えば、ステップ205で合意された時間制限の期限切れに基づいて終了してもよい。代替的に、練習は、例えば、生徒と講師が練習セッションの延長に合意した時に、続けてもよい。
【0029】
プロセスは、したがって、生徒が選択された言語での多様な主題の会話を一度に及び生徒の選んだ場所で練習することを可能にする。同様に、プロセスは、講師が訓練を一度に及び講師の選んだ場所で提供することを可能にする。練習は、ネイティブ・スピーカである講師と行われ、生徒又は講師が直接会うために移動する必要性は存在しない。そのうえ、生徒又は講師のいずれかの側での従来のスケジューリング又は特化された機器のいずれの必要性も存在しない。
【0030】
図4は、本開示の態様に係る語学訓練のためのプロセスのフローチャートである。プロセスは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組合せによって行われてもよい。例えば、プロセスは、図1及び図2のコンピュータ・システム100に格納され且つこれによって実行されるプログラム命令によって行われてもよい。プログラム命令は、例えば、コンパクト・ディスク(CD)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、読出し専用メモリ(ROM)、フロッピー(登録商標)・ディスク、ハード・ディスク、又はフラッシュ・ドライブのような一時的でないコンピュータ可読媒体上に格納されてもよい。プロセスは、遠く離れている講師と遠く離れている生徒を接続し、語学学習の実施のために会話を提供する。
【0031】
ステップ451で、プロセスは、生徒から会話スクリプトの選択を受信する。生徒は、選択を供給し、他の方法では生徒クライアント・システムによってプロセスと対話してもよい。プロセスは、生徒に生徒がそこから選択するための会話スクリプト・データベースを供給してもよい。プロセスは、生徒に会話スクリプト・データベースの一部、例えば、特定の言語、特定のトピック、及び特定の語学上達レベルの会話を収容するデータベースの一部を提示してもよい。
【0032】
ステップ453で、プロセスは、選択された会話スクリプトに関する対応可能な講師のリストを生徒に提示する。プロセスは、選択された会話スクリプトの言語でネイティブのように流暢であり且つ生徒に教育するために現在対応可能な講師を選択することによって、講師データベースから対応可能な講師のリストを選択してもよい。
【0033】
ステップ455で、プロセスは、生徒から講師の選択を受信する。幾つかの実施形態では、講師の組は、後続するプロセス・ステップで選択される講師のうちの特定の1人と共に選択されてもよい。
【0034】
ステップ461で、プロセス(produce)は、生徒と選択された講師が訓練セッションの条件に合意するかどうかを判定する。訓練セッションに関する条件は、例えば、選択された講師に関連付けられた予め定められた授業料を用いて、デフォルトによって合意されてもよい。プロセスはまた、選択された講師の組の中の講師間の逆オークションを行ってもよい。他の場合には、プロセスは、生徒と選択された講師との間の直接交渉を提供してもよい。プロセスが条件が合意されたことを判定した場合、プロセスはステップ471に続き、合意されない場合には、プロセスはステップ451、453、又は455のうちの1つに戻る。どのステップにプロセスが戻るかは、決まっていてもよく、又は生徒の好み若しくは生徒から受信した選択に基づいて判定される。
【0035】
ステップ471で、プロセスは、生徒と講師との間のリアルタイム通信を確立する。リアルタイム通信は音声通信を含む。プロセスによってビデオ通信が確立されてもよい。講師は、講師クライアント・システムによってプロセス及び生徒と対話してもよい。プロセスは、例えば、インターネット接続、若しくは固定電話接続又は移動電話接続を用いて通信を確立してもよい。幾つかの実施形態では、プロセスは、生徒と講師が訓練セッションに関する条件に合意したかどうかを判定する前に、生徒と講師との間のリアルタイム通信を確立する。したがって、リアルタイム通信は、訓練セッションに関する条件を確立するのに用いられてもよい。
【0036】
ステップ473で、プロセスは、生徒と講師に選択された会話スクリプトを供給する。スクリプトは、彼らが訓練セッションを通して進行する際に生徒と講師がスクロールするテキスト情報として供給されてもよい。プロセスはまた、訓練セッションに、例えば、カラオケ機と類似の様態で同時にスクリプトを供給してもよい。プロセスは、訓練セッションを増強するために、付加的なテキスト情報、グラフィカル情報、又は音声情報を供給してもよい。
【0037】
ステップ481で、プロセスは訓練セッションを終了する。プロセスは、例えば、ステップ473で供給された会話スクリプトの終わり、時間制限の期限切れにプロセスが到達すること、若しくは生徒又は講師による打ち切りの表明に基づいて訓練セッションを終了してもよい。プロセスは、ステップ471で確立されたリアルタイム通信を終了する。プロセスは、一般に、訓練セッションの完了を反映するために生徒及び講師のアカウントを更新する。プロセスはまた、生徒及び講師にソーシャルネットワーキング/格付けシステムを用いるように促してもよい。その後、プロセスが終了する。
【0038】
本発明は、具体的な実施形態を参照しながら説明されているが、これらの実施形態は単なる例示であって、限定するものではない。本発明の多くの他の用途及び実施形態が本開示及び特許請求の範囲の請求項に照らして明らかとなるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
講師から生徒に対してオンデマンド語学訓練を提供するための方法であって、
(a)(i)複数の会話スクリプトを収容する会話スクリプト・データベース及び(ii)複数の講師に関する情報を収容する講師データベースが格納される記憶装置を含むコンピュータ・システムを提供すること、
(b)前記生徒と前記コンピュータ・システムとの間の通信を提供し、これにより前記生徒が前記会話スクリプト・データベースから会話スクリプト及び前記講師データベースから講師を選択すること、
(c)前記生徒と選択された前記講師が語学訓練セッションの条件の交渉に参加することを可能にするために前記生徒と選択された前記講師との間の通信を確立すること、
(d)前記交渉の結果、前記生徒と選択された前記講師との間で合意に至った場合に、前記語学訓練セッションの前記条件に従って選択された前記会話スクリプトを用いて前記生徒と前記講師との間の会話を許可するために前記生徒と選択された前記講師との間の音声通信を確立すること、
(e)前記交渉の結果、前記生徒と前記講師との間で合意に至らなかった場合に、前記生徒が前記講師データベースから別の講師を選択することを許可するためにステップ(b)に戻ること、
を含む方法。
【請求項2】
前記生徒と前記コンピュータ・システムとの間の通信を提供する前記ステップが、
(b)(1)前記生徒による選択された会話スクリプトの前記選択に応答して、選択された前記会話スクリプトを用いて前記生徒と会話するために対応可能な講師のリストを前記生徒に提供すること、
(b)(2)前記リストから選択された講師を前記生徒から受信すること、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記講師データベースをリアルタイムで更新するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記語学訓練セッションの前記条件が価格及び期間を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
講師から生徒に対してリアルタイム語学訓練を提供するためのシステムであって、
(i)複数の会話スクリプトを収容する会話スクリプト・データベース及び(ii)複数の講師に関する情報を収容する講師データベースが格納された記憶装置を含む、コンピュータ・システムと、
生徒によって用いられるように構成された第1のインターネットで可能にされるクライアントであり、前記会話スクリプト・データベース及び前記講師データベースにアクセスするために前記コンピュータ・システムに第1のインターフェースを提供する、第1のクライアントと、
講師によって用いられる第2のインターネットで可能にされるクライアントであり、前記会話スクリプト・データベース及び前記講師データベースにアクセスするために前記コンピュータ・システムに第2のインターフェースを提供する、第2のクライアントと、
選択された言語を練習するために前記会話スクリプト・データベースから選択された会話スクリプトを用いて前記生徒と前記講師との間の音声通信を確立するように構成されたリアルタイム通信システムと、
を備えるシステム。
【請求項6】
前記コンピュータ・システムが、アカウント管理/支払い機能を提供するようにプログラムされたプロセッサを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記コンピュータ・システムが、ソーシャルネットワーキング/格付け機能を提供するようにプログラムされたプロセッサを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
語学訓練のための方法であって、
生徒に関連付けられた第1のクライアント・システムから会話の選択を受信するステップと、
選択された前記会話に基づいて対応可能な講師を前記第1のクライアント・システムに提示するステップと、
前記第1のクライアント・システムから対応可能な講師のうちの講師の選択を受信するステップと、
前記第1のクライアント・システムと選択された前記講師に関連付けられた第2のクライアント・システムとの間のリアルタイム通信を確立するステップと、
選択された前記会話に関するスクリプトを前記第1のクライアント・システム及び前記第2のクライアント・システムに供給するステップと、
の機械で実行されるステップを含む、方法。
【請求項9】
前記生徒と選択された前記講師が訓練セッションの条件に合意したかどうかを判定することをさらに含み、前記スクリプトの供給が、前記生徒と選択された前記講師が条件に合意したかどうかを判定した後で行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
会話を含む会話データベースの少なくとも一部を前記第1のクライアント・システムに提示することをさらに含み、前記会話の選択が前記会話データベースの中の前記会話のうちの1つである、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記会話データベースが複数の言語及び複数のトピックでの会話を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
対応可能な講師を前記第1のクライアント・システムに提示することが、講師情報を含む講師データベースから選択された講師を提示する、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のクライアント・システム及び前記第2のクライアント・システムが遠隔に位置する、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
第2の生徒に関連付けられた第3のクライアント・システムから第2の会話の選択を受信すること、
前記選択された第2の会話に基づいて対応可能な講師を前記第3のクライアント・システムに提示すること、
前記第3のクライアント・システムから前記対応可能な講師のうちの第2の講師の選択を受信すること、
前記第3のクライアント・システムと前記第2の講師に関連付けられた第4のクライアント・システムとの間のリアルタイム通信を確立すること、
選択された前記会話に関するスクリプトを前記第3のクライアント・システム及び前記第4のクライアント・システムに供給すること、
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のクライアント・システムと第2のクライアント・システムとの間のリアルタイム通信と、前記第3のクライアント・システムと第4のクライアント・システムとの間のリアルタイム通信が同時に起こる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
プログラム命令を収容する一時的でないコンピュータ可読媒体であって、前記プログラム命令が、
生徒に関連付けられた第1のクライアント・システムから会話の選択を受信する命令と、
選択された前記会話に基づいて対応可能な講師を前記第1のクライアント・システムに提示する命令と、
前記第1のクライアント・システムから対応可能な前記講師のうちの講師の選択を受信する命令と、
前記第1のクライアント・システムと選択された前記講師に関連付けられた第2のクライアント・システムとの間のリアルタイム通信を確立することを指示する命令と、
選択された前記会話に関するスクリプトを前記第1のクライアント・システム及び前記第2のクライアント・システムに供給する命令と、
を含む、一時的でないコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記プログラム命令が、前記生徒と選択された前記講師が訓練セッションの条件に合意したかどうかを判定する命令をさらに含み、前記選択された会話に関するスクリプトを前記第1のクライアント・システム及び前記第2のクライアント・システムに供給する前記命令が、前記生徒と選択された前記講師が条件に合意したことを判定した後で行われる、請求項16に記載の一時的でないコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記プログラム命令が、会話を含む会話データベースの少なくとも一部を前記第1のクライアント・システムに提示する命令をさらに含み、前記会話の選択が前記会話データベースの中の前記会話のうちの1つである、請求項16に記載の一時的でないコンピュータ可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−513856(P2013−513856A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543097(P2012−543097)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【国際出願番号】PCT/US2010/051431
【国際公開番号】WO2011/075201
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(512149927)トーク222 エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】