説明

読取デバイス及び画像読取装置

【課題】発光回路部品が帯電により誤動作等をすることを抑制することが可能な技術を開示する。
【解決手段】読取デバイス24は、ケース30内において所定方向に沿って一列状に配列され、有効画素列39C、及び、ダミー画素列39Rを含むフォトセンサ35と、を備え、一方の内壁面40Rには、ケースを開口部30A側から見て、LEDチップ32を隠し、且つ、先端がダミー画素列と重なっている右載置部分41Rが一体的に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される発明は、画像形成装置に備えられた読取デバイスの帯電対策のための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、開口部を有するホルダと、当該開口部を塞ぐ透明部材と、ホルダ内に収容された照明光源及びイメージセンサとを有する読取デバイスを備える画像読取装置がある(特許文献1参照)。この読取デバイスは、照明光源からの光を、透明部材を介して原稿の読取面に照射し、読取面からの反射光を、透明部材を介してイメージセンサで受光する。ここで、例えば、原稿の帯電や、読取デバイス近傍に触れた身体の帯電などにより、開口部と透明部材との境界部分を介して静電気が放電し、照明光源等が誤動作したり損傷したりするおそれがある。そこで、上記画像読取装置では、開口部周縁部に導電性部材が設けられ、当該導電性部材が接地された構成を採用することにより、読取デバイスへの静電気の放電防止を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−287028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、画像読取装置の小型化に伴い、読取デバイスも小型化の傾向にある。その結果、導電性部材を接地するための構成を配置するスペースを十分に確保できないことがある。また、読取デバイスの小型化により、照明光源等の発光素子が実装された発光回路部品が、開口部と透明部材との境界部分の近傍に配置されることがあり、特に、その発光回路部品への静電気の放電による誤動作等をする可能性が高くなっている。
【0005】
本明細書では、発光回路部品への静電気の放電による発光回路部品の誤動作等をすることを抑制することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される読取デバイスは、原稿の画像を読み取る読取デバイスであって、開口部、及び、当該開口部に沿った所定方向において対向する一対の内壁面を有する絶縁性のケースと、前記開口部を塞ぐ透明部材と、前記一対の内壁面のうち一方の内壁面側に配置され、発光素子を含む発光回路部品と、前記発光素子から出射された光を前記透明部材に導いて前記原稿に照射させる導光部材と、前記ケース内において前記所定方向に沿って一列状に配列され、前記原稿で反射し前記透過部材を透過した光を受光する複数の受光素子を有し、前記複数の受光素子は、画像読み取りに有効な受光素子群からなる有効画素列、及び、前記有効画素列と前記一方の内壁面との間に配置され画像読み取りに無効な受光素子群からなるダミー画素列を含む受光センサと、を備え、前記一方の内壁面には、前記ケースを前記開口部側から見て、前記発光回路部品を隠し、且つ、先端が前記ダミー画素列と重なっているヒサシ部が一体的に形成されている。
【0007】
上記読取デバイスでは、前記ヒサシ部は、前記透明部材の側縁部分が載置される載置部である。
【0008】
上記読取デバイスでは、前記透明部材と前記受光センサとの間に配置され、前記透明部材を透過した光を、前記有効画素列の各受光素子に集光させる集光レンズを備え、前記ヒサシ部の先端は、前記透明部材から前記集光レンズにより前記有効画素列に受光される有効光の経路と、前記有効画素列に受光されない無効光の経路との境界に位置していてもよい。
【0009】
上記読取デバイスでは、前記所定方向において、前記開口部と前記透明部材との境界部分は、前記一方の内壁面よりも、前記ケースの外壁面側に位置していてもよい。
【0010】
上記読取デバイスでは、前記一対の内壁面のうち他方の内壁面には、前記所定方向において、前記ヒサシ部としての第1ヒサシ部と対向する第2ヒサシ部が一体的に形成され、前記透明部材は、前記所定方向における両側縁部が前記第1ヒサシ部と前記第2ヒサシ部とに載置されていてもよい。
【0011】
上記読取デバイスでは、前記透明部材と前記受光センサとの間に配置され、前記透明部材を透過した光を、前記有効画素列の各受光素子に集光させる集光レンズを備え、前記複数の受光素子は、前記有効画素列と前記他方の内壁面との間に配置さえるダミー画素列を含み、前記第2ヒサシ部の先端は、前記透明部材から前記集光レンズにより前記有効画素列に受光される有効光の経路と、前記有効画素列に受光されない無効光の経路との境界に位置していてもよい。
【0012】
画像読取装置は、上記読取デバイスのいずれかと、前記読取デバイスに原稿の画像を読み取らせる読取動作を実行させる読取制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ケースの一方の内壁面には、当該ケースを開口部側から見て、発光回路部品を隠し、且つ、先端がダミー画素列と重なっているヒサシ部が一体的に形成されている。これにより、上記ヒサシ部を備えない従来の構成に比べて、ヒサシ部の分だけ、開口部と透明部材との境目部分からケースの内周面に沿って発光回路部品近傍に至るまでの沿面距離が長くなるため、発光回路部品が帯電により誤動作等をすることを抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態1に係る画像読取装置の概略的な内部構成図
【図2】読取デバイスを前方から見た部分的断面図
【図3】ケースの内部構成を示す概略図
【図4】読取デバイスを右側から見た部分的断面図
【図5】右内壁面側を拡大した部分的断面図
【図6】実施形態2の読取デバイスを前方から見た部分的断面図
【図7】実施形態3の読取デバイスを前方から見た部分的断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態1>
実施形態1の画像読取装置1について図1〜図5を参照しつつ説明する。以下の説明では、各図の符号Xが付された方向が画像読取装置1の前方向であり、符号Yが付された方向が右方向であり、符号Zが付された方向が上方向であるものとする。なお、左右方向は、後述する読取デバイス24の主走査方向であり、所定方向の一例である。
【0016】
1.画像読取装置の機械的構成
図1に示すように、画像読取装置1は、原稿トレイ2と、本体部3と、排出トレイ4と、読取制御部5を含む。この画像読取装置1は、読取制御部5の制御により、原稿トレイ2に載置された原稿Mを本体部3内に搬送しつつ、その搬送中の原稿Mの下面の画像を、本体部3内に設けられた読取デバイス24により読み取り、その画像が読み取られた原稿Mを排出トレイ4に排出するシートフィードスキャナである。読取制御部5は、この一連の読取動作を制御するものであり、CPU及びハード回路の少なくとも1つを備える公知の構成を採用することができる。なお、原稿Mは、紙製に限らずプラスチック製などでもよい。
【0017】
原稿トレイ2は、前側が下方に傾斜した状態で、本体部3の後側に設けられており、1または複数枚の原稿Mが載置される。本体部3の内部には、原稿トレイ2の前端から排出トレイ4の後端まで延びる搬送経路22が設けられている。また、この搬送経路22の周辺に、ピックアップローラ20と、分離パッド21と、フィードローラ23と、読取デバイス24と、排出ローラ25とが設けられている。
【0018】
ピックアップローラ20は、原稿トレイ2の前側に配置され、原稿トレイ2に載置された1または複数枚の原稿Mを、摩擦力により、本体部3の内部へと引き込む。分離パッド21は、ピックアップローラ20に対向するように配置され、摩擦力により、複数枚の原稿Mを1枚ずつ分離する。これにより、原稿Mが1枚ずつ本体部3の内部へと搬送される。
【0019】
フィードローラ23は、ピックアップローラ20等よりも搬送経路22の下流側に設けられ、図示しないモータにより駆動され、搬送経路22上に存在する原稿Mを前方へと搬送する。読取デバイス24は、フィードローラ23よりも搬送経路22の下流側に設けられ、そのフィードローラ23による搬送中の原稿Mの画像を読み取る。
【0020】
排出ローラ25は、読取デバイス24よりも搬送経路22の下流側に設けられ、読取デバイス24にて画像読取処理がされた原稿Mを、本体部3の外部に送り出す。排出トレイ4は本体部3の前側に設けられ、その排出トレイ4に、本体部3の外部に送り出された原稿Mが積層される。
【0021】
2.読取デバイスの構成
図2には、読取デバイス24を前方から見た部分的断面図が示されている。図1,2に示すように、読取デバイス24は、左右方向に長い箱状のケース30を備え、このケース30の上面、換言すれば搬送経路22に対向する面には、左右方向に延びた長尺状の開口部30Aが形成されている。ケース30は、樹脂材料で成形されているが、絶縁性材料であれば、例えばプラスチックやガラスなどで成形されたものでもよい。開口部30Aには、左右方向に長い平板状のCIS(Contact Image Sensor)ガラス31が嵌められて封鎖されている。CISガラス31は透明部材の一例である。
【0022】
図3、図4に示すように、ケース30内には、LEDチップ32、導光部材33、集光レンズ系34、及び、フォトセンサ35が収容されている。LEDチップ32は、回路基板36上に、発光素子37(図3参照)、及び、その発光素子37に電流を流して発光させる駆動回路など各種の回路素子が実装された構成になっている。なお、LEDチップ32は、発光素子37が、電線を介して回路基板36に電気的に接続された構成でもよい。LEDチップ37は、ケース30の右内壁面40R近傍において、回路基板36が右内壁面と略平行をなすように配置されている(図2参照)。
【0023】
導光部材33は、左右方向に長い棒状をなし、右端から入射された発光素子37からの光Lを、CISガラス31側に導いて搬送経路22上の原稿Mに照射させる(図4参照)。集光レンズ系34は、公知の集光レンズが複数、左右方向に沿って一列状に配列された構成であり、本実施形態では、集光レンズの一例として、セルフォックレンズ34Aが使用されている。
【0024】
フォトセンサ35は、受光センサの一例であり、回路基板38上に、複数の受光素子が左右方向に沿って一列状に配列された構成を有する。全受光素子のうち、右側部分及び左側部分の受光素子列は、読取デバイス24の画像読み取りに使用されないダミー画素列を構成する。以下、右側のダミー画素列を、右ダミー画素列39Rといい、左側のダミー画素列を、左ダミー画素列39Lということがある。全受光素子のうち、ダミー画素列を除く中央側の受光素子列は、読取デバイス24の画像読み取りに使用される有効画素列39Cを構成する。
【0025】
各受光素子は、集光レンズ系34のセルフォックレンズ34Aそれぞれに対応した位置に配置されており、その対応したセルフォックレンズ34Aからの光を受光する。但し、図5に示すように、各受光素子は、対応するセルフォックレンズ34Aの左右にそれぞれ隣接する所定数のセルフォックレンズ34Aからの光も受光する。以下の説明では、所定数は3つとする。
【0026】
3.載置部の構成
ケース30の内壁面には、開口部30A寄りの位置に、右載置部分41Rと左載置部分41Lとが一体成形されている。なお、載置部41を、溶着等により内壁面に一体化させた構成でもよい。
【0027】
ここで、図1、図2及び図5に示すように、右内壁面40Rに形成された右載置部分41Rの突出長さL1は、他の載置部分の突出長さL2よりも長い。この右載置部分41Rは、ケース30を開口部30A側から見て、LEDチップ32を隠している。換言すれば、ケース30を開口部30A側から見て、LEDチップ32は、右載置部分41Rの背後に位置している。このため、右載置部分41Rが無い構成、或いは、右載置部分41Rが他の載置部分と同程度の突出長さである構成に比べて、CISガラス31の右端と開口部30Aとの境目部分X1からLEDチップ32近傍の右内壁面40Rまでの沿面距離が長くなる。これにより、境目部分X1からLEDチップ32までの放電経路が長くなる分だけ、LEDチップ32が開口部と透明部材との境界部分から静電気が放電することを抑制することができる。右載置部分41Rはヒサシ部の一例である。
【0028】
更に、ケース30を開口部30A側から見て、右載置部分41Rの先端は、右ダミー画素列39Rと重なっている。具体的には、図5に示すように、ケース30を開口部30A側から見て、右載置部分41Rの先端は、CISガラス31から集光レンズ系34により有効画素列39Cに受光される有効光の経路と、有効画素列39Cに受光されない無効光の経路との境界Yに位置している。
【0029】
より具体的には、前述したように、有効画素列39Cの右端の有効受光素子39C0には、それに対応するセルフォックレンズ34A0だけでなく、それに隣接する3つのセルフォックレンズ34A1〜34A3からの光をも受光する。即ち、3つのセルフォックレンズ34A1〜34A3からの光も、有効画素列39Cにて受光され、画像読み取りに利用される。従って、右載置部分41Rの先端は、3つのセルフォックレンズ34A1〜34A3と、それに隣接するセルフォックレンズ34A4との境界Xまで延びている。これにより、画像読み取りに使用される光を遮ることなく、右載置部分41Rが最大限長くなり、LEDチップ32が開口部と透明部材との境界部分から静電気が放電することを、より効果的に抑制することができる。
【0030】
4.本実施形態の効果
本実施形態によれば、ケース30の右内壁面40Rには、当該ケース30を開口部30A側から見て、LEDチップ32を隠し、且つ、先端が右ダミー画素列39Rと重なっている右載置部分41Rが一体的に形成されている。これにより、上記右載置部分41Rを備えない構成等に比べて、右載置部分41Rの分だけ、開口部30AとCISガラス31との境目部分X1からケース30の内周面に沿ってLEDチップ32近傍に至るまでの沿面距離が長くなるため、LEDチップ32が開口部と透明部材との境界部分から静電気が放電により誤動作等をすることを抑制することが可能である。
【0031】
しかも、CISガラス31が載置される右載置部分41Rが、上記沿面距離を長くするためのヒサシ部として機能している。従って、ヒサシ部が載置部とは別に形成された構成に比べて、ケース30内の構成を簡略化することができる。
【0032】
<実施形態2>
図6は実施形態2を示す。前記実施形態1との相違は、載置部52の構成にあり、その他の点は前記実施形態1と同様である。従って、実施形態1と同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
【0033】
図6に示すように、読取デバイス50のケース51は、右載置部分52Rの周辺だけ上記実施形態1のケース40と形状が異なる。具体的には、右載置部分52Rの上側に位置する開口部51Aの右内面は、右載置部分52Rの下側に位置する右内壁面53Rよりも、ケース50の右外壁面54Rに近い位置まで切り欠かれている。つまり、右載置部分52Rの先端から開口部51Aの右内面までの長さL3は、右載置部分52Rの先端から右内壁面53Rまでの長さL1よりも長い。そして、CISガラス31の右端は、開口部51Aの右内面に当接されており、これにより、CISガラス31の右端と開口部51Aとの境目部分X2は、上記実施形態1の境目部分X1よりも右外壁面53R側に位置している。
【0034】
これにより、上記実施形態1の構成に比べて、境目部分X2からLEDチップ32近傍に至るまでの沿面距離が長くなるため、LEDチップ32が帯電により誤動作等をすることを、より確実に抑制することが可能である。また、CISガラス31は、左右方向における両側縁部が、右載置部分52Rと左載置部分52Lとに載置されている。これにより、左載置部分52Lがない構成に比べて、同じ長さのCISガラス31を用いて、上記境界部分X2を、よりケースの右外壁面54R側に配置させることができる。
【0035】
<実施形態3>
図7は実施形態3を示す。前記実施形態1との相違は、載置部62の構成にあり、その他の点は前記実施形態1と同様である。従って、実施形態1と同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
【0036】
図7に示すように、読取デバイス60のケース61は、左載置部分62L及び右載置部分62Rの周辺だけ上記実施形態1のケース40と形状が異なる。具体的には、左載置部分62Lの突出長さL4は、実施形態1,2の左載置部分41L、52Lの突出長さL2よりも長い。具体的には、ケース60を開口部61A側から見て、左載置部分62Lの先端が、有効画素列39Cに受光される有効光の経路と、有効画素列39Cに受光されない無効光の経路との境界に位置していることが好ましい。つまり、左載置部分62Lは、有効光の光路を遮ることなく、最大限長くなっている。
【0037】
一方、右載置部分62Rの上側に位置する開口部61Aの右内面は、右載置部分62Rの下側に位置する右内壁面63Rよりも、ケース60の右外壁面64Rに近い位置まで切り欠かれている。つまり、右載置部分62Rの先端から開口部61Aの右内面までの長さL5は、右載置部分62Rの先端から右内壁面63Rまでの長さL1よりも長い。この長さL5は、上記実施形態2のL3よりも長い。そして、CISガラス31の右端は、開口部61Aの右内面に当接されており、これにより、CISガラス31の右端と開口部61Aとの境目部分X3は、上記実施形態2の境目部分X2よりも更に右外壁面53R側に位置している。
【0038】
以上のように、左載置部分62Lを最大限長くすることにより、開口部61AとCISガラス31との境界部分X3を、実施形態1,2よりも更に外壁面64R側により近付けることができる。故に、LEDチップ32が開口部と透明部材との境界部分から静電気が放電により誤動作等をすることを、より効果的に抑制することが可能である。
【0039】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0040】
上記実施形態では、画像読取装置の一例として、原稿Mを搬送する原稿搬送機構を備えるシートフィードスキャナを例に挙げた。しかし、画像読取装置は、これに限らず、原稿を載せる原稿台を有し、当該原稿台に対して読取デバイスを移動可能に設けて、当該読取デバイスにより原稿の画像を読み取る、いわゆるフラットベットタイプの画像読取装置でもよい。
【0041】
上記実施形態では、透明部材の一例として、CISガラス31を挙げた。しかし、透明部材は、ガラス製に限らず、プラスチック製やアクリル製などでもよく、要するに光を透過する部材であればよい。
【0042】
上記実施形態では、読取デバイスの一例として、LEDチップ32が右内壁面近傍に配置された読取デバイス24を例に挙げた。しかし、読取デバイスは、これに限らず、例えばLEDチップ32が左内壁面近傍に配置された構成でもよい。この構成の場合、少なくとも左載置部分は、ケースを開口部側から見て、LEDチップ32を隠し、且つ、先端が左ダミー画素列39Lと重なっていることが好ましい。
【0043】
上記実施形態では、受光センサとして、有効画素列39Cの両端にダミー画素列39R、39Lが配置されたフォトセンサ35を例に挙げた。しかし、受光センサは、これに限らず、左ダミー画素列39Lが無い構成でもよい。
【0044】
上記実施形態では、右載置部分41Rの先端だけが、有効画素列39Cに受光される有効光の経路と、有効画素列39Cに受光されない無効光の経路との境界Yに位置した。しかし、これに限らず、左載置部分41Lの先端も、有効画素列39Cに受光される有効光の経路と、有効画素列39Cに受光されない無効光の経路との境界に位置していてもよい。但し、ケース30の左内壁面40L側には回路基板がないため、左載置部分41Lを、右載置部分41Rと同程度まで長くすることは必須でない。上記実施形態のように、左載置部分41Lを、CISガラス31を載置できる程度の長さに抑えることにより、ケース30の材料費を抑制することができる。
【0045】
上記実施形態では、ヒサシ部の一例として、CISガラス31が載置される右載置部分41Rを例に挙げた。しかし、ヒサシ部は、これに限らず、CISガラス31から離間して載置部として機能しない構成でもよい。要するに、ヒサシ部は、ケース30を開口部30A側から見て、LEDチップ32を隠し、且つ、先端が右ダミー画素列39Rと重なっていればよい。
【符号の説明】
【0046】
1:画像読取装置 24,50,60:読取デバイス、30,51,61:ケース 30A,51A,61A:開口部 31:CISガラス 32:LEDチップ 33:導光部材 34A:セルフォックレンズ 35:フォトセンサ 37:発光素子 39C:有効画素列 39R:右ダミー画素列 40R、53R、63R:右内壁面 54R、64R:右外壁面 X1、X2、X3:境目部分 Y:境界

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像を読み取る読取デバイスであって、
開口部、及び、当該開口部に沿った所定方向において対向する一対の内壁面を有する絶縁性のケースと、
前記開口部を塞ぐ透明部材と、
前記一対の内壁面のうち一方の内壁面側に配置され、発光素子を含む発光回路部品と、
前記発光素子から出射された光を前記透明部材に導いて前記原稿に照射させる導光部材と、
前記ケース内において前記所定方向に沿って一列状に配列され、前記原稿で反射し前記透過部材を透過した光を受光する複数の受光素子を有し、前記複数の受光素子は、画像読み取りに有効な受光素子群からなる有効画素列、及び、前記有効画素列と前記一方の内壁面との間に配置され画像読み取りに無効な受光素子群からなるダミー画素列を含む受光センサと、を備え、
前記一方の内壁面には、前記ケースを前記開口部側から見て、前記発光回路部品を隠し、且つ、先端が前記ダミー画素列と重なっているヒサシ部が一体的に形成されている、読取デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の読取デバイスであって、
前記ヒサシ部は、前記透明部材の側縁部分が載置される載置部である、読取デバイス。
【請求項3】
請求項1または2に記載の読取デバイスであって、
前記透明部材と前記受光センサとの間に配置され、前記透明部材を透過した光を、前記有効画素列の各受光素子に集光させる集光レンズを備え、
前記ヒサシ部の先端は、前記透明部材から前記集光レンズにより前記有効画素列に受光される有効光の経路と、前記有効画素列に受光されない無効光の経路との境界に位置している、読取デバイス。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の読取デバイスであって、
前記所定方向において、前記開口部と前記透明部材との境界部分は、前記一方の内壁面よりも、前記ケースの外壁面側に位置している、読取デバイス。
【請求項5】
請求項4に記載の読取デバイスであって、
前記一対の内壁面のうち他方の内壁面には、前記所定方向において、前記ヒサシ部としての第1ヒサシ部と対向する第2ヒサシ部が一体的に形成され、
前記透明部材は、前記所定方向における両側縁部が前記第1ヒサシ部と前記第2ヒサシ部とに載置されている、読取デバイス。
【請求項6】
請求項5に記載の読取デバイスであって、
前記透明部材と前記受光センサとの間に配置され、前記透明部材を透過した光を、前記有効画素列の各受光素子に集光させる集光レンズを備え、
前記複数の受光素子は、前記有効画素列と前記他方の内壁面との間に配置さえるダミー画素列を含み、
前記第2ヒサシ部の先端は、前記透明部材から前記集光レンズにより前記有効画素列に受光される有効光の経路と、前記有効画素列に受光されない無効光の経路との境界に位置している、読取デバイス。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の読取デバイスと、
前記読取デバイスに原稿の画像を読み取らせる読取動作を実行させる読取制御部と、を備える、画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−77955(P2013−77955A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216261(P2011−216261)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セルフォック
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】