説明

読取ビームに過渡的に反応する光媒体コピー保護用材料

【課題】光状態変化保護材料を使用したコピーを保護した光媒体、及び優れたコピーを保護する方法を提供する。
【解決手段】光状態における変化を検出するために光状態及びソフトウェアコードを変えることができる過渡光状態変化保護材料を使用して、コピーを防止した光媒体を提供する方法及びシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク読取装置に使用される波長、特にCD及びDVD光学読取装置によって作られる波長に反応する過渡光状態変化保護材料に関するものである。かかる材料は、コピー保護(防止)を果たすために光媒体に直接塗布することによって使用される。さらに詳しくは、通常の光媒体読取装置、例えば、CD及びDVDレーザ読取装置を使用して記憶されている情報がコピーされるのを保護するが、同じ読取装置によってディジタル記憶媒体から情報を読取ることできるその光学的に読取り可能なディジタル記憶媒体を製造するために染料を使用する。
【背景技術】
【0002】
データは、光媒体の1つ以上の層における個々の場所に配置される光変形又はマークの形態で光媒体に記憶される。かかる変形又はマークは、光の反射における変化をさせる。光媒体上のデータを読取るために、光媒体プレーヤー又は読取装置が使用される。光媒体プレーヤー又は読取装置は、通常、光媒体又はレーザヘッドが回転する際にディスク基板を介して光変形又はマークを含むデータ層上にレーザ光の小スポット、「読取りスポット」を当てる。2つの共通タイプの媒体はCDディスクであって、片面(SS)、単層(SL)ディスク上に約650メガバイトのデータの最大記憶スペースを提供する、そしてDVDディスクは片面(SS)、単層(SL)ディスク上に約4.37GBを提供する。ECMA(欧州電子計算機工業会)の技術委員会はTC31を光ディスク及び光ディスクカートリッジの標準化のために1984年に制定し、国際規準に関してISO/IEC SC23に寄与した。
【0003】
従来の「読取り専用」タイプの光媒体(例えば、CD−ROM)において、データは一般に金属を被覆した一連のピット及びランドによってコード化(符号化)される。非金属化面から向けられたリードアウト(読出し)スポットは、読出しスポットの光が読取装置の感光装置に反射して戻るように反射する。レーザ読取り側から言及すると、ピットは技術的にバンプとよばれる。ピットとランドとの間の遷移、およびかかる遷移間のタイミングはチャネルビットを表す。従って、それ自身におけるピット及びランドは、一連の0又は1の表現ではない。典型的に、CD14チャネルビットにおいて、それは8〜14変調(EFM)と呼ばれるプロセスにおいて8ビットデータ値に変換するデータ記号を構成する。DVDは、8ビットデータを直接16チャネルビットに変換するためのEFM+として知られるEFMの修正バージョンを使用する。NRZI(非ゼロ復帰逆転記録方式)波形表示はディスク上の2進シーケンスを解釈するために使用される。
【0004】
プラスチック媒体の表面に形成される顕微鏡的ピットは、トラックに配列され、通常媒体中心ハブに始まる螺旋トラックにおける中心ハブから半径方向に間隔を有して、媒体の外リム方向で終わっている。媒体のピット面は、通常はアルミニウム又は金の薄層のような反射層を被覆している。金属を被覆した面から見たその「ピット」は、レーザ読取り面から見たときに「バンプ」とも呼ばれる。そのピット面には、典型的に保護層としてラッカー層が被覆される。
【0005】
光媒体層又は読取装置によって測定される読取り専用媒体表面から反射した光の強さは、情報トラックに沿ったピットの存在又は不在に従って変わる。リードアウトスポットがランドの上にあるときには、リードアウトスポットがピットの上にあるときよりも多くの光がディスクから直接反射れる。欠陥誘導エラーは読取りを妨げる、全ての光ディスクはかかるエラーを排除するためにエラー管理戦略を用いている。
【0006】
エラー管理戦略は、欠陥のためのエラーを光ディスクが意図するようにそのエラーを訂正する試みをする算法から成る強力なエラー訂正コード(ECC)を含む。長短のエラーバーストの両方を同時に最適化するリードソロモン符号のようなECCが存在する。コードワードが記録の前に交互配置される場合には、極めて長いバーストは各々が回復したコードワード内に管理可能数のエラーに短くされる。交互配置方式は、ディスクのトラックの1つの回りにデータを非順次に分散させることによってドライブをバーストから回復させる((即ち、バイトの全パケットが誤って読取られるとき)。ドライブが実際に一度に1回転のデータを読取る際に、そのデータは読み取りのために交互に配置できない。CDは、エラーの訂正のために、通常CIRC、リードソロモン符号と交互配置の概念の組合せを使用する。2段階のリードソロモン符号器を使用して、CIRCは通常24バイト入力のセットに対して32バイトの出力を発生し、エラー訂正及び検出に対して冗長に加算される4ビットコード化されたデータ毎の1ビット出力に導く。CIRCはエラーバーストを3,500ビットまで訂正(約2.4mm長さ)し、エラーバーストを12,000ビットまで(約8.5mm長さ)補正する。
【0007】
符号化の後、EMF変調のような変調が利用される、それは3マージングビットを利用し、CDに関して11U(Uは1ビットの長さを意味する)のピット又はランドの最大長さ及び3Uの最小長さを補償する。後者はジッタの影響及び誤り率の他のひずみを減少させる。EFMは、14ビットのいくらかが1sになることを補償することによってレーザが螺旋データのトラックを解放するような延在間隙がないことを補償する。次にNRZI(非ゼロ復帰逆転記録方式)を2進シーケンスに適用して、CDに成形される必要なピット及びランドの組合せを形成する。各プレーヤーにおけるROMは、プロセスを反転してデータを復号するルックアップテーブルを含む。DVDディスクは通常RSPCエラー訂正変調を利用する。
【0008】
光ディスクは、典型的に7つの主領域:即ち、中央穴、締付け領域、リードイン領域、データ領域、リードアウト領域、外バッファゾーン及びリム領域から成ると言われる。中央穴と締付け領域の両方は、ドライブがデータを読み出す間コンパクトディスクを固定するために使用される。リードイン領域は、ディスクに関する情報を含み、ボリューム目録を保持して、プレーヤーをプレイされるディスクに同期させる。CDの目録(TOC)はQチャネルに含まれて、各トラックの絶対タイムコード(分、秒及びフレーム)から成る。光学読取装置は、それらがTOCを読み取れない場合にはディスクを認識できない。DVDのリードインゾーンは、初ゾーン、規準コードゾーン、バッファゾーン1、制御データゾーン、バッファゾーン2から成る。その制御データゾーンは、物理的書式情報(ディスクカテゴリー及びバージョン数、ディスクのサイズ及び最高転送速度、ディスクの構造、記録密度、データゾーン割付、BCA記述子及び予約部分)、ディスク製造情報及び内容プロバイダ情報から成る。データ領域又はプログラム領域は、記憶されたディジタル内容が配置されているところである。サブコードデータは、データ領域内に配置されて、レーザ読取装置がどこにあるかを決定できるような絶対及び相対位置を符号化する、そして可聴CDにおける歌の題名のような他の情報を含む。リードアウト領域は、プレーヤーにディスクの終点を認識させる簡単な符号を含む。外バッファゾーン及びリードアウト領域は、通常少なくとも0.5mm幅(半径方向に測定)からなる。リム領域は、光ディスクの縁部にある非記録部分である。リードイン領域、プロブラム領域、リードアウト領域及び外バッファゾーンの組合せは一般に情報領域と呼ばれる。
【0009】
光ディスクは、CD−Rに見られるような電源校正領域(PCA)及びプログラム記憶領域(PMA)のような他の領域からも成る。各領域は、ディスクの特定の部分に対する協約によって限定される。例えば、CD可聴論理構造は、半径22−23mmの内バッファゾーン、半径23−25mmのリードイン領域、半径25−58mmのプログラ領域、半径58−58.5mmのリードアウト領域、半径58.5−59mmの外バッファゾーン及び半径59−60mmのリム領域から成る。DVDにおいて、リードイン領域はデータ領域の内側に隣接して1.2mm又はそれ以上の幅の物理的セクタから成り、一方リードアウト領域はデータ領域に隣接して1.0mm以上の幅の物理的セクタから成る。かかる領域はデータ自身から区別すべきである、それは通常、CD及びDVDにおいて異なる物理的単位で配列されないで、むしろ上記のようにディスクへの損傷がいずれかの単一フレームをこわされて、多くのフレームの小部分のみを壊すように複雑に交互配置されるフレーム中に構成される。
【0010】
CD又はDVDのような光学読取装置は、CDにバンプとして記憶されるデータを見つけて読取るジョブを有する。従来のプレーヤーにおいては、駆動モータがディスクを回転する。CD駆動モータは、トラックの読取りに依存して200〜500rpmのディスクの回転を精密に制御するように設計されている。レーザ及びレンズ系はバンプに光の焦点を合わせる、そして光ピックアップが光を受ける。追跡機構はレーザビームが螺旋トラックを追うことができるようにレーザアセンブリを動かし、通常CDが演ずる際に中央から外側へレーザを動かす。レーザがディスクの中央から外側へ移動する際に、バンプは、バンプの速度はディスクが回転する速度に半径を掛けた値に等しいから、レーザを通り過ぎて速く移動する。スピンドルモータは、通常、レーザがディスクの中央からさらにさらに外側に読取るときにCDの速度を遅くするように利用される、そしてデータがディスクから一定速度で読取られるようにレーザを一定速度で読取らせる。
【0011】
利用される半導体レーザ、その波長の広がり、及びその動作温度は、読取装置のピックアップヘッド(PUH)によって読取られる波長に影響を与える。DVD読取装置は、約630〜660nmの波長を発生するレーザを現在利用している、標準のDVD読取装置は約650±5nmの波長を測定し、標準のDVD−Rの読取装置は
650+10/−5nmの波長を測定する。CD読取装置は、現在約約640〜840nmの波長を出すレーザを利用している、PUHを有する標準のCD読取装置は約
780nmの波長を読取る。当業者は理解されているように、PUHは入射ビームからある角度の偏位以内にある反射ビームのみを検出できる。例えば、典型的なDVD−Rは、半径方向の偏位が±0.80゜以下、そして接線方向の偏位が±0.30゜以下の必要がある。
【0012】
CD及びDVDの光学特性も異なる。DVDの反射率は約45〜85%であるが、CDの反射率は約70%最小である。CDは約0.822〜3.560μmのピット長さと、1.6μmのトラックピッチを有するが、DVDは約0.4〜1.866μm(又は約0.440〜2.054μm)のピット長さと、0.74μmのトラックピッチを有する。DVDは、CD(約1.6μm幅)より小さいトラック(約0.74μm幅)を使用する。
【0013】
CDとDVDの走査速度及び回転速度も異なり、CDは約1.2〜1.4m/秒の速度で走査され、回転速度は約200〜500rpmであるが、DVDは約3.49(単層)〜3.84m/秒(二重層)の速度で走査され、回転速度は約570〜1600rpmである。
【0014】
今日入手できる莫大な数の市販ソフトウェア、ビデオ、オーディオ、及び娯楽品は読取り専用光学書式で記録される。この理由の1つは、読出し専用光学書式上へのデータの複製が書込み可能及び再書込み可能光学書式上へのデータの複製より著しく安いことである。もう一つの理由は、読取り専用書式が読取りの信頼性の観点から問題が少ないことである。例えば、あるCD読取り装置/プレーヤーは、問題の多い読取りCD−R媒体を有し、それは低反射率を有し、従って高性能の読取りレーザ、又は特定の波長に対して良好に調整される読取りレーザを必要とする。
【0015】
全てのタイプの光媒体は、ソフトウェア、ビデオ及びオーディオ製品、及びゲームのようなものの販売に含まれる製造コストがそれらの小型化及びそれらの製造に含まれる比較的安い量の資源のために著しく下がった。また、それらは、不幸なことに著作権侵害者の経済を改善した、そしてビデオ及びオーディオのようなある媒体において、他のデータ記憶媒体の場合よりも著しく良い海賊版を一般大衆に販売している。媒体の配給業者は、高品質のコピーのために、可能性のある販売の何十億ドルの損失を報告している。
【0016】
典型的に、著作権侵害者は、光媒体から論理データを抽出し、それを磁気テープ上にコピーし、そのテープをマスター装置にセットすることによって光マスターを作る。
また、著作権侵害者は、時々CD又はDVD記録可能媒体複製装置を使用して、販売する媒体のコピーを作り、その複製したコピーは直接販売又は複製用の新しいガラスマスターを作るための予備マスターとして使用する。光媒体に記憶された情報の品質を下げることなく単一マスターから数十万の著作権を侵害した光媒体をプレスすることができる。消費者の光媒体の要求が高いままであり、かかる媒体が低コストで容易に製造されるので、模造が頻繁に起こるようになった。
【0017】
本出願の共通の発明者を主張するWO 02/03386 A2は、吸収、反射、屈折によって又は入射ビームに影響を与えることによって読取り波長に影響を与える染料のような感光材料によってもたらさせる特定のものにおいて、ディスク上の広角的不均一性又は変化、及び/又は光記憶媒体上の特定の領域の再読取り時に読取り信号における変化を検出することによって光媒体からデータの複写を防止する方法を開示している。読取り信号における不均一性又は変化が予想されないディスク上の位置で検出されない場合には、ソフトウェアを使用して内容へのアクセスを拒否する。そのWO 02/03386 A2はその全体を引用してここに取り入れる。
【0018】
公告されたWO 02/03386 A2に記載されている好適な実施態様は、感光材料からなり、該材料は、光学的に変化可能な保護材料であって、1つの光状態においては読取り信号のデータ読取りに悪影響を与えないが、光読取り装置の入射ビームの波長に暴露されると第2の光状態に変換され(好適には時延形で)、かつ読取り信号のデータ読取りに影響を与えないように光ディスクに配置される。WO 02/03386 A2に記載されている好適な実施態様において、その光学的に変化可能な保護材料は光状態を過渡的にのみ変化させる、そしてその光状態は時間をかけて復帰する。
【0019】
WO 02/03386 A2に記載されているかかる過渡光学的に変化可能は保護材料の最適の特性は、多数の要素、例えば、使用されるレーザ読取り装置によって発生される入射ビームの特性(ビーム強度及びは長)、読取りビームに関してかかる材料の光特性(屈折率及び複屈折)に関して光ディスクを製造するために使用される特定の材料、ディスクの特定のフォーマット化(ピットの深さ等)、その場合過渡光学的に変化可能な保護材料はディスク上に又はディスク内に配置される(例えば、ディスクの表面上対ディスクの層に/ディスクのデータ部分に)、変化可能な保護材料をディスク上又はディスク中に取り込むために導入される他の材料の光特性、特に入射ビームから放射する反射光のピックアップをさせる読取り波長及び偏位角度に関して光学読取装置のピックアップヘッド(PUH)の特性、特に、走査速度、再走査のための時間及びディスクの回転速度に関する光学読取装置系の読取り特性を含む。その材料は、PUHに両方の状態を観察させないように状態を余りにも迅速に変化させてはならない。一方、ディスク及び読取りの評価に対して商的に許容できない時間を取るのに余りにも遅く状態を変化させてはならない。
【0020】
最適の過渡光状態変化保護材料は、光使用の条件下及びかなりの時間の間の周囲条件下で熱的及び光化学的に安定でなければ成らない。その材料は、ディスクから成る、又はディスクに接着塗布できるマトリックスに可溶性でなければならない。最適の過渡光状態変化保護材料は、外部からのエネルギーの付加の必要がなくその状態に戻る必要があり、読取装置の入射波長での光状態における変化を示す必要がある。
【0021】
CD及びDVDのそれぞれのISO/IEC規格化読取装置によって読取るときにISO/IECの規準に合致するディスク、特にCD及びDVDの複製保護をするためにWO 02/03386 A2に記載された方法で使用できる最適の過渡光状態変化保護材料を確認する必要がある。
【0022】
用語の定義
「データの変形」:記憶されたデータを示す及び光学読取装置によって読取られる項目について又は項目における構造的摂動
「染料」:光学手段のよって検出できる有機材料。
「ファブリ−ペロ干渉計」:2つの近接間隔の反射表面間の多反射を使用する干渉計、そして典型的に次式で表される解像能を有する:λ/Δλ=mr/1−r。
「干渉計」:2つ以上の反射表面を利用して単一源からくる光のビームを2つ以上のビームに分割し、後でそれぞれが干渉するように一緒にする装置。
「光媒体」:光学読取装置によって読取られるディジタルデータを記憶できる幾何学的形状(必ずしも円形ではない)の媒体。
「光学読取装置」:光媒体を読み取る読取装置(以下に定義する)。
「光状態変化データ変形」:光学読取装置による情報のデータ読取りが光状態変化保護材料の光状態で変化するように、光状態変化保護材料と関連するデータを表す項目についての光変形を意味する。
「光状態変化保護材料」:第1の光状態から第2の光状態へ光状態を変化させることによって光媒体を証明、識別又は保護するために使用される無機又は有機材料を意味する。
「永久の光状態変化保護材料」:光学読取装置によって光媒体の読み取りの際に、光状態の変化を30回以上受ける過渡光状態変化保護材料を意味する。
「読取装置」:光媒体上に記録されたデータを検出できる装置。用語「読取装置」は限定無しにプレーヤー含むことを意味する。例は、CD及びDVD読取装置である。
「読取り専用光媒体」:一連のピット及びランドに表されるディジタルデータを有する光媒体。
「記録層」:データが読取り、プレーイング又はコンピュータにアップロードするために記録される光媒体の部分。かかるデータはソフトウェアプログラム、ソフトウェアデータ、オーディオファイル及びビデオファイルを含む。
「再読取り」:最初に読取られた媒体上に記録されたデータの一部を読取ること。
「過渡光状態変化保護材料」:第1の光状態と第2の光状態の間の光状態を過渡的に変化させることによって光媒体を証明、識別又は保護するために使用され、光読取装置によって検出できるように光読取装置による光媒体の読み取りの際に1回以上光状態における変化を受ける無機又は有機材料を意味する。
「一時的光状態変化保護材料」:光学読取装置によって光媒体の読み取りの際に、光状態の変化を30回以下受ける過渡光状態変化保護材料を意味する。
開示の残部のために、上記の用語はかかる用語が全てのキャップにある、又はないことを意図していることを理解されたい。
【特許文献1】WO 02/03386 A2
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
CD及びDVDレーザ読取装置のような従来の光媒体を使用して記憶された情報のコピー(複製)を保護する過渡光状態変化保護材料を提供して得られた光媒体を確認する方法に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は、ジアントリルフルギド、ジアントリルフルギドのジシアノ誘導体、アントラセン誘導体、チアジン誘導体、及びスピロオキサジンを含む過渡光状態変化保護材料を利用するコピー保護光媒体を提供する。
【0025】
本発明は、変化を光学読取装置のアップテイクヘッドによって検出できる光学読取装置のビームを読取るために暴露することによって誘導される過渡特性を表示する化合物を確認する方法を提供する。
【0026】
本発明は、過渡光状態変化保護材料を使用して該過渡光状態変化保護材料と光ディスクのリードアウト領域とを関連させることによって、コピー保護を改善する方法を提供する。
【0027】
さらに、本発明は、過渡光状態変化保護材料を使用し、光源に戻す反射率が過渡光状態変化保護材料のある状態によって決定されるようにディスク上に干渉計を形成するための材料を使用して、コピー保護を改善する方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明は、過渡光状態変化保護材料から成るコピー保護光媒体を提供する。特定の光ディスク及びそれらの対応する光学読取装置に最適の過渡光状態変化保護材料(該過渡光状態変化保護材料は通常CD及び/又はDVD読取装置による検出に最適である)を選択し、コピー保護光ディスクを達成するためにかかる過渡光状態変化保護材料を利用するためのディスク塗布技術から成る方法が開示される。
【0029】
WO 02/03386 A2に開示されているように、入射読取りレーザビームによって過渡光状態変化保護材料の活性化の際に光状態の変化、即ち、過渡光状態変化保護材料が配置されているディスクの領域の第2の読取りの際にデータ読取りにおける変化が光ピックアップヘッドで検出される特性を提供することによって光ディスクのコピー保護を果たすために、過渡光状態変化保護材料が使用される。該材料は、コピーのプロセスにおいてオーバーサンプリングを必要とする殆どの光読取装置のコピー機能をそのエラーが妨げる特性の訂正不可能エラーを再読取りの際にもたらすために使用される。
【0030】
過渡光状態変化保護材料は、相補データシーケンス、その両方が有効と解釈される、その両方がエラーと解釈される、又はその1つが有効そして他がエラーと解釈され、又はその1つがエラーそして他が有効と解釈される相補データシーケンスを実施するためにも使用される。即ち、例えば、過渡光状態変化保護材料は、その部分が消滅するのでピットをその長さの変化の全体を消滅させるために使用される。過渡光状態変化保護材料はデータ構造と適合することが望ましい。コピー保護は、例えば、不活性化状態において該材料に帰せられる第1の有効データ読取りを有することによってCDS(相補データシーケンス)を使用して行って、読取装置をディスク上のエラートラックに向ける、一方活性化状態において該材料に帰せられる第2の有効データ読取りを有することによってCDSを使用して、読取装置をディスク上の正しいラックに向けて、さらに読み取りを行う。理解されるように、かかる状態におけるディスクのコピーは、複写装置(それは2つの異なる有効データの読取りをする)によるリサンプリングによって妨げられる。かかるエラーが検出されるときには、ドライブ内の再探索アルゴリズムが追跡制御に記憶されているデータを再読取りさせる。過渡光状態変化保護材料がその第2の状態にあり、その第2の状態が下にあるデータを読取らせるように選択されると、新しいアドレスが正しくなり、ディスクの内容が読取れるようになる。コピー保護に対するかかる「だます」技術の一実施態様において、その材料はリードイン領域においてサブコードレベルに配置される、従って目録(目次)を生じる。該材料は、CRCフィルドにおいてミクロレベルに配置される。第1の有効データ読取りのみを有するデータの取り込みのコピーは、データの障害のためにそれ以後の読取りを正しいトラックに向ける働きをしない。過渡光状態変化保護材料は、第1の光状態において有効データの読取りを提供するが、第2の光状態において正しくない読取りエラーを提供し、物理的な変形のような訂正不可能なエラーをディスクに導入することによってディスクの複製者にとって使用可能なディスクを複製することを著しく困難にさせる。
【0031】
用語「訂正可能エラー」は、光ディスク系に関して使用されるECCによって訂正可能であるエラーを意味するが、「訂正不可能エラー」は、訂正できないエラーである。ECCは、製造欠陥のためにエラーを光ディスクが意図するように作動するように訂正することを試みるアルゴリズムである。エラー検出法は、通常パリティの概念に基づく。全ての光ディスクは、エラー管理戦略を利用して欠陥誘導エラーの影響を排除する。最も慎重な取扱でさえも、欠陥誘導エラー率が10−6以下である光ディスクを常に作ることは困難である。光記録装置は典型的に、10−5〜10−4の範囲内にビットエラー率を処理するように設計されている。欠陥のサイズは欠陥と関連するエラー度に影響する。従って、ある欠陥は、データが殆ど常に正しく復号化されるような限界信号妨害を創る。僅かに小さい欠陥はこれまで殆どエラーを誘導した。マクロ又はミクロの蒸着も使用されて訂正可能又は訂正不可能エラーをもたらした。例えば、ミクロ蒸着は、CDのECCのC/Cによって固定できるデータグループを消滅させるようなサイズであるが、十分に消滅させるように塗布すると、グループはかかるソフトウェアによって検出可能な訂正不可能エラーにする。
【0032】
果たされることが望ましい過渡摂動のタイプ、訂正可能エラー、訂正不可能エラー、2つ以上の相補有効データシーケンス、有効データシーケンス及び対応する無効データシーケンス、及び/又は光ピックアップヘッドにおける他の検出可能な変化が、ディスク上のどこに過渡光状態変化保護材料を配置するかを決める。例えば、光ピックアップヘッドによって検出可能なデータ変化が望ましい場合には、その材料はもちろん締付けゾーンに配置できない。有効〜有効、又はエラー〜エラーのデータ状態変化がある場合には、検出を容易にさせるために、データ状態変化は値の読取りに変化をもたらす。エラー状態〜エラー状態変化において、エラーの厳しさのレベルは異なることが望ましく、それによって検出性を助ける。
【0033】
図7は、反射層(30)、染料層(32)、及び透明な基板(34)、ピット及びランド(20)、(26)、(28)(n.b.:異なる深さのピットがこの実施態様で示されているが、光媒体上のピットは通常1つの深さである)を有する本発明の多層光ディスクの実施態様を示す。染料の一部分の側面破断図が(22)に不活性化で示しが、かかる部分の一部は(36)に活性化で示されている。
【0034】
特定の読取装置用の過渡光状態変化保護材料の最適化は、光ディスク自身の各層を作るために使用される特定の材料、及びかかる材料の向かいあった材料の位置によって一部影響される。従って、特定の読取装置に関して、かかる過渡光状態変化保護材料を選択するとき、かかる材料を類似の製造のディスク上に配置し、それらが最終的に配置される方法と類似の方法で試験用に配置することが有用である。
【0035】
コピーを保護したディスクを果たすために使用する過渡光状態変化保護材料は、限定ではないが、(1)多少とも反射性になる;(2)屈折率の変化をもたらす;(3)電磁放射線を放射する;(4)材料の色の変化をもたらす;(5)限定ではないが、蛍光又は化学発光によって光を放射する;(6)光学読取装置からの入射信号の角度に比較して光学的に変化可能保護材料からの放射波に角度を変えるように、光学読取装置からの信号に応答して光状態を変化する材料を含む。
【0036】
特定の光学読取装置によってコピー保護光ディスク上に使用する過渡光状態変化保護材料の選択を最適化する方法
光学読取装置のPUHによって検出でき、かつ適当な持続期間の変化を提供する光状態変化をするのに有用な過渡光状態変化保護材料は、初静的選別試験及び動的確認試験を利用する次の方法を使用して選択される。
【0037】
静的選別試験
静的試験台は、光媒体を読取るために使用される光学読取装置の標準構成要素から作られる。例えば、DVD用のレーザは650nmの励起を有し、信号又は光ピックアップユニットは、通常のDVD読取装置に見られる仕様と同一である。その励起レーザは、材料が励起波長に迅速に暴露できるように媒体上の特定スポットに関して焦点を合わせないことが望ましい。静的試験台は、平行光を使用して試料基板について時間、感度及び反射率の測定をすることができる。
【0038】
材料は、それらを光学読取装置に使用される光媒体上又は光媒体に配置し、その媒体を静的試験台上に配置することによって分析される。かかる予備的静的試験には必要ないが、かかる候補材料は、光媒体上又は光媒体に、及びかかる読取装置によって読取られる媒体に典型的に利用される材料から製造された光媒体上に配置することが望ましい。特徴のない光ディスク、例えば、成形ピットの特徴のない光ディスクは、測定値をドライブファームウェアに依存しないように利用される。材料が配置される溶媒は、読取りビームへの暴露時にそれ自身光還元されないように最適化することが望ましい。材料の濃度を異ならせるために材料の光還元及び光酸化を分析する。1つ以上の多重被覆が選別される。特に、光媒体を読取るように設計された光読取装置による典型的な読取り速度を考慮して、光還元及び/又は酸化の許容速度を示す材料は、以下に示す次の動的試験台において選別される。材料は、1分以下の光漂白及び回復時間を示し、そして読取りビームに関して高吸収性を有することが望ましい。
【0039】
裸のポリカーボネートとディスクに被覆された材料間の遷移のために縁効果は、あるタイプの過渡光状態変化保護材料がある濃度で使用されるときに検出される。縁効果は、当業者はかかる縁効果は遷移ゾーンにおける反射特性における変化として本発明の実施に利用されることを理解しているけれども、媒体が読取られるドライブ縁効果を介してエラー状態をもたらすことなく動くように制限される。
【0040】
静的試験装置は、レーザ電力及び変調用制御器、変調ソース用入力コネクタ、及びレーザ入力及び試験試料から反射される信号を測定する出力コネクタを備えたキャビネットに装着されたDVD+RW記録装置からのPUH又はOUHから成る。静的試験装置は平行光を使用して試料基板について時間、感度、及び反射率の測定ができることが望ましい。
【0041】
動的確認試験
光還元及び酸化の許容速度を有することを静的試験装置において決定された材料は、動的光ディスクドライブ上に配置される。そのドライブは、ドライブ制御によって保護材料が配置される位置を探すために制御する必要がある。試験は、次の事項を決定するために行われる:ディスク上の該材料の存在が光ディスクドライブの動力を与えるPUHによって検出可能であったかどうか、該材料が配置されたところディスクの読取り及び再読取りによって与えられた波形が相互に検出可能な方法で異なったかどうか、及び特に、ディスクドライブの読取り速度が第1の光状態の読取り、同じ位置の第2の読取り時に第2の光状態の検出、および同じ位置の第3の読取り時に第2の光状態から第1の光状態への復帰の検出をしたかどうか。
【0042】
生HF信号、等化HF信号、EMF信号、回復クロック信号、追跡エラー信号、焦点エラー信号、追跡駆動電流信号、焦点駆動電流信号、スピンドルモータ制御信号、VCO制御信号、及びRPMインデック信号のような測定をする。
【0043】
静的及び動的試験中に測定される他のレスポンスは、限定ではないが、漂白前の静的反射率、漂白前の動的HF信号振幅、漂白前の動的エラー統計及び駆動速度変化、静的及び動的漂白時間、漂白後の静的反射率、漂白後の動的HF信号振幅、漂白後の動的エラー統計及び駆動速度変化、静的及び動的回復時間、回復後の動的HF信号振幅、及び回復後の動的エラー統計及び駆動速度変化を含む。
【0044】
一実施態様において、動的試験機械は、標準のPCクローン機械(Intel ATX motherboard,Intel P4CPU,and 512mb of RAM)であって、その中に次のものがインストースされている:Acqiris,high speed,anlog−to−digital conversion,“Acquiris Live”-osiloscope−like applicaion for the Acquiris data acquisition card,CD−ROM,CD−RW,or DVD−ROM drives custom modified with rear panel output connectors that permit acess to key test points in the drive,such as raw HF signal,equalized HF signal,EFM signal,recovered clock singal,tracking error signal,focus error signal,tracking drive current signal,focus drive current signal,spindle motor control signal,VCO control voltage,and RPM index signal,“CD Speed”−freeware CD “speed”(data transfer/throughput rate)measurement and testing application, “DVD Speed”−freeware DVD “speed”(data transfer/throughout rate)measurement and testing application.別の実施態様において、動的試験規準はPlextor Combo Driveをベースにしたシステムである、Plextor DriveはATAPIの可揺型である。好適なPlextorをベースにしたシステムは、より良好な信号測定用の1度/回転のインデックスパルス発生器を備えた改造型である。
【0045】
選択した過渡光状態変化保護材料用の塗料配合物の最適化
光ディスクへの付着のために過渡光状態変化保護材料を入れる塗料配合物は、光読取装置のPUHによって多光状態の検出に影響することが発見された。同様に、湿潤、表面張力、等用の添加物の濃度もその検出に影響する。好適な塗料配合物は、アルコール、重合体、及び電子供与体材料を混合することがわかった。第三アミンのような電子供与体は、あるレドックス染料の漂白速度及び回復速度に影響を与えるのに特に有用であることがわかった、その漂白モードは光還元であり、着色モードは室温での空気酸化である。
【実施例1】
【0046】
光ディスク用の塗料配合物
1−メトキシ−2−プロパノールに5%の酢酸ポリビニル46.5ml中に過度光状態変化染料25mgを溶解し、次に3.5mlのトリエタノールアミンを添加し、その溶液を十分に混合し、次に標準の回転塗布をして皮膜を与えた。
【実施例2】
【0047】
光ディスク用の塗料配合物
1−メトキシ−2−プロパノールに5%の酢酸ポリビニル46.5ml中に過度光状態変化染料50mgを溶解し、次に3.5mlのトリエタノールアミンを添加し、その溶液を十分に混合し、次に標準の回転塗布をして皮膜を与えた。
【実施例3】
【0048】
光ディスク用の塗料配合物
1−メトキシ−2−プロパノールに5%の酢酸ポリビニル46.5ml中に過度光状態変化染料50mgを溶解し、次に3.4mlのトリエタノールアミンを添加し、その溶液を十分に混合し、次に標準の回転塗布をして皮膜を与えた。
【実施例4】
【0049】
光ディスク用の塗料配合物
1−プロパノールの2.5−5.0ml中に過度光状態変化染料50mgを溶解し、次に3.5mlのトリエタノールアミンを添加し、その溶液を十分に混合した。次にその溶液を1−メトキシ−2−プロパノールPVA溶液(1、2又は3%)で希釈した。
【実施例5】
【0050】
光ディスク用の塗料配合物
水中に6%のポリビニルアルコール10mlに5mgの染料を添加して、それに663mlのトリメタノールアミンを添加した。
【0051】
CD及びDVD及びそれらのそれぞれの光読取装置用に最適化した過渡光状態変化保護材料コピー保護CDに特定使用のチアジン化合物
本発明は、一実施態様において、次式のチアジン誘導体からなり、約400nm〜840nmの波長範囲において測定可能な光相変化しがちの過渡光状態変化保護材料を利用して、光学読取装置によって読取られるコピーを保護した光媒体を提供する:
【0052】
【化1】

【0053】
上式中のR1〜R6は水素、アルキル、アリール、アルコキシ、チオアルコキシ、アルキルアミノ、ニトロ、アミノ又はハロゲンであり、X及びYはどちらも水素、アルキル、アリール、アルコキシ、チオアルコキシ、アルキルアミノ、ニトロ、アミノ及びハロゲンである、但し、X又はYのどちらもチアジン主鎖に対して強い電子供与基であり、X又はYの他はチアジン主鎖に関して強い電子吸引基である。3及び7の位置に強い電子供与基及び電子求引基を結合させることによって、プッシュ−プル構造が得られ、メチレンブルーに比較して著しく深色移動をもった構造を形成する。
【0054】
CD用典型的「プッシュ−プル」チアジン化合物の調製
【実施例6】
【0055】
フェノチアジン−5−イウム・トリヨージド
クロロホルム(75ml)中のフェノチアジン(2.13g、11ミリモル)の溶液を5℃で攪拌し、1時間以内にクロロホルム(175ml)中のヨウ素(8.38g、66ミリモル)の溶液で滴下処理した。その混合体を5℃でさらに30分攪拌し、得られた沈殿物をろ過し、クロロホルムで洗浄し、次に室温で重量が一定になるまで真空に保持した。黒色粉末7.10g(90%)ができた。
【実施例7】
【0056】
3-(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウム・トリヨージド
メタノール(10ml)中のフェノチアジンー5−イウム・テトラヨージド水和物(0.417g、0.57ミリモル)の溶液を室温で攪拌し、メタノール(2ml)中のジメチルアミン(1.14ミリモル)の溶液で滴下処理した。その混合体は、室温で3時間出発材料が消費されるまで攪拌した(TLC(シリカ、CH3OH/TEA)で監視した)。その沈殿物をろ過し、少量のメタノールで洗浄して、黒色粉末0.30g(84%)ができた。
【実施例8】
【0057】
[7−(ジメチルアミノ)フェノチアジン−3−イリデン]メタン−1,1−ジカルボニトリル
メタノール(10ml)中の3−(ジメチルアミノ)フェノチアジンー5−イウムトリヨージド(0.15g、0.24ミリモル)の溶液に、マロノニトリル(0.095g、1.44ミリモル)及び炭酸ナトリウム(0.28g、2.88ミリモル)を添加し、その混合体を室温で2時間攪拌した、そしてその反応はUV−Visで監視した。次に、その反応混合体に食塩水及びCHClを添加した、そしてそのCHCl層を分離し、水、食塩水で洗浄、乾燥した(NaSO)。カラムクロマトグラフィー(SiO,CHCl)による精製は深青色バンドを与え、溶媒の除去後に、紫色の固体を与えた。
【0058】
図6は、約400nm〜840nmの波長による衝突時に光状態変化を示すように設計された本発明に用途を見つけた他のチアジン化合物を示す。
【0059】
コピーを保護したDVDにおける特定の用途
別の好適クラスのチアジン化合物(化2)において、R,R,R,R及びRは、600−700nmに吸光度を有する水素、アルキル、アリール、アルコキシ、チオアルコキシ、アルキルアミノ、ニトロ、アミノ又はハロゲンにすることができる、そしてDVDの過渡光状態変化保護材料として使用できる。
【0060】
【化2】

【実施例9】
【0061】
動的試験台上のDVD過渡光状態変化チアジンの選別
精密スピンコータSCS P-6708型(インジアナポリス、IN)を使用して標準ポリカーボネートDVDのレーザ入射表面上の塗料配合物にチアジン化合物を入れた。ピットに吸蔵させる塗料エッジ効果を回避することが望ましい。湿潤剤、表面張力調節、スピンプロフィール設計が、完全に均一な皮膜を作り、必要な効果を与えるために望ましい。
【0062】
動的試験は駆動制御によって材料が付着された位置を探す制御をする。光漂白(着色−透明)及び反転の速度(透明−着色)は、動的試験台を使用して分析する。試験は次のことを決めるために行う:(1)ディスクの読取り及び再読取りによって生じた波形;(2)配置された材料が次の検出工程で異なった;(3)第2の光状態の初光状態への反転。
【0063】
エラー→有効データ状態への遷移を与えるレーザ入射表面付着の可能性が示される。約2分間隔での3つの範囲追跡は、減衰したHF信号(エラー状態)の殆どフルサイズのHF信号(有効データ状態)への変換を示す。
【0064】
通常の読取装置のDVD波長内で最高の吸光度を有する前記(化1)式の特に有用な化合物は以下のものを含む:
【0065】
【化3】

6−アミノ−7−(ジメチルアミノ)(7−ヒドロフェノチアジン−3−イル)ジメチルアミン:(3)(吸光度最高:652nm);及び
【0066】
【化4】

[6,7−ビス(ジメチルアミノ)(7−ヒドロフェノチアジン−3−イル)ジメチルアミン:(4)(吸光度最高:663nm)。
【0067】
電子供与基を有する(化1)式の分子は、電子求引基を使用する対応品より迅速に反転するようであった。しかしながら、共役結合の長さの増加は吸収波長を増す。かかる発見に基づいて、次の構造は、示したように、CD読取装置によって発生されるレーザ光の波長近傍又は波長内の吸収をするはずである。
【0068】
【化5】

【0069】
【化6】

【0070】
【化7】

【0071】
【化8】

【0072】
過渡光変化をもたらす能力に基づいてCDコピー保護計画に用途を見出す他のかかるチアジン材料は次式のものを含む:
【0073】
12a,4a−ジヒドロ−12aH−ベンゾ[e]フェノチアジノ[2,3−b]− 1,4-チアジン
【化9】

【0074】
[2−(ジメチルアミノ)(12a,4a−ジヒドロ−12aH−ベンゾ[e]フェノチアジノ[2,3−b]1,4-チアジン−10−イル)]ジメチルアミン
【化10】

【0075】
4a−ヒドロフェノチアジノ[3‘,2’−6,5]1,4−チアジノ[2,3−b]フェノチアジン
【化11】

【0076】
[3−(ジメチルアミノ)(4a−ヒドロフェノチアジノ[3’,2’−6,5]1,4−チアジノ[2,3−b]フェノチアジン−11−イル)ジメチルアミン
【化12】

【0077】
【化13】

【0078】
【化14】

及び
【0079】
(7−{アザ[4−(ジメチルアミノ)フェニル]メチレン}フェノチアジン−3−イル)ジメチルアミン
【化15】

それは次のスキームで合成される:
【0080】
【化16】

及び
【0081】
【化17】

【0082】
【化18】

【0083】
驚くことに、パラジウム触媒は、かかるメチレンブルータイプの構造を改質する能力を著しく高めて波長を増すことがわかった。
Liebigs Ann.Chem.740,52−62(1970)(J.Daneke and H.W.Wanzlick)に記載されている化学を用いて、他のフェノチアジノ化合物を生成できる。前記文献に記載されているように、特に、求核部分を現場で生成されるフェナザチオニウム陽イオンに添加する。キノン化合物は酸化フェノチアジンと反応する。その方法は、多数の3-置換フェノチアジン誘導体の合成をさせる。上記文献は、そのフェノチアジンは酢酸カリウムを含有するメタノールの溶液において無水FeCl溶液と反応することを開示している。過渡光状態変化保護材料に有利なフェノチアジノ化合物は次式の化合物を含む:
【0084】
【化19】

それは前記Danekeらの方法を利用して次のように合成される:
【0085】
【化20】

【0086】
過渡光状態変化保護材料として使用可能なDaneke方法を使用して合成できる他の化合物は、次式の化合物を含む:
【0087】
【化21】

【0088】
アントラセンフルギド
あるアントラセンフルギド、特に無水コハク酸同族体は、DVDの範囲において屈折率変化を示す。かかる化合物は、かかる屈折率変化を移動して約780nmの波長を有するCD読取装置によって検出させる。
【0089】
図4Aは、無色(1)から着色(2)への転化後、Aberchrome 540(ホトクロミック光記録物質)の1x10−4モル溶液の紫外及びの可視スペクトル(4A)及び屈折率スペクトル(4B)を示す。吸収は550nm以上で余り多くないが、より高波長で著しい屈折率変化が証明される。
【0090】
図4Aの(1)のジシアノメチレン誘導体は、CD読取装置の波長(約780nm)における屈折率変化をさせるために合成する。
ジアントリルフルギド[XXXII]のようなビス(9−アントリルメチエン)無水コハク酸も、過渡光状態変化保護材料として有用であることがわかった。ジアントリルフルギド[XXXII]も、著しい深色効果を示すジシアノ同族体[XXXIII]を形成することによって改質できる。化合物[XXXIII]は、CD読取装置のPUHによって検出できる屈折率変化をさせるのに使用される。
【実施例10】
【0091】
出発化合物[36]の調製
乾燥トルエン(200ml)中にカリウムt−ブトキシド(13.6g、0.1モル)の懸濁液に9−アントラアルデヒド(20g、0.1モル)を添加して、その混合物を室温で一晩攪拌した。2,3−ビス(9−アントリルメチレン)コハク酸の乏しく可溶性の二カリウム塩を5Mの塩酸で酸性にして、ろ過した。二酸は、未反応アントラセン及びコハク酸ジメチルを含有する冷トルエン中で乏しい可溶性である。できるだけ多くのトルエンをデカント除去して、残りをろ過する。二酸の混合体は乾燥して塩化アセチルに溶解させて、一晩置く。過剰の塩化アセチルは、蒸留で除去し、フルギドの残りの混合体は最少のジクロロメタンに溶解させ、トルエンを添加することによって結晶化する。E,E−ビス(9−アントリルフルギド)は赤色針状結晶として分離する、300℃以上で融解する。トルエン中の赤色溶液は、白色光に当てると黄色になる。紫外光(366nm)での照射、又は暗所中で20℃以上の保温で、黄色溶液は赤色になる。
【0092】
【化22】

【実施例11】
【0093】
[36]からシアノ−化合物[37]の調製
ビス(9−アントリルメチレンコハク酸)無水物[4.28](0.8g,1.6ミリモル)の異性体、マロノニトリル(1.2g,1.8ミリモル)、及びジエチルアミン(2g,1.8ミリモル)の混合体をテトロヒドロフラン(25ml)に入れて、時々振とうして4時間放置させた。黄色粉末[4.29]が得られる、それはジクロロメタンに溶解して、塩化アセチル(2ml)で環化する。純粋なE,Z−ジシアノ化合物[XXXII]は、40%歩留まりで深紫色の偏菱形結晶(0.34g)として得られる、そしてそれはトルエン中に深赤色溶液を与える。白色光に当てると、その溶液は無色になる。その無色の溶液は110℃で加熱(トルエン溶液を加熱して沸騰させることによって)すると、その深赤色は戻る。
【0094】
【化23】

【0095】
スピロオキサジン染料
あるスピロオキサジン染料は、可視光によって活性化できる、そして(38)及び(39)を含む反転ホトクロミズムを示す。
【0096】
【化24】

【0097】
これらの化合物は、溶液及び重合体皮膜の両方において「逆」ホトクロミズムを示すした、[39]染料は最速度の戻りを示す。780nmのホトクロミズム染料の調製及び選択のスキームは以下に示す。780nmでの「逆」ホトクロミズムが望ましい。少なくとも1000漂白/戻りサイクルの達成は単分子機構を介して色を変える化合物がより可能性があることがわかった。
【実施例12】
【0098】
インドリニウム前駆物質塩[42]の合成
インドリニウム塩[44]は商的に入手できない、またスクラッチから合成しなければならない。それは、フィッシャーのインドール合成の条件下で、p−ニトロフェニルヒドラジン[40]及びメチルイソプロピルケトン[41]を使用して一対の工程(スキーム2)で作られる。化合物[43]のインドール窒素ノメチル化、続いて過塩素酸塩を与えるアニオン交換によって化合物[44]が得られる。
【0099】
【化25】

【0100】
また、窒素基のない化合物[43]の類似物質は、その合成の1工程を排除した方法を望むなら商的に入手できる(これは吸収特性を変える)。
【実施例13】
【0101】
Nakazumiスピロオキサジン染料[50]の調製
多数の研究グループが、Nakazumiらによって記載されたスピロピラン/スピロオキサジン/スピロチオジン化合物を研究してきた。これら染料の1つはホトクロミズムとして注目され、725nmにピークをもつ(論文における染料10は以下の合成における染料[50]に相当する)、それは適当な媒体を選択することによってさらにシフトできる。染料[50]の外に、伸張共役又は異なる置換基をもった類似の化合物を調製できる。これらの合成スキームは以下に示す染料[50]の1つに類似する。
【0102】
必要な染料[50]の合成は4工程でできる。市販されている化合物[45]は、対応するキュープレート(cuprate)剤を使用して4−位置でメチル化し、次に必要な化合物[46]に酸化させることができる。[47]のベンズアルデヒドと化合物[46]との縮合は適当なアルケン[48]を与える。
【0103】
【化26】

【0104】
他の可能なホトクロミズムは染料[50]の変種を含み、アルデヒド[47]及びアミン[48]の異なる構造が全体の系の共役が変わるように選択される。これは、ホトクロミズムの異なる速度論並びにメロシアニン染料の異なる吸収特性を導く。
【0105】
1,2−ジヒドロキノリン誘導体
エトキシキン(6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン)のような1,2−ジヒドロキノリン化合物も過渡光状態変化保護材料として使用される。例えば、シグマ結合弱体化は、エトキシキン又はその誘導体をヨウ化メチルのようなハロゲン化メチルと反応させて入射波長約780nmへの暴露時にPUHによって検出される異なる光特性を有する遷移中間体に転化できる帯電部分(N)を生成させることによって誘導される。表示される特定の光特性はその構造を他の部分の付加を介して改質することによって変えられる。
【0106】
光ディスク上の光データ構造に関して過渡光状態変化保護材料の配置一般
WO 02/03386
A2開示されているように、過渡光状態変化保護材料は、光状態の変化をPUHが検出できる限り光媒体上又は光媒体内のどこにでも配置できる。かかる保護材料は、有利なことに、光媒体のレーザ入射面(「LI法」)又はピット/ランド表面(焦点面)(「FP法」)上の光媒体内又は光媒体上に配置できる。有利なことに、その保護材料の塗布のために反射率、吸収率、光透明度、及び複屈折おける変化が監視されて、かかる材料は、光媒体がその読取装置において適切に実行しないことを示唆する産業規準を妨げないことを保証する。
オーディオ開発のCD−CATS及びDVD−CATS試験器は、サーボレスポンス、HF信号振幅及びエラー挙動を測定するために使用される。
【0107】
表面塗布
過渡光状態変化保護材料は、製造中に光媒体の表面又は光媒体の構成要素に局所的に塗布される。捺印表面塗布は、限定ではないが、湿潤表面上にエアブラシ、工業インクジェット印刷、デスクトップインクジェット印刷、スクリーン印刷、スポンジ/ブラシ塗布、エアブラシング、グラビア印刷、オフセット平板印刷、親和性インク付着を含む当業者には既知の捺印法のいずれかによる。
【0108】
また、過渡光状態変化保護材料はスピン塗布する。過渡光状態変化保護材料から成る層のスピン塗布は、精密及び均一要件のために好適な塗布方法である。小プロセス改良が、典型的にスピン塗布によってインライン付着を実施するために必要である。スピンコートは、当業者が既知の手段を使用して塗布される。例えば、正確な少量の染料は、ラジアルラインに配置して、ディスクを固定そして次に回転して正確な塗布領域を作る。通常のスピン塗布は、第1の速度への加速の第1のランプ、第1の速度での第1の休止時間、第2の速度への加速の第2のランプ、第2の速度での第2の休止時間、第3の速度への加速の第3のランプ、第3の速度での第3の休止時間、減速、及び後状態調節(一定の温度で一定の時間のベーキング/乾燥/硬化)を必要とする。そのスピンの分布は、必要な皮膜を生成するために制御することが有利である。かかる保護材料が完成した光媒体の他の露出面上に配置されるときには、その保護材料は光媒体の取扱のために保護材料の磨耗に対して保護するために塗布することが望ましい。従って、保護材料が完成した光ディスクのレーザ入射表面に塗布されるときには、かかる表面から保護染料の磨耗又は除去を防ぐために保護材料の上に硬質皮膜を配置することが有利である。
【0109】
光媒体のラッカー塗り、第2の基板(DVD)の付加及び/又はラベルの付加の前に、ピット表面上へ塗布される。かかる材料の後者の付加は保護材料のはがれ及び劣化を防ぐ助けをする。保護材料上の被覆は、さらにGEろ過用ポリカーボネートのような特殊のろ過材料から成る。
【0110】
過渡光状態変化保護材料はピット/ランドの表面に配置される。一実施態様において、ピット/ランドの配置は、ディスクの焦点面に染料付着を受け入れる必要のあるピットの形状寸法を利用する。原子力顕微鏡検査(AFM)のような技術を利用して寸法を調べる。特定の保護材料用の最適のピットの形状寸法は、その材料が可変ピット深さを有する表面上にスピンコーティングすることによって決定される、どのピットが、例えば、顕微鏡によってその材料を含有するのか、そして実際にそれらに染料無しに、及びエラー無しに再生させることができるかを決定する。次に、その材料及び決定したピットの形状寸法を備えた光媒体を検査して、二重のデータ状態(エラーから有効へ、又は有効からエラーへ)が作成されたかどうかを決定する。
【0111】
例えば、限定無しに、CD用の可変ピット深さのガラスマスターは、擬似ランダム使用者データの50MBを含有する公称深さのトラックを除いて、不規則な順序で13ステップを形成することに関して350nm厚さのホトレジスト及びLBR(レーザビーム記録装置)パワーステップシリーズを使用して次のように作る:160nm(公称ピット深さ)、120nm、150nm、180nm、160nm(公称)、3000nm、320nm、350nm、160nm(公称)、210nm、240nm、270nm、160nm(公称)。同様に、DVD用の可変ピット深さのマスターは、公称深さトラックを除いて、不規則な順序で13ステップを形成することに関して200nm厚さのホトレジスト及びLBR(レーザビーム記録装置)パワーステップシリーズを使用して次のように作る(その場合の各トラックは、擬似ランダム使用者データの50MBを含有する):105nm(公称)、80nm、95nm、110nm、105nm(公称)、125nm、140nm、155nm、105nm、170nm、185nm、200nm、105nm(公称)。それらのディスクは、過渡光状態変化保護材料、決定された材料を取入れたピット深さ、及び光媒体が完成したとき(金属化、ラッカー塗り、等)にその材料無しで読取り時の影響があるかどうか分析したかかる寸法のピットから成る。
【0112】
レーザ読取り側からの検出は、基板に1つ以上の深いピットを含むことによって高められる、該ピットは深い多ピットを形成するように設計したマスターを使用して作られる。検出は深いピットの形状寸法を最適化することによっても改善される。可変ピット深さガラスマスターが作られる。例えば,350nm厚さのホトレジスト及びLBRパワーステップシリーズを利用して擬似ランダム使用者データ用の公称深さのトラックを含む異なるステップを作る。
【0113】
それらのピットは、ディスクの外5mmに、又はリードアウト領域にのみに配置することが有利である。かかる場合、ディスクの外部分、又はリードアウト領域のみをコーティングする必要がある。
金属化の前に深いピットに関して保護材料の配置によって干渉計を形成するために深いピットを使用することもできる。
【0114】
光ディスクのリードアウト領域に過渡光状態変化保護材料の配置
上記のように、光ディスクのリードアウト領域は最後の情報トラックを越えた領域である。リードアウト領域における主チャネルはゼロの情報を含む。DVDのリードアウト領域は、平行トラック経路のディスク用の単層ディスクにおけるデータ領域の外側に1.0mm幅又はそれ以上に隣接した物理的領域から成る、又はその領域は反対のトラック経路のディスク用の層1におけるデータ領域の内側に1.2mm幅又はそれ以上に隣接した物理的領域から成る。
【0115】
過渡光状態変化保護材料は、リードアウト領域に600ミクロン以下のスポットで配置されて、アルゴリズム制御によって典型的な光読取装置のPUHによって検出される。その材料のかかる領域への配置は、材料がデータ領域に配置される場合にECC訂正コードを説明する必要を少なくする、又は材料がディスクのリードイン領域に配置される場合にディスク読取りの目次の改悪及びその後の破損を減じる。
【0116】
延長ピットに沿って干渉計を形成するための金属化前の成形時に延長ピットを形成しているポリカーボネートに過渡光状態変化保護材料の配置
過渡光状態変化保護材料は、予め決めた場所においてポリカーボネート中に成形された1つ以上のランドの側面に立つ深いピット(読取り側からのバンプ)中に導入される。それらのピットは、拡大バンプの間に干渉計を形成することに関して、読取り側から見たときに、過渡光状態変化保護材料を入射読取りレーザビームに暴露するときに光読取装置のPUHによる読取りに対して十分に反射しない深さの構造にする。
【0117】
従って、このシステムは次の2つの構成要素を利用する:ポリカーボネート全体に分布された過渡光状態変化保護材料、及びファブリー・ペロー型(FPI)干渉計。
FPIはソースへ反射して戻る光の量を変えることによって作動する。この変化は、干渉計に入る光の強度及び波長に依存する。FPIの物理的構造は、読取り側からみたとき、1つ以上のランドの側面に立つ深いピットを作ることによって型押し工程中に果たされる。ガラスマスターは、かかる伸張深さのピットを作るために有利に改良される。その深いピットはFPIの壁として作用するが、底部の反射性ランドは主反射表面として作用する。過渡光状態変化保護材料を慎重に選択することによって、一組の条件(強度、波長、角度)下ではソースに戻るかなりな反射率があるが、第2組の条件下では、ソースに戻る反射される光は著しく少ない。これら2つの状態はポリカーボネート(PC)に配置された保護材料によって駆動される。
【0118】
PCに配置された化合物は上記条件の一つを満たすために必要である。角度は光媒体の一片に固定されるから、その化合物は強さ又は波長を反映しなければならない。これは、特定の波長で光エネルギーに暴露されるときに吸収率又は波長における変化を示す化合物で行うことができる。加熱時に性質を変える化合物も、ディスクの読みやすさを妨げることなく読取りレーザから十分な熱が吸収できるならば利用できる。この化合物の変化速度も、読取り及び再読取りの今日の光ドライブが与える速度での使用にふさわしくなければならない。状態を余り速く変化させる化合物は、PUH(=OPUの光ピックアップユニット)に両方の状態を観察させることができない。余り遅く状態を変化させる化合物は、消費者に許容されず、又はエネルギー損失の速度とエネルギー獲得の速度が等しいために少しも変化しない。
【0119】
干渉計が適切に製造され、過渡光状態変化保護材料が選択されるならば、PCにおける材料はPUHに対して本質的に透明であって、全てのデータは1つの状態で読取ることができる。十分なエルギーがその材料によって吸収されたならば、その透明度は低下し、屈折率における少しの変化をもたらす。透過率が低下する第2の状態において、性質が設計されるならば、FPI用の入力エネルギーの限界値がクロスするように作ることができ、極めて少しの信号が反射する。PCにおける保護材料及びその濃度を慎重に選択することによって、かかるデータを読取ることができるように光データ構造に十分なエネルギーをもたらすことができる。一方、その材料が読取りビームによって活性化されるときにRIが変化するならば、保護材料、その濃度、及びピットの深さ(非読取り側から)は、FPI限界値をクロスして反射率の低下をもたらす波長における変化をもたらさなければならないが、その波長の変化は公称サイズの光データ構造がなお解決されるように十分小さくなければならない。自動利得制御(AGC)がATIP情報に基づいて不適切に呼び出されるならば、ディスクは実行できなければならないことを留意すべきである。
【0120】
光媒体からなる基板の間に過渡光状態変化保護材料の配置
染料は、例えば、GE社によって製造されるような周囲保護性ポリカーボネートの基板の間に付着及び封入される。かかる配置は、光ハードコーティングを排除し、既存の製造法を使用し、保護を提供し、読取りレーザ光のパワー密度が、例えば、ピット表面から0.6mmで1.2mmの場合より大であるために使用できる可能な染料化学を発展させる。図5は、2つの基板の間の過渡光状態変化保護材料から成る光媒体の横断面図を示す。
【0121】
以上、本発明は望ましい実施態様に関して記載されたが、種々の変化及び/又は改良が特許請求の範囲に規定されている発明の精神又は範囲を逸脱することなく発明できることを当業者は容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】読出し表面から見た先行技術によるコンパクトディスクの基本的な物理的仕様を示す。
【図2】先行技術によるコンパクトディスクの横断面図を示す。
【図3】先行技術によるNRZI波形及びその対応する2進シーケンスを示す。
【図4A】無色(1)から着色(2)の形態に定量的に変換後、Aberchome 540の1x10−4モル溶液の紫外及び可視スペクトルを模式的に示す。
【図4B】無色(1)から着色(2)の形態に定量的に変換後、Aberchome 540の1x10−4モル溶液の屈折率のスペクトルを模式的に示す
【図5】2つの基板の間の過渡光状態変化保護材料から成る光媒体実施態様の横断面図を示す。
【図6】約400nm〜840nmの波長によって衝突されたときに光状態変化を示すように設計された本発明用のチアジン化合物を示す。
【図7】反射層、染料層及び透明基板を有する本発明の多層光ディスクの実施態様を示す。
【符号の説明】
【0123】
20 ピット
22 染料の不活性化部分
26 ランド
28 ランド
30 反射層
32 染料層
34 透明基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の工程から成ることを特徴とする多数のデータ情報を有する光媒体を確認する方法:
(1)前記光媒体の一部上に相補データを提供する工程;
(2)前記光媒体の前記部分上の前記相補データ状態を検出する工程;及び
(3)前記光媒体の前記部分上の前記相補データ状態の検出の際に前記光媒体を相補する工程。
【請求項2】
前記相補データ状態が、1つの有効データ状態から異なる有効データ状態への変化を必要とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記相補データ状態が、1つのエラーデータ状態から異なるエラーデータ状態への変化を必要とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記相補データ状態が、有効データ状態から異なるエラーデータ状態への変化を必要とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記相補データ状態が、エラーデータ状態から有効デーデータ状態への変化を必要とする請求項1記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−176925(P2008−176925A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−99966(P2008−99966)
【出願日】平成20年4月8日(2008.4.8)
【分割の表示】特願2004−514063(P2004−514063)の分割
【原出願日】平成15年4月17日(2003.4.17)
【出願人】(504220362)ベリフィケイション テクノロジーズ インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】