説明

読取装置、読取システム、およびプログラム

【課題】従来のコード読取装置では、情報の誤読が発生した原因を分析する際、新たに撮像した画像から情報を読み取っているため、実際に情報の誤読が発生した画像とは異なる条件で画像が撮像されていると、情報の誤読が再現されず、実際に情報を誤読した状況が分からない。
【解決手段】実施形態の読取装置は、予め設定されたフレームレートで画像を撮像する撮像部と、前記撮像された画像から情報を読み取る読取手段と、前記撮像された画像を記憶部に記憶させるものであって、前記撮像された画像のうち前記情報が読み取られた画像に、当該画像から読み取られた情報を対応付けて前記記憶部に記憶させる記憶制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、読取装置、読取システム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品に付されたデータコード等の画像をイメージセンサデバイスにより光学的に撮像し、撮像した画像からデータコード等の情報を読み取るコード読取装置がある。このようなコード読取装置は、撮像した画像からの情報の読取結果を記憶媒体に保存している。これにより、記憶媒体に保存された読取結果を参照することで、情報の誤読の発生を検知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−181499公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のコード読取装置では、情報の誤読が発生した場合、情報の誤読を再現するために、画像の撮像および当該撮像した画像からの情報の読み取りを何度も行うことにより、情報の誤読が発生した原因の分析を行っている。しかしながら、従来のコード読取装置では、情報の誤読が発生した原因を分析する際、新たに撮像した画像から情報を読み取っているため、実際に情報の誤読が発生した画像とは異なる条件で画像が撮像されていると、情報の誤読が再現されず、実際に情報を誤読した状況が分からない、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の読取装置は、予め設定されたフレームレートで画像を撮像する撮像部と、前記撮像された画像から情報を読み取る読取手段と、前記撮像された画像を記憶部に記憶させるものであって、前記撮像された画像のうち前記情報が読み取られた画像に、当該画像から読み取られた情報を対応付けて前記記憶部に記憶させる記憶制御手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】チェックアウトシステムを示す斜視図。
【図2】POS端末および商品読取装置のハードウェア構成を示すブロック図。
【図3】PLUファイルのデータ構成を例示する概念図。
【図4】POS端末および商品読取装置の機能構成を示すブロック図。
【図5】フレーム画像および当該フレーム画像から読み取った情報の記憶動作を説明するための図。
【図6】本実施形態にかかるチェックアウトシステムの動作の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、チェックアウトシステムを例に本実施形態にかかる読取装置、読取システム、およびプログラムについて、図面を参照して説明する。読取システムは、一取引にかかる商品の登録、精算を行うPOS(Point Of Sales)端末を備えるチェックアウトシステム(POSシステム)などである。本実施形態は、スーパーマーケット等の店舗に導入されたチェックアウトシステムへの適用例である。
【0008】
図1は、チェックアウトシステムを示す斜視図である。図1に示すように、チェックアウトシステム1は、一取引にかかる商品の登録、精算を行うPOS端末11を備える。チェックアウトシステム1は、チェックアウト台51上のドロワ21上面にPOS端末11を載置している。POS端末11は、ドロワ21の開放動作を制御する。POS端末11は、オペレータ(ユーザ)によって押下操作されるキーボード22を上面に配置している。また、POS端末11は、キーボード22を操作するオペレータから見てキーボード22よりも奥側に、オペレータに向けて情報を表示する表示デバイス23を設けている。表示デバイス23は、その表示面23aに情報を表示する。また、表示デバイス23は、表示面23aに、タッチパネル26を積層配置している。POS端末11は、表示デバイス23よりもさらに奥側に、顧客用表示デバイス24を回転自在に立設している。顧客用表示デバイス24は、その表示面24aに情報を表示する。なお、図1に示す顧客用表示デバイス24は、表示面24aを図1中手前側に向けているが、表示面24aが図1中奥側に向くように顧客用表示デバイス24を回転させることによって、顧客用表示デバイス24は顧客に向けて情報を表示する。
【0009】
チェックアウトシステム1は、POS端末11が載置されているチェックアウト台51とL字を形成するようにして、横長テーブル状のカウンタ台151を配置している。カウンタ台151は、上面に、商品Aを収納する買物カゴ153が載置される荷受面152を有している。買物カゴ153は、顧客によって持ち込まれる第1の買物カゴ153aと、第1の買物カゴ153aから商品読取装置101を挟んだ位置に位置付けられる第2の買物カゴ153bとに分けて考えることができる。
【0010】
チェックアウトシステム1は、カウンタ台151の荷受面152に、POS端末11とデータ送受信自在に接続された商品読取装置101を設置している。商品読取装置101は、薄型矩形形状のハウジング102を備える。商品読取装置101は、ハウジング102の正面に、読取窓103を配置している。また、商品読取装置101は、ハウジング102の上部に、表示・操作部104を取り付けている。表示・操作部104は、タッチパネル105が表面に積層された表示デバイス106を有している。表示デバイス106の右隣にはキーボード107が配設されている。また、表示・操作部104は、キーボード107の右隣に、図示しないカードリーダのカード読取溝108を有している。さらに、表示・操作部104は、オペレータから見て表示・操作部104の裏面左奥側に、顧客に情報を提供するための顧客用表示デバイス109を有している。
【0011】
このような商品読取装置101は、商品読取部110(図2参照)を備えている。商品読取部110は、読取窓103の奥側に撮像部164(図2参照)を配置している。
【0012】
顧客によって持ち込まれた第1の買物カゴ153aは、一取引にかかる商品Aを収納している。オペレータは、第1の買物カゴ153aに収納されている商品Aを、第2の買物カゴ153bへと移動する。そして、オペレータは、第1の買物カゴ153aから第2の買物カゴ153bへの移動過程で、商品Aを商品読取装置101の読取窓103に向ける。この際、読取窓103の奥側に配置された撮像部164(図2参照)は、商品Aを撮像する。商品読取装置101では、撮像部164により撮像された画像をPOS端末11に出力する。POS端末11では、商品読取装置101から出力された画像から、商品Aを特定する商品ID等の情報を読み取る。そして、POS端末11は、PLUファイルF1(図3参照)を参照して、読み取った商品IDにより特定される商品Aの商品分類、商品名、単価などの売上登録にかかる情報を、売上マスタファイル(図示しない)などに記録して売上登録を行う。
【0013】
図2は、POS端末および商品読取装置のハードウェア構成を示すブロック図である。POS端末11は、情報処理を実行する情報処理部としてのマイクロコンピュータ60を備える。マイクロコンピュータ60は、各種演算処理を実行し各部を制御するCPU(Central Processing Unit)61に、ROM(Read Only Memory)62とRAM(Random Access Memory)63とをバス接続している。
【0014】
POS端末11は、CPU61に、前述したドロワ21、キーボード22、表示デバイス23、タッチパネル26、および顧客用表示デバイス24をいずれも各種の入出力回路(いずれも図示せず)を介して接続している。そして、CPU61は、ドロワ21、キーボード22、表示デバイス23、タッチパネル26、および顧客用表示デバイス24を制御する。
【0015】
キーボード22は、「1」、「2」、「3」…等の数字や「×」という乗算の演算子が上面に表示されているテンキー22d、仮締めキー22e、および締めキー22fを含む。
【0016】
POS端末11は、CPU61に、HDD(Hard Disk Drive)64を接続している。HDD64は、プログラムや各種ファイルを記憶している。CPU61は、POS端末11の起動時に、HDD64に記憶されているプログラムや各種ファイルの全部又は一部をRAM63にコピーして順次実行する。HDD64に記憶されているプログラムの一例は、商品販売データ処理用のプログラムPRである。HDD64に記憶されているファイルの一例は、ストアコンピュータSCから配信されて格納されているPLUファイルF1である。
【0017】
PLUファイルF1は、店舗に陳列して販売する商品Aの各々について、商品Aの売上登録にかかる情報と、その商品Aの画像との関連付けが設定されたファイルである。図3は、PLUファイルのデータ構成を例示する概念図である。図3に示すように、PLUファイルF1は、商品Aごとに、ユニークに割り当てられた商品ID、商品Aが属する商品分類、商品名、単価などの商品Aの売上登録にかかる情報と、商品Aを撮像した商品画像と、を格納するファイルである。
【0018】
図2に戻り、POS端末11は、CPU61に、ストアコンピュータSCとデータ通信を実行するための通信インターフェース25を入出力回路(図示せず)を介して接続している。ストアコンピュータSCは、店舗のバックヤード等に設置されている。ストアコンピュータSCのHDD(図示せず)は、POS端末11に配信されるPLUファイルF1を格納している。
【0019】
さらに、POS端末11は、CPU61に、商品読取装置101との間でデータを送受信するための接続インターフェース65を接続している。接続インターフェース65には、商品読取装置101が接続されている。また、POS端末11は、CPU61に、レシートなどに印字を行うプリンタ66を接続している。プリンタ66は、CPU61の制御のもと、一取引の取引内容をレシートに印字する。
【0020】
商品読取装置101も、マイクロコンピュータ160を備える。マイクロコンピュータ160は、CPU161にROM162とRAM163とをバス接続している。ROM162は、CPU161によって実行されるプログラムを記憶している。商品読取装置101は、CPU161に、各種の入出力回路(いずれの図示せず)を介して、撮像部164および音声出力部165をCPU161に接続している。CPU161は、撮像部164および音声出力部165の動作を制御する。商品読取装置101は、表示・操作部104を、接続インターフェース176を介してPOS端末11に接続している。POS端末11のCPU61は、表示・操作部104の動作を制御する。
【0021】
撮像部164は、カラーCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやカラーCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどであり、CPU161の制御の下で、予め設定されたフレームレートで、読取窓103から画像を撮像する。例えば、撮像部164は、30fpsの動画像の撮像を行う。そして、撮像部164は、予め設定されたフレームレートで順次撮像したフレーム画像を、RAM163に保存する。本実施形態では、撮像部164は、オペレータによって読取窓103に商品Aが向けられたか否かに関わらず、予め設定されたフレームレートでフレーム画像を撮像する。そのため、撮像されたフレーム画像には、商品Aの画像が含まれていない画像が含まれている。
【0022】
音声出力部165は、予め設定された警告音などを発生するための音声回路とスピーカなどである。音声出力部165は、CPU161の制御の下で警告音などの音声による報知を行う。
【0023】
さらに、商品読取装置101は、CPU161に、POS端末11の接続インターフェース65に接続して、POS端末11との間でデータ送受信を可能にする接続インターフェース175を接続している。CPU161は、商品読取装置101の撮像部164によって撮像されたフレーム画像(商品Aの全部または一部を含む画像)を、接続インターフェース175を介して出力し、接続インターフェース65を介してPOS端末11に入力する。
【0024】
次に、CPU161、CPU61がプログラムを順次実行することで実現されるCPU161、CPU61の機能部について、図4を参照して説明する。図4は、POS端末および商品読取装置の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、CPU161は、プログラムを順次実行することにより、撮像画像取込部401、および画像出力部402としての機能を備える。同様に、CPU61は、読取部403、記憶制御部404、および商品登録部405としての機能を備える。
【0025】
撮像画像取込部401は、撮像部164に撮像オン信号を出力して撮像部164に撮像動作を開始させる。撮像画像取込部401は、撮像動作開始後に撮像部164が撮像してRAM163に保存されたフレーム画像を順次取り込む。撮像画像取込部401によるフレーム画像の取り込みは、RAM163に保存された順に行われる。
【0026】
画像出力部402は、接続インターフェース175を介して、撮像画像取込部401が取り込んだフレーム画像を逐次POS端末11へ出力する。
【0027】
読取部403は、画像出力部402により出力された順に(つまり、撮像部164により撮像された順に)、撮像画像取込部401により取り込まれたフレーム画像から、商品Aを特定する商品IDや、商品Aの購入に対して付与する値引き値等のサービスを示すサービス情報などの情報を読み取る。本実施形態では、読取窓103に商品Aが向けられたか否かに関わらずフレーム画像の撮像が行われるため、読取部403は、撮像部164により撮像された全てのフレーム画像から情報を読み取る。言い換えると、読取部403は、撮像されたフレーム画像に、商品Aが含まれているか否かに関わらず情報を読み取る。
【0028】
具体的には、読取部403は、取り込んだフレーム画像に含まれるバーコードやQRコード(登録商標)等のコードシンボルの画像を検出する。次いで、読取部403は、検出したコードシンボルの画像から商品Aの商品IDを読み取る。例えば、フレーム画像に含まれるバーコードから商品IDを読み取る場合、読取部403は、まず、撮像部164により撮像されたフレーム画像を2値化する。そして、読取部403は、2値化したデータ内にバーコードに関するデータ領域が存在するか否かを検出する。読取部403は、撮像されたフレーム画像においてバーコードに関するデータ領域を検出した場合には、バーコードに関するデータ領域をデコードしたバーコードデータ(JANコード)を、商品Aの商品IDとして読み取る。バーコードデータは、メーカーコードや、商品IDや、チェックデジット等を含んでいる。
【0029】
また、読取部403は、撮像部164により撮像されたフレーム画像に対して、OCR(Optical Character Reader)等の文字認識を実行することにより、商品Aに付された値引きシール等に印字された値引き値等を、サービス情報として読み取ることもできる。
【0030】
なお、本実施形態では、読取部403は、撮像部164により撮像されたフレーム画像に含まれるコードシンボルから、商品Aを特定する情報として商品IDを読み取っているが、これに限定するものではない。例えば、読取部403は、HDD64に格納されたPLUファイルF1の商品画像を参照して、撮像されたフレーム画像に含まれる商品Aの全部または一部の画像から、特徴量として色合いや表面の凹凸状況等の表面の状態を読み取ることによって特定の物体として商品Aを認識する。そして、読取部403は、PLUファイルF1から、認識した商品Aの商品画像と対応付けられた商品IDを読み出すことにより、取り込まれたフレーム画像から商品IDを読み取る処理を実現しても良い。なお、読取部403は、処理時間の短縮を図るため、商品Aの輪郭や大きさは考慮しないものとする。
【0031】
このように画像中に含まれる物体を認識することは一般物体認識(Generic Object Recognition)と呼ばれている。このような一般物体認識については、下記の文献において各種認識技術が解説されている。
【0032】
柳井 啓司,“一般物体認識の現状と今後”,情報処理学会論文誌,Vol.48,No.SIG16 [平成22年8月10日検索],インターネット<URL: http://mm.cs.uec.ac.jp/IPSJ-TCVIM-Yanai.pdf >
また、画像をオブジェクトごとに領域分割することによって一般物体認識を行う技術が、下記の文献において解説されている。
【0033】
Jamie Shottonら,“Semantic Texton Forests for Image Categorization and Segmentation”,[平成22年8月10日検索],インターネット<URL: http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.145.3036&rep=rep1&type=pdf >
記憶制御部404は、画像出力部402により出力されたフレーム画像(すなわち、撮像部164により撮像されたフレーム画像)をHDD64に記憶させるものであって、撮像されたフレーム画像のうち読取部403により情報が読み取られたフレーム画像を、当該フレーム画像から読み取った情報と対応付けてHDD64に記憶させる。
【0034】
本実施形態では、記憶制御部404は、撮像部164により撮像されたフレーム画像のうち読取部403により情報が読み取られたフレーム画像を、当該フレーム画像から読み取られた情報と対応付けてHDD64に記憶させるものとする。これにより、情報が読み取られなかったフレーム画像がHDD64に記憶されるのを防止できるので、HDD64に記憶されるフレーム画像の量を削減することができる。
【0035】
なお、本実施形態では、記憶制御部404は、撮像されたフレーム画像および当該フレーム画像から読み取った情報を、POS端末11のHDD64に記憶させているが、これに限定するものではなく、通信インターフェース25を介して、POS端末11の上位のシステムであるストアコンピュータSCに、撮像されたフレーム画像および当該フレーム画像から読み取った情報を伝達して、ストアコンピュータSCが備えるHDDなどの記憶部に、撮像されたフレーム画像および当該フレーム画像から読み取った情報を記憶させても良い。または、記憶制御部404は、一日に一度、撮像されたフレーム画像と当該フレーム画像のタイムスタンプと当該フレーム画像から読み取った情報とを関連付けたファイルを作成し、作成したファイルをストアコンピュータSCに送信して、ストアコンピュータSCの記憶部に記憶させても良い。
【0036】
商品登録部405は、読取部403により読み取った商品IDにより特定される商品Aの売上登録にかかる情報、すなわち、PLUファイルF1において、読取部403により読み取った商品IDと対応付けられた商品分類、商品名、単価などの商品Aの売上登録にかかる情報を売上マスタファイルに記録して売上登録を行う。
【0037】
図5は、フレーム画像および当該フレーム画像から読み取った情報の記憶動作を説明するための図である。7つの画像01〜07(フレーム画像)が画像01〜07の順に撮像された場合、読取部403は、撮像された順に従って画像01〜07からのJANコードのデコードを実行する。そして、画像02に含まれるバーコードからJANコードがデコードされた場合、記憶制御部404は、画像02と当該画像02に含まれるバーコードからデコードされたJANコードとを対応付けてHDD64に記憶させる。
【0038】
また、画像04から商品Aに付されたバーコードからJANコードの一部の情報が読み取られ、画像05から当該商品Aに付されたバーコードからJANコードの残り情報が読み取られ、画像04から読み取られた情報と画像05から読み取られた情報によりJANコードがデコードされた場合、記憶制御部404は、画像04と、画像05と、画像04から読み取られた情報および画像05から読み取られた情報によってデコードされたJANコードと、を対応付けて、HDD64に記憶させる。
【0039】
さらに、記憶制御部404は、画像01〜07のうちJANコードが読み取られなかった画像01,03,06,07をHDD64に記憶させずに破棄する。これにより、誤読が発生した場合に分析が行われないフレーム画像、つまり、読取部403によって情報が読み取られなかった画像を、HDD64に記憶させずに済むため、HDD64に記憶させるフレーム画像の量を減らすことができる。なお、図5に示す記憶動作においては、画像04および画像05の2つの画像から読み取られた情報によりJANコードをデコードする場合について記載しているが、2つの画像を基にJANコードをデコードする場合に限定するものではなく、2以上の画像から読み取られた情報によりJANコードをデコードする場合にも適用することができる。この場合、記憶制御部404は、JANコードのデコードに使用した2以上の画像と、当該2以上の画像から読み取られた情報によってデコードされたJANコードとを対応付けて、HDD64に記憶させるものとする。
【0040】
次に、チェックアウトシステム1の動作の流れについて説明する。図6は、本実施形態にかかるチェックアウトシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0041】
先ず、商品読取装置101側の動作について説明する。図6に示すように、POS端末11による商品登録の開始などに応じて処理が開始されると、撮像画像取込部401は、撮像部164に撮像オン信号を出力して撮像部164による撮像を開始する(Act601)。次いで、撮像画像取込部401は、撮像部164が撮像してRAM163に保存されたフレーム画像を取り込む(Act602)。次いで、画像出力部402は、撮像画像取込部401により取り込まれたフレーム画像を、取り込まれた順に逐次POS端末11へ出力する(Act603)。
【0042】
次いで、CPU161は、POS端末11から商品登録の終了通知などによる業務終了の有無を判定する(Act604)。業務を継続する場合(Act604のNo)、CPU161は、Act602へ処理を戻して処理を継続させる。業務を終了する場合(Act604のYes)、撮像画像取込部401は、撮像部164に撮像オフ信号を出力して撮像部164による撮像を終了し(Act605)、処理を終了する。
【0043】
次に、POS端末11側の動作について説明する。図6に示すように、キーボード22の操作指示による商品登録の開始などに応じて処理が開始されると、CPU61は、商品読取装置101から出力された、フレーム画像を受信する(Act606)。次いで、読取部403は、画像出力部402から出力された順に、撮像画像取込部401により取り込まれたフレーム画像から、商品IDやサービス情報などの情報を読み取る(Act607)。
【0044】
そして、記憶制御部404は、撮像画像取込部401により取り込まれたフレーム画像のうち、読取部403により情報が読み取られたフレーム画像を、当該フレーム画像から読み取られた情報と対応付けてHDD64に記憶させる(Act608)。
【0045】
次いで、商品登録部405が、HDD64に記憶されたPLUファイルF1を参照して、読取部403により読み取られた商品IDと対応付けられた売上登録にかかる情報を読み出し、読み出した売上登録にかかる情報を売上マスタファイルに記録して、商品Aの売上登録を行う(Act609)。なお、商品登録部405は、読取部403によりフレーム画像からサービス情報が読み取られた場合には、売上登録にかかる情報にサービス情報を付加して売上マスタファイルに記録する。
【0046】
次いで、CPU61は、キーボード22の操作指示による売上登録の終了などによる業務終了の有無を判定する(Act610)。業務を継続する場合(Act610のNo)、CPU61は、Act606へ処理を戻して処理を継続させる。業務を終了する場合(Act610のYes)、CPU61は処理を終了する。
【0047】
このように本実施形態にかかるチェックアウトシステム1によれば、フレーム画像を撮像する撮像部164と、撮像されたフレーム画像から情報を読み取る読取部403と、撮像されたフレーム画像をHDD64に記憶させるものであって、撮像されたフレーム画像のうち情報が読み取られたフレーム画像に、当該フレーム画像から読み取られた情報を対応付けてHDD64に記憶させる記憶制御部404と、を備えることにより、情報の誤読が発生して、当該誤読の原因を分析する際に、誤読された情報と対応付けて記憶されたフレーム画像を使用して誤読が発生した原因を分析できるので、誤読が発生した場合の分析が容易になる。
【0048】
本実施形態のPOS端末11、商品読取装置101で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施形態のPOS端末11、商品読取装置101で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良い。
【0049】
さらに、本実施形態のPOS端末11、商品読取装置101で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のPOS端末11、商品読取装置101で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0050】
本実施形態のPOS端末11で実行されるプログラムは、上述した各部(読取部403、記憶制御部404、商品登録部405など)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、読取部403、記憶制御部404、商品登録部405が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0051】
本実施形態の商品読取装置101で実行されるプログラムは、上述した各部(撮像画像取込部401、画像出力部402)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、撮像画像取込部401、画像出力部402が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0052】
なお、本実施形態においては、POS端末11側に読取部403、記憶制御部404、商品登録部405を備えるようにしたが、これに限るものではなく、商品読取装置101側に読取部403、記憶制御部404、商品登録部405を備えるようにしても良い。
【0053】
また、本実施形態においては、商品読取装置101側に撮像画像取込部401、画像出力部402を備えるようにしたが、これに限るものではなく、POS端末11側に撮像画像取込部401、画像出力部402を備えるようにしても良い。
【0054】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0055】
1 チェックアウトシステム
11 POS端末
64 HDD
101 商品読取装置
164 撮像部
403 読取部
404 記憶制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定されたフレームレートで画像を撮像する撮像部と、
前記撮像された画像から情報を読み取る読取手段と、
前記撮像された画像を記憶部に記憶させるものであって、前記撮像された画像のうち前記情報が読み取られた画像に、当該画像から読み取られた情報を対応付けて前記記憶部に記憶させる記憶制御手段と、
を備えた読取装置。
【請求項2】
前記記憶制御手段は、前記撮像された画像のうち前記情報が読み取られた画像を前記記憶部に記憶させる請求項1に記載の読取装置。
【請求項3】
予め設定されたフレームレートで画像を撮像する撮像部と、
前記撮像された画像から情報を読み取る読取手段と、
前記撮像された画像を記憶する記憶部と、
前記撮像された画像のうち前記情報が読み取られた画像に、当該画像から読み取られた情報を対応付けて前記記憶部に記憶させる記憶制御手段と、
を備えた読取システム。
【請求項4】
前記記憶制御手段は、前記撮像された画像のうち前記情報が読み取られた画像を前記記憶部に記憶させる請求項3に記載の読取システム。
【請求項5】
コンピュータを、
予め設定されたフレームレートで撮像された画像を記憶部に記憶させるものであって、前記撮像された画像のうち、情報が読み取られた画像に、当該画像から読み取られた情報を対応付けて前記記憶部に記憶させる記憶制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
前記記憶制御手段は、前記撮像された画像のうち前記情報が読み取られた画像を前記記憶部に記憶させる請求項5に記載のプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−45203(P2013−45203A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181218(P2011−181218)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】