説明

読取補助台およびその読取補助台を用いた識別情報管理システム

【課題】情報表示体に表示された情報を情報読取装置に迅速に読み取らせる。
【解決手段】読取補助台30は、本体部31と、装置載置部32と、装置位置制限部33と、表示体載置部34と、表示体位置制限部35とを備える。本体部31は、装置載置部32および表示体載置部34を保持するものである。装置載置部32は、カメラ付携帯電話20aを載置する台である。装置位置制限部33は、装置載置部32におけるカメラ付携帯電話20aの位置を制限するものである。表示体載置部34は、識別情報表示体10を載置するための台である。表示体位置制限部35は、表示体載置部34における識別情報表示体10の位置を制限するものである。カメラレンズ20cと識別情報表示領域10aとの間の距離は、識別情報表示領域10aに表示された識別情報がカメラ付携帯電話20aにより読み取れる距離である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報読取装置により情報表示体から情報を読み取る際に用いられる読取補助台およびその読取補助台を用いた識別情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、QRコードを用いたシステムが多数登場している。QRコードは格納できる情報量が多く、数字だけでなく英字や漢字のデータも格納できるという利点があるためである。また、QRコードを読み込んでQRコードから情報を取得することのできるカメラ付携帯電話も登場してきている。このような中、QRコードおよびQRコードを読み込んでQRコードから情報を取得することのできるカメラ付携帯電話を用いた出退勤管理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この出退勤管理システムは、複数のPC(personal computer)と、複数のPCそれぞれに送信するためのQRコードを記憶したサーバと、QRコードを読み込んでQRコードから情報を取得することのできるカメラ付携帯電話から構成されている。PCから上記サーバにQRコード送信の要求があると、サーバはそのPCに対してIDおよびパスワードを要求する。IDおよびパスワードをそのPCからサーバに送信し、それがサーバに認証されるとそのPCにQRコードが送信されてPCの画面にQRコードが表示される。
【0004】
上記カメラ付携帯電話によりPCの画面に表示されたQRコードを読み取り、取得した情報をそのカメラ付携帯電話により上記サーバに送信する。そのカメラ付携帯電話から送信された情報を受信した上記サーバはその受信した時刻を出勤、または退社の時刻として管理する。
【特許文献1】特開2006−293957号公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従来技術では、PCの画面に表示されたQRコードをカメラ付携帯電話で読み込む際に、QRコードを読み込むことができる位置にカメラ付携帯電話を手で移動させる作業が必要になるが、その作業は煩雑である。QRコードを読み込むことができる位置にカメラ付携帯電話を迅速に位置させることができれば、QRコードおよびQRコードを読み込んでQRコードから情報を取得することのできるカメラ付携帯電話を用いたシステムを円滑に運用することができるため便利である。
【0006】
以上のことは、QRコードおよびQRコードを読み込んでQRコードから情報を取得することのできるカメラ付携帯電話を用いたシステムに限らず、所定の情報が表示された情報表示体およびその情報を読み取れる情報読取装置を用いたシステムにも言えることである。
【0007】
そこで、本発明は、情報表示体に表示された情報を情報読取装置に迅速に読み取らせる読取補助台を提供することを目的とする。また、その読取補助台を用いた識別情報管理システムを提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の識別情報管理システムは、ユニークな識別子を含む識別情報が表示された識別情報表示体から上記識別情報を読み取る識別情報読取部と、上記読み取った識別情報に基づいて上記識別情報を含むデータである識別情報データを生成して送信するデータ送信部とを備える識別情報読取装置と、上記識別情報読取装置を載置する装置載置部と、上記装置載置部における上記識別情報読取装置の位置を制限する装置位置制限部と、上記識別情報表示体を載置する表示体載置部と、上記表示体載置部における上記識別情報表示体の位置を制限する表示体位置制限部と、上記装置載置部および上記表示体載置部を保持する本体部とを備える読取補助台と、上記データ送信部より送信された識別情報データを受信するデータ受信部と、上記受信した識別情報データに基づいて上記識別情報データを受信した旨の情報である受信情報を上記識別子毎に生成する受信情報生成部と、上記受信情報生成部において識別子毎に生成された受信情報を保持する受信情報保持部とを備える識別情報管理データベースとを具備し、上記表示体位置制限部により位置を制限された上記表示体載置部における上記識別情報表示体の位置は、上記装置載置部において上記装置位置制限部により位置を制限された上記識別情報読取装置から上記識別情報を読み取り可能な範囲にあることを特徴とするものである。これにより、識別情報表示体に表示された識別情報を識別情報読取装置に迅速に読み取らせることができるため、識別情報管理システムを円滑に運用させるという作用をもたらす。
【0009】
また、本発明の識別情報管理システムにおいて、上記識別情報読取部は、上記識別情報表示体に表示された識別情報を撮像して画像データ化された識別情報である識別情報画像データを生成する撮像部と、上記生成された識別情報画像データを解析して上記識別情報画像データより上記識別情報を取得する識別情報取得部とを備えることを特徴とする。これにより、識別情報表示体に表示された識別情報を画像データ化した後に識別情報を取得させるという作用をもたらす。
【0010】
また、本発明の識別情報管理システムにおいて、上記識別情報は、上記ユニークな識別子および上記識別情報管理データベースに付与されたアドレスを少なくとも含む情報を表すQRコードとして上記識別情報表示体に表示され、上記識別情報読取装置は、上記QRコードを撮像することにより上記QRコードから上記識別情報を読み取る機能および上記識別情報データを生成して送信する機能を備えたカメラ付携帯電話であり、上記カメラ付携帯電話は、上記識別情報表示体に表示されたQRコードから読み取った上記ユニークな識別子および上記アドレスに基づいて上記識別情報管理データベースに上記識別情報データを送信し、上記受信情報生成部は、上記受信情報として上記識別情報データを受信した日時を上記ユニークな識別子毎に生成することを特徴とする。これにより、識別情報読取装置として、QRコードを読み込んでそのQRコードから情報を取得することのできるカメラ付携帯電話を採用して識別情報管理システムを運用させるという作用をもたらす。識別情報読取装置として、QRコードを読み込んでそのQRコードから情報を取得することのできるカメラ付携帯電話を採用すれば、QRコードを読み込んでそのQRコードから情報を取得することのできるカメラ付携帯電話は安価で入手が容易であるため、識別情報管理システムの導入の際のコストを低減することが可能となる。
【0011】
また、本発明の識別情報管理システムにおいて、上記識別情報データは、上記識別情報読取装置に付与されたユニークな装置識別子をさらに含み、上記識別情報管理データベースは、少なくとも1つの装置識別子を保持する装置識別子テーブルと、上記受信した識別情報データに含まれる上記ユニークな装置識別子が上記装置識別子テーブルに含まれるか否かを判別して、上記受信した識別情報データに含まれる上記ユニークな装置識別子が上記装置識別子テーブルに含まれる場合には上記受信情報生成部に上記識別情報データを供給する装置識別子判別部とをさらに備えることを特徴とする。これにより、識別情報管理データベースに許可された識別情報読取装置から送信された識別情報データのみを識別情報管理データベースに処理させるという作用をもたらす。以上の構成により、不正に送信された識別情報データを排除することができるため、識別情報管理システムの安全な運用に資する。
【0012】
また、本発明の読取補助台は、所定の情報が表示された情報表示体および上記情報表示体から上記情報を読み取る情報読取装置を載置する読取補助台であって、上記情報読取装置を載置する装置載置部と、上記装置載置部における上記情報読取装置の位置を制限する装置位置制限部と、上記情報表示体を載置する表示体載置部と、上記表示体載置部における上記情報表示体の位置を制限する表示体位置制限部と上記装置載置部および上記表示体載置部を保持する本体部とを具備し、上記表示体位置制限部により位置を制限された上記表示体載置部における上記情報表示体の位置は、上記装置載置部において上記装置位置制限部により位置を制限された上記情報読取装置から上記情報を読み取り可能な範囲にあることを特徴とするものである。これにより、情報表示体に表示された情報を情報読取装置に迅速に読み取らせるという作用をもたらす。
【0013】
また、本発明の読取補助台において、上記本体部は、2つの側板により構成され、上記装置載置部および表示体載置部は、上記2つの側板によりその両側面を挟み込まれることにより上記本体部に保持され、上記装置位置制限部は、上記装置載置部における上記情報読取装置を載置する面に設けられ、上記表示体位置制限部は、上記表示体載置部における上記情報表示体を載置する面に設けられたことを特徴とする。これにより、情報表示体に表示された情報を情報読取装置に迅速に読み取らせるという作用をもたらす。
【0014】
また、本発明の読取補助台において、上記表示体位置制限部は、上記情報表示体を上側から抑えつける表示体抑え部と、上記表示体載置部における上記情報表示体を載置する面に設けられ、上記情報表示体の上記表示体載置部に沿った一方向への移動を制限する表示体ストッパ部とを備えたことを特徴とする。これにより、情報表示体を強固に固定させるという作用をもたらす。
【0015】
また、本発明の読取補助台において、上記本体部の所定の位置に上記情報表示体の表面を照らす光を供給する光供給部を設けたことを特徴とする。これにより、光が少ない場所であっても情報表示体に表示された情報を情報読取装置に迅速に読み取らせるという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、情報表示体に表示された情報を情報読取装置に迅速に読み取らせることができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態における識別情報管理システム100の一例を示す図である。識別情報管理システム100は、識別情報表示体10と、識別情報読取装置20と、読取補助台30と、ネットワーク網40と、識別情報管理データベース50とを備える。
【0019】
識別情報表示体10は、ユニークな識別子を含む識別情報が表示された表示体である。上記識別情報表示体10に表示されたユニークな識別子は、例えば本発明の識別情報管理システム100を利用する利用者IDとして取り扱うことが想定されるが、これに限るものではない。
【0020】
また、識別情報表示体10として、例えば識別情報をQRコードに変換して、そのQRコードを表示したカードが想定されるがこれに限るものではない。なお、本発明においてQRコードとは、白と黒の格子状のパターンで情報を表すマトリックス型二次元コードを言うものとする。
【0021】
識別情報読取装置20は、識別情報表示体10から識別情報を読み取るものである。また、識別情報読取装置20は、読み取った識別情報を含むデータ(以下、識別情報データと呼ぶ。)を生成して識別情報管理データベース50へネットワーク網40を介して送信する機能をも有する。そして、識別情報読取装置20におけるデータ送信は、無線方式および有線方式のいずれであってもよい。
【0022】
以上のように識別情報管理システム100において識別情報読取装置20から識別情報管理データベース50へ識別情報データを送信するという構成上、ユニークな識別子を含む識別情報に、さらに識別情報管理データベース50のアドレスを含ませることが想定される。この場合、識別情報読取装置20は、読み取った識別情報に含まれる識別情報管理データベース50のアドレスを宛先として識別情報データをネットワーク網40上に送信する。なお、識別情報に識別情報管理データベース50のアドレスを含ませない構成であってもよい。この場合、識別情報読取装置20に識別情報管理データベース50のアドレスを記憶させておくことになる。
【0023】
識別情報読取装置20としては、例えばQRコードを撮像することによりそのQRコードから情報を読み取って情報を取得する機能(以下、QRコード読取機能と呼ぶ。)、およびその読み取った情報を含む情報データを生成して送信する機能(以下、データ通信機能と呼ぶ。)を備えたカメラ付携帯電話が想定されるが、これに限るものではない。識別情報読取装置20として上記QRコード読取機能、およびデータ通信機能を備えたカメラ付携帯電話を用いれば、現在存在する安価な装置により識別情報管理システム100の一部を構成することができるため、識別情報管理システム100を導入する際のコストを低減することができる。
【0024】
読取補助台30は、識別情報表示体10および識別情報読取装置20をそれぞれ載置するための台である。読取補助台30の所定の位置に載置した識別情報表示体10は、読取補助台30の所定の位置に載置した識別情報読取装置20から読み取り可能な位置に位置する。
【0025】
読取補助台30を用いることにより、識別情報表示体10および識別情報読取装置20をそれぞれ読取補助台30に載置するだけで、識別情報読取装置20は識別情報表示体10から容易に識別情報を読み取ることができる。
【0026】
ネットワーク網40は、例えばインターネット網が想定されるが、これに限るものではない。すなわち、ネットワーク網40は、識別情報管理システム100において識別情報読取装置20と識別情報管理データベース50との間でデータの通信を可能とする全てのネットワーク網を含む。
【0027】
識別情報管理データベース50は、識別情報読取装置20から送信された識別情報データを受信して、例えば識別情報に含まれるユニークな識別子毎に識別情報データを受信した旨の情報(以下、受信情報と呼ぶ。)を生成して保持するものである。識別情報管理データベース50において保持されるユニークな識別子毎の受信情報として、例えばある識別子を含んだ識別情報データを受信した日時が想定されるが、これに限るものではない。
【0028】
図2は、本発明の実施の形態における読取補助台30の一例を示す図である。読取補助台30は、本体部31と、装置載置部32と、装置位置制限部33と、表示体載置部34と、表示体位置制限部35とを備える。
【0029】
本体部31は、装置載置部32および表示体載置部34を保持するものである。本体部31は側板31aおよび31bの2つの側板により構成され、装置載置部32および表示体載置部34の両側面を側板31aおよび31bにより挟み込んで装置載置部32および表示体載置部34を保持している。なお、本体部31を構成する側板31aおよび31bの形状は、図2(a)において三角形状になっているが、これに限るものではない。
【0030】
装置載置部32は、識別情報読取装置20を載置する台である。装置載置部32は、図2(a)に示すような板形状とすることが想定されるが、これに限るものではない。本発明における識別情報読取装置20として、QRコード読取機能およびデータ通信機能を備えたカメラ付携帯電話20aを採用した場合、そのカメラ付携帯電話20aは、図2(b)に示すような態様で装置載置部32に載置する。なお、図2において識別情報読取装置20として、カメラ付携帯電話20aを採用したものとして以下説明する。
【0031】
本発明における識別情報読取装置20として上記説明したようなカメラ付携帯電話20aを採用した場合、カメラ付携帯電話20aにおける表示部20bが、図2(b)の矢印Cに示す斜め上方を向くようにカメラ付携帯電話20aを位置させるようにした方が好ましい。このようにすれば、カメラ付携帯電話20aにおける表示部20bが見易くなる。
【0032】
この場合、本体部31を構成する側板31aおよび31bの形状を三角形状にして、例えば図2(a)に示すように側板31aおよび31bの一辺に平行に装置載置部32の側面を側板31aおよび31bで挟み込む。これにより、カメラ付携帯電話20aを装置載置部32に載置した際にカメラ付携帯電話20aにおける表示部20bは図2(b)の矢印Cに示す斜め上方を向く。
【0033】
また、本発明における識別情報読取装置20として上記説明したようなカメラ付携帯電話20aを採用した場合、カメラ付携帯電話20aにおけるカメラレンズ20cの前面が装置載置部32に遮られないようにする必要がある。この場合、図2(a)に示すように装置載置部32におけるカメラレンズ20cに対応する部分付近をカットしてカメラレンズ非遮断部32aを設ける。
【0034】
装置位置制限部33は、装置載置部32におけるカメラ付携帯電話20aの位置を制限するものである。装置載置部32におけるカメラ付携帯電話20aの位置の制限としては、カメラ付携帯電話20aの装置載置部32に沿った一方向(矢印D方向)への動きの制限が想定される。この場合、装置載置部32にカメラ付携帯電話20aを載置すると、カメラ付携帯電話20aの一部が装置位置制限部33と接して図2(b)に示した矢印D方向へのカメラ付携帯電話20aの動きが制限されて、カメラ付携帯電話20aの位置が固定される。
【0035】
装置位置制限部33は、例えば図2に示すように直方体形状の一部を半円柱形状に削り取った形状をしているが、これに限るものではない。そして、装置位置制限部33は、装置載置部32のカメラ付携帯電話20aを載置する面に設けられており、装置位置制限部33の底面は装置載置部32の表面と接しており、装置位置制限部33の側面は側板31aおよび31bに接している。
【0036】
なお、装置位置制限部33は装置載置部32の表面に沿って、図2(a)に示す矢印Aまたは矢印Bの方向に移動させて固定することができる構造になっている。装置載置部32に載置する識別情報読取装置20として、カメラ付携帯電話20aを採用した場合、携帯電話製造メーカー毎にカメラレンズの位置が異なることがあるが、装置位置制限部33の位置を調整することによりカメラレンズ20cの位置がカメラレンズ非遮断部32aに位置するように調整することが可能となる。
【0037】
表示体載置部34は、識別情報表示体10を載置するための台である。表示体載置部34は、図2(a)に示すような板形状とすることが想定されるが、これに限るものではない。表示体載置部34は、その側面が本体部31を構成する側板31aおよび31bに挟まれて保持される。
【0038】
表示体位置制限部35は、表示体載置部34における識別情報表示体10の位置を制限するものであり、表示体載置部34の識別情報表示体10を載置する面に設けられている。そして、表示体位置制限部35は、表示体抑え部35aと、表示体ストッパ部35bとを備える。
【0039】
表示体抑え部35aは、識別情報表示体10を上側から抑えるものである。表示体抑え部35aは、識別情報表示体10における表示体載置部34の表面より上方への動きを制限している。表示体ストッパ部35bは、表示体載置部34の識別情報表示体10を載置する面に設けられており、識別情報表示体10の表示体載置部34に沿った一方向(矢印E方向)への動きを制限するものである。この場合、表示体載置部34に識別情報表示体10を載置すると、識別情報表示体10の一部が表示体ストッパ部35bと接して図2(b)に示した矢印E方向への識別情報表示体10の動きが制限されて、識別情報表示体10の位置が固定される。
【0040】
識別情報表示体10の位置を表示体位置制限部35により制限すると、識別情報表示体10において識別情報が表示された領域である識別情報表示領域10aがカメラ付携帯電話20aにより読み取り可能な位置になる。
【0041】
図3は、本発明の実施の形態における識別情報表示体10および識別情報読取装置20を載置した読取補助台30の側面図である。なお、図3においては識別情報読取装置20として、カメラ付携帯電話20aを採用したものとして説明する。
【0042】
装置載置部32に載置され、装置位置制限部33により位置を制限されたカメラ付携帯電話20aのカメラレンズ20cの表面略直角方向へ向かって所定距離離れた位置に、表示体載置部34において表示体位置制限部35により位置を制限された識別情報表示体10における識別情報表示領域10aが位置する。
【0043】
カメラレンズ20cと識別情報表示領域10aとの間の所定距離は、識別情報表示領域10aに表示された識別情報をカメラ付携帯電話20aにより読み取れる距離である。以上のような位置関係になるように読取補助台30を構成すれば、読取補助台30に識別情報表示体10およびカメラ付携帯電話20aを載置するだけで、カメラ付携帯電話20aは識別情報表示体10から識別情報を読み取ることができる。
【0044】
図4は、本発明の実施の形態における読取補助台30の別の実施の形態を示す図である。なお、図4においては識別情報読取装置20として、カメラ付携帯電話20aを採用したものとして説明する。
【0045】
カメラ付携帯電話20aおよび識別情報表示体10を読取補助台30に載置して、識別情報表示体10に表示された識別情報をカメラ付携帯電話20aにおいて読み取る場合、場所によっては識別情報表示体10の識別情報が表示されている部分に光を供給しないと、識別情報表示体10に表示された識別情報をカメラ付携帯電話20aにより読み取ることが困難なことがある。この場合、識別情報表示体10の表面、特に識別情報表示領域10aを照らす光を供給する光供給部を読取補助台30に設けるとよい。その光供給部の一例として本発明における読取補助台30の別の実施の形態を以下において説明する。
【0046】
図4(a)は、読取補助台30に光取入孔36を設けた読取補助台30aを示す図である。光取入孔36は外から光を取り入れる孔であり、例えば識別情報表示体10が載置される位置付近、特に識別情報表示領域10a付近に位置する側板31aまたは31bの一部に孔を設けることによりできる。光取入孔36を別途設けることにより、識別情報表示体10に表示された識別情報をカメラ付携帯電話20aが読み取り易くなる。
【0047】
図4(b)は、読取補助台30に照明37を備えた読取補助台30bを示す図である。照明37は、識別情報表示領域10aに光を供給することができる位置に設ける。照明37を設ける位置として、例えば識別情報表示領域10a付近に位置する側板31aおよび31bの所定の位置が想定されるが、これに限るものではない。
【0048】
読取補助台30に照明37を備え付けることによって、光が十分に得られない場所においてもカメラ付携帯電話20aで識別情報表示体10から識別情報を読み取ることができる。
【0049】
図5は、本発明の実施の形態における識別情報読取装置20の機能の一例を示す図である。識別情報読取装置20は、上記説明したように識別情報表示体10から識別情報を読み取るものであり、図5(a)に示すように識別情報読取部21と、データ送受信部24とを備える。
【0050】
識別情報読取部21は、実際に識別情報表示体10から識別情報を読み取るものであり、撮像部22と、識別情報取得部23とを備える。撮像部22は、識別情報表示体10に表示された識別情報を撮像して画像データ化された識別情報である識別情報画像データを生成するものである。
【0051】
識別情報取得部23は、撮像部22において生成された識別情報画像データを解析して識別情報画像データより識別情報を取得するものである。データ送受信部24は、識別情報取得部23において取得された識別情報に基づいて識別情報データを生成して送信するものである。また、データ送受信部24は送信されてきたデータに含まれる宛先アドレスを参照して自身に対して送信されてきたデータを受信する。
【0052】
なお、識別情報データの送受信は、無線方式であっても有線方式であっても良い。識別情報データの送信として無線方式を採用した場合、データ送受信部24において識別情報データに対して変調等の処理を行い、アンテナ25から識別情報データが送信される。識別情報データの送信として有線方式を採用した場合、データ送受信部24に接続されたケーブル26から識別情報データが送信される。
【0053】
また、データの受信として無線方式を採用した場合、アンテナ25からデータを受信してデータ送受信部24において受信したデータに対して復調等の処理を行う。データの受信として有線方式を採用した場合、データ送受信部24に接続されたケーブル26から識別情報データが受信される。
【0054】
図5(b)は、識別情報データ200の構成の一例を示すものである。識別情報データ200は、送信元アドレス210と、宛先アドレス220と、識別子230と、装置識別子240とを少なくとも備える。
【0055】
送信元アドレス210には、識別情報読取装置20に付与されたアドレスが入ることになる。宛先アドレス220には、識別情報管理データベース50のアドレスが入ることになる。識別子230は、識別情報表示体10に表示された識別情報に含まれている識別子である。装置識別子240は、識別情報読取装置20に付与されたユニークな識別子である。装置識別子240としては、例えばMACアドレス(Media Access Control address)が想定されるがこれに限るものではなく、その他の識別情報読取装置20に付与されたユニークな識別子であってもよい。
【0056】
識別情報表示体10に表示された識別情報として、ユニークな識別子の他に識別情報管理データベース50のアドレスが含まれると想定した場合、宛先アドレス220に入る識別情報管理データベース50のアドレスは、識別情報表示体10に表示された識別情報から得られることになる。
【0057】
図6は、本発明の実施の形態における識別情報管理データベース50の機能の一例を示す図である。識別情報管理データベース50は、データ送受信部51と、装置識別子テーブル52と、装置識別子判別部53と、受信情報生成部54と、受信情報保持部55とを備える。
【0058】
データ送受信部51は、ネットワーク網40を介して識別情報読取装置20から送信されてきた識別情報データに含まれる宛先アドレスを参照して自身に対して送信されてきた識別情報データを受信するものである。また、データ送受信部51は、データの送信も行う。受信した識別情報データは、装置識別子判別部53に供給される。なお、識別情報データの受信に際しては、無線方式であっても有線方式であってもよい。
【0059】
識別情報データの受信として無線方式を採用した場合、アンテナ56から識別情報データを受信して、データ送受信部51において識別情報データに対して復調等の処理が行われる。識別情報データの受信として有線方式を採用した場合、ケーブル57から識別情報データが受信される。
【0060】
データの送信として無線方式を採用した場合、データ送受信部51において識別情報データに対して変調等の処理を行い、アンテナ56からデータが送信される。データの送信として有線方式を採用した場合、データ送受信部51に接続されたケーブル57からデータが送信される。
【0061】
装置識別子テーブル52は、識別情報読取装置20に付与されたユニークな装置識別子を保持するテーブルである。そして、この装置識別子テーブル52には、予め識別情報管理データベース50に対して識別情報データを送信することを許可された識別情報読取装置20の装置識別子が登録される。
【0062】
装置識別子判別部53は、データ送受信部51から供給された識別情報データに含まれる装置識別子が装置識別子テーブル52に含まれているか否かを判別するものである。データ送受信部51から供給された識別情報データに含まれる装置識別子が装置識別子テーブル52に含まれている場合、装置識別子判別部53は識別情報データを受信情報生成部54に供給する。
【0063】
一方、データ送受信部51から供給された識別情報データに含まれる装置識別子が装置識別子テーブル52に含まれていない場合、装置識別子判別部53は識別情報データを破棄する。また、データ送受信部51から供給された識別情報データに含まれる装置識別子が装置識別子テーブル52に含まれていない場合、装置識別子判別部53が宛先アドレスを識別情報データに含まれる送信元アドレスとした「その識別情報読取装置20からの識別情報データの送信は許可されていない」旨のメッセージを生成するようにしてもよい。この場合、そのメッセージはデータ送受信部51から送信される。これにより、不正に送信された識別情報データを排除することができる。
【0064】
受信情報生成部54は、装置識別子判別部53から供給された識別情報データに基づいて受信情報を識別情報に含まれる識別子毎に生成するものである。なお、受信情報生成部54において生成される識別子毎の受信情報としては、例えばその識別子が含まれる識別情報を受信した日時が想定されるが、これに限るものではない。受信情報保持部55は、受信情報生成部54において生成された識別子毎の受信情報を保持するものである。
【0065】
図7は、本発明の実施の形態における識別情報管理データベース50中の受信情報保持部55において保持されている受信情報の構成の一例を示す図である。受信情報保持部55において受信情報552は、識別子551毎に保持される。図7において受信情報552は、ある識別子が含まれている識別情報データを識別情報管理データベース50において受信した日時として表されている。
【0066】
図7において識別子551の一例として、「USER1」と「USER2」が示してある。受信情報552の下に示されている「1,2・・・」の数字は、ある識別子を含む識別情報データを受信した順番である。例えば、識別子「USER1」が含まれる識別情報データを初めて受信した日時は、「2008年3月10日15時16分46秒」である。そして、識別子「USER1」が含まれる識別情報データを2番目に受信した日時は、「2008年3月11日10時25分30秒」である。
【0067】
以上説明した識別情報管理システム100を用いれば、勤怠管理システムやポイント計数システム等を容易に構築できる。勤怠管理システムにおいては、まず識別情報表示体10を従業員に勤怠証として配布する。この識別情報表示体10には、QRコード化した従業員1人1人に別個に割り当てられた識別子および識別情報管理データベース50のアドレスが印刷されている。
【0068】
従業員は、出勤時と退社時にカメラ付携帯電話20aが載置された読取補助台30に識別情報表示体10を載置する。読取補助台30に識別情報表示体10を載置した後にカメラ付携帯電話20aにより識別情報表示体10に表示されたQRコードを撮像して、カメラ付携帯電話20aにそのQRコードから識別子および識別情報管理データベース50のアドレスを読み取らせる。
【0069】
カメラ付携帯電話20aは、QRコードから識別子および識別情報管理データベース50のアドレスを読み取ると、識別情報管理データベース50宛に識別子を含めた識別情報データを送信する。識別情報管理データベース50は識別情報データを受信すると、識別情報データを受信した日時をその識別情報データに含まれる識別子に対応する受信情報として記録する。この受信情報により従業員の出勤した日時および退社した日時を把握することができる。
【0070】
ポイント計数システムについては、例えば所定のサービスの利用者に対して識別情報表示体10をポイントカードとして配布する。この識別情報表示体10には、QRコード化した利用者1人1人に別個に割り当てられた識別子および識別情報管理データベース50のアドレスが印刷されている。
【0071】
利用者は、所定のサービスの利用の際にポイントカードとして識別情報表示体10を読取補助台30に載置する。その後の処理は、上記説明した勤怠管理システムと同様なため、説明を省略する。識別情報管理データベース50において生成され保持された受信情報により利用者のポイントを把握することができる。
【0072】
このように、本発明の実施の形態によれば、識別情報読取装置20および識別情報表示体10を読取補助台30に載置するだけで、識別情報表示体10に表示された識別情報を容易に読み取ることができる。また、上記読取補助台30を識別情報管理システム100に用いることにより、識別情報管理システム100を円滑に運用することができる。
【0073】
なお、本発明の実施の形態では、読取補助台30を識別情報表示体10および識別情報読取装置20に適用した場合について説明したがこれに限るものではなく、所定の情報が表示された情報表示体およびその情報表示体から所定の情報を読み取る情報読取装置を読取補助台30に載置して用いる場合にも適用することができる。所定の情報が表示された情報表示体として例えば名刺が想定され、その情報表示体から所定の情報を読み取る情報読取装置としては、名刺の情報を撮像して画像データ化するカメラ付携帯電話が想定される。
【0074】
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の活用例として、上記説明したように、例えば勤怠管理システムやポイント計数システムを構築する際に本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施の形態における識別情報管理システム100の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における読取補助台30の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における識別情報表示体10および識別情報読取装置20を載置した読取補助台30の側面図である。
【図4】本発明の実施の形態における読取補助台30の別の実施の形態を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態における識別情報読取装置20の機能の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における識別情報管理データベース50の機能の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における識別情報管理データベース50中の受信情報保持部55において保持されている受信情報の構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0077】
10 識別情報表示体
10a 識別情報表示領域
20 識別情報読取装置
20a カメラ付携帯電話
20b 表示部
20c カメラレンズ
21 識別情報読取部
22 撮像部
23 識別情報取得部
24、51 データ送受信部
25、56 アンテナ
26、57 ケーブル
30 読取補助台
30、30a、30b 読取補助台
31 本体部
31a、31b 側板
32 装置載置部
32a カメラレンズ非遮断部
33 装置位置制限部
34 表示体載置部
35 表示体位置制限部
35a 表示体抑え部
35b 表示体ストッパ部
36 光取入孔
37 照明
40 ネットワーク網
50 識別情報管理データベース
52 装置識別子テーブル
53 装置識別子判別部
54 受信情報生成部
55 受信情報保持部
100 識別情報管理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニークな識別子を含む識別情報が表示された識別情報表示体から前記識別情報を読み取る識別情報読取部と、
前記読み取った識別情報に基づいて前記識別情報を含むデータである識別情報データを生成して送信するデータ送信部と
を備える識別情報読取装置と、
前記識別情報読取装置を載置する装置載置部と、
前記装置載置部における前記識別情報読取装置の位置を制限する装置位置制限部と、
前記識別情報表示体を載置する表示体載置部と、
前記表示体載置部における前記識別情報表示体の位置を制限する表示体位置制限部と、
前記装置載置部および前記表示体載置部を保持する本体部と
を備える読取補助台と、
前記データ送信部より送信された識別情報データを受信するデータ受信部と、
前記受信した識別情報データに基づいて前記識別情報データを受信した旨の情報である受信情報を前記識別子毎に生成する受信情報生成部と、
前記受信情報生成部において識別子毎に生成された受信情報を保持する受信情報保持部と
を備える識別情報管理データベースと
を具備し、
前記表示体位置制限部により位置を制限された前記表示体載置部における前記識別情報表示体の位置は、前記装置載置部において前記装置位置制限部により位置を制限された前記識別情報読取装置から前記識別情報を読み取り可能な範囲にあることを特徴とする識別情報管理システム。
【請求項2】
前記識別情報読取部は、
前記識別情報表示体に表示された識別情報を撮像して画像データ化された識別情報である識別情報画像データを生成する撮像部と、
前記生成された識別情報画像データを解析して前記識別情報画像データより前記識別情報を取得する識別情報取得部と
を備えることを特徴とする請求項1記載の識別情報管理システム。
【請求項3】
前記識別情報は、前記ユニークな識別子に加えて前記識別情報管理データベースに付与されたアドレスをさらに含む情報を表すQRコードとして前記識別情報表示体に表示され、
前記識別情報読取装置は、前記QRコードを撮像することにより前記QRコードから前記識別情報を読み取る機能および前記識別情報データを生成して送信する機能を備えたカメラ付携帯電話であり、
前記カメラ付携帯電話は、前記識別情報表示体に表示されたQRコードから読み取った前記ユニークな識別子および前記アドレスに基づいて前記識別情報管理データベースに前記識別情報データを送信し、
前記受信情報生成部は、前記受信情報として前記識別情報データを受信した日時を前記ユニークな識別子毎に生成することを特徴とする請求項2記載の識別情報管理システム。
【請求項4】
前記識別情報データは、前記識別情報読取装置に付与されたユニークな装置識別子をさらに含み、
前記識別情報管理データベースは、
少なくとも1つの装置識別子を保持する装置識別子テーブルと、
前記受信した識別情報データに含まれる前記ユニークな装置識別子が前記装置識別子テーブルに含まれるか否かを判別して、前記受信した識別情報データに含まれる前記ユニークな装置識別子が前記装置識別子テーブルに含まれる場合には前記受信情報生成部に前記識別情報データを供給する装置識別子判別部と
をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の識別情報管理システム。
【請求項5】
所定の情報が表示された情報表示体および前記情報表示体から前記情報を読み取る情報読取装置を載置する読取補助台であって、
前記情報読取装置を載置する装置載置部と、
前記装置載置部における前記情報読取装置の位置を制限する装置位置制限部と、
前記情報表示体を載置する表示体載置部と、
前記表示体載置部における前記情報表示体の位置を制限する表示体位置制限部と
前記装置載置部および前記表示体載置部を保持する本体部と
を具備し、
前記表示体位置制限部により位置を制限された前記表示体載置部における前記情報表示体の位置は、前記装置載置部において前記装置位置制限部により位置を制限された前記情報読取装置から前記情報を読み取り可能な範囲にあることを特徴とする読取補助台。
【請求項6】
前記本体部は、2つの側板により構成され、
前記装置載置部および表示体載置部は、前記2つの側板によりその両側面を挟み込まれることにより前記本体部に保持され、
前記装置位置制限部は、前記装置載置部における前記情報読取装置を載置する面に設けられ、
前記表示体位置制限部は、前記表示体載置部における前記情報表示体を載置する面に設けられたことを特徴とする請求項5記載の読取補助台。
【請求項7】
前記表示体位置制限部は、
前記情報表示体を上側から抑えつける表示体抑え部と、
前記表示体載置部における前記情報表示体を載置する面に設けられ、前記情報表示体の前記表示体載置部に沿った一方向への移動を制限する表示体ストッパ部と
を備えたことを特徴とする請求項5記載の読取補助台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−217723(P2008−217723A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−57910(P2007−57910)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(507075370)
【Fターム(参考)】