説明

読影レポート作成装置

【課題】 ユーザが読影レポート作成の進捗状況を迅速に把握することができるワークリストを表示する読影レポート作成装置を提供する。
【解決手段】 この読影レポート作成装置は、読影レポートサーバに格納されている検査情報から、各検査について読影レポート作成の進捗状況を表す第1の情報及び診断の確定に関する第2の情報を取得する情報取得手段13と、該情報取得手段が取得した第1及び第2の情報を含むワークリストを作成するワークリスト作成手段12と、該ワークリスト作成手段が作成したワークリストを表示する表示部100とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像による医療診断のために用いられる検査画像(医用画像)の撮影後に医師によって行われる読影を支援するための読影支援システムにおいて、読影レポートを作成するために用いられる読影レポート作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CR(computed radiography:コンピュータ放射線撮影)、MRI(magnetic resonance imaging:磁気共鳴撮影)、CT(computed tomography:コンピュータ断層撮影)等の医用ディジタル画像生成技術の普及に伴い、検査によって取得された医用画像を電子的に管理することが行われている。
【0003】
一般に、撮像検査が行われた場合には、患者に対して担当医による具体的な診断が下される前に、生成された医用画像について読影医による読影が行われ、読影結果や所見が記入された読影レポートが作成される。従来は、ディジタル画像データが生成された場合においても、読影の際には、写真フィルムにハードコピーされた医用画像が用いられていたが、高精細な画像モニタ(ビューワ)の開発に伴い、モニタ上に表示された医用画像を読影することも行われるようになっている。
【0004】
一般に、医用画像の読影は、読影レポートを作成する対象となる検査を一覧表示したワークリストに基づいて行われる。読影医は、ワークリストに含まれている複数の検査の内から、次に読影を行うべき検査を選択することにより、これらの検査についての読影を順次行っていく。その際に、読影医は、読影を行っても所見文の入力を完了しなかったり、所見文の入力を完了しても最終的に診断を確定するまでに至らなかったりする場合があるので、各々の検査について、読影レポート作成の進捗状況を把握する必要がある。
【0005】
関連する技術として、特許文献1には、医用画像に対する読影状況を容易に把握することができるようにする医療情報表示装置が開示されている。この医療情報表示装置は、医用画像データ及び医用画像の付帯情報を管理するデータベースと、前記データベースが管理する医用画像データを検索する検索手段と、前記検索手段で検索した結果をリストとして表示するリスト表示手段と、前記リスト表示手段で表示したリストの中から選択された内容に対応する医用画像を表示する画像表示手段と、前記画像表示手段で表示した医用画像に対する読影レポートを入力する読影レポート入力手段と、前記読影レポート入力手段で入力した読影レポートをデータベースに保存する読影レポート保存手段とを有し、前記リスト表示手段は、前記読影レポート入力手段により読影レポートが入力されたことを表す情報を前記リストに表示することを特徴としている。
【0006】
特許文献1においては、データベースが管理する医用画像の検索結果をリストとして表示する際に、医用画像に対する読影レポートが入力されている場合には、そのことを表す情報がリストに表示されるので、読影医師(ユーザ)は、読影レポートが入力されたか否かを容易に把握することができる。しかしながら、この情報はチェックマークとして表示されるので、読影レポート作成の進捗状況を詳しく把握するためには、リストから検査を選択して読影レポートを表示させなければならない。
【0007】
また、特許文献2には、最終的な診断が確定できなかった検査結果について、診断時、予約入力時、検査受付時、検査時に各担当者が確認できるようにして、診断を行った医師の依頼を確実に伝えることができる医用画像診断システムが開示されている。この医用画像診断システムは、患者の一検査により得られた画像に対し、診断結果や所見等の検査結果を入力する入力部及び表示部を備えた診断処理装置と、前記診断処理装置に接続され検査結果と検査に必要な情報を保存する検査情報保存装置とを備えた医用画像診断システムにおいて、前記診断処理装置に、前記診断による診断結果が確定できない検査に対し、不確定であるか否かを表す不確定検査情報を発生する入力処理部を設け、前記不確定検査情報と他の必要な情報とを前記検査情報保存装置に保存し、前記検査情報保存装置に対し同一患者を検察条件に不確定検査区分の有無を検索し、その検索結果を全て表示部に表示する。
【0008】
特許文献2においては、診断結果が不確定となった検査について不確定検査情報を設けて保存することにより、診断を行った医師の判断を各担当者に確実に伝えることができる。しかしながら、診断結果が不確定となった後に別検査を行う等により診断結果が確定した場合には、検査情報や検査結果を追記する仕組みがないので、最終的な読影レポートの状態を把握することができない。
【特許文献1】特開2004−287732号公報(第3、15頁、図1)
【特許文献2】特開平11−126232号公報(第2、6頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、ユーザが読影レポート作成の進捗状況を迅速に把握することができるワークリストを表示する読影レポート作成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の1つの観点に係る読影レポート作成装置は、検査に関する情報及び読影レポートを表す読影レポートデータを格納する読影レポートサーバと、医用画像を表示するための少なくとも1つの画像表示端末とに接続され、読影レポートを作成する際に用いられる読影レポート作成装置であって、上記読影レポートサーバに格納されている検査情報から、各検査について読影レポート作成の進捗状況を表す第1の情報及び診断の確定に関する第2の情報を取得する情報取得手段と、該情報取得手段が取得した第1及び第2の情報を含むワークリストを作成するワークリスト作成手段と、該ワークリスト作成手段が作成したワークリストを表示する表示部とを具備する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、読影レポートの状態や確定診断の状態に応じて、各検査について読影レポート作成の進捗状況を表す情報及び診断の確定に関する情報を含むワークリストを作成するので、ユーザが読影レポート作成の進捗状況を迅速に把握することができるワークリストを表示することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る読影レポート作成装置を含む読影支援システムの構成を示すブロック図である。
【0013】
読影支援システム10は、読影レポート作成装置1と、少なくとも1つの画像表示端末(ビューワ)2と、画像サーバ3と、読影レポートサーバ4とを含んでいる。また、読影支援システム10は、RIS(radiology information system:放射線科情報管理システム)5、及び、CR装置6a、CT装置6b、MRI装置6c等の撮影モダリティに接続されていても良い。図1に示すように、これらの装置は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)等のネットワークを介して相互に接続されていても良い。
【0014】
図1に示すように、読影レポート作成装置1は、表示部100及び入力部110を備えている。表示部100は、読影すべき検査をユーザ(読影医)が選択するために用いられるワークリストや、作成中の読影レポート等を表示するための表示装置である。また、入力部110は、キーボードやマウス等の入力装置である。図1は、ユーザによって入力されたテキスト情報が表示される所見記入欄101及びキー画像102を含む読影レポート103が画面に表示された状態を示している。ここで、キー画像とは、1回の検査によって得られた一連の画像の内で、読影の鍵になると読影医によって判断された画像のことであり、1つの検査について、少なくとも1つの画像がキー画像として設定される。ユーザは、画像表示端末2に表示された検査画像を観察しながら、表示部100に表示された読影レポート103に、入力部110を用いてテキスト情報等を記入することにより、読影レポートを作成する。
【0015】
画像表示端末2は、読影対象となっている検査画像を表示するための端末装置であり、高精細なディスプレイを備えている。図1には、画面200上の複数のコマ210に複数のスライス画像がそれぞれ表示されている状態が示されている。図1においては、2つの画像表示端末2が示されているが、読影に際しては、少なくとも1つの画像表示端末2が用いられ、3つ以上の画像表示端末2が用いられても良い。
【0016】
画像サーバ3は、例えば、CR装置6a、CT装置6b、MRI装置6c等の撮影モダリティによって取得された画像データを保管及び管理するPACS(Picture Archiving and Communication System:医用画像情報システム)用のサーバである。画像サーバ3は、読影レポート作成装置1の要求に従って、所望の画像データを読影レポート作成装置1に出力する。
【0017】
読影レポートサーバ4は、各検査に関する情報、及び、各検査に関する読影レポートを表す読影レポートデータを格納し、読影レポート作成装置1の要求に従って、所望の読影レポートデータを読影レポート作成装置1に出力する。
【0018】
RIS5は、放射線科における放射線検査を管理するためのサーバであり、入力用端末によって入力された患者情報や検査情報等に基づいて、検査スケジュールの管理や、撮影モダリティへの検査オーダーの発行や、撮像が終了した検査についての読影オーダーの発行を行う。読影オーダーは、各検査に関する情報(患者情報、検査情報等)を含んでおり、読影レポートサーバ4に格納される。
【0019】
図2は、図1に示す読影支援システムの詳細な構成を示すブロック図である。図2に示すように、読影レポート作成装置1は、先に説明した表示部100及び入力部110に加えて、中央演算装置(以下、CPUという)120と、画像サーバ3から入力される画像データや読影レポートサーバ4から入力される読影レポートデータ等を一旦記憶するメモリ130と、記録媒体としてのハードディスク141を制御するハードディスク制御部140と、ネットワークインタフェース150とを含んでいる。これらは、バスラインを介して相互に接続されている。また、CPU120は、ネットワークインタフェース150を介して、ネットワークに接続される。
【0020】
ハードディスク141には、CPU120に処理を行わせるためのソフトウェア(プログラム)が記録されている。なお、記録媒体としては、内蔵のハードディスク141の他に、外付けハードディスク、フレキシブルディスク、MO、MT、RAM、CD−ROM、又は、DVD−ROM等を用いることもできる。
【0021】
また、読影レポートサーバ4は、読影レポートデータベース41と、画像入力管理部42とを含んでいる。読影レポートデータベース41は、例えばRIS5(図1)から送られてくる複数の検査に関する情報と、それらの検査についてそれぞれ作成された複数の読影レポートを表す複数種類の読影レポートデータを格納する。
【0022】
画像入力管理部42は、画像サーバ3を定期的に監視して、読影レポートデータベース41に情報が格納されている検査について、画像サーバ3に画像データが入力された場合に、そのシリーズ画像中の一部の画像を表す画像データを画像サーバ3から受信し、受信した画像データに基づいてサムネイル画像を表す画像データを作成して読影レポートデータベース41に格納する。一部の画像とは、例えば、経過観察を目的とした検査においては、前回の検査におけるキー画像から推定されるスライス画像が該当するが、推定ができない場合には、シリーズ画像に含まれている複数の画像の内の中央に位置する画像を選択しても良い。
【0023】
次に、読影レポート作成装置1において、CPU120とソフトウェア(プログラム)とによって構成される複数の機能ブロックについて説明する。これらの機能ブロックは、検索条件入力部11と、ワークリスト作成部12と、情報取得部13と、画像データ取得部14と、画像データ出力部15とを含んでいる。
【0024】
ユーザが所望の検査に関する情報を検索するために、検索条件入力部11は、検索画面を表示部100に表示させる。ユーザが、入力部110を操作して検索キーを入力すると、検索条件入力部11は、それに従って、読影レポートデータベース41において検査に関する情報の検索を行う。読影レポートデータベース41には、各々の検査及び読影レポートに割り当てられたレポートIDに関連付けて、検査情報と、患者情報と、レポート管理情報とが格納されている。
【0025】
レポート管理情報は、レポート情報と確定診断追加情報とを含んでいる。レポート情報は、読影レポート作成の進捗状況を表す情報、診断の確定に関する情報、キー画像に関する情報、所見文が入力された場合には所見文に関する情報等を含んでいる。また、確定診断追加情報は、確定診断追加情報の基礎に関する情報、確定診断が追加された時点に関する情報、確定診断の結果に関する情報等を含んでいる。
【0026】
ワークリスト作成部12は、検索条件入力部11が読影レポートデータベース41において検索した検査に関する情報に基づいて、ワークリストを生成して表示部100に表示させる。ワークリスト作成部12は、ワークリストを定期的に更新するので、ワークリスト上に表示される項目やマークは、読影レポート作成の進捗状況や診断確定の状態によって異なる。
【0027】
画像入力管理部42が存在しない場合には、ワークリスト作成部12が、画像サーバ3を定期的に監視して、読影レポートデータベース41に情報が格納されている検査について、画像サーバ3に画像データが入力された場合に、そのシリーズ画像中の一部の画像を表す画像データを画像サーバ3から受信して、受信した画像データに基づいてサムネイル画像を表す画像データを作成して読影レポートデータベース41に格納するようにしても良い。
【0028】
ワークリスト作成部12は、読影レポートにおいてキー画像が設定されている場合には、そのキー画像を編集してワークリスト上に表示し、読影レポートにおいてキー画像が設定されていない場合には、該当する検査についてワークリスト作成部12又は画像入力管理部42によって作成されたサムネイル画像を表す画像データに基づいて、ワークリスト上にサムネイル画像を表示する。
【0029】
ユーザがワークリストにおいて検査を選択すると、情報取得部13は、当該検査についての読影レポート作成画面を表示部100に表示させる。画像データ取得部14は、検査に対応する画像データを画像サーバ3から取得して、画像データ出力部15に出力する。画像データ出力部15は、画像データ取得部14から入力した画像データに基づいて、画像表示端末2に検査画像を表示させる。
【0030】
ユーザは、画像表示端末2に表示された検査画像を観察しながら、入力部110を用いてテキスト情報等を記入することにより、読影レポートの作成を行う。情報取得部13は、ユーザが入力したテキスト情報を取得すると、読影レポート作成画面にこれを記入し、作成された読影レポートを表す読影レポートデータを読影レポートデータベース41に格納する。
【0031】
図3は、読影レポートデータベースに格納される管理項目を示す図である。読影レポートデータベース41には、検査及び読影レポートを識別するために用いられるレポートIDに関連付けて、検査番号、検査種(撮影の種類)、検査部位等の検査情報と、患者ID、患者氏名、生年月日等の患者情報と、レポート情報及び確定診断追加情報を含むレポート管理情報とが格納される。
【0032】
図3に示すように、レポート情報は、当該検査についての検査画像が未読影、読影中、既読影のいずれの状態にあるかを示すレポート状態情報と、当該検査が確定診断待ちの状態にあるか否かを示す確定診断待ち状態情報と、当該検査が確定診断待ちの状態である場合にユーザが設定した確定診断の期限日を示す確定期限日付を表す情報と、当該検査についての検査画像が画像サーバ3に入力されているか否かを示す画像入力有無情報と、当該読影レポートに添付されたキー画像ファイルを識別するためのキー画像番号と、当該読影レポートにユーザが入力した所見文を表す情報と、入力された所見文から一部を選択して作成される所見サマリを表す情報と、当該読影レポートに関するサムネイル画像を識別するためのサムネイル画像番号とを含んでいる。
【0033】
また、確定診断追加情報は、確定診断追加情報の基礎となった電子カルテ又は生理検査レポートのURL等の情報(追加元URL)と、確定診断が追加された日時を表す情報と、確定診断を追加したユーザのアカウントと、ユーザが入力した確定診断の結果を表す情報とを含んでいる。
【0034】
ここで、所見サマリの作成と診断未確定状態の保存について説明する。
図4は、読影レポート作成画面を示す模式図である。読影レポート作成画面60は、読影時に入力される所見文が表示される所見文表示欄61と、表示された所見文から任意の箇所を所見サマリとして選択するために用いられる所見サマリ選択ボタン62と、診断時に入力される確定診断の結果が表示される診断結果表示欄63と、診断を未確定とする場合に診断未確定状態を保存するための手段である診断未確定ボタン64と、検査に関するキー画像が表示されるキー画像表示欄65とを含んでいる。
【0035】
ユーザが読影レポートの所見文から所見サマリを選択する際には、所見文表示欄61に表示された所見文の一部をマウス等で指定してから所見サマリ選択ボタン62を押下することにより、情報取得部13が、所見文の当該箇所を選択して所見サマリを作成して所見サマリを表すデータを読影レポートデータデータベース41に保存する。
【0036】
ワークリスト作成部12は、情報取得部13によって作成された所見サマリを、ワークリストの表示項目として表示部100に表示させる。読影レポートが未読影又は読影中の状態であって所見文の入力が完了していない場合には、所見サマリの替わりに、読影オーダーにおける依頼内容、読影オーダーの目的、又は、読影オーダーの指示等のテキスト情報を所見サマリとして表示するか、入力途中の所見文の内で所定の文字数分(例えば、最後の部分の20文字)を所見サマリとして表示しても良い。
【0037】
過去の読影レポートを症例として参照して、今回の読影レポート作成の参考とする場合には、診断が確定された読影レポートを参照する必要がある。しかしながら、放射線画像だけでは診断が不可能な場合には、他の検査を行うことによって後から診断が確定された時点において確定診断の結果を登録するという運用が行われている。そのために、読影レポート作成画面60において診断を未確定とする場合に、ユーザが診断未確定ボタン64を押下すると、ワークリスト作成部12が、診断を未確定とする状態を設定する。さらに、ユーザは、診断を確定すべき確定期限を入力することができる。
【0038】
診断未確定状態の設定及び確定期限の設定は、読影レポートデータベース41に保存され、ワークリスト作成部12が、ワークリスト上に、確定診断待ちの状態を表すマークと共に、ユーザによって設定された確定期限を表示する。ワークリスト作成部12は、診断を確定するために要する一定期間の経過後に、このマークを、ユーザに確定診断を促すためのマークに変更する。
【0039】
確定診断待ちの状態を表すマークが表示された読影レポートについては、読影レポートが承認された後でも、確定診断の結果を追加することが可能である。その際には、情報取得部13が、読影レポートの編集履歴を、確定診断の追加を行ったユーザのアカウントと共に、読影レポートデータとして読影レポートデータベース41に保存して管理する。また、ワークリスト作成部12は、確定診断の追加を行ったユーザのアカウントと確定診断の結果を確定診断追加情報として読影レポートデータベース41に保存すると共に、確定診断の追加を行ったユーザ名と確定診断の結果をワークリスト上に表示させる。
【0040】
図5は、ワークリスト上に表示されるマークの例を示す図である。図5に示すように、ワークリスト作成部12は、検査画像の読影状況によって、未だ読影が行われていないことを示す未読影マーク、現在読影が行われていることを示す読影中マーク、既に読影が完了していることを示す既読影マーク、又は、読影は完了したが診断が確定していないことを示す既読影・診断未確定マークをワークリスト上に表示させる。図5に示す用途及び種類に限らず、ユーザは、必要に応じてマークを追加して設定及び使用することができる。
【0041】
図6は、本発明の一実施形態において作成されるワークリストの簡易表示画面を示す模式図である。ユーザが入力した検索キーによる検索条件に基づいて読影レポートデータベース41において検索された検査は、ワークリスト作成部12によって、表示部100にワークリストとして一覧表示される。
【0042】
図6に示すように、簡易表示によるワークリストにおいては、読影レポートの状態を表すマークと、検査種及び検査部位を表す検査種/部位と、検査番号と、検査日と、患者名と、性別と、年齢とが表示される。ワークリストに表示されるマークによって、ユーザは、各検査についての読影状態を直感的に把握することが可能である。
【0043】
ワークリスト上に表示された各検査について、ユーザが、詳細情報を確認する際には、ワークリストの左端に表示されている詳細情報閲覧ボタン「+」を押下することにより、ワークリストが展開されて、図7に示すような詳細表示画面が表示される。
【0044】
図7は、本発明の一実施形態において作成されるワークリストの詳細表示画面を示す模式図である。図7に示すように、読影中マークが表示されている検査については、検査目的と特別指示の内容が表示され、画像表示欄には、キー画像が設定されていないので、サムネイル画像が表示されている。また、未読影マークが表示されている検査については、検査目的と特別指示の内容が表示され、画像表示欄には、検査画像が未入力であるので、「画像未入力」と表示されている。
【0045】
既読影マークが表示されている検査については、入力された所見文の一部を選択することにより作成された所見サマリと、画像診断結果が表示され、画像表示欄には、ユーザが指定したキー画像が表示されている。また、既読影・診断未確定マークが表示されている検査については、診断が未確定である旨の表示及び確定期限と共に、入力された所見文の一部を選択することにより作成された所見サマリと、画像診断結果が表示され、画像表示欄には、ユーザが指定したキー画像が表示されている。
【0046】
ワークリストは、読影レポートの状態が変化したときに更新され、それに伴って、ワークリスト上の表示も変化する。
例えば、ワークリストに表示されている検査について確定期限が経過すると、ワークリスト作成部12は、図8の(a)に示すように、マークの表示を変化させると共に、確定期限が経過した旨を表示部100においてワークリスト上に表示させることにより、ユーザに通知する。
【0047】
一方、ワークリストに表示されている検査について診断が確定すると、ワークリスト作成部12は、図8の(b)に示すように、マークの表示を変化させると共に、確定診断の結果をワークリスト上に表示させることにより、ユーザに通知する。また、ワークリストに表示されている検査について、所見文が追記された場合には、ワークリスト作成部12は、図8の(c)に示すように、追記の年月日と、追記した者の氏名と、追記事項と、その基礎となった検査番号と、そのキー画像とをワークリスト上に表示させる。
【0048】
ワークリスト上にマークを表示する操作は、ユーザが備忘録的に行っても良い。また、マークは上記の用途に限定されず、ワークリスト上に表示されるマークと、そのマークによって表される内容との組合せをユーザが個別に設定し、他の用途に使用しても良い。その場合には、ワークリスト作成手段12が、ユーザによって個別に設定されたマークをワークリストの表示項目としてワークリスト上に表示させると共に、該ワークリストを備忘録として管理する。
【0049】
次に、本実施形態に係る読影レポート作成装置におけるワークリスト表示動作について、図2及び図9を参照しながら説明する。図9は、本実施形態に係る読影レポート作成装置におけるワークリスト表示動作を示すフローチャートである。
【0050】
ユーザが、読影レポート作成装置1に検索キーを入力すると、それに応答して、ワークリスト作成部12が、検索キーに該当する検査について、読影レポートの状態が未読影、読影中、既読影の内のいずれであるかを判定する(ステップS10)。読影レポートの状態が読影中であると判定された場合には、処理がステップS20に移行し、読影レポートの状態が未読影であると判定された場合には、処理がステップS30に移行し、読影レポートの状態が既読影であると判定された場合には、処理がステップS40に移行する。
【0051】
ステップS20において、読影レポートの状態が読影中であると判定された検査について、ワークリスト作成部12が、読影レポートサーバ4の読影レポートデータベース41からオーダー情報を取得する。ステップS21において、ワークリスト作成部12が、読影レポートにおいてキー画像が設定されているか否かを判定する。読影レポートにおいてキー画像が設定されていると判定された場合には、処理がステップS22に移行して、ワークリスト作成部12が、読影レポートデータベース41からキー画像を取得する。一方、読影レポートにおいてキー画像が設定されていないと判定された場合には、処理がステップS23に移行する。
【0052】
ステップS23において、ワークリスト作成部12又は画像入力管理部42が、当該検査に対応する画像データが画像サーバ3に入力されているか否かを判定する。画像データが画像サーバ3に入力されていると判定された場合には、処理がステップS24に移行して、ワークリスト作成部12又は画像入力管理部42が、画像サーバ3に入力されている画像データを取得してサムネイル画像を作成する。一方、画像データが画像サーバ3に入力されていないと判定された場合には、処理がステップS25に移行する。
【0053】
ステップS25において、ワークリスト作成部12が、読影中マーク(図5参照)を発行し、ステップS50において、ワークリスト作成部12が、読影中マークと当該検査の内容とをワークリスト上に表示させる。
【0054】
ステップS30において、読影レポートの状態が未読影であると判定された検査について、ワークリスト作成部12が、読影レポートサーバ4の読影レポートデータベース41からオーダー情報を取得する。ステップS31において、ワークリスト作成部12又は画像入力管理部42が、当該検査に対応する画像データが画像サーバ3に入力されているか否かを判定する。画像データが画像サーバ3に入力されていると判定された場合には、処理がステップS32に移行して、ワークリスト作成部12又は画像入力管理部42が、画像サーバ3に入力されている画像データを取得してサムネイル画像を作成する。一方、画像データが画像サーバ3に入力されていないと判定された場合には、処理がステップS33に移行する。
【0055】
ステップS33において、ワークリスト作成部12が、未読影マーク(図5参照)を発行し、ステップS50において、ワークリスト作成部12が、未読影マークと当該検査の内容とをワークリスト上に表示させる。
【0056】
ステップS40において、読影レポートの状態が既読影であると判定された検査について、ワークリスト作成部12が、読影レポートサーバ4の読影レポートデータベース41からオーダー情報を取得する。ステップS41において、ワークリスト作成部12が、読影レポートに入力された所見文と、画像診断結果と、所見文に基づいて作成された所見サマリとを、読影レポートデータベース41から取得する。ステップS42において、ワークリスト作成部12が、当該検査に対応するキー画像を、読影レポートデータベース41から取得する。
【0057】
ステップS43において、ワークリスト作成部12が、読影レポートに確定診断が記入されているか否かを判定する。読影レポートに確定診断が記入されていると判定された場合には、処理がステップS44に移行する。一方、読影レポートに確定診断が記入されていないと判定された場合には、処理がステップS45に移行する。
【0058】
ステップS44において、ワークリスト作成部12が、既読影マーク(図5参照)を発行し、ステップS50において、ワークリスト作成部12が、既読影マークと当該検査の内容とをワークリスト上に表示させる。
【0059】
ステップS45において、ワークリスト作成部12が、既読影・診断未確定マーク(図5参照)を発行し、ステップS46において、ワークリスト作成部12が、確定診断情報を取得するための表示内容を作成し、ステップS50において、ワークリスト作成部12が、既読影・診断未確定マークと、確定診断情報を取得するための表示内容と、当該検査の内容とを、ワークリスト上に表示させる。
【0060】
このように、本実施形態によれば、読影レポートの状態や確定診断の状態に応じて表示項目を変更し、それぞれの状態に応じた情報を取得してワークリストに表示することにより、ユーザが読影レポート作成の進捗状況を迅速に把握することができるワークリストを表示することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、医用画像の撮像後に医師によって行われる読影を支援するための読影支援システムにおいて、読影レポートを作成するために用いられる読影レポート作成装置において利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施形態に係る読影レポート作成装置を含む読影支援システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す読影支援システムの詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】読影レポートデータベースに格納される管理項目を示す図である。
【図4】読影レポート作成画面を示す模式図である。
【図5】ワークリスト上に表示されるマークの例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態において作成されるワークリストの簡易表示画面を示す模式図である。
【図7】本発明の一実施形態において作成されるワークリストの詳細表示画面を示す模式図である。
【図8】図7に示すワークリストの詳細表示画面の変化を示す模式図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る読影レポート作成装置におけるワークリスト表示動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
1 読影レポート作成装置
2 画像表示端末
3 画像サーバ
4 読影レポートサーバ
5 RIS
6a CR装置
6b CT装置
6c MRI装置
10 読影支援システム
11 検索条件入力部
12 ワークリスト作成部
13 情報取得部
14 画像データ取得部
15 画像データ出力部
41 読影レポートデータベース
42 画像入力管理部
60 読影レポート作成画面
61 所見文表示欄
62 所見サマリ選択ボタン
63 診断結果表示欄
64 診断未確定ボタン
65 キー画像表示欄
100 表示部
101 所見記入欄
102 キー画像
110 入力部
120 CPU
130 メモリ
140 ハードディスク制御部
141 ハードディスク
150 ネットワークインタフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査に関する情報及び読影レポートを表す読影レポートデータを格納する読影レポートサーバと、医用画像を表示するための少なくとも1つの画像表示端末とに接続され、読影レポートを作成する際に用いられる読影レポート作成装置であって、
前記読影レポートサーバに格納されている検査情報から、各検査について読影レポート作成の進捗状況を表す第1の情報及び診断の確定に関する第2の情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した第1及び第2の情報を含むワークリストを作成するワークリスト作成手段と、
前記ワークリスト作成手段が作成したワークリストを表示する表示部と、
を具備する読影レポート作成装置。
【請求項2】
前記情報取得手段が、ユーザが設定した診断の確定に関する第3の情報を取得して、前記読影レポートサーバに格納されている検査情報に第3の情報を追記する、請求項1記載の読影レポート作成装置。
【請求項3】
前記情報取得手段が、第2の情報に基づいて、診断が確定されたか否かを表す情報と診断が確定されていない場合における確定期限を表す情報とを含むワークリストを作成する、請求項1記載の読影レポート作成装置。
【請求項4】
ユーザが希望する検査を検索してワークリストを作成する為に、前記読影レポートサーバにおいて検査情報を検索する際の検索条件を入力する検索条件入力手段をさらに具備し、前記ワークリスト作成手段が、検索結果に基づいてワークリストを作成する、請求項1〜3のいずれか1項記載の読影レポート作成装置。
【請求項5】
前記ワークリスト作成手段が、読影レポート作成の進捗状況に応じて、ワークリストに表示する項目及び読影レポート作成の進捗状況を表すマークを変更する、請求項1〜4のいずれか1項記載の読影レポート作成装置。
【請求項6】
前記ワークリスト作成手段が、前記画像サーバに格納された検査の画像データに基づいて読影レポートにキー画像が設定されている検査について、読影レポートのキー画像を編集して、ワークリストの表示項目として前記表示部に表示させる、請求項1〜5のいずれか1項記載の読影レポート作成装置。
【請求項7】
前記ワークリスト作成手段が、前記画像サーバに格納された検査の画像データから作成されたサムネイル画像を、ワークリストの表示項目として前記表示部に表示させる、請求項1〜5のいずれか1項記載の読影レポート作成装置。
【請求項8】
前記ワークリスト作成手段が、診断を確定すべき確定期限が設定された検査について、ワークリストの表示項目として該確定期限を前記表示部に表示させると共に、該確定期限が経過した場合に、ワークリストにおいて読影レポート作成の進捗状況を表すマークを変更することにより該確定期限の経過をユーザに通知する、請求項1〜5のいずれか1項記載の読影レポート作成装置。
【請求項9】
前記ワークリスト作成手段が、読影レポートに確定診断の結果が入力された検査について、該確定診断の結果をワークリストの表示項目として前記表示部に表示させる、請求項1〜5のいずれか1項記載の読影レポート作成装置。
【請求項10】
前記ワークリスト作成手段が、ユーザによって個別に設定されたマークをワークリストに含めて前記表示部に表示させることにより、該ワークリストを備忘録として読影作業の管理に使用することを可能とする、請求項1〜5のいずれか1項記載の読影レポート作成装置。
【請求項11】
前記ワークリスト作成手段が、読影レポートに所見文が入力されていない検査について、読影オーダーに関する情報をワークリストの表示項目として前記表示部に表示させる、請求項1〜10のいずれか1項記載の読影レポート作成装置。
【請求項12】
前記ワークリスト作成手段が、読影レポートへの所見文の入力が完了していない検査について、入力されている所見文の最後から所定数の文字をワークリストの表示項目として前記表示部に表示させる、請求項1〜10のいずれか1項記載の読影レポート作成装置。
【請求項13】
前記情報取得手段が、読影レポートへの所見文の入力が完了した検査について、ユーザによって選択された所見文の一部に基づいて所見サマリを作成し、前記ワークリスト作成手段が、該所見サマリをワークリストの表示項目として前記表示部に表示させる、請求項1〜10のいずれか1項記載の読影レポート作成装置。
【請求項14】
前記情報取得手段が、作成された所見サマリを表すデータを前記読影レポートサーバに保存する、請求項13記載の読影レポート作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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