説明

読書システム、端末装置、連携方法およびプログラム

【課題】読む文書を紙媒体の文書から電子文書、または電子文書から紙媒体の文書へ変更した場合に、読みかけの場所を容易に特定できるようにする。
【解決手段】端末装置10は、電子文書において読みかけとなった場所の文をサーバ装置30へ送信する。サーバ装置30は、本50のページのうち、端末装置10から送信された文が記載されているページの番号を端末装置10へ送信する。端末装置10は、送信されたページの番号を電子栞40へ送信する。電子栞40は、送信されたページの番号を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書籍の既読箇所を特定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子化されたコンテンツ(例えば電子書籍)の栞に係る発明として特許文献1に開示された発明がある。特許文献1に開示されている非接触ICカードは、コンテンツを識別するコンテンツ識別情報と、コンテンツにおいて閲覧端末で表示されている箇所を示す閲覧情報を記憶する。閲覧端末に接続されているリーダライタに非接触ICカードを載せると、閲覧端末はコンテンツ識別情報と閲覧情報を読み出す。閲覧端末は、読み出したコンテンツ識別情報で特定されるコンテンツをネットワークに接続されているコンテンツDBサーバから取得し、取得したコンテンツにおいて閲覧情報で特定される箇所を再生する。また、閲覧端末は、コンテンツの再生を終了する際、コンテンツを最後まで再生していない場合には、コンテンツ識別情報と閲覧情報を非接触ICカードに書き込む。
【0003】
コンテンツと閲覧情報とを閲覧端末に記憶させてしまうと、他の閲覧端末でコンテンツを閲覧する際には、コンテンツと閲覧情報を他の端末に移動またはコピーする必要があり、手間がかかる。一方、この発明においては、コンテンツをコンテンツDBサーバから取得し、閲覧情報の箇所からコンテンツを再生するため、ユーザーの操作でコンテンツと閲覧情報を他の端末に移動またはコピーする必要がなく、閲覧端末を変更しても容易にコンテンツを途中から再生できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−148603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、コンテンツとして電子書籍を購入した者の中には紙媒体で同じ書籍を購入し、持ち運びが容易であるため通勤時においては電子書籍で読書し、端末で読書をするとディスプレイで目が疲れるため、帰宅した後は紙媒体で読書を続けるというように、電子書籍と紙媒体の書籍との両方を読む者もある。ここで特許文献1の発明においては、電子書籍で読みかけの箇所については非接触ICカードに記憶させ、その場所から閲覧端末で電子書籍の読書を再開することができる。しかしながら、電子書籍で読みかけの箇所を紙媒体の書籍で探し出すしくみや、紙媒体で読みかけの箇所を電子書籍で探し出すしくみがないため、媒体を変えると読みかけの箇所を変更後の媒体において探しださなければならず、直ぐに読書を再開するのが難しい。
【0006】
本発明は、上述した背景の下になされたものであり、読む文書を紙媒体の文書から電子文書、または電子文書から紙媒体の文書へ変更した場合に、読みかけの場所を容易に特定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために本発明は、記憶部に記憶されている電子文書の内容を表示部に表示させる第1表示手段と、前記表示部に表示されている複数の文の少なくとも一部をユーザーの操作に応じて前記記憶部に記憶させる記憶制御手段と、前記電子文書と同じ内容の紙文書において前記記憶制御手段により前記記憶部に記憶された文が記載されているページのページ番号を取得するページ番号取得手段と、前記ページ番号取得手段で取得されたページ番号を電子栞に送信する第1送信手段と、前記電子栞から送信される文字列を受信する第1受信手段と、前記電子文書のうち前記第1受信手段で受信された文字列を含む部分を前記表示部に表示させる第2表示手段と、を備える端末装置と、前記第1送信手段から送信されたページ番号を受信する第2受信手段と、前記第2受信手段で受信されたページ番号を表示するページ番号表示手段と、撮影手段と、前記撮影手段で撮影された文字列を認識する認識手段と、前記認識手段で認識された文字列を前記端末装置へ送信する第2送信手段とを備える電子栞と、を有する読書システムを提供する。
【0008】
また本発明は、記憶部に記憶されている電子文書の内容を表示部に表示させる第1表示手段と、前記表示部に表示されている複数の文の少なくとも一部をユーザーの操作に応じて前記記憶部に記憶させる記憶制御手段と、前記電子文書と同じ内容の紙文書において前記記憶制御手段により前記記憶部に記憶された文が記載されているページのページ番号を取得するページ番号取得手段と、前記ページ番号取得手段で取得されたページ番号を電子栞に送信する第1送信手段と、前記電子栞から送信されるページ番号を受信する第1受信手段と、前記紙文書において前記第1受信手段で受信されたページ番号のページに記載されている文字列を取得する文字列取得手段と、前記電子文書のうち前記文字列取得手段で取得された文字列を含む部分を前記表示部に表示させる第2表示手段と、を備える端末装置と、前記第1送信手段から送信されたページ番号を受信する第2受信手段と、前記第2受信手段で受信されたページ番号を表示するページ番号表示手段と、撮影手段と、前記撮影手段で撮影されたページ番号を認識する認識手段と、前記認識手段で認識されたページ番号を前記端末装置へ送信する第2送信手段と、を備える電子栞と、を有する読書システムを提供する。
【0009】
本発明においては、前記電子栞は、前記紙文書の文書名を記憶し、前記ページ番号と共に前記文書名を表示する構成であってもよい。
【0010】
また本発明は、記憶部に記憶されている電子文書の内容を表示部に表示させる第1表示手段と、前記表示部に表示されている複数の文の少なくとも一部をユーザーの操作に応じて前記記憶部に記憶させる記憶制御手段と、前記電子文書と同じ内容の紙文書において前記記憶制御手段により前記記憶部に記憶された文が記載されているページのページ番号を取得するページ番号取得手段と、前記ページ番号取得手段で取得されたページ番号を電子栞に送信する送信手段と、前記電子栞から送信される文字列を受信する受信手段と、前記電子文書のうち前記第1受信手段で受信された文字列を含む部分を前記表示部に表示させる第2表示手段と、を備える端末装置を提供する。
【0011】
また本発明は、記憶部に記憶されている電子文書の内容を表示部に表示させる第1表示手段と、前記表示部に表示されている複数の文の少なくとも一部をユーザーの操作に応じて前記記憶部に記憶させる記憶制御手段と、前記電子文書と同じ内容の紙文書において前記記憶制御手段により前記記憶部に記憶された文が記載されているページのページ番号を取得するページ番号取得手段と、前記ページ番号取得手段で取得されたページ番号を電子栞に送信する送信手段と、前記電子栞から送信されるページ番号を受信する受信手段と、前記紙文書において前記受信手段で受信されたページ番号のページに記載されている文字列を取得する文字列取得手段と、前記電子文書のうち前記文字列取得手段で取得された文字列を含む部分を前記表示部に表示させる第2表示手段と、を備える端末装置を提供する。
【0012】
また本発明は、端末装置が、記憶部に記憶されている電子文書の内容を表示部に表示させるステップと、前記端末装置が、前記表示部に表示されている複数の文の少なくとも一部をユーザーの操作に応じて前記記憶部に記憶させるステップと、前記端末装置が、前記電子文書と同じ内容の紙文書において前記記憶部に記憶された文が記載されているページのページ番号を取得するステップと、前記端末装置が、前記取得したページ番号を電子栞に送信するステップと、前記電子栞が、前記端末装置から送信されたページ番号を受信するステップと、前記電子栞が、前記受信したページ番号を表示するステップと、前記電子栞が、撮影部で撮影された文字列を認識する認識ステップと、前記電子栞が、前記認識した文字列を前記端末装置へ送信するステップと、前記端末装置が、前記電子栞から送信された文字列を受信するステップと、前記端末装置が、前記電子文書のうち前記受信した文字列を含む部分を前記表示部に表示させるステップと、を備える連携方法を提供する。
【0013】
端末装置が、記憶部に記憶されている電子文書の内容を表示部に表示させるステップと、前記端末装置が、前記表示部に表示されている複数の文の少なくとも一部をユーザーの操作に応じて前記記憶部に記憶させるステップと、前記端末装置が、前記電子文書と同じ内容の紙文書において前記記憶部に記憶された文が記載されているページのページ番号を取得するステップと、前記取得したページ番号を電子栞に送信するステップと、前記電子栞が、前記端末装置から送信されたページ番号を受信するステップと、前記電子栞が、前記受信したページ番号を表示するステップと、前記電子栞が、撮影部で撮影されたページ番号を認識するステップと、前記電子栞が、前記認識したページ番号を前記端末装置へ送信するステップと、前記端末装置が、前記電子栞から送信されたページ番号を受信するステップと、前記端末装置が、前記紙文書において前記受信したページ番号のページに記載されている文字列を取得するステップと、前記端末装置が、前記電子文書のうち前記取得した文字列を含む部分を前記表示部に表示させるステップと、を有する連携方法を提供する。
【0014】
また本発明は、コンピュータを、記憶部に記憶されている電子文書の内容を表示部に表示させる第1表示手段と、前記表示部に表示されている複数の文の少なくとも一部をユーザーの操作に応じて前記記憶部に記憶させる記憶制御手段と、前記電子文書と同じ内容の紙文書において前記記憶制御手段により前記記憶部に記憶された文が記載されているページのページ番号を取得するページ番号取得手段と、前記ページ番号取得手段で取得されたページ番号を電子栞に送信する送信手段と、前記電子栞から送信される文字列を受信する受信手段と、前記電子文書のうち前記第1受信手段で受信された文字列を含む部分を前記表示部に表示させる第2表示手段として機能させるためのプログラムを提供する。
【0015】
また本発明は、コンピュータを、記憶部に記憶されている電子文書の内容を表示部に表示させる第1表示手段と、前記表示部に表示されている複数の文の少なくとも一部をユーザーの操作に応じて前記記憶部に記憶させる記憶制御手段と、前記電子文書と同じ内容の紙文書において前記記憶制御手段により前記記憶部に記憶された文が記載されているページのページ番号を取得するページ番号取得手段と、前記ページ番号取得手段で取得されたページ番号を電子栞に送信する送信手段と、前記電子栞から送信されるページ番号を受信する受信手段と、前記紙文書において前記第1受信手段で受信されたページ番号のページに記載されている文字列を取得する文字列取得手段と、前記電子文書のうち前記文字列取得手段で取得された文字列を含む部分を前記表示部に表示させる第2表示手段として機能させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、読む文書を紙媒体の文書から電子文書、または電子文書から紙媒体の文書へ変更した場合に、読みかけの場所を容易に特定できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る読書システム1の全体構成を示した図。
【図2】電子栞40のハードウェア構成を示した図。
【図3】テーブルTB1の内容の一例を示した図。
【図4】電子栞40において実現する機能の構成を示した図。
【図5】サーバ装置30のハードウェア構成を示した図。
【図6】テーブルTB2の内容の一例を示した図。
【図7】テーブルTB3の内容の一例を示した図。
【図8】端末装置10のハードウェア構成を示した図。
【図9】テーブルTB4の内容の一例を示した図。
【図10】端末装置10において実現する機能の構成を示した図。
【図11】実施形態の動作を説明するための図。
【図12】端末装置10が行う処理の流れを示したフローチャート。
【図13】実施形態の動作を説明するための図。
【図14】実施形態の動作を説明するための図。
【図15】電子栞40に表示される画面の一例を示した図。
【図16】電子栞40が行う処理の流れを示したフローチャート。
【図17】実施形態の動作を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施形態]
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係わる読書システム1の全体構成の一例を示した図である。通信回線20は、本実施形態においてはインターネットである。なお、図1においては一つの端末装置10と一つのサーバ装置30が通信回線20に接続されているが、通信回線20には複数の端末装置10と複数のサーバ装置30を接続することができる。
【0019】
サーバ装置30は、電子文書および紙媒体の本を販売する企業が管理するサーバ装置である。サーバ装置30は、紙媒体の本50や電子文書を販売するためのWebページを端末装置10へ提供し、Webページを用いて購入された電子文書を端末装置10へ送信する。
【0020】
端末装置10は、タブレットPC(Personal Computer)であり、通信回線20を介して他のコンピュータ装置とデータ通信を行う。なお、端末装置10は、タブレットPCに限定されるものではなく、データ通信機能を備えていれば、スマートフォン、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、デスクトップ型のパーソナルコンピュータなどであってもよい。端末装置10は、近距離無線通信(例えば赤外線通信やBluetooth(登録商標)、RFID(Radio Frequency IDentification)など)の機能を備えており、電子栞40と無線通信を行う。
【0021】
電子栞40は、板状で矩形の形状をしており、ボタン41〜43およびディスプレイ装置45を備えている。また、電子栞40は、カメラ44をディスプレイ装置45の反対側に備えている(図示略)。電子栞40は、紙媒体の本50に挟まれて栞として使用される。また電子栞40は、近距離無線通信の機能を備えており、端末装置10と無線通信を行う。また、電子栞40は、読みかけの文に係るデータや、マークした文に係るデータなど、本50や電子文書において既読となった文に関するデータ(以下、既読データと称する)を記憶する機能を有している。
紙文書の一例である本50は、紙媒体の書籍であり、書籍JANコードを表すバーコードが印刷されている。
【0022】
(電子栞40の構成)
図2は、電子栞40のハードウェア構成の一例を示した図である。電子栞40は、制御部401、操作部402、表示部403、撮影部404、通信部405および記憶部406を備えている。
操作部402は、ボタン41〜43を備えており、操作されたボタンを示す信号を制御部401へ出力する。表示部403は、表示媒体としてディスプレイ装置45(例えば液晶ディスプレイ)を備えており、制御部401の制御の下、文字や画像をディスプレイ装置45に表示させる。撮影部404は、撮像素子を有するカメラ44を備えており、撮像素子で得た像を表す画像データを制御部401へ供給する。通信部405は、近距離無線通信のインターフェースであり、無線通信により端末装置10との間で各種データのやり取りを行う。
【0023】
記憶部406は、不揮発性メモリを備えており、各種データを記憶する。図3は、記憶部406に記憶されるテーブルTB1の一例を示した図である。「ユーザー識別子」の欄には、電子栞40および端末装置10のユーザーを一意に識別するユーザー識別子が格納される。「フラグ」のフィールドには、1または0の値が格納される。フラグの値が1である場合、電子栞40のユーザーが当該フラグに対応付けられている図書コード(国際標準図書番号)の本を読んでいることを表す。また、フラグの値が0である場合、電子栞40のユーザーが当該フラグに対応付けられている図書コードの本を読んでいないことを表す。「識別番号」のフィールドには、書籍を一意に識別する識別番号が格納される。「書籍名」のフィールドには、図書コードで特定される書籍の書籍名が格納される。「図書コード」のフィールドには、書籍に付与されている図書コードが格納される。
【0024】
「読みかけ場所」のフィールドには、本50または電子文書において既読となった最後の文が格納される。例えば、ユーザーが本50または電子文書を途中まで読み、読んだ最後の文が「今日は、・・・した。」という文の場合、この文が「読みかけ場所」のフィールドに格納される。「読みかけページ」のフィールドには、本50において読みかけとなったページのページ番号が格納される。例えば、ユーザーが本50を35ページの途中まで読んだ場合、「読みかけページ」のフィールドには「35」が格納される。
「マーク場所」のフィールドには、本50または電子文書においてマークされた文が格納される。例えば、ユーザーが本50または電子文書を読み、「昨日は、・・・した。」という文をマークした場合、この文が「マーク場所」のフィールドに格納される。「マークページ」のフィールドには、本50または電子文書においてマークした文が記載されているページの番号が格納される。例えば、本50の15ページ目の文がマークされた場合、「15」が「マークページ」のフィールドに格納される。
なお、読みかけ場所、読みかけページ、マーク場所およびマークページのデータは、既読となったページに関するデータであり、本実施形態に係る既読データの一例である。図3においては、マーク場所とマークページはテーブルTB1において一つしか格納されていないが、テーブルTB1は、複数のマーク場所とマークページを格納してもよい。また、テーブルTB1においては「書籍名」のフィールドが設けられているが、識別番号と書籍名を対応付けたテーブルを別途設け、テーブルTB1に「書籍名」のフィールドを設けないようにしてもよい。この構成の場合、書籍名をテーブルから得る場合には、別途設けられたテーブルから識別番号を基にして書籍名を得る。
【0025】
制御部401は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有するマイクロコンピュータを備えており、操作部402から供給される信号や、端末装置10との間で行われる無線通信に応じて各種処理を実行する。制御部401がROMに記憶されているプログラムを実行すると、端末装置10と無線通信を行う機能、撮影部404で撮影された文字を認識する機能、撮影部404で撮影されたバーコードを解析して本50の図書コードまたは雑誌コードを認識する機能、記憶部406に記憶されているテーブルTB1に各種データを書き込む機能などが実現する。
【0026】
図4は、電子栞40において実現する機能の構成を示したブロック図である。
受信部450は、端末装置10から送信されて通信部405で受信されたデータを受信するものである。受信部450で受信されたデータは、記憶部406に記憶される。ページ番号表示部451は、受信部450で受信されて記憶部406に記憶されたデータのうちの一つであるページ番号が表示部403に表示されるように表示部403を制御する。認識部452は、撮影部404で撮影された本50の文字列またはページ番号を認識する。送信部453は、認識部452で認識された文字列やページ番号を、通信部405を制御して端末装置10へ送信する。
【0027】
(サーバ装置30の構成)
図5は、サーバ装置30のハードウェア構成の一例を示したブロック図である。図5に示したように、サーバ装置30の各部はバス301に接続されており、このバス301を介して各部間でデータのやり取りを行う。
【0028】
通信部308は、通信回線20を介してデータ通信を行うためのインターフェースとして機能する。通信部308は、図示を省略した通信ケーブルにより通信回線20に接続される。操作部306は、ユーザーにより操作されるキーボード(図示略)およびマウス(図示略)を有している。操作部306は、マウスまたはキーボードが操作されると、操作されたボタンやキーを示す信号を制御部302へ出力する。表示部307は、液晶ディスプレイを有しており、制御部302の制御の下、文字やグラフィック画面などを表示する。
【0029】
記憶部305は、データを永続的に記憶する装置(例えばハードディスク装置)を有しており、サーバ装置30においてオペレーティングシステムの機能を実現するプログラムや、クライアントサーバシステムのサーバの機能を実現するプログラムを記憶している。また、記憶部305は、端末装置10へ提供する電子文書を記憶している。また、記憶部305は、テーブルTB2とテーブルTB3を記憶している。
図6は、テーブルTB2の一例を示した図である。テーブルTB2は、テーブルTB1と同じく、識別番号、書籍名、図書コード、読みかけ場所、読みかけページ、マーク場所およびマークページのフィールドを備えている。なお、テーブルTB2は、フラグのフィールドを備えていない点でテーブルTB1と相違している。
図7は、テーブルTB3の一例を示した図である。「図書コード」の欄には、図書コードが格納される。「ページ番号」フィールドには、「図書コード」の欄に格納されているコードで特定される本50のページ番号が格納される。「文章」フィールドには、同じレコードのページ番号で特定されるページに記載されている文章が格納される。なお、記憶部305は、サーバ装置30で販売される本50毎にテーブルTB3を備えている。
【0030】
制御部302は、CPU、ROM、RAMを備えており、操作部306から供給される信号や、端末装置10との間で行われる通信に応じて各種処理を実行し、サーバ装置30の各部を制御する。制御部302が記憶部305に記憶されているプログラムを実行すると、サーバ装置30は、クライアントサーバシステムのサーバとして機能する。また、操作部306から供給される信号や、端末装置10との間で行われるデータ通信に応じて各種処理を実行し、他のコンピュータ装置とデータ通信により各種データを授受することが可能となる。
【0031】
(端末装置10の構成)
図8は、端末装置10のハードウェア構成を例示したブロック図である。図8に示したように、端末装置10の各部は、バス101に接続されており、このバス101を介して各部間でデータのやり取りを行う。
【0032】
第1通信部108は、通信回線20を介したデータ通信を行うためのインターフェースとして機能する。第1通信部108は、図示を省略した通信ケーブルにより通信回線20に接続される。第2通信部109は、電子栞40との間で近距離無線通信を行うためのインターフェースとして機能する。操作部106は、タッチスクリーンを備えている。
なお、タッチスクリーンにおいて画像を表示する表示部107は、ディスプレイ装置であり、画像を表示する表示部の一例に相当する。表示部107としては液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が挙げられる。タッチスクリーンは、制御部102の制御の下、文字やグラフィック画面などを表示し、ユーザーにより操作されると、操作された位置を示す信号を制御部102へ出力する。
【0033】
記憶部105は、データを永続的に記憶する装置(例えばハードディスク装置)を有しており、端末装置10においてオペレーティングシステムの機能を実現するプログラム、Webブラウザの機能を実現するプログラム、電子文書を再生するプログラムなどを記憶している。
また、記憶部105は、テーブルTB4を記憶している。図9は、テーブルTB4の一例を示した図である。テーブルTB4は、テーブルTB1と比較すると「フラグ」のフィールドを備えていない点で相違しており、他はテーブルTB1と同じである。
【0034】
制御部102は、CPU、ROM、RAMを備えており、操作部106から供給される信号や、サーバ装置30または電子栞40との間で行われる通信に応じて各種処理を実行し、端末装置10の各部を制御する。
制御部102がWebブラウザの機能を実現するプログラムを実行すると、サーバ装置30とデータ通信を行い、サーバ装置30が提供するWebページを表示することや、サーバ装置30が提供する電子文書を受信することが可能となる。
また制御部102が電子文書を再生するプログラムを実行すると、サーバ装置30から受信した電子文書を再生する機能や、本50や電子文書における読みかけ場所、読みかけページ、マーク場所、マークページなどのデータを電子栞40との間やサーバ装置30との間で授受する機能が実現する。
【0035】
(端末装置10の機能構成)
図10は、電子文書を再生するプログラムを実行することにより端末装置10において実現する機能の構成を示したブロック図である。
第1表示部150は、記憶部105に記憶されている電子文書の内容を表示部107に表示させる。記憶制御部151は、表示部107に表示されている文の少なくとも一部を、操作部106において行われた操作に応じて記憶部105に記憶させる。ページ番号取得部152は、電子文書と同じ内容の紙文書のうち、記憶部105に記憶された文が記載されているページの番号を取得する。取得したページ番号は記憶部105に記憶される。送信部153は、ページ番号取得部152で取得されて記憶部105に記憶されたページ番号を、第2通信部109を制御して電子栞40へ送信する。受信部154は、電子栞40から送信されて第2通信部109が受信した文字列やページ番号を受信する。受信した文字列やページ番号は、記憶部105に記憶される。文字列取得部155は、記憶部105に記憶されている電子文書のうち、記憶部105に記憶されているページ番号のページに記載されている文字列を取得する。第2表示部156は、記憶部105に記憶されている電子文書のうち、受信部154で受信されて記憶部105に記憶された文字列を含む部分を表示部107に表示させる。
【0036】
(本50および電子文書を購入する時の動作)
次に本実施形態の動作について、まず本50および電子文書を購入する時の動作について図11を用いて説明する。まず、Webブラウザが実現されている端末装置10において、ユーザーがサーバ装置30へのアクセスを指示する操作を行うと、端末装置10がサーバ装置30へアクセスし(ステップS101)、サーバ装置30が提供するWebページが端末装置10へ送られ(ステップS102)、このWebページが端末装置10において表示される。次に、端末装置10のユーザーが、紙媒体の本50と電子文書を購入する操作を行うと、購入のために必要な各種データのやり取りがサーバ装置30と端末装置10との間で行われる(ステップS103)。
【0037】
書籍購入の処理が終了すると、サーバ装置30の制御部302は、電子文書を購入したユーザーを識別するためのユーザー識別子と、ユーザーが購入した書籍を一意に識別する識別番号とを生成する(ステップS104)。
また制御部302は、生成したユーザー識別子を含むテーブルTB2に、識別番号、ユーザーが購入した書籍の書籍名および本50の図書コードを格納する(ステップS105)。なお、テーブルTB2に新たに識別番号、書籍名および図書コードを格納した場合には、これらのデータが新たに格納されたレコードの読みかけ場所、読みかけページ、マーク場所およびマークページの欄にはデータが格納されず空欄にされる。制御部302は、テーブルTB2に新たなデータを格納し終えると、ユーザーが購入した電子文書と、テーブルTB2を端末装置10へ送信する(ステップS106)。また、サーバ装置30において書籍購入の処理が終了すると、紙媒体の本50と電子文書の両方を購入した場合、本50が宅配便により端末装置10のユーザーへ送られる。
サーバ装置30から送信された電子文書およびテーブルTB2が端末装置10で受信されると、端末装置の制御部102は、受信した電子文書を記憶部105に記憶させる。また、制御部102は、受信したテーブルTB2をテーブルTB4として記憶部105に記憶させる(ステップS107)。
【0038】
(電子文書を再生した時の動作)
電子文書を再生するプログラムが端末装置10において実行されると、記憶部105に記憶された電子文書を再生することが可能となる。ユーザーが電子文書の再生を指示する操作を端末装置10において行うと、電子文書が再生され、電子文書の内容が操作部106のタッチスクリーンに表示される。電子文書が再生されている状態で操作部106が操作されると、図12に示した処理が実行される。
ユーザーが、電子文書のページ送りの操作を行うと(ステップSA1でYES)、制御部102は、表示部107を制御して表示している電子文書のページ送りを行う(ステップSA2)。ユーザーは、電子文書を読み進めてマークしたい文章を見つけると、タッチスクリーンで文章を選択し、選択した文章をマークする操作を行う。制御部102は、文章をマークする操作が行われると(ステップSA3でYES)、マークされた文を、再生している電子文書の書籍名に対応付けてテーブルTB4の「マーク場所」のフィールドに格納する(ステップSA4)。また、制御部102は、ユーザーにより電子文書の再生を終了する操作が行われると(ステップS5でYES)、表示されている最後の文を、再生している書籍名に対応付けてテーブルTB4の「読みかけ場所」のフィールドに格納し(ステップSA6)、電子文書の再生を終了する(ステップSA7)。
【0039】
(テーブルTB2の内容を更新する時の動作)
次に、サーバ装置30のテーブルTB2の内容を更新する動作について図13を用いて説明する。ユーザーが、端末装置10において既読データをサーバ装置30へアップロードする操作を行うと、テーブルTB4がサーバ装置30へ送信される(ステップS201)。サーバ装置30の制御部302は、テーブルTB4を受信すると、受信したテーブルTB4に含まれているユーザー識別子を含むテーブルTB2を検索する。制御部302は、該当するテーブルTB2を見つけると、テーブルTB2の「読みかけ場所」のフィールドと「マーク場所」のフィールドを、受信したテーブルTB4に格納されている「読みかけ場所」と「マーク場所」で上書きする(ステップS202)。なお、テーブルTB2の内容を更新するのは、ユーザーが端末装置10において既読データをサーバ装置30へアップロードする操作を行った場合に限定されるものではない。例えば、テーブルTB4の内容が更新されたのを契機としてテーブルTB2の内容を更新するようにしてもよい。
【0040】
次にサーバ装置30は、上書きされた「読みかけ場所」に対応するページ番号を「読みかけページ」のフィールドに格納する(ステップS203)。具体的には、まず、制御部302は、テーブルTB2の図書コードの欄に格納されているコードを含むテーブルTB3を検索する。制御部302は、該当するテーブルTB3を見つけると、テーブルTB2の「読みかけ場所」に格納されている文をテーブルTB3の「文章」フィールドにおいて検索する。制御部302は、該当する文を見つけると、見つけた文に対応づけられているページ番号をテーブルTB3から取得し、取得したページ番号をテーブルTB2の「読みかけページ」のフィールドに格納する。なお、テーブルTB2に複数のレコードがある場合、レコード毎にこの処理を行う。
【0041】
またサーバ装置30は、上書きされた「マーク場所」に対応するページ番号を「マークページ」のフィールドに格納する(ステップS204)。具体的には、まず、制御部302は、テーブルTB2の図書コードの欄に格納されているコードを含むテーブルTB3を検索する。制御部302は、該当するテーブルTB3を見つけると、テーブルTB2の「マーク場所」に格納されている文をテーブルTB3の「文章」フィールドにおいて検索する。制御部302は、該当する文を見つけると、見つけた文に対応づけられているページ番号をテーブルTB3から取得し、取得したページ番号をテーブルTB2の「マークページ」のフィールドに格納する。なお、テーブルTB2に複数のレコードがある場合、レコード毎にこの処理を行う。また、マーク場所が複数ある場合、マーク場所毎にこの処理を行う。
【0042】
制御部302は、テーブルTB2の更新が終了すると、更新されたテーブルTB2を端末装置10へ送信する(ステップS205)。送信されたテーブルTB2が端末装置10において受信されると、制御部102は、記憶しているテーブルTB4を受信したテーブルTB2で上書きする。ここで、テーブルTB4においては、本50においてマーク場所の文があるページのページ番号がテーブルTB4に格納され、本50において読みかけ場所の文があるページのページ番号がテーブルTB4に格納されることとなる。
【0043】
(電子栞40のテーブルTB1の内容を更新する動作)
次に、電子栞40のテーブルTB1の内容を更新する動作について図14を用いて説明する。ユーザーが、既読データを電子栞40へ送信する操作を端末装置10において行うと、制御部102が第2通信部109を制御し、テーブルTB4が電子栞40へ送信される(ステップS301)。テーブルTB4が電子栞40で受信されると、制御部401は、テーブルTB1の「フラグ」以外のフィールドを受信したテーブルTB4で上書きする。制御部401は、テーブルTB4の上書きを終了すると、「フラグ」が1となっているレコードを読み出し、読み出したレコードに含まれている書籍名、読みかけページ、マークページを表示する。
図15は、表示部403に表示された画像の一例を示した図である。図15に示したように、表示部403にはテーブルTB1においてフラグが1となっているレコードに含まれている書籍名、読みかけページ、およびマークページが表示される。ここで、読みかけページ、即ち、上述した動作により電子文書において読み進めた最後の文があるページの番号が表示部403に表示されるため、この表示されたページ番号のページを本50において開けば、ユーザーは電子文書の続きを紙媒体の本50において読むことができる。また、電子文書においてマークした文があるページの番号が表示部403に表示されるため、表示された番号のページを開けば、ユーザーはマークした文を紙媒体の本50において容易に探しだすことができる。
【0044】
(電子栞40にマークページを記憶させる時の動作)
次に、ユーザーが本50において読んだ文をマークして電子栞40に記憶させる時の動作について説明する。電子栞40においては、操作部402が操作されと図16に示した処理が実行される。
ユーザーは、本50において文をマークする場合、ボタン43を操作してマークする文をカメラ44で撮影する(ステップSB1でYES)。これにより、撮影部404においては、マークする文を表す画像データが生成される(ステップSB2)。
次にユーザーがボタン41を操作すると(ステップSB3でYES)、制御部401は、生成された画像データの画像を解析して画像中にある文字を認識し(ステップSB4)、認識した文字を、フラグの値が1であるレコードの「マーク場所」のフィールドに格納する(ステップSB5)。なお、マーク場所に文字列を格納する際には、既にテーブルTB1にあるマーク場所のフィールドとは別に新たにマーク場所のフィールドが生成し、新たに生成したフィールドに文字列を格納する。
【0045】
(電子栞40に読みかけページを記憶させる時の動作)
次に、本50における読みかけページを電子栞40に記憶させる時の動作について説明する。ユーザーは、本50を読むのを中断する場合、読み進めた最後のページにある文を、ボタン43を操作してカメラ44で撮影する(ステップSB1でYES)。これにより、撮影部404においては、撮影した文を表す画像データが生成される(ステップSB2)。次にユーザーがボタン42を操作すると(ステップSB6でYES)、制御部401は、生成された画像データの画像を解析して画像中にある文字列を認識し(ステップSB7)、認識した文字列を、フラグの値が1であるレコードの「読みかけ場所」のフィールドに格納する(ステップSB8)。
【0046】
(電子栞40の既読データを端末装置10へ送信する時の動作)
次に、端末装置10のテーブルTB4の内容を電子栞40のテーブルTB1の内容で更新する時の動作について、図17を用いて説明する。ユーザーが、電子栞40から既読データを取得するよう指示する操作を端末装置10において行うと、制御部102により第2通信部109が制御され、テーブルTB1を要求するメッセージが電子栞40へ送信される(ステップS401)。このメッセージが電子栞40において受信されると、制御部401は、記憶部406に記憶されているテーブルTB1を、通信部405を制御して端末装置10へ送信する(ステップS402)。
電子栞40から送信されたテーブルTB1が端末装置10で受信されると、制御部102は、記憶部105に記憶されているテーブルTB4の各フィールドを受信したテーブルTB4で上書きする(ステップS403)。
【0047】
制御部102は、テーブルTB4の更新を終了すると、サーバ装置30のテーブルTB2の内容を更新する動作(図13の動作)を行う。これにより、本50において読書を中断したページのページ番号がテーブルTB2の「読みかけページ」のフィールドに格納される。また、本50においてマークした文があるページのページ番号がテーブルTB2の「マークページ」のフィールドに格納される。また、サーバ装置30において更新されたテーブルTB2が端末装置10へ送信され、テーブルTB4がテーブルTB2の内容で上書きされる。上書きされたテーブルTB2においては、本50において読みかけのページにある文が「読みかけ場所」のフィールドに格納されている。
端末装置10において電子文書を再生する場合、「読みかけ場所」のフィールドに格納されている文を検索し、検索した文を表示する。これにより、本50において読みかけとなった文、および読みかけとなった文の前後の文が表示されるため、ユーザーは電子文書において紙媒体の本50の続きを読むことができる。なお、端末装置10は、「読みかけ場所」のフィールドに格納されている文を検索し、検索した文より後の文から表示を行うようにしてもよい。
【0048】
また、上書きされたテーブルTB2においては、本50においてマークした文が「マーク場所」のフィールドに格納されている。端末装置10において、マークした文のリストの表示を指示する操作が端末装置10において行われると、「マーク場所」のフィールドに格納されている文が表示される。次に、ユーザーが表示された文を選択する操作を端末装置10において行うと、選択された文が電子文書において検索され、該当する文および該当する文の前後の文が表示される。これによりユーザーは、過去にマークした文を容易に読むことができる。
【0049】
(本50のバーコードを撮影した時の動作)
ユーザーが、ボタン43を操作して本50に印刷されているバーコードを撮影すると(ステップSB1でYES)、制御部401は、バーコードを表す画像データを生成する(ステップSB2)。次にユーザーがボタン41とボタン42を同時に操作すると(ステップSB9でYES)、制御部401は、生成した画像データが表すバーコードを解析し、図書コードを取得する(ステップSB10)。
制御部401は、図書コードを取得すると、取得した図書コードをテーブルTB1において検索する。制御部401は、検索した図書コードを見つけると(ステップSB11でYES)、検索した図書コードが格納されているレコードのフラグの値を1にし、他のレコードにあるフラグの値を0にする(ステップSB12)。
また、制御部401は、取得した図書コードがテーブルTB1において見つからなかった場合(ステップSB11でNO)、テーブルTB1に新たにレコードを追加する(ステップSB13)。そして、追加したレコードのフラグの値を1にし、追加したレコードの図書コードの列に画像データを解析して得た図書コードを格納する。
なお、図書コードを取得してテーブルTB1に新たにレコードを追加し、この新たにレコードが追加されたテーブルTB1でテーブルTB4の内容を更新する場合、テーブルTB1で新たに追加されたレコードにある図書コードがテーブルTB4に無い場合には、テーブルTB1において新たに追加されたレコードを削除するようにしてもよい。
【0050】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよく、各変形例を組み合わせて実施してもよい。
【0051】
上述した実施形態においては、テーブルTB3はサーバ装置30に記憶されているが、電子文書の購入時にテーブルTB3を端末装置10へ送信し、テーブルTB3を端末装置10に記憶させるようにしてもよい。この構成によれば、サーバ装置30へアクセスしなくとも、読みかけ場所のページ番号やマーク場所のページ番号を端末装置10において取得することができる。
【0052】
紙媒体の本においては、同じ書籍名でもハードカバーと文庫本のように異なる装丁で異なるページ数となる場合があり、図書コードが異なる場合がある。この場合、各テーブルに各図書コードのレコードを設けるようにしてもよい。具体的には、例えばユーザーがハードカバーの本50と電子文書を購入した場合、ハードカバーの本50の図書コードを格納したレコードと、文庫本の図書コードを格納したレコードの両方を各テーブルに設け、購入していない文庫本の図書コードを格納したレコードの内容についても適宜更新するようにしてもよい。つまり、各テーブルにおいては、ユーザーが購入した本50の図書コードを格納したレコードだけでなく、同じ書籍名であって異なる装丁で流通している全ての本についてもレコードを設けるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では図書コードのフィールドには図書コードを格納しているが、図書コードに限定されるものではなく、雑誌コードを格納するようにしてもよい。
【0053】
上述した実施形態においては、読みかけ場所やマーク場所を特定する際には、本50の文を撮影しているが、本50の各ページに記載されているページ番号を撮影し、撮影されたページ番号を認識して読みかけページの列やマークページの列に格納するようにしてもよい。
この場合、テーブルTB1が電子栞40から端末装置10へ送信されると、端末装置10は、テーブルTB4をテーブルTB1で上書きする際、テーブルTB1の読みかけページとテーブルTB4の読みかけページを比較する。ここで、両者の読みかけページが異なる場合、端末装置10は、テーブルTB1の読みかけページの内容でテーブルTB4の読みかけページを上書きする。次に端末装置10は、テーブルTB4をサーバ装置30へ送信する。サーバ装置30は、テーブルTB2をテーブルTB4で上書きする際、テーブルTB2の読みかけページとテーブルTB4の読みかけページを比較する。ここで、両者の読みかけページが異なる場合、サーバ装置30は、テーブルTB4の読みかけページの内容でテーブルTB2の読みかけページを上書きする。次にサーバ装置30は、上書きしたページ番号と同じレコードに格納されている文章をテーブルTB3から取得し、取得した文章を読みかけ場所のフィールドに格納する。サーバ装置30は、読みかけ場所のフィールドを更新すると、テーブルTB2を端末装置10へ送信する。端末装置10は、テーブルTB4の内容を送信されたテーブルTB2で更新する。
次に端末装置10で電子文書を再生する場合、読みかけ場所のフィールドには、本50において読みかけとなったページの文章が格納されている。端末装置10は、読みかけ場所のフィールドに格納されている文章を電子文書において検索し、該当する文章を表示する。
【0054】
上述した実施形態では、端末装置10において操作がされるとメッセージが送信され、このメッセージの受信を契機として電子栞40がテーブルTB1を端末装置10へ送信しているが、テーブルTB1を端末装置10へ送信する方法は、この方法に限定されるものではない。例えば、電子栞40においてボタンが操作されると、電子栞40がテーブルTB1を端末装置10へ送信するようにしてもよい。
【0055】
上述した実施形態においては、電子文書や本50は書籍であるが、電子文書や本50の内容は書籍に限定されるものではなく、文章を表す内容であれば論文や報告書など他の内容であってもよい。
【0056】
上述した実施形態においては、端末装置10において読みかけ場所を記憶する場合、表示されている最後の文を記憶するようにしているが、ユーザーが文を選択し、選択した文を読みかけ場所として格納するようにしてもよい。
【0057】
上述した実施形態においては、一のユーザーが一台の端末装置10と一の電子栞40を有している場合を想定しているが、一のユーザーが複数台の端末装置10と一の電子栞40を有していてもよい。この構成の場合、各端末装置10は、サーバ装置30または電子栞40と通信を行うと、サーバ装置30または電子栞40から情報を取得し、記憶しているテーブルの内容を更新する。
【0058】
上述した実施形態においては、ユーザーが本50と電子文書の両方を購入した場合を説明しているが、サーバ装置30においては、本50のみを購入することも可能であるし、電子文書50のみを購入することも可能である。
【0059】
上述した実施形態においては、ユーザーが既読データを電子栞40へ送信する操作を端末装置10において行うとテーブルTB1の内容が更新されるが、テーブルTB1の内容を更新する構成は、この構成に限定されるものではない。例えば、端末装置10でテーブルTB4の内容が更新されたのを契機としてテーブルTB4を電子栞40へ送信することにより、テーブルTB1の内容を更新するようにしてもよい。また、端末装置10でテーブルTB4の内容が更新されたのを契機として電子栞40へ予め定められた周期で電子栞40との通信を試み、通信が可能となった時にテーブルTB4を電子栞40へ送信することにより、テーブルTB1の内容を更新するようにしてもよい。
この場合、テーブルTB1をテーブルTB4の内容で更新したか否かを示すフラグを設け、テーブルTB1の内容が更新されるまではこのフラグの値を1とし、テーブルTB1の内容が更新されるとフラグの値を0にするようにしてもよい。そして、フラグの値が1である場合は、周期的に端末装置10が電子栞40へ通信を試み、通信が可能となった時にテーブルTB4を電子栞40へ送信することにより、テーブルTB1の内容を更新してフラグの値を0にするようにしてもよい。また、テーブルTB4とテーブルTB2の間においても、テーブルTB2の内容を周期的にテーブルTB4の内容で更新するようにしてもよい。
【0060】
端末装置10のプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD(Hard Disk Drive)、FD(Flexible Disk))など)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供し、端末装置10にインストールしてもよい。また、通信回線を介してプログラムをダウンロードして端末装置10にインストールしてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1…読書システム、10…端末装置、20…通信回線、30…サーバ装置、40…電子栞、41〜43…ボタン、44…カメラ、45…ディスプレイ、50…本、101…バス、102…制御部、106…操作部、107…表示部、108…第1通信部、109…第2通信部、150…第1表示部、151…記憶制御部、152…ページ番号取得部、153…送信部、154…受信部、155…文字列取得部、156…第2表示部、301…バス、302…制御部、305…記憶部、306…操作部、307…表示部、308…通信部、401…制御部、402…操作部、403…表示部、404…撮影部、405…通信部、406…記憶部、450…受信部、451…ページ番号表示部、452…認識部、453…送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部に記憶されている電子文書の内容を表示部に表示させる第1表示手段と、
前記表示部に表示されている複数の文の少なくとも一部をユーザーの操作に応じて前記記憶部に記憶させる記憶制御手段と、
前記電子文書と同じ内容の紙文書において前記記憶制御手段により前記記憶部に記憶された文が記載されているページのページ番号を取得するページ番号取得手段と、
前記ページ番号取得手段で取得されたページ番号を電子栞に送信する第1送信手段と、
前記電子栞から送信される文字列を受信する第1受信手段と、
前記電子文書のうち前記第1受信手段で受信された文字列を含む部分を前記表示部に表示させる第2表示手段と、
を備える端末装置と、
前記第1送信手段から送信されたページ番号を受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段で受信されたページ番号を表示するページ番号表示手段と、
撮影手段と、
前記撮影手段で撮影された文字列を認識する認識手段と、
前記認識手段で認識された文字列を前記端末装置へ送信する第2送信手段と、
を備える電子栞と、
を有する読書システム。
【請求項2】
記憶部に記憶されている電子文書の内容を表示部に表示させる第1表示手段と、
前記表示部に表示されている複数の文の少なくとも一部をユーザーの操作に応じて前記記憶部に記憶させる記憶制御手段と、
前記電子文書と同じ内容の紙文書において前記記憶制御手段により前記記憶部に記憶された文が記載されているページのページ番号を取得するページ番号取得手段と、
前記ページ番号取得手段で取得されたページ番号を電子栞に送信する第1送信手段と、
前記電子栞から送信されるページ番号を受信する第1受信手段と、
前記紙文書において前記第1受信手段で受信されたページ番号のページに記載されている文字列を取得する文字列取得手段と、
前記電子文書のうち前記文字列取得手段で取得された文字列を含む部分を前記表示部に表示させる第2表示手段と、
を備える端末装置と、
前記第1送信手段から送信されたページ番号を受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段で受信されたページ番号を表示するページ番号表示手段と、
撮影手段と、
前記撮影手段で撮影されたページ番号を認識する認識手段と、
前記認識手段で認識されたページ番号を前記端末装置へ送信する第2送信手段と、
を備える電子栞と、
を有する読書システム。
【請求項3】
前記電子栞は、前記紙文書の文書名を記憶し、前記ページ番号と共に前記文書名を表示すること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の読書システム。
【請求項4】
記憶部に記憶されている電子文書の内容を表示部に表示させる第1表示手段と、
前記表示部に表示されている複数の文の少なくとも一部をユーザーの操作に応じて前記記憶部に記憶させる記憶制御手段と、
前記電子文書と同じ内容の紙文書において前記記憶制御手段により前記記憶部に記憶された文が記載されているページのページ番号を取得するページ番号取得手段と、
前記ページ番号取得手段で取得されたページ番号を電子栞に送信する送信手段と、
前記電子栞から送信される文字列を受信する受信手段と、
前記電子文書のうち前記第1受信手段で受信された文字列を含む部分を前記表示部に表示させる第2表示手段と、
を備える端末装置。
【請求項5】
記憶部に記憶されている電子文書の内容を表示部に表示させる第1表示手段と、
前記表示部に表示されている複数の文の少なくとも一部をユーザーの操作に応じて前記記憶部に記憶させる記憶制御手段と、
前記電子文書と同じ内容の紙文書において前記記憶制御手段により前記記憶部に記憶された文が記載されているページのページ番号を取得するページ番号取得手段と、
前記ページ番号取得手段で取得されたページ番号を電子栞に送信する送信手段と、
前記電子栞から送信されるページ番号を受信する受信手段と、
前記紙文書において前記受信手段で受信されたページ番号のページに記載されている文字列を取得する文字列取得手段と、
前記電子文書のうち前記文字列取得手段で取得された文字列を含む部分を前記表示部に表示させる第2表示手段と、
を備える端末装置。
【請求項6】
端末装置が、記憶部に記憶されている電子文書の内容を表示部に表示させるステップと、
前記端末装置が、前記表示部に表示されている複数の文の少なくとも一部をユーザーの操作に応じて前記記憶部に記憶させるステップと、
前記端末装置が、前記電子文書と同じ内容の紙文書において前記記憶部に記憶された文が記載されているページのページ番号を取得するステップと、
前記端末装置が、前記取得したページ番号を電子栞に送信するステップと、
前記電子栞が、前記端末装置から送信されたページ番号を受信するステップと、
前記電子栞が、前記受信したページ番号を表示するステップと、
前記電子栞が、撮影部で撮影された文字列を認識する認識ステップと、
前記電子栞が、前記認識した文字列を前記端末装置へ送信するステップと、
前記端末装置が、前記電子栞から送信された文字列を受信するステップと、
前記端末装置が、前記電子文書のうち前記受信した文字列を含む部分を前記表示部に表示させるステップと、
を備える連携方法。
【請求項7】
端末装置が、記憶部に記憶されている電子文書の内容を表示部に表示させるステップと、
前記端末装置が、前記表示部に表示されている複数の文の少なくとも一部をユーザーの操作に応じて前記記憶部に記憶させるステップと、
前記端末装置が、前記電子文書と同じ内容の紙文書において前記記憶部に記憶された文が記載されているページのページ番号を取得するステップと、
前記取得したページ番号を電子栞に送信するステップと、
前記電子栞が、前記端末装置から送信されたページ番号を受信するステップと、
前記電子栞が、前記受信したページ番号を表示するステップと、
前記電子栞が、撮影部で撮影されたページ番号を認識するステップと、
前記電子栞が、前記認識したページ番号を前記端末装置へ送信するステップと、
前記端末装置が、前記電子栞から送信されたページ番号を受信するステップと、
前記端末装置が、前記紙文書において前記受信したページ番号のページに記載されている文字列を取得するステップと、
前記端末装置が、前記電子文書のうち前記取得した文字列を含む部分を前記表示部に表示させるステップと、
を有する連携方法。
【請求項8】
コンピュータを、
記憶部に記憶されている電子文書の内容を表示部に表示させる第1表示手段と、
前記表示部に表示されている複数の文の少なくとも一部をユーザーの操作に応じて前記記憶部に記憶させる記憶制御手段と、
前記電子文書と同じ内容の紙文書において前記記憶制御手段により前記記憶部に記憶された文が記載されているページのページ番号を取得するページ番号取得手段と、
前記ページ番号取得手段で取得されたページ番号を電子栞に送信する送信手段と、
前記電子栞から送信される文字列を受信する受信手段と、
前記電子文書のうち前記第1受信手段で受信された文字列を含む部分を前記表示部に表示させる第2表示手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
記憶部に記憶されている電子文書の内容を表示部に表示させる第1表示手段と、
前記表示部に表示されている複数の文の少なくとも一部をユーザーの操作に応じて前記記憶部に記憶させる記憶制御手段と、
前記電子文書と同じ内容の紙文書において前記記憶制御手段により前記記憶部に記憶された文が記載されているページのページ番号を取得するページ番号取得手段と、
前記ページ番号取得手段で取得されたページ番号を電子栞に送信する送信手段と、
前記電子栞から送信されるページ番号を受信する受信手段と、
前記紙文書において前記第1受信手段で受信されたページ番号のページに記載されている文字列を取得する文字列取得手段と、
前記電子文書のうち前記文字列取得手段で取得された文字列を含む部分を前記表示部に表示させる第2表示手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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