請求書発行システム及びプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
【課題】対象作業と請求書発行を分離して管理し、作業予定に対応して請求書発行タイミングを選択可能にする。
【解決手段】作業予定を作業予定データ記憶部2に、請求予定期日を請求予定期日データ記憶部3にそれぞれ予め登録しておく。請求予定期日は、必要に応じて、請求予定期日変更部6により変更され更新される。更新された最新の請求予定に従って、請求書発行処理部4は請求書5の発行を行う。また、作業予定に対する実績を作業実績データ記憶部8に記憶させ、未完了作業管理部9により作業予定と対応させて未完了作業を管理する。
【解決手段】作業予定を作業予定データ記憶部2に、請求予定期日を請求予定期日データ記憶部3にそれぞれ予め登録しておく。請求予定期日は、必要に応じて、請求予定期日変更部6により変更され更新される。更新された最新の請求予定に従って、請求書発行処理部4は請求書5の発行を行う。また、作業予定に対する実績を作業実績データ記憶部8に記憶させ、未完了作業管理部9により作業予定と対応させて未完了作業を管理する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、作業を行ない、行なった作業に対して請求書を発行する請求書発行方式に関するものである。特に、請求書の対象になる対象作業と請求書発行を分離して管理する請求書発行方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、作業の対価として代金を請求する際には、作業発生の都度、作業実績を入力し、入力された作業実績をもとに未請求データを抽出して、請求書発行を行っている。即ち、実績に基づいて、請求書を発行している。
【0003】図17は、従来の請求書発行処理の流れ図である。まず、S901において、作業が実施される。次に、S902において、実施された作業の作業実績を入力する。次に、S903において、S902で入力された作業実績を集計して請求書を発行する。このように、実績に基づいて請求書を発行すると、例えば、現場の都合で、日程を変更して実施した作業などに関して、変更した日程が、請求書の締め日にまたがってしまうと、当初作業を予定していた月には、請求書は発行されないことになる。
【0004】ところが、この請求書発行方法では、実態に合わず不具合が発生する場合がある。例えば、清掃会社など一定の契約に基づき、月単位や、日単位、年単位で作業予定と支払予定が決定されるような場合である。契約されている作業内容によっては、天候等の影響で当初の予定通り実施できず、ある月の締め日を超えて、翌月に延期されることもある。この場合、作業の実施が翌月になれば、それに伴い、その作業分の請求も延期されることになる。一方、清掃を依頼する側の会社では、通常、清掃代として、毎月一定の予算で運用していることが多い。従って、作業の実施が翌月になっても、それに関わらず、請求および支払いは当月に完了したいことがある。
【0005】ところが、従来の販売管理システムなどを用いると、作業実績のない請求はできず、作業実施状況に変動があると、請求額自体も変動してしまう。すなわち、作業実績に関わらず金額を変動させないような請求を行うことはできなかった。そのため、従来は、作業変更しても一定額の請求をしたい場合には、前述の問題点を回避するために、手書きの請求書を発行するなどして対応しており、コンピュータシステム化が望まれていた。
【0006】従来の請求書発行を行う技術として、特開平10−40320号公報の「売掛金請求処理方法及び装置」,特開平6−325057号公報の「請求書発行方法」,特開平6−243000号公報の「請求書発行装置」,特開平7−192167号公報の「ビル料金管理システム」がある。
【0007】特開平10−40320号公報の「売掛金請求処理方法及び装置」は、請求書発行コストを削減するために、例えば小額請求を繰り延べて、まとめて請求するようにする発明である。
【0008】特開平6−325057号公報の「請求書発行方法」は、請求書発行の柔軟性を向上させることを目的とした発明で、請求書発行区分、取り引き種別による分割、納入先別売上分類等と組み合わせた請求書発行を可能にしようというものである。
【0009】特開平6−243000号公報の「請求書発行装置」は、請求周期の異なる請求書発行を容易にしようというものである。
【0010】特開平7−192167号公報の「ビル料金管理システム」は、複数の入居者がいるビルにおいて、複数の各種料金を各支払請求を必要とする際の請求業務を省力化するための発明である。
【0011】上記のいずれも、請求業務の負荷を軽減し省力化するものであるが、作業実績と請求を分離させた請求書発行に関するものはなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の販売管理システムなどの請求書発行のやり方では、作業実績のない請求はできず、作業実施状況に変動があると、請求額自体も変動してしまう。従って、作業実績に関わらず金額を変動させないような請求を行うことはできず、作業変動に対しても請求を変動させないように手書きなどにより、請求書を発行しており、作業実績と請求を切り離した請求書発行業務のコンピュータシステム化が望まれていた。
【0013】この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、対象作業と請求書発行を分離して管理し、請求書発行タイミングを選択可能にする請求書発行システムを実現することを目的としている。また、請求予定期日を、必要に応じて、請求予定期日変更部により変更し、変更した請求予定期日に従って、請求書発行を行う請求書発行システムを実現することを目的としている。また、作業予定に対する実績を記憶させ、作業予定と対応させて未完了作業を管理する請求書発行システムを実現することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明の請求書発行システムは、所定の作業の請求金額に関するデータを請求金額データとして記憶する請求金額データ記憶部と、上記所定の作業に対応する請求予定期日を請求予定期日データとして記憶する請求予定期日データ記憶部と、上記請求金額データ記憶部に記憶される請求金額データと上記請求予定期日データ記憶部に記憶される請求予定期日データとをもとに、上記所定の作業の実績の如何を問わず、請求書を作成して発行する請求書発行処理部とを備えたことを特徴とする。
【0015】また、上記請求金額データ記憶部は、所定の期間に複数回行われる上記所定の作業に対する金額を合計した金額を、所定の期間に複数回行われる請求の回数で割った金額を一回の請求金額として計算して記憶し、上記請求予定期日データ記憶部は、複数回行われる上記所定の作業の各々に対応して請求予定期日を記憶することを特徴とする。
【0016】上記請求書発行システムは、さらに、上記請求予定期日データ記憶部が記憶する請求予定期日を、作業の実績の如何を問わず、変更することができる請求予定期日変更部を備えたことを特徴とする。
【0017】上記請求書発行システムは、さらに、上記請求予定期日変更部が変更した請求予定期日を元にもどすリセット部を備えたことを特徴とする。
【0018】この発明の請求書発行システムは、所定の作業の予定を作業予定データとして記憶する作業予定データ記憶部と、上記所定の作業に対応する請求予定を請求予定データとして記憶する請求予定データ記憶部と、上記作業予定データ記憶部に記憶される作業予定データと上記請求予定データ記憶部に記憶される請求予定データとをもとに請求書を作成して発行する請求書発行処理部とを備えたことを特徴とする。
【0019】上記請求書発行システムは、さらに、上記所定の作業の実績を作業実績データとして記憶する作業実績データ記憶部を有し、上記作業予定データと上記作業実績データとをもとに、完了していない作業を未完了作業として管理する未完了作業管理部を備えたことを特徴とする。
【0020】この発明のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータを所定の作業の予定を作業予定データとして記憶する作業予定データ記憶部と上記所定の作業に対応する請求予定を請求予定データとして記憶する請求予定データ記憶部と上記作業予定データ記憶部に記憶される作業予定データと上記請求予定データ記憶部に記憶される請求予定データとをもとに請求書を作成して発行する請求書発行処理部として機能させるためのプログラムを記録することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】実施の形態1.この実施の形態では、対象作業と請求書発行を分離して管理し、作業予定に対応して請求書発行タイミングを選択可能な請求書発行システムについて説明する。請求書発行タイミングを選択するとは、例えば、予定通り作業実施して予定通り請求書を発行する場合、予定と作業実績とは異なるが、予定通り請求書を発行する場合、作業実績に合わせて請求書発行する場合などを選択して実行できるということである。
【0022】以下に、図を用いて、この発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明の請求書発行システムの構成図である。図において、1は、請求書発行システムである。請求書発行システム1は、請求対象となる作業の明細、即ち、作業内容、回数、及び作業の予定を記憶する作業予定データ記憶部2と、請求する予定の期日を記憶する請求予定期日データ記憶部3と、作業予定データ記憶部2に記憶された作業予定データと請求予定期日データ記憶部に記憶された請求予定期日とを元に請求書5を発行する請求書発行処理部4を備えている。さらに、請求書発行システム1は、請求予定期日データ記憶部3に記憶された請求予定期日を変更する請求予定期日変更部6と、請求予定期日変更部6が変更した請求予定期日を元に戻すリセット部7を備えている。また、作業が実施された実績を記憶する作業実績データ記憶部8と、作業予定データと作業実績データから未完了作業を管理する未完了作業管理部9を備えている。作業予定データ記憶部2には、作業の明細として、作業の単価も記憶され、請求金額はこの単価をもとに計算される。従って、作業予定データ記憶部2を請求金額データ記憶部とも呼ぶ。また、請求予定期日データ記憶部を請求予定データ記憶部とも呼ぶ。
【0023】図2は、この発明の請求書発行システムを実行するコンピュータシステムのハードウェアの構成の一例を示す図である。図において、300aは情報を表示する表示部となるディスプレイ装置、300bは文字や数値を入力するキーボード、300cはディスプレイ装置の任意の位置を指定することができるマウス、300dはマウスパッド、300eはパーソナルコンピュータの本体装置である。作業予定データ記憶部2、請求予定期日データ記憶部3、作業実績データ記憶部8は、例えば、本体装置300eに内蔵されるディスク装置などにより構成される。この発明の請求書発行システムは、例えば、このような構成のパーソナルコンピュータにプリンタを接続して実現される。プリンタは、ページプリンタでもシリアルプリンタでも、どちらでも構わない。また、パーソナルコンピュータ2台をネットワークで接続し、それぞれページプリンタとシリアルプリンタのいずれかを接続して、クライアント/サーバの構成を採ってもよい。また、パーソナルコンピュータとプリンタを更に増設してもよい。
【0024】図3は、この発明の請求書発行システムを実現するコンピュータシステムのソフトウェアの構成の一例を示す図である。ここでは、データベースを用いて、本発明を実施する場合を示している。図において、10は業務プログラム、12はデータファイルやマスタファイルなどのデータベースファイル、14は、データベースを処理するデータベースソフトウェア(データベースエンジンとも言う)、16は、基本ソフトであるオペレーティングシステム(Operating System:OSとも言う)である。
【0025】図4は、クライアントとサーバとに分けて、この発明の請求書発行システムを実現する場合のコンピュータシステムのソフトウェアの構成の一例を示す図である。ここでは、図3に示した場合と同様に、データベースを用いて、本発明を実施する場合を示している。図において、20はクライアントであり、10は業務プログラム、14はデータベースを処理するデータベースソフトウェア、16は基本ソフトであるオペレーティングシステム(Operating System:OSとも言う)である。また、30はサーバであり、12はデータファイルやマスタファイルなどのデータベースファイル、14はデータベースを処理するデータベースソフトウェア、16は基本ソフトであるオペレーティングシステム(OperatingSystem:OSとも言う)である。
【0026】図3及び図4に示す構成では、作業予定データ記憶部2、請求予定期日データ記憶部3、作業実績データ記憶部8は、データベースファイル12で実現される。請求書発行処理部4、請求予定期日変更部6、リセット部7、未完了作業管理部9は、業務プログラム10により実現される。業務プログラム10は、データベースソフトウェア14にサポートされて、データベースファイル12をアクセスする。
【0027】次に、この発明の請求書発行システムの動作について、図を用いて具体的に説明する。この発明の請求書発行システムは、作業実績の動的な変化に関わらず、臨機応変に請求書を発行するシステムである。図5は、この発明の請求書発行システムの処理の流れ図である。図5に従って、処理の全体の流れを説明する。まず、S10において、作業予定データを作業予定データ記憶部2に登録する。次に、S20において、請求予定期日データを請求予定期日データ記憶部3に登録する。次に、S30において、請求予定期日、請求する/しないのフラグに変更があるかどうかを判断する。変更がある場合には、S40において、請求予定期日データ変更処理部により、請求予定期日データの変更を行なう。変更がない場合は、この処理をスキップする。次に、S50において、請求書発行処理部4により請求書発行処理を行なう。
【0028】この全体の流れを、以下に詳しく説明する。まず、作業予定データの登録と請求予定期日データの登録について述べる。具体的には、作業に関して取交わされた契約に基づき、契約入力処理を行う。契約入力処理で入力される項目には、得意先コード、グループ、作業内容、回数、備考、作業月、請求月、数量、単価、金額、請求金額、契約フラグ、実績入力対象フラグなどがある。これらの項目を用いて、契約入力画面から作業予定データと請求予定期日データとを予めマスタに登録しておく。ここで言うマスタは、作業予定データ記憶部2(請求金額データ記憶部とも言う)、請求予定期日データ記憶部3(請求予定データ記憶部とも言う)に相当する。
【0029】図6に、この発明の請求書発行システムでマスタの登録を行なう契約入力画面の一例を示す。契約入力画面100は、得意先毎にその契約内容を入力する画面である。ここでは、契約の期間が1年間で、作業予定及び請求予定が月単位で入力される場合を示す。101は得意先を識別する得意先コード、102は得意先コードに対応する得意先名称を表示する項目である。得意先コード、得意先名称は、契約の入力に先立ち、予め、別の画面で入力され、得意先マスタとして登録されているものとする。103は契約開始日、105は契約完了日である。107は請求締日であり、1〜31日のいずれかが入力される。111は、グループ(group:GRP)の指定であり、請求書出力時のオプションとしてグループ単位に金額を集計し印字することを可能にする。例えば、113,115に示すように、作業毎に、この欄にチェックをつけておくと、チェックがついている作業に関しては、グループとみなし、そのグループ単位に金額を集計する。117は作業内容、118は回数、119は備考である。作業内容117、回数118、備考119は、前述した得意先と同様に、契約の入力に先立ち、予め、別の画面で入力され、マスタとして登録されているものとする。
【0030】図7は、作業内容117のマスタ登録画面の一例である。図において、260はコード、262はコード260に対応する作業内容の名称である。ここでは、作業内容のマスタ登録の例を示したが、回数/備考及び得意先についても同様に、予め、マスタ登録しておくものとする。
【0031】この契約入力画面100では、コード入力欄131にマスタに登録されているコードを入力すると入力されたコードに対応する名称がマスタから読み出され、読み出された名称が名称表示欄133に表示される。コード入力欄131への入力は、直接入力(コードをキーボードからタイプする)でもよいが、選択肢としてコードと名称をウィンドウ表示し、表示されている選択肢から選択させてもよい。121は作業月/請求月である。作業月/請求月の詳細については、後述する。140は、数量であり、作業内容によって回数や、面積や長さ(例えば、平方メートル、メートルなど)を単位として数字を入力する。142は、単価であり、数量140に入力されている単位毎の価格を入力する。144は、金額であり、数量140と単価142とを掛けて計算され、表示される。146は、請求金額である。請求金額の計算方法については、後述する。150は、契約フラグであり、契約内容に複数の設定がある時、その一つを選択可能とする。この実施の形態では、基本契約(0:年間契約),臨時契約(1:一時的な依頼による契約)のいずれかを選択することを想定している。152は、実績入力対象フラグであり、作業予定に対して、「実績入力をする」と「実績入力をしない」を選択させる。ここでは、チェックボックスにチェックがある場合には「実績入力」をするという設定とみなす。
【0032】次に、作業月/請求月121について、図6R>6の155を用いて説明する。図6の155は、ジュータン洗浄清掃の作業の入力例である。作業月/請求月121は、この画面では上下2段に設定されており、それぞれのカラムは156に示すように左から順に1月〜12月に対応している。10月から12月が、A,B,Cで示されているのは、1桁で表すための画面レイアウト上の都合である。作業月/請求月121の設定内容を示す上下2段の内、上段157が作業月、下段158が請求月である。作業月、請求月とも、「0=しない」、「1=する」を示すフラグを使って該当する月の予定を入力する。157では、1,4,7,10月に、「1=(作業)する」が設定されている。つまり、1月、4月、7月、10月が作業予定のある月である。同様に、158でも、1,4,7,10月に、「1=(請求)する」が設定されている。つまり、1月、4月、7月、10月が請求予定のある月である。この作業月の設定が、作業予定データに相当する。また、請求月の設定及び請求締日107が、請求予定期日データに相当する。
【0033】次に、請求金額の計算方法について説明する。契約入力画面で、作業に対して入力されている数量と単価を掛けると金額が求められる。この数量は、作業1回あたりの数量なので、単価を掛けて計算される金額も作業1回あたりの金額となる。この金額に1年間の作業予定回数、即ち、作業予定月数を掛けると、1年間の合計金額が求められる。この1年間の合計金額は、処理途中の値なので、画面には表示されない。次に、この1年間の合計金額を、1年間の請求予定回数で割って、1回の請求金額を求める。ここでは、1000×150×4÷4=150000となる。従って、1回の請求金額は、159に示すように、150,000円となる。
【0034】図8に、作業月/請求月の他の例を示す。ここでは、155に示した例と同じ作業で、請求予定が、2ヶ月に1度、即ち年に6回の場合を示している。従って、1年間の合計金額を、1年間の請求予定回数、6回で割ると、この時の請求金額は、1000×150×4÷6=100000となり、請求金額の欄に表示される。
【0035】次に、予定通り作業が実施された場合の請求書発行の処理の流れを説明する。上述したように、予め作業項目別に月別の作業予定/請求予定が作業月/請求月として登録されている。請求予定の変更はないので、請求予定期日データ変更の処理は行なわれず、請求書発行処理が行なわれる。請求書発行処理部4は、請求予定期日データを参照して、該当月の請求予定フラグ(0/1)により、請求する/しないを判断し、請求すると判断した得意先(請求先)の作業項目について、マスタ(契約入力)の登録内容に従って、請求内容を確定し、作業項目毎の請求金額を合計し、請求書5を発行する。このように、予定に変更がなければ、そのまま請求書発行することで予定通りの請求が完了する。
【0036】次に、予定通り作業が実施されなかった場合の請求書発行の処理の流れを説明する。例えば、7月に予定していた作業を7月に実施できなかった場合で、かつ7月の請求書から7月予定作業分を請求せずに、8月に請求する場合の処理を想定する。作業が予定通り実施されなかった場合、即ち変更が発生した場合、変更の入力は、実績入力画面からの指示により行われる。ここで言う変更とは、作業予定と作業実績との差異の発生及び請求予定期日データの変更を指している。
【0037】図9は、作業の実績を入力する実績入力画面の一例を示す図である。図において、200は実績入力画面である。実績入力画面200には、契約入力画面で入力されたマスタの内容が作業内容毎に表示される。また、実績を入力するために、表示されている作業内容に対応する実績項目の欄が入力用として用意されている。入力用実績項目のうち、210は人数、212は作業時間、214は完了日、216は作業中止日である。人数210は実際に作業を実施した人数、作業時間は作業にかかった実績時間、完了日214は作業が完了した日、作業中止日216は作業を中止した日である。218は作業月/請求月をメンテナンスする時にメンテナンス用画面を開くための部品である。ここをクリックすると、契約入力画面と同様の形式で、現在設定されている内容の作業月/請求月が表示され、設定内容のメンテナンスが可能となる。
【0038】請求予定期日変更部6を用いて、表示されている作業月/請求予定月の設定内容を必要に応じて変更する。図10は、作業予定月と請求予定月の変更後を示す図である。まず、作業予定の7月の”1”(図8の270)を”0”(図10の280)に変更し、8月の”0”(図8の271)を”1”(図10の281)に変更する。次に、請求予定の7月の”1”(図8の272)を”0”(図10の282)に変更し、8月の”0”(図8の273)を”1”(図10の283)に変更する。この変更操作は、請求予定期日変更部6を用いて、行われる。
【0039】変更が完了すると、請求書発行処理部4は、請求予定期日変更部6により変更された請求予定月の設定に従って請求書発行処理を行う。即ち、請求書発行処理部4は、この作業に関して、請求予定が”0”になっている7月には請求書を発行せず、請求予定が”1”になっている8月に請求書を発行する。このように、予定通りの作業ができずに、作業を翌月に延期し、かつ作業に合わせて請求も翌月請求書を発行する場合は、請求予定欄を1から0に変更することで請求書の内容を変更できる。作業予定も当月作業予定欄を1から0へ変更し、翌月作業予定欄を0から1へ変更する。これにより、当月未作業、翌月作業予定が把握できる。
【0040】次に、未作業リスト(未完了の作業のリスト)について、述べる。図11は、未作業リストの画面表示例を示す図である。未作業リストとは、作業予定データに入っていた作業予定の内、当月作業が実施されなかった作業をリストアップするものである。ここでは、画面表示の例を出しているが、必要に応じて、印刷しても構わない。未完了の作業は、上述した処理で作業月/請求予定月の設定内容を変更し、作業予定の”1”を”0”に変更したことで、当初予定されていた7月の作業が行われていないことがわかるので、未完了作業として管理される。また、同時に、8月の作業予定に”1”を設定しておくことで、当初7月に予定されていた作業を8月の作業予定に入れて管理することができる。作業予定についても、未完了リストと同様、画面表示や印刷出力を行なう。このように、この実施の形態では、実績入力画面から作業予定や請求予定の変更を行なう場合を説明したが、他の画面から作業予定や請求予定の変更を指示するやり方でも構わない。
【0041】次に、例えば、7月に予定していた作業を7月に実施できなかった場合で、かつ、当初の予定通り7月に請求する場合を想定する。図12は、作業予定月と請求予定月の変更後を示す図である。まず、作業予定の7月の”1”(図8の270)を”0”(図12の290)に変更し、8月の”0”(図8の271)を”1”(図12の291)に変更する。次に、請求書は、作業の実施状況に関わらず予定通り、発行するので、請求予定月は変更する必要はなく、7月の”1”(図8の272)と8月の”0”(図8の273)は、図12の292、293に示すように、”1””0”のままである。請求書発行処理部4は、請求予定期日変更部6により変更された請求予定月の設定に従って請求書発行処理を行う。即ち、請求書発行処理部4は、該当月の請求予定フラグ(0/1)により、請求する/しないを判断するので、請求すると判断した得意先(請求先)の作業項目について、マスタ(契約入力)の登録内容に従って、請求内容を確定し、作業項目毎の請求金額を合計し、請求書5を発行する。このように、予定通りの作業ができずに作業を翌月に延期したが、作業に合わせず請求を予定通り請求する場合は、請求予定欄を1のままとすることで予定通りの請求書を発行できる。作業予定は、当月作業予定欄を1から0へ変更し、翌月作業予定欄を0から1へ変更する。これにより、当月未作業、翌月作業予定が把握できる。即ち、請求書は作業項目毎の請求予定フラグに従って発行されるので、作業実績に関わらず請求書を発行することができる。
【0042】また、実績入力画面を作業予定や請求予定の変更を指示するために使用するだけでなく、実施した作業実績を入力して作業実績データとして利用してもよい。例えば、入力した作業実績データを作業実績データ記憶部8に記憶して、作業予定データ記憶部2に記憶する作業予定データと対応させて比較することで実績と予定との差を管理し、未作業リストを作成してもよい。この時の未完了作業の管理は、未完了作業管理部9により行われる。
【0043】次に、実施した作業実績を入力して作業実績データとして利用する実績入力機能について説明する。実績入力機能では、契約入力画面を用いたマスタ登録で、実績入力対象とした作業、または実施の状況から中止となった作業のみを入力対象とする。システムの設定により、マスタ登録の内容によらず、全作業の実績入力を可能にする運用を行ってもよい。前述した図9に示す実績入力画面では、入力項目は、得意先コード、作業完了日、人数、作業時間、作業中止日(作業が中止された場合のみ)である。また、実績入力画面から変更できる変更可能項目として、グループ、作業内容、回数、備考、作業月、請求月、数量、単価、金額、請求金額、契約フラグ、実績入力対象フラグがある。また、この実績入力画面から、請求書及び領収証の随時出力が可能である。領収証は、必ずしも請求書と組にして発行するとは限らず、必要とされた請求先に対してのみ発行する。領収証の要/不要は、得意先マスタ登録画面で登録しておけばよい。
【0044】図13に、請求書・領収証出力設定画面の一例を示す。301は、請求書・領収証の対象となる作業実績(または請求予定)の年月、303は今回請求書発行の対象となる締日の範囲、305は請求書を発行する得意先コードの範囲指定である。また、307に示すように契約の単位を指定してもよい。例えば、基本契約のみ、臨時契約のみ、基本臨時契約両方という指定である。また、309は請求書へ印字される日付を指定する請求年月日である。311は画面表示で印刷イメージを確認するプレビュー、313は印刷、315はテストプリント、317はこの請求書出力設定ウィンドウを閉じるボタンである。前述したグループ指定により、1作業1明細での印字(明細印字)と、グループ単位で請求金額を集計しての印字(グループ印字)とが可能である。また、明細印字とグループ印字とは、1請求書内に混在可能である。更に、全作業の請求金額を集計し印字する一式印字も可能である。
【0045】また、予定通りの作業ができずに作業を翌月に延期した場合は、当月だけの臨時対応となる。この発明の請求書発行システムは、ワープロ感覚で請求書を発行できるリアル出力機能を持っており、請求書をリアル出力した後にマスタを戻すことが可能である。そのため、マスタを戻す処理をシステムで用意したので、変更したマスタの戻し忘れ防止の一助となる。
【0046】以下に、マスタを戻す処理(リセット処理)について具体的に説明する。前述した請求予定変更の処理では、当月だけの臨時対応策として請求予定月(フラグ)を書き換え、書き換えて設定されている請求フラグに従って当月の請求処理を行うことを目的とした一時的なものであり、この変更をマスタに保存すると、来年もこの変更された請求フラグに従って、請求処理が行われてしまう。そうならないために、請求書発行処理部による請求書発行処理の完了後、リセット部によりフラグを変更前の状態に戻すリセット処理を行う。ここでは、この戻す処理(リセット処理)について、以下に説明する。
【0047】図14は、戻す処理の流れ図である。まず、S60において、リセット処理が必要かどうか判定する。必要でない時は、Noとなって、S70のリセット処理をスキップする。リセット処理が必要である時、Yesとなって、S70で請求予定期日リセット処理を行なう。
【0048】図15は、請求予定月(請求フラグ)の値として、0,1以外の他の値を持たせる例である。330,332に示す”3”は、もともと”1”に戻すべき値だが、当月のみ”0”として処理される。また、331,333に示す”2”は、もともと”0”に戻すべき値だが、当月のみ”1”として処理される。このように、請求フラグに”2”、”3”がセットされている時の請求書発行処理部とリセット部の動作について述べる。請求書発行処理部4は、請求フラグの値が”2”の時は、”1”として扱うので、請求書を発行する。また、請求フラグの値が”3”の時は、”0”として扱うので、請求書の発行はしない。請求書発行処理が完了すると、リセット部7は、請求フラグの値が”2”の時は、もともと”0”として扱うので、”0”に戻す。また、リセット部は、請求フラグの値が”3”の時は、もともと”1”として扱うので、”1”に戻す。
【0049】また、ここでは、請求フラグが”0”となっている月のみ”1”と変更する場合を例にとって説明したが、既に請求フラグが”1”となっている月に加算して、請求回数2回分の請求を行なう形の運用を行なってもよい。この時、例えば、請求フラグを”4”にすることで、もともと”1”だが、当月は、さらに1を加えて”2”として請求書の発行を行ない、請求書発行完了後、もともとの値である”1”に戻すというように請求フラグを使い分ける。
【0050】また、リセット部7により行われる戻す動作を考慮しなければ、請求フラグの値に、前述したような特別な意味をもたせず、単に請求回数を表すようにさせてもいい。この場合、値が”1”、”2”ならば、それぞれ、請求金額1回分、2回分をその月に請求するようにする。マスタに設定された作業予定/請求予定の値を書き換えずに保ちながら、この処理を行なうために、マスタとは別に請求処理用の一時ファイルを作成するやり方をとってもよい。この場合、請求予定の変更処理は一時ファイルに対して行なうことになる。また、マスタの項目を増やして、オリジナルの値と、現在進行している処理用の値とを分けて保持するようにしてもよい。
【0051】また、この実施の形態では、請求を月単位で行ない、1年間の作業予定と請求予定とを管理する場合を例にとって説明したが、日単位、週単位、旬単位、2週間単位など他の単位で請求処理を行なう場合でも、この発明の請求書発行システムを利用可能である。図16R>6に、請求を1日ごとに行ない、週単位で請求するしないを管理する場合の画面表示例を示す。前述した例と同様、”0”=しない、”1”=する、である。ここでは、第1週から第3週までを示しているが、4週以上を表示して、1ヶ月の予定を見られるようにしてもよい。
【0052】以上のように、この実施の形態では、作業と請求を分離し、請求金額の基礎となる作業予定データと、請求書発行タイミングの基礎となる請求予定データとを予め登録しておき、作業実績に関わりなく、作業予定と請求予定に従って請求書発行が行なえる請求書発行システムについて説明した。
【0053】このように、契約入力画面から登録した契約内容に従って、作業実績に関わらず請求予定期日に合わせて請求書を発行するので、顧客の要望に沿った請求書の処理ができる。また、作業の実施日の変更が請求内容の変更とならないので、現場で、請求書の締日を考慮することなく、作業の実施に関して柔軟な対応が行える。また、請求書の個別発行機能により、必要に応じて、修正して発行ができる。また、請求月(請求予定期日)を変更することにより、請求書の発行をスケジューリングすることができる。また、契約区分を設けて、基本契約、臨時契約の別に管理できるので、請求書の発行も、契約区分毎に行える。また、作業内容に応じて実績を選択入力するので、必要に応じて、作業予定と作業実績との管理を行い、作業予定の把握や未完了作業の把握ができる。
【0054】
【発明の効果】この発明によれば、請求予定を登録しておくので、登録されている請求予定に従って請求書を発行するので、請求書の発行漏れをなくすことができ、ユーザの運用負担が軽くなる。また、ユーザの運用負担が軽くなるので、人件費等のコスト削減ができる。また、この発明によれば、登録されている作業内容と請求金額データを元に、請求書毎に一定の請求金額での請求ができる。また、この発明によれば、作業の実績に拘束されず、請求予定を変更できる。また、この発明によれば、臨時の変更がマスタに影響を与えないという効果がある。また、この発明によれば、作業実績に関わらず、予め登録されているデータに基づいて請求書を発行できる。また、この発明によれば、作業が完了していない未完了作業を管理できる。また、この発明によれば、翌月(週,日・・・)作業予定を管理できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の請求書発行システムの構成図。
【図2】 この発明の請求書発行システムを実行するハードウェアの構成図。
【図3】 この発明の請求書発行システムのソフトウェアの構成図。
【図4】 この発明の請求書発行システムのソフトウェアの他の構成図。
【図5】 この発明の請求書発行システムの処理の流れ図。
【図6】 この発明の請求書発行システムでマスタの登録を行なう契約入力画面の一例を示す図。
【図7】 この発明の請求書発行システムの作業内容117のマスタ登録画面の一例を示す図。
【図8】 この発明の請求書発行システムの作業月/請求月の他の例を示す図。
【図9】 この発明の請求書発行システムの作業の実績を入力する実績入力画面の一例を示す図。
【図10】 この発明の請求書発行システムの作業予定月と請求予定月の変更後を示す図。
【図11】 この発明の請求書発行システムの未作業リストの画面表示例を示す図。
【図12】 この発明の請求書発行システムの作業予定月と請求予定月の変更後を示す図。
【図13】 この発明の請求書発行システムの請求書・領収証出力設定画面の一例を示す図。
【図14】 この発明の請求書発行システムの変更した設定値を戻す処理の流れ図。
【図15】 この発明の請求書発行システムの請求予定月(請求フラグ)の値として、0,1以外の他の値を持たせる例を示す図。
【図16】 この発明の請求書発行システムの他の請求単位での管理例を示す図。
【図17】 従来の請求書発行処理の流れ図。
【符号の説明】
1 請求書発行システム、2 作業予定データ記憶部、3 請求予定期日データ記憶部、4 請求書発行処理部、5 請求書、6 請求予定期日変更部、7リセット部、8 作業実績データ記憶部、9 未完了作業管理部、10 業務プログラム、12 データベースファイル、14 データベースソフトウェア、16 オペレーティングシステム、20 クライアント、300a ディスプレイ装置、300b キーボード、300c マウス、300d マウスパッド、300e パーソナルコンピュータの本体装置。
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、作業を行ない、行なった作業に対して請求書を発行する請求書発行方式に関するものである。特に、請求書の対象になる対象作業と請求書発行を分離して管理する請求書発行方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、作業の対価として代金を請求する際には、作業発生の都度、作業実績を入力し、入力された作業実績をもとに未請求データを抽出して、請求書発行を行っている。即ち、実績に基づいて、請求書を発行している。
【0003】図17は、従来の請求書発行処理の流れ図である。まず、S901において、作業が実施される。次に、S902において、実施された作業の作業実績を入力する。次に、S903において、S902で入力された作業実績を集計して請求書を発行する。このように、実績に基づいて請求書を発行すると、例えば、現場の都合で、日程を変更して実施した作業などに関して、変更した日程が、請求書の締め日にまたがってしまうと、当初作業を予定していた月には、請求書は発行されないことになる。
【0004】ところが、この請求書発行方法では、実態に合わず不具合が発生する場合がある。例えば、清掃会社など一定の契約に基づき、月単位や、日単位、年単位で作業予定と支払予定が決定されるような場合である。契約されている作業内容によっては、天候等の影響で当初の予定通り実施できず、ある月の締め日を超えて、翌月に延期されることもある。この場合、作業の実施が翌月になれば、それに伴い、その作業分の請求も延期されることになる。一方、清掃を依頼する側の会社では、通常、清掃代として、毎月一定の予算で運用していることが多い。従って、作業の実施が翌月になっても、それに関わらず、請求および支払いは当月に完了したいことがある。
【0005】ところが、従来の販売管理システムなどを用いると、作業実績のない請求はできず、作業実施状況に変動があると、請求額自体も変動してしまう。すなわち、作業実績に関わらず金額を変動させないような請求を行うことはできなかった。そのため、従来は、作業変更しても一定額の請求をしたい場合には、前述の問題点を回避するために、手書きの請求書を発行するなどして対応しており、コンピュータシステム化が望まれていた。
【0006】従来の請求書発行を行う技術として、特開平10−40320号公報の「売掛金請求処理方法及び装置」,特開平6−325057号公報の「請求書発行方法」,特開平6−243000号公報の「請求書発行装置」,特開平7−192167号公報の「ビル料金管理システム」がある。
【0007】特開平10−40320号公報の「売掛金請求処理方法及び装置」は、請求書発行コストを削減するために、例えば小額請求を繰り延べて、まとめて請求するようにする発明である。
【0008】特開平6−325057号公報の「請求書発行方法」は、請求書発行の柔軟性を向上させることを目的とした発明で、請求書発行区分、取り引き種別による分割、納入先別売上分類等と組み合わせた請求書発行を可能にしようというものである。
【0009】特開平6−243000号公報の「請求書発行装置」は、請求周期の異なる請求書発行を容易にしようというものである。
【0010】特開平7−192167号公報の「ビル料金管理システム」は、複数の入居者がいるビルにおいて、複数の各種料金を各支払請求を必要とする際の請求業務を省力化するための発明である。
【0011】上記のいずれも、請求業務の負荷を軽減し省力化するものであるが、作業実績と請求を分離させた請求書発行に関するものはなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の販売管理システムなどの請求書発行のやり方では、作業実績のない請求はできず、作業実施状況に変動があると、請求額自体も変動してしまう。従って、作業実績に関わらず金額を変動させないような請求を行うことはできず、作業変動に対しても請求を変動させないように手書きなどにより、請求書を発行しており、作業実績と請求を切り離した請求書発行業務のコンピュータシステム化が望まれていた。
【0013】この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、対象作業と請求書発行を分離して管理し、請求書発行タイミングを選択可能にする請求書発行システムを実現することを目的としている。また、請求予定期日を、必要に応じて、請求予定期日変更部により変更し、変更した請求予定期日に従って、請求書発行を行う請求書発行システムを実現することを目的としている。また、作業予定に対する実績を記憶させ、作業予定と対応させて未完了作業を管理する請求書発行システムを実現することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明の請求書発行システムは、所定の作業の請求金額に関するデータを請求金額データとして記憶する請求金額データ記憶部と、上記所定の作業に対応する請求予定期日を請求予定期日データとして記憶する請求予定期日データ記憶部と、上記請求金額データ記憶部に記憶される請求金額データと上記請求予定期日データ記憶部に記憶される請求予定期日データとをもとに、上記所定の作業の実績の如何を問わず、請求書を作成して発行する請求書発行処理部とを備えたことを特徴とする。
【0015】また、上記請求金額データ記憶部は、所定の期間に複数回行われる上記所定の作業に対する金額を合計した金額を、所定の期間に複数回行われる請求の回数で割った金額を一回の請求金額として計算して記憶し、上記請求予定期日データ記憶部は、複数回行われる上記所定の作業の各々に対応して請求予定期日を記憶することを特徴とする。
【0016】上記請求書発行システムは、さらに、上記請求予定期日データ記憶部が記憶する請求予定期日を、作業の実績の如何を問わず、変更することができる請求予定期日変更部を備えたことを特徴とする。
【0017】上記請求書発行システムは、さらに、上記請求予定期日変更部が変更した請求予定期日を元にもどすリセット部を備えたことを特徴とする。
【0018】この発明の請求書発行システムは、所定の作業の予定を作業予定データとして記憶する作業予定データ記憶部と、上記所定の作業に対応する請求予定を請求予定データとして記憶する請求予定データ記憶部と、上記作業予定データ記憶部に記憶される作業予定データと上記請求予定データ記憶部に記憶される請求予定データとをもとに請求書を作成して発行する請求書発行処理部とを備えたことを特徴とする。
【0019】上記請求書発行システムは、さらに、上記所定の作業の実績を作業実績データとして記憶する作業実績データ記憶部を有し、上記作業予定データと上記作業実績データとをもとに、完了していない作業を未完了作業として管理する未完了作業管理部を備えたことを特徴とする。
【0020】この発明のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータを所定の作業の予定を作業予定データとして記憶する作業予定データ記憶部と上記所定の作業に対応する請求予定を請求予定データとして記憶する請求予定データ記憶部と上記作業予定データ記憶部に記憶される作業予定データと上記請求予定データ記憶部に記憶される請求予定データとをもとに請求書を作成して発行する請求書発行処理部として機能させるためのプログラムを記録することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】実施の形態1.この実施の形態では、対象作業と請求書発行を分離して管理し、作業予定に対応して請求書発行タイミングを選択可能な請求書発行システムについて説明する。請求書発行タイミングを選択するとは、例えば、予定通り作業実施して予定通り請求書を発行する場合、予定と作業実績とは異なるが、予定通り請求書を発行する場合、作業実績に合わせて請求書発行する場合などを選択して実行できるということである。
【0022】以下に、図を用いて、この発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明の請求書発行システムの構成図である。図において、1は、請求書発行システムである。請求書発行システム1は、請求対象となる作業の明細、即ち、作業内容、回数、及び作業の予定を記憶する作業予定データ記憶部2と、請求する予定の期日を記憶する請求予定期日データ記憶部3と、作業予定データ記憶部2に記憶された作業予定データと請求予定期日データ記憶部に記憶された請求予定期日とを元に請求書5を発行する請求書発行処理部4を備えている。さらに、請求書発行システム1は、請求予定期日データ記憶部3に記憶された請求予定期日を変更する請求予定期日変更部6と、請求予定期日変更部6が変更した請求予定期日を元に戻すリセット部7を備えている。また、作業が実施された実績を記憶する作業実績データ記憶部8と、作業予定データと作業実績データから未完了作業を管理する未完了作業管理部9を備えている。作業予定データ記憶部2には、作業の明細として、作業の単価も記憶され、請求金額はこの単価をもとに計算される。従って、作業予定データ記憶部2を請求金額データ記憶部とも呼ぶ。また、請求予定期日データ記憶部を請求予定データ記憶部とも呼ぶ。
【0023】図2は、この発明の請求書発行システムを実行するコンピュータシステムのハードウェアの構成の一例を示す図である。図において、300aは情報を表示する表示部となるディスプレイ装置、300bは文字や数値を入力するキーボード、300cはディスプレイ装置の任意の位置を指定することができるマウス、300dはマウスパッド、300eはパーソナルコンピュータの本体装置である。作業予定データ記憶部2、請求予定期日データ記憶部3、作業実績データ記憶部8は、例えば、本体装置300eに内蔵されるディスク装置などにより構成される。この発明の請求書発行システムは、例えば、このような構成のパーソナルコンピュータにプリンタを接続して実現される。プリンタは、ページプリンタでもシリアルプリンタでも、どちらでも構わない。また、パーソナルコンピュータ2台をネットワークで接続し、それぞれページプリンタとシリアルプリンタのいずれかを接続して、クライアント/サーバの構成を採ってもよい。また、パーソナルコンピュータとプリンタを更に増設してもよい。
【0024】図3は、この発明の請求書発行システムを実現するコンピュータシステムのソフトウェアの構成の一例を示す図である。ここでは、データベースを用いて、本発明を実施する場合を示している。図において、10は業務プログラム、12はデータファイルやマスタファイルなどのデータベースファイル、14は、データベースを処理するデータベースソフトウェア(データベースエンジンとも言う)、16は、基本ソフトであるオペレーティングシステム(Operating System:OSとも言う)である。
【0025】図4は、クライアントとサーバとに分けて、この発明の請求書発行システムを実現する場合のコンピュータシステムのソフトウェアの構成の一例を示す図である。ここでは、図3に示した場合と同様に、データベースを用いて、本発明を実施する場合を示している。図において、20はクライアントであり、10は業務プログラム、14はデータベースを処理するデータベースソフトウェア、16は基本ソフトであるオペレーティングシステム(Operating System:OSとも言う)である。また、30はサーバであり、12はデータファイルやマスタファイルなどのデータベースファイル、14はデータベースを処理するデータベースソフトウェア、16は基本ソフトであるオペレーティングシステム(OperatingSystem:OSとも言う)である。
【0026】図3及び図4に示す構成では、作業予定データ記憶部2、請求予定期日データ記憶部3、作業実績データ記憶部8は、データベースファイル12で実現される。請求書発行処理部4、請求予定期日変更部6、リセット部7、未完了作業管理部9は、業務プログラム10により実現される。業務プログラム10は、データベースソフトウェア14にサポートされて、データベースファイル12をアクセスする。
【0027】次に、この発明の請求書発行システムの動作について、図を用いて具体的に説明する。この発明の請求書発行システムは、作業実績の動的な変化に関わらず、臨機応変に請求書を発行するシステムである。図5は、この発明の請求書発行システムの処理の流れ図である。図5に従って、処理の全体の流れを説明する。まず、S10において、作業予定データを作業予定データ記憶部2に登録する。次に、S20において、請求予定期日データを請求予定期日データ記憶部3に登録する。次に、S30において、請求予定期日、請求する/しないのフラグに変更があるかどうかを判断する。変更がある場合には、S40において、請求予定期日データ変更処理部により、請求予定期日データの変更を行なう。変更がない場合は、この処理をスキップする。次に、S50において、請求書発行処理部4により請求書発行処理を行なう。
【0028】この全体の流れを、以下に詳しく説明する。まず、作業予定データの登録と請求予定期日データの登録について述べる。具体的には、作業に関して取交わされた契約に基づき、契約入力処理を行う。契約入力処理で入力される項目には、得意先コード、グループ、作業内容、回数、備考、作業月、請求月、数量、単価、金額、請求金額、契約フラグ、実績入力対象フラグなどがある。これらの項目を用いて、契約入力画面から作業予定データと請求予定期日データとを予めマスタに登録しておく。ここで言うマスタは、作業予定データ記憶部2(請求金額データ記憶部とも言う)、請求予定期日データ記憶部3(請求予定データ記憶部とも言う)に相当する。
【0029】図6に、この発明の請求書発行システムでマスタの登録を行なう契約入力画面の一例を示す。契約入力画面100は、得意先毎にその契約内容を入力する画面である。ここでは、契約の期間が1年間で、作業予定及び請求予定が月単位で入力される場合を示す。101は得意先を識別する得意先コード、102は得意先コードに対応する得意先名称を表示する項目である。得意先コード、得意先名称は、契約の入力に先立ち、予め、別の画面で入力され、得意先マスタとして登録されているものとする。103は契約開始日、105は契約完了日である。107は請求締日であり、1〜31日のいずれかが入力される。111は、グループ(group:GRP)の指定であり、請求書出力時のオプションとしてグループ単位に金額を集計し印字することを可能にする。例えば、113,115に示すように、作業毎に、この欄にチェックをつけておくと、チェックがついている作業に関しては、グループとみなし、そのグループ単位に金額を集計する。117は作業内容、118は回数、119は備考である。作業内容117、回数118、備考119は、前述した得意先と同様に、契約の入力に先立ち、予め、別の画面で入力され、マスタとして登録されているものとする。
【0030】図7は、作業内容117のマスタ登録画面の一例である。図において、260はコード、262はコード260に対応する作業内容の名称である。ここでは、作業内容のマスタ登録の例を示したが、回数/備考及び得意先についても同様に、予め、マスタ登録しておくものとする。
【0031】この契約入力画面100では、コード入力欄131にマスタに登録されているコードを入力すると入力されたコードに対応する名称がマスタから読み出され、読み出された名称が名称表示欄133に表示される。コード入力欄131への入力は、直接入力(コードをキーボードからタイプする)でもよいが、選択肢としてコードと名称をウィンドウ表示し、表示されている選択肢から選択させてもよい。121は作業月/請求月である。作業月/請求月の詳細については、後述する。140は、数量であり、作業内容によって回数や、面積や長さ(例えば、平方メートル、メートルなど)を単位として数字を入力する。142は、単価であり、数量140に入力されている単位毎の価格を入力する。144は、金額であり、数量140と単価142とを掛けて計算され、表示される。146は、請求金額である。請求金額の計算方法については、後述する。150は、契約フラグであり、契約内容に複数の設定がある時、その一つを選択可能とする。この実施の形態では、基本契約(0:年間契約),臨時契約(1:一時的な依頼による契約)のいずれかを選択することを想定している。152は、実績入力対象フラグであり、作業予定に対して、「実績入力をする」と「実績入力をしない」を選択させる。ここでは、チェックボックスにチェックがある場合には「実績入力」をするという設定とみなす。
【0032】次に、作業月/請求月121について、図6R>6の155を用いて説明する。図6の155は、ジュータン洗浄清掃の作業の入力例である。作業月/請求月121は、この画面では上下2段に設定されており、それぞれのカラムは156に示すように左から順に1月〜12月に対応している。10月から12月が、A,B,Cで示されているのは、1桁で表すための画面レイアウト上の都合である。作業月/請求月121の設定内容を示す上下2段の内、上段157が作業月、下段158が請求月である。作業月、請求月とも、「0=しない」、「1=する」を示すフラグを使って該当する月の予定を入力する。157では、1,4,7,10月に、「1=(作業)する」が設定されている。つまり、1月、4月、7月、10月が作業予定のある月である。同様に、158でも、1,4,7,10月に、「1=(請求)する」が設定されている。つまり、1月、4月、7月、10月が請求予定のある月である。この作業月の設定が、作業予定データに相当する。また、請求月の設定及び請求締日107が、請求予定期日データに相当する。
【0033】次に、請求金額の計算方法について説明する。契約入力画面で、作業に対して入力されている数量と単価を掛けると金額が求められる。この数量は、作業1回あたりの数量なので、単価を掛けて計算される金額も作業1回あたりの金額となる。この金額に1年間の作業予定回数、即ち、作業予定月数を掛けると、1年間の合計金額が求められる。この1年間の合計金額は、処理途中の値なので、画面には表示されない。次に、この1年間の合計金額を、1年間の請求予定回数で割って、1回の請求金額を求める。ここでは、1000×150×4÷4=150000となる。従って、1回の請求金額は、159に示すように、150,000円となる。
【0034】図8に、作業月/請求月の他の例を示す。ここでは、155に示した例と同じ作業で、請求予定が、2ヶ月に1度、即ち年に6回の場合を示している。従って、1年間の合計金額を、1年間の請求予定回数、6回で割ると、この時の請求金額は、1000×150×4÷6=100000となり、請求金額の欄に表示される。
【0035】次に、予定通り作業が実施された場合の請求書発行の処理の流れを説明する。上述したように、予め作業項目別に月別の作業予定/請求予定が作業月/請求月として登録されている。請求予定の変更はないので、請求予定期日データ変更の処理は行なわれず、請求書発行処理が行なわれる。請求書発行処理部4は、請求予定期日データを参照して、該当月の請求予定フラグ(0/1)により、請求する/しないを判断し、請求すると判断した得意先(請求先)の作業項目について、マスタ(契約入力)の登録内容に従って、請求内容を確定し、作業項目毎の請求金額を合計し、請求書5を発行する。このように、予定に変更がなければ、そのまま請求書発行することで予定通りの請求が完了する。
【0036】次に、予定通り作業が実施されなかった場合の請求書発行の処理の流れを説明する。例えば、7月に予定していた作業を7月に実施できなかった場合で、かつ7月の請求書から7月予定作業分を請求せずに、8月に請求する場合の処理を想定する。作業が予定通り実施されなかった場合、即ち変更が発生した場合、変更の入力は、実績入力画面からの指示により行われる。ここで言う変更とは、作業予定と作業実績との差異の発生及び請求予定期日データの変更を指している。
【0037】図9は、作業の実績を入力する実績入力画面の一例を示す図である。図において、200は実績入力画面である。実績入力画面200には、契約入力画面で入力されたマスタの内容が作業内容毎に表示される。また、実績を入力するために、表示されている作業内容に対応する実績項目の欄が入力用として用意されている。入力用実績項目のうち、210は人数、212は作業時間、214は完了日、216は作業中止日である。人数210は実際に作業を実施した人数、作業時間は作業にかかった実績時間、完了日214は作業が完了した日、作業中止日216は作業を中止した日である。218は作業月/請求月をメンテナンスする時にメンテナンス用画面を開くための部品である。ここをクリックすると、契約入力画面と同様の形式で、現在設定されている内容の作業月/請求月が表示され、設定内容のメンテナンスが可能となる。
【0038】請求予定期日変更部6を用いて、表示されている作業月/請求予定月の設定内容を必要に応じて変更する。図10は、作業予定月と請求予定月の変更後を示す図である。まず、作業予定の7月の”1”(図8の270)を”0”(図10の280)に変更し、8月の”0”(図8の271)を”1”(図10の281)に変更する。次に、請求予定の7月の”1”(図8の272)を”0”(図10の282)に変更し、8月の”0”(図8の273)を”1”(図10の283)に変更する。この変更操作は、請求予定期日変更部6を用いて、行われる。
【0039】変更が完了すると、請求書発行処理部4は、請求予定期日変更部6により変更された請求予定月の設定に従って請求書発行処理を行う。即ち、請求書発行処理部4は、この作業に関して、請求予定が”0”になっている7月には請求書を発行せず、請求予定が”1”になっている8月に請求書を発行する。このように、予定通りの作業ができずに、作業を翌月に延期し、かつ作業に合わせて請求も翌月請求書を発行する場合は、請求予定欄を1から0に変更することで請求書の内容を変更できる。作業予定も当月作業予定欄を1から0へ変更し、翌月作業予定欄を0から1へ変更する。これにより、当月未作業、翌月作業予定が把握できる。
【0040】次に、未作業リスト(未完了の作業のリスト)について、述べる。図11は、未作業リストの画面表示例を示す図である。未作業リストとは、作業予定データに入っていた作業予定の内、当月作業が実施されなかった作業をリストアップするものである。ここでは、画面表示の例を出しているが、必要に応じて、印刷しても構わない。未完了の作業は、上述した処理で作業月/請求予定月の設定内容を変更し、作業予定の”1”を”0”に変更したことで、当初予定されていた7月の作業が行われていないことがわかるので、未完了作業として管理される。また、同時に、8月の作業予定に”1”を設定しておくことで、当初7月に予定されていた作業を8月の作業予定に入れて管理することができる。作業予定についても、未完了リストと同様、画面表示や印刷出力を行なう。このように、この実施の形態では、実績入力画面から作業予定や請求予定の変更を行なう場合を説明したが、他の画面から作業予定や請求予定の変更を指示するやり方でも構わない。
【0041】次に、例えば、7月に予定していた作業を7月に実施できなかった場合で、かつ、当初の予定通り7月に請求する場合を想定する。図12は、作業予定月と請求予定月の変更後を示す図である。まず、作業予定の7月の”1”(図8の270)を”0”(図12の290)に変更し、8月の”0”(図8の271)を”1”(図12の291)に変更する。次に、請求書は、作業の実施状況に関わらず予定通り、発行するので、請求予定月は変更する必要はなく、7月の”1”(図8の272)と8月の”0”(図8の273)は、図12の292、293に示すように、”1””0”のままである。請求書発行処理部4は、請求予定期日変更部6により変更された請求予定月の設定に従って請求書発行処理を行う。即ち、請求書発行処理部4は、該当月の請求予定フラグ(0/1)により、請求する/しないを判断するので、請求すると判断した得意先(請求先)の作業項目について、マスタ(契約入力)の登録内容に従って、請求内容を確定し、作業項目毎の請求金額を合計し、請求書5を発行する。このように、予定通りの作業ができずに作業を翌月に延期したが、作業に合わせず請求を予定通り請求する場合は、請求予定欄を1のままとすることで予定通りの請求書を発行できる。作業予定は、当月作業予定欄を1から0へ変更し、翌月作業予定欄を0から1へ変更する。これにより、当月未作業、翌月作業予定が把握できる。即ち、請求書は作業項目毎の請求予定フラグに従って発行されるので、作業実績に関わらず請求書を発行することができる。
【0042】また、実績入力画面を作業予定や請求予定の変更を指示するために使用するだけでなく、実施した作業実績を入力して作業実績データとして利用してもよい。例えば、入力した作業実績データを作業実績データ記憶部8に記憶して、作業予定データ記憶部2に記憶する作業予定データと対応させて比較することで実績と予定との差を管理し、未作業リストを作成してもよい。この時の未完了作業の管理は、未完了作業管理部9により行われる。
【0043】次に、実施した作業実績を入力して作業実績データとして利用する実績入力機能について説明する。実績入力機能では、契約入力画面を用いたマスタ登録で、実績入力対象とした作業、または実施の状況から中止となった作業のみを入力対象とする。システムの設定により、マスタ登録の内容によらず、全作業の実績入力を可能にする運用を行ってもよい。前述した図9に示す実績入力画面では、入力項目は、得意先コード、作業完了日、人数、作業時間、作業中止日(作業が中止された場合のみ)である。また、実績入力画面から変更できる変更可能項目として、グループ、作業内容、回数、備考、作業月、請求月、数量、単価、金額、請求金額、契約フラグ、実績入力対象フラグがある。また、この実績入力画面から、請求書及び領収証の随時出力が可能である。領収証は、必ずしも請求書と組にして発行するとは限らず、必要とされた請求先に対してのみ発行する。領収証の要/不要は、得意先マスタ登録画面で登録しておけばよい。
【0044】図13に、請求書・領収証出力設定画面の一例を示す。301は、請求書・領収証の対象となる作業実績(または請求予定)の年月、303は今回請求書発行の対象となる締日の範囲、305は請求書を発行する得意先コードの範囲指定である。また、307に示すように契約の単位を指定してもよい。例えば、基本契約のみ、臨時契約のみ、基本臨時契約両方という指定である。また、309は請求書へ印字される日付を指定する請求年月日である。311は画面表示で印刷イメージを確認するプレビュー、313は印刷、315はテストプリント、317はこの請求書出力設定ウィンドウを閉じるボタンである。前述したグループ指定により、1作業1明細での印字(明細印字)と、グループ単位で請求金額を集計しての印字(グループ印字)とが可能である。また、明細印字とグループ印字とは、1請求書内に混在可能である。更に、全作業の請求金額を集計し印字する一式印字も可能である。
【0045】また、予定通りの作業ができずに作業を翌月に延期した場合は、当月だけの臨時対応となる。この発明の請求書発行システムは、ワープロ感覚で請求書を発行できるリアル出力機能を持っており、請求書をリアル出力した後にマスタを戻すことが可能である。そのため、マスタを戻す処理をシステムで用意したので、変更したマスタの戻し忘れ防止の一助となる。
【0046】以下に、マスタを戻す処理(リセット処理)について具体的に説明する。前述した請求予定変更の処理では、当月だけの臨時対応策として請求予定月(フラグ)を書き換え、書き換えて設定されている請求フラグに従って当月の請求処理を行うことを目的とした一時的なものであり、この変更をマスタに保存すると、来年もこの変更された請求フラグに従って、請求処理が行われてしまう。そうならないために、請求書発行処理部による請求書発行処理の完了後、リセット部によりフラグを変更前の状態に戻すリセット処理を行う。ここでは、この戻す処理(リセット処理)について、以下に説明する。
【0047】図14は、戻す処理の流れ図である。まず、S60において、リセット処理が必要かどうか判定する。必要でない時は、Noとなって、S70のリセット処理をスキップする。リセット処理が必要である時、Yesとなって、S70で請求予定期日リセット処理を行なう。
【0048】図15は、請求予定月(請求フラグ)の値として、0,1以外の他の値を持たせる例である。330,332に示す”3”は、もともと”1”に戻すべき値だが、当月のみ”0”として処理される。また、331,333に示す”2”は、もともと”0”に戻すべき値だが、当月のみ”1”として処理される。このように、請求フラグに”2”、”3”がセットされている時の請求書発行処理部とリセット部の動作について述べる。請求書発行処理部4は、請求フラグの値が”2”の時は、”1”として扱うので、請求書を発行する。また、請求フラグの値が”3”の時は、”0”として扱うので、請求書の発行はしない。請求書発行処理が完了すると、リセット部7は、請求フラグの値が”2”の時は、もともと”0”として扱うので、”0”に戻す。また、リセット部は、請求フラグの値が”3”の時は、もともと”1”として扱うので、”1”に戻す。
【0049】また、ここでは、請求フラグが”0”となっている月のみ”1”と変更する場合を例にとって説明したが、既に請求フラグが”1”となっている月に加算して、請求回数2回分の請求を行なう形の運用を行なってもよい。この時、例えば、請求フラグを”4”にすることで、もともと”1”だが、当月は、さらに1を加えて”2”として請求書の発行を行ない、請求書発行完了後、もともとの値である”1”に戻すというように請求フラグを使い分ける。
【0050】また、リセット部7により行われる戻す動作を考慮しなければ、請求フラグの値に、前述したような特別な意味をもたせず、単に請求回数を表すようにさせてもいい。この場合、値が”1”、”2”ならば、それぞれ、請求金額1回分、2回分をその月に請求するようにする。マスタに設定された作業予定/請求予定の値を書き換えずに保ちながら、この処理を行なうために、マスタとは別に請求処理用の一時ファイルを作成するやり方をとってもよい。この場合、請求予定の変更処理は一時ファイルに対して行なうことになる。また、マスタの項目を増やして、オリジナルの値と、現在進行している処理用の値とを分けて保持するようにしてもよい。
【0051】また、この実施の形態では、請求を月単位で行ない、1年間の作業予定と請求予定とを管理する場合を例にとって説明したが、日単位、週単位、旬単位、2週間単位など他の単位で請求処理を行なう場合でも、この発明の請求書発行システムを利用可能である。図16R>6に、請求を1日ごとに行ない、週単位で請求するしないを管理する場合の画面表示例を示す。前述した例と同様、”0”=しない、”1”=する、である。ここでは、第1週から第3週までを示しているが、4週以上を表示して、1ヶ月の予定を見られるようにしてもよい。
【0052】以上のように、この実施の形態では、作業と請求を分離し、請求金額の基礎となる作業予定データと、請求書発行タイミングの基礎となる請求予定データとを予め登録しておき、作業実績に関わりなく、作業予定と請求予定に従って請求書発行が行なえる請求書発行システムについて説明した。
【0053】このように、契約入力画面から登録した契約内容に従って、作業実績に関わらず請求予定期日に合わせて請求書を発行するので、顧客の要望に沿った請求書の処理ができる。また、作業の実施日の変更が請求内容の変更とならないので、現場で、請求書の締日を考慮することなく、作業の実施に関して柔軟な対応が行える。また、請求書の個別発行機能により、必要に応じて、修正して発行ができる。また、請求月(請求予定期日)を変更することにより、請求書の発行をスケジューリングすることができる。また、契約区分を設けて、基本契約、臨時契約の別に管理できるので、請求書の発行も、契約区分毎に行える。また、作業内容に応じて実績を選択入力するので、必要に応じて、作業予定と作業実績との管理を行い、作業予定の把握や未完了作業の把握ができる。
【0054】
【発明の効果】この発明によれば、請求予定を登録しておくので、登録されている請求予定に従って請求書を発行するので、請求書の発行漏れをなくすことができ、ユーザの運用負担が軽くなる。また、ユーザの運用負担が軽くなるので、人件費等のコスト削減ができる。また、この発明によれば、登録されている作業内容と請求金額データを元に、請求書毎に一定の請求金額での請求ができる。また、この発明によれば、作業の実績に拘束されず、請求予定を変更できる。また、この発明によれば、臨時の変更がマスタに影響を与えないという効果がある。また、この発明によれば、作業実績に関わらず、予め登録されているデータに基づいて請求書を発行できる。また、この発明によれば、作業が完了していない未完了作業を管理できる。また、この発明によれば、翌月(週,日・・・)作業予定を管理できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の請求書発行システムの構成図。
【図2】 この発明の請求書発行システムを実行するハードウェアの構成図。
【図3】 この発明の請求書発行システムのソフトウェアの構成図。
【図4】 この発明の請求書発行システムのソフトウェアの他の構成図。
【図5】 この発明の請求書発行システムの処理の流れ図。
【図6】 この発明の請求書発行システムでマスタの登録を行なう契約入力画面の一例を示す図。
【図7】 この発明の請求書発行システムの作業内容117のマスタ登録画面の一例を示す図。
【図8】 この発明の請求書発行システムの作業月/請求月の他の例を示す図。
【図9】 この発明の請求書発行システムの作業の実績を入力する実績入力画面の一例を示す図。
【図10】 この発明の請求書発行システムの作業予定月と請求予定月の変更後を示す図。
【図11】 この発明の請求書発行システムの未作業リストの画面表示例を示す図。
【図12】 この発明の請求書発行システムの作業予定月と請求予定月の変更後を示す図。
【図13】 この発明の請求書発行システムの請求書・領収証出力設定画面の一例を示す図。
【図14】 この発明の請求書発行システムの変更した設定値を戻す処理の流れ図。
【図15】 この発明の請求書発行システムの請求予定月(請求フラグ)の値として、0,1以外の他の値を持たせる例を示す図。
【図16】 この発明の請求書発行システムの他の請求単位での管理例を示す図。
【図17】 従来の請求書発行処理の流れ図。
【符号の説明】
1 請求書発行システム、2 作業予定データ記憶部、3 請求予定期日データ記憶部、4 請求書発行処理部、5 請求書、6 請求予定期日変更部、7リセット部、8 作業実績データ記憶部、9 未完了作業管理部、10 業務プログラム、12 データベースファイル、14 データベースソフトウェア、16 オペレーティングシステム、20 クライアント、300a ディスプレイ装置、300b キーボード、300c マウス、300d マウスパッド、300e パーソナルコンピュータの本体装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定の作業の請求金額に関するデータを請求金額データとして記憶する請求金額データ記憶部と、上記所定の作業に対応する請求予定期日を請求予定期日データとして記憶する請求予定期日データ記憶部と、上記請求金額データ記憶部に記憶される請求金額データと上記請求予定期日データ記憶部に記憶される請求予定期日データとをもとに、上記所定の作業の実績の如何を問わず、請求書を作成して発行する請求書発行処理部とを備えたことを特徴とする請求書発行システム。
【請求項2】 上記請求金額データ記憶部は、所定の期間に複数回行われる上記所定の作業に対する金額を合計した金額を、所定の期間に複数回行われる請求の回数で割った金額を一回の請求金額として計算して記憶し、上記請求予定期日データ記憶部は、複数回行われる上記所定の作業の各々に対応して請求予定期日を記憶することを特徴とする請求項1に記載の請求書発行システム。
【請求項3】 上記請求書発行システムは、さらに、上記請求予定期日データ記憶部が記憶する請求予定期日を、作業の実績の如何を問わず、変更することができる請求予定期日変更部を備えたことを特徴とする請求項1または2いずれかに記載の請求書発行システム。
【請求項4】 上記請求書発行システムは、さらに、上記請求予定期日変更部が変更した請求予定期日を元にもどすリセット部を備えたことを特徴とする請求項3に記載の請求書発行システム。
【請求項5】 所定の作業の予定を作業予定データとして記憶する作業予定データ記憶部と、上記所定の作業に対応する請求予定を請求予定データとして記憶する請求予定データ記憶部と、上記作業予定データ記憶部に記憶される作業予定データと上記請求予定データ記憶部に記憶される請求予定データとをもとに請求書を作成して発行する請求書発行処理部とを備えたことを特徴とする請求書発行システム。
【請求項6】 上記請求書発行システムは、さらに、上記所定の作業の実績を作業実績データとして記憶する作業実績データ記憶部を有し、上記作業予定データと上記作業実績データとをもとに、完了していない作業を未完了作業として管理する未完了作業管理部を備えたことを特徴とする請求項5に記載の請求書発行システム。
【請求項7】 コンピュータを所定の作業の予定を作業予定データとして記憶する作業予定データ記憶部と上記所定の作業に対応する請求予定を請求予定データとして記憶する請求予定データ記憶部と上記作業予定データ記憶部に記憶される作業予定データと上記請求予定データ記憶部に記憶される請求予定データとをもとに請求書を作成して発行する請求書発行処理部として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】 所定の作業の請求金額に関するデータを請求金額データとして記憶する請求金額データ記憶部と、上記所定の作業に対応する請求予定期日を請求予定期日データとして記憶する請求予定期日データ記憶部と、上記請求金額データ記憶部に記憶される請求金額データと上記請求予定期日データ記憶部に記憶される請求予定期日データとをもとに、上記所定の作業の実績の如何を問わず、請求書を作成して発行する請求書発行処理部とを備えたことを特徴とする請求書発行システム。
【請求項2】 上記請求金額データ記憶部は、所定の期間に複数回行われる上記所定の作業に対する金額を合計した金額を、所定の期間に複数回行われる請求の回数で割った金額を一回の請求金額として計算して記憶し、上記請求予定期日データ記憶部は、複数回行われる上記所定の作業の各々に対応して請求予定期日を記憶することを特徴とする請求項1に記載の請求書発行システム。
【請求項3】 上記請求書発行システムは、さらに、上記請求予定期日データ記憶部が記憶する請求予定期日を、作業の実績の如何を問わず、変更することができる請求予定期日変更部を備えたことを特徴とする請求項1または2いずれかに記載の請求書発行システム。
【請求項4】 上記請求書発行システムは、さらに、上記請求予定期日変更部が変更した請求予定期日を元にもどすリセット部を備えたことを特徴とする請求項3に記載の請求書発行システム。
【請求項5】 所定の作業の予定を作業予定データとして記憶する作業予定データ記憶部と、上記所定の作業に対応する請求予定を請求予定データとして記憶する請求予定データ記憶部と、上記作業予定データ記憶部に記憶される作業予定データと上記請求予定データ記憶部に記憶される請求予定データとをもとに請求書を作成して発行する請求書発行処理部とを備えたことを特徴とする請求書発行システム。
【請求項6】 上記請求書発行システムは、さらに、上記所定の作業の実績を作業実績データとして記憶する作業実績データ記憶部を有し、上記作業予定データと上記作業実績データとをもとに、完了していない作業を未完了作業として管理する未完了作業管理部を備えたことを特徴とする請求項5に記載の請求書発行システム。
【請求項7】 コンピュータを所定の作業の予定を作業予定データとして記憶する作業予定データ記憶部と上記所定の作業に対応する請求予定を請求予定データとして記憶する請求予定データ記憶部と上記作業予定データ記憶部に記憶される作業予定データと上記請求予定データ記憶部に記憶される請求予定データとをもとに請求書を作成して発行する請求書発行処理部として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図8】
【図14】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図12】
【図16】
【図11】
【図13】
【図15】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図8】
【図14】
【図5】
【図6】
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【図9】
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【図12】
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【図11】
【図13】
【図15】
【図17】
【公開番号】特開2000−311210(P2000−311210A)
【公開日】平成12年11月7日(2000.11.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−121947
【出願日】平成11年4月28日(1999.4.28)
【出願人】(394013002)三菱電機システムウェア株式会社 (251)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成12年11月7日(2000.11.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成11年4月28日(1999.4.28)
【出願人】(394013002)三菱電機システムウェア株式会社 (251)
【Fターム(参考)】
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