説明

識別情報取得装置、値引情報特定プログラム、値引情報特定方法、およびPOSシステム

【課題】値引対象商品の適正な精算を可能にする識別情報取得装置を提供する。
【解決手段】情報取得部1aは、識別情報2aと時間情報2bと設定情報2cを取得する。時刻取得部1bは、現在時刻2dを取得する。特定部1cは、識別情報2aに対応する値引情報2eを特定し、時間情報2bと設定情報2cと現在時刻2dとから、現在時刻における値引情報2eを特定する。識別情報取得装置1は、現在時刻2dが値引対象時間でないならば、識別情報2aに対応する商品に値引がないことを特定し、現在時刻2dが値引対象時間であるならば、識別情報2aに対応する商品に所定の値引があることを特定する。このように、識別情報取得装置1は、値引シールの有無とは別に、識別情報2aに対応する商品の値引を特定するため、値引シールの貼り替えによる不正や、値引シールの見落としによる販売価格の誤りを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、識別情報取得装置、値引情報特定プログラム、値引情報特定方法、およびPOSシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストアをはじめとして、商品販売の現場では、POS(Point Of Sale)端末が広く普及している。POS端末は、バーコードスキャナを備え、商品に付されたバーコードをスキャンし、商品コードを取得する。そして、POS端末は、取得した商品コードで商品情報ファイルを検索し、商品名や販売価格などの商品情報を取得する。
【0003】
ところで、商品販売の現場では、廃棄ロスを低減するために、消費期限が近くなった商品や製造から時間が経過した商品に、値引シールを貼付して商品の値引販売をおこなうことがある。こうした値引シールは、商品ラベルと独立して後から貼付する場合が多い。商品ラベルと値引シールが近接していない場合には、レジ係が値引シールを見落として精算をおこなってしまうことがあった。
【0004】
また、商品ラベルと値引シールが独立しているために、悪意ある買い物客による値引シールの貼り替えなどの不正な行為をレジ係が発見することは容易でなかった。このような不正行為に対しては、値引シールに識別情報を付して値引シールの正当性を確認するシール読取装置の提案がある(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−134731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、提案のシール読取装置は、一度レジを通過した値引シールの再利用を防止することができても、値引シールの貼り替えにまで対応するものではない。また、貼り替えのために値引シールを剥がされてしまった商品を購入する買い物客は、値引のない価格で値引対象品を購入することとなる。また、提案のシール読取装置は、商品ラベルと値引シールが近接していない場合に、レジ係が値引シールを見落として精算をおこなってしまうという課題を依然として解決しない。
【0007】
そこで、本発明は、値引対象商品の適正な精算を可能にする識別情報取得装置、値引情報特定プログラム、値引情報特定方法、およびPOSシステムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、識別情報取得装置は、情報取得部と、時刻取得部と、特定部とを備える。
情報取得部は、商品から、商品を識別する識別情報と、商品の販売管理に用いる時間情報と、商品の販売時間に応じた値引情報を設定した設定情報とを取得する。時刻取得部は、現在時刻を取得する。特定部は、情報取得部から取得した時間情報および設定情報と、時刻取得部から取得した現在時刻とから、現在時刻における識別情報に対応する値引情報を特定する。
【0009】
また、上記課題を解決するために、値引情報特定プログラムは、コンピュータに、以下の処理を実行させる。コンピュータは、商品から、商品を識別する識別情報と、商品の販売管理に用いる時間情報と、商品の販売時間に応じた値引情報を設定した設定情報とを取得し、現在時刻を取得し、時間情報および設定情報と、現在時刻とから、現在時刻における識別情報に対応する値引情報を特定する。
【0010】
また、上記課題を解決するために、値引情報特定方法は、商品から、商品を識別する識別情報と、商品の販売管理に用いる時間情報と、商品の販売時間に応じた値引情報を設定した設定情報とを取得し、現在時刻を取得し、時間情報および設定情報と、現在時刻とから、現在時刻における識別情報に対応する値引情報を特定する。
【0011】
また、上記課題を解決するために、POSシステムは、商品から商品を識別する識別情報を取得する識別情報取得装置と、識別情報から特定する商品の価格にもとづいて商品の精算をおこなう精算装置と、を備え、識別情報取得装置は、情報取得部と、時刻取得部と、特定部、出力部とを備える。
【0012】
情報取得部は、商品から、商品を識別する識別情報と、商品の販売管理に用いる時間情報と、商品の販売時間に応じた値引情報を設定した設定情報とを取得する。時刻取得部は、現在時刻を取得する。特定部は、情報取得部から取得した時間情報および設定情報と、時刻取得部から取得した現在時刻とから、現在時刻における識別情報に対応する値引情報を特定する。出力部は、識別情報と値引情報を精算装置に出力する。
【発明の効果】
【0013】
上記の識別情報取得装置、値引情報特定プログラム、値引情報特定方法、およびPOSシステムによれば、値引対象商品の適正な精算を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施形態の識別情報取得装置の構成を示す図である。
【図2】第2の実施形態のPOSシステムの概観を示す図である。
【図3】第2の実施形態のチェッカユニットのハードウェア構成を示す図である。
【図4】第2の実施形態の商品ラベルの一例を示す図である。
【図5】第2の実施形態のPOSシステムの構成を示す図である。
【図6】第2の実施形態のバーコード読取情報の一例を示す図である。
【図7】第2の実施形態の二次元バーコード読取情報の一例を示す図である。
【図8】第2の実施形態の商品情報の一例を示す図である。
【図9】第2の実施形態の値引情報付商品情報の一例を示す図である。
【図10】第2の実施形態のチェッカユニットとキャッシャユニットにおける商品情報読取時のシーケンス図である。
【図11】第2の実施形態のチェッカユニットにおける商品情報読取処理のフローチャートである。
【図12】第2の実施形態のチェッカユニットにおける商品情報生成処理のフローチャートである。
【図13】第2の実施形態のチェッカユニットにおける値引情報特定処理のフローチャートである。
【図14】第3の実施形態の商品ラベルの一例を示す図である。
【図15】第3の実施形態の二次元バーコード読取情報の一例を示す図である。
【図16】第3の実施形態のチェッカユニットにおける値引情報特定処理のフローチャートである。
【図17】第4の実施形態のPOSシステムの構成を示す図である。
【図18】第4の実施形態の二次元バーコード読取情報の一例を示す図である。
【図19】第4の実施形態の値引定義テーブルの一例を示す図である。
【図20】第4の実施形態のチェッカユニットにおける値引情報特定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態の識別情報取得装置について、図1を用いて説明する。図1は、第1の実施形態の識別情報取得装置の構成を示す図である。
【0016】
識別情報取得装置1は、識別情報2aと、時間情報2bと、設定情報2cと、現在時刻2dとを取得し、識別情報2aと、識別情報2aに対応する値引情報2eを特定する。識別情報取得装置1は、たとえば、スーパーマーケットのレジに設けられたバーコードスキャナであり、商品から商品コードを読み取り、商品コードを精算装置に出力する。
【0017】
識別情報2aは、商品を識別可能な情報である。識別情報2aは、たとえば、任意の区分で商品を識別可能な商品コードであり、バーコードなどの印刷情報として商品パッケージや商品ラベルに付される。
【0018】
時間情報2bは、商品の値引の判断をおこなう際に基準となる時間を示す情報である。時間情報2bは、たとえば、消費期限、賞味期限、製造日時、値引時刻、営業日時(開店時刻、閉店時刻、営業日、休業日などを含む)、イベント日時(タイムセールなど)がある。時間情報2bは、設定情報2cとともに、たとえば、2次元バーコードなどの印刷情報として商品パッケージや商品ラベルに付される。
【0019】
設定情報2cは、商品の値引に関する情報である。設定情報2cは、たとえば、値引時間、値引量(値引額、値引率、値引後販売価格など値引価格を特定可能な情報)などがある。
【0020】
現在時刻2dは、商品の値引の判断をおこなう時刻である。現在時刻2dは、たとえば、識別情報取得装置1が識別情報2aを取得したときの時刻である。
値引情報2eは、識別情報2aに対応する商品の値引後の販売価格を決定するための情報である。値引情報2eは、値引額、値引率、値引後販売価格などがある。
【0021】
識別情報取得装置1は、情報取得部1aと、時刻取得部1bと、特定部1cを備える。情報取得部1aは、識別情報2aと、時間情報2bと、設定情報2cを取得する。時刻取得部1bは、現在時刻2dを取得する。時刻取得部1bは、現在時刻2dを、識別情報取得装置1が備える時計から取得してもよいし、外部装置から通信により取得するようにしてもよい。
【0022】
特定部1cは、識別情報2aに対応する値引情報2eを特定する。特定部1cは、時間情報2bと設定情報2cと現在時刻2dとから、現在時刻2dにおける値引情報2eの特定をおこなう。たとえば、現在時刻2dが時間情報2bと設定情報2cとから特定可能な値引対象時間でないならば、特定部1cは、識別情報2aに対応する商品に値引がないことを特定する。また、現在時刻2dが時間情報2bと設定情報2cとから特定可能な値引対象時間であるならば、特定部1cは、識別情報2aに対応する商品に所定の値引があることを特定する。
【0023】
このように、識別情報取得装置1は、識別情報2aに対応する商品の値引を特定することができる。これにより、識別情報取得装置1は、値引対象商品の適正な精算を可能にする。具体的には、識別情報取得装置1が特定する識別情報2aと値引情報2eにより、精算装置は、識別情報2aから値引前販売価格を照会し、値引情報2eにより値引後販売価格を決定することができる。
【0024】
また、識別情報取得装置1は、値引シールの有無とは別に、識別情報2aに対応する商品の値引を特定するため、値引シールの貼り替えによる不正や、値引シールの見落としによる販売価格の誤りを防止することができる。
【0025】
また、識別情報取得装置1は、外部装置に頼ることなく識別情報2aに対応する商品の値引を特定することができるため、ユーザ(スーパーマーケット等)にかかる設備投資負担は、過重になることがない。
【0026】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態として、より具体的な識別情報取得装置として、POSシステムを構成するチェッカユニットを例示して説明する。
【0027】
まず、POSシステムについて図2を用いて説明する。図2は、第2の実施形態のPOSシステムの概観を示す図である。
POSシステム10は、ネットワーク16と、ネットワーク16に接続するPOS端末11とPOSサーバ14と店舗サーバ15を備える。POS端末11は、販売時点情報管理をおこなうための端末である。POSサーバ14は、POS端末11により登録された販売情報を一元管理する。また、店舗サーバ15は、商品を識別するための商品コードや価格などを登録した商品マスタを管理する。
【0028】
POS端末11は、キャッシャユニット(精算装置)12と、チェッカユニット(識別情報取得装置)13を有する。
キャッシャユニット12は、主として販売代金の受領作業をおこなうためのユニットである。キャッシャユニット12は、制御ユニット17、自動釣銭機18、キャッシュドロア19、自動釣札機20、キーボード21、タッチパネル22、ディスプレイ23、カスタマディスプレイ24、プリンタ25を有する。
【0029】
制御ユニット17は、キャッシャユニット12を制御するとともに、POS端末11を統括的に制御するコンピュータである。自動釣銭機18は、顧客(買い物客)から受け取った硬貨の入金と、釣銭の出金とをおこなう。自動釣札機20は、顧客から受け取った紙幣の入金と、釣札の出金とをおこなう。キャッシュドロア19は、硬貨および紙幣を収納する収納庫である。ディスプレイ23は、取引作業をおこなうための所定のGUI(Graphical User Interface)を表示する。ディスプレイ23は、たとえば、液晶ディスプレイである。ディスプレイ23は、タッチパネル22の下層に位置している。ディスプレイ23の表示する画像は、タッチパネル22を透過して、オペレータ(レジ係)から視認可能である。オペレータは、ディスプレイ23によって表示された画像を見ながら、タッチパネル22に対するタッチ操作をおこなうことができる。キーボード21は、ディスプレイ23に表示されたGUIを操作するための入力装置である。カスタマディスプレイ24は、顧客側に取引情報を表示する表示装置であり、たとえば、商品購入代金の合計額、顧客からの預かり金額、釣銭金額などを表示する。プリンタ25は、顧客との取引結果をロール紙に印字してレシートを発行する印刷装置である。
【0030】
チェッカユニット13は、主として商品コードの入力作業をおこなうためのユニットである。チェッカユニット13は、タッチパネル26、スピーカ27、レーン台28、支柱29、固定スキャナ30、多項目キーボード31、ディスプレイ32、カスタマディスプレイ33を有する。
【0031】
レーン台28は、支柱29を支持する。また、レーン台28には、顧客が持参した買い物かごや、買い物かごに投入された商品が載置される。支柱29は、タッチパネル26、スピーカ27、固定スキャナ30、多項目キーボード31、ディスプレイ32、カスタマディスプレイ33を支持する。固定スキャナ30は、商品に付与されたバーコード他、印刷情報を読み取るための装置である。固定スキャナ30は、カメラにより商品を撮影し、撮影画像から印刷情報を抽出する。オペレータは、商品に付されたバーコードを固定スキャナ30に向けてかざすことで、固定スキャナ30を入力装置とした商品コードの入力をおこなう。商品コードの入力結果は、ディスプレイ32に表示されて、オペレータが商品コード、値引額などの入力結果を確認することができる。また、タッチパネル26は、バーコードの付されていない商品(たとえば、ばら売りの野菜や魚などの生鮮食料品や、惣菜など)をディスプレイ32に表示される商品群から選択する入力装置である。カスタマディスプレイ33は、顧客側に取引情報を表示する表示装置であり、たとえば、商品コードを入力した商品の名称、単価、値引額などを表示する。また、スピーカ27により音声で入力結果を報知する。たとえば、スピーカ27は、入力が正常になされたときと、入力についてオペレータに注意喚起をする必要があるときなど状態に応じて異なる態様の音声出力をおこなう。より具体的には、たとえば、正常時は、「ピッ」という単発音で、注意喚起時は、「ピピッ」という連続音のようにオペレータが容易に区別可能な音声出力をおこなう。多項目キーボード31は、オペレータの操作を受け付ける。たとえば、多項目キーボード31は、スピーカ27からの音声出力で注意喚起されたときに、操作の誤りを認識したオペレータによる訂正操作を受け付ける。たとえば、チェッカユニット13は、商品コードの2度読み(連続読み)、値引ありの場合に注意喚起をおこなう。
【0032】
次に、第2の実施形態のチェッカユニット13のハードウェア構成について説明する。図3は、第2の実施形態のチェッカユニットのハードウェア構成を示す図である。
チェッカユニット13は、制御装置100を備え、制御装置100によって各種入出力装置を統括的に制御している。制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス107を介してRAM(Random Access Memory)102、HDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)103、通信インタフェース104、グラフィック処理装置105、および入出力インタフェース106が接続されている。
【0033】
RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムや情報取得機能、時刻取得機能、特定機能、他の諸機能を実現するアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。HDD103には、OSやアプリケーションプログラムが格納される。
【0034】
グラフィック処理装置105には、ディスプレイ32、カスタマディスプレイ33が接続されている。ディスプレイ32は、取引作業をおこなうための所定のGUI(Graphical User Interface)を表示する。ディスプレイ32は、たとえば、液晶ディスプレイである。ディスプレイ32は、タッチパネル26の下層に位置している。ディスプレイ32の表示する画像は、タッチパネル26を透過して、オペレータから視認可能である。オペレータは、ディスプレイ32によって表示された画像を見ながら、タッチパネル26に対するタッチ操作をおこなうことができる。グラフィック処理装置105は、CPU101からの命令に従って、画像をディスプレイ32、カスタマディスプレイ33の画面に表示させる。
【0035】
入出力インタフェース106には、固定スキャナ30、タッチパネル26、多項目キーボード31、スピーカ27が接続されている。固定スキャナ30は、たとえば、撮像素子(CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなど)を備え、撮像素子が出力する画像情報から各種情報を取得する。また、入出力インタフェース106は、可搬型記録媒体110への情報の書込み、および可搬型記録媒体110への情報の読出しが可能な可搬型記録媒体インタフェースと接続可能になっている。入出力インタフェース106は、固定スキャナ30、タッチパネル26、多項目キーボード31、スピーカ27、可搬型記録媒体インタフェースから送られてくる信号を、バス107を介してCPU101に送信する。
【0036】
通信インタフェース104は、たとえば、RS−232C(Recommended Standard 232 version C)やUSB(Universal Serial Bus)接続の接続形式でキャッシャユニット12と通信可能に接続する。なお、通信インタフェース104は、図示しないネットワークを介して他のコンピュータとの間でデータの送受信をおこなうものであってもよい。
【0037】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。
なお、制御装置100は、それぞれFPGA(Field Programmable Gate Array)やDSP(Digital Signal Processer)などからなるモジュールを含んで構成することもでき、CPU101を有しない構成とすることもできる。その場合、制御装置100は、それぞれ不揮発性メモリ(たとえば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、フラッシュメモリ型メモリカードなど)を備え、モジュールのファームウェアを記憶する。不揮発性メモリは、可搬型記録媒体110、あるいは通信インタフェース104を介してファームウェアを書き込むことができる。このように制御装置100は、不揮発性メモリに記憶されているファームウェアを書き換えることにより、ファームウェアの更新をすることもできる。
【0038】
次に、第2の実施形態のチェッカユニット13の動作概要について図4から図9を用いて説明する。まず、POSシステム10が取り扱い対象とする商品の商品ラベル表示例を説明する。図4は、第2の実施形態の商品ラベルの一例を示す図である。
【0039】
商品40は、POSシステム10が取り扱い対象とする商品の一例である。商品40は、商品ラベル41と値引きシール47が貼付されている。値引きシール47は、通常、商品ラベル41の近傍に貼付される。
【0040】
商品ラベル41は、商品名表示42と、バーコード表示43と、価格表示44と、二次元バーコード表示45と、商品付帯情報表示46を印刷表示する。商品名表示42は、買い物客に向けて商品名を明示する。価格表示44は、買い物客に向けて商品の価格を明示する。商品付帯情報表示46は、買い物客に向けて商品に付帯する情報を明示する。商品に付帯する情報は、製造者名、販売者名、消費期限、製造日時、原材料、内容量など、消費者に向けて表示すべき情報を表示する。
【0041】
バーコード表示43は、一次元バーコード表示であり、商品の識別情報としての商品コードを表す第1情報表示部としての機能を有する。バーコード表示43は、値引対象となる商品であるか否かにかかわらず、原則としてすべての商品に付される。
【0042】
二次元バーコード表示45は、商品の値引の判断をおこなう際に基準となる時間を示す時間情報と、商品の値引に関する設定情報とを表す第2情報表示部としての機能を有する。二次元バーコード表示45は、値引対象となる商品に付される。
【0043】
値引きシール47は、値引内容を印刷表示して、値引商品であること、および値引内容を買い物客に明示する。たとえば、値引きシール47が表示する値引内容は、「半額びき」、「30%びき」などの値引率表示、「50円びき」、「30円びき」などの値引額表示、「198円」、「148円」などの値引後価格表示などがある。
【0044】
次に、商品40について精算をおこなうPOSシステム10について説明する。図5は、第2の実施形態のPOSシステムの構成を示す図である。図6は、第2の実施形態のバーコード読取情報の一例を示す図である。図7は、第2の実施形態の二次元バーコード読取情報の一例を示す図である。図8は、第2の実施形態の商品情報の一例を示す図である。図9は、第2の実施形態の値引情報付商品情報の一例を示す図である。
【0045】
チェッカユニット13は、情報取得部3と、時刻取得部4と、特定部5と、出力部6を備える。情報取得部3は、バーコード読取情報51と、二次元バーコード読取情報53を取得する。具体的には、情報取得部3は、商品ラベル41を撮像する。情報取得部3は、撮影した画像からバーコード表示43と二次元バーコード表示45を抽出する。情報取得部3は、抽出したバーコード表示43をデコードしてバーコード読取情報51を取得し、抽出した二次元バーコード表示45をデコードして二次元バーコード読取情報53を取得する。
【0046】
バーコード読取情報51は、商品コード52を含む。商品コード52は、商品を特定可能であり、たとえば、商品コード「2100001003005」は、商品「きんぴらごぼう」を特定する。
【0047】
二次元バーコード読取情報53は、消費期限54と、値引時間55と、時間単位56と、値引量57と、値引種別58を含む。消費期限54は、消費期限を特定可能であり、たとえば、消費期限「201103012300」は、消費期限「2011年3月1日23時」を特定する。値引時間55は、時間の大きさを特定する情報であり、時間単位56は、時間単位を特定する情報であり、値引時間55と時間単位56を併せて値引対象時間を特定する。たとえば、時間単位「1」は、時間単位「分」を表し、値引時間「90」と併せて、値引対象時間「90分」を特定する。したがって、値引開始時刻は、2011年3月1日23時の90分前である、2011年3月1日21時30分となる。値引量57は、値引の大きさを特定する情報であり、値引種別58は、値引の種別を特定する情報であり、値引量57と値引種別58を併せて値引内容を特定する。たとえば、値引種別「1」は、値引種別「値引率」を表し、値引量「0050」と併せて、値引内容「50%OFF」を特定可能である。
【0048】
時刻取得部4は、チェッカユニット13が内蔵する時計から現在時刻48を取得する。なお、POSサーバ14または店舗サーバ15から現在時刻48を取得するものであってもよい。
【0049】
特定部5は、情報取得部3が取得したバーコード読取情報51と二次元バーコード読取情報53から、値引開始時刻と値引内容を特定し、時刻取得部4が取得した現在時刻48から現時点における商品の値引内容を特定する。出力部6は、商品情報59または値引情報付商品情報62をキャッシャユニット12に出力(通知)する。
【0050】
商品情報59は、ID60と、商品コード52と、CR61を含む。ID60は、通知文のヘッダ情報であり、CR61は通知文のキャリッジリターンである。ID「F」は、商品情報59が商品コード52のみの通知文(値引情報なし)であることを示す。
【0051】
値引情報付商品情報62は、ID60と、商品コード52と、値引量57と、値引種別58と、CR61を含む。ID「Q」は、値引情報付商品情報62が商品コード52に加えて値引情報を含む通知文であることを示す。
【0052】
キャッシャユニット12は、精算部7と、情報照会部8と、入力部9とを備える。入力部9は、商品情報59または値引情報付商品情報62をチェッカユニット13から入力する。情報照会部8は、商品情報59、値引情報付商品情報62に含まれる商品コード52を商品マスタ130に照会して、商品名、商品価格、その他情報を取得する。情報照会部8は、商品コード52の照会結果を精算部7に出力する。精算部7は、商品コード52の照会結果にもとづいて商品の精算をおこなう。このとき、精算部7は、値引情報(値引量57、値引種別58)があれば値引した価格で商品の精算をおこなう。
【0053】
このように、POSシステム10は、チェッカユニット13が商品ごとの値引の有無を判断して、商品情報59または値引情報付商品情報62としてキャッシャユニット12に通知するので、キャッシャユニット12は商品について値引の有無の判断をおこなう必要がない。
【0054】
次に、第2の実施形態のPOS端末11のバーコード入力処理について図10を用いて説明する。図10は、第2の実施形態のチェッカユニットとキャッシャユニットにおける商品情報読取時のシーケンス図である。
【0055】
POS端末11は、買い物ごとに少なくとも1つ以上の商品コードの入力と精算をおこなう。バーコード入力処理は、キャッシャユニット12とチェッカユニット13とが商品に付されたバーコードを読み取り、商品コードの入力をおこなう処理である。
【0056】
[ステップS11]キャッシャユニット12は、固定スキャナ30の初期化を指示する。固定スキャナ30の初期化の指示は、たとえば、オペレータによるキーボード21の操作に基づいておこなわれる。キャッシャユニット12は、顧客の買い物一回ごとに一度の初期化指示をおこなう。
【0057】
[ステップS21]チェッカユニット13は、キャッシャユニット12からの初期化指示を受けて買い物ごとの入力情報を記憶する記憶領域の初期化をおこなう。
[ステップS22]チェッカユニット13は、バーコード入力処理を終了するか否かを判定する。バーコード入力処理の終了判定は、キャッシャユニット12からの終了指示を受けて判定する。チェッカユニット13は、バーコード入力処理を終了すると判定した場合は、バーコード入力処理を終了する。一方、チェッカユニット13は、バーコード入力処理を終了しないと判定した場合は、ステップS23にすすむ。
【0058】
[ステップS23]チェッカユニット13は、商品情報読取処理を実行する。商品情報読取処理の詳細は、図11を用いて後で説明する。
[ステップS24]チェッカユニット13は、商品情報59または値引情報付商品情報62をキャッシャユニット12に通知する。
【0059】
このように、チェッカユニット13は、キャッシャユニット12からの終了指示を受けるまでバーコードの読み取りと入力データの通知をおこなう。
[ステップS12]キャッシャユニット12は、チェッカユニット13からの商品情報59または値引情報付商品情報62の通知、または小計キーの押下を待ち受ける。キャッシャユニット12は、チェッカユニット13から商品情報59または値引情報付商品情報62の通知があった場合、ステップS13にすすむ。一方、キャッシャユニット12は、小計キーの押下があった場合、ステップS14にすすむ。
【0060】
[ステップS13]キャッシャユニット12は、商品情報59または値引情報付商品情報62について所要の処理を実行する。キャッシャユニット12は、たとえば、商品コード52を商品マスタ130に照会して商品名、商品単価を取得する。そして、キャッシャユニット12は、商品名、商品単価、値引があれば値引額、値引後の価格をディスプレイ23、カスタマディスプレイ24に表示する。キャッシャユニット12は、商品情報59または値引情報付商品情報62について所要の処理の実行を終了すると、ステップS12にすすむ。
【0061】
[ステップS14]キャッシャユニット12は、キーボード21の小計キーが押下されたことで、チェッカユニット13にバーコード入力処理の終了を指示して、バーコード入力処理を終了する。
【0062】
次に、第2の実施形態のチェッカユニット13が実行する商品情報読取処理について図11を用いて説明する。図11は、第2の実施形態のチェッカユニットにおける商品情報読取処理のフローチャートである。
【0063】
[ステップS31]チェッカユニット13は、固定スキャナ30が商品40を撮影した画像を取得する。固定スキャナ30は、画像取得要求があった場合に商品を撮影してもよいし、動画を撮影して画像取得要求があった場合に所定の画像を選択するようにしてもよい。
【0064】
[ステップS32]チェッカユニット13は、固定スキャナ30が撮影した画像にバーコード表示43が含まれているか否かを判定する。チェッカユニット13は、固定スキャナ30が撮影した画像にバーコード表示43が含まれている場合にステップS33にすすむ。一方、チェッカユニット13は、固定スキャナ30が撮影した画像にバーコード表示43が含まれていない場合にステップS31にすすむ。
【0065】
[ステップS33]チェッカユニット13は、固定スキャナ30が撮影した画像に含まれるバーコード表示43を読み取る。
[ステップS34]チェッカユニット13は、監視時間をセットする。監視時間は、バーコード表示43を取得してから、二次元バーコード表示45の有無を判断する時間である。
【0066】
[ステップS35]チェッカユニット13は、固定スキャナ30が商品40を撮影した画像に二次元バーコード表示45が含まれているか否かを判定する。チェッカユニット13は、固定スキャナ30が撮影した画像に二次元バーコード表示45が含まれている場合にステップS39にすすむ。一方、チェッカユニット13は、固定スキャナ30が撮影した画像に二次元バーコード表示45が含まれていない場合にステップS36にすすむ。
【0067】
[ステップS36]チェッカユニット13は、固定スキャナ30が商品40を撮影した画像を再取得する。再取得する画像は、ステップS31で取得した画像とは撮影タイミングが異なる画像である。
【0068】
[ステップS37]チェッカユニット13は、監視時間がオーバー(タイムアウト)したか否かを判定する。チェッカユニット13は、監視時間がオーバーしている場合にステップS38にすすむ。一方、チェッカユニット13は、監視時間がオーバーしていない場合にステップS35にすすむ。
【0069】
これにより、チェッカユニット13は、固定スキャナ30がバーコード表示43を取得した画像を撮影したときに二次元バーコード表示45が撮影範囲外にあっても、監視時間の間、二次元バーコード表示45が撮影範囲内に入ることを待ち受けることができる。
【0070】
なお、監視時間中に商品40が撮影範囲外に出た場合は、チェッカユニット13は、異なる商品の二次元バーコード表示45の取得を防止するため、商品情報読取処理をリトライするようにしてもよい。
【0071】
[ステップS38]チェッカユニット13は、商品情報59を生成する商品情報生成処理を実行する。商品情報生成処理の詳細は、図12を用いて後で説明する。チェッカユニット13は、商品情報生成処理を実行後、商品情報読取処理を終了する。
【0072】
[ステップS39]チェッカユニット13は、固定スキャナ30が撮影した画像に含まれる二次元バーコード表示45を読み取る。
[ステップS40]チェッカユニット13は、値引情報付商品情報62を生成する値引情報特定処理を実行する。値引情報特定処理の詳細は、図13を用いて後で説明する。チェッカユニット13は、値引情報特定処理を実行後、商品情報読取処理を終了する。
【0073】
このようにして、チェッカユニット13は、固定スキャナ30がバーコード表示43だけを読み取った場合に商品情報59を生成し、固定スキャナ30がバーコード表示43と二次元バーコード表示45を読み取った場合に値引情報付商品情報62を生成する。
【0074】
次に、第2の実施形態のチェッカユニット13が実行する商品情報生成処理について図12を用いて説明する。図12は、第2の実施形態のチェッカユニットにおける商品情報生成処理のフローチャートである。
【0075】
[ステップS41]チェッカユニット13は、バーコード表示43から商品コード52を取得する。
[ステップS42]チェッカユニット13は、商品コード52を含む商品情報59を生成する。
【0076】
次に、第2の実施形態のチェッカユニット13が実行する値引情報特定処理について図13を用いて説明する。図13は、第2の実施形態のチェッカユニットにおける値引情報特定処理のフローチャートである。
【0077】
[ステップS51]チェッカユニット13は、バーコード表示43(バーコード読取情報51)から商品コード52を取得する。
[ステップS52]チェッカユニット13は、現在時刻48を取得する。
【0078】
[ステップS53]チェッカユニット13は、二次元バーコード表示45(二次元バーコード読取情報53)から消費期限54、値引時間55、時間単位56を取得し、値引時間を特定する。
【0079】
[ステップS54]チェッカユニット13は、二次元バーコード表示45から値引量57、値引種別58を取得し、値引内容を特定する。
[ステップS55]チェッカユニット13は、現在時刻48が値引時間の範囲内か否かを判定する。チェッカユニット13は、現在時刻48が値引時間の範囲内である場合にステップS56にすすむ。一方、チェッカユニット13は、現在時刻48が値引時間の範囲内でない場合にステップS57にすすむ。
【0080】
[ステップS56]チェッカユニット13は、値引情報付商品情報62に付加する値引情報(値引量57、値引種別58)を生成する。
[ステップS57]チェッカユニット13は、値引情報がない場合に商品コード52を含む商品情報59を生成し、値引情報がある場合に商品コード52と値引情報を含む値引情報付商品情報62を生成する。チェッカユニット13は、商品情報59または値引情報付商品情報62を生成した後に値引情報特定処理を終了する。
【0081】
このようにして、チェッカユニット13は、二次元バーコード表示45があっても、現在時刻48が値引時間の範囲内になければ商品情報59を生成し、現在時刻48が値引時間の範囲内にあれば値引情報付商品情報62を生成する。
【0082】
したがって、チェッカユニット13は、値引きシール47の有無にかかわらず、商品情報59または値引情報付商品情報62を生成するので、値引きシール47の貼り替え不正や、値引きシール47の見落としによる精算誤りを防止することができる。
【0083】
また、チェッカユニット13は、値引きシール47の有無にかかわらず、商品情報59または値引情報付商品情報62を生成するので、買い物客が値引きシール47の貼付前に商品40を買い物かごに入れて、値引対象時間にレジを通過する場合の不公平を是正する。
【0084】
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態として、バーコード表示43と別体のシール(ラベル)に付された二次元バーコード表示を取り扱う場合について、図14から図16を用いて説明する。図14は、第3の実施形態の商品ラベルの一例を示す図である。図15は、第3の実施形態の二次元バーコード読取情報の一例を示す図である。図16は、第3の実施形態のチェッカユニットにおける値引情報特定処理のフローチャートである。なお、第2の実施形態と同一の構成については、同じ符番を付して説明を省略する。
【0085】
商品40は、商品ラベル(第1媒体)63と値引きシール(第2媒体)64が貼付されている。値引きシール64は、通常、商品ラベル63の近傍に貼付される。
商品ラベル63は、商品名表示42と、バーコード表示43と、価格表示44と、商品付帯情報表示46を印刷表示する。バーコード表示43は、一次元バーコード表示であり、商品の識別情報としての商品コードを表す第1の情報表示部としての機能を有する。
【0086】
値引きシール64は、値引内容表示65と二次元バーコード表示66を印刷表示する。値引きシール64は、値引対象となる商品に付される。値引内容表示65は、値引内容を印刷表示して、値引商品であること、および値引内容を買い物客に明示する。たとえば、値引内容表示65が表示する値引内容は、「タイムセール 30〜50%びき」のように、値引内容が確定しない場合に、選択し得る値引内容を表示するものであってもよい。なお、値引内容表示65は、「50%びき」「30%びき」などの値引率表示、「50円びき」、「30円びき」などの値引額表示、「198円」、「148円」などの値引後価格表示などであってもよい。
【0087】
二次元バーコード表示66は、商品の値引の判断をおこなう際に基準となる時間を示す時間情報と、商品の値引に関する設定情報とを表す第2の情報表示部としての機能を有する。
【0088】
チェッカユニット13の情報取得部3は、バーコード表示43からバーコード読取情報51を取得し、二次元バーコード表示66から二次元バーコード読取情報67を取得する。
【0089】
二次元バーコード読取情報67は、消費期限70と、第1値引条件68と、第2値引条件69と、チェックコード74を含む。第1値引条件68および第2値引条件69は、それぞれ、値引時刻71と、値引量72と、値引種別73を含む。
【0090】
消費期限70は、消費期限を特定可能であり、たとえば、消費期限「201103012300」は、消費期限「2011年3月1日23時」を特定する。第1値引条件68は、第1の値引条件と第1の値引内容を定義する情報であり、第1の値引条件を満たす場合に第1の値引内容を適用することを示す。すなわち、第1値引条件68は、消費期限70と値引時刻71により特定される時間である場合に、値引量72と値引種別73で特定される値引をおこなうことを示す。
【0091】
第2値引条件69は、第2の値引条件と第2の値引内容を定義する情報であり、第2の値引条件を満たす場合に第2の値引内容を適用することを示す。すなわち、第2値引条件69は、消費期限70と値引時刻71により特定される時間である場合に、値引量72と値引種別73で特定される値引をおこなうことを示す。
【0092】
これにより、二次元バーコード読取情報67は、19時以降に30%の値引きをおこなうこと、20時以降に50%の値引をおこなうことを、1枚の値引きシール64(1つ二次元バーコード表示66)により実現可能にする。
【0093】
このように、二次元バーコード読取情報67は、2つの値引内容の定義を有することで、値引内容変更毎の値引きシールの貼り替えを不要とする。なお、二次元バーコード読取情報67は、2つの値引内容の定義に限らず、2以上の値引内容の定義を有するようにしてもよい。
【0094】
チェックコード74は、バーコード表示43と二次元バーコード表示66の組み合わせの正当性の判定に用いる情報である。たとえば、チェックコード74は、バーコード表示43から特定する情報と、二次元バーコード表示66から特定する情報の組み合わせから生成した情報のハッシュ値とすることができる。これにより、チェックコード74は、二次元バーコード表示66を付した値引きシール64の貼り替え不正を検出可能にする。
【0095】
次に、このようなバーコード表示43と二次元バーコード表示66から値引情報を特定する値引情報特定処理について図16を用いて説明する。
[ステップS61]チェッカユニット13は、バーコード表示43(バーコード読取情報51)から商品コード52を取得する。
【0096】
[ステップS62]チェッカユニット13は、バーコード表示43と二次元バーコード表示66の組み合わせの正当性を、チェックコード74にもとづいて判定する。チェッカユニット13は、バーコード表示43と二次元バーコード表示66の組み合わせが正当な場合にステップS63にすすむ。一方、チェッカユニット13は、バーコード表示43と二次元バーコード表示66の組み合わせが不当な場合にステップS70にすすみ、商品40について値引情報を付加しない。
【0097】
[ステップS63]チェッカユニット13は、現在時刻48を取得する。
[ステップS64]チェッカユニット13は、二次元バーコード表示66(二次元バーコード読取情報67)から値引条件を1つ取得する。
【0098】
[ステップS65]チェッカユニット13は、取得した値引条件から消費期限70、値引時刻71を取得し、値引時間を特定する。
[ステップS66]チェッカユニット13は、取得した値引条件から値引量72、値引種別73を取得し、値引内容を特定する。
【0099】
[ステップS67]チェッカユニット13は、現在時刻48が値引時間の範囲内か否かを判定する。チェッカユニット13は、現在時刻48が値引時間の範囲内である場合にステップS69にすすむ。一方、チェッカユニット13は、現在時刻48が値引時間の範囲内でない場合にステップS68にすすむ。
【0100】
[ステップS68]チェッカユニット13は、二次元バーコード表示66からすべての値引条件を取得したか否かを判定する。チェッカユニット13は、二次元バーコード表示66からすべての値引条件を取得した場合にステップS70にすすむ。一方、チェッカユニット13は、二次元バーコード表示45からすべての値引条件を取得していない場合にステップS64にすすむ。
【0101】
[ステップS69]チェッカユニット13は、値引情報付商品情報62に付加する値引情報(値引量57、値引種別58)を生成する。
[ステップS70]チェッカユニット13は、値引情報がない場合に商品コード52を含む商品情報59を生成し、値引情報がある場合に商品コード52と値引情報を含む値引情報付商品情報62を生成する。チェッカユニット13は、商品情報59または値引情報付商品情報62を生成した後に値引情報特定処理を終了する。
【0102】
このようにして、チェッカユニット13は、二次元バーコード表示66があっても、バーコード表示43と二次元バーコード表示66の組み合わせが正当でない場合には商品情報59を生成し、正当であれば値引情報付商品情報62を生成する。
【0103】
また、チェッカユニット13は、二次元バーコード表示66があっても、現在時刻48が値引時間の範囲内になければ商品情報59を生成し、現在時刻48が値引時間の範囲内にあれば値引情報付商品情報62を生成する。
【0104】
また、チェッカユニット13は、値引情報付商品情報62を生成する場合であっても、値引条件に応じて値引内容の異なる値引情報付商品情報62を生成することができる。
また、本実施形態の2つ以上の値引内容を定義した二次元バーコードを、第1の実施例で説明した二次元バーコード表示45に適用することも可能である。
【0105】
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態として、二次元バーコード表示に具体的な値引条件を付さず、チェッカユニットが記憶する値引条件を参照して値引内容を特定する場合について、図17から図20を用いて説明する。図17は、第4の実施形態のPOSシステムの構成を示す図である。図18は、第4の実施形態の二次元バーコード読取情報の一例を示す図である。図19は、第4の実施形態の値引定義テーブルの一例を示す図である。図20は、第4の実施形態のチェッカユニットにおける値引情報特定処理のフローチャートである。なお、第2の実施形態と同一の構成については、同じ符番を付して説明を省略する。
【0106】
チェッカユニット121は、情報取得部3と、時刻取得部4と、特定部5と、出力部6と、記憶部122を備える。情報取得部3は、バーコード読取情報51と、二次元バーコード読取情報80を取得する。
【0107】
二次元バーコード読取情報80は、日時コード81と、日時82と、値引コード(値引情報を特定する特定情報)83を含む。日時コード81は、続く日時82の種別を特定する。日時82の種別とは、日時82が特定する日時が、消費期限、賞味期限、製造日時、値引時刻、営業日時(開店時刻、閉店時刻、営業日、休業日などを含む)、イベント日時(タイムセールなど)などのうちいずれを指すのかを特定する。たとえば、日時コード81が「1」のとき、日時82の「201103012300」は、消費期限「2011年3月1日23時」を特定する。
【0108】
値引コード83は、値引定義テーブル90の値引内容を参照するインデックスである。値引定義テーブル90は、値引コード83をインデックスとして具体的な値引内容を定義している。値引内容は、たとえば、値引コード83が「1002」のとき、値引内容は、「消費期限1時間前から10%OFF」を示す。
【0109】
記憶部122は、値引定義テーブル(値引定義情報)90を記憶する。特定部5は、情報取得部3が取得したバーコード読取情報51と二次元バーコード読取情報80と、記憶部122が記憶する値引定義テーブル90とから、値引時刻と値引内容を特定し、時刻取得部4が取得した現在時刻48から現時点における商品の値引内容を特定する。出力部6は、商品情報59または値引情報付商品情報62をキャッシャユニット12に出力(通知)する。
【0110】
このように、POSシステム120は、チェッカユニット13が商品ごとの値引の有無を判断して、商品情報59または値引情報付商品情報62としてキャッシャユニット12に通知するので、キャッシャユニット12は値引の有無の判断をおこなう必要がない。
【0111】
また、このように、記憶部122が値引定義テーブル90を記憶することから、POSシステム120は、二次元バーコード読取情報80に含める情報内容を抑制することができる。また、POSシステム120は、二次元バーコード読取情報80に含めることが困難な詳細な値引内容を定義することができる。たとえば、値引定義テーブル90の値引コード「1099」は、値引内容「消費期限2時間前10%OFF、消費期限1時間前30%OFF、消費期限0.5時間前50%OFF」を示す。POSシステム120は、このように時間経過とともに複数段階に更新される値引を容易に実現可能にする。
【0112】
なお、二次元バーコードを印刷するシールプリンタ(図示せず)は、値引定義テーブル90と同様の情報を記憶する。これにより、シールプリンタは、値引きシールに印刷する二次元バーコードに二次元バーコード読取情報80を含めることができる。
【0113】
次に、このような値引コード83と値引定義テーブル90により値引情報を特定する値引情報特定処理について図20を用いて説明する。
[ステップS71]チェッカユニット121は、バーコード表示43(バーコード読取情報51)から商品コード52を取得する。
【0114】
[ステップS72]チェッカユニット121は、現在時刻48を取得する。
[ステップS73]チェッカユニット121は、二次元バーコード表示66(二次元バーコード読取情報80)から日時コード81と日時82を取得する。
【0115】
[ステップS74]チェッカユニット121は、二次元バーコード表示66から値引コード83を取得する。
[ステップS75]チェッカユニット121は、値引定義テーブル90から値引コード83を参照して値引内容を取得する。
【0116】
[ステップS76]チェッカユニット121は、現在時刻48が値引時間の範囲内か否かを判定する。チェッカユニット121は、現在時刻48が値引時間の範囲内である場合にステップS77にすすむ。一方、チェッカユニット121は、現在時刻48が値引時間の範囲内でない場合にステップS78にすすむ。
【0117】
[ステップS77]チェッカユニット121は、現在時刻48に対応する値引内容を特定し、値引情報付商品情報62に付加する値引情報(値引量57、値引種別58)を生成する。
【0118】
[ステップS78]チェッカユニット121は、値引情報がない場合に商品コード52を含む商品情報59を生成し、値引情報がある場合に商品コード52と値引情報を含む値引情報付商品情報62を生成する。チェッカユニット121は、商品情報59または値引情報付商品情報62を生成した後に値引情報特定処理を終了する。
【0119】
このようにして、チェッカユニット121は、値引コード83と値引定義テーブル90により値引情報を特定して、商品情報59または値引情報付商品情報62を生成する。
以上、第1の実施形態から第4の実施形態では、識別情報取得装置として、精算装置であるキャッシャユニットと別体に構成されたチェッカユニットを説明したが、識別情報取得装置は、客自身がオペレータとなるセルフチェックアウト端末にも適用可能である。セルフチェックアウト端末は、キャッシャユニット(精算部)とチェッカユニット(識別情報取得部)を備える。
【0120】
なお、POSシステムは、二次元バーコードとして、QRコード(登録商標)、Datamatrixなど、任意のデータフォーマットを採用することができる。また、POSシステムは、二次元バーコードに代えてOCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)により情報取得可能な文字その他の印刷情報を採用してもよい。
【0121】
なお、上記の処理機能(情報取得処理、時刻取得処理、特定処理、出力処理、入力処理、情報照会処理、精算処理)は、コンピュータによって実現することができる。その場合、識別情報取得装置1、キャッシャユニット12、チェッカユニット13、121が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(可搬型記録媒体を含む)に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
【0122】
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0123】
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
【0124】
なお、上述の実施の形態は、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
さらに、上述の実施の形態は、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0125】
1 識別情報取得装置
1a 情報取得部
1b 時刻取得部
1c 特定部
2a 識別情報
2b 時間情報
2c 設定情報
2d 現在時刻
2e 値引情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品から、前記商品を識別する識別情報と、前記商品の販売管理に用いる時間情報と、前記商品の販売時間に応じた値引情報を設定した設定情報とを取得する情報取得部と、
現在時刻を取得する時刻取得部と、
前記情報取得部から取得した前記時間情報および前記設定情報と、前記時刻取得部から取得した前記現在時刻とから、前記現在時刻における前記識別情報に対応する前記値引情報を特定する特定部と、
を備えることを特徴とする識別情報取得装置。
【請求項2】
前記情報取得部は、前記商品に付された第1情報表示部から前記識別情報を取得し、前記商品に付された第2情報表示部から前記時間情報と前記設定情報を取得することを特徴とする請求項1記載の識別情報取得装置。
【請求項3】
前記第2情報表示部は、
前記第1情報表示部を備える第1媒体とは別体の、前記商品に貼付される第2媒体に備えられ、
前記情報取得部によって取得可能な情報に、前記第1情報表示部と前記第2情報表示部の組み合わせの正当性を検証可能な情報を含む、
ことを特徴とする請求項2記載の識別情報取得装置。
【請求項4】
前記設定情報は、複数の前記値引情報を設定し、
前記特定部は、前記現在時刻にもとづいて複数の前記値引情報から1つの前記値引情報を選択することを特徴とする請求項2記載の識別情報取得装置。
【請求項5】
前記時間情報と前記設定情報を記憶する記憶部と、
前記情報取得部は、前記商品に付された第1情報表示部から前記識別情報を取得し、前記商品に付された第2情報表示部から前記時間情報と前記設定情報を特定可能な特定情報を取得することを特徴とする請求項1記載の識別情報取得装置。
【請求項6】
前記第1情報表示部は、一次元バーコード表示であって、前記第2情報表示部は、二次元バーコード表示であることを特徴とする請求項2乃至請求項5記載の識別情報取得装置。
【請求項7】
前記識別情報と前記値引情報を出力する出力部を備えることを特徴とする請求項6記載の識別情報取得装置。
【請求項8】
コンピュータに、
商品から、前記商品を識別する識別情報と、前記商品の販売管理に用いる時間情報と、前記商品の販売時間に応じた値引情報を設定した設定情報とを取得し、
現在時刻を取得し、
前記時間情報および前記設定情報と、前記現在時刻とから、前記現在時刻における前記識別情報に対応する前記値引情報を特定する、
処理を実行させることを特徴とする値引情報特定プログラム。
【請求項9】
商品から、前記商品を識別する識別情報と、前記商品の販売管理に用いる時間情報と、前記商品の販売時間に応じた値引情報を設定した設定情報とを取得し、
現在時刻を取得し、
前記時間情報および前記設定情報と、前記現在時刻とから、前記現在時刻における前記識別情報に対応する前記値引情報を特定する、
ことを特徴とする値引情報特定方法。
【請求項10】
商品から前記商品を識別する識別情報を取得する識別情報取得装置と、前記識別情報から特定する前記商品の価格にもとづいて前記商品の精算をおこなう精算装置と、を備えるPOSシステムにおいて、
前記識別情報取得装置は、
前記商品から、前記商品を識別する識別情報と、前記商品の販売管理に用いる時間情報と、前記商品の販売時間に応じた値引情報を設定した設定情報とを取得する情報取得部と、
現在時刻を取得する時刻取得部と、
前記情報取得部から取得した前記時間情報および前記設定情報と、前記時刻取得部から取得した前記現在時刻とから、前記現在時刻における前記識別情報に対応する前記値引情報を特定する特定部と、
前記識別情報と前記値引情報を前記精算装置に出力する出力部と、
を備えることを特徴とするPOSシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−185731(P2012−185731A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49306(P2011−49306)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】