説明

議事録作成機能を有する電子会議システム

【目的】 本発明は、議事録作成機能を有する電子会議システムに関し、議事録機能の選択に対応してマーク付与した発言のみを議事録として表示などし、議事録を簡単に作成可能にしたり、会議の経過内容を迅速に把握可能にしたりすることを目的とする。
【構成】 発言1に対応づけて表題および議事録作成マーク11などの情報を持ち、電子会議における発言1について管理者が必要に応じて議事録作成マーク11を付与して保管しておき、議事録作成指示に対応して、保管しておいた発言1のうちから議事録作成マーク11の付与されている発言1のみを取り出し、議事録として表示などするように構成する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発言から議事録作成を行う議事録作成機能を有する電子会議システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】非リアルタイムの電子会議システムにおいて、会議に途中から参加した場合に、それまでの経過を手早く知りたい要求がある。
【0003】従来の非リアルタイムの電子会議システムで今までの会議の内容を把握するには、ホストに保管されている発言された会議の内容を全て回線を介して取り出して、ワークステーションなどで構成する端末のディスプイ上に表示し、表示された発言内容を順次読むようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このため、会議の途中から参加しようとすると、過去の全ての発言内容をホストから回線を介して取り出して端末上のディスプレイに表示し、これを順次読む必要があり、会議に参加しても直に意見を述べることができないと共に会議に参加してもそれまでの経過を把握するのに多くの時間を費やすこととなり、大変に不便であるという問題があった。また、議事録を作成する場合に、発言を見て重要なものを順次選択して作成するという手作業が必要となってしまうという問題があった。
【0005】本発明は、発言のうち議事録採取の必要のあるものにマーク付与して保管しておき、議事録機能の選択に対応してマーク付与した発言のみを議事録として表示などし、議事録を簡単に作成可能にしたり、会議の経過内容を迅速に把握可能にしたりすることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】図1を参照して課題を解決するための手段を説明する。図1において、発言1は、電子会議システムにおいて、参加者が述べた発言内容である。
【0007】表題は、発言1の見出しなどである。議事録作成マーク11は、発言1のうちの議事録作成の対象とする旨のマークである。
【0008】
【作用】本発明は、図1に示すように、電子会議において、参加者が述べた発言1のうち、管理者(議長など)が議事録作成の対象と判断したときに当該発言1に議事録作成マーク11を付与して保管しておき、議事録作成指示に対応して、保管しておいた発言1のうちから議事録作成マーク11の付与されている発言1のみを取り出し、議事録として表示などするようにしている。
【0009】従って、保管されている発言1のうちの議事録作成マーク11の付与されているもののみを議事録として表示などすることにより、簡単な操作によって議事録を作成できると共に、途中から会議に参加しようとした場合に、議事録機能を選択してそれまでの議事録を表示して読んで迅速に内容を把握し、電子会議に参加して意見を述べることができる。
【0010】
【実施例】次に、図1から図5を用いて本発明の実施例の構成および動作を順次詳細に説明する。
【0011】図1において、発言1は、電子会議システムにおいて、参加者が述べた(提案した)発言内容(文書)であって、図4に示す番号、種別、読出の未/済、表題、ニックネーム、本発明に係わる議事録作成マーク(以下マークという)11などの情報を付加して持つものである。発言1の本体の例を図5の(ロ)に示す。
【0012】議事録作成マーク11は、発言1のうちの議事録作成の対象とする旨のマークであって、議長が発言1のうちから選択して付加して保存するものである。端末2は、電子会議を行うためのワークステーションなどであって、通信制御21、電子会議システム22、入出力処理25などから構成されるものである。これら端末2を複数、ホスト3に回線を介して接続し、電子会議を開くようにしている。いずれかの端末2から入力された発言1は、回線を介してホスト3のファイル31に保管され、これを電子会議に参加している各参加者が各端末2のディスプレイ27上に表示して当該電子会議に参加する。
【0013】電子会議システム22は、回線を介してホスト3と接続し、電子会議を行うためのシステムであって、ここではエディタ23、各種制御を行う制御部24などから構成されている(図2、図3のフローチャートを用いて後述する)。
【0014】エディタ23は、電子会議を行うために各種処理、例えば発言1の文書を入力したり、マーク11の付与された発言1のみを取り出して議事録として表示したりなどするものである(図2、図3のフローチャートを用いて後述する)。
【0015】入出力制御25は、入力された発言1をディスプレイ27上に表示したり、キーボード28から入力された発言1の文書を取り込んだり、各種操作指示を取り込んだりなどするものである。
【0016】ファイル26は、キーボード28から入力された発言1の文書を一時的に格納したり、ホスト3のファイル31からマーク11の付与された発言1のみを取り出して一時的に格納して表示したりなどするためのものである。
【0017】ディスプレイ27は、発言1や議事録などを表示するものである。キーボード28は、発言1の文書を入力したり、各種操作指示を入力したりなどするものである。
【0018】ホスト3は、回線を介して複数の端末2と接続し、電子会議の発言1を統括してファイル31に格納して管理するものである。各端末1は、このホスト3のファイル31から発言1を取り出して自己のディスプレイ27上に表示して電子会議に参加したりする。
【0019】ファイル31は、参加者の発言1を統括して保管するものであって、ここでは発言1に対応づけてマーク(議事録作成マーク)11などを保存するようにしている。
【0020】次に、図2のフローチャートに示す順序に従い、発言の作成およびマークの付与について詳細に説明する。図2において、S1は、発言を押下する。これは、例えば図4の(イ)の画面4の下端に表示されている“発言”というコマンドを押下する(発言という機能を選択する)。
【0021】S2は、画面を表示する。これは、図1のディスプレイ27に表示されている画面4上で“発言”というコマンドを押下したことに対応して、発言を入力する画面を表示する。
【0022】S3は、種別、表題などを入力する。これは、画面上から、図4の(イ)の発言に示すように、発言の種別(意見、議題などの種別)、表題(例えば“RE:管理者の仕事は、まず会議への・・・”)、ニックネームなどを入力する。
【0023】S4は、実行を押下する。S5は、エディタを起動する。これは、S4で実行を押下したことに対応して、図1のエディタ23を起動する。
【0024】S6は、文書入力する。これは、発言1の本体の文書を入力する。S7は、文書の入力が終りか否かを判別する。YESの場合には、S8に進む。NOの場合には、S6で文書を更に続けて入力する。
【0025】S8は、回線を介してフィールド(発言1)に対応づけてホスト3に保管する。これは、S6で入力した文書を、発言1の本体に、S3で入力した種別、表題などを付加してファイル31に保管する。ここで、例えば電子会議を主催している議長が、ホスト3のファイル31に保管された発言1を取り出して、図4の(イ)に示すように端末2のディスプレイ27上に表示した中から、議事録作成に必要な発言1を図示斜線のように選択した後、画面上から“マーク”というコマンドを押下する(選択する)。これにより、選択された発言1にマーク(議事録作成マーク)11が付与さて図4の(ロ)に示すようにし、ホスト3のファイル31に保管する。
【0026】以上によって、電子会議に参加した参加者が発言1を入力してホスト3のファイル31に保管し、議長が議事録作成に必要と判断したときにマーク11を付与してファイル31に保管する。これにより、ホスト3のファイル31に保管された電子会議の発言1のうち、議事録作成に必要な発言1についてマーク11が付与されることとなる。
【0027】次に、図3のフローチャートに示す順序に従い、議事録の作成について詳細に説明する。図3において、S11は、議事録を押下する。これは、例えば図5R>5の(イ)の画面4上の下段の“議事録”というコマンドを押下する。
【0028】S12は、マーク付けした発言のみ、ホスト3から取り出し、ファイル作成する。S13は、エディタを起動する。
【0029】S14は、表示する。これらS12、S13、S14は、例えば図1の端末2のディスプレイ27上に表示された、図5の(イ)の画面4上から議事録というコマンドを押下したことに対応して、ホスト3のファイル31に保管されている発言のうちの、マーク11の付与されている発言1のみを取り出してファイルを作成し、端末2のディスプレイ27上に、図5の(ロ)に示すように表示する。これにより、議長が議事録作成に必要と判断してマーク11を付与しておいた発言1のみを取り出して図5の(ロ)のようにディスプレイ27上に議事録として表示させることが可能となる。
【0030】以上のように、電子会議を開催する議長などの管理者が、参加者の発言のうちの議事録作成に必要と判断した発言1にマーク(議事録作成マーク)11を付与してホスト3のファイル31に保管しておいたもののうちから、マーク11の付与されている発言1のみを簡単な操作(ここでは“議事録”というコマンドを押下するのみ)で取り出して議事録として表示することが可能となる。この議事録を途中から参加した参加者が見て、今までの経過を迅速に把握し、電子会議で意見を述べることができる。
【0031】図4は、本発明のマーク付説明図を示す。図4の(イ)は、マーク付前の発言一覧を示す。これは、会議室/電子会議システム検討会/電子会議システムの運用について/の発言1の一覧を示す。この発言一覧から、図中の斜線を引いた発言を選択し、下段の“マーク”というコマンドを選択し、選択した発言1について議事録作成マーク11を付与する旨を指示した状態を示す。
【0032】図4の(ロ)は、マーク付後の発言一覧を示す。これは、図4の(イ)の発言一覧で斜線の発言を選択して議事録作成マーク11の付与を指示したことに対応して、対応するマークの欄に有り(議事録作成マーク11の付与が有り)を設定してホスト3のファイル31に保管した様子を示す。
【0033】図5は、本発明の議事録作成説明図を示す。図5の(イ)は、発言の一覧を示す。これは、図4の(ロ)でホスト3のフィアル31に保管した発言の一覧の画面4上で、“議事録”というコマンドを選択し、議事録作成マーク11の付与された発言1からなる議事録を作成する旨の指示を与えた状態を示す。
【0034】図5の(ロ)は、議事録を示す。これは、図5の(イ)の議事録の作成指示に対応して、議事録作成マーク11の付与されている発言1のみを取り出し、その内容を画面4上に順次表示したものである。このように、簡単な操作によって議事録を作成して表示することができる。また、この議事録を見ることにより、電子会議の経過を迅速に把握することができ、会議の途中から迅速に意見を述べることも可能となる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、発言1のうちの議長などが議事録作成に必要と判断した発言1について議事録作成マーク11を付与して保管しておき、議事録作成指示に対応して、発言1のうちの議事録作成マーク11の付与されている発言1のみを取り出して議事録として表示などする構成を採用しているため、簡単な操作によって議事録を作成できると共に、途中から会議に参加しようとした場合に、議事録機能を選択してそれまでの議事録を表示して読んで迅速に内容を把握し、電子会議に参加して意見を述べることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例構成図である。
【図2】本発明の発言作成フローチャートである。
【図3】本発明の議事録出力フローチャートである。
【図4】本発明のマーク付説明図である。
【図5】本発明の議事録作成説明図である。
【符号の説明】
1:発言
11:議事録作成マーク
2:端末
21:通信制御
22:電子会議システム
23:エディタ
24:制御部
25:入出力制御
26:ファイル
27:ディスプレイ
28:キーボード
3:ホスト
31:ファイル
4:画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】 発言から議事録作成を行う電子会議システムにおいて、発言(1)に対応づけて表題および議事録作成マーク(11)などの情報を持ち、電子会議における発言(1)について管理者が必要に応じて議事録作成マーク(11)を付与して保管しておき、議事録作成指示に対応して、上記保管しておいた発言(1)のうちから議事録作成マーク(11)の付与されている発言(1)のみを取り出し、議事録として表示などするように構成したことを特徴とする議事録作成機能を有する電子会議システム。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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