説明

豆腐生地の反転処理装置

【課題】豆腐生地の自動製造ラインにおいて、豆腐生地の種類や性質の違いに対する適合範囲が広く、かつ反転所要時間の短い豆腐生地の反転処理装置を提供する。
【解決手段】反転対象となる豆腐生地BMを収納可能なケージ2Kは、ケージ上板26とケージ下板25の間隔調整手段C6と、反転駆動するケージ反転機構20と、ケージ反転機構20の上流側F1に配置する送り込み機構10と、ケージ反転機構20の下流側F2に配置する押し出し機構30とを組み合わせてなる。間隔調整手段によってケージの開口部を上流側に向け拡大して、豆腐生地を送り込み機構によってケージ内に押し入れて収納し、間隔調整手段によって豆腐生地を狭持しケージによって保護・保持しながらケージとともに反転させてケージの開口部を下流側に向け間隔調整手段C6によってケージ2Kの開口部2Hを拡大し、反転完了した豆腐生地BMを押し出し機構30によって下流側F2に排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、豆腐の自動製造ラインの所定箇所に設置され帯板状等の所定サイズに切断した豆腐生地を反転させる豆腐生地の反転処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大豆を素材とする豆腐の自動製造ラインは、素材からパック包装された販売形態の各種豆腐製品に至るまでの多様な工程を分担処理する多種類の装置を備える搬送ラインを介して機能的に連結してなるプロセス装置である。豆腐の自動製造ラインに対する基本的要求は、高品質の豆腐製品を高能率で大量生産することであり、豆腐の自動製造ライン各部における個々的な改良の積み重ねは、全てこの方向に向けられている。
【0003】
豆腐の自動製造ラインには、搬送途中の豆腐生地の表裏を反転する反転処理装置が組み込まれる場合がある。豆腐生地の反転処理は、例えば、焼き豆腐を製造する場合において、表裏両面にバーナ処理を施す必要があるとか、油揚生地である豆腐生地の表面側と裏面側の含水率の違いによる油揚肌のキメ等の品質差を解消するとか、パック包装に先立って視覚的に高品位である一面を選択する目的等で実施される。例えば、木綿豆腐や絹ごし豆腐では、ブロック状の豆腐生地の搬送コンベヤとの接触面(下面)の方が上面よりも綺麗に仕上げられるので、この下面を上面に反転させてパック詰めする必要がある。
【0004】
このような豆腐生地の反転処理は、豆腐生地が連続している状態では実施することはできないため、ブロック状に連続する豆腐生地を搬送ラインの幅方向に切断することによって、例えば、所定サイズの帯板状の形態とされた段階、又は、製品段階の単位サイズに切断された段階で実施される。
【0005】
豆腐の自動製造ラインに組み込むべき機械的な反転装置の開発において、出来立ての温かい豆腐生地は脆弱で壊れ易いといっても、その豆腐生地が、例えば、木綿豆腐用の豆腐生地であるのか、絹ごし豆腐用の豆腐生地であるのか、揚げ物類用の豆腐生地であるのかによって、豆腐生地の脆弱度には大幅な幅がある点を留意する必要がある。また、同じ種類の豆腐を製造するための豆腐生地であっても、製品の格付けや食感調節のために意図的に設定される豆腐生地の質の違いの幅や、これらに起因するサイズの大きさも留意する必要がある。豆腐生地の反転装置には、豆腐生地の大幅な性質差に柔軟に対応することができる装置であることが求められる。
【0006】
従来、幾つかの反転方法が案出され、豆腐生地を機械的に反転する装置として提供されている。特許文献1は、油揚げ生地の反転搬送装置であり、回転軸11に支持板13が取り付けられ、斜め上方から水平姿勢に回転して、この回転により油揚生地を落下させる構造、つまり挟まないで落下させる構造である。特許文献2は、木綿豆腐生地移載機であり、ある軸を支点に回転するクランプ手段により豆腐生地を上下から挟む構造である。この特許文献2は、豆腐生地をパレットに載せたり降ろしたり、異なるパレットに載せ代えたりするためのものであり、上記クランプ手段により挟み込むが、豆腐生地或いはそれを搭載するパレット一枚分以上の搭載面積を確保するものである(段落0008)。このため、反転中において豆腐生地の落下や損傷が生じ易く、また、上下で挟む位置まで豆腐生地を受け入れる際や、排出位置で排出する際に、豆腐生地を損傷させる恐れを有し、しかも、大きなブロックでの高速反転は困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5-193728号公報
【特許文献2】特開平11-165848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
すなわち、従来の豆腐生地の反転装置は、特定種類の豆腐生地を想定して開発されているために、装置としての汎用性に乏しく、異なるサイズ・種類の豆腐製品用の豆腐生地の反転用途に適合することが困難であるばかりでなく、同じ種類の豆腐を製造するに際しても、製品の格付けや食感調節のために豆腐生地の性質を調節した場合において、挟む手段や反転処理を経ることによって、豆腐生地の角落ち等の損傷、亀裂の発生や、強く挟みすぎる等の不具合が生じるという問題があった。
また、特許文献2については、木綿豆腐生地を180度から約270度回転させるが、豆腐生地を上下から挟む構造だけでは、脆弱な豆腐生地を損傷させないようにするために、挟み込んだ状態で移動させず回転させることは難しかった。特に、上方に向け垂直姿勢になるとき、下方側にずり落ちるおそれがあった。なお、この下方側へのずり落ちを防止するために、単に挟み力を強くすると、豆腐生地の弾力性に悪影響を与え、また大きめの豆腐生地ブロックを素早く反転すると遠心力や反転時の衝撃で豆腐生地を損傷する結果になる。
また、特許文献2では、空中から空中の反転機構であると解され、これを水中から空中や空中から水中のように反転部が水中に漬かる形態では、小型コンベヤの駆動モータの直接取り付けが難しく駆動伝達部を設ける等の形態になり、ベルトや駆動軸等を分解・洗浄しにくく、衛生上好ましい形態ではない。
なお、本願出願人が開発する豆腐の自動製造ラインは、1万丁/時間以上から数万丁/時間の生産能力を目指しているが、従来の装置では高速処理と呼ばれるものでも5千丁/時間が限界であった。すなわち、豆腐の自動製造ラインでは、高速処理による大量生産が求められるが、特許文献2は、高速回転に耐え得る構造の豆腐生地の反転処理装置ではなかった。
【0009】
そこで本発明の目的は、あらゆる種類の豆腐生地やサイズの異なる豆腐生地に対しても、豆腐生地を損傷させないで反転させることができ、しかも高速度で反転処理が可能な豆腐生地の反転処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の豆腐生地の反転処理装置は、豆腐の自動製造ラインの所定箇所に設置され所定サイズに切断した豆腐生地を反転させる豆腐生地の反転処理装置において、ケージの開口部を自動製造ラインの上流側に向ける受け入れ姿勢からケージの開口部を上方に向ける中間姿勢を経てケージの開口部を下流側に向ける排出姿勢に至る範囲で往復反転駆動されるケージ反転機構を備え、前記ケージ反転機構は、開口部を上流側に向けた受け入れ姿勢において、少なくともケージの底面を形成するケージ下板と、ケージ下板の上方に配置するケージ上板と、ケージ上板とケージ下板との間においてその一端側を開口部とし他方側を奥側とするときのケージ奥板とによりコ字状に組み立てられ、豆腐生地を収納するときにケージ奥板が豆腐生地の先端面と接触し、ケージの開口部を上方に向けた中間姿勢のときにケージ奥板が豆腐生地を下支えすることを特徴とする。
本発明における豆腐生地とは、絹ごし豆腐、木綿豆腐、焼き豆腐、絹生揚げ・生揚げ・厚揚げ・薄揚げ・寿司揚げ等の揚げ生地およびフライ製品なども含めるものである。前記所定サイズとは、帯板状、帯状、短冊状、枕状、複数丁分〜1丁分のサイズなど様々な豆腐のサイズが挙げられ、立方体や直方体であれば特に限定されない。前記豆腐の自動製造ラインの搬送コンベヤは、連続成型機からシート状の豆腐生地を搬送する連続コンベヤラインであり、また豆腐生地の成型工程が型枠・型箱を用いたバッチ式で、豆腐生地がブロック単位で搬送される連続コンベヤラインや、その連続コンベヤが断続的に動作する形態であってもよい。
ここで、ケージ奥板は受け入れ姿勢におけるケージ下板側で、かつオフセットプレート(反転軸とケージの連結部材)よりもケージ内側で開口部側に固定されたものであることが好ましい。なぜなら、排出姿勢において、ケージ下板が下降して、ケージ上板とケージ下板が離れて、逆さ状になった該ケージ奥板の下方端に、押し出し板の上方端が接触しないように構成しやすいからである。またケージ奥板はオフセットプレート(反転軸とケージの連結部材)と兼ね合わせた構成でもよいが、ケージ上板とケージ下板の狭持手段を組み込みやすいため、各々分けた構成の方が好ましい。なお、上記受け入れ姿勢時のケージ上板は、排出姿勢時のケージ下板になり、上記受け入れ姿勢時のケージ下板は、排出姿勢時のケージ上板になる。
【0011】
本発明によれば、ケージの開口部に面して豆腐生地の切断面と接触し、その奥側の位置を決めるケージ奥板を有するので、豆腐生地の上下面のみならず、豆腐生地の搬送方向の先端面(反転すると、後方側端面)も当接支持され、豆腐生地とケージ上板との間の不要な間隙を消失させ、反転動作中のケージ内における豆腐生地の遊び・偏りや歪みや損傷を抑えて、この状態でケージの開口部を上方に向けた中間姿勢のときにケージ奥板が豆腐生地を下支えする。このように、上記三面板(前記ケージ下板とケージ上板とケージ奥板)が立方体や直方体形状の豆腐生地で接触することで、ケージ反転機構を高速反転させても、ケージ内における豆腐生地の遊びを抑えて、それに起因する豆腐生地の角落ち等の損傷が防止されるとともに、強く挟み込まなくとも、高速回転に耐え得るようになる。
【0012】
ここで、前記ケージを形成する板として、上記三面板(前記ケージ下板とケージ上板とケージ奥板)に加えて、ブロック毎ないしは一丁毎に区分けし、豆腐生地を横方向から支持するような仕切板(側板)を備えていてもよく、この場合さらに高速かつ安定した反転を行うことができる。さらには、前記ケージ上板の上流側に開口部の手前側を塞ぎ、ケージに押し込まれた豆腐生地の上流端面(反転中は上方側端面、反転すると下流端面)を支持するように、上記ケージの開口部を塞ぐケージ蓋板を備えてもよい。しかし、少なくとも前記ケージ奥板があれば、ケージ蓋板はなくとも、ケージ反転機構を高速反転させることができ、豆腐生地を損傷させず反転が可能になる。また、本発明では、前記排出姿勢において、受け入れ姿勢でのケージ上板が反転した後は排出姿勢でケージ下板になって、下方側に動作して豆腐生地を開放して、下流側への押し出しを容易にすることともに、後記押し出し板や下垂板(フラップ)との衝突を回避する。特に、受け入れ姿勢が水中で、排出姿勢が空中の場合、前記間隔調整手段の上下動作の駆動源(エアシリンダ等)は反転軸に支持されてケージ上板の上方に配設することで、特別な水中仕様でなくてもよく、接水部分をシンプルな構造で洗浄しやすく衛生上好ましい形態とすることができる。
【0013】
本発明としては、前記ケージのケージ上板とケージ下板との間隔を調節する間隔調節手段を備え、この間隔調節手段は、前記豆腐生地を受け入れ姿勢とした時点において、ケージの開口部であるケージ上板とケージ下板との間隔を拡げて豆腐生地を受け入れて、ケージ上板とケージ下板との間隔を縮めて豆腐生地を狭持するようにし前記ケージを反転して、前記ケージを排出姿勢とした時点においてケージ上板とケージ下板との間隔を拡げることが好ましい。
【0014】
本発明によれば、ケージ反転機構に間隔調節手段を備えることによって、ケージ内に豆腐生地を受け入れた後、豆腐生地の厚みに応じて前記ケージ上板とケージ下板との間隔を狭めて豆腐生地をケージ内に固定・保持しやすくなる。好ましくは、少なくともケージの開口部が上向きになる反転動作中は、その間隔調整手段を動作させて豆腐生地を狭持して(歪ませないように狭持して)、豆腐生地の歪みや破損を抑えられる。また、間隔調整手段に位置決め機能を付与することによって豆腐生地の厚みに応じてケージ上板とケージ下板との間隔を適切に調節することができる。なお、豆腐生地の種類によって厚みに違いがある場合、ケージ奥板の高さは最小の厚み前後に合わせて、最大の厚みに対して1/3以上であるように設計するか、また、ケージ奥板が固定されるケージ上板に対向するケージ下板にケージ奥板が貫通するスリットを設けて、ケージ奥板の高さを豆腐生地の最大の厚みに合わせるように設計する。
また、脆弱で壊れ易い豆腐生地においては、前記ケージにより直接狭持しても直ちにその狭持状態を解除しないと、豆腐生地の弾力性が失われ品質劣化になるおそれが考えられる。この点、本願発明では、ケージ反転機構が高速反転した後は直ちに間隔調節手段がケージ上板とケージ下板との間隔を拡げるので、弾力性を失わせることを最小限度に抑制する。
【0015】
本発明によれば、ケージ内に豆腐生地を収納して反転動作させる際には、ケージと豆腐生地との間には間隙がない状態であることが好ましい。このような隙間のない把持状態が、もし受け入れ姿勢であった場合には、ケージの開口部のサイズと豆腐生地のサイズとが略同一サイズとなるためにケージ内に豆腐生地を押し込む操作に過分の高精度を要することとなり、豆腐生地をケージ内に押し込む際における製品損傷(欠け)が発生するおそれが高まる。そこで、ケージを受け入れ姿勢とした時点でケージ上板とケージ下板との間隔を拡げ、ケージの開口部を一時的に拡大する。
他方、ケージから豆腐生地を排出する操作おいては、豆腐生地のように引っ張り強度に乏しい素材は、ケージから引っ張り出すことができないため、適当な方法によりケージから押し出すことが必要となるが、豆腐生地を押すと、いわゆる押膨れが発生し、一層排出が困難となる。その押し膨れは豆腐生地が水中にあるよりも、空中にある方が顕著である。そこで、ケージが排出姿勢となった時点で、ケージ上板とケージ下板との間隔を拡げ、ケージと豆腐生地との間に十分な間隙を生じさせる。
【0016】
本発明としては、前記ケージ反転機構は、ケージの開口部を自動製造ラインの上流側に向ける受け入れ姿勢からケージの開口部を上方に向ける中間姿勢を経てケージの開口部を下流側に向ける排出姿勢に至る範囲で往復反転駆動され、受け入れ姿勢において上流側に配置された送り込み機構によりケージ内に豆腐生地を受け入れるとともに、排出姿勢において下流側に配置された押し出し機構によりケージ内の豆腐生地を排出することが好ましい。
【0017】
本発明によれば、豆腐生地の反転処理装置は、前記間隔調整手段又はケージ反転機構とともに、送り込み機構や押し出し機構を備え、前記間隔調整手段による豆腐生地の狭持・開放動作やケージ反転機構による豆腐生地の反転駆動に同調ないしは同期的に連動するとともに、豆腐生地をケージに収納する押し込み動作や、豆腐生地をケージから排出する押し出し動作も同調ないしは同期的な動作を実施することができる。即ち、ケージは、開口部を上流側に向ける受け入れ姿勢において前記間隔調整手段によって豆腐生地を受け入れるための開口部を拡大して、前記送り込み機構によって豆腐生地を受け入れ、豆腐生地を狭持して、前記ケージ反転機構によってケージの開口部を上方に向ける中間姿勢を経て約0度から約180度(90度〜270度)反転して、排出姿勢となる。その間に送り込み機構は元の位置に戻り、次の豆腐生地を切り出して、受入位置直前まで送り込む動作を行っておく。そしてケージが開口部を下流側に向ける排出姿勢において、前記間隔調整手段によってケージの開口部を拡大して、前記押し出し機構によって豆腐生地を下流側に押し出す。その後、ケージは反転機構によってケージの開口部を上方に向ける中間姿勢を経て約0度から180度、逆に反転して、排出姿勢から受け入れ姿勢に戻り、直ちに豆腐生地を受け入れる。その間、押し出し機構は元の位置に戻り待機する。このような豆腐生地の押し込み、狭持、反転、開放、押し出しまでの各複数の動作を並列・直列的に行うように、直列に同調又は同期的に協働して、短時間に連動させることによって、豆腐生地を損傷させることなく、高速度で効率のよい反転動作を実施することができる。また各動作速度の加速、減速を適宜調整して、豆腐生地へのダメージを最小限に抑えることも好ましい手段である。なお、前記送り込み機構および前記押し出し機構は、特許文献2とは異なり、前記ケージ反転機構と別に前記反転装置の基台から支持されているので、水中での送り込み機構や押し出し機構を設計しやすく、洗浄しやすくシンプルな構造にでき、衛生的である。
【0018】
本発明としては、前記押し出し機構は、多数の下垂板を所定の相互間隔を保って並列に下垂配置してなる押し出し板を備える一方、前記ケージのケージ奥板とケージ下板には、前記押し出し板に配設した多数の下垂板の動作方向に対応して互いに接触しないように多数のスリットを並列に形成してなることが好ましい。
【0019】
本発明としては、豆腐生地を押す際に、損傷を極力抑えるために、豆腐生地に接触して力が加わる面積をできるだけ広くすることが有利であるため、できるだけ大きい形状(例えば横幅を広くした逆T字型)の下垂板を用いながら、多数の下垂板を所定の相互間隔を保って並列に下垂配置してなる押し出し板を備える一方、ケージのケージ奥板とケージ下板には、前記多数の下垂板の動作方向(上下動作、水平前後動作)に対応して、衝突や接触しないように多数のスリットを並列に形成してなり、そして、押し出し機構は、排出姿勢に反転動作したケージのケージ下板の上流側に押し出し板とともに下垂板を下降させ、次いで、ケージ下板に形成したスリットを介して下降させた下垂板を下流側に水平移動させる動作によってケージ内の豆腐生地を押し出す形態が好ましい。
【0020】
本願発明としては、前記押し出し機構は、反転動作し排出姿勢にある前記ケージのケージ下板の上流側上方に位置する押し出し板を下降させ、前記押し出し板に配設した多数の下垂板をケージ奥板とケージ下板とに形成した前記スリットを通して、前記下垂板が前記ケージ奥板に接触しない高さまで下降させた押し出し板を、次に前記下垂板ないしは前記押し出し板が前記ケージ奥板や前記ケージ下板に衝突・接触しないように下流側に水平移動する動作によって、ケージ内の豆腐生地を下流側に押し出すことが好ましい。
【0021】
本発明では、反転動作し排出姿勢にある前記ケージのケージ上板を前記間隔調整手段によって下降させるが、その際、排出姿勢にあるケージ奥板(逆さ向き)の下端を下垂板が避ける位置まで下降する必要があり、また前記下垂板が横幅はもちろん、縦幅も広くする方が有利であることから、ケージ上板の下降距離は、少なくとも下垂板の縦幅以上、更に豆腐生地の高さ以上、十分下降距離を確保することが好ましい。
【0022】
本発明としては、ケージに収納された豆腐生地を押し出す方法としては、ケージ内に予め外部操作可能な押し出し部材を収納しておく方法と、ケージに外部から内部の豆腐生地を操作するための切欠き等を形成しておく方法がある。
【0023】
ここでは、ケージに外部操作のためのスリットを形成した態様で説明すると、押し出し機構は、多数の逆T字型下垂板を下垂配置してなる押し出し板を備える。この際の逆T字型の下垂板は、一定の相互間隔を保って並列状態に配置されている。一方、ケージについては、ケージ奥板とケージ下板とに、押し出し板の下垂板に対応して多数のスリットが形成されている。なお、ケージが反転動作完了した時点においては、ケージ奥板はケージ内の豆腐生地の上流側に位置し、ケージの開口部は下流側を向いている。また、ケージ下板はケージ内の豆腐生地の上面に位置している。
【0024】
押し出し機構による豆腐生地の排出動作は、排出姿勢となったケージにおいて、ケージ上板(排出姿勢時のケージの下方の板に相当する)を下垂板高さより大きく下降させて、下垂板がケージ奥板に接触ないしは衝突しないようにした上で、押し出し機構が押し出し板を下降させて、下垂板と共に下流側に平行移動して豆腐生地を下流側に押し出した後、上昇して、原位置に復帰する動作を1サイクルとして行われる。すなわち、押し出し板の下垂板群は、ケージ下板(排出姿勢時のケージの上方の板に相当する)のスリット群を通過して、ケージ奥板の上流側に下降する。下降する際の押し出し板の下垂板群は、ケージ下板のスリット群に対応して位置する。したがって、押し出し板の多数の下垂板は、ケージ下板のスリットを介してケージの内部に進入した後は、その押し出す上流側への移動によって、そのままケージ下板のスリットを介してケージ内部を通過し、ケージ開口部側に抜けることができ、この結果、ケージ内の豆腐生地は、多数の下垂板によって上流側から下流側のケージ外に向けて押し出される。豆腐生地の排出動作自体は、この時点で完了するが、押し出し機構は、次動作にそなえて押し出し板を原位置に復帰させる。
【0025】
本発明としては、ケージが豆腐生地を受け入れる受け入れ姿勢又はケージが豆腐生地を排出する排出姿勢の少なくともいずれか一方の姿勢において、豆腐生地の少なくとも一部が水中に浸かる状態であることが好ましい。
【0026】
本発明としては、前記ケージ反転機構は、水中から水中へ(反転途中で空中に一旦飛び出す場合を含む。)、水中から空中へ、空中から水中へ、空中から空中へ、と各反転移動において有効なる機構である。間隔調節手段は、水槽中において帯板状に切断した豆腐生地の上面位置以上に清水で満たした状態であれば、ケージ下板上を豆腐生地が滑りやすくしたり、前記ケージ上板が下降して狭持する際にクッション作用が働き損傷を極力少なくする。送り込み機構や押し出し機構においても、少なくとも一部が水中であると、浮力により豆腐生地を移動させやすく、水が潤滑剤となって板上を滑らかに移動させることが可能になるので(損傷を抑制できるので)、好ましい。すなわち、送り込み機構の送り込み板による押し込みや、排出姿勢における押し出し機構の押し出し板による押し出しに際して、いずれも水中で行なう場合に、水中で損傷を与える可能性を低くしてスムーズに行なうことができる。なお、例えば豆腐生地を「陸→陸」の移動(陸上反転)の場合で上記反転機構の反転方向が真逆の回転方向(中間位置)であってもよく、また回転面の傾き角度等も特に限定されるものではない。
【0027】
本発明としては、押し出し機構は基台ではなく、ケージ反転機構上に配設された形態であってもよい。すなわち前記ケージ反転機構は、反転した後の排出姿勢においてケージ内の豆腐生地を押し出す押し出し機構を備え、この押し出し機構は、前記ケージ反転機構とともに反転するとともに、反転した豆腐生地を押し出す押し出し板を有することが好ましい。
また、押し出し機構はケージ反転機構の受け入れ姿勢のケージ上板に連結されケージ上板の上下動作と共に動作するか、ケージ反転機構上の別の駆動機構を介して連結されて、ケージの受け入れ姿勢から中間姿勢の反転前半までは前記ケージ下板側に下降した形で近接し、垂直姿勢を経て、中間姿勢の反転後半から排出姿勢では逆に前記ケージ上板側(反転後半は下方側の板)に上昇(反転後半は下降)した形で近接するように、該押し出し板の高さを調整する形態も、ケージ上板ないしはケージ下板とケージ奥板兼用の該押し出し板と近接して成す角部の隙間を小さくして豆腐の損傷を抑え点で、好ましい形態である。
また、該押し出し機構と該押し出し板が分離して、押し出し板がケージ奥板を形成して、ケージ開口部側と奥側の方向で往復する遊動型ケージ奥板とする機構で、豆腐生地の受け入れ姿勢では、ケージ奥板の役割をして、排出姿勢においては、ケージの狭持を開放した後、別途基台に支持された外部の押し出し駆動機構によって豆腐生地を下流に押し出す機構でも良い。
【0028】
本発明によれば、押し出し機構は、前記ケージ反転機構とともに反転するので、反転した後で反転した豆腐生地をその後方から動作1つだけで極めて短時間で押し出して確実にケージから排出させることができる。例えば、1つのシリンダの1つの動作で押し出しできるので押し出し工程および時間の短縮ができ、押し出す速度も更に速めることも可能で、処理能力を更に高めることが可能になる。前記の実施形態では、2つのシリンダで下がって押し出すという2つの動作で押し出すので、所要時間を要する。
【0029】
本発明として、前記押し出し機構の押し出し板は、前記ケージの受け入れ姿勢および反転の途中姿勢における前記ケージ奥板としての役割を果たすことが好ましい。すなわち、固定された前記ケージ奥板は備えなくても、押し出し機構の先端の押し出し板が前記ケージ奥板の機能を兼ねることができる。このように、該押し出し板は本来の押し出し機能の他に、受け入れ姿勢では送り込まれる豆腐生地の先端に当たり位置決めする機能や、反転時、中間姿勢や垂直姿勢において豆腐生地の下支えの機能を果たす。
また、前記ケージ奥板と該押し出し板と併用した形態であってもよい。例えば豆腐生地の高さの1/2の高さの前記ケージ奥板と、同じ高さの該押し出し板であって、ケージ下板に該ケージ奥板を配設し、上板側に近接するような高さで該押し出し板が可動するように配設されて、受け入れ姿勢で送り込まれた豆腐生地が該ケージ奥板に当たって位置決めされ、上板が下降して豆腐生地を狭持した時、該ケージ奥板の上端と該押し出し板先端の下端とが突き合う形になり、その狭持状態で反転した中間姿勢では該ケージ奥板と該押し出し板が協同して豆腐生地を下支えして、排出姿勢において、下方側の板(受け入れ姿勢の上板)が下降すると共に該押し出し板も下降して、次に該押し出し板によって下方側の板(受け入れ姿勢の上板)上に近接しながら豆腐生地を下流側へ押し出すという形態であってもよい。
【0030】
本発明によれば、前記ケージを構成するケージ奥板を別途設ける必要がなくなり、受け入れ姿勢の豆腐生地の先端面と接触させた状態でケージ下板とケージ上板とで把持して反転させて、前記接触させた状態のまま排出姿勢では押し出すことができる。ケージ下板やケージ奥板のスリットも不要なので構造がよりシンプルで、衛生的であり、押し出し板は多連の逆T字型のように途切れた形ではなく、1枚部材で広い面積で豆腐に接触するので、送り込み時や反転時や送り出し時に豆腐生地を傷つけにくく、より軟らかい豆腐であっても押し出すことができる。なお、押し出し用のエアシリンダ等の駆動装置は水には浸からないような設計は十分可能である。
【発明の効果】
【0031】
本発明の豆腐生地の反転処理装置は、豆腐生地の一側面と接触するケージ奥板を有するので、ケージ反転機構を高速反転させても、豆腐生地を損傷させることがなく、反転処理の対象となる豆腐生地を収納するケージを有し、このケージを反転駆動するケージ反転機構と、ケージ内に豆腐生地を押し込む送り込み機構と、ケージから豆腐生地を排出する押し出し機構との組合せにより、豆腐生地をケージによって保護しながらケージとともに反転させることが可能である。また、間隔調節手段により、ケージの姿勢変化に伴う豆腐生地の自重による慣性力以外の機械的な外力が加わる余地がないので、豆腐生地の種類やサイズによって豆腐生地を損傷させるおそれや強く挟み込み過ぎることがなく、しかも、反転処理工程を容易に高速化することができる。
また、水槽中において帯板状に切断した豆腐生地の上面位置以上に清水で満たした状態で、前記ケージ反転機構における間隔調節手段により、前記ケージ上板をケージ下板に対して間隔を狭めると、清水を介して、豆腐生地を挟み込むことから、挟み込む際の前記ケージ板による損傷を極力少なくすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す豆腐生地の反転処理装置の側面視の概念構成図である。
【図2】上記実施の形態における豆腐生地の反転処理装置の要部の斜視図である。
【図3】上記実施の形態における豆腐生地の反転処理装置の要部の斜視図である。
【図4】上記実施の形態における豆腐生地の反転処理装置の要部の斜視図である。
【図5】上記実施の形態における豆腐生地の反転処理装置の要部の動作説明図である。
【図6】上記実施の形態における豆腐生地の反転処理装置の要部の動作説明図である。
【図7】上記実施の形態における豆腐生地の反転処理装置の要部の動作説明図である。
【図8】上記実施の形態における豆腐生地の反転処理装置の要部の動作説明図である。
【図9】上記実施の形態における豆腐生地の反転処理装置の動作説明図である。
【図10】上記実施の形態における豆腐生地の反転処理装置の動作説明図である。
【図11】上記実施の形態における豆腐生地の反転処理装置の動作説明図である。
【図12】本発明の豆腐生地の反転処理装置の第2の実施の形態を示す要部の側面視の概念構成図である。
【図13】上記第1と第2の実施の形態の他の例を示す斜視図である。
【図14】上記第1と第2の実施の形態の他の例を示す斜視図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態のケージ反転機構が豆腐生地を受け入れた状態を示す斜視図である。
【図16】上記第3の実施の形態のケージ反転機構が反転して豆腐生地BMを排出する状態を示す斜視図である。
【図17】上記第3の実施の形態の受け入れ姿勢から排出姿勢までの工程を説明する図である。
【図18】上記第3の実施の形態の応用例を説明する断面図である。
【図19】上記第3の実施の形態の応用例を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の豆腐生地の反転処理装置の一実施の形態について図面を引用しながら説明する。
【0034】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態の豆腐生地の反転処理装置Mは、豆腐生地BMを収納するケージ2Kを反転するケージ反転機構20と、豆腐生地BMをケージ2Kに押し込む送り込み機構10と、豆腐生地BMをケージ2Kから排出するための押し出し機構30とからなり、豆腐の自動製造ラインAMの途中に介装され、豆腐の自動製造ラインAM中において豆腐生地BMを反転する役割を分担する(図1)。同図中の矢印Fは、豆腐の自動製造ラインAMの流れ方向を示し、同図の左手方向が上流側F1であり右手方向が下流側F2である。
【0035】
まず、豆腐の自動製造ラインAMにおける豆腐生地BMの反転処理装置Mの設置環境は、図示しない成形装置から連続又は断続するシート状又はブロック状の態様で排出される豆腐生地BMは、清水を満たした水槽5に導かれ、豆腐生地BMのホエーやアク成分を洗い落とし、冷却して少なくとも表面を少し硬化させ損傷しにくくするとともに、水槽5中において浮力を利用して豆腐生地BMを損傷させずに押し送りしながら、順次に第1次の切断作業が実施される。第1次の切断作業の内容は、豆腐生地BMを自動製造ラインAMの幅方向(又は縦方向、進行方向)に切断して、反転処理に適する単位(帯板状等)の豆腐生地BMにする作業内容である。なお、一般に柔らかな豆腐に無理な力が掛かった状態で切断すると、切断後、歪んだ形状になってしまうが、一旦、水槽に導入するのは搬送時の豆腐生地BMの歪み(押膨らみ)を抑えて、所定サイズの良好な切断状態を得る効果があり、また豆腐生地BMを濾布から剥離させやすくする効果もある。
本実施の形態の豆腐の自動製造ラインAM中では、シート状の木綿豆腐の豆腐生地BMが搬送され、第1の切断工程で搬送コンベヤの幅方向で製品サイズのM丁分の幅の枕状ブロック(横長の直方体)で切断されて反転され、第2の切断工程で、M丁分の長さをM等分して製品サイズの長さでM行に切断され、第3の切断工程で、搬送コンベヤの搬送方向で1個の製品サイズでN列に細断され、M×N丁分、つまり具体的には2行、10列では合計20丁分の豆腐を搬送して、2列、10行分の包装パックに豆腐を同時にパック詰めする。M,Nは正の整数である。なお本発明の反転処理装置は前記各切断工程の後に設けられるが、製品サイズに細断される前のブロック状の豆腐生地に対して適用した方が好ましく、例えば前記第1の切断工程と第2の切断工程との間、ないしは、前記第2の切断工程と第3の切断工程との間に設置する形態が好ましい。
【0036】
水槽5の下流側F2には、水槽5との間に適度の間隔を設定して搬送コンベヤ60が設置されている。搬送コンベヤ60のコンベヤベルト61は、時計回り方向に循環駆動され、コンベヤベルト61上に積載された豆腐生地BMを下流側F2に搬送する。水槽5の水面5S下には、上流側F1から押し送りされてくる豆腐生地BMの姿勢を水平に制御しながら豆腐生地BMを案内する水平仕切り板51が設置され、この水平仕切り板51と搬送コンベヤ60のコンベヤベルト61のベルト面との間には、所定の高低差H1が設定されている。
【0037】
上記のような装置環境を前提として、本発明の豆腐生地BMの反転処理装置Mは、水槽5の下流側F2の終端部に配置されている。ただし、反転処理装置Mの作動範囲は、水槽5の終端部から搬送コンベヤ60の上流側F1の端部に及ぶものであり、反転処理装置Mは、第1次の切断作業を経た豆腐生地BMの表裏を反転するとともに、豆腐生地BMを水槽5から水上(空中)の搬送コンベヤ60へ陸上げする、つまり、高低差H1を伴う2装置間における、水中から空中への豆腐生地BMの移載装置として機能する。一般に型箱や連続成型機による木綿豆腐の成型工程では、豆腐生地BMの上布面はアバタ状や凹凸ができることがあり、下布面の方が見栄えがよくなる傾向がある。また、特に木綿豆腐の連続自動ラインでは、下布面の状態(異物の付着がないか、損傷していないか等の異常)を目視しにくいため、反転することが重要である。
【0038】
上記反転処理装置Mを構成している送り込み機構10と、ケージ反転機構20と、押し出し機構30とは、3機構が連携(連動、同調又は同期)して上流側F1から受け取った豆腐生地BMを反転処理して下流側F2に受け渡すという自動製造ラインAM中の他の工程から峻別される特定の処理を実行する。
【0039】
送り込み機構10は、豆腐生地BMを押し送りするための送り込み板12を水平方向と上下方向とに作動させる機構である(図1,図2)。送り込み機構10は、送り込み板12と、送り込み板12を水平動させる任意形式の駆動源と、上下動させる任意形式の駆動源を主要部材とする。本実施の形態の送り込み機構10には、豆腐生地BMの反転処理に先立って豆腐生地BMに対して第1次の切断(例えば2丁分の長さで切断;1丁〜複数丁分でもよい。)を実施するためのカッタ装置を構成するストッパプレート41とカッタプレート42が一体化され、駆動源も共用されている。本実施の形態では、包装パック状態での2丁分の長さに第1次切断し、この2丁分の長さの豆腐生地BMをケージ反転機構20で高速反転させる形態で以下に例示する。
なお、第2次の切断(製品サイズの適当な1辺分の幅で切断)や第3の切断(製品サイズまで細断)は、第1次の切断の後でケージ反転前に切断されてもよいが、上記押し出し機構30により押し出された後に切断されるのが好ましい。前記送り込み機構10の駆動源は例えばエアシリンダや電動シリンダのようなリニアアクチュエータ等であり、送り込み板12を直線駆動させ、位置決め可能な駆動源であれば特に限定しない。上記押し出し機構30の駆動源についても同様である。
【0040】
送り込み板12は、上流側F1から供給される豆腐生地BMの幅方向に向けて、つまり、豆腐の自動製造ラインAMを横断する向きに設置される、例えば板金加工による板材である(図2)。送り込み板12の断面形状は、プレス加工等により曲げ剛性を確保するための任意の形状とすることができる。送り込み板12は、1基又は複数基の押し込みシリンダC3および図示しない任意方式の水平動ガイドを介してカッタ装置のストッパプレート41の下流側F2に並設されている。この結果、送り込み板12は、ストッパプレート41と挙動をともにし、かつ、押し込みシリンダC3の作動範囲で独立の動作をすることができる。なお、押し込みシリンダC3が無い形態であってもよいが、押し込みシリンダC3を遅く、水平動シリンダC1を速く動作することによって、豆腐生地の損傷を抑えて、より高速に豆腐生地をケージ奥板に当たるまで押し込み、しっかりケージに収納することができるので、好ましい。
【0041】
送り込み板12の下端縁の下流側F2の面には、豆腐生地BMに対する実質的な押し込み動作位置を送り込み板12の前方とするためのプレスバー12Pが横設されている。また、プレスバー12Pの上位置には、プレスバー12Pに沿って多数の抜き孔群12Hが列設されている。抜き孔群12Hは、送り込み板12が水中で水平動する際の水抵抗を減少させるとともに、水槽5内に豆腐生地BMを不安定にする過大な波うちや対流の発生を緩和する(図2)。
【0042】
送り込み板12の取付け部材として利用されているストッパプレート41は、1基又は複数基の上下動シリンダC2、および、任意方式の上下動ガイド、例えばガイドロッドL2と実質的に摺動軸受けであるガイドスリーブG2とからなる上下動ガイドを介して水平動アングル43に取り付けられている。したがって、送り込み板12は、上下動シリンダC2を駆動源として、ストッパプレート41ともに上下動する(図2)。
【0043】
さらに、ストッパプレート41の取付け部材である水平動アングル43は、ガイドロッドL1と実質的に摺動軸受けであるガイドスリーブG1と水平動シリンダC1を介して図示しない固定部材に取り付けられている。したがって、送り込み板12は、水平動シリンダC1を駆動源としてストッパプレート41に伴って水平動する(図2)。
以上のような送り込み機構10と後述する押し出し機構30は、ケージ反転機構20とは別にケージ反転機構20の基台(空中に位置する基台)から支持されているので、水中での送り込みや押し出し機構を設計し易く洗浄もし易く衛生的でシンプルな構造に出来る利点がある。
【0044】
押し出し機構30は、水平フレーム32Bに下垂姿勢の多数の下垂板群32F…を並設した押し出し板32を水平方向と上下方向とに駆動する(図1、図3)。各下垂板32Fは、それぞれ先端部に角板状の押当面3Fを形成した柄付きのへら状体(逆T字型)であり、多数の下垂板群32F…は、定間隔を保って水平フレーム32Bに取り付けられている。多数の下垂板群32F…の押当面3F…は、同一平面に属するように整列されている。多数の下垂板群32Fは、図8に示すように、ケージ2Kからの排出側へ豆腐生地BMを押し出す際には、ケージ奥板28の先端Eよりも下方になるように設定されている。このとき、ケージ奥板28の下方先端Eよりも下方になるようにして豆腐生地BMがケージ下板(つまり受け入れ姿勢時のケージ上板)26上に載置された状態になる。すなわち、下垂板32Fの先端は、ケージ下板(つまり受け入れ姿勢時のケージ上板)26上のフッ素樹脂板27に近い位置まで下降する。なお、図8の符号E1は、下垂板32Fの押当面3Fの好ましい縦幅を示している。
押し出し機構30は、コ字状のケージ2Kとは別の構成部材であり、その駆動源(駆動シリンダ)もケージ反転機構20の駆動源(駆動シリンダC5)とは別になっていることで、清水に入ることもなく、同期駆動の複雑さからも開放されている。
【0045】
押し出し機構30の押し出し板32は、1基又は複数基の上下動シリンダC8および任意方式の上下動ガイド、例えば、ガイドロッドL8とガイドスリーブG8とからなる上下動ガイドを介して中間プレート33に取り付けられ、また、中間プレート33は、1基又は複数基の水平動シリンダC7および任意方式の水平動ガイド、例えば、ガイドロッドL7とガイドスリーブG7とからなる水平動ガイドを介して固定プレート34,34に取り付けられている。この結果、押し出し板32は、上下動シリンダC8と水平動シリンダC7とによって上下方向及び水平方向に移動することができる(図3)。
【0046】
ケージ反転機構20は、所定寸法の豆腐生地BMを収納することができるケージ2K全体を、駆動軸21を中心にして略180度の範囲で往復旋回運動させる機構であり、この運動をケージ2Kの姿勢変化に着目して表現すると、180度の旋回運動によってケージ2Kの上下が反転することから、ケージ2Kは往復反転駆動される機構である(図1,図4,図5,図6,図7)。その往復反転駆動源は、例えばエアシリンダや電動シリンダのようなリニアアクチュエータ等を用いたクランク式や、ロータリーエンコーダ等の角度制御機能や各種減速機やインバータ制御付きのモータやサーボモータ等の直結式や、ベルトやチェーンを用いたモータ動力伝達方式、ロータリーアクチュエータ等が挙げられ、これらに限定されるものではない。
【0047】
上記ケージ2Kは、開口部2Hを上流側F1に向けた受け入れ姿勢において、ケージ2Kの底面を形成するケージ下板25と、その上方に配置されるケージ上板26と、開口部2Hに面してケージ奥板28とを断面視及び側面視においてコ字形の三面板に組み合わせてなる(図3,図4,図5)。本実施の形態のケージ2Kとしては、ケージ下板25の後方にケージ奥板28が垂設されて断面L字状を呈している形態が好ましい。希ではあるが、ケージ上板26にケージ奥板28が設けられている形態を否定するものではない。なお、反転中の豆腐生地の歪みや位置ズレ等に損傷を抑えるため、ケージ奥板28の高さ前後ないしは以上の高さの豆腐生地BMがケージ2K内に押し込まれ、ケージ上板とケージ下板でしっかり狭持できるのが好ましい。このケージ奥板28の高さについては、反転後の排出姿勢時、下降した押し出し板32に配設する下垂板32Fが水平駆動する際に、衝突・接触しないように、ケージ上板26がシリンダC6によって下降したときのケージ下板(つまり受け入れ姿勢時のケージ上板26)26の上端面と、ケージ上板(つまり受け入れ姿勢時のケージ下板)25に配設したケ−ジ奥板28の下端との間Dg(図3中の符号Dg)に接触せずに収まるように、前記下垂板32Fの縦幅Df(図3中の符号Df)を決める。前記下垂板32Fの縦幅は豆腐生地BMの高さの1/3以上、好ましくは1/2以上の寸法で、できる限り豆腐生地BMの縦幅と同じであるか、それ以上であることが好ましく、豆腐生地BMを押し出す際に損傷しにくくなる。
ケージ奥板28は、ケージ2Kの開口部を上方に向ける中間姿勢において、つまり豆腐生地BMの垂直姿勢ないしは中間姿勢において、豆腐生地BMを下支えする役割を果たす。従ってケージ奥板28の横幅も前記下垂板32Fの縦幅と同様で、豆腐生地BMの高さの1/2以上、できる限り豆腐生地BMの横幅と同じであるか、それ以上であることが好ましい。一般に、特に出来立ての軟らかい豆腐生地BMを押したり、保持したり、支える等の外力が加わる際には、豆腐生地BMに損傷を与えないため、豆腐生地BMに接する前記下垂板32Fやケージ奥板28等の部材はその接触面積が大きいほど効果的である。
ケージ2K全体は、オフセットプレート24を介して駆動軸21と連結され、駆動軸21は、その開口部2Hを上流側F1に向けた受け入れ姿勢におけるケージ2Kの水平位置を基準として変位量D1上方に変位して位置している。このケージ2Kに対する駆動軸21の変位量D1は、前記した水槽5の水平仕切り板51と搬送コンベヤ60のコンベヤベルト61のベルト面との間に設定された所定の高低差H1の1/2をやや上回る値に設定されている。すなわち、上記変位量D1の2倍で上方回転するが、排出側には、排出位置で下方側位置する調節シリンダC6が下降するために、この調節シリンダC6の分を考慮した間隔が必要になる(図5)。
【0048】
ケージ2Kの上面を形成するケージ上板26は、固定部材ではなく、間隔調節手段C6としての調節シリンダC6によってケージ下板25に接近し、又はケージ下板25から遠ざかる向きに位置調節自在とされている。調節シリンダC6本体は、オフセットプレート24からケージ上板26上に張り出すように設ける張出しブラケット29に固定されている(図8)。また、製品種類が複数である場合、豆腐生地BMの厚さに応じて、前記間隔調整手段C6の動作幅を調整できるよう構成することも好ましい。また、豆腐生地BMの厚さで、最も薄いものの厚さに合わせて、ケージ奥板28の高さを同じかやや低くなるように設計すると良い。あるいは、前記の通りケージ上板26にケージ奥板28の先端が入り込むスリットを形成しておく方法をとっても良い。また、前記調節シリンダC6とケージ上板26の間にバネ機構を設けて、豆腐生地BMを狭持する弱い力を付与するように構成してもよい。
【0049】
ケージ2Kの駆動軸21の一端には、クランクアーム22が取り付けられ、クランクアーム22は、ロッドL5の先端にオフセットアーム23を取り付けたクランクシリンダC5に連結されている。すなわち、駆動軸21は、一種のクランク機構によって発生するトルクによって駆動され、ケージ2Kは、駆動軸21を中心にして略180度の範囲で往復反転駆動される。この際、オフセットアーム23は、上死点位置と下死点位置で駆動トルク又は保持トルクを発生させることができないというクランク機構の一般的欠点を補うように機能する(図5)。なお、本実施の形態の駆動軸21やクランクアーム22や間隔調節手段C6等は、水槽の水とは接触しない空中に配されている。
【0050】
ケージ2Kを構成するケージ奥板28は、オフセットプレート24との間に一定の間隔を設定して取り付けられており、ケージ下板25およびケージ奥板28には、両者間を連続する多数のスリットS…が形成されている(図4)。ケージ下板25は、羽子板状の多数の単位板25P…がスリットS…を挟んで横一列に並んだ外観を呈する。ケージ奥板28についてもスリットS…を挟んで横一列に並んだ外観を呈する。ケージ下板(つまり受け入れ姿勢時のケージ上板)26の内側面には、豆腐生地BMを陸上で滑りやすくするためにフッ素樹脂板27が固定されている。上記スリットSは、清水をケージ内に入れる役割も果たす。なお、図4は、クランクシリンダC5によって受け入れ姿勢であったケージ2K(図5)が反転駆動され、ケージ2Kが開口部2Hを下流側F2に向けて排出姿勢をとっている状態を示している。
【0051】
次に、上記構成の本実施の形態の豆腐生地の反転処理装置Mの反転動作を説明する。
まず、水槽5の水平仕切り板51上を押し送りされてくる豆腐生地BMの進行先端は、カッタ装置のストッパプレート41によって位置決めされる(図1,図9(A))。ストッパプレート41から一定距離上流側F1に設置されたカッタプレート42が下降して位置決めされた豆腐生地BMを切断する。この時点で切断された豆腐生地BMは、ストッパプレート41とカッタプレート42とによって前後から挟まれた状態となる(図9(B))。なお、ケージ反転機構20は、ケージ2Kを受け入れ姿勢として待機している。すなわち、L字状のケージ下板25とケージ奥板28と、他方側のケージ上板26とが間隔を開けた状態で待機している。
【0052】
ストッパプレート41とカッタプレート42の共通の取付け部材である水平動アングル43が水平動シリンダC1によって下流側F2に駆動され、この結果、切断された豆腐生地BMは、ストッパプレート41とカッタプレート42とによって挟持された状態のまま下流側F2の所定位置に移動する(図9(B))。
【0053】
次いで、上下動シリンダC2と水平動シリンダC1の交互動作によって、ストッパプレート41とカッタプレート42とが一旦上昇して上流側F1に移行し、ストッパプレート41のみが切断された豆腐生地BMの上流側F1に下降する(図9(C))。この間、送り込み機構10の送り込み板12は、ストッパプレート41と挙動を共にし、切断された豆腐生地BMの上流側F1に下降し、ケージ反転機構20は、ケージ2Kに搭載された調節シリンダC6によってケージ上板26を上昇させ、開口部2Hを拡げて待機している。
【0054】
上流側F1から連続的に水槽5内に供給される豆腐生地BMの進行先端は、切断された豆腐生地BMの上流側F1に下降したストッパプレート41によって位置決めされ、カッタプレート42の下降動作によって2回目の切断が実施される。2回目に切断された豆腐生地BMは、1回目と同様にストッパプレート41とカッタプレート42との間に挟まれた状態で下流側F2に送られる。この際、ストッパプレート41に取り付けられた送り込み機構10の送り込み板12は、水平動シリンダC1によって駆動されるストッパプレート41の水平動を援用して1回目に切断された豆腐生地BMをケージ反転機構20のケージ2K内に押し込む(図10(A)(B))。この際、水平動シリンダC1によって上記ストッパプレート41のみならずカッタプレート42も下流側F2に駆動されるので、ケージ2K内に押し込まれる豆腐生地BMに続いて、その次の豆腐生地BMがカッタプレート42によって、ケージ2K内に押し込む手前位置まで同じように移動する(図10(B))。すなわち、ケージ2K内に押し込まれる豆腐生地BMと、これに続く次の豆腐生地BMが2枚同時に移動されるが、この2枚単位で移動することでも高速処理が図られている。勿論3枚単位以上にすることもでき、更なる高速処理も可能である。なお、ケージ2Kのケージ上板26の待機位置は、図10(A)に示すように、水中であっても空中(陸上)であっても良いが、水中で水面近くにあるとき、ケージ上板26は波立つことを防止して、豆腐生地BMの揺れを防止する役割を果たす。
【0055】
次いで、押し込みシリンダC3の作動によって1回目に切断された豆腐生地BMは、ケージ奥板28に密着するに至るまで完全にケージ2K内に送り込まれる(図10(B))。つまり、豆腐生地BMは、ストッパプレート41等を水平方向に駆動する水平動シリンダC1と、いわば専用の押し込みシリンダC3の水平送りとの加算動作によってケージ2K内に装填される。このような動作を採用することにより、送り込み板12の動作をストッパプレート41の動作から押し込みシリンダC3の作動範囲を限って独立のものとすることができ、これによって、ストッパプレート41の停止位置等に対する要求と、豆腐生地BMの送込み位置に対する要求とを同時に充足することができる。また、専用の押し込みシリンダC3によって送り込み板12のみを駆動する機構は、動作慣性が小さく、あらゆる種類の豆腐生地BMを精密に位置決めすることができるという有利性も考慮されている。
そして、豆腐生地BMの充填後、調節シリンダC6によってケージ上板26が下降動作し、ケージ2K内の不要な空隙が排除され、豆腐生地BMをしっかりと狭持することができる(図5,図10(B))。
【0056】
ケージ上板26が下降動作完了し、豆腐生地BMが拘束された時点で(立方体や直方体形状の豆腐生地BMがその三面が板と接触した状態で)、クランクシリンダC5がクランクアーム22を介して駆動軸21を駆動する(図6,図10(C))。図6,図10(C)において、駆動軸21が略90度駆動された状態を示す。駆動軸21の回転方向は、90度回転後にケージ2Kの開口部2Hが上向きになる方向である。なお、逆向きに回転駆動するとしても、水中での豆腐生地BMは上記三面が挟持された状態であるので落下するようなことなく、排出位置に移動させることが可能である。この範囲でのケージ2Kの姿勢変化によって豆腐生地BMが動く余地はない。この間にカッタ装置は、2回目に切断された豆腐生地BMを開放し、3個目の位置決め切断準備に入る。また、押し出し機構30は、押し出し板32を上昇させて待機している。
【0057】
駆動軸21は、停止することなく駆動され、クランクシリンダC5の作動限付近、略180度回転した位置で停止する(図7,図11(A))。ケージ2Kは、完全に上下反転し、したがって開口部2Hを下流側F2に向け、豆腐生地BMは、ケージ下板(つまり受け入れ姿勢時のケージ上板)26上にライニングされたフッ素樹脂板27を介して載った状態になる。この範囲でのケージ2Kの姿勢変化においても豆腐生地BMには、ケージ2K内において移動(自由運動)するようなことはない。すなわち、いわゆる“遊び”がない状態である。なお、ケージ2Kの左右端部に側板が配設されると、さらに好ましい。
【0058】
上下反転することによって排出姿勢となったケージ2Kは、オフセットプレート24によって、変位量D1相当分だけ駆動軸の上方位置に支持される状態となる(図7)。これを受け入れ姿勢のケージ2Kの水平位置(図5)と対称とすると、ケージ2Kは、変位量D1の2倍相当上方に移動することになる。前述したように、水槽5の水平仕切り板51と搬送コンベヤ60のコンベヤベルト61のベルト面との間には、所定の高低差H1が設定され(図1)、ケージ2Kの変位量D1は、高低差H1の1/2を上回るように設定されている。したがって、実際にはケージ2Kは、コンベヤベルト61の搬送面の水平レベルを超える高さ位置にまで上昇する(図11(A))。
【0059】
しかし、ケージ2Kが排出姿勢となった後、ケージ2Kの調節シリンダC6が作動し、豆腐生地BMの排出を容易にするためケージ下板(つまり受け入れ姿勢時のケージ上板)26を下降させる(図8,図11(B))。その調節シリンダC6の作動によって、ケージ上板26とコンベヤベルト61のベルト面とが同一高さに一致するか、又は、ケージ上板26の上板面はコンベヤベルト61のベルト面よりやや高めになる。この間、押し出し機構30は、ケージの排出姿勢から逆方向に反転して受け入れ姿勢に戻る過程で衝突しないようタイミングを図って、水平動シリンダC7を介して押し出し板32をケージ2Kの上方に移行させ、次の押し出し動作がすぐできる直前の位置まで戻って待機する(図3、図11(A)(B))。
本実施の形態では、前記ケージのケージ上板26とケージ下板25との間隔を調節する間隔調節手段C6によりケージ上板26とケージ下板25との間隔、つまりケージ上板26を降下させて、開口部2Hの上下間隔を拡げることにより(図8)、豆腐生地BMの狭持状態を解除するとともに、この豆腐生地BM、つまり弾力性が回復してやや高さの高くなった豆腐生地BMをケージ2Kから排出させ易くする。なお、押し出し機構30の下垂板32Fの先端は、ケージ下板(つまり受け入れ姿勢時のケージ上板)26上のフッ素樹脂板27に近い位置まで下降するが、接触することはない(図8)。
【0060】
また、ケージ2Kが反転すると、押し出し機構30は、上下動シリンダC8を作動させ、反転動作によって豆腐生地BMの上側に移動したケージ下板(反転したので上板の状態になる)25のスリットS…を介してケージ奥板28の上流側F1に下垂板32F…を差し入れる(図11(C))。すなわち、押し出し機構30は、ケージ2Kが反転すると、直ちに間隔調節手段C6によりケージ上板26とケージ下板25との間隔を拡げるが、次に押し出し板32を下降させて、押し出し機構30の下垂板32Fがケージ下板25のスリットSに差し入れ、反転した豆腐生地BMの上流側F1側面(排出姿勢の後端面であり受け入れ姿勢での先端面)の近傍に位置させる。そして、押し出し機構30は、水平動シリンダC7を作動させ、豆腐生地BMを差し入れた下垂板32F…の押当面3F…で下流側F2に移動させると、豆腐生地BMは、ケージ奥板28との密着性が解除され、ケージ上板26上から滑るようにして搬送コンベヤ60のコンベヤベルト61上に移載される。この間、送り込み機構10等は、やがて水槽5内に復帰してくるケージ2Kに豆腐生地BMを装填する事前工程を進行させている。排出に際しては、搬送コンベヤ60との間に中継板や第2の搬送コンベヤ(例えばナイフエッジ型の小型コンベヤベルト)、自動回転ローラ、遊動回転ローラ等の滑走手段を配しても良く、又、この中継板を斜めにして、上記押し出し機構30により搬送コンベヤ60まで滑走させることも可能である。
【0061】
ここで、水槽5の清水との関係におけるケージ2Kの動作について説明する。なお、豆腐の自動製造ラインAMの上流側F1からは、木綿豆腐用のブロック状の豆腐生地BMが搬送されてくるものとして説明する。木綿豆腐は、豆腐生地BMの反転処理装置Mの後に待機するパック詰め装置(図示せず)によりその綺麗な面(上流側F1から搬送されてくる下面が上面よりも綺麗である。)を上にしてパック詰めされる。
まず、ブロック状に切断された豆腐生地BMは、比重が1.05前後であり、水槽5の清水に沈むが浮力が働いて、浮遊した状態に置かれて、送り込み機構10により、ケージ2K内にケージ奥板28に接触するまで押し込まれるので、豆腐生地BMがケージ下板25と軽く接触するだけで、ケージ2K内に送られ、豆腐生地BMの先端面(正面)がケージ奥板28と接触するまで送り込まれる。
次に、調節シリンダC6によってケージ上板26が下降動作すると、ケージ上板26とケージ下板25とは、豆腐生地BMを挟み込むが、この挟み込みに際して、豆腐生地BMの上下面とも清水を介して挟み込むために、挟み込む際の加圧を弱めて豆腐生地BMを上下面から挟み込む。なお、ケージ上板26は清水の水面5Sよりも上に位置していても良く(図1等参照)、又、水面5Sよりも下に位置していても良く(図5参照)、いずれにしても清水を介してケージ上板26とケージ下板25との接触を弱めて挟み込む。このため、豆腐生地BMを損傷したり、強く挟み込みすぎたりすることがない。このように挟み込むと、豆腐生地BMの上下面のみならず豆腐生地BMの搬送方向の先端面(先頭側の正面であり、反転させると後方側端面)もケージ奥板28と接触して、水中でも、豆腐生地BMの移動が阻止される。かかる状態で、ケージ反転機構20を高速反転させても、ケージ2K内における豆腐生地BMの角落ち等の損傷が防止される。また、水中での状態は、ケージ2Kの開口部2Hは、清水が豆腐生地BMの移動を阻止している。したがって、挟み込む部材が敢えて存在しなくとも、高速回転(高速反転)に耐え得るようになる。なお、ケージ2Kを構成する部材は、ケージ下板25とケージ上板26とケージ奥板28であり、側面板や開口部2Hの側は塞がれていないことに加え上記スリットが形成されているので、陸上げされる反転動作中において、ケージ2K内の清水は飛び出しし易く、排出位置までの回転動作中においてすべて排出される。ただし、図示しないが、ケージ2Kの端部の側面板や開口部2Hの側に蓋板を構成するように、豆腐生地の5面ないしは6面を狭持する機構を設けた形態であってもよい。反転対象となる豆腐生地BMは、ケージ2Kによって水抵抗からも保護されるのであり、水中においても高速度での反転動作を実現することが可能である。
【0062】
次に、上記第1の実施の形態の他の例を説明する。
本実施の形態におけるガイドロッドL1とガイドスリーブG1との組合せからなる送り込み機構10の水平動ガイド(図2、図13)は、1対の水平軌道13,13と、水平軌道に走行自在に組み付けられたトロリー走行車14の組合せとすることができる(図13)。この組合せによる水平動ガイドは、強度設定自由度、走行距離自由度、寸法設定自由度が高く、既製品の水平動ガイドの規格に拘束されないので、特に、大形の豆腐の自動製造ラインAMにも簡単に適合させることができる。具体的には例えば焼き豆腐の両面を焼く工程で活用できる。
【0063】
上記と同様に、押し出し機構30のガイドロッドL7と実質的に摺動軸受けであるガイドスリーブG7との組合せによる水平動ガイドについても(図3)、1対の水平軌道35,35と、水平軌道35,35に走行自在に組み付けられたトロリー走行車36の組合せとすることができる(図14)。
【0064】
ケージ反転機構20におけるクランクシリンダC5とクランクアーム22との組合せによる駆動部材(図4)は、減速歯車機構29と駆動モータMOとの組合せとすることができる(図14)。この組合せによる駆動部は、駆動軸21の駆動範囲が180度に限定されないとともに、外部に動く部材が現れない構成とすることが容易であり、作業員の安全確保にも寄与することができる。また、減速歯車機構29にウオームとウオームホイールの組合せを含ませることにより、駆動軸21の任意回転位置での停止保持動作が可能である。この場合、駆動モータMOに対する回転制御のみによってケージ2Kの姿勢制御をすることができる。
【0065】
(第2の実施の形態)
本実施の形態の豆腐生地の反転処理装置Mは、水平姿勢のケージに対する駆動軸21の変位量D1(図7)をD1=0に設定することによって、例えば、同一水平レベルにある搬送コンベヤ70と搬送コンベヤ60において豆腐生地BMを反転移載することができる(図12)。変位量D1がゼロである場合、駆動軸21が180度回転駆動されることによって、受け入れ姿勢のケージ2K(図12の実践で示す)と排出姿勢のケージ2K(図12の2点鎖線で示す)とは、駆動軸21の反対側の同一水平レベルに移動するからである。なお、これらの搬送コンベヤ60,70は、同一水平レベルにあれば、双方ともに水中に、又は双方ともに空中に設置されていてもよい。
本実施の形態は、特に空中から空中への反転を説明する実施の形態である。空中でのケージ2K内からの豆腐生地BMの排出に際しては、前記押しし出し機構の押し出し板が下降した後、下垂板と共に下流側に平行移動して豆腐生地を下流側に押し出すので、排出姿勢でのL字状のケージ奥板28とケージ下板(受け入れ姿勢時のケージ上板)26から、豆腐生地BMを損傷させずに排出させる。すなわち、豆腐生地BMがその水分を介してL字状のケージ奥板28とケージ下板(受け入れ姿勢時のケージ上板)26と密着した状態でも、これを開放して排出させる。
なお、ケージに収納された豆腐生地を押し出す方法としては、ケージ内に予め外部操作可能な押し出し部材を収納しておくことで、反転して排出姿勢となったときに、この押し出し部材を押し出すか、引き出すようにして豆腐生地を排出させることも可能である。
【0066】
(第3の実施の形態)
図15は、第3の実施の形態のケージ反転機構50が豆腐生地BMを受け入れた状態を示す斜視図であり、図16は、ケージ反転機構50が反転して豆腐生地BMを排出する状態を示す斜視図であり、図17(A)〜(F)は、受け入れ姿勢から排出姿勢までの工程を説明する図である。
本実施の形態の豆腐生地の反転処理装置50は、前記押し出し機構51がケージ反転機構50に搭載された形態で、ケージ反転機構50とともに軸53を中心にして反転して、反転した状態の豆腐生地BMをその後方から押し出す機構である。すなわち、第1の実施の形態のように、前記押し出し機構51はケージ反転機構50と別の構成部材による別駆動ではなく、ケージK2が反転して排出姿勢に押し出す駆動シリンダC51も前記ケージ反転機構50に搭載されている。前記押し出し機構51は、豆腐生地BMのケージ2Kへの受け入れ姿勢と反転した後の排出姿勢においては、水平方向に駆動する押し出し板52aとその駆動シリンダC51を有しており、連結部材52b,52cを介してL字状を組み合わせたような構成とされ、その先端の押し出し板52aは、反転する前の受け入れ姿勢では、ケージ2Kの後方に位置しており、排出姿勢では反転した豆腐生地BMの後方位置から水平方向に押し出す。押し出し板52aを駆動する駆動シリンダC51も前記ケージ反転機構50に搭載され、そのロッドCrが水平方向に伸長する。
一方、ケージ2Kは、開口部2Hを上流側F1に向けた受け入れ姿勢において、ケージ2Kの底面を形成するケージ下板25と、その上方に配置されるケージ上板26と、開口部2Hに面してケージ奥板28とを断面視及び側面視において三面板としてコ字形に組み合わせてなる(図17(A)〜(F))。第1の実施の形態のように、上記ケージ2Kに前記スリットSは存在せず、押し出し機構51がケージ反転機構50とともに反転して、ケージ2Kの後方に移動したときに、駆動シリンダC50が駆動して豆腐生地BMの後方から押し出す。なお、押し出し板52aは、搬送コンベヤ70,60の幅方向に亘る長さが好ましいが、押し出し機構51の中央の押し出し駆動部に押し出し板52aが取り付けられている構成でも良い。
【0067】
本実施の形態によれば、図17(A)〜(F)のように、押し出し機構51がケージ反転機構50とともに反転して、ケージ2Kの後方に移動したときに、駆動シリンダC51のロッドCrが伸長して押し出し板52aを水平方向に駆動させて豆腐生地BMの後方から押し出す。したがって、第1の実施の形態のように、前記スリットS(ケージ下板やケージ奥板のスリットS)も不要になり、構造がシンプルになる。また、水槽5の水の上に押し出し機構51を配置するので衛生的でもある。また、第1の実施の形態のように等間隔に配された下垂板32ではなく、1枚の押し出し板52aで広い面積で豆腐に接触することになるので、受け入れ姿勢時や反転時にも傷つけにくいという利点と、第1の実施の形態では、2つの駆動シリンダC7,C8で下がって押し出すという2つの動作であったが、本実施の形態では、上記水平方向の駆動のみで豆腐生地BMを排出させるので、高速化が図られる。
本実施の形態では、受け入れ側の搬送コンベヤ70から排出側の搬送コンベヤ60に受け渡す場合の例(空中搬送)で説明するが(第2の実施の形態を参照)、図17(A)〜(F)のように、水槽5の水に浸漬した豆腐生地BMを反転する例でも適用でき、又、水槽の中の搬送コンベヤ70から排出側の搬送コンベヤ60に受け渡す場合にも適用可能である。なお、本実施の形態の押し出し機構51は、その駆動シリンダC51を含めて水槽5の水に浸漬しないようにケージ反転機構50に搭載されている。
【0068】
ここで、本実施の形態の応用例としては、図18に示すように、ケージ2Kのケージ奥板28の代わりに、前記押し出し機構51の押し出し板52aを使用することも可能である。すなわち、押し出し機構51の押し出し板52aは、前記豆腐生地BMの受け入れ姿勢においては、ケージ2Kを構成する前記ケージ奥板28としての前記三面板の一つとしての役割を果たすことが可能である。そして、この押し出し板52aに受け入れ姿勢の豆腐生地BMの先端側の面を接触させておき、前記ケージ反転機構50とともに反転した後、豆腐生地BMとの接触状態のまま押し出し機構51の押し出し板52aで押し出すと、押し出す速度をより速めることも可能であるとともに、接触状態のまま押し出すので、より軟らかい豆腐にも対応できる。なお、押し出し板52aの先端には、豆腐生地BMの種類に応じた突合せ板を取り付けたり、クッション性を確保するためのスペーサを配したりすることも可能である。
また、押し出し機構51は、ケージ反転機構50の受け入れ姿勢のケージ上板26に連結されケージ上板26の上下動作と共に動作するか、ケージ反転機構上の別の駆動機構を介して連結されて、ケージ2Kの受け入れ姿勢から中間姿勢の反転前半までは前記ケージ上板25側に下降した形で近接し、垂直姿勢を経て、中間姿勢の反転後半から排出姿勢では逆に前記ケージ上板26側(反転後半は下方側の板)に上昇(反転後半は下降)した形で近接するように、該押し出し板52aの高さを調整する形態も、ケージ上板26ないしはケージ上板25とケージ奥板兼用の該押し出し板と近接して成す角部の隙間を小さくして豆腐の損傷を抑え点で、好ましい形態である。
【0069】
また、本実施の形態の応用例としては、図19に示すように、前記押し出し機構51と前記押し出し板53が分離して、この押し出し板53が豆腐生地BMの先端と接触して反転するが、別途基台に支持された外部の押し出し駆動機構によって豆腐生地を下流に押し出す機構でも良い。すなわち、ケージ開口部側と奥側の方向で往復する遊動型ケージ奥板53として機能するもので、ケージ上板26とケージ上板25の間にあって、ケージ奥側には該遊動型ケージ奥板53の奥側ストッパ55を備えて、該遊動型ケージ奥板53の後端にケージ後端に当たって止まる開口部側ストッパ53aを備える。豆腐生地BMの受け入れ姿勢では送り込まれる豆腐生地BMに押されて、遊動型ケージ奥板53が該ケージ奥側ストッパ55に当たるところで位置決めされ、前記同様にケージを狭持して反転した後、排出姿勢においてケージの狭持を開放した後、別途基台に支持された外部の押し出し駆動機構によって該遊動型ケージ奥板を前記開口部側ストッパ53aまで押し出して、豆腐生地BMを下流に押し出す機構である。その後、ケージ2Kが元の受け入れ姿勢に戻る際、中間姿勢でケージ開口部が上方に向いた関係で該遊動型ケージ奥板53は自重によってケージ奥側に後退する。
【0070】
以上、上記実施の形態では、ケージ反転機構20が水中から空中に反転する場合と、空中から空中(搬送コンベヤ70から搬送コンベヤ60)への例で説明したが、本願発明は、空中から水中に反転する場合や、水中から水中への例にも適用可能である。
【符号の説明】
【0071】
AM 豆腐の自動製造ライン、
M 豆腐生地の反転処理装置、
BM 豆腐生地、
F1 上流側、F2 下流側、
C6 間隔調節手段(調節シリンダ)、
C7 水平動シリンダ、 C8 上下動シリンダ、
10 送り込み機構、
20,50 ケージ反転機構、
30,51 押し出し機構、
12 送り込み板、
S スリット、
21 駆動軸、53 軸、
2K ケージ、
25 ケージ下板、
26 ケージ上板、
28 ケージ奥板、
2H 開口部、
32,52a 押し出し板、
32F 下垂板、
C51 駆動シリンダ、
52a,53 ケージ奥板兼用型押し出し板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
豆腐の自動製造ラインの所定箇所に設置され所定サイズに切断した豆腐生地を反転させる豆腐生地の反転処理装置において、
ケージの開口部を自動製造ラインの上流側に向ける受け入れ姿勢からケージの開口部を上方に向ける中間姿勢を経てケージの開口部を下流側に向ける排出姿勢に至る範囲で往復反転駆動されるケージ反転機構を備え、
前記ケージ反転機構は、開口部を上流側に向けた受け入れ姿勢において、少なくともケージの底面を形成するケージ下板と、ケージ下板の上方に配置するケージ上板と、ケージ上板とケージ下板との間においてその一端側を開口部とし他方側を奥側とするときのケージ奥板とによりコ字状に組み立てられ、豆腐生地を収納するときにケージ奥板が豆腐生地の先端面と接触し、ケージの開口部を上方に向けた中間姿勢のときにケージ奥板が豆腐生地を下支えすることを特徴とする豆腐生地の反転処理装置。
【請求項2】
前記ケージのケージ上板とケージ下板との間隔を調節する間隔調節手段を備え、この間隔調節手段は、前記豆腐生地を受け入れ姿勢とした時点において、ケージの開口部であるケージ上板とケージ下板との間隔を拡げて豆腐生地を受け入れて、ケージ上板とケージ下板との間隔を縮めて豆腐生地を狭持するようにしてから前記ケージを反転して、前記ケージを排出姿勢とした時点において、ケージ上板とケージ下板との間隔を拡げることを特徴とする請求項1記載の豆腐生地の反転処理装置。
【請求項3】
前記ケージ反転機構は、ケージの開口部を自動製造ラインの上流側に向ける受け入れ姿勢からケージの開口部を上方に向ける中間姿勢を経てケージの開口部を下流側に向ける排出姿勢に至る範囲で往復反転駆動され、受け入れ姿勢において上流側に配置された送り込み機構と連動してケージ内に豆腐生地を受け入れるとともに、反転した後の排出姿勢において下流側に配置された押し出し機構によりケージ内の豆腐生地を排出することを特徴とする請求項1又は2記載の豆腐生地の反転処理装置。
【請求項4】
前記押し出し機構は、多数の下垂板を所定の相互間隔を保って並列に下垂配置してなる押し出し板を備える一方、前記ケージのケージ奥板とケージ下板には、前記押し出し板に配設した多数の下垂板の動作方向に対応して互いに接触しないように多数のスリットを並列に形成してなることを特徴とする請求項3記載の豆腐生地の反転処理装置。
【請求項5】
前記押し出し機構は、反転動作し排出姿勢にある前記ケージのケージ下板の上流側上方に位置する押し出し板を下降させ、前記押し出し板に配設した多数の下垂板をケージ奥板とケージ下板とに形成した前記スリットを通して、前記下垂板が前記ケージ奥板やケージ上板に接触しない高さであって前記豆腐生地の上流側側面より上流側に下降させた押し出し板を、次に前記下垂板ないしは前記押し出し板が前記ケージ奥板や前記ケージ下板に接触しないように下流側に水平移動する動作によって、ケージ内の豆腐生地を下流側に押し出すことを特徴とする請求項3記載の豆腐生地の反転処理装置。
【請求項6】
前記ケージ反転機構は、反転した後の排出姿勢においてケージ内の豆腐生地を押し出す押し出し機構を備え、この押し出し機構は、前記ケージ反転機構とともに反転するとともに、反転した豆腐生地を押し出す押し出し板を有することを特徴とする請求項1記載の豆腐生地の反転処理装置。
【請求項7】
前記押し出し機構の押し出し板は、前記ケージ奥板の有無に係わらず、前記ケージの受け入れ姿勢や反転姿勢における前記ケージ奥板としての役割を果たすことを特徴とする請求項6記載の豆腐生地の反転処理装置。
【請求項8】
ケージが豆腐生地を受け入れる受け入れ姿勢又はケージが豆腐生地を排出する排出姿勢の少なくともいずれか一方の姿勢において、豆腐生地の少なくとも一部が水中に浸かる状態であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項記載の豆腐生地の反転処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−120522(P2012−120522A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−293604(P2010−293604)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(591162631)株式会社高井製作所 (32)
【Fターム(参考)】