説明

豆類の清掃方法及びその清掃装置

【課題】本発明は,豆粒の外観品質を低下することなく,表面に付着した汚れを十分に除去することのできる豆類の清掃方法及びその清掃装置を提供するもの。
【解決手段】原料豆をまず研磨材と混合・撹拌し,さらに,該研磨材を除去した原料豆に給水して湿らせ,該原料豆表面に膠着した汚れやへそに入った汚れなどの残留汚れを軟化・浮き上がらせる。次いで,これに吸着吸水材(例えばタピオカパール)を添加して混合・撹拌することにより,前記残留汚れと表面水分とが吸着吸水材によって吸着除去される。これにより,豆粒表面にふやけやシワなどが生じることがないので豆粒の外観品質が低下せず,また,残留汚れを十分に除去できる。また,豆粒の表面水分も除去するので,乾燥工程を加えなくても豆粒の保存性は低下しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,豆類の表面に付着した土などの汚れを清掃する方法及びその清掃装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、豆類の清掃方法としては,例えば,ブラッシングによって行うものがある。このブラッシング法は,特許文献1のように,横設したスクリーン筒の内部に該内周面に接する回転ブラシを配設し,スクリーン筒の一方側から原料豆を供給し,前記回転ブラシのブラッシング作用によって豆粒表面の汚れを除去するものである。
【0003】
また,研磨材となる籾殻を混合・撹拌して行う方法もある。この籾殻混合撹拌方法は,例えば特許文献2のように,撹拌研磨箱内に回転羽根車を配設し,前記撹拌研磨箱内において原料豆と籾殻と混合撹拌し,籾殻による研磨作用により豆粒表面の汚れを除去するものである。この外,特許文献3及び特許文献4においても籾殻混合撹拌方法が開示されている。
【0004】
さらに,洗浄乾燥による方法もある。この洗浄乾燥方法は,特許文献5によれば,回転する多孔壁洗浄筒内において給水手段により原料豆を給水し,転動・撹拌によって汚れを洗い流し,この後,振動乾燥室に供給し,熱風通風によって原料豆を乾燥するものである。
【0005】
【特許文献1】実開平1−99193号公報
【特許文献2】特開2003−251203号公報
【特許文献3】特開2000−245422号公報
【特許文献4】特開2003−170066号公報
【特許文献5】特公平7−98152号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の豆類の清掃方法には以下の問題点があった。すなわち、前記ブラッシング法は,膠着(こうちゃく)した汚れはブラッシング作用では十分に除去できないという問題点がある。また,前記籾殻混合撹拌方法のものは,籾殻による研磨作用により,前述の硬化汚れに対する除去効果は向上するものの,豆粒のいわゆる「へそ」と呼ばれる部分(さやと種子の連結部)に付着した汚れについては除去が難しいという問題点がある。さらに,前記洗浄乾燥方法のものは,給水作用によって前記硬化汚れを軟化させて除去するので,汚れを十分に除去することはできる。しかしながら,この洗浄乾燥方法は,汚れを軟化して洗い落とすほどの量の水を豆粒に添加することになるので,豆粒内部への水分吸収・軟化により,ふやけ,シワ及び脱皮等を生じるなどの豆粒の外観品質を低下させる懸念がある。
そこで,本発明はこれらの問題点にかんがみ、外観品質を低下することなく,表面に付着した汚れを十分に除去することができる豆類の清掃方法及びその清掃装置を提供することを技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1による豆粒の清掃方法は,研磨材を原料豆に添加して混合撹拌した後,前記研磨材を原料豆から分離するとともに該原料豆を給水して湿らせ,さらに,湿らせた原料豆に吸着吸水材を添加して混合撹拌し,その後,前記吸着吸水材を原料豆から分離するという技術的手段を講じるものである。これによると,原料豆の汚れは,研磨材との混合・撹拌による乾式の研磨作用によって除去される。しかしながら,それでも残留した,膠着した汚れやへそに入った汚れなどが存在するので,これを除去するために,研磨材を除去した原料豆が湿る程度の給水を行って前記残留汚れを軟化・浮き上がらせ,これに吸着吸水材(例えばタピオカパール)を添加して混合・撹拌することにより,前記残留汚れが吸着吸水材によって吸着除去され,同時に表面水分の除去が行われる。
【0008】
請求項2による豆粒の清掃方法は,原料豆への給水量を,原料豆の流量に対し1%〜2%の範囲とするものであり,残留汚れをほどよく軟化・浮き上がらすことができるとともに,吸着吸水材による吸水作用により加えた水分が原料豆内部に浸透することがない。
【0009】
請求項3による豆粒の清掃方法は,研磨材及び吸着吸水材を,粒径を1mm〜2mmとした可食性材料からなる粒状物とすることにより,豆粒のへそ部における残留汚れも吸着除去でき,また,万一,清掃後の豆製品に該粒状物が残留しても安全である。
【0010】
請求項4による豆粒の清掃装置は,
搬送撹拌体を内蔵して横設した第1の筒体の上流側から順に,原料豆及び研磨材を供給して混合・撹拌する原料豆・研磨材供給撹拌部,網目を通って前記研磨材を原料豆から除去する研磨材分離部及び研磨材除去後の原料豆を給水して湿らせる給水部を構成した第1混合撹拌部と,
前記搬送撹拌体を内蔵するとともに,前記第1の筒体の下流端付近と上流側とを連通して横設した第2の筒体の上流側から順に,前記給水された原料豆に吸着吸水材を添加して混合・撹拌する吸着吸水材供給撹拌部,撹拌後の原料豆及び吸着吸水材を排出する排出部を構成した第2混合撹拌部と,
該第2混合撹拌部から排出した原料豆及び吸着吸水材を供給して原料豆から吸着吸水材を除去する分離装置とを備えるという技術的手段を講じるものである。
【0011】
この清掃装置によると,第1混合撹拌部においては,原料豆は添加された研磨材と混合・撹拌(研磨)され,この後,前記研磨材が原料豆から分離除去される。次いで,該原料豆が湿る程度に給水されることにより該原料豆表面に残留した膠着汚れやへそに入った汚れなどが軟化・浮き上がる。次いで,湿った原料豆は第2混合撹拌部に供給されて吸着吸水材(例えばタピオカパール)との混合・撹拌が行われ,前記残留汚れと表面水分とが吸着吸水材によって吸着除去される。この後,前記原料豆及び吸着吸水材は分離装置に供給され,清掃済みの原料豆が吸着吸水材から分離されて排出される。
【0012】
請求項5による豆粒の清掃装置は,
搬送撹拌体を内蔵して横設した第1の筒体の上流側から順に,原料豆及び研磨材を供給して混合・撹拌する原料豆・研磨材供給撹拌部,網目を通って前記研磨材を原料豆から除去する研磨材分離部及び研磨材除去後の原料豆を給水して湿らせる給水部を構成した第1混合撹拌部と,
前記搬送撹拌体を内蔵するとともに,前記第1の筒体の下流端付近と上流側とを連通して横設した第2の筒体の上流側から順に,前記給水された原料豆に吸着吸水材を添加して混合・撹拌する吸着吸水材供給撹拌部,網目を通って吸着吸水材を原料豆から除去する吸着吸水材分離部及び吸着吸水材を分離した原料豆を排出する排出部を構成した第2混合撹拌部とを備えるという技術的手段を講じるものである。
【0013】
この清掃装置によると,上記第1混合撹拌部と同じ作用を奏し,該第1混合撹拌部から排出された湿った原料豆は,第2混合撹拌部に供給されて吸着吸水材(例えばタピオカパール)との混合・撹拌が行われ,前記残留汚れと表面水分とが吸着吸水材によって吸着除去される。この後,該吸着吸水材は,第2混合撹拌部に設けた吸着吸水材分離部によって原料豆から分離除去され,排出部からは清掃済みの原料豆だけが排出される。
【0014】
請求項6による豆粒の清掃装置は,
前記搬送撹拌体は,シャフトの上流側から順に螺旋羽根及び複数枚の撹拌板を配設したものであって,前記給水部における撹拌板は,原料豆に搬送作用を与える形状でかつ撹拌板先端部と第1の筒体との隙間が原料豆粒径の2倍〜4倍になるように構成することにより,給水中の原料豆が,撹拌板から直接打撃を受ける割合が少ない。
【発明の効果】
【0015】
本発明の清掃方法によれば、原料豆をまず研磨材と混合・撹拌し,さらに,該研磨材を除去した原料豆に給水して湿らせ,該原料豆表面に膠着した汚れやへそに入った汚れなどの残留汚れを軟化・浮き上がらせる。次いで,これに吸着吸水材(例えばタピオカパール)を添加して混合・撹拌することにより,前記残留汚れと表面水分とが吸着吸水材によって吸着除去される。これにより,豆粒表面にふやけやシワなどが生じることがないので豆粒の外観品質が低下せず,また,残留汚れを十分に除去できる。また,本清掃方法によれば,豆粒の表面水分も除去するので,乾燥工程を加えなくても豆粒の保存性は低下しない。
【0016】
また,本発明の清掃装置によれば、
第1混合撹拌部において,原料豆は,研磨材との混合・撹拌(研磨)工程,該研磨材を原料豆から分離除去する工程,さらに,該原料豆が湿る程度の給水工程を経ることにより,表面に残留した膠着汚れやへそに入った汚れなどが軟化して浮き上がる。該湿った原料豆は第2混合撹拌部に供給され,吸着吸水材(例えばタピオカパール)との混合・撹拌工程において,吸着吸水材による前記残留汚れ及び表面水分の吸着除去がなされ,この後,分離装置により,清掃済みの原料豆が吸着吸水材から分離されて排出される。これにより,豆粒表面にふやけやシワなどを発生させることなく,表面に付着した汚れの十分な除去が行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は本発明の実施形態である豆類清掃装置1(実施例1)を示す。該豆類清掃装置1は,それぞれ横設し,かつ上下方向に重設した第1混合撹拌部2と第2混合撹拌部3を有する。第1混合撹拌部2の内部には搬送撹拌体4を有する。該搬送撹拌体4は,図示しないモータの出力によって回転するシャフト5と,該シャフト5の長手方向に沿った周面に矩形(くけい)の撹拌板6を千鳥状に複数枚配設してある。また,前記シャフト5の搬送始端側には,搬送用の螺旋羽根7が配設してある。第1混合撹拌部2における筒体(第1の筒体)2aは,上流側の上部に原料豆等を供給する供給ホッパ(供給部)9が設けてあり,また,下流側の下部は接続筒8を介して前記第2混合撹拌部3を構成する筒体(第2の筒体)3aの搬送始端側の上部に連通させてある。また,筒体2aは,長手方向の略中間位置の下部には,分離部10が構成してある。該分離部10は分離ネット11及びその排出口12から構成してあり,前記分離ネット11は,後述する研磨材を通し原料豆は通さない目幅にしてある。さらに,筒体2aは,前記分離部10の直後に給水手段13が設けてある。該給水手段13は,筒体2a内に給水するために,同筒体2aの上部に設けた給水口14と,該給水口ノズル14と繋がった供給管及びタンク15とから構成する。給水手段13による筒体2aへの給水量は,図示しない流量調節弁によって行う。なお,供給ホッパ9は,原料豆用のタンク9a及び研磨材用のタンク9bに供給管路を介して接続してある。
【0018】
前記第2混合撹拌部3の筒体3aの内部にも搬送撹拌体16を構成する。該搬送撹拌体16も前記搬送撹拌体4と同様の構成で,シャフト17周面に,搬送始端側から搬送終端側に沿って螺旋羽根18,千鳥状に配設した複数枚の矩形の撹拌板19を順次配設してある。前記筒体3aには,後述する吸着吸水材を該筒体3a内に供給する供給部20を構成する。該供給部20を構成する位置は,前記筒体3a上部における,前記接続筒8を接続した位置の下流側直後とする。前記供給部20は,筒体3aに形成した供給口21と,該供給口21と管路21aを介して接続したタンク22とからなる。筒体3aの搬送終端部には排出部23が構成してある。該排出部23は搬送手段を介して分離装置(シフター)24に接続する。
【0019】
前記搬送撹拌体4の撹拌板6に関し,後述する給水工程(工程4)における撹拌板6は,他の工程のものと構成が異なる。すなわち,給水工程(工程4)のものは,撹拌作用に加えて搬送作用を有するように,該撹拌板6の面がシャフト5方向に対して角度α(例えば約20度)をつけて傾斜させた構成とする(図3参照)。一方,他の工程における撹拌板6はシャフト5と平行(角度0度)に配設する。また,少なくとも,給水工程(工程4)における撹拌板6の先端部と筒体2aとの隙間(X)は,豆粒径の2倍〜4倍とする(図4参照)。
【0020】
次に,図1(実施例1)及び図2(工程フロー)を参照しながら,本発明の豆類の清掃方法(工程)及び清掃装置1の作用を説明する。
【0021】
工程1は供給工程であって,原料豆と,常温で含水率6〜13%の研磨材を所定割合(原料豆:研磨材=1:0.3〜1.0)で筒体2a内に供給する。本発明における研磨材は研磨作用を奏する粒状物であって,具体的には,パールタピオカのほか,粉砕米,粉砕麦,その他穀粒などを粉砕し,粒度を1.0mm〜2.0mmの範囲とした可食性材料を原料とするのが好ましい。これは,万一,製品豆(清掃終了した豆)に粒状物が残留(混入)した場合に,可食性であるので食べても無害であるためである。この外,粒状物は研磨作用を奏するものであればよく,樹脂ペレットなどの無機質材料であってもよい。なお,前記パールタピオカは,澱粉質のものをアルファー化して乾燥し,硬度2〜5kgf/cm2に仕上げたものである。前記筒体8に供給された研磨材と原料豆は,前記螺旋羽根7による搬送作用によって順次,工程2に搬送される。
【0022】
工程2は撹拌工程であって,シャフト5に装着した搬送撹拌体4による撹拌作用により,原料豆と研磨材とが混合・撹拌され,豆粒の汚れ部分と研磨材との衝突・摩擦作用が生じ,いわゆる乾式研磨作用によって豆粒の汚れが除去される。しかしながら,工程2では豆粒の汚れが十分に除去できていないので,残留した汚れは以下の工程3以降によって除去されることになる。
【0023】
工程3は分離工程であって,工程2の作用によって汚れ豆粒表面から取れた汚れ(土など)や研磨材を原料豆から分離する。前記汚れ及び研磨材は,原料豆とともに前記分離ネット11上を通過する際に網目を通って落下し,原料豆だけが次工程4に搬送される。
【0024】
工程4は給水工程であって,撹拌される原料豆を給水して湿らせ,前記へそ部も含む豆粒表面に残留した硬化汚れを軟化・浮き上がらせる工程である。好ましい給水量は,原料豆の流量(重量)に対し1%〜2%の範囲である。工程4では,前記撹拌板6による撹拌作用により原料豆が均一に給水される。なお,前述のように撹拌板6は前述の傾斜構造及び撹拌板6先端部と筒体2aとの隙間(X)が前述の範囲としてあることにより,給水中の原料豆が,撹拌板6から直接打撃を受ける割合が少なくなるので,原料豆の砕粒発生の防止や外観品質の低下防止の効果がある。
【0025】
工程5は混合撹拌工程であって,給水した原料豆に,常温で含水率6〜13%の吸着吸水材を供給し混合・撹拌する工程である。吸着吸水材の混合割合は,原料豆:吸着吸水材=1:0.5〜1.0とする。本発明の吸着吸水材は,前記パールタピオカのような,澱粉質のものをアルファー化して含水率6〜13%まで乾燥し,硬度2〜5kgf/cm2に仕上げ造粒したものである。該吸着吸水材も可食性とし,万一,製品豆(清掃終了した豆)に残留しても可食性であるので食べても無害であるためである。給水した原料豆と吸着吸水材とは,前記螺旋羽根18による搬送作用を受けて搬送されながら撹拌板19によって撹拌され,豆粒のへそ部や他の表面に残留している汚れなどが前記吸着吸水材によって吸着除去される。また,吸水量が前述の量であること,及び原料豆に給水された水分の前記吸着吸水材による吸水作用により,豆の水分上昇(吸水)が抑えられ,ふやけ,シワ及び脱皮等の発生を防ぐ作用を奏し,豆粒の外観品質の低下を防止する効果がある。なお,本発明は,原料豆への給水を本工程5(混合撹拌工程)前の工程4で行うことにより,水分が先に吸着吸水材に吸水されることなく,原料豆への均一な給水と残留汚れの軟化等の作用・効果を奏する。
【0026】
工程6は分離工程であって,排出部23から排出した吸着吸水材及び原料豆を豆類清掃装置1とは別の公知の分離装置(シフター)24に供給し,吸着吸水材を原料豆から分離・除去する工程である。この分離工程(工程6)により,目的とする清掃された豆製品が得られる。
【0027】
次に,実施例2を説明する(図5参照)。図5おいては,実施例1と同一の構成部分は図1と同じ符号を用いてある。実施例2は,実施例1における分離工程(工程6)を変更した例である。実施例1の豆類清掃装置1は,第1混合撹拌部2及び第2混合撹拌部3とは別に分離装置(シフター)24を設けたが,実施例2のものは,前記第2混合撹拌部3に分離部25を設けて豆類清掃装置1をコンパクト化したものである。該分離部25は,前記排出部23の上流側直前に位置し,前述の分離部10と同様に,吸着吸水材のみを通過可能にした複数の孔を形成した分離ネット26,及び前記孔を通った吸着吸水材を機外排出する排出口27から構成する。前記分離ネット26を構成するにあたっては,同分離ネット26の経路長さを前記分離ネット11よりも長くした方が好ましい。これは,前工程(混合撹拌)により,分離ネット26上での吸着吸水材は原料豆表面の湿った汚れや水分を吸着して粘着力を有し,吸着吸水材粒子間及び原料豆との間において各粒子が十分に独立分離してないので,分離ネット26の経路を長くすることにより,吸着吸水材が孔を通過(分離)する分離性の向上を図るものである。
【0028】
なお,原料豆と混合・撹拌した後に分離除去された前記研磨材及び吸着吸水材は,それぞれ再利用するようにしてもよい。前記研磨材は,砕粒になっていないもの(再利用可能なもの)をシフターなどの選別機によって選別し,工程2で再利用する。一方,前記吸着吸水材は,リサイクル工程を経ることによって前記吸着吸水材を再生し,工程5で再利用する。該リサイクル工程は,分離除去された吸着吸水材を比重選別機などの選別機によって再利用可能なものと再利用できないもの(砕粒など)とに選別する工程,再利用可能なものは精米機等の表面研削機を通して表面に吸着した土などを除去する工程,及び含水率が6〜13%になるまで乾燥機等で乾燥する工程によって構成するとよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の豆粒清掃装置(実施例1)における縦断面側面図である。
【図2】本発明における豆粒清掃方法のフローである。
【図3】同豆粒清掃装置における要部拡大図(角度α)である。
【図4】同豆粒清掃装置における要部拡大図(隙間X)である。
【図5】同豆粒清掃装置の実施例2である。
【符号の説明】
【0030】
1 豆類清掃装置
2 第1混合撹拌部
2a 筒体(第1の筒体)
3 第2混合撹拌部
3a 筒体(第2の筒体)
4 搬送撹拌体
5 シャフト
6 撹拌板
7 螺旋羽根
8 接続筒
9 供給ホッパ
9a タンク(原料豆)
9b タンク(研磨材)
10 分離部
11 分離ネット
12 排出口
13 給水手段
14 給水口
15 タンク(水)
16 搬送撹拌体
17 シャフト
18 螺旋羽根
19 撹拌板
20 供給部(吸着吸水材)
21 供給口
22 タンク(吸着吸水材)
23 排出部
24 分離装置(シフター)
25 分離部
26 分離ネット
27 排出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
豆類の清掃方法であって,研磨材を原料豆に添加して混合撹拌した後,前記研磨材を原料豆から分離するとともに該原料豆を給水して湿らせ,さらに,湿らせた原料豆に吸着吸水材を添加して混合撹拌し,その後,前記吸着吸水材を原料豆から分離することを特徴とする豆類の清掃方法。
【請求項2】
原料豆への給水量は,原料豆の重量に対し1%〜2%の範囲とすることを特徴とする請求項1に記載の豆類の清掃方法。
【請求項3】
前記研磨材及び吸着吸水材は,粒径を1mm〜2mmとした可食性材料からなる粒状物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の豆類の清掃方法。
【請求項4】
搬送撹拌体を内蔵して横設した第1の筒体の上流側から順に,原料豆及び研磨材を供給して混合・撹拌する原料豆・研磨材供給撹拌部,網目を通って前記研磨材を原料豆から除去する研磨材分離部及び研磨材除去後の原料豆を給水して湿らせる給水部を構成した第1混合撹拌部と,
前記搬送撹拌体を内蔵するとともに,前記第1の筒体の下流端付近と上流側とを連通して横設した第2の筒体の上流側から順に,前記給水された原料豆に吸着吸水材を添加して混合・撹拌する吸着吸水材供給撹拌部,撹拌後の原料豆及び吸着吸水材を排出する排出部を構成した第2混合撹拌部と,
該第2混合撹拌部から排出した原料豆及び吸着吸水材を供給して原料豆から吸着吸水材を除去する分離装置とを備えたことを特徴とする豆類の清掃装置。
【請求項5】
搬送撹拌体を内蔵して横設した第1の筒体の上流側から順に,原料豆及び研磨材を供給して混合・撹拌する原料豆・研磨材供給撹拌部,網目を通って前記研磨材を原料豆から除去する研磨材分離部及び研磨材除去後の原料豆を給水して湿らせる給水部を構成した第1混合撹拌部と,
前記搬送撹拌体を内蔵するとともに,前記第1の筒体の下流端付近と上流側とを連通して横設した第2の筒体の上流側から順に,前記給水された原料豆に吸着吸水材を添加して混合・撹拌する吸着吸水材供給撹拌部,網目を通って吸着吸水材を原料豆から除去する吸着吸水材分離部及び吸着吸水材を分離した原料豆を排出する排出部を構成した第2混合撹拌部とを備えたことを特徴とする豆類の清掃装置。
【請求項6】
前記搬送撹拌体は,シャフトの上流側から順に螺旋羽根及び複数枚の撹拌板を配設したものであって,前記給水部における撹拌板は,原料豆に搬送作用を与える形状でかつ撹拌板先端部と第1の筒体との隙間が原料豆粒径の2倍〜4倍になるように構成したことを特徴とする請求項4乃至請求項5に記載の豆類の清掃装置。
【請求項7】
前記給水部で行う原料豆への給水量は,原料豆の流量に対し1%〜2%の範囲とすることを特徴とする請求項4乃至請求項6に記載の豆類の清掃装置。
【請求項8】
前記研磨材及び吸着吸水材は,粒径を1mm〜2mmとした可食性材料からなる粒状物であることを特徴とする請求項4乃至請求項7に記載の豆類の清掃装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−288335(P2006−288335A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−116615(P2005−116615)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(000001812)株式会社サタケ (223)
【Fターム(参考)】