説明

負荷係数の算出装置、これを含む等価運転時間の算出装置、負荷係数の算出プログラム、及びこれを含む等価運転時間の算出プログラム

【課題】対象機器に対する負荷の度合いを示す負荷係数をコンピュータで求めるにあたって、このコンピュータの負担を軽減する。
【解決手段】負荷係数特性として、複数の負荷係数Lc毎の負荷係数曲線LCにおける、負荷変化量と負荷変化率との複数の組み合わせを受け付け、これら複数の組み合わせを、最大負荷変化率と最大負荷変化量を原点Oとした極座標系による表現である角度と距離との組み合わせに変換する。次に、対象機器の負荷の変化量である対象負荷変化量と負荷の変化率である対象負荷変化率との組み合わせを受け付け、対象負荷変化量と対象負荷変化率との組み合わせを、極座標系による表現である対象角度ODと対象距離OLとの組み合わせに変換し、変換後の負荷係数特性中の複数の負荷係数曲線LCaを用いて、対象角度ODと対象距離DLとの組み合わせに対応する負荷係数OLcを算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象機器に対する負荷の度合いを示す負荷係数を算出する装置、これを含む等価運転時間の算出装置、負荷係数を算出するためのプログラム、及びこれを含む等価運転時間の算出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
タービンやエンジン等の可動機器では、その運転時間を保守点検の目安にすることがある。この場合、保守点検の目安とする運転時間として、機器の実際の運転時間である実運転時間に、機器の起動回数や機器にかかった負荷等を運転時間に換算したものを加えた等価運転時間を用いることがある。
【0003】
以下の特許文献1では、等価運転時間を求める際、機器にかかった負荷を運転時間に換算する過程で用いられる負荷係数を求めている。この負荷に対する負荷係数は、この負荷の負荷変化量と単位時間あたりの負荷変化量である負荷変化率との関係で定められる。そこで、特許文献1では、負荷変化量と負荷変化率とをパラメータとする負荷係数特性を予め準備しておき、この負荷係数特性を用いて、対象負荷の負荷変化量及び負荷変化量に対応する負荷係数を求めている。
【0004】
ここで、負荷係数特性は、図10に示すように、負荷変化率をX軸とし、負荷変化量をY軸とした直交座標系上に、それぞれが互いに異なる負荷係数Lcを示す複数の負荷係数曲線LC,LC,…が示されているものである。各負荷係数曲線LC,LC,…は、直交座標系のX軸に平行な線とY軸に平行な線とを漸近線とする双曲線的な曲線である
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−38795号公報 図8
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1では、コンピュータが、負荷係数特性を用いて、具体的にどのように負荷係数を求めるかの記載がないものの、以下の(1)〜(3)の手順で対象負荷の負荷係数OLcを求めていると考えられる。
【0007】
(1)図10に示すように、負荷係数特性が表されている直交座標系で、対象負荷の負荷変化率である対象負荷変化率ORに対する複数の負荷係数曲線LC,LC,…上の負荷変化量を求める。
(2)複数の負荷係数曲線LC,LC,…毎の、負荷係数曲線LCが示す負荷係数Lcとこの負荷係数曲線上の負荷変化量との関係から、対象負荷変化率ORにおける負荷係数Lcと負荷変化量との関係を示す関数を定める。
(3)対象負荷の負荷変化量である対象負荷変化量を(2)で定めた関数に代入して、対象負荷変化率OR及び対象負荷変化量OVに対する負荷係数OLcを求める。
【0008】
すなわち、以上では、負荷係数Lcが負荷変化率と負荷変化量の2つの変数で定まる負荷係数曲線LCにより定められる値であるため、負荷変化率を対象負荷変化率ORに限定し、負荷係数曲線LCを、負荷変化量のみの1つの変数で負荷係数Lcを定められる関数に変更し、変更後の関数を用いて、対象負荷変化量OVに対する負荷係数OLcを求める。
【0009】
ところで、各負荷係数曲線LC,LC,…は、前述したように、いずれも、直交座標系のX軸に平行な線とY軸に平行な線を漸近線とする双曲線的な曲線であるため、負荷係数曲線LC,LC,…毎にその負荷変化率の範囲が異なっている。このため、対象負荷変化率ORの値に応じて、対応負荷変化率ORに関連する負荷係数曲線LCの数量が異なり、仮に、以上の手順で負荷係数を求める場合、(1)の手順において、対象負荷変化率ORの値に応じて、取り扱う負荷係数曲線LCの数が異なる上に、この結果、求められる負荷変化量の数も異なることになる。
【0010】
したがって、仮に、以上の手順で負荷係数を求める場合、この負荷係数を求めるためのプログラムが複雑化し、コンピュータの負担が大きくなるという問題点が生じる。
【0011】
そこで、本発明は、コンピュータの負担を軽減することができる負荷係数算出のための装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記問題点を解決するための発明に係る負荷係数の算出装置は、
対象機器に対する負荷の度合いを示し、該負荷の負荷変化量と単位時間あたりの負荷変化量である負荷変化率との関係で定まる負荷係数を算出する負荷係数の算出装置において、
負荷係数特性として、複数の負荷係数毎における、当該負荷係数を示す前記負荷変化量と前記負荷変化率との複数の組み合わせを受け付ける係数特性受付手段と、前記係数特性受付手段が受け付けた前記複数の負荷係数毎における、当該負荷係数を示す前記負荷変化量と前記負荷変化率との複数の組み合わせを、負荷変化量と負荷変化率とをパラメータとする直交座標系での最大負荷変化率と最大負荷変化量を原点とした極座標系による表現である角度と距離との組み合わせに変換する係数特性座標変換手段と、前記係数特性座標変換手段による変換で得られた、前記複数の負荷係数毎における、前記極座標系による表現である前記角度と前記距離との複数の組み合わせで表される負荷係数特性が記憶される係数特性記憶手段と、対象機器の負荷の変化量である対象負荷変化量と該負荷の変化率である対象負荷変化率との組み合わせを受け付ける機器情報受付手段と、前記機器情報受付手段が受け付けた前記対象負荷変化量と前記対象負荷変化率との組み合わせを、前記極座標系による表現である対象角度と対象距離との組み合わせに変換する負荷座標変換手段と、前記記憶手段に記憶されている前記負荷係数特性を用いて、前記対象角度と前記対象距離との組み合わせに対応する前記負荷係数を算出する係数算出手段と、前記負荷係数算出手段が算出した前記負荷係数が記憶される係数記憶手段と、を備えていることを特徴とする。
【0013】
当該算出装置では、負荷に対する負荷係数を求めるにあたり、角度と距離とをパラメータとする負荷係数特性を用いるため、この負荷係数特性中の全負荷係数毎の負荷係数曲線(角度と距離とにより定まる一定の負荷係数を示す曲線)が0〜90°の全角度において定義され、対象角度の値が変わっても、取り扱う負荷係数曲線の数が異なることが無く一定である。よって、当該算出装置では、この負荷係数を求めるためのプログラムが簡略化し、コンピュータの負担を軽減することができる。
【0014】
ここで、前記算出装置において、前記係数算出手段は、前記係数特性記憶手段に記憶されている前記負荷係数特性で、前記対象角度に対する複数の負荷係数毎の距離を求め、複数の該負荷係数毎の距離から負荷係数と距離との関係を示す関数を定める関数設定手段と、該関数設定手段が定めた前記関数に、前記対象距離を代入して、前記対象機器の負荷に対する負荷係数を求める係数演算手段と、を有してもよい。
【0015】
上記問題点を解決するための発明に係る等価運転時間の算出装置は、
前記負荷係数の算出装置を含み、前記負荷係数の算出装置が求める前記負荷係数は、前記対象機器の一回の起動に伴う該対象機器に対する負荷を基準にした係数で、何回分の起動による負荷に相当するかを示す〈負荷−起動回数〉換算係数であり、前記機器情報受付手段は、前記対象機器の起動回数及び総運転時間を受け付け、さらに、前記対象機器に対する負荷のうちで負荷変化率が予め定められた値以上の特定の負荷毎の前記〈負荷−起動回数〉換算係数の合計値と、前記機器情報受付手段が受け付けた前記起動回数とを加算して、等価起動回数を求める等価起動回数演算手段と、起動回数を運転時間に換算するための予め定められた〈回数−時間〉換算係数を前記等価起動回数に掛けた値と、前記機器情報受付手段が受け付けた前記総運転時間とを加算して、等価運転時間を求める等価運転時間演算手段と、を備えていることを特徴とする。
【0016】
当該等価運転時間の算出装置では、対象機器の起動回数、対象機器に対する負荷を考慮した等価運転時間を得ることができる。
【0017】
ここで、前記等価運転時間の算出装置において、前記対象機器は、発電機と機械的に接続され、該発電機を駆動させて発電させるタービンであり、前記機器情報受付手段は、前記タービンのトリップ回数と、前記発電機の出力が遮断された回数である遮断回数とを受け付け、前記等価運転時間算出手段は、前記特定の負荷毎の前記〈負荷−起動回数〉換算係数の合計値と、前記機器情報受付手段が受け付けた前記起動回数と、前記総運転時間と、予め定められた〈トリップ回数−起動回数〉換算係数に前記トリップ回数を掛けた値と、予め定められた〈遮断回数−起動回数〉換算係数に前記遮断回数を掛けた値とを加算して、前記等価運転時間を求めてもよい。
【0018】
当該等価運転時間の算出装置では、さらに、対象機器であるタービンのトリップ回数、タービンに接続されている発電機の遮断回数を考慮した等価運転時間を得ることができる。
【0019】
上記問題点を解決するための発明に係る他の等価運転時間の算出装置は、
前記負荷係数の算出装置を含み、前記負荷係数の算出装置が求める前記負荷係数は、単位運転時間での前記対象機器に対する負荷を基準にした係数で、何時間分の運転時間による負荷に相当するかを示す〈負荷−運転時間〉換算係数であり、前記機器情報受付手段は、前記対象機器の起動回数及び総運転時間を受け付け、さらに、前記対象機器に対する負荷のうちで負荷変化率が予め定められた値以上の特定の負荷毎の前記〈負荷−運転時間〉換算係数の合計値と、起動回数を運転時間に換算するための予め定められた〈回数−時間数〉換算係数を前記機器情報受付手段が受け付けた前記起動回数に掛けた値と、前記総運転時間とを加算して、等価運転時間を求める等価運転時間演算手段と、を備えていることを特徴とする。
【0020】
当該等価運転時間の算出装置でも、対象機器の起動回数、対象機器に対する負荷を考慮した等価運転時間を得ることができる。しかも、当該等価運転時間の算出装置では、等価起動回数の算出を省くことができるので、コンピュータの負担を軽減することができる。
【0021】
ここで、前記等価運転時間の算出装置において、前記対象機器は、発電機と機械的に接続され、該発電機を駆動させて発電させるタービンであり、前記機器情報受付手段は、前記タービンのトリップ回数と、前記発電機の出力が遮断された回数である遮断回数とを受け付け、前記等価運転時間演算手段は、前記特定の負荷毎の前記〈負荷−運転時間〉換算係数の合計値と、前記〈回数−時間数〉換算係数を前記機器情報受付手段が受け付けた前記起動回数に掛けた値と、前記総運転時間と、トリップ回数を運転時間に換算するための予め定めた〈トリップ回数−運転時間〉換算係数を前記機器情報受付手段が受け付けた前記トリップ回数に掛けた値と、遮断回数を運転時間に換算するための予め定めた〈遮断回数−運転時間〉換算係数を前記機器情報受付手段が受け付けた前記遮断回数に掛けた値とを加算して、前記等価運転時間を求めてもよい。
【0022】
当該等価運転時間の算出装置では、さらに、対象機器であるタービンのトリップ回数、タービンに接続されている発電機の遮断回数を考慮した等価運転時間を得ることができる。
【0023】
また、前記問題点を解決するための発明に係る負荷係数の算出プログラムは、
対象機器に対する負荷の度合いを示し、該負荷の負荷変化量と単位時間あたりの負荷変化量である負荷変化率との関係で定まる負荷係数を算出する負荷係数の算出プログラムにおいて、コンピュータの入力装置により、負荷係数特性として、複数の負荷係数毎における、当該負荷係数を示す前記負荷変化量と前記負荷変化率との複数の組み合わせを受け付ける係数特性受付ステップと、前記係数特性受付ステップで受け付けた前記複数の負荷係数毎における、当該負荷係数を示す前記負荷変化量と前記負荷変化率との複数の組み合わせを、負荷変化量と負荷変化率とをパラメータとする直交座標系での最大負荷変化率と最大負荷変化量を原点とした極座標系による表現である角度と距離との組み合わせに変換し、該変換で得られた前記複数の負荷係数毎における該角度と該距離との組み合わせで表される負荷係数特性を前記コンピュータの記憶装置に記憶する特性座標変換ステップと、を前記コンピュータに実行させる準備モジュールを有すると共に、
前記コンピュータの入力装置により、前記対象機器の負荷の変化量である対象負荷変化量と該負荷の変化率である対象負荷変化率との組み合わせを受け付ける機器情報受付ステップと、前記機器情報受付ステップで受け付けた前記対象負荷変化量と前記対象負荷変化率との組み合わせを、前記極座標系による表現である対象角度と対象距離との組み合わせに変換する負荷座標変換ステップと、前記記憶装置に記憶されている前記負荷係数特性を用いて、前記対象角度と前記対象距離との組み合わせに対応する前記負荷係数を算出し、該負荷係数を前記記憶装置に記憶する係数算出ステップと、を前記コンピュータに実行させる算出モジュールを有することを特徴とする。
【0024】
当該算出プログラムでは、このプログラムの実行で負荷に対する負荷係数を求めているにあたり、角度と距離とをパラメータとする負荷係数特性を用いるため、この負荷係数特性中の全負荷係数毎の負荷係数曲線(角度と距離とにより定まる一定の負荷係数を示す曲線)が0〜90°の全角度において定義され、対象角度の値が変わっても、取り扱う負荷係数曲線の数が異なることが無く一定である。よって、当該算出プログラムは簡略化し、コンピュータの負担を軽減することができる。
【0025】
ここで、前記負荷係数の算出プログラムにおいて、前記係数算出ステップでは、前記記憶装置に記憶されている前記負荷係数特性で、前記対象角度に対する複数の負荷係数毎の距離を求め、複数の該負荷係数毎の距離から負荷係数と距離との関係を示す関数を定める関数設定ステップと、該関数設定ステップで定めた前記関数に、前記対象距離を代入して、前記対象機器の負荷の負荷係数を求める係数演算ステップと、を前記コンピュータに実行させてもよい。
【0026】
前記問題点を解決するための発明に係る等価運転時間の算出プログラムは、
前記負荷係数の算出プログラムを含み、前記係数算出ステップで算出する前記負荷係数は、前記対象機器の一回の起動に伴う該対象機器に対する負荷を基準にした係数で、何回分の起動による負荷に相当するかを示す〈負荷−起動回数〉換算係数であり、前記準備モジュールでは、起動回数を運転時間に換算するための予め定められた〈回数−時間〉換算係数を受け付けて、該〈回数−時間〉換算係数を前記記憶装置に記憶する係数受付ステップを前記コンピュータに実行させ、前記算出モジュールでは、前記機器情報受付ステップで、前記対象機器の起動回数及び総運転時間を受け付け、さらに、前記対象機器に対する負荷のうちで負荷変化率が予め定められた値以上の特定の負荷毎の前記〈負荷−起動回数〉換算係数の合計値と、前記機器情報受付ステップで受け付けた前記起動回数とを加算して、等価起動回数を求める等価起動回数演算ステップと、前記記憶装置に記憶されている前記〈回数−時間〉換算係数を前記等価起動回数に掛けた値と、前記機器情報受付手段で受け付けた前記総運転時間とを加算して、等価運転時間を求める等価運転時間演算ステップと、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0027】
当該等価運転時間の算出プログラムでは、対象機器の起動回数、対象機器に対する負荷を考慮した等価運転時間を得ることができる。
【0028】
また、前記問題点を解決するための発明に係る他の等価運転時間の算出プログラムは、
前記負荷係数の算出プログラムを含み、前記係数算出ステップで算出する前記負荷係数は、単位運転時間での前記対象機器に対する負荷を基準にした係数で、何時間分の運転時間による負荷に相当するかを示す〈負荷−運転時間〉換算係数であり、前記準備モジュールでは、起動回数を運転時間に換算するための予め定められた〈回数−時間〉換算係数を受け付けて、該〈回数−時間〉換算係数を前記記憶装置に記憶する係数受付ステップを前記コンピュータに実行させ、前記算出モジュールでは、前記機器情報受付ステップで、前記対象機器の起動回数及び総運転時間を受け付け、さらに、前記対象機器に対する負荷のうちで負荷変化率が予め定められた値以上の特定の負荷毎の前記〈負荷−運転時間〉換算係数の合計値と、前記記憶装置に記憶されている前記〈回数−時間〉換算係数を前記機器情報受付ステップで受け付けた前記起動回数に掛けた値と、前記総運転時間とを加算して、等価運転時間を求める等価運転時間演算ステップと、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0029】
当該等価運転時間の算出プログラムでも、対象機器の起動回数、対象機器に対する負荷を考慮した等価運転時間を得ることができる。しかも、当該等価運転時間の算出プログラムでは、等価起動回数の算出を省くことができるので、コンピュータの負担を軽減することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明では、負荷係数を求めるためのプログラムが簡略化し、コンピュータの負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る第一実施形態におけるタービン設備、その制御装置、データロガー装置、等価運転時間の算出装置の関係を示す説明図である。
【図2】本発明に係る第一実施形態におけるデータロガー装置の機能ブロック図である。
【図3】本発明に係る第一実施形態における等価運転時間の算出装置の機能ブロック図図である。
【図4】本発明に係る第一実施形態における等価運転時間の算出装置の準備過程での動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る第一実施形態における等価運転時間の算出装置の算出過程での動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る第一実施形態における負荷係数特性のデータを示す説明図で、同図(a)は変換前の負荷係数特性のデータを示し、同図(b)は変換後の負荷係数特性のデータを示す。
【図7】本発明に係る第一実施形態における複数の負荷係数曲線を含む負荷係数特性を示す説明図で、同図(a)は変換前の負荷係数特性を示し、同図(b)は変換後の負荷係数特性を示す。
【図8】本発明に係る第一実施形態で、距離と負荷係数との関係を定める関数から負荷係数の求める方法を示す説明図である。
【図9】本発明に係る第二実施形態における等価運転時間の算出装置の機能ブロック図である。
【図10】負荷変化率と負荷変化量とをパラメータとする負荷係数特性を用いて、負荷係数を求める方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明に係る等価運転時間の算出装置の各種実施形態について説明する。
【0033】
「第一実施形態」
まず、図1〜図8を用いて、本発明に係る等価運転時間の算出装置の第一実施形態について説明する。
【0034】
本実施形態の算出装置は、図1に示すように、タービン発電設備におけるタービン1の等価運転時間を算出する装置である。タービン発電設備は、タービン1と、このタービン1と機械的に接続され、このタービン1の駆動で発電する発電機2と、これらの動作を制御する制御装置10と、を備えている。
【0035】
算出装置200は、制御装置10からの各種信号が示すデータを蓄積するデータロガー装置100から得られた情報に基づいて等価運転時間を算出する。
【0036】
ここで、等価運転時間は、タービン1の実際の総運転時間である総実運転時間に、タービン1の起動回数やタービン1にかかった負荷等を運転時間に換算したものを加えた時間である。具体的に、以下の(数1)に示すように、等価運転時間Heは、総実運転時間Hrと、等価起動回数Seに〈回数−時間〉換算係数Aを掛けたもの(Se×A)を加えた時間である。また、等価起動回数Seは、以下の(数2)に示すように、タービン1の実際の起動回数Snと、タービン1の実際のトリップ回数Tnに〈トリップ回数−起動回数〉換算係数Tcを掛けたもの(Tn×Tc)と、発電機2の実際の遮断回数Bnに〈遮断回数−起動回数〉換算係数Bcを掛けたもの(Bn×Bc)と、タービン1に対する各負荷毎の〈負荷−起動回数〉換算係数Lcの合計値(ΣLc)と、を加算したものである。
【0037】
He=Hr+Se×A ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(数1)
【0038】
Se=Sn+Tn×Tc+Bn×Bc+ΣLc ・・・・・・・・・・・(数2)
【0039】
なお、〈回数−時間〉換算係数Aは、タービン1の起動回数を運転時間に換算するための予め定められた係数で、以下では単に起動係数Aとする。また、〈トリップ回数−起動回数〉換算係数Tcは、タービン1のトリップ回数をタービン1の起動回数に換算するための予め定められた係数で、以下では単にトリップ係数Tcとする。〈遮断回数−起動回数〉換算係数Bcは、発電機2の遮断回数をタービン1の起動回数に換算するための予め定められた係数で、以下では単に遮断係数Bcとする。〈負荷−起動回数〉換算係数Lcは、タービン1の一回の起動に伴うタービン1に対する負荷を基準にした係数で、何回分の起動による負荷に相当するかを示す係数で、以下では単に負荷係数Lcとする。この負荷係数Lcは、負荷の負荷変化量と単位時間あたりの負荷変化量である負荷変化率で定まる係数で、この負荷係数Lcの求め方については後述する。
【0040】
データロガー装置100は、図2に示すように、コンピュータであり、各種演算処理を行うCPU110と、ハードディスクドライブ装置等の記憶装置130と、通信ネットワーク5を介して制御装置10や算出装置200と通信する通信装置101と、CPU110のワークエリア等になるメモリ102と、キーボードやマウス等の入力装置104と、表示装置105と、入力装置104や表示装置105の入出力インタフェース103と、ディスク型記憶媒体109に対してデータの記憶処理や再生処理を行う記憶・再生装置106と、を有している。
【0041】
記憶装置130には、データロガープログラム131及び通信制御プログラム132等の各種プログラムが予め格納されている。これらのプログラム131,132は、記憶・再生装置106を介して、ディスク型記憶媒体109から記憶装置130に取り込まれる。なお、これらのプログラム131,132は、通信装置101を介して外部の装置から記憶装置130に取り込まれてもよい。
【0042】
この記憶装置130には、さらに、データロガープログラム131の実行過程で、各種データが格納される。具体的に、タービン1の実際の総運転時間である総実運転時間133と、タービン1の起動回数134と、タービン1のトリップ回数135と、発電機2の遮断回数136と、タービン1の負荷毎の負荷特性が示されている負荷特性テーブル137とが記憶装置130に格納される。
【0043】
CPU110は、機能的に、各種データのログを取るデータロガー部111と、通信装置101を制御する通信制御部125と、を有している。なお、データロガー部111は、記憶装置130に格納されているデータロガープログラム131をCPU110が実行することで機能し、通信制御部125は、記憶装置130に格納されている通信制御プログラム132をCPU110が実行することで機能する。
【0044】
データロガー部111は、通信装置101を介して制御装置10からタービン1の回転数を受け付けるタービン回転数受付部112と、通信装置101を介して制御装置10からタービン1の起動信号を受け付ける起動信号受付部113と、通信装置101を介して制御装置10からタービン1のトリップ信号を受け付けるトリップ信号受付部114と、通信装置101を介して制御装置10から発電機2の遮断信号を受け付ける遮断信号受付部115と、通信装置101を介して制御装置10からタービン1にかかる負荷を示す負荷信号を受け付ける負荷信号受付部116と、タービン1の回転数からタービン1の運転時間を算出する運転時間算出部117と、起動信号を受け付けた回数をカウントする起動回数カウント部118と、トリップ信号を受け付けた回数をカウントするトリップ回数カウント部119と、遮断信号を受け付けた回数をカウントする遮断回数カウント部121と、負荷信号が示す負荷からその最小値及び最大値を抽出する最小・最大値抽出部122と、負荷毎の負荷変化量及び負荷変化率を求める負荷変化量・変化率演算部123と、データを表示装置105に又は制御装置10を介して外部に出力する出力部124と、を有している。
【0045】
算出装置200は、図3に示すように、コンピュータであり、各種演算処理を行うCPU210と、ハードディスクドライブ装置等の記憶装置230と、通信ネットワーク5を介してデータロガー装置100等と通信する通信装置201と、CPU210のワークエリア等になるメモリ202と、キーボードやマウス等の入力装置204と、表示装置205と、入力装置204や表示装置205の入出力インタフェース203と、ディスク型記憶媒体209に対してデータの記憶処理や再生処理を行う記憶・再生装置206と、を有している。
【0046】
記憶装置230には、等価運転時間算出プログラム231及び通信制御プログラム232等の各種プログラムが予め格納されている。これらのプログラム231,232は、記憶・再生装置206を介して、ディスク型記憶媒体209から記憶装置230に取り込まれる。なお、これらのプログラム231,232は、通信装置201を介して外部の装置から記憶装置230に取り込まれてもよい。また、記憶装置230に予め格納されている等価運転時間算出プログラム231には、負荷係数算出プログラム231Lが含まれている。
【0047】
この記憶装置230には、さらに、等価運転時間算出プログラム231の実行過程で、各種データが格納される。具体的に、前述の起動係数233、トリップ係数234、遮断係数235及び負荷係数236と、タービン1の総実運転時間237と、タービン1の起動回数238と、タービン1のトリップ回数239と、発電機2の遮断回数241と、データロガー装置100から受け付けた負荷特性テーブル137である変換前の負荷特性テーブル242と、この変換前の負荷特性テーブル242での負荷特性の表現形式が変換された変換後の負荷特性テーブル243と、負荷係数の特性である負荷係数特性244と、等価運転時間245と、が記憶装置230に格納される。なお、変換の前後の負荷特性テーブル242,243のデータ、及び負荷係数特性244については後述する。
【0048】
CPU210は、機能的に、等価運転時間を算出する等価運転時間算出部211と、通信装置201を制御する通信制御部229と、を有している。なお、等価運転時間算出部211は、記憶装置230に格納されている等価運転時間算出プログラム231をCPU210が実行することで機能し、通信制御部229は、記憶装置230に格納されている通信制御プログラム232をCPU210が実行することで機能する。
【0049】
等価運転時間算出部211は、等価運転時間の算出のための準備を行う準備モジュール部212と、等価運転時間を算出する算出モジュール部222と、データの入出力制御を行う入出力部219と、を有している。準備モジュール部212は、前述の起動係数、トリップ係数及び遮断係数を受け付ける係数受付部213と、負荷係数特性を受け付ける係数特性受付部214と、負荷係数特性を表現する座標系を変換する係数特性座標変換部215と、を有している。また、算出モジュール部222は、タービン1の総実運転時間や負荷特性等をデータロガー装置100から受け付けるタービン情報受付部(機器情報受付手段)223と、データロガー装置100からの受け付けた負荷特性を表現する座標系を変換する負荷特性座標変換部224と、変換後の座標系で表現された負荷特性と変換後の座標系で表現された負荷係数特性とを用いて負荷係数を求めるための関数を定める関数設定部225と、この関数を用いてタービン1にかかった負荷に対する負荷係数を求める係数演算部226と、タービン1の等価起動回数を求める等価起動回数演算部227と、タービン1の等価運転時間を求める等価運転時間演算部228とを有している。
【0050】
なお、準備モジュール部212の係数特性受付部214及び係数特性座標変換部215と、算出モジュール部222のタービン情報受付部223、負荷特性座標変換部224、関数設定部225及び係数演算部226とで、負荷係数算出部221を構成している。この負荷係数算出部221は、等価運転時間算出プログラム231に含まれている負荷係数算出プログラム231LをCPU210が実行することで機能する。
【0051】
また、本実施形態の算出装置200は、以上のように、負荷係数を算出する機能を備えており、負荷係数の算出装置でもある。
【0052】
次に、データロガー装置100の動作について説明する。
【0053】
データロガー装置100のタービン回転数受付部112、起動信号受付部113、トリップ信号受付部114、遮断信号受付部115、負荷信号受付部116は、それぞれ、制御装置10から、タービン回転数、起動信号、トリップ信号、遮断信号、負荷信号を受け付ける。これらの受付部112〜116が制御装置10から信号等を受け付ける期間、つまりデータ収集期間は、同一の期間で、例えば、タービン1の定期検査が終了した直後から、次の定期検査が開始される直前までの期間等である。なお、起動信号は、例えば、オペレータがタービン1に対して起動指示を与えた際に制御装置10が発生する信号で、トリップ信号は、例えば、タービン1に設けられているトリップ回路等から発せられたトリップ信号を制御装置10が受信した信号である。また、遮断信号は、例えば、発電機2の主回路中に設けられている遮断器から発せられた遮断信号を制御装置10が受信した信号で、負荷信号は、例えば、発電機2に設けられている出力計からの出力(負荷)信号を制御装置10が受信した信号である。
【0054】
運転時間算出部117は、データ収集期間中に受け付けたタービン回転数が予め定められた回転数以上になると時間計測を開始し、予め定められた回転数未満になると、時間計測を終了する。この運転時間算出部117は、タービン回転数で予め定められた回転数以上になる毎に時間計測を実行し、記憶装置130に既に格納されている総実運転時間133にこの時間を加算する。
【0055】
起動回数カウント部118は、データ収集期間中に受け付けた起動信号の回数をカウントし、これをタービン1の起動回数134として記憶装置130に格納する。トリップ回数カウント部119は、データ収集期間中に受け付けたトリップ信号の回数をカウントし、これをタービン1のトリップ回数135として記憶装置130に格納する。遮断回数カウント部121は、データ収集期間中に受け付けた遮断信号の回数をカウントし、これを発電機2の遮断回数136として記憶装置130に格納する。
【0056】
最小・最大値抽出部122は、負荷信号受付部116がデータ収集期間中に受け付けた負荷信号が示す負荷に関して、最小値及び最大値を抽出する。この際、最小・最大値抽出部122は、データ収集期間より遥かに短い所定期間、例えば、1分間毎にこの1分中の負荷での最小値及び最大値を抽出すると共に、最小値の負荷の負荷信号及び最大値の負荷の負荷信号を負荷信号受付部116が受け付けた時刻を得る。
【0057】
負荷変化量・変化率演算部123は、所定期間の最小値と最大値との差を求め、タービン1の定格負荷に対するこの差の割合を負荷変化量(%)とする。さらに、負荷変化量・変化率演算部123は、最小値を示した時刻と最大値を示した時刻との差である時間を求め、前述の負荷変化量をこの時間で割って負荷変化率(%/min)を求める。そして、負荷変化量・変化率演算部123は、この負荷変化量と負荷変化率の組み合わせを記憶装置130の負荷特性テーブル137に格納する。但し、負荷変化量・変化率演算部123は、予め定められた値(例えば、5%/min)未満の負荷変化率、及びこれに対応する負荷変化量に関して、負荷特性テーブル137に格納しない。負荷変化量・変化率演算部123は、最小・最大値抽出部122が抽出した所定期間毎の最小値及び最大値に関して、以上の処理を実行する。この結果、記憶装置130の負荷特性テーブル137には、データ収集期間中の所定期間毎の負荷変化量と負荷変化率の組み合わせが格納される。
【0058】
次に、算出装置200の動作について説明する。
【0059】
この算出装置200のオペレータは、この算出装置200の準備モジュール部212をまず起動し、この準備モジュール部212による等価運転時間の算出のための準備を実行させる。
【0060】
まず、準備モジュール部212の係数受付部213は、入力装置204から入出力部219を介して、起動係数233、トリップ係数234、遮断係数235を受け付け、これらを記憶装置230に格納する(S10)。なお、この係数受付部213は、通信装置201から入出力部219を介して、これらの係数を受け付けてもよい。
【0061】
次に、係数特性受付部214は、入力装置から入出力部219を介して、負荷係数特性のデータを受け付け、これを一時的にメモリ202に格納する(S11)。なお、この係数特性受付部214は、通信装置201から入出力部219を介して、この負荷係数特性のデータを受け付けてもよい。
【0062】
負荷係数特性は、図7(a)に示すように、負荷変化率をX軸とし、負荷変化量をY軸とした直交座標系上に、それぞれが互いに異なる負荷係数Lcを示す複数の負荷係数曲線LC,LC,…が示されているものである。負荷係数Lcは、負荷の度合いを示し、負荷変化率と負荷変化量とのいずれかでも大きくなると、大きくなる係数である。このため、ある値の負荷係数Lcでは、負荷変化率が大きくなると負荷変化量が小さくなり、逆に、負荷変化率が小さくなると負荷変化量が大きくなる。よって、各負荷係数曲線LC,LC,…は、直交座標系のX軸に平行な線とY軸に平行な線とを漸近線とする双曲線的な曲線である。なお、ここでは、複数の負荷係数曲線LC,LC,…として、負荷係数Lcが0の負荷係数曲線LCと、負荷係数Lcが1の負荷係数曲線LCと、負荷係数Lcが2の負荷係数曲線LCと、負荷係数Lcが3の負荷係数曲線LCと、負荷係数Lcが4の負荷係数曲線LCと、負荷係数Lcが5の負荷係数曲線LCと、負荷係数Lcが6の負荷係数曲線LCとがある。
【0063】
係数特性受付部214が受け付ける負荷係数特性のデータは、図6(a)に示すように、複数の負荷係数Lc毎における、負荷係数Lcを示す負荷変化量と負荷変化率との複数の組み合わせである。係数特性受付部214は、この図6(a)に示す負荷係数特性のデータを、前述したように、一時的にメモリ202に格納する。
【0064】
次に、準備モジュールの係数特性座標変換部215は、メモリ202に格納されている負荷係数特性のデータを表現する座標系を変換し、座標変換後の負荷係数特性のデータを一時的にメモリ202に格納する(S12)。メモリ202に格納されている変換前の負荷係数特性のデータは、図7(a)を用いて前述したように、負荷変化率をX軸とし、負荷変化量をY軸とした直交座標系上に示されている複数の負荷係数曲線LC,LC,…上の負荷変化量と負荷変化率との複数の組み合わせである。係数特性座標変換部215は、この各負荷係数Lcを示す負荷変化量と負荷変化率との複数の組み合わせを、直交座標系での最大負荷変化率(100%/min)と最大負荷変化量(100%)を原点Oとした極座標系による表現である角度と距離との組み合わせに変換する。
【0065】
例えば、負荷係数Lcが4の負荷係数曲線LC上で、負荷変化率60(%/min)で、負荷変化量50(%)の組み合わせが示す点LA(60,50)と、前述の原点O(100,100)との距離を以下の(数3)で求める。また、これらの点LAと点Oを結ぶ線分の角度を以下の(数4)で求める。
【0066】
距離=((100−負荷変化率(60))+(100−負荷変化量(50)1/2
・・・・・・・・・・・・・・(数3)
【0067】
角度=sin−1((100−負荷変化量(60)
/{(100−負荷変化率(60))+(100−負荷変化量(50))}1/2
・・・・・・・・・・・・・・(数4)
【0068】
そして、係数特性座標変換部215は、図6(b)に示すように、変化後の負荷係数特性のデータ、つまり、複数の負荷係数Lc毎における、負荷係数Lcを示す角度と距離との複数の組み合わせを一時的にメモリ202に格納する。
【0069】
次に、係数特性座標変換部215は、図7(b)に示すように、角度と距離とをパラメータとする座標系上で、ある負荷係数Lcに関して、角度と距離との組み合わせが示す複数の点相互を例えば直線補完して、この負荷係数Lcを示す角度と距離を変数とした折線関数LCaを作成する。係数特性座標変換部215は、この処理を全ての負荷係数Lcについて実行し、各処理で作成した複数の負荷係数Lc毎の折線関数LCaの束を変換後の負荷係数特性244として、記憶装置230に格納する(S13)。
【0070】
なお、ここでは、角度と距離との組み合わせが示す複数の点相互を直線補完して、角度と距離を変数とした折線関数LCaを作成しているが、角度と距離との組み合わせが示す複数の点相互を二次関数や三次関数等で曲線補完して、角度と距離を変数とした関数を作成してもよい。
【0071】
以上で、準備モジュール部212による等価運転時間の算出のための準備が完了し、算出装置200の記憶装置230には、起動係数233、トリップ係数234、遮断係数235、変換後の負荷係数特性244の格納が完了する。なお、ここでは、起動係数233、トリップ係数234、遮断係数235の受付(S10)を最初に行っているが、以上で説明した準備の過程であれば、これらの係数の受付工程(S10)をどのタイミングで行ってもよい。
【0072】
次に、この算出装置200のオペレータは、この算出装置200の算出モジュール部222を起動し、この算出モジュール部222による等価運転時間の算出処理を実行させる。
【0073】
まず、算出モジュール部222のタービン情報受付部223が、データロガー装置100から通信装置201を介して、総実運転時間237、起動回数238、トリップ回数239、遮断回数241、変換前の負荷特性テーブル241のデータ(負荷毎の負荷変化量及び負荷変化率)を受け付け、これらを記憶装置230に格納する(S20)。
【0074】
次に、負荷特性座標変換部224が、記憶装置230に格納されている変換前の負荷特性テーブル242のデータを表現する座標系を変換し、座標変換後の負荷特性のデータを変換後の負荷特性テーブル243として記憶装置230に格納する(S21)。
【0075】
変換前の負荷特性のデータは、負荷変化率をX軸とし、負荷変化量をY軸とした直交座標系上に示されている複数の負荷毎の負荷変化量と負荷変化率との組み合わせである。負荷特性座標変換部224は、負荷係数特性の座標変換の場合と同様、負荷毎に、負荷変化量と負荷変化率との組み合わせを、直交座標系での最大負荷変化率と最大負荷変化量を原点とした極座標系による表現である角度と距離との組み合わせに変換する。この結果、変換後の負荷特性テーブル243には、複数の負荷毎の角度と距離との組み合わせが格納される。
【0076】
次に、関数設定部225が、記憶装置230から変換後の負荷係数特性244を読み出して、これをメモリ202上に展開してから、変換後の負荷特性テーブル243から1つの負荷に関する角度(以下、対象角度とする)ODと距離(対象距離とする)OLとの組み合わせを抽出する(S22)。続いて、関数設定部225は、図7(b)に示すように、対応角度ODに対する負荷係数特性上の距離Lを算出する。負荷係数特性は、複数の負荷係数Lc毎の折線関数(負荷係数曲線)LCaの束である。関数設定部225は、複数の折線関数LCa毎の対象角度ODに対する距離Lを求める。つまり、関数設定部225は、複数の負荷係数Lc毎の対象角度ODに対する距離L0〜Lを求める(S23)。そして、関数設定部225は、対象角度ODに関する複数の負荷係数Lc毎の距離L0〜Lから、図8に示すように、対象角度ODに関する距離Lと負荷係数Lcとの関係を示す関数Fを設定する。関数Fが設定されると、係数演算部226は、この関数Fに、ステップ22で抽出された対象距離OLを代入して、対象角度OD及び対象距離OLに対応する負荷係数OLcを求め、これを負荷係数236として記憶装置230に格納する(S25)。
【0077】
以上のように、負荷係数Lcが角度と距離の2つの変数で定まる折線関数(負荷係数曲線)LCaにより定められる値であるため、本実施形態では、角度を対象角度ODに限定し、折線関数(負荷係数曲線)LCaを、距離のみの1つの変数で負荷係数Lcを定められる関数Fに変更し、変更後の関数Fを用いて、対象距離OLに対する負荷係数OLcを求めている。
【0078】
1つの負荷に対する負荷係数OLcが求められると、等価起動回数演算部227は、変換後の負荷特性テーブル243に格納されている全ての負荷に対する負荷係数OLcの演算が完了したか否かを判断する(S26)。全ての負荷に対する負荷係数OLcの演算が完了していなければ、ステップ22に戻り、全ての負荷に対する負荷係数OLcの演算が完了していれば、等価起動回数演算部227は、記憶装置230からトリップ係数(Tc)234、遮断係数(Bc)235、全ての負荷毎の負荷係数(OLc)236を読み出すと共に、(Sn)238、トリップ回数(Tn)239、遮断回数(Bn)241を読出す(S27)。
【0079】
そして、等価起動回数演算部227は、予め準備されている前述の(数2)に、トリップ係数(Tc)234、遮断係数(Bc)235、全ての負荷毎の負荷係数(Lc)236、起動回数(Sn)238、トリップ回数(Tn)239、遮断回数(Bn)241、を代入して、等価起動回数Seを求める(S28)。
【0080】
等価起動回数Seが求められると、等価運転時間演算部228は、記憶装置230から総実運転時間(Hr)237及び起動係数(A)233を読み出し、予め準備されている前述の(数2)に、総実運転時間Hr、起動係数A、ステップ28で求められた等価起動回数Seを代入して、等価運転時間(He)245を求め、これを記憶装置230に格納する(S29)。
【0081】
以上で、算出モジュール部222での処理が終了する。
【0082】
算出モジュール部222での処理が終了すると、入出力部219は、記憶装置230に格納されている等価運転時間(He)245を表示装置205に表示する(S30)。
【0083】
ところで、「発明が解決しようとする課題」欄で説明したように、負荷変化量と負荷変化率をパラメータとする負荷係数特性を用いて負荷係数Lcを求める場合、対象負荷変化率の値に応じて、取り扱う負荷係数曲線LCの数が異なる上に、この結果、求められる負荷変化量の数も異なることになる。
【0084】
一方、本実施形態では、負荷に対する負荷係数OLcを求めるにあたり、角度と距離とをパラメータとする負荷係数特性を用いるため、この負荷係数特性中の全負荷係数Lc毎の負荷係数曲線LCが0〜90°の全角度において定義され、対象角度ODの値が変わっても、取り扱う負荷係数曲線LCaの数が異なることが無く一定である上に、求められる距離の数も一定である。
【0085】
したがって、本実施形態では、対象負荷に対する負荷係数OLcを求めるためのプログラムが簡略化し、コンピュータの負担を軽減することができる。
【0086】
「第二実施形態」
次に、図9を用いて、本発明に係る等価運転時間の算出装置の第二実施形態について説明する。
【0087】
第一実施形態の等価運転時間の算出装置200は、等価起動回数Seを求めた後、等価運転時間Heを求めるものであるが、本実施形態の等価運転時間の算出装置200aは、この等価起動回数Seを求めることなく、等価運転時間Heを求めるものである。このため、算出装置200aの記憶装置230aに予め格納される等価運転時間算出プログラム231aが第一実施形態と異なっている。
【0088】
等価運転時間Heは、(数1)を用いて前述したように、総実運転時間Hrと、等価起動回数Seに〈回数−時間〉換算係数Aを掛けたもの(Se×A)とを加えた時間である。この(数1)に、等価起動回数Seを示す(数2)を代入すると、以下の(数5)が得られる。
【0089】
He=Hr+A×(Sn+Tn×Tc+Bn×Bc+ΣLc)
=Hr+Sn・A+Tn×(A・Tc)+Bn×(A・Bc)+Σ(A・Lc)
・・・・・・・・・・(数5)
【0090】
本実施形態では、この(数5)において、〈回数−時間〉換算係数Aに〈トリップ回数−起動回数〉換算係数Tcを掛けたもの(A・Tc)を〈トリップ回数−運転時間〉換算係数とし、以下、同様に、(A・Bc)を〈遮断回数−運転時間〉換算係数とし、(A・Lc)を〈負荷−運転時間〉換算係数とし、これらの係数を用いて、等価起動回数を求めることなく、(数5)に従って、等価運転時間を求める。
【0091】
このため、本実施形態の算出装置200aは、第一実施形態の算出装置200における等価起動回数演算部227が無く、第一実施形態の算出装置200における等価運転時間演算部228の換わりに、(数5)に従って等価運転時間を求める等価運転時間演算部228aが設けられている。また、本実施形態の負荷係数算出部221aは、単位運転時間でのタービン1に対する負荷を基準にした係数で、何時間分の運転時間による負荷に相当するかを示す負荷係数、つまり前述の〈負荷−運転時間〉換算係数(A・Lc)を算出する。
【0092】
また、本実施形態の算出装置200aの記憶装置230aに、等価運転時間の算出過程において格納されるトリップ係数234aは〈トリップ回数−運転時間〉換算係数(A・Tc)であり、遮断係数は235aは〈遮断回数−運転時間〉換算係数(A・Bc)であり、負荷係数236aは〈負荷−運転時間〉換算係数(A・Lc)である。
【0093】
また、本実施形態の算出装置200aの記憶装置230aに、等価運転時間の算出過程において格納される負荷係数特性244aは、〈負荷−運転時間〉換算係数(A・Lc)を負荷係数とした場合の特性である。
【0094】
本実施形態の算出装置200aの動作は、第一実施形態の算出装置200の動作と基本的に同じである。但し、本実施形態では、図5に示すステップ27の後、ステップ28における等価起動回数の演算処理を実行せず、直ちに、(数5)に従って等価運転時間を求める点で、第一実施形態と異なっている。
【0095】
以上のように、本実施形態では、等価起動時間の演算処理を省略することができるので、第一実施形態よりもさらに、プログラムが簡略化し、コンピュータの負担を軽減することができる。
【0096】
なお、以上の実施形態では、データロガー装置100と等価運転時間の算出装置200,200aとは別体であるが、データロガー及び等価運転時間の算出の機能を1つの装置で実現するようにしてもよい。
【0097】
また、以上の実施形態は、いずれもタービン1を対象にするものであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、船舶のディーゼルエンジン等、他の機器を対象にしてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1:タービン、2:発電機、10:制御装置、100:データロガー装置、200,200a:等価運転時間の算出装置、101,201:通信装置、102,202:メモリ、104,204:入力装置、105,205:表示装置、110,210:CPU、211:等価運転時間算出部、212:準備モジュール部、213;係数受付部、214:係数特性受付部、215:係数特性座標変換部、221;負荷係数算出部、222:算出モジュール、223:タービン情報受付部、224:負荷特性座標変換部、225:関数設定部、226:係数演算部、227:等価起動回数演算部、228,228a:等価運転時間演算部、219:入出力部、229:通信制御部、130,230:記憶装置、231,231a:等価運転時間算出プログラム、231L:負荷係数算出プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象機器に対する負荷の度合いを示し、該負荷の負荷変化量と単位時間あたりの負荷変化量である負荷変化率との関係で定まる負荷係数を算出する負荷係数の算出装置において、
負荷係数特性として、複数の負荷係数毎における、当該負荷係数を示す前記負荷変化量と前記負荷変化率との複数の組み合わせを受け付ける係数特性受付手段と、
前記係数特性受付手段が受け付けた前記複数の負荷係数毎における、当該負荷係数を示す前記負荷変化量と前記負荷変化率との複数の組み合わせを、負荷変化量と負荷変化率とをパラメータとする直交座標系での最大負荷変化率と最大負荷変化量を原点とした極座標系による表現である角度と距離との組み合わせに変換する係数特性座標変換手段と、
前記係数特性座標変換手段による変換で得られた、前記複数の負荷係数毎における、前記極座標系による表現である前記角度と前記距離との複数の組み合わせで表される負荷係数特性が記憶される係数特性記憶手段と、
対象機器の負荷の変化量である対象負荷変化量と該負荷の変化率である対象負荷変化率との組み合わせを受け付ける機器情報受付手段と、
前記機器情報受付手段が受け付けた前記対象負荷変化量と前記対象負荷変化率との組み合わせを、前記極座標系による表現である対象角度と対象距離との組み合わせに変換する負荷座標変換手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記負荷係数特性を用いて、前記対象角度と前記対象距離との組み合わせに対応する前記負荷係数を算出する係数算出手段と、
前記負荷係数算出手段が算出した前記負荷係数が記憶される係数記憶手段と、
を備えていることを特徴とする負荷係数の算出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の負荷係数の算出装置において、
前記係数算出手段は、前記係数特性記憶手段に記憶されている前記負荷係数特性で、前記対象角度に対する複数の負荷係数毎の距離を求め、複数の該負荷係数毎の距離から負荷係数と距離との関係を示す関数を定める関数設定手段と、該関数設定手段が定めた前記関数に、前記対象距離を代入して、前記対象機器の負荷に対する負荷係数を求める係数演算手段と、
を有することを特徴とする負荷係数の算出装。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の負荷係数の算出装置を含み、
前記負荷係数の算出装置が求める前記負荷係数は、前記対象機器の一回の起動に伴う該対象機器に対する負荷を基準にした係数で、何回分の起動による負荷に相当するかを示す〈負荷−起動回数〉換算係数であり、
前記機器情報受付手段は、前記対象機器の起動回数及び総運転時間を受け付け、
さらに、
前記対象機器に対する負荷のうちで負荷変化率が予め定められた値以上の特定の負荷毎の前記〈負荷−起動回数〉換算係数の合計値と、前記機器情報受付手段が受け付けた前記起動回数とを加算して、等価起動回数を求める等価起動回数演算手段と、
起動回数を運転時間に換算するための予め定められた〈回数−時間〉換算係数を前記等価起動回数に掛けた値と、前記機器情報受付手段が受け付けた前記総運転時間とを加算して、等価運転時間を求める等価運転時間演算手段と、
を備えていることを特徴とする等価運転時間の算出装置。
【請求項4】
請求項3に記載の等価運転時間の算出装置において、
前記対象機器は、発電機と機械的に接続され、該発電機を駆動させて発電させるタービンであり、
前記機器情報受付手段は、前記タービンのトリップ回数と、前記発電機の出力が遮断された回数である遮断回数とを受け付け、
前記等価運転時間算出手段は、前記特定の負荷毎の前記〈負荷−起動回数〉換算係数の合計値と、前記機器情報受付手段が受け付けた前記起動回数と、前記総運転時間と、予め定められた〈トリップ回数−起動回数〉換算係数に前記トリップ回数を掛けた値と、予め定められた〈遮断回数−起動回数〉換算係数に前記遮断回数を掛けた値とを加算して、前記等価運転時間を求める、
ことを特徴とする等価運転時間の算出装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の負荷係数の算出装置を含み、
前記負荷係数の算出装置が求める前記負荷係数は、単位運転時間での前記対象機器に対する負荷を基準にした係数で、何時間分の運転時間による負荷に相当するかを示す〈負荷−運転時間〉換算係数であり、
前記機器情報受付手段は、前記対象機器の起動回数及び総運転時間を受け付け、
さらに、
前記対象機器に対する負荷のうちで負荷変化率が予め定められた値以上の特定の負荷毎の前記〈負荷−運転時間〉換算係数の合計値と、起動回数を運転時間に換算するための予め定められた〈回数−時間数〉換算係数を前記機器情報受付手段が受け付けた前記起動回数に掛けた値と、前記総運転時間とを加算して、等価運転時間を求める等価運転時間演算手段と、
を備えていることを特徴とする等価運転時間の算出装置。
【請求項6】
請求項5に記載の等価運転時間の算出装置において、
前記対象機器は、発電機と機械的に接続され、該発電機を駆動させて発電させるタービンであり、
前記機器情報受付手段は、前記タービンのトリップ回数と、前記発電機の出力が遮断された回数である遮断回数とを受け付け、
前記等価運転時間演算手段は、前記特定の負荷毎の前記〈負荷−運転時間〉換算係数の合計値と、前記〈回数−時間数〉換算係数を前記機器情報受付手段が受け付けた前記起動回数に掛けた値と、前記総運転時間と、トリップ回数を運転時間に換算するための予め定めた〈トリップ回数−運転時間〉換算係数を前記機器情報受付手段が受け付けた前記トリップ回数に掛けた値と、遮断回数を運転時間に換算するための予め定めた〈遮断回数−運転時間〉換算係数を前記機器情報受付手段が受け付けた前記遮断回数に掛けた値とを加算して、前記等価運転時間を求める、
ことを特徴とする等価運転時間の算出装置。
【請求項7】
対象機器に対する負荷の度合いを示し、該負荷の負荷変化量と単位時間あたりの負荷変化量である負荷変化率との関係で定まる負荷係数を算出する負荷係数の算出プログラムにおいて、
コンピュータの入力装置により、負荷係数特性として、複数の負荷係数毎における、当該負荷係数を示す前記負荷変化量と前記負荷変化率との複数の組み合わせを受け付ける係数特性受付ステップと、
前記係数特性受付ステップで受け付けた前記複数の負荷係数毎における、当該負荷係数を示す前記負荷変化量と前記負荷変化率との複数の組み合わせを、負荷変化量と負荷変化率とをパラメータとする直交座標系での最大負荷変化率と最大負荷変化量を原点とした極座標系による表現である角度と距離との組み合わせに変換し、該変換で得られた前記複数の負荷係数毎における該角度と該距離との組み合わせで表される負荷係数特性を前記コンピュータの記憶装置に記憶する特性座標変換ステップと、
を前記コンピュータに実行させる準備モジュールを有すると共に、
前記コンピュータの入力装置により、前記対象機器の負荷の変化量である対象負荷変化量と該負荷の変化率である対象負荷変化率との組み合わせを受け付ける機器情報受付ステップと、
前記機器情報受付ステップで受け付けた前記対象負荷変化量と前記対象負荷変化率との組み合わせを、前記極座標系による表現である対象角度と対象距離との組み合わせに変換する負荷座標変換ステップと、
前記記憶装置に記憶されている前記負荷係数特性を用いて、前記対象角度と前記対象距離との組み合わせに対応する前記負荷係数を算出し、該負荷係数を前記記憶装置に記憶する係数算出ステップと、
を前記コンピュータに実行させる算出モジュールを有することを特徴とする負荷係数の算出プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の負荷係数の算出プログラムにおいて、
前記係数算出ステップでは、前記記憶装置に記憶されている前記負荷係数特性で、前記対象角度に対する複数の負荷係数毎の距離を求め、複数の該負荷係数毎の距離から負荷係数と距離との関係を示す関数を定める関数設定ステップと、該関数設定ステップで定めた前記関数に、前記対象距離を代入して、前記対象機器の負荷の負荷係数を求める係数演算ステップと、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする負荷係数の算出プログラム。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の負荷係数の算出プログラムを含み、
前記係数算出ステップで算出する前記負荷係数は、前記対象機器の一回の起動に伴う該対象機器に対する負荷を基準にした係数で、何回分の起動による負荷に相当するかを示す〈負荷−起動回数〉換算係数であり、
前記準備モジュールでは、
起動回数を運転時間に換算するための予め定められた〈回数−時間〉換算係数を受け付けて、該〈回数−時間〉換算係数を前記記憶装置に記憶する係数受付ステップを前記コンピュータに実行させ、
前記算出モジュールでは、
前記機器情報受付ステップで、前記対象機器の起動回数及び総運転時間を受け付け、
さらに、
前記対象機器に対する負荷のうちで負荷変化率が予め定められた値以上の特定の負荷毎の前記〈負荷−起動回数〉換算係数の合計値と、前記機器情報受付ステップで受け付けた前記起動回数とを加算して、等価起動回数を求める等価起動回数演算ステップと、
前記記憶装置に記憶されている前記〈回数−時間〉換算係数を前記等価起動回数に掛けた値と、前記機器情報受付手段で受け付けた前記総運転時間とを加算して、等価運転時間を求める等価運転時間演算ステップと、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする等価運転時間の算出プログラム。
【請求項10】
請求項7又は8に記載の負荷係数の算出プログラムを含み、
前記係数算出ステップで算出する前記負荷係数は、単位運転時間での前記対象機器に対する負荷を基準にした係数で、何時間分の運転時間による負荷に相当するかを示す〈負荷−運転時間〉換算係数であり、
前記準備モジュールでは、
起動回数を運転時間に換算するための予め定められた〈回数−時間〉換算係数を受け付けて、該〈回数−時間〉換算係数を前記記憶装置に記憶する係数受付ステップを前記コンピュータに実行させ、
前記算出モジュールでは、
前記機器情報受付ステップで、前記対象機器の起動回数及び総運転時間を受け付け、
さらに、
前記対象機器に対する負荷のうちで負荷変化率が予め定められた値以上の特定の負荷毎の前記〈負荷−運転時間〉換算係数の合計値と、前記記憶装置に記憶されている前記〈回数−時間〉換算係数を前記機器情報受付ステップで受け付けた前記起動回数に掛けた値と、前記総運転時間とを加算して、等価運転時間を求める等価運転時間演算ステップと、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする等価運転時間の算出プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−109566(P2013−109566A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253798(P2011−253798)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】