説明

貨幣処理システム

【課題】複数ある貨幣処理装置の設定内容を異なる設定にすることや、また、貨幣処理装置の他に管理装置を特に設けることなく、複数ある貨幣処理装置の設定内容を同一の設定にすること。
【解決手段】送信側貨幣処理装置100sは、送信情報をブロードキャストで送信する送信側送信部85sを有している。受信側貨幣処理装置100rは、送信情報を受信する受信側受信部86rと、所定の設定を行うための受信側設定部10rと、受信側設定部10rの設定内容の確認を行う受信側設定確認部11rと、送信情報に対する応答情報を送信側貨幣処理装置100sに送信する受信側送信部85rと、を有している。送信側貨幣処理装置100sは、応答情報を受信する送信側受信部86sと、所定の設定を行うための送信側設定部10sとを有している。送信側設定部10sは、送信側受信部86sで受信した応答情報に基づいて設定を変更することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨幣を搬送する搬送部と、搬送部で搬送される貨幣を識別する識別部と、貨幣を収納する収納部とを有する貨幣処理装置を、複数個備えた貨幣処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、貨幣を搬送する搬送部と、搬送部で搬送される貨幣を識別する識別部と、貨幣を収納する収納部とを備えた貨幣処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような貨幣処理装置が複数設けられている場合において、各貨幣処理装置の設定内容を変更するには時間と手間がかかる。
【0003】
これを解決する従来技術として、現金処理を行う複数の貨幣処理装置と、複数の貨幣処理装置と伝送路を通じて接続された管理装置とを有する現金処理マルチシステムにおいて、貨幣処理装置は、これを運用するために必要な設定情報を記憶する記憶部と、設定情報を入力する入力手段と、記憶部に記憶された設定情報を管理装置に送信する送信手段と、管理装置から送信されてきた設定情報を受信する受信手段と、入力手段により入力された設定情報または前記受信手段により受信された設定情報を記憶部に記録する記録手段とを有し、管理装置が、ある貨幣処理装置より送信された設定情報を受信し、受信した設定情報を他の複数の貨幣処理装置に同報送信する手段を有したものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−151354号公報
【特許文献2】特開平11−259767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載された発明では、サーバやホストコンピュータなどの管理装置が貨幣処理装置の他に必要となってしまうという課題がある。
【0006】
また、特許文献2に記載された発明では、各貨幣処理装置を同じ設定にすることが想定されており、複数の貨幣処理装置で異なる設定にしたい場合に対応することができない。例えば、貨幣処理装置においてエラーを報知する警告音(音、音声、曲)が発せられる場合があるが、この警告音が全ての貨幣処理装置で同じ設定である場合には、警告音を発した貨幣処理装置を容易に特定することができずに混乱が生ずる場合があった。
【0007】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、複数ある貨幣処理装置の設定内容を異なる設定にすることや、また、貨幣処理装置の他に管理装置を特に設けることなく、複数ある貨幣処理装置の設定内容を同一の設定にすることができる貨幣処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による貨幣処理システムは、
貨幣を処理するための送信側貨幣処理装置と、
貨幣を処理するための受信側貨幣処理装置と、を備え、
前記送信側貨幣処理装置が、送信情報をブロードキャストで送信する送信側送信部を有し、
前記受信側貨幣処理装置が、ブロードキャストで送信される前記送信情報を受信する受信側受信部と、所定の設定を行うための受信側設定部と、該受信側設定部の設定内容の確認を行う受信側設定確認部と、前記送信情報に対する応答情報を前記送信側貨幣処理装置に送信する受信側送信部と、を有し、
前記送信側貨幣処理装置が、前記応答情報を受信する送信側受信部と、所定の設定を行うための送信側設定部とを有し、
前記送信側設定部が、前記応答情報に基づいて設定を変更することができるようになっている。
【0009】
本発明による貨幣処理システムにおいて、
前記応答情報は、前記受信側受信部で受信した前記送信情報と前記受信側設定確認部による確認結果とに基づいて判断された情報を含んでもよい。
【0010】
本発明による貨幣処理システムにおいて、
前記応答情報は、前記受信側設定確認部による確認結果を含み、
前記送信側設定部は、前記送信情報と前記確認結果とに基づいて設定を変更することができてもよい。
【0011】
本発明による貨幣処理システムにおいて、
前記送信側貨幣処理装置は、前記送信情報または前記応答情報を記憶する送信側記憶部を有してもよい。
【0012】
本発明による貨幣処理システムにおいて、
前記受信側貨幣処理装置は、前記送信情報または前記応答情報を記憶する受信側記憶部を有してもよい。
【0013】
本発明による貨幣処理システムにおいて、
前記送信側貨幣処理装置は、前記応答情報を表示する送信側表示部をさらに備えてもよい。
【0014】
本発明による貨幣処理システムにおいて、
前記応答情報は、前記受信側貨幣処理装置を識別するための装置識別情報を含んでもよい。
【0015】
本発明による貨幣処理システムにおいて、
前記送信側貨幣処理装置の前記送信側送信部は、前記受信側受信部に問い合わせ情報を送信し、
前記受信側受信部が前記問い合わせ情報を受けると、前記受信側設定確認部が前記受信側設定部の設定内容の確認を行い、前記受信側送信部が当該設定内容の確認結果を前記送信側受信部に送信してもよい。
【0016】
本発明による貨幣処理システムにおいて、
前記送信側貨幣処理装置は、推奨される設定を確定する推奨設定確定部をさらに有してもよい。
【0017】
本発明による貨幣処理システムにおいて、
前記送信側貨幣処理装置は、異常状態が発生した場合に送信側エラー音を発生させる送信側警告部を有し、
前記受信側貨幣処理装置は、異常状態が発生した場合に受信側エラー音を発生させる受信側警告部を有し、
前記送信側設定部は、前記送信側貨幣処理装置の送信側エラー音を設定し、
前記受信側設定部は、前記受信側貨幣処理装置の受信側エラー音を設定し、
前記送信情報は、前記送信側エラー音に関する情報を含んでもよい。
【0018】
本発明による貨幣処理システムにおいて、
前記送信側設定部は、前記送信側エラー音と前記受信側エラー音が同一である場合に、異なるエラー音を新たな送信側エラー音として設定してもよい。
【0019】
本発明による貨幣処理システムにおいて、
前記応答情報は、前記受信側貨幣処理装置を識別するための装置識別情報を含み、
前記送信側設定部は、前記送信側エラー音と前記受信側エラー音が同一である場合であって、かつ、前記受信側貨幣処理装置と前記送信側貨幣処理装置との間の距離が所定の距離未満である場合に、異なるエラー音を新たな送信側エラー音として設定してもよい。
【0020】
本発明による貨幣処理システムにおいて、
前記送信情報は、前記送信側貨幣処理装置と前記受信側貨幣処理装置で同一になるように設定されるべき共通設定項目に関する情報であってもよい。
【0021】
本発明による貨幣処理システムにおいて、
前記送信側貨幣処理装置は、貨幣の識別を行う送信側識別部を有し、
前記受信側貨幣処理装置は、貨幣の識別を行う受信側識別部を有し、
前記送信側設定部は、前記送信側識別部の識別レベルを設定し、
前記受信側設定部は、前記受信側識別部の識別レベルを設定し、
前記送信情報は、前記送信側識別部の識別レベルに関する情報を含んでもよい。
【0022】
本発明による貨幣処理システムにおいて、
前記送信側貨幣処理装置は、貨幣を収納する送信側収納部を有し、
前記受信側貨幣処理装置は、貨幣を収納する受信側収納部を有し、
前記送信側設定部は、前記送信側収納部に収納されるべき貨幣の金種および枚数を設定し、
前記受信側設定部は、前記受信側収納部に収納されるべき貨幣の金種および枚数を設定し、
前記送信情報は、前記送信側収納部に収納されている貨幣の金種および枚数に関する情報を含んでもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、送信側貨幣処理装置が、送信情報をブロードキャストで送信する送信側送信部を有している。また、受信側貨幣処理装置が、ブロードキャストで送信される送信情報を受信する受信側受信部と、所定の設定を行うための受信側設定部と、受信側設定部の設定内容の確認を行う受信側設定確認部と、送信情報に対する応答情報を送信側貨幣処理装置に送信する受信側送信部とを有している。さらに、送信側貨幣処理装置が、応答情報を受信する送信側受信部と、所定の設定を行うための送信側設定部とを有し、送信側設定部が応答情報に基づいて設定を変更することができるようになっている。このため、本発明によれば、複数ある貨幣処理装置の設定内容を異なる設定にすることや、また、貨幣処理装置の他に管理装置を特に設けることなく複数ある貨幣処理装置の設定内容を同一の設定にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施の形態による貨幣処理装置を示す斜視図。
【図2】本発明の第1の実施の形態による貨幣処理装置の紙幣処理ユニットを示す側方断面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態による貨幣処理装置の硬貨処理ユニットを示す側方断面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態による貨幣処理装置の制御部と各部分との接続状況を示すためのブロック図。
【図5】本発明の第1の実施の形態による貨幣処理システムにおける制御信号の流れを説明するためのブロック図。
【図6】本発明の第1の実施の形態による貨幣処理システムにおける処理の流れを説明するためのフロー図。
【図7】本発明の第2の実施の形態による貨幣処理システムにおける処理の流れを説明するためのフロー図。
【図8】本発明の第1の実施の形態を基本とした第3の実施の形態による貨幣処理システムにおける処理の流れを説明するためのフロー図。
【図9】本発明の第2の実施の形態を基本とした第3の実施の形態による貨幣処理システムにおける処理の流れを説明するためのフロー図。
【図10】本発明の第4の実施の形態による貨幣処理システムにおける処理の流れを説明するためのフロー図。
【図11】本発明の第3および第4の実施の形態の変形例による貨幣処理装置の制御部と各部分との接続状況を示すためのブロック図。
【図12】本発明の第5の実施の形態による貨幣処理システムにおける処理の流れを説明するためのフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
第1の実施の形態
以下、本発明に係る貨幣処理システムの第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図6は本発明の第1の実施の形態を示す図である。なお、本願において「貨幣」とは「硬貨」と「紙幣」の両方を意味している。
【0026】
本実施の形態の貨幣処理システムは、複数の貨幣処理装置を備えている。最初に、各貨幣処理装置の構成について説明する。
【0027】
各貨幣処理装置は、図1に示すように、筐体1と、筐体1に設けられて貨幣を入金するための入金部20,30と、入金部20,30で入金された貨幣を筐体1内で搬送する搬送部120,130(図2および図3参照)と、搬送部120,130で搬送される貨幣を識別する識別部150,155(図2および図3参照)と、筐体1内で貨幣を収納する収納部160,170(図2および図3参照)と、筐体1に設けられて収納部160,170に収納された貨幣を搬送部120,130を介して出金するための出金部25,35(35r,35l)と、を備えている。なお、貨幣処理装置100は、紙幣を処理する紙幣処理ユニットと、硬貨を処理する硬貨処理ユニットとからなっている。
【0028】
入金部20,30は、紙幣を入金するための紙幣入金部20と、硬貨を入金するための硬貨入金部30とを有している。また、搬送部120,130は、紙幣を搬送するための紙幣搬送部120と、硬貨を搬送するための硬貨搬送部130とを有している。また、識別部150,155は、紙幣を識別するための紙幣識別部150と、硬貨を搬送するための硬貨識別部155とを有している。また、出金部25,35は、紙幣を出金するための紙幣出金部25と、硬貨を出金するための硬貨出金部35(35r,35l)とを有している。
【0029】
収納部160,170は、識別部150,155によって識別された貨幣を金種別で収納するための金種別収納庫161,171と、回収貨幣を収納するための回収カセット165,175とを有している。このうち、金種別収納庫161,171は、紙幣識別部150によって識別された紙幣を金種別に収納する複数の金種別紙幣収納庫161と、硬貨識別部155によって識別された硬貨を金種別に収納する複数の金種別硬貨収納庫171とを有している。また、回収カセット165,175は、回収紙幣を収納するために用いられる紙幣カセット165と、回収硬貨を収納するために用いられる硬貨カセット175とを有している。なお、本実施の形態では、金種別紙幣収納庫161と、後述する紙幣リフト162と、紙幣カセット165とによって紙幣収納部160が構成され、金種別硬貨収納庫171と、後述する収納硬貨搬送部172と、硬貨カセット175とによって硬貨収納部170が構成されている。
【0030】
図1に示すように、紙幣入金部20は、筐体1の前面の幅方向中央位置に配置されて開口された紙幣入金口21と、この紙幣入金口21を開閉するために設けられたシャッタ22と、を有している。また、硬貨入金部30は、筐体1の上面手前側の幅方向中央位置に配置されて上方に向けて開口された硬貨入金口31と、この硬貨入金口31を開閉するために設けられたシャッタ(図示せず)と、を有している。なお、紙幣は、紙幣の長手方向を装置幅方向に、紙幣の短手方向を装置奥行き方向にそれぞれ合わせて、紙幣入金口21に挿入されることとなる。
【0031】
また、図2に示すように、金種別紙幣収納庫161内には、金種別紙幣収納庫161内で昇降することで紙幣を昇降させる紙幣リフト162が設けられている。また、図3に示すように、金種別硬貨収納庫171内には、金種別硬貨収納庫171内の硬貨を搬送するための収納硬貨搬送部172が設けられている。なお、収納硬貨搬送部172は、硬貨搬送ベルト173と、この硬貨搬送ベルト173を回転させるプーリー174と、このプーリー174を回転させる駆動モータ(図示せず)を有している。また、収納硬貨搬送部172によって搬送された硬貨は、カセットシュート切換部179によって、硬貨出金部35r,35lに投出されるか、硬貨カセット175に収納されるかが切り換えられる。
【0032】
また、図1に示すように、紙幣出金部25は、筐体1の前面の幅方向中央位置で紙幣入金口21の下方に配置された紙幣出金口26と、この紙幣出金口26を開閉するために設けられたシャッタ(図示せず)とを有している。また、硬貨出金部35(35r,35l)は、筐体1の前面の幅方向左右端位置に設けられて左右のテラー用に設けられた硬貨出金口36(36r,36l)と、各硬貨出金口36(36r,36l)の下方に設けられた凹部に配置されて装置内から払い出される硬貨を受け入れる硬貨出金ボックス37(37r,37l)と、を有している。
【0033】
なお、紙幣出金口26の両側近傍には、紙幣出金口26に紙幣が払い出されたことを点滅表示する紙幣出金ランプが設けられている。また各硬貨出金口36r,36lの近傍には、対応する硬貨出金口36r,36lに硬貨が払い出されたことを点滅表示する硬貨出金ランプがそれぞれ設けられている。ところで、紙幣は、紙幣の長手方向を装置幅方向に、紙幣の短手方向を装置奥行き方向にそれぞれ合わせて、紙幣出金口26から払い出されることとなる。
【0034】
また、図1に示すように、筐体1の前面の幅方向中央位置で紙幣出金口26の下方には、前方に向けて開口された凹部内にリジェクト紙幣を収納するリジェクトボックス42が開閉可能に配置されている。リジェクトボックス42には、凹部内にリジェクトボックス42が挿入された状態で、施錠、解錠するリジェクトボックスキー挿入部45が設けられている。
【0035】
また、図1に示すように、筐体1の上面の幅方向左右端位置には、左右のテラー用にキー入力部61r,61l,66r,66lがそれぞれ設けられている。キー入力部61r,61l,66r,66lは、左右のテラーで紙幣の入出金処理の占有を指示するための紙幣処理ユニット占有キー61r,61lと、左右のテラーで硬貨の入出金処理の占有を指示するための硬貨処理ユニット占有キー66r,66lとを有している。
【0036】
また、図1に示すように、筐体1の前面の紙幣入金口21の右側には、貨幣処理装置100の電源をON/OFFする電源スイッチ5が設けられている。また、紙幣出金口26の左側には、入金処理や出金処理など、例えば銀行窓口のテラーなどの装置利用者が実行可能な通常処理モードから、装填処理、回収処理、精査処理など、例えば銀行の役席レベルの管理者が実行可能な管理者処理モードに切り換え可能にする入金出金モード管理キー51が設けられている。また、紙幣出金口26の右側には、上部ユニット50を施錠、解錠するための上部キー挿入部55が設けられている。なお、この上部ユニット50は、筐体1から前方に引き出すことで筐体1から取り外すことができ、他方、筐体1に向かって押すことによって筐体1に取り付けることができるようになっている。
【0037】
また、図1に示すように、筐体1の前面でリジェクトボックス42が挿入される凹部の下方には、下部扉10が開閉可能に取り付けられている。この下部扉10には、下部扉10の閉鎖状態で施錠、解錠される下部扉キー挿入部15が設けられている。そして、下部扉10の内側には、紙幣カセット165が装置幅方向中央位置に着脱可能に配置されているとともに、この紙幣カセット165に対して装置幅方向の一側に並んで硬貨カセット175が着脱可能に配置されている(図2および図3参照)。
【0038】
また、図1に示すように、筐体1の上面の幅方向中央には装置表示部70が設けられ、筐体1の上面右側には複数のファンクションキー(操作入力部)71が設けられている。装置表示部70では、所定の情報、例えば、他の貨幣処理装置から送られてくる応答情報(後述する)、ファンクションキー71の機能、トラブル時のメッセージ、ガイダンスメッセージなどが表示される。ファンクションキー71では、装置表示部70の表示切換、貨幣処理装置100で行われる処理の選択などの操作が可能になっている。なお、本実施の形態では、装置表示部70と操作入力部71とが別体になっている態様を用いて説明するが、これに限られることはなく、例えば、装置表示部70と操作入力部71とが一体のタッチパネルにより構成される態様であっても構わない。
【0039】
また、図4に示すように、貨幣処理装置100は、情報をブロードキャストで送信する送信部85と、ブロードキャストで送信される送信情報(後述する)や他の貨幣処理装置100から送信されてくる送信情報に対する応答情報などを受信する受信部86と、入金処理や出金処理を行っている際に異常状態が発生した場合にエラー音を発生させる警告部16と、警告部16で発生させるエラー音を設定するための設定部10と、設定部10の設定内容の確認を行う設定確認部11と、受信部86で受信したエラー音に関する送信情報と設定確認部11によって確認されたエラー音に関する情報とに基づいて、これらのエラー音が同一であるかまたは異なっているかを判断するための制御部80と、送信情報または応答情報を記憶する記憶部81と、を有している。なお、本願でエラー音が同一というのは、エラー音が全く同一である場合のみならず、エラー音が類似して紛らわしい場合も含んでいる。なお、これら送信部85、受信部86、警告部16、設定部10、設定確認部11、記憶部81は制御部80を介して互いに接続されている。
【0040】
また、図4に示すように、制御部80には、紙幣搬送部120、紙幣識別部150および紙幣収納部160(とりわけ紙幣リフト162)、並びに、硬貨搬送部130、硬貨識別部155および硬貨収納部170(とりわけプーリー173を回転させる駆動モータ)が接続され、制御部80がこれらを制御する。また、制御部80には、ファンクションキー71および装置表示部70も接続されている。
【0041】
次に、銀行などの金融機関に既に複数の貨幣処理装置100が設置されている状態において、新たに貨幣処理装置100を設置する場合における作用および効果について説明する。
【0042】
なお、新たに設置される貨幣処理装置100を送信側貨幣処理装置100sとして、また、既に設置されている貨幣処理装置100を受信側貨幣処理装置100rとして、以下、説明する。そして、送信側貨幣処理装置100sの送信部85、受信部86、警告部16、設定部10、設定確認部11、制御部80、記憶部81、識別部150,155および収納部160,170を、各々、送信側送信部85s、送信側受信部86s、送信側警告部16s、送信側設定部10s、送信側設定確認部11s、送信側制御部80s、送信側記憶部81s、送信側識別部150s,155sおよび送信側収納部160s,170sとし、受信側貨幣処理装置100rの送信部85、受信部86、警告部16、設定部10、設定確認部11、制御部80、記憶部81、識別部150,155および収納部160,170を、各々、受信側送信部85r、受信側受信部86r、受信側警告部16r、受信側設定部10r、受信側設定確認部11r、受信側制御部80r、受信側記憶部81r、受信側識別部150r,155rおよび受信側収納部160r,170rとして説明する。
【0043】
ところで、図5は、貨幣処理システムにおける制御信号の流れを説明するためのブロック図であるが、この図5では、簡略化するため、図4とは異なり、送信側送信部85s、送信側受信部86s、送信側警告部16s、送信側設定部10s、送信側設定確認部11s、送信側制御部80s、送信側記憶部81s、送信側識別部150s,155sおよび送信側収納部160s,170sと、受信側送信部85r、受信側受信部86r、受信側警告部16r、受信側設定部10r、受信側設定確認部11r、受信側制御部80r、受信側記憶部81r、受信側識別部150r,155rおよび受信側収納部160r,170rのみを示している。
【0044】
以下、図5および図6を用いて、貨幣処理システムにおける処理の流れを説明する。なお、以下で示す「ST」は断りがない限り図6で示された「ST」を意味している。
【0045】
まず、銀行などの金融機関に、送信側貨幣処理装置100sが新たに設置される(ST10)。
【0046】
次に、送信側貨幣処理装置100sの送信側制御部80sによって、送信側貨幣処理装置100sのエラー音(以下、「送信側エラー音」とも言う。)に関する送信情報が、複数の受信側貨幣処理装置100rに向けて、送信側送信部85sを介してブロードキャストで送信される(ST11)。
【0047】
次に、各受信側貨幣処理装置100rの受信側受信部86rによって、ブロードキャストで送信された送信側エラー音に関する送信情報が受信される(ST12)。
【0048】
次に、各受信側貨幣処理装置100rの受信側設定確認部11rによって、受信側設定部10rの設定内容、より具体的には受信側貨幣処理装置100rのエラー音(以下、「受信側エラー音」とも言う。)の確認が行われる(ST13)。そして、受信側制御部80rによって、受信側受信部86rで受信した送信側エラー音に関する送信情報と受信側設定確認部11rによって確認された受信側エラー音に関する情報とに基づいて、送信側エラー音と受信側エラー音とが同一であるかまたは異なっているかが判断される。
【0049】
次に、送信側エラー音と受信側エラー音とが同一であるかまたは異なっているかからなる応答情報が、各受信側送信部85rによって送信側受信部86sに送信される(ST14)。なお、本実施の形態では、送信側エラー音と受信側エラー音とが同一であろうと異なっていようと、応答情報が必ず送信される態様を用いて説明する。しかしながら、これに限られることはなく、送信側エラー音と受信側エラー音とが同一である場合にのみ応答情報が送信される態様であってもよいし、送信側エラー音と受信側エラー音とが異なる場合にのみ応答情報が送信される態様であってもよい。また、どのような場合(送信側エラー音と受信側エラー音とが同一である場合、送信側エラー音と受信側エラー音とが異なっている場合、または、送信側エラー音と受信側エラー音とが同一である場合と異なっている場合の両方の場合のいずれの場合)に応答情報を送信するかは、操作者によって適宜選択可能となっていてもよい。
【0050】
送信側制御部80sが、送信側受信部86sを介して各受信側送信部85rから応答情報を受信すると(ST15)、当該送信側制御部80sによって、応答情報より、送信側エラー音と同一の受信側エラー音があったか確認される(ST20)。なお、送信側エラー音と受信側エラー音とが同一である場合にのみ応答情報が送信される態様では、送信側送信部85sから送信情報が送信されてから一定の時間の間、応答情報が送信側受信部86sで受信されなければ、送信側エラー音と受信側エラー音とが異なるものとして送信側制御部80sで判断される。他方、送信側エラー音と受信側エラー音とが異なる場合にのみ応答情報が送信される態様では、送信側送信部85sから送信情報が送信されてから一定の時間の間、応答情報が送信側受信部86sで受信されなければ、送信側エラー音と受信側エラー音とが同一であるとして送信側制御部80sで判断される。
【0051】
送信側エラー音と各受信側貨幣処理装置100rの受信側エラー音とが異なっている場合には、送信側貨幣処理装置100sの装置表示部(送信側表示部)70に先程送信した送信側エラー音を利用することができる旨表示されるとともに、送信側エラー音が送信側貨幣処理装置100sのエラー音として採用され、送信側設定部10sによって、当該送信側エラー音がエラー音として設定される(ST25)。
【0052】
他方、送信側エラー音と受信側エラー音とが同一の場合には、送信側貨幣処理装置100sの装置表示部70に先程送信した送信側エラー音を利用することができない旨表示される。そして、送信側設定部10sによって、先程送信した送信側エラー音と異なるエラー音が新たな送信側エラー音として設定され、送信側エラー音が変更される(ST26)。その後、再度、送信側貨幣処理装置100sの送信側制御部80sによって、送信側エラー音に関する送信情報が、複数の受信側貨幣処理装置100rに向けて、送信側送信部85sを介してブロードキャストで送信される(ST11)。なお、送信側エラー音を変更する場合には、異なるエラー音が送信側設定部10sによって自動的に選択されてもよいし、操作者からの指示を受けて送信側設定部10sが設定してもよい。
【0053】
以降は、送信側制御部80sで、送信側エラー音と各受信側貨幣処理装置100rの受信側エラー音とが異なっていると判断されるまで、上述した工程が繰り返される。そして、送信側制御部80sによって、送信側エラー音と各受信側貨幣処理装置100rの受信側エラー音と異なっていることが確認された場合に、当該送信側エラー音が送信側貨幣処理装置100sのエラー音として採用される。
【0054】
このように、本実施の形態によれば、貨幣処理装置100の他に管理装置を特に設けることなく、複数ある貨幣処理装置100のエラー音に関する設定を異なる設定に容易にすることができる。
【0055】
また、本実施の形態では、送信した送信側エラー音を利用することができるかどうかを、操作者が装置表示部70を介して随時確認することができるため、エラー音の設定を効率よく行うことができる。
【0056】
ところで、上記では、受信側制御部80rによって、送信側エラー音と受信側エラー音とが同一であるかまたは異なっているかが判断される態様を用いて説明したが、これに限られることはない。例えば、受信側設定確認部11rによって受信側エラー音が確認されると、その受信側エラー音に関する情報が応答情報として送信側制御部80sに送られ、送信側制御部80sで送信側エラー音と同一の受信側エラー音があるかが判断されてもよい。なお、このように送信側制御部80sで送信側エラー音と同一の受信側エラー音があるかが判断される態様は、後述する第2−第4の実施の形態の各々にも適用することができる。
【0057】
第2の実施の形態
次に、図7により、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0058】
第1の実施の形態は、送信側エラー音と同一のエラー音を用いている受信側貨幣処理装置100rがある場合には、一律に、送信側エラー音を変更する態様であったが、本実施の形態では、送信側エラー音と同一のエラー音を用いていると判断された受信側貨幣処理装置100rと送信側貨幣処理装置100sとの間の距離も考慮して、送信側エラー音を変更するかを判断する態様になっている。なお、本実施の形態の応答情報には、受信側貨幣処理装置100rを識別するための装置識別情報が含まれている。第2の実施の形態において、その他の構成は、第1の実施の形態と略同一の態様となっている。
【0059】
図7に示す第2の実施の形態において、図1乃至図6に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0060】
以下、図5および図7を用いて、貨幣処理システムにおける処理の流れを説明する。なお、以下で示す「ST」は断りがない限り図7で示された「ST」を意味している。
【0061】
まず、銀行などの金融機関に、送信側貨幣処理装置100sが新たに設置される(ST10)。
【0062】
次に、送信側貨幣処理装置100sの送信側制御部80sによって、送信側エラー音に関する送信情報が、複数の受信側貨幣処理装置100rに向けて、送信側送信部85sを介してブロードキャストで送信される(ST11)。
【0063】
次に、各受信側貨幣処理装置100rの受信側受信部86rによって、ブロードキャストで送信された送信側エラー音に関する送信情報が受信される(ST12)。
【0064】
次に、各受信側貨幣処理装置100rの受信側設定確認部11rによって、受信側設定部10rの設定内容、より具体的には受信側貨幣処理装置100rの受信側エラー音の確認が行われる(ST13)。そして、受信側制御部80rによって、受信側受信部86rで受信した送信側エラー音に関する送信情報と受信側設定確認部11rによって確認された受信側エラー音に関する情報とに基づいて、送信側エラー音と受信側エラー音とが同一であるかまたは異なっているかが判断される。
【0065】
次に、送信側エラー音と受信側エラー音とが同一であるかまたは異なっているかからなる応答情報が、各受信側送信部85rによって送信側受信部86sに送信される(ST14)。そして、送信側受信部86sを介して送信側制御部80sが、各受信側送信部85rから応答情報を受信すると(ST15)、当該送信側制御部80sによって、応答情報より、送信側エラー音と同一の受信側エラー音があったか確認される(ST20)。
【0066】
ここで、送信側エラー音と各受信側貨幣処理装置100rの受信側エラー音とが異なっている場合には、送信側エラー音が送信側貨幣処理装置100sのエラー音として採用され、送信側設定部10sによって、当該送信側エラー音がエラー音として設定される(ST25)。なおこのとき、送信側貨幣処理装置100sの装置表示部70に、先程送信した送信側エラー音を利用することができる旨表示される。
【0067】
他方、送信側エラー音と受信側エラー音とが同一の場合には、エラー音が同一と判断された受信側貨幣処理装置100rと送信側貨幣処理装置100sとの間の距離が所定の距離以上かが送信側制御部80sで判断される(ST21)。そして、受信側貨幣処理装置100rと送信側貨幣処理装置100sとの間の距離が所定の距離以上である場合には、送信側エラー音が送信側貨幣処理装置100sのエラー音として採用され、送信側設定部10sによって、当該送信側エラー音がエラー音として設定される(ST25)。このとき、送信側貨幣処理装置100sの装置表示部70に、先程送信した送信側エラー音を利用することができる旨表示されることは、上記と同様である。
【0068】
ところで、受信側貨幣処理装置100rと送信側貨幣処理装置100sとの間の距離の判定は、例えば、事前に記憶された各貨幣処理装置100の識別情報と、識別情報と関連付けて記憶された各貨幣処理装置100間の距離情報とに基づいて行うことができる。具体的には、基準となる位置から各貨幣処理装置100までの距離と方角など座標を特定できる情報を、各貨幣処理装置100のIPアドレスと関連付けて記憶しておくことにより、各貨幣処理装置100間の距離を求めることができる。このとき、壁や棚などの障害物による影響やエラー音の周波数特性から、音圧の減衰レベルを考慮した情報とすれば、より正確な判断を行うことが可能となる。
【0069】
また、このような態様だけに限られず、問題となる受信側貨幣処理装置100rから所定周波数、所定音圧の基準音を発し、送信側貨幣処理装置100sで、その基準音を受信し、当該基準音の減衰から距離を判定する態様であっても構わない。
【0070】
上記とは逆に、受信側貨幣処理装置100rと送信側貨幣処理装置100sとの間の距離が所定の距離未満である場合には、送信側貨幣処理装置100sの装置表示部70に先程送信した送信側エラー音を利用することができない旨表示される。そして、送信側設定部10sによって、先程送信した送信側エラー音と異なるエラー音が新たな送信側エラー音として設定され、送信側エラー音が変更される(ST26)。なお、送信側エラー音を変更する場合には、異なるエラー音が送信側設定部10sによって自動的に選択されてもよいし、操作者からの指示を受けて送信側設定部10sが設定してもよい。
【0071】
その後、再度、送信側貨幣処理装置100sの送信側制御部80sによって、送信側エラー音に関する送信情報が、複数の受信側貨幣処理装置100rに向けて、送信側送信部85sを介してブロードキャストで送信される(ST11)。
【0072】
以降は、送信側制御部80sで、送信側エラー音と各受信側貨幣処理装置100rの受信側エラー音とが異なっていると判断されるか、または、エラー音が同一と判断された受信側貨幣処理装置100rと送信側貨幣処理装置100sとの間の距離が所定の距離以上であると判断されるまで、上述した工程が繰り返される。そして、送信側エラー音と各受信側貨幣処理装置100rの受信側エラー音と異なっていると判断されるか、または、場合に、エラー音が同一と判断された受信側貨幣処理装置100rと送信側貨幣処理装置100sとの間の距離が所定の距離以上であると判断されると、当該送信側エラー音が送信側貨幣処理装置100sのエラー音として採用される。
【0073】
ところで、上記では、受信側貨幣処理装置100rと送信側貨幣処理装置100sとの間の距離が所定の距離以上かが送信側制御部80sで判断される態様を用いて説明したが、これに限られることはなく、応答情報に含まれる、受信側貨幣処理装置100rを識別するための装置識別情報に基づいて、操作者が自らの判断で、受信側貨幣処理装置100rと送信側貨幣処理装置100sとの間の距離が、エラー音の混同を生じさせる距離であるか否かを判断してもよい。
【0074】
また、上記では、全ての受信側貨幣処理装置100rのエラー音をとりあえず確認する態様を用いて説明したが、これに限られることはなく、例えば、送信側貨幣処理装置100sから所定の距離未満にある受信側貨幣処理装置100rのエラー音のみを確認し、当該受信側貨幣処理装置100rを対象として、送信側エラー音と同一のエラー音の受信側貨幣処理装置100rがあるかを判断してもよい。なお、このように送信側貨幣処理装置100sから所定の距離未満にある受信側貨幣処理装置100rのみを対象にする態様は、後述する第3の実施の形態で第2の実施の形態を基本とした態様についても適用することができる。
【0075】
このように、本実施の形態によれば、貨幣処理装置100の他に管理装置を特に設けることなく、複数ある貨幣処理装置100のエラー音に関する設定を異なる設定に容易にすることができる。
【0076】
また、本実施の形態によれば、受信側貨幣処理装置100rと送信側貨幣処理装置100sとの間の距離が所定の距離以上離れている場合にのみ、送信側貨幣処理装置100sのエラー音の設定を変える。このため、例え他の貨幣処理装置100で同一のエラー音(類似のエラー音も含む。)が設定されていたとしても、その貨幣処理装置100との距離が所定の距離以上の場合には、当該エラー音を利用することができる。このため、エラー音の選択幅を広げることができる。
【0077】
第3の実施の形態
次に、図8および図9により、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0078】
本実施の形態では、第1の実施の形態の態様または第2の実施の形態の態様に加えて、送信側制御部80sが、送信側送信部85sを介して、ブロードキャストで各受信側受信部86rに問い合わせ情報を送信するように構成されている。
【0079】
そして、受信側受信部86rが問い合わせ情報を受信すると、受信側設定確認部11rが受信側設定部10rで設定されているエラー音の設定内容の確認を行い、受信側送信部85rが当該設定内容の確認結果に関する情報を送信側受信部86sに送信する態様になっている。第3の実施の形態において、その他の構成は、第1の実施の形態または第2の実施の形態と略同一の態様となっている。
【0080】
図8および図9に示す第3の実施の形態において、図1乃至図7に示す第1の実施の形態および第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0081】
最初に、第1の実施の形態の態様を基本とした態様について、図5および図8を用いて説明する。なお、以下で示す「ST」は断りがない限り図8で示された「ST」を意味している。また、ST10−ST21までの記載は、第1の実施の形態と記載が重複するので省略する。
【0082】
送信側制御部80sで、送信側エラー音と同一の受信側エラー音が用いられていると判断された場合には、送信側制御部80sによって、送信側送信部85sを介してブロードキャストで各受信側受信部86r(または、ST14で同一のエラー音を用いていると送信した受信側受信部86r以外の受信側受信部86r)に問い合わせ情報が送信される(ST31)。この際、操作者がファンクションキー71などを操作することで問い合わせ情報が送信されてもよいし、送信側制御部80sが自動的に問い合わせ情報を送信してもよい。
【0083】
そして、受信側受信部86rが問い合わせ情報を受信すると(ST32)、受信側設定確認部11rによって、受信側設定部10rで設定されているエラー音の設定内容の確認が行われる(ST33)。
【0084】
その後、受信側制御部80rによって、受信側送信部85rを介して、当該設定内容の確認結果に関する情報が送信側制御部80sに送信される(ST34)。
【0085】
次に、送信側制御部80sによって、送信側受信部86sを介して、各受信側貨幣処理装置100rから送信された設定内容の確認結果に関する情報が受信される(ST35)。
【0086】
次に、送信側制御部80sによって、送られてきたエラー音の内容が判断される。そして、送信側制御部80sからの指示を受けて、送信側設定部10sによって、既に受信側貨幣処理装置100rで設定されているエラー音と異なるエラー音が送信側エラー音として設定されることで、送信側設定部10sのエラー音が変更される(ST26’)。
【0087】
次に、第2の実施の形態の態様を基本とした態様について、図5および図9を用いて説明する。なお、以下で示す「ST」は断りがない限り図9で示された「ST」を意味している。また、ST10−ST21までの記載は、第2の実施の形態と記載が重複するので省略する。
【0088】
送信側制御部80sで、送信側エラー音と同一の受信側エラー音が用いられていると判断された場合であって、かつ、エラー音が同一と判断された受信側貨幣処理装置100rと送信側貨幣処理装置100sとの間の距離が所定の距離以上であると判断された場合には、送信側制御部80sによって、送信側送信部85sを介してブロードキャストで、送信側貨幣処理装置100sから所定の距離未満にある(一つ以上の)受信側受信部86rに問い合わせ情報が送信される(ST31)。(なおこのとき、ST14で同一のエラー音を用いていると送信した受信側受信部86rには問い合わせ情報を送信しなくてもよい。)
【0089】
そして、受信側受信部86rが問い合わせ情報を受信すると(ST32)、受信側設定確認部11rによって、受信側設定部10rで設定されているエラー音の設定内容の確認が行われる(ST33)。
【0090】
その後、受信側制御部80rによって、受信側送信部85rを介して、当該設定内容の確認結果に関する情報が送信側制御部80sに送信される(ST34)。
【0091】
次に、送信側制御部80sによって、送信側受信部86sを介して、受信側貨幣処理装置100rから送信された設定内容の確認結果に関する情報が受信される(ST35)。
【0092】
次に、送信側制御部80sによって、送られてきたエラー音の内容が判断される。そして、送信側制御部80sからの指示を受けて、送信側設定部10sによって、所定の距離未満にある受信側貨幣処理装置100rで既に設定されているエラー音と異なるエラー音が送信側エラー音として設定されることで、送信側設定部10sのエラー音が変更される(ST26’)。
【0093】
このように、本実施の形態によれば、貨幣処理装置100の他に管理装置を特に設けることなく、複数ある貨幣処理装置100のエラー音に関する設定を異なる設定に容易にすることができる。
【0094】
また、本実施の形態によれば、エラー音を変更する前に、他の貨幣処理装置100で利用されているエラー音を確認することができる。このため、少ない操作回数で迅速に適切なエラー音を設定することができる。
【0095】
第4の実施の形態
次に、図10により、本発明の第4の実施の形態について説明する。
【0096】
本実施の形態では、最初に、送信側制御部80sが、送信側送信部85sを介して、ブロードキャストで各受信側受信部86rに問い合わせ情報を送信するように構成されている。
【0097】
そして、受信側受信部86rが問い合わせ情報を受信すると、受信側設定確認部11rが受信側設定部10rで設定されているエラー音の設定内容の確認を行い、受信側送信部85rが当該設定内容の確認結果に関する情報を送信側受信部86sに送信する態様になっている。
【0098】
図10に示す第4の実施の形態において、図1乃至図9に示す第1乃至第3の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0099】
以下、図5および図10を用いて、貨幣処理システムにおける処理の流れを説明する。なお、以下で示す「ST」は断りがない限り図10で示された「ST」を意味している。
【0100】
まず、銀行などの金融機関に、送信側貨幣処理装置100sが新たに設置される(ST10)。
【0101】
次に、送信側制御部80sによって、送信側送信部85sを介してブロードキャストで各受信側受信部86rに問い合わせ情報が送信される(ST31)。なお、このとき全ての受信側貨幣処理装置100rに問い合わせ情報が送信されるのではなく、送信側貨幣処理装置100sから所定の距離未満にある受信側貨幣処理装置100rのみに問い合わせ情報が送信される態様であってもよい。
【0102】
次に、受信側受信部86rが問い合わせ情報を受信すると(ST32)、受信側設定確認部11rによって、受信側設定部10rで設定されているエラー音の設定内容の確認が行われる(ST33)。
【0103】
次に、受信側制御部80rによって、受信側送信部85rを介して、当該設定内容の確認結果に関する情報が送信側制御部80sに送信される(ST34)。
【0104】
次に、送信側制御部80sによって、送信側受信部86sを介して、各受信側貨幣処理装置100rから送信された設定内容の確認結果に関する情報が受信される(ST35)。
【0105】
次に、送信側制御部80sによって、送られてきたエラー音の内容が判断される。そして、送信側制御部80sからの指示を受けて、送信側設定部10sによって、送られてきた各受信側貨幣処理装置100rで設定されているエラー音と異なるエラー音が送信側エラー音として設定される(ST26’)。
【0106】
このように、本実施の形態によれば、貨幣処理装置100の他に管理装置を特に設けることなく、複数ある貨幣処理装置100のエラー音に関する設定を異なる設定に容易にすることができる。
【0107】
また、本実施の形態によれば、新たな貨幣処理装置100を導入する際にすぐに他の貨幣処理装置100で利用されているエラー音を確認することができるので、より少ない操作回数で迅速に適切なエラー音を設定することができる。
【0108】
なお、上記の第3および第4の実施の形態において貨幣処理装置100は、図11に示すように、設定内容の確認結果に基づいて推奨される設定を確定する推奨設定確定部19をさらに有していてもよい。(より限定的には、送信側貨幣処理装置100sが推奨設定確定部19を有していればよい。)
【0109】
この場合には、送られてきた各受信側貨幣処理装置100rで設定されているエラー音に基づいて、推奨設定確定部19によって、エラー音について推奨される設定が確定される。ここで、確定された複数の設定が装置表示部70に表示されて操作者によって最終的に一つに決定されてもよいし、自動的に一つのエラー音が確定されてもよい。このような態様によれば、適切なエラー音を容易に選択することができ、有益である。
【0110】
ところで、推奨されるエラー音は、他の貨幣処理装置100が発するエラー音との類似度や、他の貨幣処理装置100からの距離などを考慮して決定される。例えば、送信側貨幣処理装置100sの近くに設置された受信側貨幣処理装置100rのエラー音とは極力異なるエラー音が推奨されることとなる。
【0111】
また、上記の各実施の形態では、送信側貨幣処理装置100sが新たに設置されるタイミングで送信情報がブロードキャストされる態様を用いて説明したが、これに限られることはない。例えば、ブロードキャストを、始業準備のために貨幣処理装置100の電源を投入する度に行ってもよいし、設定を変更したときのみに行ってもよいし、所定の時間毎に行ってもよい。
【0112】
なお、貨幣処理装置100が受信側貨幣処理装置100rとして機能する場合には、受信側記憶部81rは、他の貨幣処理装置100(送信側貨幣処理装置100s)から送られてきた送信情報を記憶するとともに、他の貨幣処理装置100(送信側貨幣処理装置100s)に送った応答情報を記憶する。他方、貨幣処理装置100が送信側貨幣処理装置100sとして機能する場合には、送信側記憶部81sは、他の貨幣処理装置100(受信側貨幣処理装置100r)に送った送信情報を記憶するとともに、他の貨幣処理装置100(受信側貨幣処理装置100r)から受け取った応答情報を記憶する。
【0113】
このため、例えばアラーム音の設定の変更を行う際に、過去の送信情報や応答情報から、他の貨幣処理装置100で利用しているアラーム音を予測することができる。この結果、他の貨幣処理装置100(または所定の距離未満になる他の貨幣処理装置100)が利用していないアラーム音を、装置表示部70に表示することで操作者に選択させたり、制御部80で自動的に選択して設定したりすることができ、アラーム音の選択を容易にすることができる。
【0114】
なお、貨幣処理装置100の記憶部81は、送信情報と応答情報の両方を記憶する必要は必ずしもなく、例えば、送信情報と応答情報のいずれかのみを記憶するように構成されていてもよい。
【0115】
第5の実施の形態
次に、図12により、本発明の第5の実施の形態について説明する。
【0116】
上記の第1乃至第4の実施の形態は、各貨幣処理装置100が発するエラー音を決定する態様であった。しかしながら、本発明は、このような態様に限られることはなく、送信側貨幣処理装置100sと受信側貨幣処理装置100rで同一になるようにされるべき共通設定項目を設定する際にも用いることができる。この場合には、送信情報は、送信側貨幣処理装置100sと受信側貨幣処理装置100rで同一になるように設定されるべき共通設定項目に関する情報を含み、応答情報は、共通設定項目が同一であるまたは異なっていることを示す情報を含む。
【0117】
第5の実施の形態では、共通設定項目の一例として各貨幣処理装置100の識別レベルを用いて、まず説明する。
【0118】
本実施の形態の送信側設定部10sは、送信側識別部150s,155sの識別レベルを設定し、受信側設定部10rは、受信側識別部150r,155rの識別レベルを設定する。また、本実施の形態の送信情報は、送信側識別部150s,155sの識別レベルに関する情報を含み、応答情報は、送信側識別部150s,155sの識別レベルと受信側識別部150r,155rの識別レベルが同一であるまたは異なっていることを示す情報を含む。
【0119】
図12に示す第5の実施の形態において、図1乃至図11に示す第1乃至第4の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0120】
以下、図5および図12を用いて、貨幣処理システムにおける処理の流れを説明する。なお、以下で示す「ST」は断りがない限り図12で示された「ST」を意味している。
【0121】
まず、送信側貨幣処理装置100sの送信側制御部80sによって、送信側貨幣処理装置100sの損券レベル、真偽レベルなどの識別レベル(以下、「送信側識別レベル」とも言う。)に関する送信情報が、複数の受信側貨幣処理装置100rに向けて、送信側送信部85sを介してブロードキャストで送信される(ST51)。なお、このような送信情報が送られるタイミングとしては、例えば、送信側貨幣処理装置100sが新たに設置されたとき、始業準備のために貨幣処理装置100の電源を投入したとき、設定を変更したとき、所定の時間が経過したときなどを挙げることができる。
【0122】
次に、各受信側貨幣処理装置100rの受信側受信部86rによって、ブロードキャストで送信された送信側識別レベルに関する送信情報が受信される(ST52)。
【0123】
次に、各受信側貨幣処理装置100rの受信側設定確認部11rによって、受信側設定部10rの設定内容、より具体的には受信側貨幣処理装置100rの識別レベル(以下、「受信側識別レベル」とも言う。)の確認が行われる(ST53)。そして、受信側制御部80rによって、受信側受信部86rで受信した送信側識別レベルに関する送信情報と受信側設定確認部11rによって確認された受信側識別レベルに関する情報とに基づいて、送信側識別レベルと受信側識別レベルとが同一であるかまたは異なっているかが判断される。
【0124】
次に、送信側識別レベルと受信側識別レベルとが同一であるかまたは異なっているかという情報と受信側貨幣処理装置100rを識別するための装置識別情報とを含む応答情報が、各受信側送信部85rによって送信側受信部86sに送信される(ST54)。なお、本実施の形態では、送信側識別レベルと受信側識別レベルとが同一であろうと異なっていようと、応答情報が必ず送信される態様を用いて説明する。しかしながら、これに限られることはなく、送信側識別レベルと受信側識別レベルとが同一である場合にのみ応答情報が送信される態様であってもよいし、送信側識別レベルと受信側識別レベルとが異なる場合にのみ応答情報が送信される態様であってもよい。
【0125】
送信側受信部86sを介して送信側制御部80sが、各受信側送信部85rから応答情報を受信すると(ST55)、当該送信側制御部80sによって、応答情報より、送信側識別レベルと異なる受信側識別レベルがあったかが確認される(ST56)。なお、送信側識別レベルと受信側識別レベルとが同一である場合にのみ応答情報が送信される態様では、送信側送信部85sから送信情報が送信されてから一定の時間の間、応答情報が送信側受信部86sで受信されなければ、送信側識別レベルと受信側識別レベルとが異なるものとして送信側制御部80sで判断される。他方、送信側識別レベルと受信側識別レベルとが異なる場合にのみ応答情報が送信される態様では、送信側送信部85sから送信情報が送信されてから一定の時間の間、応答情報が送信側受信部86sで受信されなければ、送信側識別レベルと受信側識別レベルとが同一であるとして送信側制御部80sで判断される。
【0126】
送信側識別レベルと各受信側貨幣処理装置100rの受信側識別レベルとが同一の場合には、装置表示部70にその旨表示されるとともに、識別レベルの設定が終了される。
【0127】
他方、送信側識別レベルと受信側識別レベルとが異なる場合には、装置表示部70に、識別レベルの異なる受信側貨幣処理装置100rが表示される(ST57)。
【0128】
次に、識別レベルの異なる貨幣処理装置100の識別レベルが調整され、全ての貨幣処理装置100の識別レベルが統一されることとなる(ST58)。
【0129】
このように、本実施の形態によれば、貨幣処理装置100の他に管理装置を特に設けることなく、複数ある貨幣処理装置100の識別レベルに関する設定を同一の設定に容易にすることができる。
【0130】
なお、上述した内容はあくまでも一例であり、別の方法で全ての貨幣処理装置100の識別レベルを統一させることが考えられる。例えば、応答情報に、応答情報を送信する受信側貨幣処理装置100rの識別レベルに関する情報が含まれ、送信側貨幣処理装置100sで各受信側貨幣処理装置100rの識別レベルを確認することができるようになり、最も多数を占める識別レベルと異なる識別レベルからなる貨幣処理装置100が装置表示部70に表示されてもよい。この場合には、最も多数を占める識別レベルと異なる識別レベルからなる貨幣処理装置100の識別レベルが調整されることとなる。
【0131】
ところで、本実施の形態では、識別レベルを統一させる態様を例にとって説明したが、本実施の形態で記載した事項は、送信側貨幣処理装置100sと受信側貨幣処理装置100rで同一になるようにされるべき共通設定項目を設定する際であれば、同様に適用されうる。
【0132】
例えば、収納部160,170へ収納される貨幣の金種および枚数を統一させる場合であってもよく、この場合には、送信側設定部10sは、送信側貨幣処理装置100sの送信側収納部160s,170sに収納されるべき貨幣の金種および枚数を設定し、受信側設定部10rは、受信側貨幣処理装置100rの受信側収納部160r,170rに収納されるべき貨幣の金種および枚数を設定する。また、送信情報は、送信側収納部160s,170sに収納されている貨幣の金種および枚数に関する情報を含み、応答情報は、送信側収納部160s,170sと受信側収納部160r,170rに収納されている貨幣の金種および枚数が同一であるかに関する情報を含むか、または、応答情報を送信する受信側貨幣処理装置100rの受信側収納部160r,170rに収納されている貨幣の金種および枚数に関する情報を含む。
【0133】
なお、収納部160,170へ収納される貨幣の金種および枚数を統一させる場合とは、例えば、紙幣収納部160に収納される紙幣の収納パターンを統一させる場合や、貨幣処理装置100が釣銭機の場合であって収納部に収納されている釣銭準備金を統一させる場合などを挙げることができる。
【0134】
このような態様によって、貨幣処理装置100の他に管理装置を特に設けることなく、複数ある貨幣処理装置100の収納部160,170へ収納される貨幣の金種および枚数に関する設定を同一の設定に容易にすることができる。この結果、収納部160,170へ収納される貨幣の金種および枚数が異なること(釣銭準備金を統一させる場合であれば例えば釣銭補充忘れや金額の誤りなどの問題があること)を事前に防止し、後に生ずる可能性のある混乱を事前の対応で回避することができる。
【0135】
ところで、上記の各実施の形態で示した以外でも、ブロードキャストする設定内容、ブロードキャストに応答する内容、ブロードキャストするタイミングなどは操作者が自由に設定することができるようになっていてもよい。
【0136】
例えば、ブロードキャストすべき設定と、ブロードキャストしなくてよい設定とを分けて、さらにブロードキャストすべき設定を、全貨幣処理装置100で同じであるべき共通設定項目と、全貨幣処理装置100で異なるべき個別設定項目とに分けることができる。そして、各項目で、どのタイミングで設定確認するかについて設定可能となり、設定されたタイミングに基づき、共通の設定となっているか個別に異なる設定となっているかを確認し、確認結果に応じ対応することもできる。
【0137】
また、装置表示部70には、適切な対応、推奨される対応などが適宜表示されるようになってもよい。
【0138】
なお、上記では、第1−4の実施の形態と第5の実施の形態を別個に説明したが、これら第1−4の実施の形態と第5の実施の形態を組合せてもよい。すなわち、ブロードキャストする送信情報として、エラー音に関する情報、識別レベルに関する情報並びに送信側収納部160s,170sに収納されている貨幣の金種および枚数に関する情報を用いることができ、各貨幣処理装置100が発するエラー音を調整するとともに、各貨幣処理装置100の識別部の識別レベルおよび各貨幣処理装置100の収納部160,170に収納される貨幣の金種および枚数を、統一させることもできる。
【0139】
ところで、上記の各実施の形態では、貨幣処理装置として、貨幣の入金処理と出金処理の両方を行うことができる入出金機を例にとって説明したが、これに限られることはなく、例えば入金処理のみを行うことができる入金機や、出金処理のみを行うことができる出金機を、貨幣処理装置として用いることもできる。
【符号の説明】
【0140】
1 筐体
10 設定部
10r 受信側設定部
10s 送信側設定部
11 設定確認部
11r 受信側設定確認部
11s 送信側設定確認部
16 警告部
16r 受信側警告部
16s 送信側警告部
19 推奨設定確定部
20 紙幣入金部
25 紙幣出金部
30 硬貨入金部
35 硬貨出金部
42 リジェクトボックス
70 装置表示部(表示部)
71 ファンクションキー
80 制御部
80r 受信側制御部
80s 送信側制御部
81 記憶部
81r 受信側記憶部
81s 送信側記憶部
85 送信部
85r 受信側送信部
85s 送信側送信部
86 受信部
86r 受信側受信部
86s 送信側受信部
100 貨幣処理装置
100r 受信側貨幣処理装置
100s 送信側貨幣処理装置
120 紙幣搬送部
130 硬貨搬送部
150 紙幣識別部
155 硬貨識別部
160 紙幣収納部
170 硬貨収納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨幣を処理するための送信側貨幣処理装置と、
貨幣を処理するための受信側貨幣処理装置と、を備え、
前記送信側貨幣処理装置は、送信情報をブロードキャストで送信する送信側送信部を有し、
前記受信側貨幣処理装置は、ブロードキャストで送信される前記送信情報を受信する受信側受信部と、所定の設定を行うための受信側設定部と、該受信側設定部の設定内容の確認を行う受信側設定確認部と、前記送信情報に対する応答情報を前記送信側貨幣処理装置に送信する受信側送信部と、を有し、
前記送信側貨幣処理装置は、前記応答情報を受信する送信側受信部と、所定の設定を行うための送信側設定部とを有し、
前記送信側設定部は、前記応答情報に基づいて設定を変更することができることを特徴とする貨幣処理システム。
【請求項2】
前記応答情報は、前記受信側受信部で受信した前記送信情報と前記受信側設定確認部による確認結果とに基づいて判断された情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の貨幣処理システム。
【請求項3】
前記応答情報は、前記受信側設定確認部による確認結果を含み、
前記送信側設定部は、前記送信情報と前記確認結果とに基づいて設定を変更することができることを特徴とする請求項1に記載の貨幣処理システム。
【請求項4】
前記送信側貨幣処理装置は、前記送信情報または前記応答情報を記憶する送信側記憶部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の貨幣処理システム。
【請求項5】
前記受信側貨幣処理装置は、前記送信情報または前記応答情報を記憶する受信側記憶部を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項のいずれかに記載の貨幣処理システム。
【請求項6】
前記送信側貨幣処理装置は、前記応答情報を表示する送信側表示部をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の貨幣処理システム。
【請求項7】
前記応答情報は、前記受信側貨幣処理装置を識別するための装置識別情報を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の貨幣処理システム。
【請求項8】
前記送信側貨幣処理装置の前記送信側送信部は、前記受信側受信部に問い合わせ情報を送信し、
前記受信側受信部が前記問い合わせ情報を受けると、前記受信側設定確認部が前記受信側設定部の設定内容の確認を行い、前記受信側送信部が当該設定内容の確認結果を前記送信側受信部に送信する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の貨幣処理システム。
【請求項9】
前記送信側貨幣処理装置は、推奨される設定を確定する推奨設定確定部をさらに有することを特徴とする請求項8に記載の貨幣処理システム。
【請求項10】
前記送信側貨幣処理装置は、異常状態が発生した場合に送信側エラー音を発生させる送信側警告部を有し、
前記受信側貨幣処理装置は、異常状態が発生した場合に受信側エラー音を発生させる受信側警告部を有し、
前記送信側設定部は、前記送信側貨幣処理装置の送信側エラー音を設定し、
前記受信側設定部は、前記受信側貨幣処理装置の受信側エラー音を設定し、
前記送信情報は、前記送信側エラー音に関する情報を含む、ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の貨幣処理システム。
【請求項11】
前記送信側設定部は、前記送信側エラー音と前記受信側エラー音が同一である場合に、異なるエラー音を新たな送信側エラー音として設定することを特徴とする請求項10に記載の貨幣処理システム。
【請求項12】
前記応答情報は、前記受信側貨幣処理装置を識別するための装置識別情報を含み、
前記送信側設定部は、前記送信側エラー音と前記受信側エラー音が同一である場合であって、かつ、前記受信側貨幣処理装置と前記送信側貨幣処理装置との間の距離が所定の距離未満である場合に、異なるエラー音を新たな送信側エラー音として設定することを特徴とする請求項10に記載の貨幣処理システム。
【請求項13】
前記送信情報は、前記送信側貨幣処理装置と前記受信側貨幣処理装置で同一になるように設定されるべき共通設定項目に関する情報であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の貨幣処理システム。
【請求項14】
前記送信側貨幣処理装置は、貨幣の識別を行う送信側識別部を有し、
前記受信側貨幣処理装置は、貨幣の識別を行う受信側識別部を有し、
前記送信側設定部は、前記送信側識別部の識別レベルを設定し、
前記受信側設定部は、前記受信側識別部の識別レベルを設定し、
前記送信情報は、前記送信側識別部の識別レベルに関する情報を含む、ことを特徴とする請求項13に記載の貨幣処理システム。
【請求項15】
前記送信側貨幣処理装置は、貨幣を収納する送信側収納部を有し、
前記受信側貨幣処理装置は、貨幣を収納する受信側収納部を有し、
前記送信側設定部は、前記送信側収納部に収納されるべき貨幣の金種および枚数を設定し、
前記受信側設定部は、前記受信側収納部に収納されるべき貨幣の金種および枚数を設定し、
前記送信情報は、前記送信側収納部に収納されている貨幣の金種および枚数に関する情報を含む、ことを特徴とする請求項13に記載の貨幣処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−48630(P2012−48630A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−192283(P2010−192283)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】