説明

販促品配布装置及び販促品配布方法

【課題】販促品配布装置による販売促進効果を向上させる。
【解決手段】自動販売機に付設された販促品配布装置200は、販売促進情報が付された販促品を収納する販促品収納室222と、販促品収納室222に収納された販促品を販促品取出口246へと搬出する払出装置226と、払出装置226を制御する制御装置280と、を有する。そして、制御装置280は、商品が購入されたことを表す購入信号を自動販売機から受信したときに、販促品が販促品取出口246へと搬出されるように、払出装置226を制御する。このため、自動販売機における商品購入に連動して、販促品配布装置200から販促品が自動的に配布されることとなり、販売促進効果を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販促品を配布する販促品配布装置及び販促品配布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
商品販売やサービス提供などを促進することを目的として、特開2007−226354号公報(特許文献1)に記載されるように、販促品(販売促進に係る物品)を自動的に配布する販促品払出装置(販促品配布装置)が提案されている。かかる販促品払出装置においては、利用者の携帯端末のアドレス,性別,年齢及び居住地などを指定した会員登録を事前に行うことを条件として、携帯端末に送信されてきた払出情報を入力することで、販促品が自動的に配布される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−226354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような販促品払出装置では、利用者は事前に会員登録を行わなければ販促品を入手することができず、会員登録の手間と販促品の価値とを比較して、会員登録を行わない場合があった。また、会員登録に際して、利用者をある程度特定可能な個人情報を入力しなければならず、個人情報の流出が問題となる昨今においては会員登録を躊躇する場合もある。このため、販促品払出装置が活用されているとは言い難く、その販売促進効果が十分発揮されていなかった。
【0005】
そこで、本発明は従来技術の問題点に鑑み、販促品を配布する契機を見直すことで、販売促進効果を向上させた、販促品配布装置及び販促品配布方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
販促品配布装置は、販売促進情報が付された販促品を収納する販促品収納室と、前記販促品収納室に収納された販促品を販促品取出口へと搬出する払出装置と、前記払出装置を制御する制御装置と、を有する。そして、制御装置は、商品が購入されたことを表す購入信号を自動販売機から受信したときに、前記販促品が販促品取出口へと搬出されるように、前記払出装置を制御する。
【発明の効果】
【0007】
自動販売機における商品購入に連動して、販促品配布装置から販促品が自動的に配布されるため、販売促進効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】自動販売機に付設された販促品配布装置の一例を示す斜視図である。
【図2】自動販売機の内部構造の一例を示す斜視図である。
【図3】販促品配布装置の内部構造の一例を示す斜視図である。
【図4】販促品配布装置の制御ブロック図である。
【図5】制御プログラムの一例を示すフローチャートである。
【図6】販促品配布装置の変形例を示す斜視図である。
【図7】販促品配布装置の他の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための実施形態について詳述する。
図1は、飲料を販売する自動販売機100に付設された販促品配布装置200の一例を示す。なお、自動販売機100としては、飲料に限らず、食品、タバコ、雑誌、新聞などを販売するもの、駐車場の精算機、各種券売機などであってもよい。
【0010】
自動販売機100は、前面が開口した販売機本体120と、販売機本体120の前面開口を開閉する左右開きの外扉140と、を有している。
外扉140には、その上部から中間部にかけて、複数の商品見本160を展示する商品展示室142と、購入を希望する商品を選択する商品選択ボタン144と、商品代金の投入又は返却を行うコインメック146と、が夫々取り付けられている。また、外扉140の下部には、購入した商品を取り出すための商品取出口148が開設されていると共に、コインメック146により返却された硬貨を取り出すための硬貨取出口150が開設されている。ここで、コインメック146は、硬貨を投入する硬貨投入口146Aと、紙幣を投入する紙幣投入口146Bと、釣銭又は投入した硬貨若しくは紙幣を返却する場合に操作する返却レバー146Cと、を有している。
【0011】
販売機本体120は、図2に示すように、内部を上下に仕切ることにより、商品を収納する商品収納室122が上部側に設けられ、商品収納室122を冷却又は加熱する機器を収納する機械室124が下部側に設けられている。商品収納室122は、上面、背面、底面及び左右両側面が断熱材によって囲まれ、前面が断熱性の内扉126によって開閉されるようになっている。内扉126の下部には、商品収納室122と外扉140に開設された商品取出口148とを連通する商品搬出口128が左右方向に複数開設され、商品収納室122に収納された商品が商品搬出口128を介して商品取出口148に搬出されるようになっている。また、各商品搬出口128の上端側には、商品搬出口128を開閉する搬出扉130が取り付けられている。搬出扉130は、商品収納室122から商品搬出口128へと搬出された商品によって押し開けられ、商品を商品取出口148へと搬出するようになっている。
【0012】
販促品配布装置200は、前面が開口した配布装置本体220と、配布装置本体220の前面開口を開閉する左右開きの外扉240と、を有している。
外扉240の上部には、販促品の見本(販促品見本)260を展示する販促品展示室242と、販促品の配布を受けるときに操作する払出ボタン244(操作部)と、が夫々取り付けられている。また、外扉240の下部には、配布された販促品を取り出すための販促品取出口246が開設されている。
【0013】
配布装置本体220の内部には、図3に示すように、販促品を収納する販促品収納室222と、販促品収納室222に収納された販促品を販促品払出口224から外扉240の販促品取出口246へと搬出する払出装置226と、が夫々取り付けられている。ここで、販促品としては、例えば、企業情報、製品情報、サービス情報などの販売促進情報が付されたポケットティッシュ、ウェットティッシュ、箱入り景品など、公知の各種販促品が適用できる。また、払出装置226としては、自動販売機100における商品搬出機構と同様な公知の各種機構を適宜選択採用することができる。なお、「販売促進情報が付された」とは、販促品のパッケージに販売促進情報が表示されたものに限らず、例えば、販促品のパッケージにカードやクーポンなどが封入されたものも含む。
【0014】
さらに、外扉240の内面には、払出ボタン244の操作に応答して払出装置226を電子制御するために、コンピュータを内蔵した制御装置280が取り付けられている。なお、制御装置280は、リレーなどの電気素子を適宜組み合わせて構成してもよく、また、配布装置本体220の内部に設置されていてもよい。
【0015】
制御装置280には、図4に示すように、払出ボタン244の操作信号(例えば、押し下げられたときにONとなる信号)と、自動販売機100において商品が購入されたことを表す購入信号と、が入力される。ここで、購入信号としては、例えば、コインメック146において商品代金が代金受箱に投下された信号、商品が商品取出口148へと搬出された信号、商品選択ボタン144が操作された信号などを適用することができる。そして、制御装置280は、ハードディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性記録媒体に記録された制御プログラムに従って、払出ボタン244の操作信号及び購入信号に応じて払出装置266を適宜電子制御する。
【0016】
図5は、販促品配布装置200が起動されたことを契機として、その制御装置280が第1の所定時間(例えば、100ms)ごとに繰り返し実行する制御プログラムの処理内容を示す。
【0017】
ステップ1(図では「S1」と略記する。以下同様。)では、制御装置280が、自動販売機100から購入信号を受信したか否かを判定する。そして、制御装置280は、購入信号を受信したと判定すれば処理をステップ2へと進める一方(Yes)、購入信号を受信していないと判定すれば処理を終了させる(No)。なお、購入信号は、少なくとも、第1の所定時間以上同じ状態を継続していればよい。
【0018】
ステップ2では、制御装置280が、例えば、コンピュータに内蔵されたタイマーをスタートさせる。
ステップ3では、制御装置280が、払出ボタン244の操作信号の有無に応じて、払出ボタン244が押し下げられたか否かを判定する。そして、制御装置280は、払出ボタン244が押し下げられたと判定すれば処理をステップ4へと進める一方(Yes)、払出ボタン244が押し下げられていないと判定すれば処理をステップ5へと進める(No)。
【0019】
ステップ4では、制御装置280が、払出装置226を作動させて、その販促品収納室222から販促品取出口246に販促品を搬出する。
ステップ5では、制御装置280が、タイマーを参照し、購入信号を受信してから第2の所定時間(例えば、1分)経過したか否かを判定する。そして、制御装置280は、第2の所定時間経過したと判定すれば処理を終了させる一方(Yes)、第2の所定時間経過していないと判定すれば処理をステップ3へと戻す(No)。なお、第2の所定時間は、例えば、制御装置280に接続したコンソール(操作卓)により任意に変更できるようにしてもよい。
【0020】
かかる販促品配布装置200によれば、自動販売機100の利用者が、商品代金を投入して商品選択ボタン144を操作すると、第2の所定時間の間、販促品を入手できる権利が発生、要するに、払出ボタン244による販促品の配布操作が有効になる。そして、自動販売機100の利用者が第2の所定時間の間に払出ボタン244を操作すると、販促品配布装置200の払出装置226が作動し、販促品収納室222に収納された販促品が販促品取出口246へと搬出される。一方、自動販売機100の利用者が第2の所定時間の間に払出ボタン244を操作しないと、販促品を入手できる権利が消滅する。
【0021】
このため、事前に会員登録を行わなくても、自動販売機100における商品購入に連動して、販促品配布装置200から販促品が自動的に配布されることとなり、販売促進効果を向上させることができる。このとき、自動販売機100の利用者が販促品に興味がない場合、第2の所定時間の間に払出ボタン244を操作しないことで、販促品を入手できる権利を消滅させることができる。従って、利用者が興味を示さない販促品の配布が抑制され、販売促進に要する経費などを削減することができる。
【0022】
次に、販促品配布装置200の各種変形例について説明する。
(1)販促品配布装置200は、1種類の販促品の配布に限らず、2種類以上の販促品の中から利用者が選択した販促品を配布するようにしてもよい。この場合、販促品配布装置200の外扉240には、図6に示すように、配布対象である販促品の種類に応じた数の払出ボタン244を取り付けるようにすればよい。
このようにすれば、2種類以上の販促品を配布することができる。
【0023】
(2)販促品配布装置200の販促品展示室242及び払出ボタン244に代えて、図7に示すようなタッチパネル290を用い、タッチパネル290に少なくとも1つの販促品見本260及び払出ボタン244を表示させてもよい。なお、タッチパネル290においては、販促品配布装置200として機能していないとき、販売促進情報、周辺地図などを提供するようにしてもよい。ここで、販売促進情報、周辺地図などは、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの可搬記録媒体を介して、制御装置280に読み込むようにしてもよい。また、販売促進情報、周辺地図などは、インターネットなどのコンピュータネットワークを介して接続された管理サーバから、販促品配布装置200の制御装置280に送信されるようにしてもよい。
このようにすれば、販促品配布装置200は、本来の機能である販促品の配布を行っていないとき、各種情報を発信するステーションとして機能することができる。
【0024】
(3)販促品配布装置200は、自動販売機100と別体ではなく、自動販売機100に内蔵されていてもよい。
このようにすれば、自動販売機100に販促品配布機能を付加させることができる。
【0025】
(4)販促品にQRコード(登録商標)などのマトリックス型の二次元コードを更に付し、販促品配布装置200に設置されたコードリーダで二次元コードを読み取ると、二次元コードに関連付けられた情報、例えば、販売促進情報に係る店舗などのホームページをモニタで閲覧できるようにしてもよい。この場合、販促品配布装置200の制御装置280には、インターネットに接続するためのブロードバンドルータが内蔵され、無線又は有線によりインターネットに接続されていればよい。そして、販売促進情報に係る店舗などのホームページにおいて、利用者が興味を示す、商品情報の収集、商品の購入、予約などが適宜行われる。なお、モニタとして、タッチパネルを使用することができる。
このようにすれば、販促品に付すことができない膨大な情報も提供することができる。
【0026】
(5)販促品配布装置200は、自動販売機100からの購入信号を受信したとき、払出装置226を作動させて、販促品収納室222に収納された販促品を販促品取出口246へ搬出するようにしてもよい。この場合、販促品配布装置200の外扉240には、払出ボタン244を取り付ける必要はない。
このようにすれば、自動販売機100における商品購入に連動して、販促品配布装置200から販促品を自動的に配布することができる。
【符号の説明】
【0027】
100 自動販売機
200 販促品配布装置
222 販促品収納室
226 払出装置
244 払出ボタン(操作部)
246 販促品取出口
280 制御装置
290 タッチパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売促進情報が付された販促品を収納する販促品収納室と、
前記販促品収納室に収納された販促品を販促品取出口へと搬出する払出装置と、
前記払出装置を制御する制御装置と、
を有し、
前記制御装置は、商品が購入されたことを表す購入信号を自動販売機から受信したときに、前記販促品が販促品取出口へと搬出されるように、前記払出装置を制御する、販促品配布装置。
【請求項2】
前記販促品の配布を受けるときに操作する操作部を更に備え、
前記制御装置は、前記購入信号を受信したときに、前記操作部による販促品の配布操作を有効にする、請求項1に記載の販促品配布装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記操作部による販促品の配布操作を所定時間有効にする、請求項2に記載の販促品配布装置。
【請求項4】
前記所定時間は、任意に変更可能である、請求項3に記載の販促品配布装置。
【請求項5】
前記販促品に付されたマトリックス型の二次元コードを読み取るコードリーダと、
前記コードリーダにより読み取られた二次元コードに関連付けられた情報を表示するモニタと、
を更に有する、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の販促品配布装置。
【請求項6】
販売促進情報が付された販促品を収納する販促品収納室と、前記販促品収納室に収納された販促品を販促品取出口へと搬出する払出装置と、前記払出装置を制御する制御装置と、を有する販促品配布装置により販促品を配布する販促品配布方法であって、
前記制御装置が、商品が購入されたことを表す購入信号を自動販売機から受信したときに、前記販促品が販促品取出口へと搬出されるように、前記払出装置を制御する、販促品配布方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−242874(P2012−242874A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109012(P2011−109012)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(511118573)
【出願人】(511118539)
【出願人】(511118540)
【Fターム(参考)】