貫通電極基板の製造方法
【課題】生産効率を上げて製造コストを低減することが可能な貫通電極基板の製造方法を提供する。
【解決手段】貫通電極基板の製造方法は、基板110の第1面に凹部112a、112b、112cを形成し、基板の第1面上に凹部の開口部を覆うように絶縁性樹脂層113を配置し、導電部材210上に導電性バンプ211a、211b、211cを形成し、導電性バンプと凹部とが絶縁性樹脂層を介して対向する位置に基板と導電部材とを配置し、基板と導電部材とを近づけて導電性バンプで絶縁性樹脂層を貫通し、導電性バンプを凹部の底面に接触させ、基板と導電部材とを接合することを特徴とする。
【解決手段】貫通電極基板の製造方法は、基板110の第1面に凹部112a、112b、112cを形成し、基板の第1面上に凹部の開口部を覆うように絶縁性樹脂層113を配置し、導電部材210上に導電性バンプ211a、211b、211cを形成し、導電性バンプと凹部とが絶縁性樹脂層を介して対向する位置に基板と導電部材とを配置し、基板と導電部材とを近づけて導電性バンプで絶縁性樹脂層を貫通し、導電性バンプを凹部の底面に接触させ、基板と導電部材とを接合することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の表裏を導通する貫通電極を備えた貫通電極基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の高密度、小型化が進み、LSIチップが半導体パッケージと同程度まで縮小化しており、LSIチップを2次元配置することのみによる高密度化は限界に達しつつある。そこで実装密度を上げるためにLSIチップを分け、それらを3次元に積層する必要がある。また、LSIチップを積層した半導体パッケージ全体を高速動作させるために積層回路同士を近づけ、積層回路間の配線距離を短くする必要がある。
【0003】
そこで、上記の要求に応えるべく、LSIチップ間のインターポーザとして基板の表裏を導通する導通部を備えた貫通電極基板が提案されている(特許文献1)。特許文献1によれば、貫通電極基板は、基板に設けられた貫通孔内部を電解めっきによって導電材(Cu)を充填することで形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−54307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1により提案された貫通電極基板の製造方法は、充填めっきによりボイドのない貫通電極を形成しようとすると、電解めっき工程に長時間を要するので、生産効率が低下し、製造コストが高くなるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は上記の従来の問題点を鑑みてなされたものであり、生産効率を上げて製造コストを低減した貫通電極基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る貫通電極基板の製造方法は、基板の第1面に凹部を形成し、前記基板の前記第1面上に前記凹部の開口部を覆うように絶縁性樹脂層を配置し、導電部材上に導電性バンプを形成し、前記導電性バンプと前記凹部とが前記絶縁性樹脂層を介して対向する位置に前記基板と前記導電部材とを配置し、前記基板と前記導電部材とを近づけて前記導電性バンプで前記絶縁性樹脂層を貫通し、前記導電性バンプを前記凹部の底面に接触させ、前記基板と前記導電部材とを接合することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一実施形態に係る貫通電極基板の製造方法は、第1面に形成された凹部の開口部を覆うように絶縁性樹脂層が配置された基板と、導電性バンプが形成された導電部材とを、前記導電性バンプと前記凹部とが前記絶縁性樹脂層を介して対向する位置に配置し、前記基板と前記導電部材とを近づけて前記導電性バンプで前記絶縁性樹脂層を貫通し、前記導電性バンプを前記凹部の底面に接触させ、前記基板と前記導電部材とを接合することを特徴とする。
【0009】
前記絶縁性樹脂層の一部が、前記凹部の内部に導入され、前記凹部の内部に充填された前記導電性バンプと前記凹部の内壁との間に介設してもよい。
【0010】
前記基板と前記導電部材とを減圧下で接合してもよい。
【0011】
前記基板と前記導電部材を接合した後、前記導電部材をパターニングして配線層を形成してもよい。
【0012】
前記配線層が形成された前記基板上に支持基板を配置し、前記基板の前記第1面と対になる第2面から前記基板を薄化して、前記凹部の内部に充填された前記導電性バンプを露出させて前記基板の前記第1面と前記第2面とを導通させる導通部を形成し、前記導通部を形成した後、前記支持基板を除去してもよい。
【0013】
前記基板には開口径が異なる前記凹部が複数形成され、前記凹部の内部の体積にそれぞれ対応して前記導電性バンプの体積を設定してもよい。
【0014】
前記導電性バンプの高さを、それぞれ対応する前記凹部の深さの値より高く設定してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、生産効率を上げて製造コストを低減することが可能な貫通電極基板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る貫通電極基板の断面図である。
【図2A】本発明の第1の実施形態に係る貫通電極基板の製造工程を説明する図である。
【図2B】本発明の第1の実施形態に係る貫通電極基板の製造工程を説明する図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る貫通電極基板の製造工程を説明する図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る貫通電極基板の製造工程を説明する図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る貫通電極基板の製造工程を説明する図である。
【図6A】本発明の一実施形態に係る貫通電極基板の製造工程において形成される導電性バンプの形状例を示した図である。
【図6B】本発明の一実施形態に係る貫通電極基板の製造工程において形成される導電性バンプの形状例を示した図である。
【図7A】本発明の第2の実施形態に係る貫通電極基板の製造工程を説明する図である。
【図7B】本発明の第2の実施形態に係る貫通電極基板の製造工程を説明する図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る貫通電極基板の製造工程を説明する図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る貫通電極基板の製造工程を説明する図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る貫通電極基板の製造工程を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る貫通電極基板及びその製造方法について説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施することができる。
【0018】
(1.貫通電極基板の構成)
図1は本発明の一実施形態に係る貫通電極基板100の断面図である。本発明の一実施形態に係る貫通電極基板100は、コアとなる基板110の表裏を貫通する貫通孔111a、111b、111cを備えている。貫通孔111a、111b、111cの内部には導通部212a、212b、212cが形成されている。基板110はシリコンなどの半導体材料からなる。後述するが、基板110にエッチング、サンドブラストなどの方法により貫通孔111a、111b、111cを形成するための凹部が形成され、凹部を形成した反対側から研磨などにより薄化して貫通孔111a、111b、111cが形成される。本実施形態においては、基板110はシリコンからなる半導体基板とするが、特に制限は無く、例えば、ガラス、石英、サファイアなどの無機材料からなる基板110であってもよい。また、基板110は、高温下又は減圧下で用いることができるものであることが好ましい。基板110の厚みには特に制限は無いが、好ましくは後述する導電性バンプの形成可能な高さの値よりも薄くするとよい。具体的には、例えば3μm〜200μmであるとよい。より好ましくは5μm〜100μmであるとよい。なお、図1においては、説明の便宜上、貫通孔111a、111b、111cを3つしか図示していないが、基板110には複数の貫通孔111a、111b、111cが形成され、それぞれの貫通孔111a、111b、111cに導通部212a、212b、212cが形成される。
【0019】
本実施形態において、基板110自体が所望の絶縁性を有していない場合には、貫通孔111a、111b、111cの内壁及び基板110の表面には電気絶縁性確保のための絶縁膜を設けるとよい。絶縁膜の図示は省略している。絶縁膜は、例えばSiO2、SiN等の無機材料、高分子などの有機材料などが単層又は積層されて構成されてもよい。SiO2であれば熱酸化法、CVD法などにより形成される。絶縁膜の厚みは、所望の絶縁性が確保できれば特に限定されない。例えば、0.1μm〜3μmとしてもよい。
【0020】
本実施形態において、絶縁膜が形成された貫通孔111a、111b、111cの内壁の少なくとも一部及び基板110上には絶縁性樹脂層113が配置される。絶縁性樹脂層113は、制限はないが、ポリイミドの前躯体のポリアミド樹脂を用いることが好ましい。導電性バンプの当接に対してよく変形し、加熱することでイミド化するからである。また、例えば東レ社のLPA15のような感光性のポリイミド接着シートも好ましい態様といえる。貫通孔111a、111b、111cに対応する部位を選択的に除去することができるからである。絶縁性樹脂層113は、基板110の表面から貫通孔111a、111b、111cの内壁に沿って、貫通孔111a、111b、111cの内部において導通部212a、212b、212cと貫通孔111a、111b、111cの内壁との間の空隙を埋めるように配置される。基板110の表面上の絶縁性樹脂層113の厚みは、制限はないが、例えば5μm〜50μmである。
【0021】
本実施形態においては、貫通孔111a、111b、111cの開口径には特に制限はなく、貫通電極基板100の仕様等に応じて適宜設定し得る。例えば、開口径は10μm〜200μmとするとよい。
【0022】
本実施形態において、導通部212a、212b、212cは貫通孔111a、111b、111cに導電材料が充填された、基板110の表裏の導通をとる配線である。導通部212a、212b、212cに用いる導電材料として、後述するように、例えば、銅(Cu)、銀(Au)などの金属材料、又は導電性カーボンなどを用いることが好ましい。
【0023】
本実施形態において、基板110の表裏に露出した導通部212a、212b、212c上には、導通部212a、212b、212cと電気的に接続される配線パターンが形成されている。配線パターンは、パターニングされた導電性部材により形成されたパッドや配線等を含む。本実施形態において、図1に図示したように、基板110上に配置された絶縁性樹脂層113上に、配線パターン210a、210b、210dが形成され、配線パターン210b、210cは絶縁性樹脂層113から露出した導通部212a、212b、212cとそれぞれ接続される。配線パターン210a、210b、210dの上には、さらに導電性の端子311a、311b、311dが形成されてもよい。配線パターン210a〜210d及び端子311a〜311dの間には、各々の電気絶縁性を確保するための絶縁層232a〜232eが形成される。また、基板110の裏面において露出された導通部212a、212b、212cは、配線パターン512a、512bとそれぞれ接続される。なお、図示していないが、基板110と配線パターン512a、512bの間に感光性ポリイミドの絶縁層があっても良い。配線パターン512a、512d上にさらに配線パターン612a、612b、612cが形成され、配線パターン612a、612b、612c上には導電性の端子712a、712b、712cが形成されてもよい。配線パターン512a、512b、612a〜612c及び端子712a〜712cの間には、各々の電気絶縁性を確保するための絶縁層511a〜511c、611a〜611d、711a〜711dが形成される。なお、配線パターン210a〜210d、512a、512b、612a〜612c及び端子311a〜311d、712a〜712cの構成は上述した構成に限定されるものではなく、仕様等に応じて適宜変更され得る。本実施形態では、基板110の表裏両面に複数層の配線層を備えた貫通電極基板100を示した。基板110の表裏に一層又は複数層からなる配線層が、基板110の表のみ若しくは裏のみに形成されてもよい。
【0024】
本発明の一実施形態に係る貫通電極基板100は、貫通孔111a、111b、111cの内部に貫通孔111a、111b、111cの内壁と導通部212a、212b、212cとの間の空隙を埋める絶縁性樹脂層113が配置されることから、貫通孔111a、111b、111cの内部にボイド(空隙)が生じることを防ぐことができる。また、導通部212a、212b、212cから生じるガスは、絶縁性樹脂層113を通じて外へ放出することにより配線等の浮きによる接続不良を防止することができる。
【0025】
(2.貫通電極基板100の製造方法)
以下、図2A乃至図10を参照して本発明の一実施形態に係る貫通電極基板100の製造方法について説明する。
【0026】
<第1の実施形態>
図2A乃至図6Bを参照して、本発明の第1の実施形態に係る貫通電極基板100の製造方法について説明する。図2A乃至図5は本発明の第1の実施形態に係る貫通電極基板100の製造工程を説明する図である。図6A及び図6Bは、本発明の一実施形態に係る貫通電極基板100の製造工程において形成される導電性バンプの形状例を示した図である。
【0027】
(1)基板110の準備及び凹部112a、112b、112cの形成(図2A(a)、(b))
本実施形態においては、シリコンからなる基板110を準備する。基板110の厚みは特に限定されないが、支持性を考慮して300μm〜800μmとするとよい。基板110の第1面側にレジスト、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、金属などから選択されるマスク(図示せず)を形成した後、そのマスクを介して基板110を厚み方向にエッチング、サンドブラスト等により、有底状の凹部112a、112b、112cを形成する。エッチング方法としてはRIE法、DRIE法などを用いることができる。基板110にこのような有底孔の凹部112a、112b、112cを形成した後、後述する工程において基板110を他方の面側から研磨して開口させることにより、図1に示した貫通孔111a、111b、111cが形成される。
【0028】
(2)絶縁膜の形成
基板110の表面及び凹部112a、112b、112cの内壁に絶縁膜(図示せず)を形成する。本実施形態においては、絶縁膜は酸化シリコン膜であり、熱酸化法あるいはCVD法により形成する。
【0029】
(3)絶縁性樹脂層113の形成(図2A(c))
凹部112a、112b、112cの形成された基板110上に、凹部112a、112b、112cの開口部を覆うように絶縁性樹脂層113を配置する。絶縁性樹脂層113は、ポリイミドの前躯体のポリアミド樹脂を塗布して形成することができる本実施形態においては、絶縁性樹脂層113にポリイミドの前躯体のポリアミド樹脂又は感光性ポリイミド接着シートを用いる。絶縁性樹脂層113の厚みは、5μm〜50μmであってもよいが、後述する工程において導通部212a、212b、212cを形成する導電性バンプ211a、211b、211cを貫通させることができ、導通部212a、212b、212cと凹部112a、112b、112cの内壁との間の空隙を埋めることが可能な程度の厚みであることが好ましい。
【0030】
絶縁性樹脂層113は、感光性のドライフィルムレジストを用いてもよく、当該ドライフィルムレジストを基板110にラミネートして配置してもよい。基板110上に配置された際に凹部112a、112b、112cと対向する位置に、予めパターニングにより複数の孔を形成しておいてもよい。これにより、後述する工程において基板110と導電部材210とを接合する際に、導電性バンプ211a、211b、211cを絶縁性樹脂層113に貫通させることが容易となる。ここで、絶縁性樹脂層113に形成される複数の孔は、後述する工程において絶縁性樹脂層113の一部が凹部112a、112b、112c内に充填されるように、予め凹部112a、112b、112cの開口径よりも小さい径を有するように形成することが好ましい。
【0031】
(4)導電部材210の準備(図2B(a))
導電部材210は、例えば、金属材料からなりであり、シート形状を有するものを用いる。導電部材210の厚みは、特に限定されないが、後述する工程において配線層として利用することができる厚みを有するものであることが好ましい。本実施形態においては、導電部材210として厚みが5μm〜20μmの銅箔を準備する。導電部材210は、導電性バンプが形成される面が粗化処理されたものであってもよい。
【0032】
(5)導電性バンプ211a、211b、211cの形成(図2B(b))
導電部材210の表面上に導電性バンプ211a、211b、211cを形成する。導電性バンプ211a、211b、211cは、スクリーン印刷法など公知の方法を用いて形成される。導電性バンプ211a、211b、211cを形成するには、例えば、せん断速度1(1/s)のときの粘度が、20℃において1070Pa・s、23℃において1110Pa・s、26℃において1290Pa・sである銀ペーストや銅ペーストなどの金属含有の導電性ペーストを用いるとよい。本実施形態においては、銀ペーストを用いることとする。なお、導電部材210が粗化処理されている場合には、導電性バンプ211a、211b、211cは導電部材210の粗化処理された表面上に形成される。これにより、導電部材210上に導電性バンプ211a、211b、211cを付着させることが容易になり、後述する工程において基板110と導電部材210とを接合する際に、より強固に接合させることが可能となる。例えば、光学式表面形状測定器等により測定した数値で、粗面化の程度をRz0.5μm〜Rz8.0μmの範囲とすることが好ましい。
【0033】
導電性バンプ211a、211b、211cの形状は、本実施形態においては、図2B(b)に示すように、先端の尖った略錐体形状を有していてもよい。導電性バンプを先端の尖った略錐体形状とすることで、絶縁性樹脂層113を容易に貫通させることができるからである。このとき、導電性バンプ211a、211b、211cの高さは、凹部112a、112b、112cの開口部から底面までの深さよりも大きくなるように形成する。例えば、導電性バンプの高さは、5μm〜230μmとするとよい。また、導電性バンプ211a、211b、211cの断面の径が、凹部112a、112b、112cの開口径よりも小さくなるように導電性バンプ211a、211b、211cを形成する。
【0034】
導電性バンプ211a、211b、211cの形状は、後述する工程において基板110と導電部材210とを接合する際に、基板110上に配置された絶縁性樹脂層113を貫通して凹部112a、112b、112cの底面まで接触することが可能な形状を有していれば、図2B(b)に図示した形状に限定されない。例えば、図6A及び図6Bに図示したように、導電性バンプ211a、211b、211cは様々な形状を有することができる。導電性バンプ211a、211b、211cは、図6A(a)に示した導電性バンプ213a、213bのように円錐台形状を有してもよく、図6A(b)に示した導電性バンプ214a、214bのように略四角柱状の形状を有してもよい。また、図6B(a)に示した導電性バンプ215a、215bのように円柱状の形状を有していてもよく、図6B(b)に示した導電性バンプ216a、216bのように円柱状の形状と円錐状の形状とを組み合わせた形状を有していてもよい。また、図6B(c)に示した導電性バンプ217a、217bのように、絶縁性樹脂層113に導電性バンプが当接したとき、接触部分に所定の圧力がかかり絶縁性樹脂層113を貫通するような形状であれば、先端が尖っていない形状を有していてもよい。また、絶縁性樹脂層113を貫通しやすくするため、例えば東レ社の感光性ポリイミド接着シートLPA15のようなものを用いて予め樹脂に孔を開けておいても良い。
【0035】
(6)基板110と導電部材210との接合(図3乃至図5)
減圧下で基板110と導電部材210とを接合する。まず、図3(a)に図示するように、凹部112a、112b、112cと導電性バンプ211a、211b、211cとが絶縁性樹脂層113を介してそれぞれ対向する位置に、基板110の絶縁性樹脂層113の形成された面と導電部材210の導電性バンプ211a、211b、211cの形成された面とを対向させて配置する。
【0036】
次に、図3(b)に示すように、基板110と導電部材210を近接させて導電性バンプ211a、211b、211cで絶縁性樹脂層113を貫通し、導電性バンプ211a、211b、211cを凹部112a、112b、112cの内部に侵入させる。なお、図4及び図5に示すように、基板110が上側に配置され、導電部材210が下側に配置されて接合されてもよい。導電性バンプ211a、211b、211cの先端が凹部112a、112b、112cの底面に接触して潰れ、絶縁性樹脂層113と導電部材210の対向する面同士がそれぞれ接合されるまで、基板110と導電部材210とをプレスする。このとき、基板110と導電部材210とが配置されたチャンバ内の圧力を下げた減圧下または真空下でプレスを行うことが好ましい。減圧下または真空状態でプレスを行うことで、絶縁性樹脂層113が、後述する貫通孔111a、111b、111c内部の充填をより確実にできるからである。図3(c)及び図4(b)に図示したように、導電性バンプ211a、211b、211cの先端は凹部112a、112b、112cの底面に当接し、押し潰されるように変形し、凹部112a、112b、112cの内部に導電性バンプ211a、211b、211c及び絶縁性樹脂層113の一部が充填される。凹部112a、112b、112cの内部には、導電性バンプ211a、211b、211cの侵入とともに引き込まれて導入された絶縁性樹脂層113の一部が、導通部212a、212b、212cと凹部112a、112b、112cの内壁との間の空隙を埋めるように充填される。このとき、基板110は、支持性のある厚さを有しており、かつ有底孔である凹部112a、112b、112cを有する基板110を用いるので、プレス工程等を安定して行うことができるため、製造上有利である。
【0037】
図5(a)は、図4(b)に示したX部分の拡大図であり、略錐体形状を有していた導電性バンプ211aが、上述したプレスにより、略柱状の形状にまで変形した状態を、模式的に図示している。図5(a)に図示したように、導電性バンプ211aは凹部112aの底面にまで十分に充填される。また、図5(a)に図示したように、導電部材210の接合面と対向する裏面には若干の凸部210kが生じることがある。
【0038】
なお、本実施形態においては、絶縁性樹脂層113にポリイミドの前躯体のポリアミド樹脂を用いることから、上述した減圧下または真空状態でのプレス時に、ポリイミドの前躯体のポリアミド樹脂を加熱することでイミド化させ、ポリイミド樹脂からなる絶縁性樹脂層113により導通部212a、212b、212cと凹部112a、112b、112cの内壁との間の空隙を埋めつつ、それぞれを強固に接合させることも可能となる。このとき、絶縁性樹脂層113のポリイミド樹脂は、例えば、200℃で1時間以上加熱することによりイミド化させることができる。なお、東レ社の感光性ポリイミド接着シートLPA15を用いる場合には、160℃で1時間以上加熱することによりイミド化させてもよい。
【0039】
(7)導通部212a、212b、212cの形成(図5(b))
図5(b)は、図5(a)に図示した基板110の第1面と対向する第2面を研磨等して基板110を薄化して凹部112aの底部を開口させることにより、基板110の表裏を貫通する貫通孔111a及び導通部212aを形成した状態を模式的に示した図である。図示したように、導電性バンプ211aは、基板110の表裏を導通する導通部212aとなる。なお、図示していないが、導電部材210の不要部をパターニングしてエッチング等により除去することにより、図1に図示した導通部212a〜212cとそれぞれ接続される配線パターン210a〜210dを形成してもよい。
【0040】
図5(c)は、図5(b)に示したA−A´線の断面を模式的に示した図である。図5(c)に図示したように、貫通孔111aの内壁と導通部212aとの間の空隙を埋めるように絶縁性樹脂層113が貫通孔111aの内部に充填されることがわかる。本発明によれば、このような構成を有することより、貫通孔111aの内部にボイド(空隙)が生じることを防ぐことができる。また、導通部212aから含有されていた溶剤成分等が放出されることにより生じるガスを、絶縁性樹脂層113を通じて抜けさせることが可能となる。
【0041】
基板110の表裏両面にビルドアップ法により、配線層を形成していく。以上のプロセスによって、本発明の一実施形態に係る貫通電極基板100を得ることができる。このような本発明の第1の実施形態に係る貫通電極基板100の製造方法によれば、従来の電解めっきによる導通部を備えた貫通電極基板の製造方法と比較して、短時間で生産効率を上げて貫通電極基板100を製造することが可能となる。従って、製造コストを低減することも可能となる。また、貫通孔111a、111b、111cの内部に生じるボイド(空隙)やガスを原因として引き起こされる導通部212a、212b、212cの接続不良を防止することができる。また、コアとなる基板110の厚みを、導電性バンプ211a、211b、211cの高さ以下の厚みとすることにより、貫通電極基板100の薄型化を実現できる。
【0042】
<第2の実施形態>
図7A及び図7Bを参照して、本発明の第2の実施形態に係る貫通電極基板100の製造方法について説明する。図7A及び図7Bは、本発明の一実施形態に係る貫通電極基板100の製造工程において形成される導電性バンプの形状例を示した図である。なお、以下、第2の実施形態に係る貫通電極基板100の製造工程について、第1の実施形態に係る貫通電極基板100の製造工程と同様の工程による場合には、詳細な説明について省略する。
【0043】
(1)基板110の準備及び凹部122a、122b、122cの形成(図7A(a)、(b))
本実施形態においては、第1の実施形態と同様に、シリコンからなる基板110を準備する。基板110の一方の面側にマスク(図示せず)を形成した後、そのマスクを介して基板110を厚み方向にエッチングし、凹部122a、122b、122cを形成する。このとき、図7A(b)に図示したように、凹部122aの開口径aは、凹部122b、122cの開口径b、cよりも大きく形成する。開口径の大きさの差から、凹部122aの内部の体積が、凹部122b、122cの内部の体積よりも大きい。
【0044】
(2)絶縁膜の形成
基板110の表面及び凹部122a、122b、122cの内壁に絶縁膜(図示せず)を形成する。本実施形態においては、第1の実施形態と同様に、絶縁膜は酸化シリコン膜であり、熱酸化法あるいはCVD法により形成する。
【0045】
(3)絶縁性樹脂層113の形成(図7A(c))
凹部122a、122b、122cの形成された基板110上に、第1の実施形態と同様に、凹部122a、122b、122cの開口部及び基板110の表面を覆うように絶縁性樹脂層113を配置する。絶縁性樹脂層113にはポリイミドの前躯体のポリアミド樹脂を用いることができる。なお、絶縁性樹脂層113は、また、絶縁性樹脂層113を貫通しやすくするため、例えば東レ社の感光性ポリイミド接着シートLPA15のようなものを用いて予め樹脂に孔を開けておいても良い。
【0046】
(4)導電部材210の準備及び導電性バンプ222a〜222c、223a〜223cの形成(図7B(a)、(b))
導電部材210は、本実施形態においても、第1の実施形態と同様のものを用いることができる。導電部材210として、厚みが5μm〜20μmの銅箔を準備する。導電部材210の表面上に、図7B(a)及び(b)に図示したように、導電性バンプ222a〜222c、223a〜223cを形成する。導電性バンプ222a〜222c、223a〜223cも、第1の実施形態と同様に、金属ペーストを用いてスクリーン印刷法などにより形成する。
【0047】
図7B(a)及び(b)に図示したように、導電性バンプ222a〜222c、223a〜223cの形状は、後述する工程において基板110と導電部材210とを接合する際に、それぞれが対向する凹部122a、122b、122cの内部の体積に対応させて形成する。本実施形態においては、凹部122aに対応する導電性バンプ222a、223aの体積が、凹部122b、122cに対応する導電性バンプ222b、222c、223b、223cの体積よりも大きくなるように形成する。
【0048】
図7B(a)に図示したように、導電性バンプ222a、222b、222cは、それぞれ円柱状または多角柱状などの柱状形状を有していてもよい。導電性バンプ222a、222b、222cの平面視の径e、f、gは、それぞれ凹部122a、122b、122cの開口径a、b、cよりも小さくなるように形成する。また、導電性バンプ222a、222b、222cの高さhは、凹部122a、122b、122cの深さdよりも大きくなるように形成する。このとき、導電性バンプ222aの径eが、導電性バンプ222b、222cの径f、gの2倍である場合には、導電性バンプ222b、222cと同じ大きさの導電性バンプを2列に繋げるように導電性バンプ222aを形成することにより、異なる形状の導電性バンプ222a、222b、222cを容易に形成することが可能となる。従来の電解めっきによる貫通電極の形成では、開口径の異なる孔に対して均一に導電材料を充填することは難しかった。本実施形態によれば、簡易な方法で、凹部122a、122b、122cの内部を充填することができ、形状がそれぞれ異なる導電性バンプ222a、222b、222cを形成することが可能となる。
【0049】
また、図7B(b)に図示したように、錐体形状で、それぞれ異なる形状を有する導電性バンプ223a、223b、223cを、導電部材210上にそれぞれ形成してもよい。図7B(b)に図示した導電性バンプ223a、223b、223cは、図7B(a)に図示した導電性バンプ222a、222b、222cと同様に、それぞれが対向する凹部122a、122b、122cの内部の体積に対応させて導電性バンプ223aの体積が導電性バンプ223b、223cの体積よりも大きくなるように形成する。図7B(b)に図示したように、導電性バンプ223aの高さiが、導電性バンプ223b、223cの高さjよりも高くなるように形成する。例えば、スクリーン印刷法を用いる場合には、導電性バンプ223aを形成する際の金属ペーストを塗布する回数を、導電性バンプ223b、223cを形成する際の塗布回数よりも多い回数として、同じ位置に複数回金属ペーストを付着させることにより、導電性バンプ223b、223cとは高さの異なる導電性バンプ223aを形成してもよい。
【0050】
(5)基板110と導電部材210との接合、導通部212a、212b、212cの形成
図示していないが、第1の実施形態と同様に、減圧下又は真空状態で基板110と導電部材210とをプレスして接合した後、基板110を研磨して凹部122a、122b、122cの底部を開口させる。これにより、凹部122a〜122c及び導電性バンプ222a〜222c、223a〜223cは、それぞれ基板110の表裏を貫通する貫通孔111a、111b、111c及び導通部212a、212b、212cとして形成される。
【0051】
以上のようなプロセスにより、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、絶縁性樹脂層113にポリイミドの前躯体のポリアミド樹脂を用いることから、減圧下または真空状態でのプレス時に、ポリイミドの前躯体のポリアミド樹脂をイミド化させ、ポリイミド樹脂からなる絶縁性樹脂層113により導通部212a、212b、212cと凹部112a、112b、112cの内壁との間の空隙を埋めつつ、それぞれを強固に接合させることが可能となる。従って、貫通孔111a、111b、111cの内壁と導通部212a、212b、212cとの間の空隙を埋めるように絶縁性樹脂層113が貫通孔111a、111b、111cの内部に充填された貫通電極基板100を得ることができる。また、第1の実施形態と同様に、基板110の厚みを、導電性バンプ222a〜222c、223a〜223cの高さ以下の厚みとすることができるため、貫通電極基板100の薄型化を実現できる。
【0052】
従って、第2の実施形態によれば、導電性バンプ222a〜222c、223a〜223cをそれぞれ異なる形状に形成することが容易に可能となり、貫通電極基板100の導通部212a、212b、212cをそれぞれ異なる形状にすることも容易に可能となる。また、従来の電解めっきによる導通部の製造方法と比較して、仕様に応じて異口径の導通部212a、212b、212cを有する貫通電極基板100を容易に製造することができるため、生産効率を上げることが可能となる。さらに、第1の実施形態と同様に、貫通電極基板100の貫通孔111a、111b、111cの内部に生じるボイド(空隙)やガスを原因として引き起こされる接続不良を防止することができるため、貫通電極基板100の電気特性を向上させることができる。
【0053】
<配線パターン及び端子の製造方法>
以下、図8乃至図10を参照し、本発明の一実施形態に係る貫通電極基板100の配線パターン210a〜210d、512a、512b、612a〜612c及び端子311a〜311d、712a〜712cの製造方法について説明する。図8乃至図10は、本発明の一実施形態に係る貫通電極基板の製造工程を説明する図である。
【0054】
図8(a)は、図3(c)に図示した基板110の接合された導電部材210に、配線パターン210a〜210dを形成する工程を示した図である。基板110と導電部材210とを接合した後、導電部材210をパターニングすることにより、グランド層やパッドを含む配線パターン210a〜210dが形成される。
【0055】
次に、図8(b)に図示したように、導電部材210をパターニングして除去された凹部231a〜231cに、絶縁性樹脂等を塗布又はラミネートしてパターニングすることにより絶縁層232a〜232eを形成し、配線パターン210a〜210d上に端子311a〜311dをシード層形成後の電解めっき等により形成する。本実施形態においては、絶縁性樹脂としてポリイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂などを用いてもよい。また、それぞれ感光性タイプの樹脂であっても良い。これにより、端子311a〜311d及び配線パターン210a〜210dの間をそれぞれ電気的に絶縁する絶縁層232a〜232eが形成される。このとき、端子311a〜311d及び絶縁層232a〜232eの形成された表面は、図8(b)に図示したように平坦化して形成する。
【0056】
次に、図8(b)に図示した端子311a〜311d及び絶縁層232a〜232e上に、図8(c)に図示したように、支持基板410を3M(登録商標) WSS(ウェーハサポートシステム)等のUV硬化型接着剤などを用いて配置する。支持基板410は、例えばガラス基板を用いることができる。しかし、ガラス基板に限らず、平面性を有していれば金属材料からなる基板を用いてもよい。このような支持基板410を用いることにより、以後の工程において、基板110側の表面上に配線パターンや端子を形成する工程が容易に可能となる。なお、図8(c)〜図10(b)には、支持基板410が上側に配置された構成を図示しているが、支持基板410を下側に配置して基板110上に配線パターンや端子を形成してもよい。
【0057】
次に、図9(a)に図示したように、基板110を研磨し、基板110の表裏を導通する導通部212a、212b、212cを形成する。図5(b)に基づき上述した工程と同様に、基板110を研磨し、第1及び第2の実施形態に係る凹部112a〜112c、122a〜122cの底部を開口し、基板110の表裏を貫通する貫通孔111a〜111c及び導通部212a、212b、212cを形成する。
【0058】
次に、図9(b)に図示したように、図8(b)に基づき上述した工程と同様に、導通部212a、212b、212cの基板110から露出された部分を覆わない位置に、絶縁性樹脂等を塗布又はラミネートしてパターニングすることにより、絶縁層511a〜511cを形成する。
【0059】
次に、図9(c)に図示したように、絶縁層511a〜511cの間に、金属材料を用いてパターニングやシード層形成後の電解めっきにより、導通部212a、212b、212cと接続されるシード層やパッドを含む配線パターン512a、512bを形成する。
【0060】
次に、図10(a)に図示したように、図9(b)及び図9(c)に図示した工程と同様の工程を繰り返すことにより、配線パターン612a〜612c及び絶縁層611a〜611dを形成してもよい。
【0061】
次に、図10(b)に図示したように、図8(b)に基づき上述した工程と同様に、絶縁性樹脂等を塗布又はラミネートしてパターニングすることにより絶縁層711a〜711dを形成し、配線パターン612a〜612c上に無電解めっき等により端子712a〜712cを形成する。
【0062】
最後に、図10(c)に図示したように、支持基板410を除去することにより、本発明の一実施形態に係る貫通電極基板100を得ることができる。支持基板410はレーザー等を用いて除去してもよいし、予め接着性の弱い接着剤を用いて支持基板410を接合しておくことにより除去し易いように形成しておいてもよい。以上のプロセスによって、本発明の一実施形態に係る貫通電極基板100を得ることができる。
【0063】
以上、本発明の一実施形態に係る貫通電極基板100の製造方法によれば、従来の電解めっきによる導通部の製造方法と比較して、短時間で生産効率を上げて貫通電極基板100を製造することが可能となり、製造コストを低減することができる。また、第1の実施形態及び第2の実施形態として上述したように、コアとなる基板110の厚みを、導電性バンプ211a、211b、211cの高さ以下の厚みとすることができるため、貫通電極基板100の薄型化を実現できる。さらに、貫通孔111a、111b、111cの内部に貫通孔111a、111b、111cの内壁と導通部212a、212b、212cとの間の空隙を埋めるように絶縁性樹脂層113を充填させることができるため、貫通孔111a、111b、111cの内部に生じるボイド(空隙)やガスを原因として引き起こされる導通部212a、212b、212cの接続不良を防止し、電気特性を向上させた貫通電極基板100を提供することができる。
【符号の説明】
【0064】
100:貫通電極基板
110:基板
111a、111b、111c:貫通孔
112a〜112c、122a〜122c、231a〜231c:凹部
113:絶縁性樹脂層
210:導電部材
211a〜211c、222a〜222c、223a〜223c:導電性バンプ
212a、212b、212c:導通部
232a〜232e、511a〜511c、611a〜611d、711a〜711d:絶縁層
210a〜210d、512a、512b、612a〜612c:配線パターン
311a〜311d、712a〜712c:端子
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の表裏を導通する貫通電極を備えた貫通電極基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の高密度、小型化が進み、LSIチップが半導体パッケージと同程度まで縮小化しており、LSIチップを2次元配置することのみによる高密度化は限界に達しつつある。そこで実装密度を上げるためにLSIチップを分け、それらを3次元に積層する必要がある。また、LSIチップを積層した半導体パッケージ全体を高速動作させるために積層回路同士を近づけ、積層回路間の配線距離を短くする必要がある。
【0003】
そこで、上記の要求に応えるべく、LSIチップ間のインターポーザとして基板の表裏を導通する導通部を備えた貫通電極基板が提案されている(特許文献1)。特許文献1によれば、貫通電極基板は、基板に設けられた貫通孔内部を電解めっきによって導電材(Cu)を充填することで形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−54307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1により提案された貫通電極基板の製造方法は、充填めっきによりボイドのない貫通電極を形成しようとすると、電解めっき工程に長時間を要するので、生産効率が低下し、製造コストが高くなるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は上記の従来の問題点を鑑みてなされたものであり、生産効率を上げて製造コストを低減した貫通電極基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る貫通電極基板の製造方法は、基板の第1面に凹部を形成し、前記基板の前記第1面上に前記凹部の開口部を覆うように絶縁性樹脂層を配置し、導電部材上に導電性バンプを形成し、前記導電性バンプと前記凹部とが前記絶縁性樹脂層を介して対向する位置に前記基板と前記導電部材とを配置し、前記基板と前記導電部材とを近づけて前記導電性バンプで前記絶縁性樹脂層を貫通し、前記導電性バンプを前記凹部の底面に接触させ、前記基板と前記導電部材とを接合することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一実施形態に係る貫通電極基板の製造方法は、第1面に形成された凹部の開口部を覆うように絶縁性樹脂層が配置された基板と、導電性バンプが形成された導電部材とを、前記導電性バンプと前記凹部とが前記絶縁性樹脂層を介して対向する位置に配置し、前記基板と前記導電部材とを近づけて前記導電性バンプで前記絶縁性樹脂層を貫通し、前記導電性バンプを前記凹部の底面に接触させ、前記基板と前記導電部材とを接合することを特徴とする。
【0009】
前記絶縁性樹脂層の一部が、前記凹部の内部に導入され、前記凹部の内部に充填された前記導電性バンプと前記凹部の内壁との間に介設してもよい。
【0010】
前記基板と前記導電部材とを減圧下で接合してもよい。
【0011】
前記基板と前記導電部材を接合した後、前記導電部材をパターニングして配線層を形成してもよい。
【0012】
前記配線層が形成された前記基板上に支持基板を配置し、前記基板の前記第1面と対になる第2面から前記基板を薄化して、前記凹部の内部に充填された前記導電性バンプを露出させて前記基板の前記第1面と前記第2面とを導通させる導通部を形成し、前記導通部を形成した後、前記支持基板を除去してもよい。
【0013】
前記基板には開口径が異なる前記凹部が複数形成され、前記凹部の内部の体積にそれぞれ対応して前記導電性バンプの体積を設定してもよい。
【0014】
前記導電性バンプの高さを、それぞれ対応する前記凹部の深さの値より高く設定してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、生産効率を上げて製造コストを低減することが可能な貫通電極基板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る貫通電極基板の断面図である。
【図2A】本発明の第1の実施形態に係る貫通電極基板の製造工程を説明する図である。
【図2B】本発明の第1の実施形態に係る貫通電極基板の製造工程を説明する図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る貫通電極基板の製造工程を説明する図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る貫通電極基板の製造工程を説明する図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る貫通電極基板の製造工程を説明する図である。
【図6A】本発明の一実施形態に係る貫通電極基板の製造工程において形成される導電性バンプの形状例を示した図である。
【図6B】本発明の一実施形態に係る貫通電極基板の製造工程において形成される導電性バンプの形状例を示した図である。
【図7A】本発明の第2の実施形態に係る貫通電極基板の製造工程を説明する図である。
【図7B】本発明の第2の実施形態に係る貫通電極基板の製造工程を説明する図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る貫通電極基板の製造工程を説明する図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る貫通電極基板の製造工程を説明する図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る貫通電極基板の製造工程を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る貫通電極基板及びその製造方法について説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施することができる。
【0018】
(1.貫通電極基板の構成)
図1は本発明の一実施形態に係る貫通電極基板100の断面図である。本発明の一実施形態に係る貫通電極基板100は、コアとなる基板110の表裏を貫通する貫通孔111a、111b、111cを備えている。貫通孔111a、111b、111cの内部には導通部212a、212b、212cが形成されている。基板110はシリコンなどの半導体材料からなる。後述するが、基板110にエッチング、サンドブラストなどの方法により貫通孔111a、111b、111cを形成するための凹部が形成され、凹部を形成した反対側から研磨などにより薄化して貫通孔111a、111b、111cが形成される。本実施形態においては、基板110はシリコンからなる半導体基板とするが、特に制限は無く、例えば、ガラス、石英、サファイアなどの無機材料からなる基板110であってもよい。また、基板110は、高温下又は減圧下で用いることができるものであることが好ましい。基板110の厚みには特に制限は無いが、好ましくは後述する導電性バンプの形成可能な高さの値よりも薄くするとよい。具体的には、例えば3μm〜200μmであるとよい。より好ましくは5μm〜100μmであるとよい。なお、図1においては、説明の便宜上、貫通孔111a、111b、111cを3つしか図示していないが、基板110には複数の貫通孔111a、111b、111cが形成され、それぞれの貫通孔111a、111b、111cに導通部212a、212b、212cが形成される。
【0019】
本実施形態において、基板110自体が所望の絶縁性を有していない場合には、貫通孔111a、111b、111cの内壁及び基板110の表面には電気絶縁性確保のための絶縁膜を設けるとよい。絶縁膜の図示は省略している。絶縁膜は、例えばSiO2、SiN等の無機材料、高分子などの有機材料などが単層又は積層されて構成されてもよい。SiO2であれば熱酸化法、CVD法などにより形成される。絶縁膜の厚みは、所望の絶縁性が確保できれば特に限定されない。例えば、0.1μm〜3μmとしてもよい。
【0020】
本実施形態において、絶縁膜が形成された貫通孔111a、111b、111cの内壁の少なくとも一部及び基板110上には絶縁性樹脂層113が配置される。絶縁性樹脂層113は、制限はないが、ポリイミドの前躯体のポリアミド樹脂を用いることが好ましい。導電性バンプの当接に対してよく変形し、加熱することでイミド化するからである。また、例えば東レ社のLPA15のような感光性のポリイミド接着シートも好ましい態様といえる。貫通孔111a、111b、111cに対応する部位を選択的に除去することができるからである。絶縁性樹脂層113は、基板110の表面から貫通孔111a、111b、111cの内壁に沿って、貫通孔111a、111b、111cの内部において導通部212a、212b、212cと貫通孔111a、111b、111cの内壁との間の空隙を埋めるように配置される。基板110の表面上の絶縁性樹脂層113の厚みは、制限はないが、例えば5μm〜50μmである。
【0021】
本実施形態においては、貫通孔111a、111b、111cの開口径には特に制限はなく、貫通電極基板100の仕様等に応じて適宜設定し得る。例えば、開口径は10μm〜200μmとするとよい。
【0022】
本実施形態において、導通部212a、212b、212cは貫通孔111a、111b、111cに導電材料が充填された、基板110の表裏の導通をとる配線である。導通部212a、212b、212cに用いる導電材料として、後述するように、例えば、銅(Cu)、銀(Au)などの金属材料、又は導電性カーボンなどを用いることが好ましい。
【0023】
本実施形態において、基板110の表裏に露出した導通部212a、212b、212c上には、導通部212a、212b、212cと電気的に接続される配線パターンが形成されている。配線パターンは、パターニングされた導電性部材により形成されたパッドや配線等を含む。本実施形態において、図1に図示したように、基板110上に配置された絶縁性樹脂層113上に、配線パターン210a、210b、210dが形成され、配線パターン210b、210cは絶縁性樹脂層113から露出した導通部212a、212b、212cとそれぞれ接続される。配線パターン210a、210b、210dの上には、さらに導電性の端子311a、311b、311dが形成されてもよい。配線パターン210a〜210d及び端子311a〜311dの間には、各々の電気絶縁性を確保するための絶縁層232a〜232eが形成される。また、基板110の裏面において露出された導通部212a、212b、212cは、配線パターン512a、512bとそれぞれ接続される。なお、図示していないが、基板110と配線パターン512a、512bの間に感光性ポリイミドの絶縁層があっても良い。配線パターン512a、512d上にさらに配線パターン612a、612b、612cが形成され、配線パターン612a、612b、612c上には導電性の端子712a、712b、712cが形成されてもよい。配線パターン512a、512b、612a〜612c及び端子712a〜712cの間には、各々の電気絶縁性を確保するための絶縁層511a〜511c、611a〜611d、711a〜711dが形成される。なお、配線パターン210a〜210d、512a、512b、612a〜612c及び端子311a〜311d、712a〜712cの構成は上述した構成に限定されるものではなく、仕様等に応じて適宜変更され得る。本実施形態では、基板110の表裏両面に複数層の配線層を備えた貫通電極基板100を示した。基板110の表裏に一層又は複数層からなる配線層が、基板110の表のみ若しくは裏のみに形成されてもよい。
【0024】
本発明の一実施形態に係る貫通電極基板100は、貫通孔111a、111b、111cの内部に貫通孔111a、111b、111cの内壁と導通部212a、212b、212cとの間の空隙を埋める絶縁性樹脂層113が配置されることから、貫通孔111a、111b、111cの内部にボイド(空隙)が生じることを防ぐことができる。また、導通部212a、212b、212cから生じるガスは、絶縁性樹脂層113を通じて外へ放出することにより配線等の浮きによる接続不良を防止することができる。
【0025】
(2.貫通電極基板100の製造方法)
以下、図2A乃至図10を参照して本発明の一実施形態に係る貫通電極基板100の製造方法について説明する。
【0026】
<第1の実施形態>
図2A乃至図6Bを参照して、本発明の第1の実施形態に係る貫通電極基板100の製造方法について説明する。図2A乃至図5は本発明の第1の実施形態に係る貫通電極基板100の製造工程を説明する図である。図6A及び図6Bは、本発明の一実施形態に係る貫通電極基板100の製造工程において形成される導電性バンプの形状例を示した図である。
【0027】
(1)基板110の準備及び凹部112a、112b、112cの形成(図2A(a)、(b))
本実施形態においては、シリコンからなる基板110を準備する。基板110の厚みは特に限定されないが、支持性を考慮して300μm〜800μmとするとよい。基板110の第1面側にレジスト、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、金属などから選択されるマスク(図示せず)を形成した後、そのマスクを介して基板110を厚み方向にエッチング、サンドブラスト等により、有底状の凹部112a、112b、112cを形成する。エッチング方法としてはRIE法、DRIE法などを用いることができる。基板110にこのような有底孔の凹部112a、112b、112cを形成した後、後述する工程において基板110を他方の面側から研磨して開口させることにより、図1に示した貫通孔111a、111b、111cが形成される。
【0028】
(2)絶縁膜の形成
基板110の表面及び凹部112a、112b、112cの内壁に絶縁膜(図示せず)を形成する。本実施形態においては、絶縁膜は酸化シリコン膜であり、熱酸化法あるいはCVD法により形成する。
【0029】
(3)絶縁性樹脂層113の形成(図2A(c))
凹部112a、112b、112cの形成された基板110上に、凹部112a、112b、112cの開口部を覆うように絶縁性樹脂層113を配置する。絶縁性樹脂層113は、ポリイミドの前躯体のポリアミド樹脂を塗布して形成することができる本実施形態においては、絶縁性樹脂層113にポリイミドの前躯体のポリアミド樹脂又は感光性ポリイミド接着シートを用いる。絶縁性樹脂層113の厚みは、5μm〜50μmであってもよいが、後述する工程において導通部212a、212b、212cを形成する導電性バンプ211a、211b、211cを貫通させることができ、導通部212a、212b、212cと凹部112a、112b、112cの内壁との間の空隙を埋めることが可能な程度の厚みであることが好ましい。
【0030】
絶縁性樹脂層113は、感光性のドライフィルムレジストを用いてもよく、当該ドライフィルムレジストを基板110にラミネートして配置してもよい。基板110上に配置された際に凹部112a、112b、112cと対向する位置に、予めパターニングにより複数の孔を形成しておいてもよい。これにより、後述する工程において基板110と導電部材210とを接合する際に、導電性バンプ211a、211b、211cを絶縁性樹脂層113に貫通させることが容易となる。ここで、絶縁性樹脂層113に形成される複数の孔は、後述する工程において絶縁性樹脂層113の一部が凹部112a、112b、112c内に充填されるように、予め凹部112a、112b、112cの開口径よりも小さい径を有するように形成することが好ましい。
【0031】
(4)導電部材210の準備(図2B(a))
導電部材210は、例えば、金属材料からなりであり、シート形状を有するものを用いる。導電部材210の厚みは、特に限定されないが、後述する工程において配線層として利用することができる厚みを有するものであることが好ましい。本実施形態においては、導電部材210として厚みが5μm〜20μmの銅箔を準備する。導電部材210は、導電性バンプが形成される面が粗化処理されたものであってもよい。
【0032】
(5)導電性バンプ211a、211b、211cの形成(図2B(b))
導電部材210の表面上に導電性バンプ211a、211b、211cを形成する。導電性バンプ211a、211b、211cは、スクリーン印刷法など公知の方法を用いて形成される。導電性バンプ211a、211b、211cを形成するには、例えば、せん断速度1(1/s)のときの粘度が、20℃において1070Pa・s、23℃において1110Pa・s、26℃において1290Pa・sである銀ペーストや銅ペーストなどの金属含有の導電性ペーストを用いるとよい。本実施形態においては、銀ペーストを用いることとする。なお、導電部材210が粗化処理されている場合には、導電性バンプ211a、211b、211cは導電部材210の粗化処理された表面上に形成される。これにより、導電部材210上に導電性バンプ211a、211b、211cを付着させることが容易になり、後述する工程において基板110と導電部材210とを接合する際に、より強固に接合させることが可能となる。例えば、光学式表面形状測定器等により測定した数値で、粗面化の程度をRz0.5μm〜Rz8.0μmの範囲とすることが好ましい。
【0033】
導電性バンプ211a、211b、211cの形状は、本実施形態においては、図2B(b)に示すように、先端の尖った略錐体形状を有していてもよい。導電性バンプを先端の尖った略錐体形状とすることで、絶縁性樹脂層113を容易に貫通させることができるからである。このとき、導電性バンプ211a、211b、211cの高さは、凹部112a、112b、112cの開口部から底面までの深さよりも大きくなるように形成する。例えば、導電性バンプの高さは、5μm〜230μmとするとよい。また、導電性バンプ211a、211b、211cの断面の径が、凹部112a、112b、112cの開口径よりも小さくなるように導電性バンプ211a、211b、211cを形成する。
【0034】
導電性バンプ211a、211b、211cの形状は、後述する工程において基板110と導電部材210とを接合する際に、基板110上に配置された絶縁性樹脂層113を貫通して凹部112a、112b、112cの底面まで接触することが可能な形状を有していれば、図2B(b)に図示した形状に限定されない。例えば、図6A及び図6Bに図示したように、導電性バンプ211a、211b、211cは様々な形状を有することができる。導電性バンプ211a、211b、211cは、図6A(a)に示した導電性バンプ213a、213bのように円錐台形状を有してもよく、図6A(b)に示した導電性バンプ214a、214bのように略四角柱状の形状を有してもよい。また、図6B(a)に示した導電性バンプ215a、215bのように円柱状の形状を有していてもよく、図6B(b)に示した導電性バンプ216a、216bのように円柱状の形状と円錐状の形状とを組み合わせた形状を有していてもよい。また、図6B(c)に示した導電性バンプ217a、217bのように、絶縁性樹脂層113に導電性バンプが当接したとき、接触部分に所定の圧力がかかり絶縁性樹脂層113を貫通するような形状であれば、先端が尖っていない形状を有していてもよい。また、絶縁性樹脂層113を貫通しやすくするため、例えば東レ社の感光性ポリイミド接着シートLPA15のようなものを用いて予め樹脂に孔を開けておいても良い。
【0035】
(6)基板110と導電部材210との接合(図3乃至図5)
減圧下で基板110と導電部材210とを接合する。まず、図3(a)に図示するように、凹部112a、112b、112cと導電性バンプ211a、211b、211cとが絶縁性樹脂層113を介してそれぞれ対向する位置に、基板110の絶縁性樹脂層113の形成された面と導電部材210の導電性バンプ211a、211b、211cの形成された面とを対向させて配置する。
【0036】
次に、図3(b)に示すように、基板110と導電部材210を近接させて導電性バンプ211a、211b、211cで絶縁性樹脂層113を貫通し、導電性バンプ211a、211b、211cを凹部112a、112b、112cの内部に侵入させる。なお、図4及び図5に示すように、基板110が上側に配置され、導電部材210が下側に配置されて接合されてもよい。導電性バンプ211a、211b、211cの先端が凹部112a、112b、112cの底面に接触して潰れ、絶縁性樹脂層113と導電部材210の対向する面同士がそれぞれ接合されるまで、基板110と導電部材210とをプレスする。このとき、基板110と導電部材210とが配置されたチャンバ内の圧力を下げた減圧下または真空下でプレスを行うことが好ましい。減圧下または真空状態でプレスを行うことで、絶縁性樹脂層113が、後述する貫通孔111a、111b、111c内部の充填をより確実にできるからである。図3(c)及び図4(b)に図示したように、導電性バンプ211a、211b、211cの先端は凹部112a、112b、112cの底面に当接し、押し潰されるように変形し、凹部112a、112b、112cの内部に導電性バンプ211a、211b、211c及び絶縁性樹脂層113の一部が充填される。凹部112a、112b、112cの内部には、導電性バンプ211a、211b、211cの侵入とともに引き込まれて導入された絶縁性樹脂層113の一部が、導通部212a、212b、212cと凹部112a、112b、112cの内壁との間の空隙を埋めるように充填される。このとき、基板110は、支持性のある厚さを有しており、かつ有底孔である凹部112a、112b、112cを有する基板110を用いるので、プレス工程等を安定して行うことができるため、製造上有利である。
【0037】
図5(a)は、図4(b)に示したX部分の拡大図であり、略錐体形状を有していた導電性バンプ211aが、上述したプレスにより、略柱状の形状にまで変形した状態を、模式的に図示している。図5(a)に図示したように、導電性バンプ211aは凹部112aの底面にまで十分に充填される。また、図5(a)に図示したように、導電部材210の接合面と対向する裏面には若干の凸部210kが生じることがある。
【0038】
なお、本実施形態においては、絶縁性樹脂層113にポリイミドの前躯体のポリアミド樹脂を用いることから、上述した減圧下または真空状態でのプレス時に、ポリイミドの前躯体のポリアミド樹脂を加熱することでイミド化させ、ポリイミド樹脂からなる絶縁性樹脂層113により導通部212a、212b、212cと凹部112a、112b、112cの内壁との間の空隙を埋めつつ、それぞれを強固に接合させることも可能となる。このとき、絶縁性樹脂層113のポリイミド樹脂は、例えば、200℃で1時間以上加熱することによりイミド化させることができる。なお、東レ社の感光性ポリイミド接着シートLPA15を用いる場合には、160℃で1時間以上加熱することによりイミド化させてもよい。
【0039】
(7)導通部212a、212b、212cの形成(図5(b))
図5(b)は、図5(a)に図示した基板110の第1面と対向する第2面を研磨等して基板110を薄化して凹部112aの底部を開口させることにより、基板110の表裏を貫通する貫通孔111a及び導通部212aを形成した状態を模式的に示した図である。図示したように、導電性バンプ211aは、基板110の表裏を導通する導通部212aとなる。なお、図示していないが、導電部材210の不要部をパターニングしてエッチング等により除去することにより、図1に図示した導通部212a〜212cとそれぞれ接続される配線パターン210a〜210dを形成してもよい。
【0040】
図5(c)は、図5(b)に示したA−A´線の断面を模式的に示した図である。図5(c)に図示したように、貫通孔111aの内壁と導通部212aとの間の空隙を埋めるように絶縁性樹脂層113が貫通孔111aの内部に充填されることがわかる。本発明によれば、このような構成を有することより、貫通孔111aの内部にボイド(空隙)が生じることを防ぐことができる。また、導通部212aから含有されていた溶剤成分等が放出されることにより生じるガスを、絶縁性樹脂層113を通じて抜けさせることが可能となる。
【0041】
基板110の表裏両面にビルドアップ法により、配線層を形成していく。以上のプロセスによって、本発明の一実施形態に係る貫通電極基板100を得ることができる。このような本発明の第1の実施形態に係る貫通電極基板100の製造方法によれば、従来の電解めっきによる導通部を備えた貫通電極基板の製造方法と比較して、短時間で生産効率を上げて貫通電極基板100を製造することが可能となる。従って、製造コストを低減することも可能となる。また、貫通孔111a、111b、111cの内部に生じるボイド(空隙)やガスを原因として引き起こされる導通部212a、212b、212cの接続不良を防止することができる。また、コアとなる基板110の厚みを、導電性バンプ211a、211b、211cの高さ以下の厚みとすることにより、貫通電極基板100の薄型化を実現できる。
【0042】
<第2の実施形態>
図7A及び図7Bを参照して、本発明の第2の実施形態に係る貫通電極基板100の製造方法について説明する。図7A及び図7Bは、本発明の一実施形態に係る貫通電極基板100の製造工程において形成される導電性バンプの形状例を示した図である。なお、以下、第2の実施形態に係る貫通電極基板100の製造工程について、第1の実施形態に係る貫通電極基板100の製造工程と同様の工程による場合には、詳細な説明について省略する。
【0043】
(1)基板110の準備及び凹部122a、122b、122cの形成(図7A(a)、(b))
本実施形態においては、第1の実施形態と同様に、シリコンからなる基板110を準備する。基板110の一方の面側にマスク(図示せず)を形成した後、そのマスクを介して基板110を厚み方向にエッチングし、凹部122a、122b、122cを形成する。このとき、図7A(b)に図示したように、凹部122aの開口径aは、凹部122b、122cの開口径b、cよりも大きく形成する。開口径の大きさの差から、凹部122aの内部の体積が、凹部122b、122cの内部の体積よりも大きい。
【0044】
(2)絶縁膜の形成
基板110の表面及び凹部122a、122b、122cの内壁に絶縁膜(図示せず)を形成する。本実施形態においては、第1の実施形態と同様に、絶縁膜は酸化シリコン膜であり、熱酸化法あるいはCVD法により形成する。
【0045】
(3)絶縁性樹脂層113の形成(図7A(c))
凹部122a、122b、122cの形成された基板110上に、第1の実施形態と同様に、凹部122a、122b、122cの開口部及び基板110の表面を覆うように絶縁性樹脂層113を配置する。絶縁性樹脂層113にはポリイミドの前躯体のポリアミド樹脂を用いることができる。なお、絶縁性樹脂層113は、また、絶縁性樹脂層113を貫通しやすくするため、例えば東レ社の感光性ポリイミド接着シートLPA15のようなものを用いて予め樹脂に孔を開けておいても良い。
【0046】
(4)導電部材210の準備及び導電性バンプ222a〜222c、223a〜223cの形成(図7B(a)、(b))
導電部材210は、本実施形態においても、第1の実施形態と同様のものを用いることができる。導電部材210として、厚みが5μm〜20μmの銅箔を準備する。導電部材210の表面上に、図7B(a)及び(b)に図示したように、導電性バンプ222a〜222c、223a〜223cを形成する。導電性バンプ222a〜222c、223a〜223cも、第1の実施形態と同様に、金属ペーストを用いてスクリーン印刷法などにより形成する。
【0047】
図7B(a)及び(b)に図示したように、導電性バンプ222a〜222c、223a〜223cの形状は、後述する工程において基板110と導電部材210とを接合する際に、それぞれが対向する凹部122a、122b、122cの内部の体積に対応させて形成する。本実施形態においては、凹部122aに対応する導電性バンプ222a、223aの体積が、凹部122b、122cに対応する導電性バンプ222b、222c、223b、223cの体積よりも大きくなるように形成する。
【0048】
図7B(a)に図示したように、導電性バンプ222a、222b、222cは、それぞれ円柱状または多角柱状などの柱状形状を有していてもよい。導電性バンプ222a、222b、222cの平面視の径e、f、gは、それぞれ凹部122a、122b、122cの開口径a、b、cよりも小さくなるように形成する。また、導電性バンプ222a、222b、222cの高さhは、凹部122a、122b、122cの深さdよりも大きくなるように形成する。このとき、導電性バンプ222aの径eが、導電性バンプ222b、222cの径f、gの2倍である場合には、導電性バンプ222b、222cと同じ大きさの導電性バンプを2列に繋げるように導電性バンプ222aを形成することにより、異なる形状の導電性バンプ222a、222b、222cを容易に形成することが可能となる。従来の電解めっきによる貫通電極の形成では、開口径の異なる孔に対して均一に導電材料を充填することは難しかった。本実施形態によれば、簡易な方法で、凹部122a、122b、122cの内部を充填することができ、形状がそれぞれ異なる導電性バンプ222a、222b、222cを形成することが可能となる。
【0049】
また、図7B(b)に図示したように、錐体形状で、それぞれ異なる形状を有する導電性バンプ223a、223b、223cを、導電部材210上にそれぞれ形成してもよい。図7B(b)に図示した導電性バンプ223a、223b、223cは、図7B(a)に図示した導電性バンプ222a、222b、222cと同様に、それぞれが対向する凹部122a、122b、122cの内部の体積に対応させて導電性バンプ223aの体積が導電性バンプ223b、223cの体積よりも大きくなるように形成する。図7B(b)に図示したように、導電性バンプ223aの高さiが、導電性バンプ223b、223cの高さjよりも高くなるように形成する。例えば、スクリーン印刷法を用いる場合には、導電性バンプ223aを形成する際の金属ペーストを塗布する回数を、導電性バンプ223b、223cを形成する際の塗布回数よりも多い回数として、同じ位置に複数回金属ペーストを付着させることにより、導電性バンプ223b、223cとは高さの異なる導電性バンプ223aを形成してもよい。
【0050】
(5)基板110と導電部材210との接合、導通部212a、212b、212cの形成
図示していないが、第1の実施形態と同様に、減圧下又は真空状態で基板110と導電部材210とをプレスして接合した後、基板110を研磨して凹部122a、122b、122cの底部を開口させる。これにより、凹部122a〜122c及び導電性バンプ222a〜222c、223a〜223cは、それぞれ基板110の表裏を貫通する貫通孔111a、111b、111c及び導通部212a、212b、212cとして形成される。
【0051】
以上のようなプロセスにより、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、絶縁性樹脂層113にポリイミドの前躯体のポリアミド樹脂を用いることから、減圧下または真空状態でのプレス時に、ポリイミドの前躯体のポリアミド樹脂をイミド化させ、ポリイミド樹脂からなる絶縁性樹脂層113により導通部212a、212b、212cと凹部112a、112b、112cの内壁との間の空隙を埋めつつ、それぞれを強固に接合させることが可能となる。従って、貫通孔111a、111b、111cの内壁と導通部212a、212b、212cとの間の空隙を埋めるように絶縁性樹脂層113が貫通孔111a、111b、111cの内部に充填された貫通電極基板100を得ることができる。また、第1の実施形態と同様に、基板110の厚みを、導電性バンプ222a〜222c、223a〜223cの高さ以下の厚みとすることができるため、貫通電極基板100の薄型化を実現できる。
【0052】
従って、第2の実施形態によれば、導電性バンプ222a〜222c、223a〜223cをそれぞれ異なる形状に形成することが容易に可能となり、貫通電極基板100の導通部212a、212b、212cをそれぞれ異なる形状にすることも容易に可能となる。また、従来の電解めっきによる導通部の製造方法と比較して、仕様に応じて異口径の導通部212a、212b、212cを有する貫通電極基板100を容易に製造することができるため、生産効率を上げることが可能となる。さらに、第1の実施形態と同様に、貫通電極基板100の貫通孔111a、111b、111cの内部に生じるボイド(空隙)やガスを原因として引き起こされる接続不良を防止することができるため、貫通電極基板100の電気特性を向上させることができる。
【0053】
<配線パターン及び端子の製造方法>
以下、図8乃至図10を参照し、本発明の一実施形態に係る貫通電極基板100の配線パターン210a〜210d、512a、512b、612a〜612c及び端子311a〜311d、712a〜712cの製造方法について説明する。図8乃至図10は、本発明の一実施形態に係る貫通電極基板の製造工程を説明する図である。
【0054】
図8(a)は、図3(c)に図示した基板110の接合された導電部材210に、配線パターン210a〜210dを形成する工程を示した図である。基板110と導電部材210とを接合した後、導電部材210をパターニングすることにより、グランド層やパッドを含む配線パターン210a〜210dが形成される。
【0055】
次に、図8(b)に図示したように、導電部材210をパターニングして除去された凹部231a〜231cに、絶縁性樹脂等を塗布又はラミネートしてパターニングすることにより絶縁層232a〜232eを形成し、配線パターン210a〜210d上に端子311a〜311dをシード層形成後の電解めっき等により形成する。本実施形態においては、絶縁性樹脂としてポリイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂などを用いてもよい。また、それぞれ感光性タイプの樹脂であっても良い。これにより、端子311a〜311d及び配線パターン210a〜210dの間をそれぞれ電気的に絶縁する絶縁層232a〜232eが形成される。このとき、端子311a〜311d及び絶縁層232a〜232eの形成された表面は、図8(b)に図示したように平坦化して形成する。
【0056】
次に、図8(b)に図示した端子311a〜311d及び絶縁層232a〜232e上に、図8(c)に図示したように、支持基板410を3M(登録商標) WSS(ウェーハサポートシステム)等のUV硬化型接着剤などを用いて配置する。支持基板410は、例えばガラス基板を用いることができる。しかし、ガラス基板に限らず、平面性を有していれば金属材料からなる基板を用いてもよい。このような支持基板410を用いることにより、以後の工程において、基板110側の表面上に配線パターンや端子を形成する工程が容易に可能となる。なお、図8(c)〜図10(b)には、支持基板410が上側に配置された構成を図示しているが、支持基板410を下側に配置して基板110上に配線パターンや端子を形成してもよい。
【0057】
次に、図9(a)に図示したように、基板110を研磨し、基板110の表裏を導通する導通部212a、212b、212cを形成する。図5(b)に基づき上述した工程と同様に、基板110を研磨し、第1及び第2の実施形態に係る凹部112a〜112c、122a〜122cの底部を開口し、基板110の表裏を貫通する貫通孔111a〜111c及び導通部212a、212b、212cを形成する。
【0058】
次に、図9(b)に図示したように、図8(b)に基づき上述した工程と同様に、導通部212a、212b、212cの基板110から露出された部分を覆わない位置に、絶縁性樹脂等を塗布又はラミネートしてパターニングすることにより、絶縁層511a〜511cを形成する。
【0059】
次に、図9(c)に図示したように、絶縁層511a〜511cの間に、金属材料を用いてパターニングやシード層形成後の電解めっきにより、導通部212a、212b、212cと接続されるシード層やパッドを含む配線パターン512a、512bを形成する。
【0060】
次に、図10(a)に図示したように、図9(b)及び図9(c)に図示した工程と同様の工程を繰り返すことにより、配線パターン612a〜612c及び絶縁層611a〜611dを形成してもよい。
【0061】
次に、図10(b)に図示したように、図8(b)に基づき上述した工程と同様に、絶縁性樹脂等を塗布又はラミネートしてパターニングすることにより絶縁層711a〜711dを形成し、配線パターン612a〜612c上に無電解めっき等により端子712a〜712cを形成する。
【0062】
最後に、図10(c)に図示したように、支持基板410を除去することにより、本発明の一実施形態に係る貫通電極基板100を得ることができる。支持基板410はレーザー等を用いて除去してもよいし、予め接着性の弱い接着剤を用いて支持基板410を接合しておくことにより除去し易いように形成しておいてもよい。以上のプロセスによって、本発明の一実施形態に係る貫通電極基板100を得ることができる。
【0063】
以上、本発明の一実施形態に係る貫通電極基板100の製造方法によれば、従来の電解めっきによる導通部の製造方法と比較して、短時間で生産効率を上げて貫通電極基板100を製造することが可能となり、製造コストを低減することができる。また、第1の実施形態及び第2の実施形態として上述したように、コアとなる基板110の厚みを、導電性バンプ211a、211b、211cの高さ以下の厚みとすることができるため、貫通電極基板100の薄型化を実現できる。さらに、貫通孔111a、111b、111cの内部に貫通孔111a、111b、111cの内壁と導通部212a、212b、212cとの間の空隙を埋めるように絶縁性樹脂層113を充填させることができるため、貫通孔111a、111b、111cの内部に生じるボイド(空隙)やガスを原因として引き起こされる導通部212a、212b、212cの接続不良を防止し、電気特性を向上させた貫通電極基板100を提供することができる。
【符号の説明】
【0064】
100:貫通電極基板
110:基板
111a、111b、111c:貫通孔
112a〜112c、122a〜122c、231a〜231c:凹部
113:絶縁性樹脂層
210:導電部材
211a〜211c、222a〜222c、223a〜223c:導電性バンプ
212a、212b、212c:導通部
232a〜232e、511a〜511c、611a〜611d、711a〜711d:絶縁層
210a〜210d、512a、512b、612a〜612c:配線パターン
311a〜311d、712a〜712c:端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の第1面に凹部を形成し、
前記基板の前記第1面上に前記凹部の開口部を覆うように絶縁性樹脂層を配置し、
導電部材上に導電性バンプを形成し、
前記導電性バンプと前記凹部とが前記絶縁性樹脂層を介して対向する位置に前記基板と前記導電部材とを配置し、
前記基板と前記導電部材とを近づけて前記導電性バンプで前記絶縁性樹脂層を貫通し、前記導電性バンプを前記凹部の底面に接触させ、前記基板と前記導電部材とを接合することを特徴とする貫通電極基板の製造方法。
【請求項2】
第1面に形成された凹部の開口部を覆うように絶縁性樹脂層が配置された基板と、導電性バンプが形成された導電部材とを、前記導電性バンプと前記凹部とが前記絶縁性樹脂層を介して対向する位置に配置し、
前記基板と前記導電部材とを近づけて前記導電性バンプで前記絶縁性樹脂層を貫通し、前記導電性バンプを前記凹部の底面に接触させ、前記基板と前記導電部材とを接合することを特徴とする貫通電極基板の製造方法。
【請求項3】
前記絶縁性樹脂層の一部が、前記凹部の内部に導入され、前記凹部の内部に充填された前記導電性バンプと前記凹部の内壁との間に介設することを特徴とする請求項1又は2に記載の貫通電極基板の製造方法。
【請求項4】
減圧下で前記基板と前記導電部材とを接合することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の貫通電極基板の製造方法。
【請求項5】
前記基板と前記導電部材を接合した後、前記導電部材をパターニングして配線層を形成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の貫通電極基板の製造方法。
【請求項6】
前記配線層が形成された前記基板上に支持基板を配置し、
前記基板の前記第1面と対になる第2面から前記基板を薄化して、前記凹部の内部に充填された前記導電性バンプを露出させて前記基板の前記第1面と前記第2面とを導通させる導通部を形成し、
前記導通部を形成した後、前記支持基板を除去することを特徴とする請求項5に記載の貫通電極基板の製造方法。
【請求項7】
前記基板には開口径が異なる前記凹部が複数形成され、
前記凹部の内部の体積にそれぞれ対応して前記導電性バンプの体積を設定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の貫通電極基板の製造方法。
【請求項8】
前記導電性バンプの高さを、それぞれ対応する前記凹部の深さの値より高く設定することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の貫通電極基板の製造方法。
【請求項1】
基板の第1面に凹部を形成し、
前記基板の前記第1面上に前記凹部の開口部を覆うように絶縁性樹脂層を配置し、
導電部材上に導電性バンプを形成し、
前記導電性バンプと前記凹部とが前記絶縁性樹脂層を介して対向する位置に前記基板と前記導電部材とを配置し、
前記基板と前記導電部材とを近づけて前記導電性バンプで前記絶縁性樹脂層を貫通し、前記導電性バンプを前記凹部の底面に接触させ、前記基板と前記導電部材とを接合することを特徴とする貫通電極基板の製造方法。
【請求項2】
第1面に形成された凹部の開口部を覆うように絶縁性樹脂層が配置された基板と、導電性バンプが形成された導電部材とを、前記導電性バンプと前記凹部とが前記絶縁性樹脂層を介して対向する位置に配置し、
前記基板と前記導電部材とを近づけて前記導電性バンプで前記絶縁性樹脂層を貫通し、前記導電性バンプを前記凹部の底面に接触させ、前記基板と前記導電部材とを接合することを特徴とする貫通電極基板の製造方法。
【請求項3】
前記絶縁性樹脂層の一部が、前記凹部の内部に導入され、前記凹部の内部に充填された前記導電性バンプと前記凹部の内壁との間に介設することを特徴とする請求項1又は2に記載の貫通電極基板の製造方法。
【請求項4】
減圧下で前記基板と前記導電部材とを接合することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の貫通電極基板の製造方法。
【請求項5】
前記基板と前記導電部材を接合した後、前記導電部材をパターニングして配線層を形成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の貫通電極基板の製造方法。
【請求項6】
前記配線層が形成された前記基板上に支持基板を配置し、
前記基板の前記第1面と対になる第2面から前記基板を薄化して、前記凹部の内部に充填された前記導電性バンプを露出させて前記基板の前記第1面と前記第2面とを導通させる導通部を形成し、
前記導通部を形成した後、前記支持基板を除去することを特徴とする請求項5に記載の貫通電極基板の製造方法。
【請求項7】
前記基板には開口径が異なる前記凹部が複数形成され、
前記凹部の内部の体積にそれぞれ対応して前記導電性バンプの体積を設定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の貫通電極基板の製造方法。
【請求項8】
前記導電性バンプの高さを、それぞれ対応する前記凹部の深さの値より高く設定することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の貫通電極基板の製造方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−62371(P2013−62371A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199712(P2011−199712)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
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