説明

貯湯タンクユニット

【課題】真空断熱材と重ねて配置される断熱部材の破損を確実に防止し、且つコンパクト化が図れる貯湯タンクユニットを提供すること。
【解決手段】本発明の貯湯タンクユニットは、湯を貯留する略円筒形の貯湯タンク10と、貯湯タンク10を収容する外装ケースと、貯湯タンク10と外装ケースとの間に配置され、貯湯タンク10を覆う形状に形成された断熱部材(20a〜20d)と、貯湯タンク10の胴部を覆う位置で、断熱部材(20c,20d)に重ねて配置された真空断熱材21a,21bとを備える。断熱部材は、真空断熱材と重なる範囲を含む第1の部分(20c,20d)と、真空断熱材と重なる範囲を含まない第2の部分(20a,20b)とを有し、第1の部分の材料強度が第2の部分の材料強度より高くされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯湯式給湯機に用いられる貯湯タンクユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ヒートポンプ等の加熱手段によって水を加熱して得られた高温の湯を貯湯タンクに貯留し、必要時に貯湯タンクから湯を取り出して給湯端末に供給するように構成された貯湯式給湯機が広く用いられている。この貯湯式給湯機が備える貯湯タンクユニットには、貯湯タンクからの放熱ロスを抑えるため、貯湯タンクを覆う断熱材が配置される。
【0003】
下記特許文献1には、真空断熱材と、発泡スチロール製断熱部材とを組み合わせた断熱保温材を貯湯タンクの周囲に配置することにより、真空断熱材が破損した場合の影響を少なくする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−212062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の図4に示されるように、真空断熱材と発泡スチロール製断熱部材とを組み合わせて用いる場合、真空断熱材と重なる部分の発泡スチロールの厚みを、他の部分より薄くする必要があるため、部品強度が低下する。このため、組付けの際、発泡スチロール製断熱部材を破損するおそれがある。特に、真空断熱材を貯湯タンク胴部の曲率に合わせて湾曲させる際に真空断熱材が大きな反発力を発生する場合があるため、発泡スチロール製断熱部材が破損し易い。一方、発泡スチロール製断熱部材の厚みを厚くすることで部品強度を増そうとすると、貯湯タンクユニットのコンパクト化が困難になる。
【0006】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、真空断熱材と重ねて配置される断熱部材の破損を確実に防止し、且つコンパクト化が図れる貯湯タンクユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る貯湯タンクユニットは、湯を貯留する略円筒形の貯湯タンクと、貯湯タンクを収容する外装ケースと、貯湯タンクと外装ケースとの間に配置され、貯湯タンクを覆う形状に形成された断熱部材と、貯湯タンクの胴部を覆う位置で、断熱部材の内周面側または外周面側に重ねて配置された真空断熱材と、を備え、断熱部材は、真空断熱材と重なる範囲を含む第1の部分と、真空断熱材と重なる範囲を含まない第2の部分とを有し、第1の部分の材料強度が第2の部分の材料強度より高くされているものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、真空断熱材と重ねて配置される断熱部材が組付け時等に破損することを確実に防止することができる。また、断熱部材の厚みを厚くすることなく上記効果が得られるので、貯湯タンクユニットのコンパクト化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1の貯湯タンクユニットを備えた貯湯式給湯機を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1の貯湯タンクユニットが備える貯湯タンク、断熱部材および真空断熱材を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1の貯湯タンクユニットの断面図である。
【図4】貯湯タンク、上部断熱部材および胴部右断熱部材の一部、並びに真空断熱材の断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2の貯湯タンクユニットの断面図である。
【図6】本発明の実施の形態3の貯湯タンクユニットの断面図である。
【図7】本発明の実施の形態4の貯湯タンクユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の貯湯タンクユニットを備えた貯湯式給湯機を示す構成図である。図1に示すように、貯湯式給湯機50は、ヒートポンプユニット1と貯湯タンクユニット40とを有する。貯湯タンクユニット40は、略円筒形の貯湯タンク10と、貯湯タンク10を収容する外装ケース30および天板32とを有している。ヒートポンプユニット1で沸き上げられた湯は、貯湯タンク10に一旦貯留され、必要に応じて所定の給湯先に供給される。
【0012】
貯湯タンク10の下部には、給水配管11と、貯湯タンク10内の低温水をヒートポンプユニット1に送るためのヒートポンプ往き配管13aとが接続されている。また、貯湯タンク10の上部には、ヒートポンプユニット1により熱せられた湯を貯湯タンク10内へ戻すためのヒートポンプ戻り配管13bが接続されている。給湯配管12は、浴室、台所等の所定の給湯先(図示せず)に給湯するための配管である。ふろ往き配管14は、浴槽(図示せず)に給湯するための配管である。
【0013】
貯湯タンクユニット40の外装ケース30の下部には、後面側が前面側よりも下方に突出してけこみ部31が形成されている。けこみ部31には、上述した給水配管11、ヒートポンプ往き配管13a、ヒートポンプ戻り配管13b、給湯配管12、ふろ往き配管14の各々を貯湯タンクユニット40内に引き込むための、または貯湯タンクユニット40内から引き出すための配管接続部がそれぞれ設けられている。
【0014】
外装ケース30の下部には支持脚35が接続されている。各支持脚35をコンクリート製の土台Cにアンカーボルト(図示せず)で固定することにより、貯湯タンクユニット40が土台Cに据え付けられている。なお、上記の配管接続部および配管接続部に接続された各配管を覆い隠して貯湯タンクユニット40の意匠性を向上させるために、外装ケース30の下方には配管カバー(図示せず)が設けられる。
【0015】
上述の構成を有する貯湯式給湯機50では、給水配管11からの給水により貯湯タンク10内が上層の高温湯と下層の低温水とで常時満水状態に保たれると共に、貯湯タンク10内の湯水に給水配管11から常時送水圧が付与される。沸き上げ運転時には、貯湯タンク10内の下部にある低温水がヒートポンプ往き配管13aを通ってヒートポンプユニット1内の熱交換器(放熱器)に送られ、熱交換器で沸き上げられて高温の湯となる。その高温の湯は、ヒートポンプ戻り配管13bを通って貯湯タンク10に戻り、上部から貯湯タンク10内に流入する。
【0016】
また、給湯時には、給水配管11からの送水圧により貯湯タンク10内の高温の湯が給湯管路に流入し、その高温の湯と給水配管11からの低温水とが混合弁によって混合されることにより、使用者がリモートコントローラ(図示せず)等で設定した給湯温度の湯が生成され、その湯が給湯配管12あるいはふろ往き配管14を通って、浴室、台所等の所定の給湯先の給湯栓あるいは浴槽に供給される。
【0017】
図2は、本発明の実施の形態1の貯湯タンクユニットが備える貯湯タンク、断熱部材および真空断熱材を示す分解斜視図である。図3は、本発明の実施の形態1の貯湯タンクユニットの断面図である。
【0018】
図3に示すように、貯湯タンク10と外装ケース30との間には、上部断熱部材20a、下部断熱部材20b、胴部右断熱部材20cおよび胴部左断熱部材20d、並びに真空断熱材21a,21bが配置される。貯湯タンク10は、放熱を極力抑えるため、これらの断熱部材20a〜20dおよび真空断熱材21a,21bによって周囲を密着して覆われた状態で外装ケース30に収容される。なお、貯湯タンク10の壁の厚みは断熱部材20a〜20dや真空断熱材21a,21bの厚みと比べて薄いため、図3中では、便宜上、貯湯タンク10の厚みを省略して示している(後述する図5乃至図7も同様とする)。
【0019】
上部断熱部材20a、下部断熱部材20b、胴部右断熱部材20cおよび胴部左断熱部材20dは、例えば発泡スチロール等の発泡プラスチックを用いて成型することにより、貯湯タンク10を覆う形状となるように形成された部材である。
【0020】
図2に示すように、上部断熱部材20aは、皿状(椀状)をなしており、貯湯タンク10の上面を覆う位置に配置される。下部断熱部材20bは、皿状(椀状)をなしており、貯湯タンク10の底面を覆う位置に配置される。胴部右断熱部材20cは、半円筒状をなしており、貯湯タンク10の胴部の右半分を覆う位置に配置される。胴部左断熱部材20dは、半円筒状をなしており、貯湯タンク10の胴部の左半分を覆う位置に配置される。
【0021】
真空断熱材21a,21bは、発泡体、粉体、繊維体等をシート状または板状に加工した多孔体からなる芯材を、ガスバリアー性フィルム(プラスチックフィルム、プラスチック金属ラミネートフィルム等)からなる袋状の外皮材で包み、内部を真空排気して密封溶着してなる板状の断熱材である。このような真空断熱材21a,21bは、熱伝導率が極めて低く、特に優れた断熱性能を有する。真空断熱材21a,21bは、貯湯タンク10の胴部に沿うように湾曲させて組付けられる。
【0022】
真空断熱材21aは、貯湯タンク10の胴部の上側の範囲において、胴部右断熱部材20cの内周面側に重ねて配置される。すなわち、真空断熱材21aは、貯湯タンク10と胴部右断熱部材20cとの間に介挿される。同様に、真空断熱材21bは、貯湯タンク10の胴部の上側の範囲において、胴部左断熱部材20dの内周面側に重ねて配置される。すなわち、真空断熱材21bは、貯湯タンク10と胴部左断熱部材20dとの間に介挿される。
【0023】
貯湯タンク10の温度は、内部に蓄えられる湯水が浮力の影響で高温の湯ほど上部に移動するので、上側の範囲が高く、下側の範囲が低くなっている。このため、特に上側の範囲からの放熱を抑えることが重要となる。本実施形態では、貯湯タンク10の胴部の上側の範囲に、特に断熱性の高い真空断熱材21a,21bを配置したことにより、断熱保温性能を向上させることができる。また、貯湯タンク10の胴部の上側の範囲にのみ真空断熱材21a,21bを配置し、下側の範囲は胴部右断熱部材20cおよび胴部左断熱部材20dのみで覆うことにより、高価な真空断熱材の使用量を抑え、コストを低減することができる。
【0024】
胴部右断熱部材20cの内周面側には、真空断熱材21aが隙間無く入る大きさの凹部が形成されている。このため、真空断熱材21aと重なる部分の胴部右断熱部材20cの厚みは、他の部分より薄くなっている。同様に、胴部左断熱部材20dの内周面側には、真空断熱材21bが隙間無く入る大きさの凹部が形成されている。このため、真空断熱材21bと重なる部分の胴部左断熱部材20dの厚みは、他の部分より薄くなっている。このような構成により、胴部右断熱部材20c、胴部左断熱部材20dと真空断熱材21a,21bとが重なった部分の厚みを、他の部分の厚みと等しくすることができ、貯湯タンク10に対し隙間無く密着させ、全体の寸法が大きくなることを防ぐことができる。
【0025】
胴部右断熱部材20cおよび胴部左断熱部材20dの材料強度は、上部断熱部材20aおよび下部断熱部材20bの材料強度と比べ、高くされている。本実施形態では、上部断熱部材20aおよび下部断熱部材20bの発泡倍率と比べ、胴部右断熱部材20cおよび胴部左断熱部材20dの発泡倍率を低くすることにより、材料強度を高くしている。例えば、上部断熱部材20aおよび下部断熱部材20bの発泡倍率が50倍である場合には、胴部右断熱部材20cおよび胴部左断熱部材20dの発泡倍率を30倍とする。このように、発泡倍率を変えることによって材料強度を変化させることにより、同一の原料を用いて材料強度を容易に調節することができる。
【0026】
本実施形態では、真空断熱材21a,21bを胴部右断熱部材20c、胴部左断熱部材20dと重ね合わせて配置したことにより、組付け時や組付け後に真空断熱材21a,21bが外部に露出することがないので、外部からの鋭利な物などによる破損を確実に防止することができる。
【0027】
また、上述したように、真空断熱材21a,21bと重なる部分を含む胴部右断熱部材20c、胴部左断熱部材20dの材料強度を、真空断熱材21a,21bと重なる部分を含まない上部断熱部材20aおよび下部断熱部材20bの材料強度より高くしている。これにより、真空断熱材21a,21bと重なる部分で胴部右断熱部材20c、胴部左断熱部材20dの厚みが薄くされていることによる部品強度の低下を防止することができる。このため、組付け時に胴部右断熱部材20cや胴部左断熱部材20dを破損することを確実に防止することができる。また、部品強度確保のために胴部右断熱部材20c、胴部左断熱部材20dの厚みを厚くすることをしないで済むので、貯湯タンクユニット40をコンパクト化することができる。
【0028】
図4は、貯湯タンク10、上部断熱部材20aおよび胴部右断熱部材20cの一部、並びに真空断熱材21aの断面図である。図4に示すように、上部断熱部材20aの端面と胴部右断熱部材20cの端面とは、当接している。一方、真空断熱材21aの端面は上部断熱部材20aの端面に当接していない。このように、真空断熱材21aが上部断熱部材20aに当接せず、胴部右断熱部材20cのみが上部断熱部材20aに当接するように構成したことにより、両者の当接部に隙間が生ずることをより確実に防止することができ、断熱性能を高めることができる。また、組付け作業も容易となる。なお、上部断熱部材20aと胴部左断熱部材20dとの当接部や、上部断熱部材20aおよび下部断熱部材20bと胴部右断熱部材20cおよび胴部左断熱部材20dとの当接部も、上記と同様に構成されている。
【0029】
実施の形態2.
次に、図5を参照して、本発明の実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。図5は、本発明の実施の形態2の貯湯タンクユニットの断面図である。
【0030】
図5に示すように、本実施形態では、真空断熱材21aは、胴部右断熱部材20cの外周面側に重ねて配置されている。同様に、真空断熱材21bは、胴部左断熱部材20dの外周面側に重ねて配置されている。胴部右断熱部材20c、胴部左断熱部材20dの外周面側には、真空断熱材21a,21bが隙間無く入る大きさの凹部がそれぞれ形成されている。
【0031】
本実施形態によれば、貯湯タンク10に胴部右断熱部材20cおよび胴部左断熱部材20dを組付けた後に、それらの外形に沿って、真空断熱材21a,21bを容易に組付けることができる。また、万が一、真空断熱材21a,21bが破損した場合においても、交換のための取り外し作業および組付け作業を容易に行うことができる。
【0032】
実施の形態3.
次に、図6を参照して、本発明の実施の形態3について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。図6は、本発明の実施の形態3の貯湯タンクユニットの断面図である。
【0033】
図6に示すように、本実施形態では、貯湯タンク10の胴部の右半分の上側の範囲を覆う胴部右上断熱部材20eと、貯湯タンク10の胴部の右半分の下側の範囲を覆う胴部右下断熱部材20gとが別個の部材で構成されている。真空断熱材21aは胴部右上断熱部材20eの内周面側に重ねて配置される。胴部右上断熱部材20eの内周面側には、真空断熱材21aが隙間無く入る大きさの凹部が形成されている。このため、真空断熱材21aと重なる部分の胴部右上断熱部材20eの厚みは、他の部分より薄くなっている。
【0034】
同様に、貯湯タンク10の胴部の左半分の上側の範囲を覆う胴部左上断熱部材20fと、貯湯タンク10の胴部の左半分の下側の範囲を覆う胴部左下断熱部材20hとが別個の部材で構成されている。真空断熱材21bは胴部左上断熱部材20fの内周面側に重ねて配置される。胴部左上断熱部材20fの内周面側には、真空断熱材21bが隙間無く入る大きさの凹部が形成されている。このため、真空断熱材21bと重なる部分の胴部左上断熱部材20fの厚みは、他の部分より薄くなっている。
【0035】
本実施形態では、真空断熱材21a,21bと重なる部分を含む胴部右上断熱部材20eおよび胴部左上断熱部材20fの発泡倍率を、真空断熱材21a,21bと重なる部分を含まない上部断熱部材20a、下部断熱部材20b、胴部右下断熱部材20gおよび胴部左下断熱部材20hの発泡倍率より低くすることにより、前者の材料強度が後者の材料強度より高くされている。例えば、上部断熱部材20a、下部断熱部材20b、胴部右下断熱部材20gおよび胴部左下断熱部材20hの発泡倍率が50倍である場合には、胴部右上断熱部材20eおよび胴部左上断熱部材20fの発泡倍率を30倍とする。これにより、真空断熱材21a,21bと重なる部分で胴部右上断熱部材20eおよび胴部左上断熱部材20fの厚みが薄くされていることによる部品強度の低下を防止することができ、組付け時にそれらを破損することを確実に防止することができる。
【0036】
本実施形態では、胴部右下断熱部材20gおよび胴部左下断熱部材20hは、厚みの薄い部分がないので、発泡倍率を低くして材料強度を高めることをしなくても、十分な部品強度が得られる。このため、胴部右下断熱部材20gおよび胴部左下断熱部材20hの発泡倍率を低くしないで済むので、発泡倍率を低くすることによる質量およびコストの増加を回避することができる。また、個々の断熱部材が小型になるため、組付けも容易にすることができる。
【0037】
実施の形態4.
次に、図7を参照して、本発明の実施の形態4について説明するが、上述した実施の形態3との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。図7は、本発明の実施の形態4の貯湯タンクユニットの断面図である。
【0038】
図7に示すように、本実施形態では、上述した実施の形態3と比べて、胴部右上断熱部材20eと重ねて配置される真空断熱材を、上側の真空断熱材21aと下側の真空断熱材21cとに分割している。同様に、胴部左上断熱部材20fと重ねて配置される真空断熱材を、上側の真空断熱材21bと下側の真空断熱材21dとに分割している。すなわち、本実施形態では、計4個の真空断熱材21a〜21dを配置している。このように、真空断熱材を複数に分割して個々の真空断熱材の大きさを小さくすることにより、組付けを容易に行うことができ、真空断熱材が破損する危険性を小さくすることができる。また、万が一、真空断熱材が破損し、新しいものに交換する場合にも、その大きさが小さいため、組付けの手間やコストを抑えることができる。
【0039】
以上説明した各実施の形態では、真空断熱材と重なる範囲を含む部分の断熱部材と、真空断熱材と重なる範囲を含まない部分の断熱部材とを別個の部材で構成する場合を例に説明したが、本発明では、両者を一体的に形成するようにしてもよい。例えば、強度の異なる2種の材料を用いて2色成形を行うことにより、真空断熱材と重なる範囲を含む部分の断熱部材と、真空断熱材と重なる範囲を含まない部分の断熱部材とを一体的に形成し、前者の材料強度が後者より高くなるように構成することができる。
【符号の説明】
【0040】
10 貯湯タンク
20a〜20h 断熱部材
21a〜21d 真空断熱材
30 外装ケース
40 貯湯タンクユニット
50 貯湯式給湯機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯を貯留する略円筒形の貯湯タンクと、
前記貯湯タンクを収容する外装ケースと、
前記貯湯タンクと前記外装ケースとの間に配置され、前記貯湯タンクを覆う形状に形成された断熱部材と、
前記貯湯タンクの胴部を覆う位置で、前記断熱部材の内周面側または外周面側に重ねて配置された真空断熱材と、
を備え、
前記断熱部材は、前記真空断熱材と重なる範囲を含む第1の部分と、前記真空断熱材と重なる範囲を含まない第2の部分とを有し、前記第1の部分の材料強度が前記第2の部分の材料強度より高くされていることを特徴とする貯湯タンクユニット。
【請求項2】
前記断熱部材は、発泡プラスチックで構成されており、
前記第1の部分の発泡倍率を前記第2の部分の発泡倍率より低くすることにより、前記第1の部分の材料強度が前記第2の部分の材料強度より高くされていることを特徴とする請求項1記載の貯湯タンクユニット。
【請求項3】
前記断熱部材は、前記第1の部分と前記第2の部分とが別個の部材で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の貯湯タンクユニット。
【請求項4】
前記第1の部分を構成する部材は、前記第2の部分を構成する部材に当接しており、前記真空断熱材は、前記第2の部分を構成する部材に当接していないことを特徴とする請求項3記載の貯湯タンクユニット。
【請求項5】
前記貯湯タンクの胴部の、上側の範囲には前記真空断熱材が配置され、それより下側の範囲には前記真空断熱材が配置されておらず、
前記断熱部材の、前記上側の範囲の胴部を覆う部分は前記第1の部分に対応し、前記下側の範囲の胴部を覆う部分は前記第2の部分に対応することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の貯湯タンクユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−237072(P2011−237072A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−107329(P2010−107329)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】