説明

貯玉管理装置、貯玉管理方法及び貯玉管理プログラム

【課題】遊技客により遊技店に預け入れられた後に長年再利用されない貯玉(貯メダルを含む)を効率良く管理し、もって適正かつ効率的な税務申告を可能にすることを課題とする。
【解決手段】会員カードIDごとに貯玉数、ステータス(通常又は睡眠)及び最終利用年月日を対応付けた貯玉管理テーブル134aを用いて貯玉管理部135aが貯玉を管理するとともに、睡眠移行処理部135bにより長年(例えば2年)利用されない貯玉のステータスを「通常」から「睡眠」に移行させるとともに、集計処理部135cでは、ステータスが「睡眠」である全貯玉数を集計する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技客が再遊技可能な貯玉数を該遊技客の識別情報に対応付けて管理する貯玉管理装置、貯玉管理方法及び貯玉管理プログラムに関し、特に、遊技客により遊技店に預け入れられた後に長年再利用されない貯玉(貯メダルを含む)を効率良く管理し、もって適正かつ効率的な税務申告を可能にする貯玉管理装置、貯玉管理方法及び貯玉管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ店等の遊技店が、遊技客により獲得されたパチンコ玉を貯玉として管理する貯玉管理システムが知られている。例えば、特許文献1には、管理装置上で会員カードIDごとに貯玉を記憶し、会員カードが挿入されると、この管理装置で管理された貯玉の範囲内で玉貸しを行う遊技媒体貸出装置が開示されている。
【0003】
具体的には、遊技客が獲得したパチンコ玉を計数機で計数する際に、この計数機に会員カードを挿入して貯玉操作を行うと、獲得した玉数のレシートを発行するのではなく、この玉数が貯玉として管理装置で管理される。その後、遊技客が、遊技機に併設された台間ユニットに会員カードを挿入して貯玉引落操作を行うと、管理装置上で管理される会員カードIDに対応づけられた貯玉数から所定数を減算した後に、貯玉分のパチンコ玉が台間ユニット等から投出される。また、遊技店内に設けられたPOS端末に会員カードを挿入して景品交換操作が行われると、貯玉を景品交換することもできる。
【0004】
ここで、遊技店が税務申告を行う際には、遊技客による貯玉数はあくまでも遊技客自身の持ち分であるため、この貯玉数は遊技店の「負債」として取り扱われ、遊技客が貯玉を用いた再プレイを行うと、この再プレイ分が遊技店の「収益」として取り扱われることになる。
【0005】
【特許文献1】特開平11−207019号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、貯玉は常に遊技客によって再利用されるというわけではなく、例えば遊技客が来店できない状況になる等の理由で長年再利用されない貯玉が現に存在する。このように、長年再利用されない貯玉については、遊技店の持ち分とみなされるのが通常であるが、かかる貯玉をその都度税務申告上の「収益」扱いとして管理するとなると、その管理労力が大きくなるという問題がある。
【0007】
特に、遊技客が数年後に遊技店に来店し、長年再利用されなかった貯玉を再利用する場合には、たとえ遊技店で一旦「収益」扱いとされた後でもこの貯玉を遊技客に提供するのが通常であるため、このようなケースでは一旦「収益」扱いにした貯玉を「負債」扱いに変更せねばならず、貯玉に係る税務申告上の管理が錯綜する。
【0008】
以上のことから、遊技客により遊技店に預け入れられた後に長年再利用されない貯玉を税務申告面を考慮していかに効率良く管理するかが、重要な課題となっている。また、かかる課題は貯玉にのみ生ずる課題ではなく、貯メダルについても同様に生ずる課題である。
【0009】
この発明は、上記課題(問題点)に鑑みてなされたものであり、遊技客により遊技店に預け入れられた後に長年再利用されない貯玉(貯メダルを含む)を効率良く管理し、もって適正かつ効率的な税務申告を可能にする貯玉管理装置、貯玉管理方法及び貯玉管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するため、本発明は、遊技客が再遊技可能な貯玉数を該遊技客の識別情報に対応付けて管理する貯玉管理装置であって、各遊技客の識別情報ごとに、貯玉数、貯玉の追加又は引落を実行した最終利用時点並びに状態情報を対応づけて記憶する貯玉管理テーブルと、店内に配設された機器から前記識別情報及び貯玉数を含む貯玉要求がなされた場合に、前記貯玉管理テーブル上の該当する識別情報の貯玉数に該貯玉要求された貯玉数を加算処理しつつ現利用時点により前記最終利用時点を更新するとともに、遊技機に併設された台間機からの前記識別情報を含む引落要求がなされた場合に前記貯玉管理テーブル上の該当する識別情報の貯玉数から所定数の貯玉数を減算処理しつつ現利用時点により前記最終利用時点を更新する貯玉管理手段と、前記貯玉管理テーブルに記憶された各状態情報が通常状態であり、かつ、前記最終利用時点から所定の期間を経過した場合に、該状態情報を通常状態から睡眠状態に変更する状態変更手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記識別情報を含む所定の状態復旧操作を受け付けた際に、前記貯玉管理テーブル上の該当する識別情報の状態情報が睡眠状態である場合には、該状態情報を睡眠状態から通常状態に復旧処理する復旧処理手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記貯玉管理テーブルに記憶された各識別情報の貯玉数のうち前記状態情報が睡眠状態にある貯玉数を集計する集計手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、遊技客が再遊技可能な貯玉数を該遊技客の識別情報に対応付けて管理する貯玉管理方法であって、各遊技客の識別情報ごとに、貯玉数、貯玉の追加又は引落を実行した最終利用時点並びに状態情報を対応づけて記憶する貯玉管理テーブルを用いて貯玉を管理する管理工程と、前記貯玉管理テーブルに記憶された各状態情報が通常状態であり、かつ、前記最終利用時点から所定の期間を経過した場合に、該状態情報を通常状態から睡眠状態に変更する状態変更工程とを含んだことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、遊技客が再遊技可能な貯玉数を該遊技客の識別情報に対応付けて管理する貯玉管理装置に用いる貯玉管理プログラムであって、各遊技客の識別情報ごとに、貯玉数、貯玉の追加又は引落を実行した最終利用時点並びに状態情報を貯玉管理テーブルを用いて管理手順と、前記貯玉管理テーブルに記憶された各状態情報が通常状態であり、かつ、前記最終利用時点から所定の期間を経過した場合に、該状態情報を通常状態から睡眠状態に変更する状態変更手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、各遊技客の識別情報ごとに、貯玉数、貯玉の追加又は引落を実行した最終利用時点並びに状態情報を対応づけて記憶する貯玉管理テーブルで貯玉を管理するとともに、店内に配設された機器から前記識別情報及び貯玉数を含む貯玉要求がなされた場合に、貯玉管理テーブル上の該当する識別情報の貯玉数に該貯玉要求された貯玉数を加算処理しつつ現利用時点により最終利用時点を更新し、遊技機に併設された台間機からの識別情報を含む引落要求がなされた場合に貯玉管理テーブル上の該当する識別情報の貯玉数から所定数の貯玉数を減算処理しつつ現利用時点により最終利用時点を更新し、貯玉管理テーブルに記憶された各状態情報が通常状態であり、かつ、最終利用時点から所定の期間を経過した場合に、該状態情報を通常状態から睡眠状態に変更するよう構成したので、遊技客により遊技店に預け入れられた後に長年再利用されない貯玉(貯メダルを含む)を睡眠状態という状態情報を用いて管理し、もってこの睡眠状態の貯玉を通常状態の貯玉と区分して適正かつ効率的に管理することができる。
【0016】
また、本発明によれば、識別情報を含む所定の状態復旧操作を受け付けた際に、貯玉管理テーブル上の該当する識別情報の状態情報が睡眠状態である場合には、該状態情報を睡眠状態から通常状態に復旧処理するよう構成したので、一旦睡眠状態扱いとした後であっても遊技客の再来店時にこれを通常状態に復旧させ、もって貯玉全体の適正かつ効率的な管理を行うことができる。
【0017】
また、本発明によれば、貯玉管理テーブルに記憶された各識別情報の貯玉数のうち状態情報が睡眠状態にある貯玉数を集計するよう構成したので、税務申告用の適正な資料を効率良く作成することができる。
【0018】
また、本発明によれば、各遊技客の識別情報ごとに、貯玉数、貯玉の追加又は引落を実行した最終利用時点並びに状態情報を対応づけて記憶する貯玉管理テーブルを用いて貯玉を管理しておき、貯玉管理テーブルに記憶された各状態情報が通常状態であり、かつ、最終利用時点から所定の期間を経過した場合に、該状態情報を通常状態から睡眠状態に変更するよう構成したので、遊技客により遊技店に預け入れられた後に長年再利用されない貯玉(貯メダルを含む)を睡眠状態という状態情報を用いて管理し、もってこの睡眠状態の貯玉を通常状態の貯玉と区分して適正かつ効率的に管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る貯玉管理装置、貯玉管理方法及び貯玉管理プログラムの好適な実施例を詳細に説明する。本実施例では、パチンコ玉を遊技媒体とした場合を説明する。
【実施例1】
【0020】
まず、本実施例1に係る貯玉管理システムのシステム構成について説明する。図1は、本実施例1に係る貯玉管理システムのシステム構成を示すブロック図である。同図に示す貯玉管理システムは、遊技客により獲得されたパチンコ玉をターミナルコントローラ(以下「T/C」と言う)13に貯玉し、この貯玉を台間ユニット10上を引落可能としたシステムである。
【0021】
ここで、本実施例1に係る貯玉管理システムでは、T/C13上で管理する貯玉を「通常」又は「睡眠」というステータス(状態情報)とともに管理する点にその特徴がある。従来の貯玉管理システムのように、かかるステータスを付与することなく貯玉を管理すると、遊技客が長年貯玉を利用せず、遊技店の「収益」扱いとされた貯玉と通常の貯玉とを区別できないため、適正な税務申告を効率良く行うことが難しい。そこで、本実施例1では、各貯玉に「通常」又は「睡眠」というステータスを付与し、長年利用されない貯玉すなわち「睡眠」というステータスを有する貯玉を迅速かつ効率良く集計することができるよう構成している。
【0022】
図1に示すように、この貯玉管理システムは、台間ユニット10と、遊技機11と、島コントローラ12と、T/C13と、計数機14と、POS端末15とを有する。
【0023】
遊技機11は、遊技媒体であるパチンコ玉を用いたパチンコ遊技を遊技客に提供するいわゆるパチンコ機であり、台間ユニット10は、遊技機11に併設されたパチンコ玉の貸出処理を司る台間機である。この台間ユニット10は、通常は紙幣又はプリペイドカードを挿入して玉貸操作を受け付けた際に、パチンコ玉の投出処理を行うことになるが、会員カードの挿入とともに所定の引落操作(暗証番号の入力及び再プレイボタンの押下操作等)がなされた場合には、会員カードIDに価値付けられた貯玉のうちの所定数分を投出処理することになる。
【0024】
島コントローラ12は、各島に設けられ、T/C13と各台間ユニット10の間に設けられる中継装置であり、T/C13は、遊技客により預け入れられた貯玉を管理する管理装置である。このT/C13は、貯玉を「通常」又は「睡眠」というステータス(状態情報)とともに管理する点にその特徴がある(細部は後述)。なお、このT/C13は、プリペイドカードデータ等を管理することもできるが、ここでは貯玉以外の管理についてはその説明を省略する。
【0025】
計数機14は、遊技客により獲得されたパチンコ玉の玉数を計数する計数機であり、この計数機14を用いて貯玉を行うことができる。具体的には、この計数機14に設けられた会員カード挿入口に会員カードを挿入し、計数後に貯玉ボタンが押下操作されると、会員カードID及び貯玉数がT/C13に対して通知され、この貯玉数がT/C13上で管理される。なお、会員カードが挿入されない場合には、玉数がバーコード印刷されたレシート等が発行される。
【0026】
POS端末15は、遊技店内の景品交換カウンタに設けられるバーコードリーダが付設された端末装置である。店員が、遊技客から渡されたレシートに印刷されたバーコードをバーコードリーダで読み取って獲得玉数を表示部に表示するとともに、景品に付されたバーコードをバーコードリーダで読み取ると、表示された玉数から景品分の玉数が減算される。
【0027】
このPOS端末15を用いて貯玉することもでき、具体的には、所定の会員カード挿入口に会員カードを挿入するとととに、レシートに付されたバーコードをバーコードリーダで読み取り、貯玉ボタンを操作すると、獲得された玉数が貯玉数として会員カードIDとともにT/C13に通知される。
【0028】
なお、このPOS端末15を用いて貯玉数を景品交換することもできる。具体的には、会員カード挿入口に会員カードを挿入して貯玉数確認ボタンを操作すると、T/C13に対して会員カードIDを含む貯玉数確認要求が通知され、T/C13から貯玉数の通知を受けたならば、その貯玉数を表示部に表示する。その後、景品に付されたバーコードをバーコードリーダで読み取ると、表示された貯玉数から景品分の玉数が減算される。
【0029】
次に、図1に示したT/C13の構成について具体的に説明する。図2は、図1に示したT/C13の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、このT/C13は、入力部131、表示部132、インタフェース部133、記憶部134及び制御部135を有する。
【0030】
入力部131は、キーボード又はマウス等の入力デバイスであり、表示部132は、液晶パネル又はディスプレイ等の表示デバイスであり、インタフェース部133は、各台間ユニット10、計数機14及びPOS端末15とデータ通信を行うためのインターフェースを司る処理部である。
【0031】
記憶部134は、磁気ディスク装置等の記憶デバイスであり、その内部には貯玉管理テーブル134aを記憶する。図3は、図2に示した貯玉管理テーブル134aの一例を示す図であり、図3に示すように、この貯玉管理テーブル134aでは、会員カードIDごとに、貯玉数、ステータス及び最終利用年月日を記憶する。ここでは、会員カードID「1111」の貯玉数が「2000発」、そのステータスが「通常」、最終利用年月日が「2006年5月1日」であり、会員カードID「2222」の貯玉数が「3000発」、そのステータスが「通常」、最終利用年月日が「2006年1月10日」であり、会員カードID「3333」の貯玉数が「120発」、そのステータスが「睡眠」、最終利用年月日が「2004年4月1日」である状況を示している。
【0032】
ここで、ステータス「睡眠」とは、長年遊技客により再利用されなかったために税務申告上遊技店の「収益」対象とすべき貯玉を示しており、ステータス「通常」とは、上記「睡眠」ではなく遊技客の持ち分であることを意味している。なお、本実施例1では、最終利用年月日から2年を経過した場合に、ステータスを「通常」から「睡眠」に移行することとしている。このため、最後に貯玉が追加された年月日又は最後に貯玉が再利用された年月日を最終利用年月日として各会員カードIDに対応付けて記憶している。
【0033】
制御部135は、T/C13の全体制御を行う制御部であり、貯玉管理部135a、睡眠移行処理部135b及び集計処理部135cを有する。貯玉管理部135aは、貯玉管理テーブル134aを用いて貯玉の管理を行う管理部であり、具体的には、計数機14又はPOS端末15から会員カードID及び貯玉数を含む貯玉要求がなされた場合には、貯玉管理テーブル134a上の該当する会員カードIDの貯玉数に該貯玉要求された貯玉数を加算処理しつつ現利用年月日により最終利用年月日を更新するとともに、台間ユニット10からの会員カードIDを含む引落要求がなされた場合に貯玉管理テーブル134a上の該当する会員カードIDの貯玉数から所定数の貯玉数を減算処理しつつ現利用年月日により最終利用年月日を更新する。
【0034】
睡眠移行処理部135bは、貯玉管理テーブル134aに記憶されたステータスが「通常」であり、かつ、最終利用年月日から所定の期間(本実施例1では2年)を経過した場合に、該ステータスを「通常」から「睡眠」に変更する処理部である。
【0035】
集計処理部135cは、貯玉管理テーブル134aに記憶された各会員カードIDの貯玉数のうちステータスが「睡眠」である貯玉数を集計する処理部であり、その集計結果を表示部132に表示制御する。かかる集計結果は、税務申告の際の「収益」として利用されることになる。
【0036】
なお、上記T/C13は、ROM等に格納されたプログラムをCPUで実行するコンピュータであるため、上記貯玉管理部135a、睡眠移行処理部135b及び集計処理部135cに対応するプログラムをROM等からCPUにロードして実行し、貯玉管理部135a、睡眠移行処理部135b及び集計処理部135cに対応する処理を行わせることになる。
【0037】
次に、図2に示した睡眠移行処理部135bの処理手順について説明する。図4は、図2に示した睡眠移行処理部135bの処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、この睡眠移行処理部135bは、タイマ等から現年月日を入力し(ステップS101)、この現年月日から2年を減算して基準日を算出する(ステップS102)。この基準日とは、ステータスを「通常」から「睡眠」に移行させるか否かを判定する際の基準日である。
【0038】
その後、貯玉管理テーブル134aの最終利用年月日と基準日とを比較し、最終利用年月日が基準日よりも前であり(ステップS103肯定)、かつ、ステータスが「通常」である場合には(ステップS104肯定)、このステータスを「睡眠」に変更する(ステップS105)。なお、最終利用年月日が基準日よりも後である場合(ステップS103否定)、又は、ステータスが「通常」でない場合には(ステップS104否定)、そのままステップS106に移行する。
【0039】
そして、貯玉管理テーブル134a上に未処理の会員カードIDが存在する場合には(ステップS106肯定)、ステップS103に移行して上記一連の処理を繰り返し、全ての会員カードIDに対する処理を終えたならば(ステップS106否定)、処理を終了する。
【0040】
次に、図2に示した集計処理部135cの処理手順について説明する。図5は、図2に示した集計処理部135cの処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、まず集計結果を示す変数SUMを0に初期化するとともに(ステップS201)、貯玉管理テーブル134aの行を示す変数iを0に初期化する(ステップS202)。
【0041】
その後、貯玉管理テーブル134aのi行目のステータスが「睡眠」であるか否かを調べ(ステップS203)、ステータスが「睡眠」である場合には(ステップS203肯定)、i行目の貯玉数を変数SUMに加算する処理を行う(ステップS204)。なお、ステータスが「睡眠」でない場合には(ステップS203否定)、上記ステップS204の処理は行わない。
【0042】
そして、i行目が貯玉管理テーブル134aの最終行すなわちEOF内であるか否かを調べ(ステップS205)、最終行内でない場合には(ステップS205否定)、変数iをインクリメントした後に(ステップS206)、ステップS203に移行して同様の処理を行う。
【0043】
これに対して、最終行以上となった場合には(ステップS205肯定)、変数SUMの値を表示部132に表示した後(ステップS207)、上記一連の処理を終了する。なお、表示部132に表示する代わりに、用紙に印刷するよう構成することもできる。
【0044】
上述してきたように、本実施例1では、会員カードIDごとに貯玉数、ステータス(通常又は睡眠)及び最終利用年月日を対応付けた貯玉管理テーブル134aを用いて貯玉管理部135aが貯玉を管理するとともに、睡眠移行処理部135bにより長年(例えば2年)利用されない貯玉のステータスを「通常」から「睡眠」に移行させるとともに、集計処理部135cでは、ステータスが「睡眠」である全貯玉数を集計するよう構成したので、遊技客により遊技店に預け入れられた後に長年再利用されない貯玉を通常貯玉とは別個に効率良く管理し、もって適正かつ効率的な税務申告が可能となる。
【実施例2】
【0045】
ところで、上記実施例1では、ステータスを「通常」から「睡眠」に移行させる場合について説明したが、長年利用されなかった貯玉を遊技客が再利用するケースについても考えられる。このため、本実施例2では、かかる状況に応答してステータスを「睡眠」から「通常」に復旧する場合について説明する。
【0046】
図6は、本実施例2に係るT/C20の構成を示す機能ブロック図である。なお、ここでは図2のものと同一の機能を有する部位には同一の符号を付すこととしてその詳細な説明を省略する。図6に示すように、このT/C20には、復旧処理部22を有する制御部21が設けられている。
【0047】
復旧処理部22は、会員カードIDを含む所定の状態復旧操作を受け付けた際に、貯玉管理テーブル134a上の該当する会員カードIDのステータスが「睡眠」である場合には、該ステータスを「睡眠」から「通常」に復旧処理する処理部である。なお、この状態復旧操作は、T/C20の入力部131を用いて行うことができる。
【0048】
図7は、本実施例2に係る復旧処理を行った場合の貯玉管理テーブル134aの状態遷移の一例を示す図である。同図に示すように、会員カードID「3333」についての状態復旧操作が行われると、復旧処理部22による復旧処理が行われ、その結果会員カードID「3333」のステータスが「睡眠」から「通常」に復旧し、税務申告上の「収益」対象から「負債」対象に変わることになる。
【0049】
図8は、図6に示した復旧処理部22による復旧処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、会員カードIDを指定した状態復旧操作を受け付けたならば(ステップS301)、貯玉管理テーブル134aを会員カードIDで検索する(ステップS302)。
【0050】
その結果、貯玉管理テーブル134aに該当する会員カードIDが存在しない場合には(ステップS303否定)、表示部132に「復旧不可」と表示して(ステップS304)処理を終了する。
【0051】
これに対して、貯玉管理テーブル134aに該当する会員カードIDが存在する場合には(ステップS303肯定)、ステータスを「睡眠」から「通常」に書き換える復旧処理を行った後に(ステップS305)、現年月日で最終利用年月日を更新し(ステップS306)、表示部132に「復旧完了」と表示して(ステップS307)処理を終了する。
【0052】
なお、本実施例2では、状態復旧操作が行われた場合に、ステータスを「睡眠」から「通常」に戻すこととしたが、復旧された事実を把握するため「通常」ではなく「復旧」というステータスに変更することもできる。
【0053】
上述してきたように、本実施例2では、復旧処理部22が、会員カードIDを含む所定の状態復旧操作を受け付けた際に、貯玉管理テーブル134a上の該当する会員カードIDのステータスが「睡眠」である場合には、該ステータスを「睡眠」から「通常」に復旧処理するよう構成したので、長年利用されなかった貯玉を遊技客が再利用するケースにも効率的に対応することができる。
【0054】
なお、上記実施例1及び2では、パチンコ玉を貯玉する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、メダルを貯メダルする場合にも同様に適用することができる。
【0055】
また、本実施例1及び2では、「通常」及び「睡眠」というステータスを用いた場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、「0」及び「1」等のフラグを用いることもできる。
【0056】
また、本実施例1及び2では、遊技機11に併設された台間ユニット10から貯玉の引落要求を行う場合を示したが、島端に設置された機器やカウンタ内に配設されたPOS端末から貯玉の引落要求を行うこともできる。このため、これらの店内に配設された各種機器からの引落要求がなされた場合にも、最終利用年月日は同様に更新されることになる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明にかかる貯玉管理装置、貯玉管理方法及び貯玉管理プログラムは、遊技客により遊技店に預け入れられた後に長年再利用されない貯玉(貯メダルを含む)を効率良く管理し、もって適正かつ効率的な税務申告を行う場合に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本実施例1に係る貯玉管理システムのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したT/Cの構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図2に示した貯玉管理テーブルの一例を示す図である。
【図4】図2に示した睡眠移行処理部の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図2に示した集計処理部の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】本実施例2に係るT/Cの構成を示す機能ブロック図である。
【図7】本実施例2に係る復旧処理を行った場合の貯玉管理テーブルの状態遷移の一例を示す図である。
【図8】図6に示した復旧処理部による復旧処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
10 台間ユニット
11 遊技機
12 島コントローラ
13 ターミナルコントローラ(T/C)
14 計数機
15 POS端末
131 入力部
132 表示部
133 インタフェース部
134 記憶部
134a 貯玉管理テーブル
135 制御部
135a 貯玉管理部
135b 睡眠移行処理部
135c 集計処理部
20 ターミナルコントローラ(T/C)
21 制御部
22 復旧処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技客が再遊技可能な貯玉数を該遊技客の識別情報に対応付けて管理する貯玉管理装置であって、
各遊技客の識別情報ごとに、貯玉数、貯玉の追加又は引落を実行した最終利用時点並びに状態情報を対応づけて記憶する貯玉管理テーブルと、
店内に配設された機器から前記識別情報及び貯玉数を含む貯玉要求がなされた場合に、前記貯玉管理テーブル上の該当する識別情報の貯玉数に該貯玉要求された貯玉数を加算処理しつつ現利用時点により前記最終利用時点を更新するとともに、店内に配設された機器からの前記識別情報を含む引落要求がなされた場合に前記貯玉管理テーブル上の該当する識別情報の貯玉数から所定数の貯玉数を減算処理しつつ現利用時点により前記最終利用時点を更新する貯玉管理手段と、
前記貯玉管理テーブルに記憶された各状態情報が通常状態であり、かつ、前記最終利用時点から所定の期間を経過した場合に、該状態情報を通常状態から睡眠状態に変更する状態変更手段と
を備えたことを特徴とする貯玉管理装置。
【請求項2】
前記識別情報を含む所定の状態復旧操作を受け付けた際に、前記貯玉管理テーブル上の該当する識別情報の状態情報が睡眠状態である場合には、該状態情報を睡眠状態から通常状態に復旧処理する復旧処理手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の貯玉管理装置。
【請求項3】
前記貯玉管理テーブルに記憶された各識別情報の貯玉数のうち前記状態情報が睡眠状態にある貯玉数を集計する集計手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の貯玉管理装置。
【請求項4】
遊技客が再遊技可能な貯玉数を該遊技客の識別情報に対応付けて管理する貯玉管理方法であって、
各遊技客の識別情報ごとに、貯玉数、貯玉の追加又は引落を実行した最終利用時点並びに状態情報を対応づけて記憶する貯玉管理テーブルを用いて貯玉を管理する管理工程と、
前記貯玉管理テーブルに記憶された各状態情報が通常状態であり、かつ、前記最終利用時点から所定の期間を経過した場合に、該状態情報を通常状態から睡眠状態に変更する状態変更工程と
を含んだことを特徴とする貯玉管理方法。
【請求項5】
遊技客が再遊技可能な貯玉数を該遊技客の識別情報に対応付けて管理する貯玉管理装置に用いる貯玉管理プログラムであって、
各遊技客の識別情報ごとに、貯玉数、貯玉の追加又は引落を実行した最終利用時点並びに状態情報を貯玉管理テーブルを用いて管理手順と、
前記貯玉管理テーブルに記憶された各状態情報が通常状態であり、かつ、前記最終利用時点から所定の期間を経過した場合に、該状態情報を通常状態から睡眠状態に変更する状態変更手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする貯玉管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−465(P2008−465A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−174338(P2006−174338)
【出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】