説明

貯遊技媒体管理システム

【課題】磁気対応の貯遊技媒体管理システムを導入している遊技店にて携帯会員の仕組みを採用させる場合に、遊技店に負担させる費用及び手間を低減させることを課題とする。
【解決手段】遊技店に携帯会員の仕組みを採用させるために、磁気対応の貯玉管理システム1をICカード対応のシステムに入れ替えさせるのではなく、携帯電話機100のICチップ110から携帯IDを取得するICカード対応端末90を追加するとともに、プリペイドカードT/C40に携帯IDを会員IDに置換する機能を付加することで、会員管理T/C10には、携帯IDに使用させることなく、会員IDに基づく貯玉サービスを提供できるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気対応の会員用記録媒体が記録する会員識別情報に対応付けて貯遊技媒体数を管理するとともに、会員用記録媒体を通じて貯遊技媒体の更新サービスを提供する貯遊技媒体管理装置を有する貯遊技媒体管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技やパチスロ遊技を提供するパチンコ店等の遊技店では、会員登録を希望した遊技客に対して会員カードを発行するとともに、会員により獲得されたパチンコ玉又はメダルを会員カードに対応付けて預かる貯玉又は貯メダルサービスが会員に対して提供されている。
【0003】
具体的には、遊技客が会員登録を希望したならば、遊技店の係員は、この遊技客の個人情報を管理装置に登録するとともに、会員識別情報が記録された会員カードを会員に発行する。このようにして会員カードを取得した各会員は、特許文献1に記載されるように、獲得したパチンコ玉やメダルを貯玉・貯メダルするとともに、この貯玉・貯メダルを後日再プレイしたり、景品に交換したりすることができる。
【0004】
このように、会員サービスを提供する遊技店には、各会員の貯玉・貯メダルを管理装置で管理するとともに、玉貸し機やメダル貸し機等の台間機で貯玉・貯メダルを再プレイ可能にする貯玉・貯メダルシステムが導入されることが多い。
【0005】
【特許文献1】特開2003−210818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、遊技店が発行する会員カードは、会員登録した遊技客とその他の遊技客との差別化を図るためのものであるが、遊技店内で利用される他の用途には利用されず、遊技客個人との結び付きが希薄であるため、遊技客による携帯率は芳しくなく、会員カードの利用が促進されていない。
【0007】
このため、最近では、多数の遊技客が所持する携帯端末として代表的な携帯電話機を会員カードの代わりに使用させる仕組みが考えられている。すなわち、かかる携帯電話機に内蔵されているICチップが格納する携帯電話固有の識別情報(携帯端末識別情報)を遊技店の管理装置に登録させ、この携帯端末識別情報を通じて貯玉・貯メダルサービスを提供する仕組みである。
【0008】
しかしながら、多くの遊技店においては、貯玉・貯メダルを対応付けるための会員カードとして、プラスチックカードに磁気テープを貼り付けた磁気カードが広く採用されている現状があり、かかる遊技店において携帯端末を利用した貯玉・貯メダルサービスを提供するには、ICカード対応の貯玉・貯メダルシステムを新規に導入した上で、会員カードを再発行したり会員情報の移行作業を行ったりする必要があり、遊技店にとって膨大な費用及び手間がかかってしまうという問題がある。
【0009】
以上のことから、磁気対応の貯玉・貯メダルシステムを導入している遊技店にて携帯会員の仕組みを採用させる場合に、遊技店に負担させる費用及び手間をいかにして低減させるかが極めて重要な課題となっている。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、磁気対応の貯遊技媒体システムを導入している遊技店にて携帯会員の仕組みを採用させる場合に、遊技店に負担させる費用及び手間を低減させることができる貯遊技媒体管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、磁気対応の会員用記録媒体が記録する会員識別情報に対応付けて貯遊技媒体数を管理するとともに、前記会員用記録媒体を通じて貯遊技媒体の更新サービスを提供する貯遊技媒体管理装置を有する貯遊技媒体管理システムであって、遊技店の会員が所持するICチップ内蔵の携帯端末から当該携帯端末固有の携帯端末識別情報を取得する情報取得装置と、前記会員識別情報を含む複数の識別情報を管理する識別情報管理装置とを備え、前記識別情報管理装置は、前記会員の会員識別情報ごとに、当該会員が所持する携帯端末の携帯端末識別情報を対応付けて記憶する識別情報記憶手段と、前記情報取得装置から前記携帯端末識別情報を受け付けた場合に、前記識別情報記憶手段を参照して、当該携帯端末識別情報をそれに対応する会員識別情報に置換する識別情報置換手段とを有し、前記貯遊技媒体管理装置は、前記識別情報置換手段により置換された会員識別情報に対応する貯遊技媒体の更新サービスを提供することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、遊技用記録媒体に価値付けられた有価価値を管理する有価価値管理装置は、前記識別情報管理装置を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記情報取得装置は、前記会員が所持する会員用記録媒体から会員識別情報を取得するとともに、該会員が所持する携帯端末から前記携帯端末識別情報を取得し、該取得した会員識別情報及び携帯端末識別情報を前記有価価値管理装置に通知し、前記有価価値管理装置は、前記識別情報記憶手段に記憶される該当の会員識別情報に対応付けて、前記情報取得装置により通知された携帯端末識別情報を登録する識別情報登録手段をさらに備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、遊技店の会員が所持するICチップ内蔵の携帯端末から当該携帯端末固有の携帯端末識別情報を取得する情報取得装置と、会員識別情報を含む複数の識別情報を管理する識別情報管理装置とを配設し、識別情報管理装置には、会員の会員識別情報ごとに当該会員が所持する携帯端末の携帯端末識別情報を対応付けて記憶させておき、情報取得装置から携帯端末識別情報を受け付けた場合に、当該携帯端末識別情報をそれに対応する会員識別情報に置換させ、貯遊技媒体管理装置には、識別情報管理装置により置換された会員識別情報に対応する貯遊技媒体の更新サービスを提供させるように構成したので、磁気対応の貯遊技媒体管理システムを導入している遊技店にて携帯会員の仕組みを採用させる場合に、最小限のハードウェアの追加及びソフトウェアの改変のみに留めることができ、遊技店に負担させる費用及び手間を低減させることが可能になる。
【0015】
また、本発明によれば、遊技用記録媒体に価値付けられた有価価値を管理する有価価値管理装置は、識別情報管理装置を有することとしたので、磁気対応の貯遊技媒体管理装置と、ICチップ対応の有価価値管理装置とを導入している遊技店にて携帯会員の仕組みを採用させる場合に、例えば、会員が所持する携帯端末の携帯端末識別情報を対応する会員識別情報に置換させるなどの最小限のソフトウェアの改変のみに留めることができ、遊技店に負担させる費用及び手間を低減させることが可能になる。
【0016】
また、本発明によれば、情報取得装置にて、会員が所持する会員用記録媒体から会員識別情報を取得するとともに、該会員が所持する携帯端末から携帯端末識別情報を取得し、該取得した会員識別情報及び携帯端末識別情報を有価価値管理装置に通知させ、有価価値管理装置にて、当該会員識別情報に対応付けて、情報取得装置により通知された携帯端末識別情報を登録させるように構成したので、携帯端末識別情報が未登録である会員に携帯端末識別情報を簡易に登録させることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る貯遊技媒体管理システムの好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明をパチンコ遊技に適用する場合について説明することとする。
【実施例1】
【0018】
まず、本実施例1に係る貯玉管理システムのシステム構成について説明する。図1は、実施例1に係る貯玉管理システム及びプリペイドカードシステムのシステム構成を示す図である。同図に示すように、遊技店内には、遊技店に会員登録した会員に磁気対応の会員カードを発行し、該会員カードを通じて貯玉サービスを提供する磁気対応の貯玉管理システム1と、ICカード対応のプリペイドカードを通じたパチンコ玉の貸出サービスを提供するプリペイドカードシステム2とが併存している。なお、これら両者は、ゲートウェイ装置(以下、「G/W」と言う)200を介して相互に通信可能に構成されている。
【0019】
ここで、本実施例1では、会員カードには磁気テープならびにICチップの両方が内蔵されており、会員ID及びICカードIDの両方が記録されていることとし、プリペイドカードシステム2にて会員カードを用いる場合には、ICカードIDを用いて残度数の加減算が行われ、貯玉管理システム1にて会員カードを用いる場合には、会員IDを用いて貯玉の加減算が行われることになる。
【0020】
この貯玉管理システム1には、会員管理用ターミナルコントローラ(以下、「会員管理T/C」と言う)10と、計数機20と、カードリーダ30と、ICチップ対応端末90が設けられている。
【0021】
この会員管理T/C10には、計数機20及びカードリーダ30が接続されており、このカードリーダ30には、ICチップ対応端末90が接続されており、さらに、このICチップ対応端末90には、プリペイドカードT/C40が接続されている。
【0022】
この会員管理T/C10は、後述する会員管理テーブルを用いて遊技店に会員登録された会員の統括管理を行う管理装置である。この会員管理テーブルは、会員IDと貯玉残高、氏名、住所等の個人情報とを対応付けて記憶している。そして、カードリーダ30から貯玉加算依頼を受け付けた場合には、その貯玉加算依頼に含まれる会員IDに該当する貯玉口座内の貯玉数を加算処理する。
【0023】
計数機20は、遊技客が獲得したパチンコ玉を計数する計数機であり、その計数結果をカードリーダ30に出力する。なお、本実施例1では、計数機20はパチンコ玉の計数機能のみを有することとし、計数結果がバーコード印字された計数レシートを発行する印字機能、並びに、会員管理T/C10にて記憶管理される貯玉残高に計数結果の一部または全部を貯玉加算させる計数貯玉機能は、後述するカードリーダ30が有することとする。
【0024】
カードリーダ30は、磁気対応の会員カードから会員IDを読み取る磁気カードリーダである。なお、前述したように、計数機20の計数結果及びその関連情報(例えば、計数日時や担当係員など)をバーコード印字した計数レシートを発行するレシート発行機能も付加されている。
【0025】
さらに、このカードリーダ30は、計数機20の計数結果の一部または全部を貯玉加算させる計数貯玉機能も有している。ただし、カードリーダ30は、会員管理T/C10に対してはあくまで会員IDに対応する貯玉残高の加算依頼を行うものとする。
【0026】
ICチップ対応端末90は、会員が所有する携帯電話機100を用いた計数貯玉を行う端末である。具体的には、ICチップ対応端末90のリーダライタ91に対する携帯電話機100のかざし操作を受け付けた場合に、携帯電話機100のICチップ110から携帯電話機固有の識別情報である携帯IDを読み取り、該読み取った携帯IDを会員IDに置換するようにプリペイドカードT/C40に依頼する。また、プリペイドカードT/C40より受け取った会員IDをカードリーダ30に通知する。なお、この携帯IDとしては、ICチップの製造番号である「IDm」、携帯電話機100の製造番号や電話番号等の各種識別情報を用いることができる。
【0027】
一方、プリペイドカードシステム2には、プリペイドカードT/C40と、携帯登録端末50と、島コントローラ60と、遊技機70と、台間機80とが設けられている。
【0028】
プリペイドカードT/C40には、携帯登録端末50、島コントローラ60、ICチップ対応端末90及びG/W200を介して会員管理T/C10が接続されている。また、島コントローラ60には、各島に設置された複数の遊技機70にそれぞれに併設された台間機80が接続されている。
【0029】
このプリペイドカードT/C40は、後述するカードデータ管理テーブル44bを用いてプリペイドカードの残度数を管理するプリペイドカード用の管理装置である。このカードデータ管理テーブル44bは、プリペイドカードもしくは会員カードに記録されるICカードIDに対応付けて当該プリペイドカードの残度数を管理している。そして、台間機80にて高額紙幣が挿入された場合には、台間機80から発行対象となる内蔵カードのICカードIDとともに挿入紙幣の金額を受け付け、当該ICカードIDに挿入紙幣分の金額を価値付けた後、台間機80に「価値付け完了通知」を返信する。
【0030】
また、このプリペイドカードT/C40は、後述するID管理テーブル44aを用いて会員が所持する携帯電話機100の携帯IDを会員IDに置換するID置換機能を有している。具体的には、ID管理テーブル44aは、ICカードID、会員ID及び携帯IDを対応付けて管理しており、ICチップ対応端末90により携帯IDを会員IDに置換する置換依頼を受け付けた場合には、該当する携帯IDを会員IDに置換してその会員IDをICチップ対応端末90に応答する。なお、携帯登録端末50によりICカードID(もしくは会員ID)を含む携帯ID登録依頼を受け付けた場合には、該当するICカードIDに対応付けて該携帯IDを登録する携帯ID登録機能も有している。
【0031】
携帯登録端末50は、携帯ID未登録である会員が所持する携帯電話機100の携帯IDをプリペイドカードT/C40に登録するための端末装置である。具体的には、会員により携帯登録端末50のカードリーダに会員カードが挿入され、該会員が所有する携帯電話機100がリーダライタ51にかざされると、会員カードのICカードID(もしくは会員ID)及び携帯電話機100の携帯IDを読み取り、読み取ったICカードID及び携帯IDをプリペイドカードT/C40に通知することにより携帯IDの登録依頼を行う。
【0032】
遊技機70は、パチンコ玉を盤面に弾き出すとともに入賞時に賞球を払い出すというパチンコ遊技を遊技客に対して提供する遊技機であり、本実施例1では、プリペイドカード対応のいわゆるCRパチンコ機であるものとしている。
【0033】
台間機80は、プリペイドカードT/C40と各遊技機70との間に介在し、プリペイドカードT/C40に対してプリペイドカードの残度数の問い合わせや玉貸し要求を行うとともに、残度数がある場合に遊技機70に対して玉貸し指示を行う装置である。
【0034】
また、この台間機80は、会員カードを受け入れて会員管理T/C10に預け入れられた貯玉を引き落とすいわゆる再プレイの機能を有する。具体的には、会員が台間機80に会員カードを挿入するか又は携帯電話機100をかざして再プレイ操作を行うと、会員管理T/C10が管理する貯玉残高から再プレイ分の玉数を減算するとともに、遊技機70に対して玉投出指示を行う。このように、かかる台間機80は、携帯電話機100を用いた再プレイにも対応している。
【0035】
ここで、本実施例1では、遊技店の会員が所持するICカード対応の携帯電話機100から当該携帯電話機固有の携帯IDを取得するICチップ対応端末90を配設し、プリペイドカードT/C40には、会員の会員IDごとに当該会員が所持する携帯電話機100の携帯IDを対応付けて記憶させておき、ICチップ対応端末90から携帯IDを受け付けた場合に、当該携帯IDをそれに対応する会員IDに置換させ、会員管理T/C10には、プリペイドカードT/C40により置換された会員IDに対応する貯玉サービスを提供させる点にその特徴がある。
【0036】
すなわち、本実施例1では、遊技店に携帯会員の仕組みを採用させるために、磁気対応の貯玉管理システム1をICカード対応のシステムに入れ替えさせるのではなく、携帯電話機100のICチップ110から携帯IDを取得するICカード対応端末90を追加するとともに、プリペイドカードT/C40に携帯IDを会員IDに置換する機能を付加することで、会員管理T/C10には、従来通りに、会員IDに基づく貯玉サービスを提供できるようにしている。
【0037】
したがって、本実施例1では、磁気対応の貯玉管理システムを導入している遊技店にて携帯会員の仕組みを採用させる場合に、最小限のハードウェアの追加(ICチップ対応端末90及びそれとカードリーダ30のインタフェースの追加)及びソフトウェアの改変(プリペイドカードT/C40へのID置換機能の追加)を行うだけでよく、ICカード対応の貯玉・貯メダルシステムを新規に導入する費用、ならびに、会員カードを再発行したり会員情報の移行作業を行ったりする手間を不要化することが可能になる。
【0038】
次に、図1に示したプリペイドカードT/C40の構成について説明する。図2は、図1に示したプリペイドカードT/C40の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、プリペイドカードT/C40は、入力部41、出力部42、IF部43、記憶部44及び制御部45を有している。
【0039】
入力部41は、キーボードやマウス等の入力デバイスであり、出力部42は、液晶パネルやディスプレイ等の表示デバイスである。IF部43は、携帯登録端末50、島コントローラ60、ICチップ対応端末90及びG/W200を介して会員管理T/C10との間でデータ通信を行うためのインタフェースである。
【0040】
記憶部44は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、貯玉サービスを利用する会員の各種識別子とプリペイドカードの残度数とを管理しており、ID管理テーブル44a及びカードデータ管理テーブル44bを有する。
【0041】
ID管理テーブル44aは、遊技店の会員に付与された各種識別子を管理するテーブルである。具体的には、図3に示すように、ICカードID、会員ID及び携帯IDを対応付けて記憶している。なお、会員管理T/C10の会員管理テーブルでは、かかる会員IDに対応付けて、貯玉残高、氏名及び住所等の会員情報が管理されている(図4参照)。
【0042】
ここで、プリペイドカードT/C40のID管理テーブル44aにおいて、会員IDと携帯IDとを対応付けて記憶する理由は、磁気対応の貯玉管理システム1の構成を改変せずに携帯電話機100を用いた貯玉サービスを提供するためであり、会員管理T/C10の会員管理テーブルにて会員ID以外の識別子を管理させることを不要化するためである。
【0043】
カードデータ管理テーブル44bは、プリペイドカードのカード情報を管理している。具体的には、プリペイドカードのICカードIDに当該プリペイドカードに価値付けされた現金残高を対応付けて記憶している。
【0044】
制御部45は、プリペイドカードT/C40を全体制御する制御部であり、携帯ID登録処理部45aと、ID置換処理部45bとを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行し、携帯ID登録処理部45a及びID置換処理部45bにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0045】
携帯ID登録処理部45aは、携帯ID未登録である会員の携帯IDの登録を行う処理部である。具体的には、携帯登録端末50から携帯ID及びICカードID(もしくは会員ID)を含む携帯ID登録依頼を受け付けた場合に、ID管理テーブル44aの該当ICカードIDに携帯IDを登録する。
【0046】
ID置換処理部45bは、ID管理テーブル44aを用いて、ICチップ対応端末90から置換依頼を受け付けた携帯IDを会員IDに置換する処理部である。具体的には、ICチップ対応端末90を通じて携帯IDの置換依頼を受け付けた場合に、ID管理テーブル44aに記憶される該当携帯IDに対応する会員IDに置換し、該置換した会員IDをICチップ対応端末90に返信する。
【0047】
次に、図1に示した携帯登録端末50を用いた携帯ID登録処理を説明する。図5は、図1に示した携帯登録端末50を用いた携帯ID登録処理の手順を示すフローチャートである。なお、ここでは、携帯ID未登録の会員が携帯ID登録を行う場合について説明することとする。
【0048】
同図に示すように、携帯登録端末50は、会員による携帯ID登録操作受付待ちの状態にあり(ステップS501否定)、会員により携帯ID登録操作を受け付けると(ステップS501肯定)、表示部に会員カード挿入を促す画面表示を行い、カードリーダに会員カードが挿入されたならば(ステップS502)、カードリーダを通じてICカードID(もしくは会員ID)を読み取る(ステップS503)。
【0049】
その後、携帯登録端末50は、表示部に携帯電話機100のかざし操作を促す画面表示を行い、会員により携帯電話機100がリーダライタ51にかざされると(ステップS504)、リーダライタ51を通じて携帯電話機100のICチップ110から携帯IDを読み取る(ステップS505)。
【0050】
そして、携帯登録端末50は、当該ICカードID及び携帯IDを含む携帯ID登録依頼をプリペイドカードT/C40に行い(ステップS506)、処理を終了する。なお、この携帯ID登録依頼を受け付けたプリペイドカードT/C40では、ID管理テーブル44aにて当該ICカードIDが記憶されるレコードに携帯IDを登録する。
【0051】
このように、携帯登録端末50が、会員が所持する会員カードからICカードID(もしくは会員ID)を取得するとともに、その会員の携帯電話機100から携帯IDを取得し、該取得したICカードID及び携帯IDをプリペイドカードT/C40に通知し、プリペイドカードT/C40が、ID管理テーブル44aに記憶される該当のICカードIDに対応付けて、携帯登録端末50により通知された携帯IDを登録することで、携帯ID未登録の会員に携帯IDを簡易に登録させることができるようにしている。
【0052】
次に、図1に示したカードリーダ30、ICチップ対応端末90及びプリペイドカードT/C40による計数貯玉処理について詳細に説明する。図6は、実施例1に係る計数貯玉処理に関するカードリーダ30、ICチップ対応端末90及びプリペイドカードT/C40間の制御シーケンスを示す図である。
【0053】
同図に示すように、カードリーダ30は、計数機20から獲得玉の計数結果を受信した後に(ステップS601)、会員が獲得玉を貯玉希望する場合に係員により貯玉操作がなされたならば(ステップS602)、ICチップ対応端末90に対して貯玉操作信号を送信する(ステップS603)。
【0054】
続いて、貯玉操作信号を受信したICチップ対応端末90は、所定の表示部に携帯電話機100のかざし操作を促す画面表示を行い、携帯電話機100のかざし操作待ちの状態となり(ステップS604否定)、会員によりリーダライタ91に携帯電話機100がかざされたならば(ステップS604肯定)、ICチップ110の携帯IDを読み取り(ステップS605)、読み取った携帯IDをプリペイドカードT/C40に転送する(ステップS606)。
【0055】
そして、プリペイドカードT/C40にて携帯IDを受け付けると(ステップS607)、ID置換処理部45bは、ID管理テーブル44aを用いて、受け付けた携帯IDをそれに対応する会員IDに置換し(ステップS608)、ICチップ対応端末90を介してカードリーダ30に会員IDを通知する(ステップS609)。
【0056】
その後、カードリーダ30は、計数機20から受信した計数結果及びID置換処理部45bにより置換された会員IDを含む貯玉残高更新依頼を会員管理T/C10に行う(ステップS610)。なお、この貯玉残高更新依頼を受け付けた会員管理T/C10は、会員管理テーブルを用いて当該会員IDの貯玉残高に計数値を加算処理する。
【0057】
上述してきたように、本実施例1では、遊技店の会員が所持するICカード対応の携帯電話機100から当該携帯電話機固有の携帯IDを取得するICチップ対応端末90を配設し、会員の会員IDごとに当該会員が所持する携帯電話機100の携帯IDを対応付けて記憶させておき、ICチップ対応端末90から携帯IDを受け付けた場合に、当該携帯IDをそれに対応する会員IDに置換させるようにプリペイドカードT/C40を構成するとともに、プリペイドカードT/C40により置換された会員IDに対応する貯玉サービスを提供させるように会員管理T/C10を構成したので、磁気対応の貯玉管理システムを導入している遊技店にて携帯会員の仕組みを採用させる場合に、最小限のハードウェアの追加及びソフトウェアの改変のみに留めることができ、遊技店に負担させる費用及び手間を低減させることが可能である。
【実施例2】
【0058】
ところで、上記実施例1では、遊技店において磁気対応の貯玉管理システム1を用いて会員が所有する携帯電話機100を利用した貯玉サービスを提供する場合について説明したが、会員に対して貯玉を利用した再プレイサービスをさらに提供することもできる。
【0059】
そこで、実施例2では、遊技店において磁気対応の貯玉管理システムを用いて会員が所有する携帯電話機100を用いた再プレイサービスを提供する場合について説明することとする。なお、本実施例2では、貯玉管理システムのシステム構成図並びにプリペイドカードT/C40の機能構成は、上記した実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0060】
まず、図1に示した台間機80、プリペイドカードT/C40及び会員管理T/C10による再プレイ処理について詳細に説明する。図7は、実施例2に係る再プレイ処理に関する台間機80、プリペイドカードT/C40及び会員管理T/C10間の制御シーケンス図である。
【0061】
同図に示すように、台間機80は、会員による再プレイ操作受付待ちの状態にあり(ステップS701否定)、台間機80にて携帯電話機100のかざし操作及び再プレイ操作がなされると(ステップS701肯定)、リーダライタ81を通じてICチップ110から携帯IDを読み取り(ステップS702)、読み取った携帯IDをプリペイドカードT/C40に通知する(ステップS703)。
【0062】
一方、プリペイドカードT/C40にて携帯IDを受信すると(ステップS704)、ID置換処理部45bは、ID管理テーブル44aを用いて、受信した携帯IDを対応する会員IDに置換し(ステップS705)、この会員IDをG/W200を介して会員管理T/C10に通知する(ステップS706)。
【0063】
そして、会員管理T/C10は、プリペイドカードT/C40から会員IDを受信すると(ステップS707)、会員管理テーブルを用いて、受信した会員IDに該当する貯玉残高から再プレイ要求玉数を減算処理し(ステップS708)、再プレイ許可信号をプリペイドカードT/C40を介して台間機80に送信する(ステップS709)。なお、会員管理テーブルに記憶される貯玉残高が再プレイ要求玉数に満たない場合は、エラー信号が台間機80に送信されることとなる。
【0064】
その後、再プレイ許可信号を受信した台間機80では、再プレイ要求玉数分の玉投出指示を遊技機70に対して行い(ステップS710)、処理を終了する。なお、この玉投出指示を受け付けた遊技機70では、再プレイ要求玉数分のパチンコ玉が投出されることになる。
【0065】
このように、本実施例2では、会員が所有する携帯電話機100を利用して再プレイを行う場合に、プリペイドカードT/C40のID置換処理部45bがID管理テーブル44aを用いて携帯IDを会員IDに置換するとともに、会員管理T/C10に対して該会員IDを通知することとしたので、上記した実施例1と同様、磁気対応の貯玉管理システム1を流用して、携帯電話機100を用いた再プレイサービスを提供することができる。
【0066】
なお、上記実施例1及び2では、携帯ID登録を行っていない会員に対して、携帯登録端末50を用いて携帯ID登録を行う場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ICチップ対応端末90を用いて携帯ID登録を行うこともできる。
【0067】
これを具体的に説明すると、図8に示すように、ICチップ対応端末90は、会員による携帯ID登録操作待ちの状態であり(ステップS801否定)、所定の表示部にて携帯ID登録操作を受け付けたならば(ステップS801肯定)、会員カード挿入を促す画面表示を行うことにより会員カードを挿入させ、カードリーダ30を通じて会員カードから会員IDを読み取る(ステップS802)。
【0068】
続いて、ICチップ対応端末90は、所定の表示部にて携帯電話機100のかざし操作を促す画面表示を行うとともに、会員が所有する携帯電話機100のかざし操作待ちの状態となり(ステップS803否定)、会員により携帯電話機100のかざし操作がなされると(ステップS803肯定)、リーダライタ91を通じてICチップ110から携帯IDを読み取り(ステップS804)、該読み取った携帯ID及び会員IDを含む携帯ID登録依頼をプリペイドカードT/C40に行う(ステップS805)。なお、この携帯ID登録依頼を受け付けたプリペイドカードT/C40では、ID管理テーブル44aに記憶される該当の会員IDに携帯IDを登録する。
【0069】
このように、ICチップ対応端末90にて携帯ID登録処理を兼務すれば、図1に示した携帯登録端末50が不要となり、より廉価な貯玉管理システムを提供することができる。
【0070】
また、上記実施例1では、携帯電話機100を利用した貯玉処理をカードリーダ30を通じて実行する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カードリーダ30が発行する計数玉数情報が印字された計数レシートを利用し、図示しない景品管理装置にて計数値を加算処理することもできる。なお、貯玉処理は、会員カードをカードリーダ30に挿入して読み取られる会員IDを用いて行うこともできる。
【0071】
また、上記実施例1及び2では、ICチップが内蔵された携帯電話機100を利用した貯玉・再プレイ処理について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、携帯電話機100以外の媒体で携帯電話機100のICチップ110と同等の機能を有する、例えば、一般的に普及しているICチップ搭載のICカードを用いることもできる。
【0072】
また、上記実施例1及び2では、パチンコ玉の貯玉・再プレイサービスを行う場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチスロ遊技で用いるメダルの貯メダル・再プレイサービスに利用する場合にも本発明を同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
以上のように、本発明に係る貯遊技媒体管理システムは、磁気対応の貯遊技媒体管理システムを導入している遊技店にて携帯会員の仕組みを採用させる場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】実施例1に係る貯玉管理システム及びプリペイドカードシステムのシステム構成を示す図である。
【図2】図1に示したプリペイドカードT/Cの構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図2に示したID管理テーブルの構成例を示す図である。
【図4】図1に示した会員管理T/Cの会員管理テーブルの構成例を示す図である。
【図5】図1に示した携帯登録端末を用いた携帯ID登録処理を示すフローチャートである。
【図6】実施例1に係る計数貯玉処理に関するカードリーダ、ICチップ対応端末及びプリペイドカードT/C間の制御シーケンスを示す図である。
【図7】実施例2に係る再プレイ処理に関する台間機、プリペイドカードT/C及び会員管理T/C間の制御シーケンス図である。
【図8】図1に示したICチップ対応端末を用いた携帯ID登録処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0075】
1 貯玉管理システム
2 プリペイドカードシステム
10 会員管理T/C
20 計数機
30 カードリーダ
40 プリペイドカードT/C
41 入力部
42 出力部
43 IF部
44 記憶部
44a ID管理テーブル
44b カードデータ管理テーブル
45 制御部
45a 携帯ID登録処理部
45b ID置換処理部
50 携帯登録端末
51 リーダライタ
60 島コントローラ
70 遊技機
80 台間機
81 リーダライタ
90 ICチップ対応端末
91 リーダライタ
100 携帯電話機
110 ICチップ
200 G/W

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気対応の会員用記録媒体が記録する会員識別情報に対応付けて貯遊技媒体数を管理するとともに、前記会員用記録媒体を通じて貯遊技媒体の更新サービスを提供する貯遊技媒体管理装置を有する貯遊技媒体管理システムであって、
遊技店の会員が所持するICチップ内蔵の携帯端末から当該携帯端末固有の携帯端末識別情報を取得する情報取得装置と、
前記会員識別情報を含む複数の識別情報を管理する識別情報管理装置とを備え、
前記識別情報管理装置は、
前記会員の会員識別情報ごとに、当該会員が所持する携帯端末の携帯端末識別情報を対応付けて記憶する識別情報記憶手段と、
前記情報取得装置から前記携帯端末識別情報を受け付けた場合に、前記識別情報記憶手段を参照して、当該携帯端末識別情報をそれに対応する会員識別情報に置換する識別情報置換手段とを有し、
前記貯遊技媒体管理装置は、
前記識別情報置換手段により置換された会員識別情報に対応する貯遊技媒体の更新サービスを提供する
ことを特徴とする貯遊技媒体管理システム。
【請求項2】
遊技用記録媒体に価値付けられた有価価値を管理する有価価値管理装置は、前記識別情報管理装置を有することを特徴とする請求項1に記載の貯遊技媒体管理システム。
【請求項3】
前記情報取得装置は、
前記会員が所持する会員用記録媒体から会員識別情報を取得するとともに、該会員が所持する携帯端末から前記携帯端末識別情報を取得し、該取得した会員識別情報及び携帯端末識別情報を前記有価価値管理装置に通知し、
前記有価価値管理装置は、
前記識別情報記憶手段に記憶される該当の会員識別情報に対応付けて、前記情報取得装置により通知された携帯端末識別情報を登録する識別情報登録手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1または2に記載の貯遊技媒体管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−237754(P2008−237754A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−85862(P2007−85862)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】