説明

貼り合わせ基板の製造方法及び基板の貼り合わせ装置、並びに基板の貼り合わせ用ポリイミド樹脂層の製造装置及びその製造方法

【課題】特定の処理を施したポリイミド樹脂を用いることによって種々の基板を接合する技術を提供する。
【解決手段】
本発明の1つの貼り合わせ基板の製造方法は、第1基板12上にポリイミド前駆体層を形成する工程と、そのポリイミド前駆体層を平坦化する工程と、酸素濃度が50ppm以下の環境下で、そのポリイミド前駆体層を200℃以上350℃以下で加熱してポリイミド樹脂層17を形成する第1加熱工程の後、第2基板14と第1基板12との間に前述のポリイミド樹脂層17を挟む工程と、その第1基板及びその第2基板を16.3MPa以上49MPa以下で加圧しながら、前述の第1加熱工程の最高温度と同じ温度、又はその第1加熱工程の最高温度との差が50℃以内の第1加熱工程の最高温度よりも低い温度で加熱する第2加熱工程とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種基板の貼り合わせ基板の製造方法、及びそれらの基板の貼り合わせ装置、並びにそれらの基板を貼り合わせるために用いられるポリイミド樹脂層の製造方法、及びそのポリイミド樹脂層の製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、樹脂材料を対向する複数の基板で挟み、加圧処理することによってその各々の基板を接合しようとする方法が開示されている(例えば、特許文献1又は特許文献2)。しかしながら、従来技術では、具体的な実施態様として、常に樹脂を挟み込む2つの基板間に数十V〜200Vの電圧が印加されている。また、下記の特許文献2に記載されている接合技術の場合、樹脂材料の加熱温度よりも、その樹脂材料を複数の基板間に挟み込んだ後の基板の接合時の加熱温度の方が高く設定されている。このような温度設定の場合、最初の加熱処理によって揮発性物質に起因するガスを完全に放出し切ることは極めて困難か又は不可能である。従って、樹脂を用いて接合する場合に着目すべき重要な技術課題の一つである、接合処理中のその樹脂からの放出ガスの問題、換言すれば接合基板の品質の問題については、未だ十分な解決手段が提示されていないのが現状である。
【特許文献1】特開2004−268323号公報
【特許文献2】特開2005−7734号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のように、樹脂を用いた複数の基板の貼り合わせ、及び貼り合わせ後の十分な接合強度の確保のためには、基板への電圧の印加や、樹脂加熱時の温度を超えた温度による接合時の加熱処理が必要となる。従って、従来の技術を用いて十分な接合強度を得るためには、電圧供給のための設備の追加によって設備費用が増大するという問題や、不可避的に生じると考えられる樹脂からの放出ガスによる最終的なデバイスの信頼性の低下という問題が生じる。加えて、樹脂を介して複数の基板を貼り合わせる際、貼り合わせ前の樹脂の膜厚の均一性が得られなければ、基板全面における十分な接合強度が得られない。その結果、貼り合わせ後にダイシング処理等によってその基板を切断して分離する場合に、切断不良を生じさせる。なお、特にこの技術課題は、基板間に介在させる樹脂の膜厚が厚くなるほど顕在化する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、そのような技術課題を解決することにより、樹脂による基板の貼り合わせ技術の向上に大きく貢献するものである。発明者らは、まず、基板の貼り合わせ用として、耐熱性の高いポリイミド樹脂が最も適していると考えた。その上で、発明者らは、樹脂中の揮発性物質に起因する放出ガスの少ない高品質な接合状態と高い接合強度とを同時に得るため、ポリイミド前駆体の加熱硬化時の環境を最適化することに着目して鋭意研究を重ねた。その結果、ポリイミド前駆体の表面モフォロジーの適正化に加え、特定の環境下での加熱を行うことにより、加熱及び加圧処理のみによる上記の放出ガスの顕著な低減と高い接合強度の獲得という2つの技術課題をいずれも満足する技術が見出された。本発明は、かかる知見に基づいて創出された。
【0005】
本発明の1つの貼り合わせ基板の製造方法は、第1基板上にポリイミド前駆体層を形成する工程と、そのポリイミド前駆体層を平坦化する工程と、酸素濃度が50ppm以下の環境下で、そのポリイミド前駆体層を200℃以上350℃以下で加熱してポリイミド樹脂層を形成する第1加熱工程の後、第2基板とその第1基板との間に前述のポリイミド樹脂層を挟む工程と、その第1基板及びその第2基板を16.3MPa以上49MPa以下で加圧しながら、前述の第1加熱工程の最高温度と同じ温度、又はその第1加熱工程の最高温度との差が50℃以内のその第1加熱工程の最高温度よりも低い温度で加熱する第2加熱工程とを有している。
【0006】
この貼り合わせ基板の製造方法によれば、酸素濃度が制御された環境で平坦化されたポリイミド前駆体層が加熱処理されるため、詳細な理由は未だ明らかではないが、その加熱によって得られるポリイミド樹脂が基板の接合に適した特異な性質を備える。その結果、第1基板と第2基板が貼り合わされた後の加熱温度が前述のポリイミド樹脂の改質時の最高温度と同じ温度、又はそれよりやや低い温度であっても、実用に耐えうる基板接合強度が得られるだけでなく、貼り合わせ後の樹脂からの放出ガス量が顕著に低減する。
【0007】
また、本発明の1つの基板の貼り合わせ装置は、酸素濃度が50ppm以下の環境下で、第1基板上に形成された平坦化されたポリイミド前駆体層を200℃以上350℃以下で加熱してポリイミド樹脂層を形成する第1加熱処理部と、そのポリイミド樹脂層を挟んでその第1基板とその基板とを貼り合わせる貼合部と、その第1基板及びその第2基板を16.3MPa以上49MPa以下で加圧しながら、前述の第1加熱処理部の最高処理温度と同じ温度、又はその第1加熱処理部の最高処理温度との差が50℃以内のその第1加熱処理部の最高処理温度よりも低い温度で加熱する第2加熱処理部とを備えている。
【0008】
この基板の貼り合わせ装置によれば、第1加熱処理部において酸素濃度が制御された環境で平坦化されたポリイミド樹脂層が加熱処理されるため、詳細な理由は未だ明らかではないが、そのポリイミド樹脂が基板の接合に適した特異な性質を備える。その結果、貼合部において第1基板と第2基板が貼り合わされた後の加熱温度が前述のポリイミド樹脂の改質時の最高温度と同じ温度、又はそれよりやや低い温度であっても、実用に耐えうる基板接合強度が得られるだけでなく、貼り合わせ後の樹脂からの放出ガス量が顕著に低減する。
【0009】
また、本発明の1つの基板の貼り合わせ用ポリイミド樹脂層の製造方法は、酸素濃度が50ppm以下の環境下で、基板上に形成されるとともに平坦化されたポリイミド前駆体層を200℃以上350℃以下で加熱してポリイミド樹脂層を形成する工程を有している。
【0010】
この基板の貼り合わせ用ポリイミド樹脂層の製造方法によれば、基板の貼り合わせ後に電圧印加や、第1加熱処理温度を超える高温の加熱処理を要せずに、十分な接合強度とともに放出ガスが顕著に低減された高品質の貼り合わせ基板を得るためのポリイミド樹脂層が得られる。
【0011】
また、本発明の1つの基板の貼り合わせ用ポリイミド樹脂層の製造装置は、酸素濃度が50ppm以下の環境下で、基板上に形成されるとともに平坦化されたポリイミド前駆体層を200℃以上350℃以下で加熱してポリイミド樹脂層を形成する加熱処理部を備えている。
【0012】
この基板の貼り合わせ用ポリイミド樹脂層の製造装置によれば、基板の貼り合わせ後に電圧印加や、第1加熱処理温度を超える高温の加熱処理を要せずに、十分な接合強度とともに放出ガスが顕著に低減された高品質の貼り合わせ基板を得るためのポリイミド樹脂層が得られる。
【0013】
ここで、上述の各発明における「加圧」とは、複数の基板が接合される方向へ圧力が加わることをいう。
【発明の効果】
【0014】
本発明の1つの貼り合わせ基板の製造方法によれば、酸素濃度が制御された環境で平坦化されたポリイミド前駆体層が加熱処理されるため、詳細な理由は未だ明らかではないが、そのポリイミド樹脂が基板の接合に適した特異な性質を備える。その結果、第1基板と第2基板が貼り合わされた後の加熱温度が前述のポリイミド樹脂の形成時の最高温度と同じ温度、又はそれよりやや低い温度であっても、実用に耐えうる基板接合強度が得られるだけでなく、貼り合わせ後の樹脂からの放出ガス量が顕著に低減する。
【0015】
また、本発明の1つの基板の貼り合わせ装置によれば、第1加熱処理部において酸素濃度が制御された環境で平坦化されたポリイミド前駆体層が加熱処理されるため、詳細な理由は未だ明らかではないが、そのポリイミド樹脂が基板の接合に適した特異な性質を備える。その結果、貼合部において第1基板と第2基板が貼り合わされた後の加熱温度が前述のポリイミド樹脂の形成時の最高温度と同じ温度、又はそれよりやや低い温度であっても、実用に耐えうる基板接合強度が得られるだけでなく、貼り合わせ後の樹脂からの放出ガス量が顕著に低減する。
【0016】
また、本発明の1つの基板の貼り合わせ用ポリイミド樹脂層の製造方法、又は本発明の1つの基板の貼り合わせ用ポリイミド樹脂層の製造装置によれば、基板の貼り合わせ後に電圧印加や、第1加熱処理温度を超える高温の加熱処理を要せずに、十分な接合強度とともに放出ガスが顕著に低減された高品質の貼り合わせ基板を得るためのポリイミド樹脂層が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
つぎに、本発明の実施形態を、添付する図面に基づいて詳細に述べる。尚、この説明に際し、全図にわたり、特に言及がない限り、共通する部分には共通する参照符号が付されている。また、図中、本実施形態の要素は必ずしもスケール通りに示されていない。また、各図面を見やすくするために、一部の構成部材又は符号が省略され得る。
【0018】
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態における1つの基板の貼り合わせ装置100の平面図であり、図2及び図3は、図1に示す基板の貼り合わせ装置100の一部である加熱兼加圧装置20における互いに異なる目的の加熱処理時の断面図である。また、図4A乃至図4Fは、本実施形態の基板の貼り合わせプロセスフローを説明する模式図であり、図5は、本実施形態の基板の貼り合わせプロセスの条件を示す図である。
【0019】
図1に示す本実施形態における基板の貼り合わせ装置100は、マルチチャンバー型の処理装置である。具体的には、基板の貼り合わせ装置100は、ロードロック室40と、搬送室50と、基板の加熱及び/又は加圧を行う加熱兼加圧装置20と、複数の基板を精度良く貼り合わせるアライメント室30とを有している。なお、ロードロック室40と搬送室50は公知の基板搬送機構を備えている。ロードロック室40は、処理前後の基板の出し入れを行うための場所であり、搬送室50は、基板を複数の処理室又はロードロック室40に搬送する役割を果たす。また、ロードロック室40、搬送室50、及びアライメント室30は、図示されていないポンプにより排気され得る。
【0020】
ここで、図2又は図3に示すように、加熱兼加圧装置20は、基板12を載置するステージ22と、押圧板23、及びステージ22及び押圧板23内に埋め込まれたヒーターの温度を制御するヒーター制御部24,25を備えている。なお、ステージ22と、押圧板23は、基板の加圧時には加圧板の役割も兼ねている。また、加熱兼加圧装置20は、チャンバー21内を減圧するためのポンプ26に接続されるとともに、チャンバー21内に窒素ガスを供給する窒素ガスボンベ27に接続される。
【0021】
ここで、ヒーター制御部24,25は、図示されていないが、公知の制御方法により、ステージ22及び押圧板23の一部に設けられた熱電対からの信号を受けてステージ22及び押圧板23の温度を制御する。また、ステージ22及び押圧板23の少なくとも一方は、図示されていない公知の昇降機構によって上下運動が可能であるため、ステージ22上に載置された基板の加圧が可能である。加えて、基板へ加えられる圧力値は、市販の圧力センサー(例えば、株式会社バルコム製センサー(型番:VLC−50KNH229))を用いた制御手段によって制御される。また、窒素ガスボンベ27よる窒素ガスの供給量は、公知のバルブ28及びそれらを制御する図示されていない制御部によって精度良く制御される。
【0022】
次に、図4A乃至図4Fに示す基板12,14に着目し、本実施形態における基板の貼り合わせ装置100による各処理を説明する。
【0023】
本実施形態では、一方の基板(第1基板)12の材質がシリコンであり、他方の基板(第2基板)14の材質もシリコンである。また、本実施形態で用いられたポリイミド樹脂は、感光性ポリイミド樹脂であり、その商品名は、DURIMIDE(登録商標)7510である。
【0024】
まず、公知のスピンコーティング法及び100℃、6分間の仮ベーキングを複数回繰り返すことにより、基板12上に、平坦部の厚みが約9μmのポリイミド前駆体層16が形成される。図4Aに示すとおり、スピンコーティングを用いると、通常、基板の端部に隆起部16aが形成される。本実施形態では、この端部の厚みは、平坦部のそれよりも約5μm厚い。
【0025】
次に、ポリイミド前駆体層16の端部16aに対し、ポリイミド前駆体層16をエッチングする処理液(具体的には、N−メチル−2−ピロリドンを公知の噴霧器を用いて所定時間噴射することにより、ポリイミド前駆体層16の厚みが平坦化される。本実施形態では、図4Bに示すように、前述の処理液を上述の端部に対してのみ6秒間噴射することによって、ポリイミド前駆体層16の厚みの最大差が4μm以下になるまで平坦化される。なお、ポリイミド前駆体の種類にも依存するが、前述の厚みの最大差が4μmを越えると、その後の基板の接合強度が弱まる箇所が生じ得ることが確認されている。他方、ポリイミド前駆体層16の厚みの最大差が4μm以下であれば、十分な接合強度が得られる。
【0026】
ここで、上述の処理液を用いて、隆起部16aのみならず、基板12の端部(例えば、
第1基板の外縁から4mm以内の領域、特に1mm以内の領域)のポリイミド前駆体層16を完全に除去することによっても、その後の基板の接合強度を高めることになる。これは、残されたポリイミド前駆体層16の厚みは平坦化されているためである。しかしながら、基板12の端部の領域のポリイミド前駆体層16を完全に除去すると、基板を貼り合わせた後、例えばダイシング処理によってその貼り合わせ基板を切断する際に、その除去されたポリイミド前駆体層の領域の基板片が飛び散ってしまうためにダイシングの刃が破損するという切断不良が発生し得る。従って、隆起部16aのみを除去して基板の端部のポリイミド前駆体層16を残すことは、前述の切断不良を回避するために極めて有効である。
【0027】
続いて、図4Cに示すように一般的な半導体製造プロセスと同様に、公知のフォトリソグラフィー工程を経て、ポリイミド前駆体層16がパターニングされる。このとき、本実施形態では、上述の理由から、基板12の端部のポリイミド前駆体層16は残されている。
【0028】
その後、ポリイミド前駆体層16が形成された基板12は、図1のロードロック室40内に導入される。その後、ロードロック室40、搬送室50、加熱兼加圧装置20、及びアライメント室30が排気された後、基板12は搬送室50を経て加熱兼加圧装置20に送られる。
【0029】
本実施形態では、ポンプ26により排気しつつ、バルブ28を開放してチャンバー21内に窒素ガスボンベ27から窒素が250L(リットル)/min.を導入される。このとき、チャンバー21内の圧力は、約0.1MPa(1気圧)となるように調整されている。その後、チャンバー21内の酸素濃度が50ppm以下となるように制御される。本実施形態では、窒素を導入してから約40分後に、チャンバー21内の酸素濃度が6ppmになった。酸素濃度が50ppm以下に到達した後は、窒素は安定的に150L(リットル)/min.導入される。なお、チャンバー21内に窒素ガスを導入することにより、ポリイミド前駆体層16に与える熱の熱伝導性が向上する結果、加熱処理の面内均一性が高まる。
【0030】
チャンバー21内の酸素濃度が上述の通りに制御された後、ステージ22内のヒーター及びヒーター制御部24により、ステージ22の温度が350℃に上昇する。基板12は、この状態で1時間継続的に加熱された後、常温にまで冷却される。便宜上、この加熱処理を第1加熱処理と呼ぶ。第1加熱処理の結果、図4Dに示すように、酸素濃度が50ppm以下に制御された環境下において加熱処理されたポリイミド樹脂層17が形成される。なお、ポリイミド樹脂層17の厚みは、加熱前のポリイミド前駆体層16の厚みの約6割であった。
【0031】
ここで、上記のポリイミド樹脂層17と、空気中の酸素の濃度(約20%)である以外は第1加熱処理条件と同じ条件で加熱された比較例としてのポリイミド樹脂層の2つのサンプルについて、加熱後の樹脂の硬度をダイナミック微小硬度計(株式会社島津製作所製,型番DUH−W201)によって測定した。その結果、詳細な理由は未だ明確ではないが、酸素濃度が50ppm以下に制御された環境下で加熱処理されたポリイミド樹脂層17の硬さが、酸素濃度が約20%のものよりも約32%柔らかいことが明らかになった。従って、本実施形態におけるポリイミド樹脂層17は、酸素濃度が制御されずに加熱処理されたものとは物性的に異なるものであると考えられる。
【0032】
また、特に、酸素濃度が10ppm以下に制御された環境下で加熱処理された本実施形態のようなポリイミド樹脂層は、加熱処理後の表面の色が薄い茶褐色であった。一方、酸素濃度が制御されていないポリイミド樹脂層は加熱処理後の表面の色が略黒色であった。この結果から見ても、ポリイミド樹脂層の物性が異なっていることが考えられる。
【0033】
次に、チャンバー21内がポンプ26によって排気された後、上記のポリイミド樹脂層17は、搬送室50を経由してアライメント室30に送られる。アライメント室30では、図4Eに示すように、位置合わせされた他方の基板14が上方から基板12と貼り合わされる結果、貼り合わせ基板10が形成される。
【0034】
貼り合わされた基板10は、再び搬送室50を経由して加熱兼加圧装置20に送られる。図3及び図4Fに示すように、加熱兼加圧装置20では、貼り合わせ基板10は所定の処理温度に到達したステージ22及び押圧板23によって32.7MPaで加圧される。
【0035】
具体的には、図5に示すように、まず、時刻Tにヒーターによる加熱が開始される。ステージ22及び押圧板23の温度は、加熱開始から約10分後に最高処理温度の350℃に到達し、時刻Tにおいて貼り合わせ基板10に対する加圧処理が開始される。貼り合わせ基板10に対する32.7MPaの加圧は、実質的に瞬時になされる。その後、貼り合わせ基板10に対する加熱及び加圧の条件が15分間継続する。すなわち、ステージ22及び押圧板23の温度は350℃以下に制御される。その後、時刻Tにおいて加圧処理が終了し、貼り合わせ基板10は徐冷される。その後、ステージ22及び押圧板23が常温(約25℃)になる時刻Tにおいて全ての処理が終了する。なお、便宜上、上述の加熱及び加圧処理を、第2加熱処理と呼ぶ。なお、本実施形態の第2加熱処理は、窒素雰囲気下(圧力約0.1MPa(1気圧))で行われた。
【0036】
その後、貼り合わせ基板10は、搬送室50を経由してロードロック室40に送られ、外部に取り出される。
【0037】
上述の各処理の結果、貼り合わせ基板10の接合強度は良好であることが確認された。具体的には、貼り合わせ基板10の剥離試験の結果、貼り合わせ基板10の両側を16.95MPaで引っ張ることにより破断することが確認された。しかしながら、この破断は貼り合わせ基板10の接合面における剥離ではなく、母材自身の破壊であることが分かった。従って、接合強度は、前述の数値を超えていることが明らかとなった。また、第2加熱処理後のポリイミド樹脂層17の厚みは、第1加熱処理後の厚みと略同じであった。具体的には、第1加熱処理後のポリイミド樹脂層の厚みに対して、第2加熱処理後のそれは、2%の低下に止まった。このように、ポリイミド樹脂の加熱温度と同じ温度で基板の接合処理がされた場合であっても、十分な接合強度が得られた。また、第2加熱処理時の加圧によってポリイミド樹脂層17の厚みが実質的に変化しない程度の硬度をポリイミド樹脂層17が備えていることが分かったことから、本実施形態の装置及び方法が、貼り合わせ基板の面内均一性の向上にも寄与することが確認された。
【0038】
さらに、本実施形態と同条件で、ガラス基板とシリコン基板又はガラス基板同士の接合を行った結果、ポリイミド樹脂からの放出ガスが略皆無となるか、又は従来と比較して著しく低減されていることが加熱兼加圧装置20に設けられている真空計の数値変化から確認された。
【0039】
ここで、比較例として、空気中の酸素の濃度(約20%)である以外は第1の実施形態の条件と同じ条件で第2加熱処理を含めた全ての処理が行われた貼り合わせ基板の接合強度と樹脂からの放出ガスの有無が調べられた。その結果、酸素濃度を50ppm以下に制御されずに第1加熱処理された比較例のサンプルは、実質的に接合されていない程度に剥がれ易いことが確認された。これは、上述の第1加熱処理後のポリイミド樹脂の硬さが、酸素濃度を制御したものよりも硬くなってしまっているため、第二加熱処理の際の加熱温度が第1加熱処理の際の加熱温度と同じであれば十分な接合には至らないことを示していると考えられる。換言すれば、酸素濃度を制御された本実施形態の第1加熱処理後のポリイミド樹脂層17は、比較例に比べて幾分柔軟性を備えた状態に形成されるため、その後の接合処理の際に第1加熱処理温度と同じ温度でも十分な接合が確保されると考えられる。従って、酸素濃度が制御された環境下におけるポリイミド前駆体層16の加熱処理が、貼り合わせ基板の接合強度及びその接合状態に大きく影響していることが明らかとなった。また、上述のとおり、ポリイミド前駆体層16の厚みの最大差が4μm以下になるまで平坦化されたことも、接合強度の向上に大きく寄与していることが分かる。他方、上記比較例の放出ガス量は、本実施形態の放出ガス量と略同等であることが確認された。
【0040】
また、本実施形態では、第1加熱処理時のチャンバー21内の酸素濃度が6ppmであったが、この酸素濃度が50ppm以下、更に好ましくは30ppm以下であれば、ポリイミド樹脂の硬化の際にイミド化が阻害されにくくなる。なお、イミド化が不十分であるために生じうる接合不良の問題を生じさせないためには、上述の酸素濃度が10ppm以下であることが最も好ましい。
【0041】
また、本実施形態では、ポリイミド前駆体層16に与える熱の熱伝導性を向上させて、加熱処理の面内均一性が高めるため、チャンバー21内に窒素ガスを導入したが、これに限定されない。例えば、窒素ガスを導入する代わりに、チャンバー21内を高真空化させて酸素ガスの絶対量を低減させる方法も本実施形態の一つの変形例である。本実施形態とは別に発明者らによって行われた実験では、酸素分圧が9×10−4Pa以下であれば、接合強度及び樹脂からの放出ガスに関して本実施形態と略同様の効果が奏されることが確認された。しかしながら、加熱処理の基板の面内均一性、及び処理基板間の均一性を考慮すれば、窒素ガスを導入することが好ましい。
【0042】
<第2の実施形態>
図6は、本実施形態における基板の貼り合わせプロセスの条件を示す図である。図6は、第1の実施形態の図5に相当する。本実施形態の貼り合わせ基板の製造方法は、上述の第2加熱処理の際の貼り合わせ基板に対する加圧処理を除き、第1の実施形態のそれと同じである。他方、本実施形態の基板の貼り合わせ装置は、第1の実施形態と同じ装置構成を有している。従って、第1の実施形態と重複する説明は省略され得る。
【0043】
図6に示すとおり、本実施形態の第2加熱処理では、第1加熱処理後の貼り合わせ基板に対して昇温前から加圧されている。ステージ及び押圧板が350℃に到達した後の各処理は第1の実施形態と同じである。
【0044】
本実施形態の各処理によって形成された貼り合わせ基板は、第1の実施形態と比較してやや樹脂からの放出ガスによる影響が多かった。これは、第2加熱処理の際の昇温時にも、第1加熱処理の際に完全に放出し切れていなかったガスが、この第2加熱処理の段階で放出したと考えられる。一方、接合強度は第1の実施形態と実質的に同じであった。また、第2加熱処理の前後におけるポリイミド樹脂の厚みの変化についても、第1の実施形態との差が無かった。従って、接合の品質をより高めるためには、貼り合わせ基板に対する加圧の開始時期は、ステージ及び押圧板の温度が最高温度に到達した時か、その直前(例えば、その1〜2分前)に開始することが好ましい。
【0045】
<第3の実施形態>
図7は、本実施形態における基板の貼り合わせプロセスの条件を示す図である。図7は、第1の実施形態の図5に相当する。本実施形態の貼り合わせ基板の製造方法は、上述の第1加熱処理及び第2加熱処理の際の最高処理温度を除き、第1の実施形態のそれと同じである。他方、本実施形態の基板の貼り合わせ装置は、第1の実施形態と同じ装置構成を有している。従って、第1の実施形態と重複する説明は省略され得る。
【0046】
本実施形態で用いられたポリイミド樹脂は、感光性ポリイミド樹脂であり、その商品名は、DURIMIDE(登録商標)7510である。また、本実施形態における第1加熱処理温度は300℃である。また、図7に示すとおり、本実施形態の第2加熱処理の際の最高処理温度は300℃である。上記の処理条件によって製造された貼り合わせ基板も、第1の実施形態と略同様の接合強度が得られる。また、ポリイミド樹脂からの放出ガスも、第1の実施形態と同様、略皆無となるか、又は従来と比較して著しく低減される。
【0047】
<第4の実施形態>
本実施形態の貼り合わせ基板の製造方法は、上述の第1加熱処理の際の酸素濃度が10ppmであることを除き、第1の実施形態のそれと同じである。他方、本実施形態の基板の貼り合わせ装置は、第1の実施形態と同じ装置構成を有している。従って、第1の実施形態と重複する説明は省略され得る。
【0048】
上述のように、酸素濃度が10ppmの環境下で第1加熱処理がされた場合であっても、第1の実施形態と略同様の接合強度が得られる。また、ポリイミド樹脂からの放出ガスに関しても、第1の実施形態と同様、略皆無となるか、又は従来と比較して著しく低減される。
【0049】
<その他の実施形態>
本実施形態の貼り合わせ基板の製造方法は、上述の第2加熱処理の際に貼り合わせ基板に加える圧力を除き、第1の実施形態のそれと同じである。他方、本実施形態の基板の貼り合わせ装置は、第1の実施形態と同じ装置構成を有している。従って、第1の実施形態と重複する説明は省略され得る。
【0050】
上述の各実施形態以外の幾つかの実施形態において、第2加熱処理時の圧力を変化させた条件で貼り合わせ基板が製造された結果、16.3MPa以上49MPa以下で加圧すれば、上述の各実施形態の少なくとも一部の効果が奏されることが確認された。具体的には、16.3MPaの圧力で加圧されたとき、基板間に介在するポリイミド樹脂の一つの基板との接触面積が所定の大きさ(7500mm)以上であれば、接合強度は第1の実施形態のそれと遜色ないことが分かった。他方、49MPaの圧力で加圧されたときは、線幅100μmの微細パターン(1:1のライン・アンド・スペース)の一部が潰れるという現象が確認されたが、接合強度は第1の実施形態のそれと遜色ないことが分かった。また、16.3MPaの圧力又は49MPaの圧力のいずれの場合であっても、ポリイミド樹脂からの放出ガスは略皆無となるか、又は従来と比較して著しく低減されていることが確認された。
【0051】
ところで、上述の各実施形態では、第1加熱処理と第2加熱処理が同一のチャンバー内で行われていたが、これに限定されない。第1加熱処理と第2加熱処理が異なるチャンバーで行われても、本発明と同様の効果が奏される。
【0052】
また、上述の各実施形態では、第1加熱処理の最高温度が300℃又は350℃であったが、これに限定されない。第1加熱処理の最高温度が200℃以上450℃以下であれば、上述のように第2加熱処理温度をその温度と同じかやや低い温度に設定することにより本発明の少なくとも一部の効果が奏されるといえる。これは、200℃未満であれば、基板の接合に適したポリイミド樹脂を得ることが出来ないためであり、他方、450℃を超えるとポリイミド樹脂が熱分解するという問題が生じ得るからである。
【0053】
また、上述の各実施形態では、第1加熱処理温度と第2加熱処理温度を同じ温度に設定したが、第2加熱処理温度が第1加熱処理温度よりも30℃低い値に設定されていても、本実施形態と実質的に同様の効果が奏される。例えば、第1の実施形態において、第1加熱処理温度を350℃とし、第2加熱処理温度を320℃とした以外は同様の条件で貼り合わせ基板を製造した場合であっても、良好な接合強度(16.95MPa以上の接合強度)が得られた。
【0054】
同様に、第1加熱処理温度と第2加熱処理温度を同じ温度に設定したが、第2加熱処理温度が第1加熱処理温度よりも50℃低い値に設定された場合であっても、上述の各実施形態と遜色ない効果が奏される。すなわち、実用性が損なわれない接合強度が得られる。
【0055】
なお、特に、基板間に介在するポリイミド樹脂が一方の基板と接触する線幅が1.5mm以上である場合、むしろ第2加熱処理温度が第1加熱処理温度よりも低い方が、より放出ガス量が低減される点で好ましい。すなわち、基板間に介在するポリイミド樹脂の局所的な接触面積が大きいほど、そのポリイミド樹脂からの放出ガスの問題が顕在化する可能性が高くなるため、第1加熱処理温度よりも第2加熱処理温度を低く設定することは好ましい一態様である。
【0056】
また、上述の各実施形態では、第2加熱処理が窒素雰囲気下(圧力約0.1MPa(1気圧))で行われたが、この雰囲気に限定されない。例えば、窒素の代わりに他の不活性ガス(例えば、アルゴンガス)の雰囲気下であっても、本実施形態と実質的に同様の効果が奏される。さらに、第2加熱処理の圧力条件についても、約0.1MPa(1気圧)に限定されない。第2加熱処理が真空下(例えば、圧力5×10−4Paであっても、本実施形態と実質的に同様の効果が奏される。
【0057】
また、上述の各実施形態では、図4Aに示すような基板の端部に隆起部が形成されるポリイミド前駆体層が形成されているがこれに限定されない。例えば、図8に示すように、当初、基板の略中央の領域に隆起部16aが形成される場合であっても、既述の所定の厚みの範囲内に収まるようにこの隆起部16aを取り除くことによって平坦化がなされれば、上述の各実施形態と同様の効果が奏される。なお、図8のような、略中央の領域が隆起する傾向にあるポリイミド前駆体層の形成方法の一例は、スプレーコーターによる塗布方法である。
【0058】
また、上述の各実施形態では、貼り合わせ基板の材質がシリコン又はガラスであったが、これらに限定されない。本発明は、陽極接合のようにガラス材を必須とするものではなく、特定の処理を施したポリイミド樹脂を用いることによって種々の基板を接合する技術を提供する。従って、シリコン酸化膜が形成された基板同士やシリコン窒化膜が形成された基板同士であっても、本発明を適用することにより接合されうる。また、アルミニウム基板同士、アルミニウム基板とガラス基板、シリコン酸化膜が形成された基板とガラス基板、又はシリコン窒化膜が形成された基板とガラス基板であっても、本発明を適用することにより接合されうる。さらに、銅基板同士、銅基板とシリコン基板、銅基板とシリコン酸化膜が形成された基板、サファイア基板とシリコン基板、サファイア基板とシリコン酸化膜が形成された基板、又は水晶板同士であっても、本発明を適用することにより接合されうる。以上、述べたとおり、本発明の範囲内に存在する変形例もまた、特許請求の範囲に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、種々の基板を貼り合わせることにより形成された複合基板の製造方法又はその要素技術として利用され、さらに、その複合基板を用いたデバイスにも広く利用されうる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の1つの実施形態における基板の貼り合わせ装置の平面図である。
【図2】本発明の1つの実施形態における基板の貼り合わせ装置の一部である加熱兼加圧装置における第1加熱処理時の断面図である。
【図3】図2に示す加熱兼加圧装置における第2加熱処理時の断面図である。
【図4A】本発明の1つの実施形態における基板の貼り合わせプロセスフローを説明する模式図である。
【図4B】本発明の1つの実施形態における基板の貼り合わせプロセスフローを説明する模式図である。
【図4C】本発明の1つの実施形態における基板の貼り合わせプロセスフローを説明する模式図である。
【図4D】本発明の1つの実施形態における基板の貼り合わせプロセスフローを説明する模式図である。
【図4E】本発明の1つの実施形態における基板の貼り合わせプロセスフローを説明する模式図である。
【図4F】本発明の1つの実施形態における基板の貼り合わせプロセスフローを説明する模式図である。
【図5】本発明の1つの実施形態における基板の貼り合わせプロセスの条件を示す図である。
【図6】本発明の他の実施形態における基板の貼り合わせプロセスの条件を示す図である。
【図7】本発明の他の実施形態における基板の貼り合わせプロセスの条件を示す図である。
【図8】本発明の他の実施形態における基板の貼り合わせプロセスフローの一部を説明する模式図である。
【符号の説明】
【0061】
10 貼り合わせ基板
12,14 基板
16 ポリイミド前駆体層
16a 隆起部
17 ポリイミド樹脂層
20 加熱兼加圧装置
21 チャンバー
22 ステージ
23 押圧板
24,25 ヒーター制御部
26 ポンプ
27 窒素ガスボンベ
28 バルブ
30 アライメント室
40 ロードロック室
50 搬送室
100 基板の貼り合わせ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板上にポリイミド前駆体層を形成する工程と、
前記ポリイミド前駆体層を平坦化する工程と、
酸素濃度が50ppm以下の環境下で、前記ポリイミド前駆体層を200℃以上350℃以下で加熱してポリイミド樹脂層を形成する第1加熱工程の後、第2基板と前記第1基板との間に前記ポリイミド樹脂層を挟む工程と、
前記第1基板及び前記第2基板を16.3MPa以上49MPa以下で加圧しながら、前記第1加熱工程の最高温度と同じ温度、又は前記第1加熱工程の最高温度との差が50℃以内の前記第1加熱工程の最高温度よりも低い温度で加熱する第2加熱工程とを有する
貼り合わせ基板の製造方法。
【請求項2】
前記前記第1加熱工程における酸素以外の気体が、実質的に窒素からなる
請求項1に記載の貼り合わせ基板の製造方法。
【請求項3】
前記第2加熱工程は、前記第1基板及び前記第2基板に対する加圧が前記第2加熱工程の最高温度に到達した時、又はその後に開始する
請求項1又は請求項2に記載の貼り合わせ基板の製造方法。
【請求項4】
前記ポリイミド前駆体層の厚みの最大差が4μm以下になるように平坦化する
請求項1に記載の貼り合わせ基板の製造方法。
【請求項5】
前記ポリイミド前駆体層が、前記第1基板の外縁から4mm以内の領域に形成された状態で平坦化される
請求項4に記載の貼り合わせ基板の製造方法。
【請求項6】
酸素濃度が50ppm以下の環境下で、第1基板上に形成された平坦化されたポリイミド前駆体層を200℃以上350℃以下で加熱してポリイミド樹脂層を形成する第1加熱処理部と、
前記ポリイミド樹脂層を挟んで前記第1基板と第2基板とを貼り合わせる貼合部と、
前記第1基板及び前記第2基板を16.3MPa以上49MPa以下で加圧しながら、前記第1加熱処理部の最高処理温度と同じ温度、又は前記第1加熱処理部の最高処理温度との差が50℃以内の前記第1加熱処理部の最高処理温度よりも低い温度で加熱する第2加熱処理部とを備える
基板の貼り合わせ装置。
【請求項7】
前記第1加熱処理部における酸素以外の気体が、実質的に窒素からなる
請求項6に記載の基板の貼り合わせ装置。
【請求項8】
前記第2加熱処理部は、前記第1基板及び前記第2基板に対する加圧が前記第2加熱処理部の最高温度に到達した時、又はその後に開始する
請求項6又は請求項7に記載の基板の貼り合わせ装置。
【請求項9】
前記ポリイミド前駆体層の厚みの最大差が4μm以下になるように平坦化される
請求項6に記載の基板の貼り合わせ装置。
【請求項10】
前記ポリイミド前駆体層が、前記第1基板の外縁から4mm以内の領域に形成された状態で平坦化される
請求項9に記載の基板の貼り合わせ装置。
【請求項11】
酸素濃度が50ppm以下の環境下で、基板上に形成されるとともに平坦化されたポリイミド前駆体層を200℃以上350℃以下で加熱してポリイミド樹脂層を形成する工程を有する
基板の貼り合わせ用ポリイミド樹脂層の製造方法。
【請求項12】
前記ポリイミド前駆体層の厚みの最大差が4μm以下になるように平坦化される
請求項11に記載の基板の貼り合わせ用ポリイミド樹脂層の製造方法。
【請求項13】
前記ポリイミド前駆体層が、前記第1基板の外縁から4mm以内の領域に形成された状態で平坦化される
請求項12に記載の基板の貼り合わせ用ポリイミド樹脂層の製造方法。
【請求項14】
酸素濃度が50ppm以下の環境下で、基板上に形成されるとともに平坦化されたポリイミド前駆体層を200℃以上350℃以下で加熱してポリイミド樹脂層を形成する加熱処理部を備えた
基板の貼り合わせ用ポリイミド樹脂層の製造装置。
【請求項15】
前記ポリイミド前駆体層の厚みの最大差が4μm以下になるように平坦化される
請求項14に記載の基板の貼り合わせ用ポリイミド樹脂層の製造装置。
【請求項16】
前記ポリイミド前駆体層が、前記第1基板の外縁から4mm以内の領域に形成された状態で平坦化される
請求項15に記載の基板の貼り合わせ用ポリイミド樹脂層の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−157634(P2010−157634A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−335491(P2008−335491)
【出願日】平成20年12月27日(2008.12.27)
【出願人】(307021092)山中セミコンダクター株式会社 (4)