貼付物除去装置
【課題】被貼付物を傷付けることなく、該被貼付物から貼付物を除去することができる貼付物除去装置を提供する。
【解決手段】貼付物除去装置10は、粘着剤によって外装カバー1に貼付された貼付物2を切削して除去するものであり、ハウジング4と、ハウジング4の先端に設けられた回転刃12であって円柱の外周面に複数の刃12bが設けられ、前記円柱の軸Pを中心として回転する回転刃12と、回転刃12の軸P方向の両端に配置された回転刃12の貼付物2への切込み量を規制する一対の規制部材11と、回転刃12に接するように回転刃12の軸Pに平行に配置された該回転刃12の表面を清掃する清掃部材と、が設けられている。
【解決手段】貼付物除去装置10は、粘着剤によって外装カバー1に貼付された貼付物2を切削して除去するものであり、ハウジング4と、ハウジング4の先端に設けられた回転刃12であって円柱の外周面に複数の刃12bが設けられ、前記円柱の軸Pを中心として回転する回転刃12と、回転刃12の軸P方向の両端に配置された回転刃12の貼付物2への切込み量を規制する一対の規制部材11と、回転刃12に接するように回転刃12の軸Pに平行に配置された該回転刃12の表面を清掃する清掃部材と、が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着剤によって被貼付物に貼付された貼付物を切削して除去する貼付物除去装置に関し、例えば、電子機器製品、家庭電気製品、事務機器等を構成する部品でリユース、リサイクル対象となる部品、即ち被貼付物、に貼付されたラベルやステッカー、即ち貼付物、を除去するものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境保護意識の高まりにより、従来は廃棄していた使用済み製品を回収し資源種類ごとに分別してマテリアルリサイクル(以下、リサイクルと言う。)したり、部品の一部を再使用(以下、リユースと言う。)するといった動きが多く見られるようになってきた。例えば、電子機器製品、家庭電気製品、事務機器製品には、主に合成樹脂製の外装カバーが設けられており、これら外装カバーの多くがリサイクル、リユースの対象となっている。しかしながら、製品回収時点では、前記外装カバー等の被貼付物には、製品出荷時点から元々貼られていたラベルやユーザー先で貼られたラベル等の貼付物が残っていて、リサイクル、リユースを阻害する要因になっている。
【0003】
また、上述したリサイクル、リユース阻害の問題に対応する従来技術として、特許文献1,2が公知である。
【0004】
上記特許文献1(特開2005−58878)には、研磨作用があるベルト状、または、円盤形状の摺擦部材で摺擦して外装部材表面のラベルや汚れを除去する外装部材の外観再生工具及び装置が開示されている。
【0005】
上記特許文献2(特開平9−304887)には、レンズ付きフィルムカメラのリユースにおいて、ラベルが貼付されたフィルムケースを支持体により保持し、ラベルの端部をチャックで把持してラベルを引っ張り剥がすラベル剥離方法及び装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1,2に開示された従来技術においては、以下に示す問題があった。
【0007】
即ち、特許文献1においては、研磨作用がある摺擦部材にて摺擦することで外装部材に貼付されたラベルを研磨して除去しているが、この方法では摺擦部材の切込み量を規制していないので、ラベルを完全に除去しようとした場合、外装部材表面に研磨剤によるキズを付けてしまう恐れがあるという問題があった。また、前記外装部材表面のキズは部品リユースの場合には、製品の外観品質を低下させ商品価値の低下につながるものであり好ましくないという問題があった。
【0008】
また、特許文献2においては、剥離装置のチャックが把持可能なところまでラベルの端部を一様に剥がすことが困難であり、さらに、ラベルの状態によっては剥がし残りが生ずる恐れがあるという問題があった。また、前記ラベルの剥がし残りは、マテリアルリサイクルにおいて不純物が混入することになり、品質低下につながるという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、被貼付物を傷付けることなく、該被貼付物から貼付物を除去することができる貼付物除去装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、粘着剤によって貼付された貼付物を切削して除去する貼付物除去装置において、(イ)ハウジングと、(ロ)前記ハウジングの先端に設けられた回転刃と、(ハ)前記回転刃の軸方向の両端に配置された前記回転刃の前記貼付物への切込み量を規制する一対の規制部材と、(ニ)前記回転刃に接するように前記回転刃の軸に平行に配置された該回転刃の表面を清掃する清掃部材と、が設けられていることを特徴とする貼付物除去装置である。
【0011】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記回転刃における各刃の先端と前記一対の規制部材の先端との相対的な位置関係を微調整する調整機構がさらに設けられていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項3に記載された発明は、請求項1または請求項2に記載された発明において、前記回転刃における各刃が該回転刃の軸に対して傾斜して設けられていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項4に記載された発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載された発明において、前記回転刃の軸方向の中央部が軸方向の両端部よりも突出するように、該回転刃における各刃の先端が円弧状に形成されていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項5に記載された発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載された発明において、前記清掃部材がブラシローラとされていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項6に記載された発明は、請求項5に記載された発明において、前記ブラシローラに取り付けられたプーリーの直径が、前記回転刃に取り付けられたプーリーの直径よりも小さく形成され、かつ、これら二つのプーリーに単一のベルトが掛けられることにより、前記ブラシローラの回転周速度が前記回転刃の回転周速度より速くなるように設けられ、前記ブラシローラの回転方向が前記回転刃と逆方向となるように設けられていることを特徴とするものである。
【0016】
請求項7に記載された発明は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載された発明において、前記清掃部材に洗浄液を供給する供給手段がさらに設けられていることを特徴とするものである。
【0017】
請求項8に記載された発明は、請求項1ないし7のいずれか1項に記載された発明において、前記回転刃と該回転刃を駆動する駆動装置との駆動伝達手段が、ゴムベルトとされていることを特徴とするものである。
【0018】
請求項9に記載された発明は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載された発明において、前記回転刃の各刃が金属材料で構成されていることを特徴とするものである。
【0019】
請求項10に記載された発明は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載された発明において、前記回転刃の各刃が軟質樹脂材料で構成されていることを特徴とするものである。また、本発明において最適な前記軟質樹脂材料としては、メラミンフォームやウレタンゴム等が挙げられる。
【発明の効果】
【0020】
請求項1,5に記載された発明によれば、(イ)ハウジングと、(ロ)前記ハウジングの先端に設けられた回転刃と、(ハ)前記回転刃の軸方向の両端に配置された前記回転刃の前記貼付物への切込み量を規制する一対の規制部材と、(ニ)前記回転刃に接するように前記回転刃の軸に平行に配置された該回転刃の表面を清掃する清掃部材と、が設けられているので、被貼付物を傷付けることなく該被貼付物から貼付物を除去することができ、さらに、回転刃の表面に付着した貼付物の破片や粘着剤による該回転刃の切れ味低下を防止することができる貼付物除去装置を提供することができる。
【0021】
請求項2に記載された発明によれば、前記回転刃における各刃の先端と前記一対の規制部材の先端との相対的な位置関係を微調整する調整機構がさらに設けられているので、被貼付物の材質や除去する貼付物の厚み等に応じて、回転刃における各刃の先端と一対の規制部材の先端との相対的な位置関係を微調整することができ、そのために、被貼付物の材質や除去する貼付物の厚み等が変わっても残渣を残すことなく、また、被貼付物を傷付けることなく該被貼付物から貼付物を除去することができる貼付物除去装置を提供することができる。
【0022】
請求項3に記載された発明によれば、前記回転刃における各刃が該回転刃の軸に対して傾斜して設けられているので、貼付物を切削して除去する際に回転刃にかかる切削抵抗を軽減することができる貼付物除去装置を提供することができる。
【0023】
請求項4に記載された発明によれば、前記回転刃の軸方向の中央部が軸方向の両端部よりも突出するように、該回転刃における各刃の先端が円弧状に形成されているので、即ち回転刃の長手方向に被貼付物の撓みに応じた曲率が設けられているので、回転刃を被貼付物へ押し当てた際の押圧力により該被貼付物が撓んでも、貼付物における回転刃の軸方向中央部に位置する部分を完全に除去することができる貼付物除去装置を提供することができる。
【0024】
請求項6に記載された発明によれば、前記ブラシローラに取り付けられたプーリーの直径が、前記回転刃に取り付けられたプーリーの直径よりも小さく形成され、かつ、これら二つのプーリーに単一のベルトが掛けられることにより、前記ブラシローラの回転周速度が前記回転刃の回転周速度より速くなるように設けられ、前記ブラシローラの回転方向が前記回転刃と逆方向となるように設けられているので、このブラシローラが回転刃によって損傷することを防止でき、そのために、回転刃の表面に付着した貼付物の破片や粘着剤を清掃する機能を持続させることができる貼付物除去装置を提供することができる。
【0025】
請求項7に記載された発明によれば、前記清掃部材に洗浄液を供給する供給手段がさらに設けられているので、回転刃の清掃を効果的かつ容易に行うことができる貼付物除去装置を提供することができる。
【0026】
請求項8に記載された発明によれば、前記回転刃と該回転刃を駆動する駆動装置との駆動伝達手段が、ゴムベルトとされているので、各刃への異物噛み込み等によって回転刃にかかる過大負荷により本貼付物除去装置が破損することを回避でき、そのために、貼付物除去作業時の安全性を確保することができる貼付物除去装置を提供することができる。
【0027】
請求項9に記載された発明によれば、前記回転刃の各刃が金属材料で構成されているので、被貼付物の材質が金属であっても樹脂であっても、また、貼付物の材質が紙やビニールであっても、これら貼付物を良好に除去することができる貼付物除去装置を提供することができる。
【0028】
請求項10に記載された発明によれば、前記回転刃の各刃が軟質樹脂材料で構成されているので、取扱いでの安全性が高く、かつ、取扱いが容易な貼付物除去装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる貼付物除去装置を示す斜視図であり、該貼付物除去装置によって被貼付物に貼付された貼付物を除去する様子を示す図である。
【図2】図1に示された貼付物除去装置における回転刃と該回転刃の切込み量を規制する規制部材との位置関係を示す平面図である。
【図3】図1中のD−D線に沿った断面図である。
【図4】図1に示された貼付物除去装置における回転刃及び清掃部材を回転させるための駆動機構を示す平面図である。
【図5】図1に示された貼付物除去装置における規制部材の位置を微調整する調整機構を示す斜視図である。
【図6】図5に示された調整機構のB矢視図である。
【図7】図5中のE−E線に沿った断面図である。
【図8】図2に示された規制部材の先端位置を、調整機構により、回転刃における各刃の先端から僅かに突出させた状態を示す平面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態にかかる貼付物除去装置における回転刃を示す平面図である。
【図10】本発明の第3の実施形態にかかる貼付物除去装置における回転刃を示す平面図である。
【図11】本発明の第4の実施形態にかかる貼付物除去装置における回転刃の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態にかかる貼付物除去装置を、図1〜8を参照して説明する。
【0031】
図1に示す本発明の貼付物除去装置10は、粘着剤によって被貼付物の表面に貼付された貼付物を切削して除去する装置である。また、前記「被貼付物」とは、電子機器製品、家庭電気製品、事務機器等を構成する、リユースまたはリサイクルの対象となる外装カバー1であり、前記「貼付物」とは、ラベル2である。
【0032】
この貼付物除去装置10には、図1,3,4に示すように、ハウジング4と、ハウジング4の長手方向先端に設けられた回転刃12と、回転刃12の軸P方向の両端に配置された回転刃12のラベル2への切込み量を規制する一対の規制部材11と、回転刃12に接するように回転刃12の軸Pに平行に配置された回転刃12の表面を清掃する清掃部材20と、清掃部材20に洗浄液を供給する供給手段21と、回転刃12における各刃12bの先端と一対の規制部材11の先端との相対的な位置関係を微調整する調整機構5と、回転刃12及び清掃部材20を回転させるための駆動機構と、が設けられている。また、前記「清掃部材」は、ブラシローラ20で構成されている。また、前記「供給手段」は、チューブ21で構成されている。
【0033】
上記回転刃12は、円柱の外周面に複数の刃12bが設けられ、前記円柱の軸Pを中心として回転するものである。この回転刃12は、ハウジング4に回転可能に支持されており、図3に示すように、その半分がハウジング4の開口部4aから外部に露出している。このような回転刃12は、回転することによりラベル2を切削して除去する。
【0034】
また、上記回転刃12は、図2に示すように、各刃12bが回転刃12の軸Pに対して傾斜して設けられている。
【0035】
このように、本発明によれば、回転刃12における各刃12bが該回転刃12の軸Pに対して傾斜して設けられているので、ラベル2を切削して除去する際に回転刃12にかかる切削抵抗を軽減することができる。
【0036】
さらに、上記回転刃12は、各刃12bを含んだ全体が金属材料で構成されている。
【0037】
このように、本発明によれば、回転刃12の各刃12bが金属材料で構成されているので、外装カバー1の材質が金属であっても樹脂であっても、また、ラベル2の材質が紙やビニールであっても、これらラベル2を良好に除去することができる。
【0038】
上記一対の規制部材11は、それぞれ、外装カバー1の表面に当接する規制部材本体部11cと、規制部材本体部11cの後端面から凹に形成されたネジ取付孔11aと、規制部材本体部11cの後端面から板状に突出したガイド部11bと、で構成されている。また、前記「規制部材本体部11cの後端面」とは、規制部材本体部11cにおける外装カバー1に当接する先端部分と反対側の面を意味している。前記ネジ取付孔11aは、図7に示すように、後述する調整ネジ31の先端部分が埋め込み可能な凹状に形成されており、その内面に調整ネジ31が螺合可能な雌ネジが切られている。このネジ取付孔11a及びガイド部11bは、後述する調整機構5を構成している。このような一対の規制部材11は、図1に示すように、規制部材本体部11cの先端が外装カバー1の表面に当接することにより、回転刃12のラベル2への切込み量を規制する。
【0039】
また、本発明の貼付物除去装置10においては、図2に示すように、各規制部材11の先端位置:A面と回転刃12の先端位置:A’面とを同一面とすることを基本設定としている。また、図2中の一点鎖線は、回転刃12を外装カバー1に当接させた際のラベル2の位置を示している。本発明の貼付物除去装置10においては、このような位置関係を基本設定とすることにより、回転刃12の各刃12bがラベル2の厚み以上切り込むことを防止でき、そのために、貼付物除去装置10を一箇所で停止していた場合においても外装カバー1を傷付けることを防止できる。
【0040】
このように、本発明によれば、貼付物除去装置10に、回転刃12のラベル2への切込み量を規制する一対の規制部材11が設けられているので、外装カバー1の表面を傷付けることなく該外装カバー1からラベル2を除去することができる。
【0041】
上記ブラシローラ20は、図3に示すように、ハウジング4の内部に収容されており、該ハウジング4に回転可能に支持されている。即ち、ブラシローラ20は、回転刃12におけるハウジング4内に位置付けられた部分に接するように配置されている。また、ブラシローラ20は、回転周速度が回転刃12の回転周速度より速く、かつ、回転方向が回転刃12と逆方向となるように設けられている。
【0042】
このように、本発明によれば、貼付物除去装置10に、回転刃12の表面を清掃するブラシローラ20が設けられているので、回転刃12の表面、即ち各刃12b、に付着したラベル2の破片や粘着剤による該回転刃12の切れ味低下を防止することができる。さらに、ブラシローラ20の回転周速度が回転刃12の回転周速度より速く、かつ、ブラシローラ20の回転方向が回転刃12と逆方向であるので、このブラシローラ20が回転刃12によって損傷することを防止でき、そのために、回転刃12の表面に付着したラベル2の破片や粘着剤を清掃する機能を持続させることができる。
【0043】
上記チューブ21は、ハウジング4の内部に連通するように設けられている。このチューブ21は、ブラシローラ20の近傍に洗浄液を供給する。
【0044】
このように、本発明によれば、貼付物除去装置10には、ブラシローラ20に洗浄液を供給するチューブ21が設けられているので、回転刃12の清掃を効果的かつ容易に行うことができる。
【0045】
上記調整機構5は、回転刃12の軸P方向の両側、即ちハウジング4の幅方向の両側面、にそれぞれ設けられており、それぞれ別々に一対の規制部材11の位置を調整するように設けられている。これら調整機構5各々は、図5〜7に示すように、前述した規制部材11に設けられたネジ取付孔11a及びガイド部11bと、ハウジング4の前記各側面に設けられた側部ハウジング30と、この側部ハウジング30及びネジ取付孔11aに埋め込まれた調整ネジ31と、側部ハウジング30における規制部材11と逆側の端面に取り付けられ、調整ネジ31が側部ハウジング30から抜けることを防止する蓋30aと、調整ネジ31の緩み止めを行うナット32と、で構成されている。また、前記側部ハウジング30には、規制部材11側の端面から凹に形成されたガイド溝30bが設けられている。このガイド溝30bには、前記ガイド部11bが図7中の矢印F方向に沿って左右方向に移動可能に収容されている。
【0046】
上記構成の調整機構5においては、側部ハウジング30に埋め込まれた調整ネジ31を回転させることで規制部材11の位置を調整することができる。即ち、調整機構5は、調整ネジ31の頭部31bを一方向に回すことによりネジ部31aがネジ取付孔11aの奥側に進入して規制部材11が側部ハウジング30に近付き、頭部31bを前記一方向と逆方向に回すことによりネジ部31aがネジ取付孔11aの開口部側に移動して規制部材11が側部ハウジング30から離れる。即ち、規制部材11は、図7中の矢印F方向に沿って左右方向に移動可能に設けられている。また、このように規制部材11が移動する際は、ガイド部11bがガイド溝30bに沿って移動することにより、該規制部材11の移動方向が確実に規定される。また、規制部材11の位置調整開始時には緩み止めナット32を緩めてから調整を行い、調整後に再度緩み止めナット32を閉めこむことで調整ネジ31の緩みを防止することができる。
【0047】
このように、本発明によれば、貼付物除去装置10に、回転刃12における各刃12bの先端と一対の規制部材11の先端との相対的な位置関係を微調整する調整機構5が設けられているので、外装カバー1の材質や除去するラベル2の厚み等に応じて、回転刃12における各刃12bの先端と一対の規制部材11の先端との相対的な位置関係を微調整することができ、そのために、外装カバー1の材質や除去するラベル2の厚み等が変わっても残渣を残すことなく、また、外装カバー1の表面を傷付けることなく該外装カバー1からラベル2を除去することができる。
【0048】
また、図8は、図2に示された規制部材11の先端位置を、調整機構5により、回転刃12における各刃12bの先端から僅かに突出させた状態を示す平面図である。この図示例においては、規制部材11の先端位置:A面と回転刃12の先端位置:A’’面とに厚手のラベル2aの半分の厚さの段差が付けられている。このように、貼付物除去装置10においては、除去するラベルの材質が硬い材質であったり、厚みがあって一度に除去することが難しい場合には、規制部材11の先端位置を回転刃12の先端位置よりも突出させた設定とすることが有効である。
【0049】
回転刃12及び清掃部材20を回転させるための上記駆動機構は、図4に示すように、「駆動装置」であるモータ15と、モータ15に取り付けられたギヤ18と、ギヤ18の回転が伝達されて駆動するギヤプーリー17と、回転刃12に取り付けられたプーリー12aと、ブラシローラ20に取り付けられたプーリー20aと、「駆動伝達手段」である環状のゴムベルト16と、で構成されている。これら部品で構成された駆動機構は、ハウジング4内に収容されている。このような駆動機構は、モータ15及びギヤ18の回転力が直接ギヤプーリー17に伝わり、ギヤプーリー17の回転力がゴムベルト16によって回転刃12に取り付けられたプーリー12a及びブラシローラ20に取り付けられたプーリー20aに伝わることで、回転刃12及び清掃部材20を回転させる。
【0050】
また、貼付物除去装置10においては、ブラシローラ20に取り付けられたプーリー20aの直径が、回転刃12に取り付けられたプーリー12aの直径よりも小さく形成され、かつ、これら二つのプーリー20a,12aに単一のゴムベルト16が掛けられることにより、ブラシローラ20の回転周速度が回転刃12の回転周速度より速くなるように設けられている。具体的には、ブラシローラ20の回転周速度が回転刃12の回転周速度の1.8倍に設定されている。また、ブラシローラ20に取り付けられたプーリー20aがゴムベルト16の外周面に接するように設けられ、回転刃12に取り付けられたプーリー12aがゴムベルト16の内周面に接するように設けられていることにより、ブラシローラ20及び回転刃12が互いに逆方向に回転するようになっている。また、本発明においては、ブラシローラと回転刃の回転周速度が、(ブラシローラ)>(回転刃)であれば良いが、ブラシローラの回転周速度が回転刃の回転周速度の1.1倍〜2.0倍の範囲であることが特に好ましい。
【0051】
このように、本発明によれば、回転刃12と該回転刃12を駆動するモータ15との駆動伝達手段が、ゴムベルト16とされているので、各刃12bへの異物噛み込み等によって回転刃12にかかる過大負荷により本貼付物除去装置10が破損することを回避でき、そのために、貼付物除去作業時の安全性を確保することができる。
【0052】
上述した貼付物除去装置10は、図1に示すように、回転している状態の回転刃12及び一対の規制部材11を外装カバー1の表面、即ちラベル2上、に当接させて、この状態で外装カバー1の表面に沿って移動させることにより、外装カバー1の表面を傷付けることなくラベル2を除去することができる。
【0053】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態にかかる貼付物除去装置を、図9を参照して説明する。また、図9において、前述した第1の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0054】
図9に示すように、本実施形態の貼付物除去装置110には、前述した回転刃12の代わりに、各刃12cが軸Pと平行に設けられた回転刃112が設けられている。電子機器製品、家庭電気製品、事務機器等において一般的に多く用いられている通常のラベルは、本実施形態の回転刃112で充分に除去が可能である。
【0055】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態にかかる貼付物除去装置を、図10を参照して説明する。また、図10において、前述した第1,2の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0056】
図10に示すように、本実施形態の貼付物除去装置210には、前述した回転刃12の代わりに、回転刃212が設けられている。この回転刃212は、軸P方向の中央部が両端部よりも突出するように、該回転刃212における各刃12dの先端が円弧状に形成されている。即ち、各刃12dの先端には半径:ρの曲率が付けられており、回転刃212における軸P方向の中央部は、規制部材11の先端位置からδだけ突出している。
【0057】
本構成は、回転刃212の幅:Wが大きい場合に有効である。即ち、一般的に外装カバー等の被貼付物の材質は樹脂材料であることから、回転刃212を前記被貼付物に当接させた際の押圧力により該被貼付物が撓んで逃げてしまうことで、貼付物における回転刃212の軸P方向中央部に位置する部分に除去残りが発生することが有る。このような不具合に対しては、回転刃212の各刃12d先端に前記被貼付物の撓みに応じた曲率を付けて中央部を突出させることで除去残りの発生を防止することができる。
【0058】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態にかかる貼付物除去装置を、図11を参照して説明する。また、図11において、前述した第1〜3の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0059】
図11に示すように、本実施形態の貼付物除去装置には、前述した回転刃12の代わりに、回転刃312が設けられている。この回転刃312は、前述した回転刃12よりも刃幅の小さい分割回転刃412が複数個重ねられて、これら各分割回転刃412の穴部12fに軸が圧入接着されて構成されたものである。また、この回転刃312、即ち分割回転刃412、は、各刃12eを含んだ全体が軟質樹脂材料で構成されている。また、本発明において最適な前記軟質樹脂材料としては、メラミンフォームやウレタンゴム等が挙げられる。
【0060】
このように、本発明によれば、回転刃312の各刃12eが軟質樹脂材料で構成されているので、直接手で触れても怪我をすることが無く、取扱いでの安全性が高く、かつ、取り扱いが容易な貼付物除去装置を提供することができる。
【0061】
また、本発明の貼付物除去装置は、リユース、リサイクルに限らず、新品製品の生産時において貼付位置のずれや貼り間違い等の不具合が有った貼付物であっても、容易に除去することができる。
【0062】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 外装カバー(被貼付物)
2,2a ラベル(貼付物)
4 ハウジング
5 調整機構
10,110,210 貼付物除去装置
11 規制部材
12,112,212,312 回転刃
12b 刃
15 モータ(駆動装置)
16 ゴムベルト(駆動伝達手段)
20 ブラシローラ(清掃部材)
21 チューブ(供給手段)
P 軸
【先行技術文献】
【特許文献】
【0064】
【特許文献1】特開2005−58878号公報
【特許文献2】特開平9−304887号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着剤によって被貼付物に貼付された貼付物を切削して除去する貼付物除去装置に関し、例えば、電子機器製品、家庭電気製品、事務機器等を構成する部品でリユース、リサイクル対象となる部品、即ち被貼付物、に貼付されたラベルやステッカー、即ち貼付物、を除去するものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境保護意識の高まりにより、従来は廃棄していた使用済み製品を回収し資源種類ごとに分別してマテリアルリサイクル(以下、リサイクルと言う。)したり、部品の一部を再使用(以下、リユースと言う。)するといった動きが多く見られるようになってきた。例えば、電子機器製品、家庭電気製品、事務機器製品には、主に合成樹脂製の外装カバーが設けられており、これら外装カバーの多くがリサイクル、リユースの対象となっている。しかしながら、製品回収時点では、前記外装カバー等の被貼付物には、製品出荷時点から元々貼られていたラベルやユーザー先で貼られたラベル等の貼付物が残っていて、リサイクル、リユースを阻害する要因になっている。
【0003】
また、上述したリサイクル、リユース阻害の問題に対応する従来技術として、特許文献1,2が公知である。
【0004】
上記特許文献1(特開2005−58878)には、研磨作用があるベルト状、または、円盤形状の摺擦部材で摺擦して外装部材表面のラベルや汚れを除去する外装部材の外観再生工具及び装置が開示されている。
【0005】
上記特許文献2(特開平9−304887)には、レンズ付きフィルムカメラのリユースにおいて、ラベルが貼付されたフィルムケースを支持体により保持し、ラベルの端部をチャックで把持してラベルを引っ張り剥がすラベル剥離方法及び装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1,2に開示された従来技術においては、以下に示す問題があった。
【0007】
即ち、特許文献1においては、研磨作用がある摺擦部材にて摺擦することで外装部材に貼付されたラベルを研磨して除去しているが、この方法では摺擦部材の切込み量を規制していないので、ラベルを完全に除去しようとした場合、外装部材表面に研磨剤によるキズを付けてしまう恐れがあるという問題があった。また、前記外装部材表面のキズは部品リユースの場合には、製品の外観品質を低下させ商品価値の低下につながるものであり好ましくないという問題があった。
【0008】
また、特許文献2においては、剥離装置のチャックが把持可能なところまでラベルの端部を一様に剥がすことが困難であり、さらに、ラベルの状態によっては剥がし残りが生ずる恐れがあるという問題があった。また、前記ラベルの剥がし残りは、マテリアルリサイクルにおいて不純物が混入することになり、品質低下につながるという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、被貼付物を傷付けることなく、該被貼付物から貼付物を除去することができる貼付物除去装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、粘着剤によって貼付された貼付物を切削して除去する貼付物除去装置において、(イ)ハウジングと、(ロ)前記ハウジングの先端に設けられた回転刃と、(ハ)前記回転刃の軸方向の両端に配置された前記回転刃の前記貼付物への切込み量を規制する一対の規制部材と、(ニ)前記回転刃に接するように前記回転刃の軸に平行に配置された該回転刃の表面を清掃する清掃部材と、が設けられていることを特徴とする貼付物除去装置である。
【0011】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記回転刃における各刃の先端と前記一対の規制部材の先端との相対的な位置関係を微調整する調整機構がさらに設けられていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項3に記載された発明は、請求項1または請求項2に記載された発明において、前記回転刃における各刃が該回転刃の軸に対して傾斜して設けられていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項4に記載された発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載された発明において、前記回転刃の軸方向の中央部が軸方向の両端部よりも突出するように、該回転刃における各刃の先端が円弧状に形成されていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項5に記載された発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載された発明において、前記清掃部材がブラシローラとされていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項6に記載された発明は、請求項5に記載された発明において、前記ブラシローラに取り付けられたプーリーの直径が、前記回転刃に取り付けられたプーリーの直径よりも小さく形成され、かつ、これら二つのプーリーに単一のベルトが掛けられることにより、前記ブラシローラの回転周速度が前記回転刃の回転周速度より速くなるように設けられ、前記ブラシローラの回転方向が前記回転刃と逆方向となるように設けられていることを特徴とするものである。
【0016】
請求項7に記載された発明は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載された発明において、前記清掃部材に洗浄液を供給する供給手段がさらに設けられていることを特徴とするものである。
【0017】
請求項8に記載された発明は、請求項1ないし7のいずれか1項に記載された発明において、前記回転刃と該回転刃を駆動する駆動装置との駆動伝達手段が、ゴムベルトとされていることを特徴とするものである。
【0018】
請求項9に記載された発明は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載された発明において、前記回転刃の各刃が金属材料で構成されていることを特徴とするものである。
【0019】
請求項10に記載された発明は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載された発明において、前記回転刃の各刃が軟質樹脂材料で構成されていることを特徴とするものである。また、本発明において最適な前記軟質樹脂材料としては、メラミンフォームやウレタンゴム等が挙げられる。
【発明の効果】
【0020】
請求項1,5に記載された発明によれば、(イ)ハウジングと、(ロ)前記ハウジングの先端に設けられた回転刃と、(ハ)前記回転刃の軸方向の両端に配置された前記回転刃の前記貼付物への切込み量を規制する一対の規制部材と、(ニ)前記回転刃に接するように前記回転刃の軸に平行に配置された該回転刃の表面を清掃する清掃部材と、が設けられているので、被貼付物を傷付けることなく該被貼付物から貼付物を除去することができ、さらに、回転刃の表面に付着した貼付物の破片や粘着剤による該回転刃の切れ味低下を防止することができる貼付物除去装置を提供することができる。
【0021】
請求項2に記載された発明によれば、前記回転刃における各刃の先端と前記一対の規制部材の先端との相対的な位置関係を微調整する調整機構がさらに設けられているので、被貼付物の材質や除去する貼付物の厚み等に応じて、回転刃における各刃の先端と一対の規制部材の先端との相対的な位置関係を微調整することができ、そのために、被貼付物の材質や除去する貼付物の厚み等が変わっても残渣を残すことなく、また、被貼付物を傷付けることなく該被貼付物から貼付物を除去することができる貼付物除去装置を提供することができる。
【0022】
請求項3に記載された発明によれば、前記回転刃における各刃が該回転刃の軸に対して傾斜して設けられているので、貼付物を切削して除去する際に回転刃にかかる切削抵抗を軽減することができる貼付物除去装置を提供することができる。
【0023】
請求項4に記載された発明によれば、前記回転刃の軸方向の中央部が軸方向の両端部よりも突出するように、該回転刃における各刃の先端が円弧状に形成されているので、即ち回転刃の長手方向に被貼付物の撓みに応じた曲率が設けられているので、回転刃を被貼付物へ押し当てた際の押圧力により該被貼付物が撓んでも、貼付物における回転刃の軸方向中央部に位置する部分を完全に除去することができる貼付物除去装置を提供することができる。
【0024】
請求項6に記載された発明によれば、前記ブラシローラに取り付けられたプーリーの直径が、前記回転刃に取り付けられたプーリーの直径よりも小さく形成され、かつ、これら二つのプーリーに単一のベルトが掛けられることにより、前記ブラシローラの回転周速度が前記回転刃の回転周速度より速くなるように設けられ、前記ブラシローラの回転方向が前記回転刃と逆方向となるように設けられているので、このブラシローラが回転刃によって損傷することを防止でき、そのために、回転刃の表面に付着した貼付物の破片や粘着剤を清掃する機能を持続させることができる貼付物除去装置を提供することができる。
【0025】
請求項7に記載された発明によれば、前記清掃部材に洗浄液を供給する供給手段がさらに設けられているので、回転刃の清掃を効果的かつ容易に行うことができる貼付物除去装置を提供することができる。
【0026】
請求項8に記載された発明によれば、前記回転刃と該回転刃を駆動する駆動装置との駆動伝達手段が、ゴムベルトとされているので、各刃への異物噛み込み等によって回転刃にかかる過大負荷により本貼付物除去装置が破損することを回避でき、そのために、貼付物除去作業時の安全性を確保することができる貼付物除去装置を提供することができる。
【0027】
請求項9に記載された発明によれば、前記回転刃の各刃が金属材料で構成されているので、被貼付物の材質が金属であっても樹脂であっても、また、貼付物の材質が紙やビニールであっても、これら貼付物を良好に除去することができる貼付物除去装置を提供することができる。
【0028】
請求項10に記載された発明によれば、前記回転刃の各刃が軟質樹脂材料で構成されているので、取扱いでの安全性が高く、かつ、取扱いが容易な貼付物除去装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる貼付物除去装置を示す斜視図であり、該貼付物除去装置によって被貼付物に貼付された貼付物を除去する様子を示す図である。
【図2】図1に示された貼付物除去装置における回転刃と該回転刃の切込み量を規制する規制部材との位置関係を示す平面図である。
【図3】図1中のD−D線に沿った断面図である。
【図4】図1に示された貼付物除去装置における回転刃及び清掃部材を回転させるための駆動機構を示す平面図である。
【図5】図1に示された貼付物除去装置における規制部材の位置を微調整する調整機構を示す斜視図である。
【図6】図5に示された調整機構のB矢視図である。
【図7】図5中のE−E線に沿った断面図である。
【図8】図2に示された規制部材の先端位置を、調整機構により、回転刃における各刃の先端から僅かに突出させた状態を示す平面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態にかかる貼付物除去装置における回転刃を示す平面図である。
【図10】本発明の第3の実施形態にかかる貼付物除去装置における回転刃を示す平面図である。
【図11】本発明の第4の実施形態にかかる貼付物除去装置における回転刃の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態にかかる貼付物除去装置を、図1〜8を参照して説明する。
【0031】
図1に示す本発明の貼付物除去装置10は、粘着剤によって被貼付物の表面に貼付された貼付物を切削して除去する装置である。また、前記「被貼付物」とは、電子機器製品、家庭電気製品、事務機器等を構成する、リユースまたはリサイクルの対象となる外装カバー1であり、前記「貼付物」とは、ラベル2である。
【0032】
この貼付物除去装置10には、図1,3,4に示すように、ハウジング4と、ハウジング4の長手方向先端に設けられた回転刃12と、回転刃12の軸P方向の両端に配置された回転刃12のラベル2への切込み量を規制する一対の規制部材11と、回転刃12に接するように回転刃12の軸Pに平行に配置された回転刃12の表面を清掃する清掃部材20と、清掃部材20に洗浄液を供給する供給手段21と、回転刃12における各刃12bの先端と一対の規制部材11の先端との相対的な位置関係を微調整する調整機構5と、回転刃12及び清掃部材20を回転させるための駆動機構と、が設けられている。また、前記「清掃部材」は、ブラシローラ20で構成されている。また、前記「供給手段」は、チューブ21で構成されている。
【0033】
上記回転刃12は、円柱の外周面に複数の刃12bが設けられ、前記円柱の軸Pを中心として回転するものである。この回転刃12は、ハウジング4に回転可能に支持されており、図3に示すように、その半分がハウジング4の開口部4aから外部に露出している。このような回転刃12は、回転することによりラベル2を切削して除去する。
【0034】
また、上記回転刃12は、図2に示すように、各刃12bが回転刃12の軸Pに対して傾斜して設けられている。
【0035】
このように、本発明によれば、回転刃12における各刃12bが該回転刃12の軸Pに対して傾斜して設けられているので、ラベル2を切削して除去する際に回転刃12にかかる切削抵抗を軽減することができる。
【0036】
さらに、上記回転刃12は、各刃12bを含んだ全体が金属材料で構成されている。
【0037】
このように、本発明によれば、回転刃12の各刃12bが金属材料で構成されているので、外装カバー1の材質が金属であっても樹脂であっても、また、ラベル2の材質が紙やビニールであっても、これらラベル2を良好に除去することができる。
【0038】
上記一対の規制部材11は、それぞれ、外装カバー1の表面に当接する規制部材本体部11cと、規制部材本体部11cの後端面から凹に形成されたネジ取付孔11aと、規制部材本体部11cの後端面から板状に突出したガイド部11bと、で構成されている。また、前記「規制部材本体部11cの後端面」とは、規制部材本体部11cにおける外装カバー1に当接する先端部分と反対側の面を意味している。前記ネジ取付孔11aは、図7に示すように、後述する調整ネジ31の先端部分が埋め込み可能な凹状に形成されており、その内面に調整ネジ31が螺合可能な雌ネジが切られている。このネジ取付孔11a及びガイド部11bは、後述する調整機構5を構成している。このような一対の規制部材11は、図1に示すように、規制部材本体部11cの先端が外装カバー1の表面に当接することにより、回転刃12のラベル2への切込み量を規制する。
【0039】
また、本発明の貼付物除去装置10においては、図2に示すように、各規制部材11の先端位置:A面と回転刃12の先端位置:A’面とを同一面とすることを基本設定としている。また、図2中の一点鎖線は、回転刃12を外装カバー1に当接させた際のラベル2の位置を示している。本発明の貼付物除去装置10においては、このような位置関係を基本設定とすることにより、回転刃12の各刃12bがラベル2の厚み以上切り込むことを防止でき、そのために、貼付物除去装置10を一箇所で停止していた場合においても外装カバー1を傷付けることを防止できる。
【0040】
このように、本発明によれば、貼付物除去装置10に、回転刃12のラベル2への切込み量を規制する一対の規制部材11が設けられているので、外装カバー1の表面を傷付けることなく該外装カバー1からラベル2を除去することができる。
【0041】
上記ブラシローラ20は、図3に示すように、ハウジング4の内部に収容されており、該ハウジング4に回転可能に支持されている。即ち、ブラシローラ20は、回転刃12におけるハウジング4内に位置付けられた部分に接するように配置されている。また、ブラシローラ20は、回転周速度が回転刃12の回転周速度より速く、かつ、回転方向が回転刃12と逆方向となるように設けられている。
【0042】
このように、本発明によれば、貼付物除去装置10に、回転刃12の表面を清掃するブラシローラ20が設けられているので、回転刃12の表面、即ち各刃12b、に付着したラベル2の破片や粘着剤による該回転刃12の切れ味低下を防止することができる。さらに、ブラシローラ20の回転周速度が回転刃12の回転周速度より速く、かつ、ブラシローラ20の回転方向が回転刃12と逆方向であるので、このブラシローラ20が回転刃12によって損傷することを防止でき、そのために、回転刃12の表面に付着したラベル2の破片や粘着剤を清掃する機能を持続させることができる。
【0043】
上記チューブ21は、ハウジング4の内部に連通するように設けられている。このチューブ21は、ブラシローラ20の近傍に洗浄液を供給する。
【0044】
このように、本発明によれば、貼付物除去装置10には、ブラシローラ20に洗浄液を供給するチューブ21が設けられているので、回転刃12の清掃を効果的かつ容易に行うことができる。
【0045】
上記調整機構5は、回転刃12の軸P方向の両側、即ちハウジング4の幅方向の両側面、にそれぞれ設けられており、それぞれ別々に一対の規制部材11の位置を調整するように設けられている。これら調整機構5各々は、図5〜7に示すように、前述した規制部材11に設けられたネジ取付孔11a及びガイド部11bと、ハウジング4の前記各側面に設けられた側部ハウジング30と、この側部ハウジング30及びネジ取付孔11aに埋め込まれた調整ネジ31と、側部ハウジング30における規制部材11と逆側の端面に取り付けられ、調整ネジ31が側部ハウジング30から抜けることを防止する蓋30aと、調整ネジ31の緩み止めを行うナット32と、で構成されている。また、前記側部ハウジング30には、規制部材11側の端面から凹に形成されたガイド溝30bが設けられている。このガイド溝30bには、前記ガイド部11bが図7中の矢印F方向に沿って左右方向に移動可能に収容されている。
【0046】
上記構成の調整機構5においては、側部ハウジング30に埋め込まれた調整ネジ31を回転させることで規制部材11の位置を調整することができる。即ち、調整機構5は、調整ネジ31の頭部31bを一方向に回すことによりネジ部31aがネジ取付孔11aの奥側に進入して規制部材11が側部ハウジング30に近付き、頭部31bを前記一方向と逆方向に回すことによりネジ部31aがネジ取付孔11aの開口部側に移動して規制部材11が側部ハウジング30から離れる。即ち、規制部材11は、図7中の矢印F方向に沿って左右方向に移動可能に設けられている。また、このように規制部材11が移動する際は、ガイド部11bがガイド溝30bに沿って移動することにより、該規制部材11の移動方向が確実に規定される。また、規制部材11の位置調整開始時には緩み止めナット32を緩めてから調整を行い、調整後に再度緩み止めナット32を閉めこむことで調整ネジ31の緩みを防止することができる。
【0047】
このように、本発明によれば、貼付物除去装置10に、回転刃12における各刃12bの先端と一対の規制部材11の先端との相対的な位置関係を微調整する調整機構5が設けられているので、外装カバー1の材質や除去するラベル2の厚み等に応じて、回転刃12における各刃12bの先端と一対の規制部材11の先端との相対的な位置関係を微調整することができ、そのために、外装カバー1の材質や除去するラベル2の厚み等が変わっても残渣を残すことなく、また、外装カバー1の表面を傷付けることなく該外装カバー1からラベル2を除去することができる。
【0048】
また、図8は、図2に示された規制部材11の先端位置を、調整機構5により、回転刃12における各刃12bの先端から僅かに突出させた状態を示す平面図である。この図示例においては、規制部材11の先端位置:A面と回転刃12の先端位置:A’’面とに厚手のラベル2aの半分の厚さの段差が付けられている。このように、貼付物除去装置10においては、除去するラベルの材質が硬い材質であったり、厚みがあって一度に除去することが難しい場合には、規制部材11の先端位置を回転刃12の先端位置よりも突出させた設定とすることが有効である。
【0049】
回転刃12及び清掃部材20を回転させるための上記駆動機構は、図4に示すように、「駆動装置」であるモータ15と、モータ15に取り付けられたギヤ18と、ギヤ18の回転が伝達されて駆動するギヤプーリー17と、回転刃12に取り付けられたプーリー12aと、ブラシローラ20に取り付けられたプーリー20aと、「駆動伝達手段」である環状のゴムベルト16と、で構成されている。これら部品で構成された駆動機構は、ハウジング4内に収容されている。このような駆動機構は、モータ15及びギヤ18の回転力が直接ギヤプーリー17に伝わり、ギヤプーリー17の回転力がゴムベルト16によって回転刃12に取り付けられたプーリー12a及びブラシローラ20に取り付けられたプーリー20aに伝わることで、回転刃12及び清掃部材20を回転させる。
【0050】
また、貼付物除去装置10においては、ブラシローラ20に取り付けられたプーリー20aの直径が、回転刃12に取り付けられたプーリー12aの直径よりも小さく形成され、かつ、これら二つのプーリー20a,12aに単一のゴムベルト16が掛けられることにより、ブラシローラ20の回転周速度が回転刃12の回転周速度より速くなるように設けられている。具体的には、ブラシローラ20の回転周速度が回転刃12の回転周速度の1.8倍に設定されている。また、ブラシローラ20に取り付けられたプーリー20aがゴムベルト16の外周面に接するように設けられ、回転刃12に取り付けられたプーリー12aがゴムベルト16の内周面に接するように設けられていることにより、ブラシローラ20及び回転刃12が互いに逆方向に回転するようになっている。また、本発明においては、ブラシローラと回転刃の回転周速度が、(ブラシローラ)>(回転刃)であれば良いが、ブラシローラの回転周速度が回転刃の回転周速度の1.1倍〜2.0倍の範囲であることが特に好ましい。
【0051】
このように、本発明によれば、回転刃12と該回転刃12を駆動するモータ15との駆動伝達手段が、ゴムベルト16とされているので、各刃12bへの異物噛み込み等によって回転刃12にかかる過大負荷により本貼付物除去装置10が破損することを回避でき、そのために、貼付物除去作業時の安全性を確保することができる。
【0052】
上述した貼付物除去装置10は、図1に示すように、回転している状態の回転刃12及び一対の規制部材11を外装カバー1の表面、即ちラベル2上、に当接させて、この状態で外装カバー1の表面に沿って移動させることにより、外装カバー1の表面を傷付けることなくラベル2を除去することができる。
【0053】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態にかかる貼付物除去装置を、図9を参照して説明する。また、図9において、前述した第1の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0054】
図9に示すように、本実施形態の貼付物除去装置110には、前述した回転刃12の代わりに、各刃12cが軸Pと平行に設けられた回転刃112が設けられている。電子機器製品、家庭電気製品、事務機器等において一般的に多く用いられている通常のラベルは、本実施形態の回転刃112で充分に除去が可能である。
【0055】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態にかかる貼付物除去装置を、図10を参照して説明する。また、図10において、前述した第1,2の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0056】
図10に示すように、本実施形態の貼付物除去装置210には、前述した回転刃12の代わりに、回転刃212が設けられている。この回転刃212は、軸P方向の中央部が両端部よりも突出するように、該回転刃212における各刃12dの先端が円弧状に形成されている。即ち、各刃12dの先端には半径:ρの曲率が付けられており、回転刃212における軸P方向の中央部は、規制部材11の先端位置からδだけ突出している。
【0057】
本構成は、回転刃212の幅:Wが大きい場合に有効である。即ち、一般的に外装カバー等の被貼付物の材質は樹脂材料であることから、回転刃212を前記被貼付物に当接させた際の押圧力により該被貼付物が撓んで逃げてしまうことで、貼付物における回転刃212の軸P方向中央部に位置する部分に除去残りが発生することが有る。このような不具合に対しては、回転刃212の各刃12d先端に前記被貼付物の撓みに応じた曲率を付けて中央部を突出させることで除去残りの発生を防止することができる。
【0058】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態にかかる貼付物除去装置を、図11を参照して説明する。また、図11において、前述した第1〜3の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0059】
図11に示すように、本実施形態の貼付物除去装置には、前述した回転刃12の代わりに、回転刃312が設けられている。この回転刃312は、前述した回転刃12よりも刃幅の小さい分割回転刃412が複数個重ねられて、これら各分割回転刃412の穴部12fに軸が圧入接着されて構成されたものである。また、この回転刃312、即ち分割回転刃412、は、各刃12eを含んだ全体が軟質樹脂材料で構成されている。また、本発明において最適な前記軟質樹脂材料としては、メラミンフォームやウレタンゴム等が挙げられる。
【0060】
このように、本発明によれば、回転刃312の各刃12eが軟質樹脂材料で構成されているので、直接手で触れても怪我をすることが無く、取扱いでの安全性が高く、かつ、取り扱いが容易な貼付物除去装置を提供することができる。
【0061】
また、本発明の貼付物除去装置は、リユース、リサイクルに限らず、新品製品の生産時において貼付位置のずれや貼り間違い等の不具合が有った貼付物であっても、容易に除去することができる。
【0062】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 外装カバー(被貼付物)
2,2a ラベル(貼付物)
4 ハウジング
5 調整機構
10,110,210 貼付物除去装置
11 規制部材
12,112,212,312 回転刃
12b 刃
15 モータ(駆動装置)
16 ゴムベルト(駆動伝達手段)
20 ブラシローラ(清掃部材)
21 チューブ(供給手段)
P 軸
【先行技術文献】
【特許文献】
【0064】
【特許文献1】特開2005−58878号公報
【特許文献2】特開平9−304887号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着剤によって貼付された貼付物を切削して除去する貼付物除去装置において、
(イ)ハウジングと、
(ロ)前記ハウジングの先端に設けられた回転刃と、
(ハ)前記回転刃の軸方向の両端に配置された前記回転刃の前記貼付物への切込み量を規制する一対の規制部材と、
(ニ)前記回転刃に接するように前記回転刃の軸に平行に配置された該回転刃の表面を清掃する清掃部材と、
が設けられていることを特徴とする貼付物除去装置。
【請求項2】
前記回転刃における各刃の先端と前記一対の規制部材の先端との相対的な位置関係を微調整する調整機構がさらに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の貼付物除去装置。
【請求項3】
前記回転刃における各刃が該回転刃の軸に対して傾斜して設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の貼付物除去装置。
【請求項4】
前記回転刃の軸方向の中央部が軸方向の両端部よりも突出するように、該回転刃における各刃の先端が円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の貼付物除去装置。
【請求項5】
前記清掃部材がブラシローラとされていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の貼付物除去装置。
【請求項6】
前記ブラシローラに取り付けられたプーリーの直径が、前記回転刃に取り付けられたプーリーの直径よりも小さく形成され、かつ、これら二つのプーリーに単一のベルトが掛けられることにより、前記ブラシローラの回転周速度が前記回転刃の回転周速度より速くなるように設けられ、
前記ブラシローラの回転方向が前記回転刃と逆方向となるように設けられている
ことを特徴とする請求項5に記載の貼付物除去装置。
【請求項7】
前記清掃部材に洗浄液を供給する供給手段がさらに設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の貼付物除去装置。
【請求項8】
前記回転刃と該回転刃を駆動する駆動装置との駆動伝達手段が、ゴムベルトとされていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の貼付物除去装置。
【請求項9】
前記回転刃の各刃が金属材料で構成されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の貼付物除去装置。
【請求項10】
前記回転刃の各刃が軟質樹脂材料で構成されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の貼付物除去装置。
【請求項1】
粘着剤によって貼付された貼付物を切削して除去する貼付物除去装置において、
(イ)ハウジングと、
(ロ)前記ハウジングの先端に設けられた回転刃と、
(ハ)前記回転刃の軸方向の両端に配置された前記回転刃の前記貼付物への切込み量を規制する一対の規制部材と、
(ニ)前記回転刃に接するように前記回転刃の軸に平行に配置された該回転刃の表面を清掃する清掃部材と、
が設けられていることを特徴とする貼付物除去装置。
【請求項2】
前記回転刃における各刃の先端と前記一対の規制部材の先端との相対的な位置関係を微調整する調整機構がさらに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の貼付物除去装置。
【請求項3】
前記回転刃における各刃が該回転刃の軸に対して傾斜して設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の貼付物除去装置。
【請求項4】
前記回転刃の軸方向の中央部が軸方向の両端部よりも突出するように、該回転刃における各刃の先端が円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の貼付物除去装置。
【請求項5】
前記清掃部材がブラシローラとされていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の貼付物除去装置。
【請求項6】
前記ブラシローラに取り付けられたプーリーの直径が、前記回転刃に取り付けられたプーリーの直径よりも小さく形成され、かつ、これら二つのプーリーに単一のベルトが掛けられることにより、前記ブラシローラの回転周速度が前記回転刃の回転周速度より速くなるように設けられ、
前記ブラシローラの回転方向が前記回転刃と逆方向となるように設けられている
ことを特徴とする請求項5に記載の貼付物除去装置。
【請求項7】
前記清掃部材に洗浄液を供給する供給手段がさらに設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の貼付物除去装置。
【請求項8】
前記回転刃と該回転刃を駆動する駆動装置との駆動伝達手段が、ゴムベルトとされていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の貼付物除去装置。
【請求項9】
前記回転刃の各刃が金属材料で構成されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の貼付物除去装置。
【請求項10】
前記回転刃の各刃が軟質樹脂材料で構成されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の貼付物除去装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−115804(P2012−115804A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270270(P2010−270270)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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