説明

貼合箔製造装置及び貼合箔製造方法

【課題】装置の大型化を抑制することができるとともに、箔を安定して被貼合媒体に貼合できる貼合箔製造装置及び貼合箔製造方法を提供する。
【解決手段】箔が貼合される印刷基材50を間欠移動及び連続移動で搬送する搬送手段40と、搬送手段によって間欠移動で搬送される印刷基材に対してインク及び接着液を付着させる付着処理を施す液体付着手段11と、間欠移動で搬送される印刷基材の間欠搬送方向Hkにおいて液体付着手段11の位置よりも下流側に配置され、付着処理が施された後、搬送手段によって連続移動で搬送される印刷基材のインク及び接着液が付着された面に箔を貼合する箔貼合処理を施す箔貼合手段20と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貼合箔製造装置及び貼合箔製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、転写用フィルム、貼合用フィルム、包装用フィルム、あるいはラベル用フィルムなど、フィルムに画像が印刷された印刷物において、印刷画像の装飾性を高めるため、例えばアルミニウムなどの金属光沢を有する箔を基材のフィルムに貼り付けた貼合箔とすることで、印刷画像を加飾することが行われている。そして、近年、このような貼合箔を小ロット及び低コストで製造する装置として、印刷版を用いないオンデマンド印刷が可能な構成を備えた貼合箔製造装置が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、貼合箔製造装置として、液体を吐出(噴射)して画像形成するインクジェット記録を利用して、多色の箔の転写(箔の貼合)、及び箔上への印刷が可能な構成を備えたオンデマンド箔転写印刷装置が開示されている。すなわち、箔が貼合される被貼合媒体(被記録媒体)及び箔のいずれか一方に所定の液体を液滴送出ヘッドから像様に吐出させ、吐出させた液体に活性エネルギー線を照射し、被貼合媒体及び箔のいずれか一方に粘着性を持つ感圧性接着剤の画像を形成する。そして、形成した接着剤の画像に被貼合媒体及び箔のいずれか一方をニップローラーによる押し付けによって転写して被貼合媒体に箔の画像を形成したのち、少なくとも色材を含んだインクをインクジェットヘッドから吐出して、箔の画像が形成された被貼合媒体に画像を形成する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−226863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示された貼合箔製造装置は、液滴送出ヘッド及びインクジェットヘッドのいずれもが、被貼合媒体の搬送方向と交差する方向に複数のノズルが配列された所謂ラインヘッドにより構成されている。すなわち、搬送される被貼合媒体に対してシングルパスで打液して画像を形成するラインヘッドを用いたインクジェット記録を行っている。
【0006】
しかしながら、周知のように、ラインヘッドは被貼合媒体の搬送方向と交差する幅方向の全範囲に渡ってノズルを配置する必要があるため、ヘッドが高コストになり、ひいては装置も高コストになるという課題がある。また、打液する液体の種類に応じてラインヘッドの数を備えなければならないため、装置が大型化してしまうという課題もある。従って、複数パスで液体を噴射(打液)するシリアル走査のインクジェット記録を用いることで装置の大型化を抑制できるとともに、箔を安定して被貼合媒体に貼合できる貼合箔製造装置が望まれていた。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、装置の大型化を抑制することができるとともに、箔を安定して被貼合媒体に貼合できる貼合箔製造装置及び貼合箔製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の貼合箔製造装置は、箔が貼合される被貼合媒体を間欠移動及び連続移動で搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって前記間欠移動で搬送される前記被貼合媒体に対して液体を付着させる付着処理を施す液体付着手段と、前記間欠移動で搬送される前記被貼合媒体の搬送方向において前記液体付着手段の位置よりも下流側に配置され、前記付着処理が施された後、前記搬送手段によって前記連続移動で搬送される前記被貼合媒体の前記液体が付着された面に前記箔を貼合する箔貼合処理を施す箔貼合手段と、を備える。
【0009】
この構成によれば、被貼合媒体が間欠移動と連続移動とによって搬送される。そこで、例えばこの間欠移動での搬送において停止状態にある被貼合媒体に対して液体の噴射を行うことで、シリアル走査のインクジェット記録によって被貼合媒体へ画像を形成することが可能となる。従って装置の大型化を抑制することができる。一方、連続移動によって搬送される被貼合媒体に対して箔の貼合を行えば、箔を安定して被貼合媒体に貼合することができる。
【0010】
本発明の貼合箔製造装置において、前記搬送手段は、前記被貼合媒体を前記間欠移動で搬送する方向とは逆の方向に、前記被貼合媒体を連続移動で搬送する。
この構成によれば、一つの搬送方向において間欠移動での搬送と連続移動での搬送が混在しないので、間欠移動での搬送と連続移動での搬送との間の搬送量の差異を吸収する搬送緩衝機構を設ける必要がない。従って、貼合箔製造装置の大型化を抑制できる。
【0011】
本発明の貼合箔製造装置において、前記搬送手段は、前記箔貼合手段により前記箔が貼合された前記被貼合媒体を、前記間欠移動で搬送される前記被貼合媒体の搬送方向において前記液体付着手段の位置よりも上流側まで前記連続移動で搬送する。
【0012】
この構成によれば、箔が貼合された被貼合媒体を再び間欠移動で搬送することによって、液体付着手段は被貼合媒体に対してシリアル走査のインクジェット記録を行って再び液体を付着させることができる。従って、例えば重ね記録を施すことができるなど、効率的に貼合箔の製造が行える。
【0013】
本発明の貼合箔製造装置において、前記間欠移動で搬送される前記被貼合媒体の搬送方向における前記箔貼合手段の位置よりも下流側に配設され、前記液体付着手段によって付着された前記液体を前記被貼合媒体に定着させる定着処理を施す液体定着手段を備える。
【0014】
この構成によれば、液体定着手段は、被貼合媒体に付着した液体を被貼合媒体の間欠移動での搬送時に1回目の定着処理を施したのち、間欠移動での搬送時とは逆方向に連続移動で搬送される被貼合媒体に対して、付着した液体を定着させる2回目の定着処理を施すことができる。従って、液体を安定して定着させることができる。
【0015】
本発明の貼合箔製造装置において、前記搬送手段は、前記被貼合媒体を前記連続移動で搬送する際に、前記被貼合媒体の搬送方向における前記液体付着手段の下流側に、前記被貼合媒体を挟持して搬送する一対の搬送ローラーを備え、前記箔貼合手段は、前記被貼合媒体が前記連続移動で搬送される際に、前記被貼合媒体と前記箔とを挟持するとともに前記連続移動で搬送される前記被貼合媒体の搬送方向と直交する幅方向に延びる軸を中心として回転する一対の回転ローラーを備える。
【0016】
この構成によれば、液体付着手段よりも下流側に備えた搬送ローラーによって被貼合媒体を連続移動で搬送することによって、被貼合媒体を挟持する一対の回転ローラーを連続回転させながら被貼合媒体に対して箔貼合処理を行うことができる。従って、箔貼合処理において、被貼合媒体を、間欠移動での搬送と逆方向に連続移動で搬送させる搬送手段として好適な構成が得られる。
【0017】
本発明の貼合箔製造装置において、前記液体付着手段が配置された領域において前記被貼合媒体を保持する被貼合媒体保持面を有する被貼合媒体保持部を備え、前記箔貼合手段が備える前記一対の回転ローラーは、前記被貼合媒体保持面と交差する方向に前記連続移動で搬送される前記被貼合媒体を挟持する。
【0018】
この構成によれば、箔貼合処理における回転ローラーの変位に伴って被貼合媒体が変位しても、被貼合媒体保持面において、被貼合媒体の被貼合媒体保持面の法線方向の変位への影響が抑制される。従って、例えば、連続搬送される被貼合媒体と液体付着手段との接触等が抑制される。
【0019】
上記目的を達成するために本発明の貼合箔製造方法は、箔が貼合される被貼合媒体を間欠移動で搬送し、前記間欠移動で搬送される前記被貼合媒体に対して液体を付着させる付着処理を施す液体付着工程と、前記付着処理が施された前記被貼合媒体を連続移動で搬送し、前記連続移動で搬送される前記被貼合媒体に対して前記液体が付着された面に前記箔を貼合する箔貼合工程と、を備える。
【0020】
この方法によれば、被貼合媒体の搬送において、間欠移動によって搬送される被貼合媒体に対してシリアル走査のインクジェット記録を行って被貼合媒体に画像を形成した後、連続移動によって搬送される被貼合媒体に対して箔(例えば加飾用箔)の貼合を行うことができる。従って、箔が貼合された被貼合媒体において形成される画像の品質を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る実施形態の貼合箔製造装置の概略構成を示す模式図。
【図2】実施形態の貼合箔製造装置が行う製造処理工程を示すフローチャート。
【図3】処理工程における処理内容を補足説明する図で、(a)は工程A、(b)は工程B、(c)は工程Cをそれぞれ示す模式図。
【図4】実施形態の貼合箔製造装置が製造する転写用フィルムの断面図。
【図5】実施形態の貼合箔製造装置が製造する他のフィルムの断面図。
【図6】変形例の貼合箔製造装置の概略構成を示す模式図。
【図7】他の変形例の貼合箔製造装置の概略構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を具体化した貼合箔製造装置の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において「前後方向」、「左右方向」、「上下方向」をいう場合は各図中に矢印で示す前後方向、左右方向、上下方向をそれぞれ示すものとする。ちなみに、図1においては、上下方向は鉛直方向であり、左右方向は上下方向と交差する水平方向である。また、前後方向は上下方向及び左右方向の双方と交差する方向であってキャリッジ12が往復移動する方向すなわち走査方向である。
【0023】
図1に示すように、貼合箔製造装置100は、箔が貼合される被貼合媒体の一例としての印刷基材50に対して液体を噴射して付着させる付着処理を施す液体付着手段11と、印刷基材50に箔を転写して貼合する箔貼合処理を施す箔貼合手段20とを備えている。さらに、印刷基材50に付着された液体を定着させる定着処理を施す液体定着手段30、及び印刷基材50を搬送する搬送手段40を備えている。
【0024】
本実施形態の貼合箔製造装置100は、貼合箔の一例としての転写用フィルムを製造する。すなわち、印刷基材50に反転画像を形成し、形成した反転画像に対して一例としてアルミニウムの箔を貼合して加飾した転写用フィルムを形成する。なお、印刷基材50に樹脂製(例えばポリエステル製)の長尺フィルムが用いられ、画像が形成されるフィルム表面側に離型層と保護層が予め形成されている(図4参照)。
【0025】
印刷基材50は、ロール状に巻かれた送り出しロール41から送り出しロール41が送り出し方向(図中破線矢印)に回転することにより送り出された後、巻き取りロール48に巻き取られるまでの間、搬送手段40によって間欠移動及び連続移動のいずれかの移動で搬送される。以下、搬送手段40を含め各手段の構成について説明する。
【0026】
搬送手段40は、印刷基材50を、液体付着手段11、箔貼合手段20、液体定着手段30との間で移動させる搬送機構を有する。具体的には、印刷基材50をその表裏両側から挟持して搬送する駆動ローラー42と従動ローラー43とからなる搬送ローラー44と、印刷基材50の裏面側を巻き掛けさせて回転する中間ローラー45,46とを備えている。駆動ローラー42が図示しない駆動源(モーター)の駆動力によって連続回転(図中実線矢印)または間欠回転(図中破線矢印)することによって、搬送ローラー44及び中間ローラー45,46が同様に回転する。そして、各ローラー44,45,46が回転することによって印刷基材50を連続または間欠で移動させ、印刷基材50を送り出しロール41から巻き取りロール48まで搬送させる。なお、この印刷基材50の間欠移動での搬送時及び連続移動での搬送時の双方の搬送時において、送り出しロール41及び巻き取りロール48は、印刷基材50の移動を妨げないように、図示しない駆動源によってそれぞれ回転制御される。
【0027】
また、本実施形態では、搬送ローラー44における駆動ローラー42と中間ローラー45とが液体付着手段11を左右両側から挟んで略同一高さの位置に配設され、液体付着手段11において印刷基材50をほぼ水平方向に搬送するように構成されている。また、中間ローラー45の直下に中間ローラー46が箔貼合手段20を上下方向において両中間ローラー45,46間に位置させるように配設され、印刷基材50を箔貼合手段20において上下方向に搬送するように構成されている。そして、中間ローラー46から巻き取りロール48までの間に液体定着手段30が配設され、印刷基材50を液体定着手段30においてほぼ水平方向に搬送するように構成されている。
【0028】
従って、本実施形態では、送り出しロール41から巻き取りロール48まで搬送される印刷基材50の搬送方向に沿って、上流側から下流側へ順に、液体付着手段11、箔貼合手段20、液体定着手段30が配置されている。
【0029】
液体付着手段11は、送り出しロール41から送り出された後に搬送手段40によって間欠移動で搬送方向(以降「間欠搬送方向」)Hk(図中破線矢印)へ搬送される印刷基材50に対して、液体を付着させて画像を形成する。
【0030】
すなわち、液体付着手段11は、貼合箔製造装置100に架設された前後方向に沿うガイド軸13が挿通され、このガイド軸13に沿って走査方向(前後方向)に往復移動するキャリッジ12と、キャリッジ12の下面に取り付けられた液体噴射ヘッド14とを備えている。そして、キャリッジ12の上側に液体としてのインク及び接着液をそれぞれ収容したインクカートリッジ15及び接着液カートリッジ16が搭載され、キャリッジ12に設けられた図示しない供給流路を通って液体噴射ヘッド14に供給される。供給されたインク及び接着液は、図示しない圧力発生手段によって加圧されて、それぞれインク滴E1及び接着液滴E2として印刷基材50に向けて噴射される。このように、液体付着手段11は、シリアル走査によるインクジェット式プリンターとして機能するように構成され、インク及び接着液のうち少なくとも一方を噴射して印刷基材50に画像を形成する。
【0031】
なお、本実施形態では間欠搬送方向Hk(ここでは右方向)において、上流側でインク滴E1が、下流側で接着液滴E2が噴射されるようになっている。すなわち、印刷基材50に対して付着したインクの上に接着液を付着させることができるようになっている。
【0032】
一方、液体噴射ヘッド14と対向する位置には、被貼合媒体としての印刷基材50を下側から保持する被貼合媒体保持面としての保持面18aを上面に有する被貼合媒体保持部としての保持部18が設けられている。保持面18aは、液体噴射ヘッド14からインク滴E1及び接着液滴E2が噴射されるとき、搬送される印刷基材50が液体噴射ヘッド14から適切な距離離れた状態を保つように形成されている。また、保持部18には、印刷基材50に向けて噴射されたインク滴E1及び接着液滴E2が印刷基材50に付着した後に流れないように、インク及び接着液の各液体成分の少なくとも一部を蒸発させる乾燥手段19が設けられている。
【0033】
乾燥手段19は、本実施形態では、熱伝導によって加熱する加熱手段が採用され、一例としてニクロム線を用いることができる。そして乾燥手段19は、印刷基材50を下方から加熱することによってインク及び接着液の各液体成分が均一に蒸発するように、例えば保持面18aの全領域を加熱するとともに保持面18aから一定の距離で配設されている。
【0034】
箔貼合手段20は、印刷基材50に箔を転写して貼合する構成を有する。すなわち、箔貼合手段20は、印刷基材50と箔転写シート26とを重ね合わせ方向に加圧した状態で挟持しながら回転する一対の回転ローラー21,22と、この箔転写シート26を回転ローラー21,22間に供給する送り出しロール23と、箔が転写された後の箔転写シート26を回収する巻き取りロール24と、を有する。なお、箔転写シート26として、例えばベースフィルムの片面にアルミニウムの箔25が蒸着などによって形成されたシートが用いられる。
【0035】
また、本実施形態では、箔貼合手段20において、印刷基材50が間欠移動される場合、印刷基材50は、図中符号50aで示した二点鎖線のように張られた状態で鉛直方向の上方から下方に移動して搬送される。そして、この印刷基材50が間欠移動される移動状態において、一対の回転ローラー21,22は印刷基材50(50a)からそれぞれ離れた位置状態になっている。一方、印刷基材50が連続移動される場合、印刷基材50は中間ローラー46が位置する下方から中間ローラー45が位置する上方に移動して搬送される。そして、この印刷基材50が連続移動される搬送時において、回転ローラー21は、図中符号50aの二点鎖線で示した左側の位置から実線で示した右側の位置に移動して印刷基材50を右方向に撓ませながら回転ローラー22との間で挟持する。
【0036】
ところで、図1に示すように、印刷基材50は、この撓みによって鉛直方向に対して傾斜するように変位する。そして変位後の印刷基材50(図中符号50b)が連続移動で搬送される搬送方向(以降「連続搬送方向」)Hr(図中実線矢印)は、保持部18の保持面18a上を水平方向に移動する印刷基材50(図中符号50c)の連続搬送方向Hrと交差する状態が維持されるようになっている。
【0037】
また、一対の回転ローラー21,22のうち、回転ローラー22は、挟持された印刷基材50を、箔転写シート26を介して加熱するヒートローラーになっている。この回転ローラー22の加熱によって粘着性を呈する接着層に、送り出しロール23から供給される箔転写シート26の箔25を押し付けることによって、接着層上に箔25aが転写される。そして、転写されない箔25bが残った箔転写シート26は巻き取りロール24によって巻き取られて回収される。
【0038】
液体定着手段30は、液体付着手段11の乾燥手段19によって一部の液体成分が蒸発されたインク及び溶着液に対して、残りの液体成分の少なくとも一部を蒸発させてインク及び接着液を定着させる構成を有する。すなわち、本実施形態では、液体定着手段30は、ケーシング31内を間欠搬送方向Hk(ここでは左方向)へ移動する印刷基材50を温風で加熱する温風ヒーター32をケーシング31内に備えている。そして、温風によって液体成分を蒸発させて乾燥させ、インク及び接着液を印刷基材50に定着させる定着処理を行う。もとより、液体定着手段30は、インクあるいは接着液が紫外線硬化材料である場合は、UV照射装置をケーシング31内に備えるようにしてもよい。
【0039】
また、本実施形態では、液体定着手段30は、液体付着手段11の下方に配置されている。すなわち、温風ヒーター32が発生する温風によって、液体噴射ヘッド14から噴射されるインク滴E1あるいは接着液滴E2が印刷基材50に着弾する位置精度に影響が及ばない構成となっている。
【0040】
次に、このように各手段が構成された貼合箔製造装置100における作用、すなわち、箔が転写された転写画像が形成された転写用フィルムの製造処理について、その処理工程を図3(a),(b),(c)を適宜参照しながら、図2のフローチャートに従って説明する。図3(a),(b),(c)は、貼合箔製造装置100が備える各手段を、印刷基材50が搬送される方向(例えば間欠搬送方向Hk)に沿って展開した状態で図示している。なお、この製造処理は、貼合箔製造装置100に備えられた制御装置(図1においては不図示)が、液体付着手段11、箔貼合手段20、液体定着手段30、搬送手段40を動作させることで行われる。
【0041】
図2に示すように、転写用フィルムの製造処理が開始されると、まず印刷基材50が間欠移動で搬送される(ステップS1)。すなわち、搬送手段40が、搬送ローラー44の駆動ローラー42を、後方から見て時計方向(図1における破線矢印参照)に回転と停止が繰り返されるように駆動して、印刷基材50を液体付着手段11における保持部18の保持面18aに沿って間欠移動で間欠搬送方向Hk(ここでは右方向)に搬送させる。
【0042】
次に、インク及び接着液が噴射される(ステップS2)。すなわち、液体付着手段11が、間欠移動する印刷基材50に向けて、印刷基材50の停止状態においてキャリッジ12を走査方向へ移動させるシリアル走査を行い、液体噴射ヘッド14からインク滴E1及び接着液滴E2を噴射する。従って、印刷基材50には、その基材面上に、液体付着手段11によってインクと接着液とが付着処理され、転写画像Ga(図3(a)参照)が形成される。
【0043】
次に、保持部18においてインク及び接着液が乾燥させられる(ステップS3)。ここでは、印刷基材50に付着処理されたインク及び接着液を、保持部18において乾燥手段19によって加熱し、印刷基材50に付着されたインク及び接着液が流れないように、それぞれの液体成分(溶媒)の少なくとも一部を乾燥させる。ちなみに、保持部18の加熱温度は40〜60℃程度の温度である。
【0044】
次に、インク及び接着液が定着させられる(ステップS4)。ここでは、印刷基材50は、転写画像Gaが液体定着手段30に到達するまで搬送手段40によって間欠移動で継続して搬送される。そして、液体定着手段30においてケーシング31内を間欠搬送方向Hkの上流側から下流側に転写画像Gaが移動する印刷基材50に対して、温風ヒーター32によって温風を当て、転写画像Gaに付着したインク及び接着液の各液体成分を蒸発させて乾燥させ、印刷基材50に定着させる。ちなみに、温風の温度は70〜80℃程度の温度である。
【0045】
以上のステップS1〜S4までの工程Aにおける貼合箔製造装置100の動作について、図3(a)を参照して捕捉説明する。図3(a)に示すように、印刷基材50には、転写用の転写画像Gaを形成する画像形成領域が少なくとも一つ設定されている。そして、工程Aでは、印刷基材50の間欠搬送方向Hkへの移動において、まず、この設定された画像形成領域(ここでは一つ)に液体付着手段11によってインク及び接着液が付着されて転写画像Gaが形成される。その後、形成された転写画像Gaは間欠搬送方向Hkに沿って液体定着手段30へ移動し、液体定着手段30によって、転写画像Gaにおけるインク及び接着液が定着処理され、それぞれ着色層及び粘着層として形成される。
【0046】
従って、工程Aにおいて、搬送手段40は、印刷基材50を間欠搬送方向Hkに沿って距離Lk移動させ、転写画像Gaを液体定着手段30のケーシング31の下流側まで移動させる。このとき、回転ローラー21,22は、間欠移動で搬送される印刷基材50から共に離れている。
【0047】
なお、本実施形態では、転写画像Gaにおいてアルファベットの「R」が箔の貼合により加飾される画像部分として設定され、転写画像Gaの領域のうちアルファベット「R」の裏返し文字の領域部分に粘着層が形成される。
【0048】
図2に戻り、次に、印刷基材50が間欠搬送方向Hkと逆方向に連続移動で搬送される(ステップS5)。すなわち、搬送手段40が、搬送ローラー44の駆動ローラー42を後方から見て反時計方向(図1における実線矢印参照)に停止することなく連続回転するように駆動して、印刷基材50を間欠移動での搬送方向と逆方向へ連続移動で搬送する。
【0049】
次に、回転ローラー21,22により印刷基材50が挟持される(ステップS6)。すなわち、箔貼合手段20が、回転ローラー21を回転ローラー22に接近する方向である右方向に移動させて回転ローラー22との間に印刷基材50を箔転写シート26とともに挟持する。そして、箔転写シート26から箔25を印刷基材50に転写させる(ステップS7)。すなわち、連続移動で搬送される印刷基材50において、着色層及び接着層が形成された転写画像Gaに対して加熱及び箔25の押し付けが行われる。従って、転写画像Gaにおいて形成された接着層が、加熱によって接着性を呈した状態で箔が押し付けられ、接着層全体に箔が転写される。
【0050】
次に、印刷基材50が連続移動で所定距離搬送される(ステップS8)。本実施形態では、搬送手段40が、箔を転写された転写画像Gaが間欠搬送方向Hkにおいて液体付着手段11の上流側に位置するようになるまで、印刷基材50を連続移動で連続搬送方向Hrへ所定距離搬送させる。
【0051】
以上のステップS5〜S8までの工程Bにおける貼合箔製造装置100の動作について、図3(b)を参照して捕捉説明する。図3(b)に示すように、工程Bでは、印刷基材50の連続搬送方向Hrへの移動において、箔貼合手段20において一対の回転ローラー21,22による加熱及び押し付けにより、転写画像Gaに箔転写シート26の箔25のうち箔25aが転写される。この結果、接着層の形状部分つまり転写画像Gaの領域のうちアルファベット「R」の裏返し文字の領域部分に、転写された箔25aによってメタリック層が形成される。
【0052】
従って、一対の回転ローラー21,22は、それらの回転軸Jの方向が少なくとも印刷基材50の連続搬送方向Hrと直交する幅方向となるように配設され、印刷基材50(転写画像Ga)に対して、箔25がねじれないように安定して転写する。
【0053】
また、工程Bにおいて、搬送手段40は、印刷基材50を連続搬送方向Hrに沿って所定距離Lr移動させる。すなわち、印刷基材50が連続搬送方向Hrと搬送方向が反対である間欠移動で再び搬送されたとき、箔25aが転写された転写画像Gaに対して液体付着手段11から少なくとも接着液を付着させることが可能な位置まで移動させる。
【0054】
図2に戻り、次に、印刷基材50が再び間欠移動で搬送される(ステップS9)。すなわち、搬送手段40が、駆動ローラー42を後方から見て時計方向(図1における破線矢印参照)に再び回転と停止とが繰り返すように駆動して、印刷基材50を間欠移動で搬送させる。
【0055】
次に、接着液が噴射される(ステップS10)。すなわち、液体付着手段11が、間欠移動する印刷基材50に向けて、印刷基材50の移動停止状態においてキャリッジ12を走査方向へ移動させるシリアル走査を行い、液体噴射ヘッド14から接着液滴E2を噴射する。従って、印刷基材50の転写画像Ga上に、液体付着手段11によって接着液が付着処理される。
【0056】
次に、保持部18において接着液が乾燥させられる(ステップS11)。ここでは、ステップS2と同様に、転写画像Ga上に付着処理された接着液を、保持部18において乾燥手段19によって加熱し、付着された接着液が流れないように、その液体成分(溶媒)の少なくとも一部を乾燥させる。
【0057】
続いて、接着液が定着させられる(ステップS12)。ここでは、印刷基材50は、転写画像Gaが液体定着手段30に到達するまで搬送手段40によって間欠移動で継続して搬送される。そして、転写画像Gaが液体定着手段30に到達したのち、液体定着手段30においてケーシング31内を間欠搬送方向Hkに移動する印刷基材50に対して、温風ヒーター32によって温風を当て、転写画像Gaに付着された接着液の液体成分を蒸発させて乾燥させ、印刷基材50に定着させる。これにより転写用フィルムが完成し、転写用フィルムの製造処理が終了する。
【0058】
以上のステップS9〜S12までの工程Cにおける貼合箔製造装置100の動作について、図3(c)を参照して捕捉説明する。図3(c)に示すように、工程Cでは、印刷基材50において箔が転写された転写画像Gaに対して、印刷基材50の間欠搬送方向Hkへの移動において、印刷基材50が停止した状態において液体付着手段11によって接着液が付着される。その後、接着液が付着された転写画像Gaは間欠搬送方向Hkに沿って液体定着手段30へ移動し、ケーシング31内の移動によって、転写画像Gaに付着した接着液が定着処理されて接着層が形成される。
【0059】
従って、工程Cにおいて、搬送手段40は、印刷基材50を間欠搬送方向Hkに沿って再び距離Lk移動させ、転写画像Gaを液体定着手段30のケーシング31の下流側まで移動させる。なお、工程Aと同様に、間欠移動で搬送される印刷基材50から回転ローラー21,22は共に離れている。
【0060】
以上説明した工程A,B,Cによって、印刷基材50に対して上述した接着層、メタリック層、着色層を有する転写用フィルムが形成される。すなわち、工程A及び工程Cは液体付着工程であり、工程Bは箔貼合工程である。これらの工程A,B,Cによって形成された転写用フィルムの断面方向に沿う層構造を図4に示す。
【0061】
図4に示すように、貼合箔製造装置100が製造する転写用フィルムは、樹脂製のベースフィルム上に下から順に離型層と保護層が積層形成された印刷基材50に対して、その保護層上に、下から順に着色層、第1接着層、メタリック(箔)層、第2接着層が積層形成された層構造を有している。そして、前述するように、着色層と第1接着層が工程Aによって形成され、メタリック層が工程Bによって形成され、第2接着層が工程Cによって形成される。もとより、保護層から第2接着層までが転写部となる。
【0062】
なお、本実施形態では、印刷基材50に一つの転写画像Gaが形成される場合を説明したが、実際には複数の転写画像Gaが印刷基材50の間欠搬送方向Hk(又は連続搬送方向Hr)に沿って形成される。従って、例えば液体付着手段11は、工程Aにおいて印刷基材50に設定された複数の画像形成領域に向けてインク及び接着液を噴射して付着させ、複数の転写画像Gaを形成する。このため、各工程A、工程B、工程Cにおいて、印刷基材50を間欠移動及び連続移動させる際の移動距離Lk,Lrは、形成される転写画像Gaの数に応じて設定される。
【0063】
上記説明した実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)間欠移動での搬送において停止状態にある印刷基材50に対してインク及び接着液を噴射させることで、シリアル走査のインクジェット記録によって印刷基材50へ画像を形成(印刷)することが可能となる。従って貼合箔製造装置100の大型化を抑制することができる。一方、連続移動によって搬送される印刷基材50に対して箔25の貼合を行うことによって、箔25(25a)を安定して印刷基材50に貼合することができる。
【0064】
(2)一つの搬送方向において間欠移動での搬送と連続移動での搬送が混在しないので、間欠移動での搬送と連続移動での搬送との間の搬送量の差異を吸収する搬送緩衝機構を設ける必要がない。従って、貼合箔製造装置100の大型化を抑制できる。
【0065】
(3)箔が貼合された印刷基材50を再び間欠移動で搬送することによって、液体付着手段11は印刷基材50に対してシリアル走査のインクジェット記録を行って再びインクあるいは接着液を付着させることができる。従って、例えば重ね記録を施すことができるなど、効率的に転写用フィルムなどの貼合箔の製造が行える。
【0066】
(4)液体定着手段30は、印刷基材50に付着したインク及び接着液を印刷基材50の間欠移動での搬送時に1回目の定着処理を施したのち、間欠移動での搬送時とは逆方向に連続移動で搬送される印刷基材50に対して、付着したインク及び接着液を定着させる2回目の定着処理を施すことができる。従って、インク及び接着液を安定して定着させることができる。
【0067】
また、印刷基材50の連続移動での搬送時において、箔貼合手段20によって箔貼合処理が施される印刷基材50の温度を調節することができる。また、液体定着手段30と液体付着手段11との間に箔貼合手段20が介在するので、例えば液体定着手段30における加熱(温風)の影響が液体付着手段11に及ぶことを抑制することができる。
【0068】
また、液体付着手段11と液体定着手段30とを上下方向(鉛直方向)に配置することによって、これらの手段と重ならないように箔貼合手段20を水平方向(右方向)にオフセットして配設できるので、貼合箔製造装置100が鉛直方向において厚くならにように抑制することができる。
【0069】
(5)液体付着手段11よりもその搬送方向の下流側に備えた搬送ローラー44によって印刷基材50を連続移動で搬送することによって、印刷基材50を挟持する一対の回転ローラーを連続回転させながら印刷基材50に対して箔貼合処理を行うことができる。従って、箔貼合処理において、印刷基材50を、間欠移動での搬送と逆方向に連続移動で搬送させる搬送手段40として好適な構成が得られる。
【0070】
(6)箔貼合処理における回転ローラー21の変位に伴って印刷基材50が変位しても、保持部18の保持面18aにおいて、印刷基材50の保持面18aの法線方向の変位への影響が抑制される。従って、例えば、連続搬送される印刷基材50と液体付着手段11(液体噴射ヘッド14)との接触等が抑制される。
【0071】
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記実施形態において、貼合箔製造装置100において転写を行わないラベル用フィルムを製造するようにしてもよい。本変形例で形成されるラベル用フィルムの断面方向に沿う層構造を図5に示す。
【0072】
図5に示すように、貼合箔製造装置100が製造するラベル用フィルムは、樹脂製のベースフィルムを印刷基材50として用い、その一方のフィルム面上に、下から順に接着層、メタリック(箔)層、着色層が積層形成された層構造を有している。そして、上記実施形態での説明において、工程Aでは接着液が付着されて接着層が形成され、工程Cではインクが付着されて着色層が形成される。なお、メタリック(箔)層が形成される工程Bは上記実施形態と同様である。
【0073】
・上記実施形態において、箔貼合手段20は、印刷基材50の間欠搬送方向Hk(または連続搬送方向Hr)に沿って必ずしも液体付着手段11と液体定着手段30との間に配置されなくてもよい。本変形例について、その一例となる配置を、図6を参照して説明する。なお、図6において、上記実施形態と同じ構成要素については同符号を付し、その説明は省略する。
【0074】
図6に示すように、本変形例では、箔貼合手段20を間欠搬送方向Hkにおいて液体定着手段30の下流側に配設する。こうすることで、液体付着手段11と液体定着手段30との間の距離を短くすることができるので、液体付着手段11において、付着されたインク及び接着液の乾燥が不十分であっても、インク及び接着液が印刷基材50において流れる前に定着できる確率が高くなる。
【0075】
・上記実施形態において、印刷基材50を間欠移動及び連続移動の双方の移動態様で搬送する際、逆方向に移動させることなく常に一方向に移動させるようにしてもよい。本変形例について、その一例となる構成を、図7を参照して説明する。なお、図7において、上記実施形態と同じ構成要素については同符号を付し、それらの説明は省略する。
【0076】
図7に示すように、本変形例では、上記実施形態に対して、図3(a)に示した構成における液体付着手段11と箔貼合手段20との間に、更に液体定着手段30aを設けるとともに、箔貼合手段20と液体定着手段30との間に、更に液体付着手段11aを設けている。そして、間欠搬送方向Hkと連続搬送方向Hrとは、図中白抜き矢印で示した同一の方向であり、印刷基材50は箔貼合手段20において連続移動で搬送される。一方、それ以外の液体付着手段11,11aと液体定着手段30,30aとにおいて間欠移動で搬送され、シリアル走査でのインジェット方式によってインク及び接着液を噴射して転写画像を形成する。
【0077】
従って、本変形例では、上記実施形態における効果(1)と同様の効果を奏する。なお、本変形例では、印刷基材50の連続搬送方向Hrにおける箔貼合手段20の上流側の位置P1と下流側の位置P2とにおいて、間欠移動での搬送と連続移動での搬送との間の搬送量の差異を吸収する搬送緩衝機構が設けられる。
【0078】
・上記実施形態において、例えば保持部18においてインク及び接着液を定着させる場合や、移動における自然乾燥でインク及び接着液が乾燥定着する場合などでは、液体定着手段30を必ずしも設けなくてもよい。
【0079】
・上記実施形態において、搬送手段40は、箔貼合手段20により箔25が貼合された印刷基材50を、必ずしも距離Lr搬送して液体付着手段11に対して間欠移動で搬送する際の印刷基材50の搬送方向の上流側まで連続移動で搬送しなくてもよい。例えば、製造される貼合箔が箔の貼合で製造処理が終了する場合や、あるいは一例として連続搬送方向Hrに沿った直線状の接着層を形成する場合などのように連続移動で搬送される印刷基材50に対して転写画像Gaに接着液を付着させることが可能な場合は、このような構成とすることが可能である。
【0080】
・上記実施形態において、印刷基材50を挟持して搬送する搬送ローラー44を必ずしも設けなくてもよい。例えば、駆動ローラー42をギザローラーとして従動ローラーを無くした構成の搬送ローラーとしてもよい。あるいは、搬送ローラー44に替えて送り出しロール41及び巻き取りロール48を回転駆動することで、印刷基材50を搬送するようにしてもよい。
【0081】
・上記実施形態において、箔貼合手段20は、回転ローラー21ではなく回転ローラー22が変位するようにしてもよい。このとき、送り出しロール23及び巻き取りロール24も回転ローラー22と一緒に変位してもよい。
【0082】
・上記実施形態において、箔貼合手段20を移動する印刷基材50(50b)の移動方向と、保持部18の保持面18aを移動する印刷基材50(50c)の移動方向とは、必ずしも交差する方向でなくてもよい。例えば、中間ローラー45が印刷基材50を挟持する一対のニップローラーで構成される場合は、互いの移動方向が平行(水平)であってもよい。
【0083】
・上記実施形態において、インクが収容された一つのインクカートリッジ15をキャリッジ12に搭載して備えるものとしているが、複数種類のインクをそれぞれ収容した複数のインクカートリッジを備えるようにしてもよい。また、インクカートリッジがキャリッジ12に搭載されない所謂オフキャリッジ方式としてもよい。
【0084】
・上記実施形態において、複数種類の接着液をそれぞれ収容した複数の接着液カートリッジを備えるものとしてもよい。そして、この場合、工程Aで噴射する接着液と工程Cで噴射する接着液とが異なる複数の接着液であるようにしてもよい。また、接着液カートリッジがキャリッジ12に搭載されない所謂オフキャリッジ方式としてもよい。
【0085】
・上記実施形態において、工程Cの製造処理に際して接着液に替えてインクを噴射させるようにしてもよい。もとより、インク及び接着液の双方を噴射させるようにしてもよい。
【0086】
・上記実施形態では、液体付着手段11をインクジェット式のプリンターとして具体化したが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置として具体化してもよい。微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置が採用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。
【符号の説明】
【0087】
11,11a…液体付着手段、18…被貼合媒体保持部としての保持部、18a…被貼合媒体保持面としての保持面、20…箔貼合手段、21,22…回転ローラー、25,25a,25b…箔、30,30a…液体定着手段、40…搬送手段、44…搬送ローラー、50…被貼合媒体としての印刷基材、100…貼合箔製造装置、Hk…間欠搬送方向,Hr…連続搬送方向、P1,P2…位置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箔が貼合される被貼合媒体を間欠移動及び連続移動で搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって前記間欠移動で搬送される前記被貼合媒体に対して液体を付着させる付着処理を施す液体付着手段と、
前記間欠移動で搬送される前記被貼合媒体の搬送方向において前記液体付着手段の位置よりも下流側に配置され、前記付着処理が施された後、前記搬送手段によって前記連続移動で搬送される前記被貼合媒体の前記液体が付着された面に前記箔を貼合する箔貼合処理を施す箔貼合手段と、
を備える貼合箔製造装置。
【請求項2】
請求項1に記載の貼合箔製造装置において、
前記搬送手段は、前記被貼合媒体を前記間欠移動で搬送する方向とは逆の方向に、前記被貼合媒体を連続移動で搬送することを特徴とする貼合箔製造装置。
【請求項3】
請求項2に記載の貼合箔製造装置において、
前記搬送手段は、前記箔貼合手段により前記箔が貼合された前記被貼合媒体を、前記間欠移動で搬送される前記被貼合媒体の搬送方向において前記液体付着手段の位置よりも上流側まで前記連続移動で搬送することを特徴とする貼合箔製造装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の貼合箔製造装置において、
前記間欠移動で搬送される前記被貼合媒体の搬送方向における前記箔貼合手段の位置よりも下流側に配設され、前記液体付着手段によって付着された前記液体を前記被貼合媒体に定着させる定着処理を施す液体定着手段を備えることを特徴とする貼合箔製造装置。
【請求項5】
請求項2ないし4のいずれか一項に記載の貼合箔製造装置において、
前記搬送手段は、前記被貼合媒体を前記連続移動で搬送する際に、前記被貼合媒体の搬送方向における前記液体付着手段の下流側に、前記被貼合媒体を挟持して搬送する一対の搬送ローラーを備え、
前記箔貼合手段は、前記被貼合媒体が前記連続移動で搬送される際に、前記被貼合媒体と前記箔とを挟持するとともに前記連続移動で搬送される前記被貼合媒体の搬送方向と直交する幅方向に延びる軸を中心として回転する一対の回転ローラーを備える
ことを特徴とする貼合箔製造装置。
【請求項6】
請求項5に記載の貼合箔製造装置において、
前記液体付着手段によって前記付着処理が施される間、搬送される前記被貼合媒体を保持する被貼合媒体保持面を有する被貼合媒体保持部を備え、
前記箔貼合手段が備える前記一対の回転ローラーは、前記被貼合媒体保持面と交差する方向に前記連続移動で搬送される前記被貼合媒体を挟持することを特徴とする貼合箔製造装置。
【請求項7】
箔が貼合される被貼合媒体を間欠移動で搬送し、前記間欠移動で搬送される前記被貼合媒体に対して液体を付着させる付着処理を施す液体付着工程と、
前記付着処理が施された前記被貼合媒体を連続移動で搬送し、前記連続移動で搬送される前記被貼合媒体に対して前記液体が付着された面に前記箔を貼合する箔貼合工程と、
を備える貼合箔製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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