説明

賃金支払装置と賃金支払方法、及び賃金支払プログラム

【課題】従業者からの要求に応じ、既に提供した労働についての賃金の支払いを、雇用者や金融機関に負担を掛けずに、従業者に対してすぐに行うことを可能とした仕組みを提供する。
【解決手段】サーバ10は、従業者への賃金支払に同意する雇用者の承認情報を含む賃金支払承認情報を、雇用者端末30より受信し、従業者IDと振込額とを含む振込情報を生成する。サーバ10は、振込情報を振込情報記憶部に記憶する。また、サーバ10は、賃金の支払いを求める振込要求情報を従業者端末20より受信する。サーバ10は、振込額及び振込先情報を含む振込実行情報を従業者端末へ送信して従業者による振込実行の承認を求める。サーバ10は、従業者端末より振込実行に同意する従業者の振込実行承認情報を受信し、振込実行指示を金融機関に対して行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雇用者が開設した雇用者口座又は前記雇用者より賃金の支払いの委任を受けた振込代行者が開設した雇用者口座を備える金融機関において、従業者からの要求に応じて、雇用者から従業者に対して賃金を支払う指示を行う賃金支払装置と賃金支払方法、及び賃金支払プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、時代のニーズや生活スタイルの多様化に伴い雇用体系が自由化されており、正社員以外に、時間給契約のアルバイトやパートタイマー、派遣社員、請け負い、等といった従業者の雇用契約形態が多種多様に存在する。このような従業者に対する賃金の支払いは、従来、従業者が任意に開設した従業者指定の金融機関の口座に対して、雇用者が所定の支払い期間ごとに金銭を振込むことによって行われていた。
【0003】
ところが最近、働く時間や働き方の多様化に伴い賃金体系も、月給月払い以外に、時給日払い、日給日払い、時給月払い、日給月払い、といった任意の支払い方法を要望する従業者が多く存在してきている。たとえば、このような任意の支払い方法において賃金の日払いを要望した場合、金融機関を利用した賃金の支払いでは、一日の勤務が終了した後にその賃金を支払うための振込み手続きを行っても、金融機関の営業時間の関係上、その処理は翌日となってしまう。しかも、働いた日ごとに賃金を従業者の口座へ振り込むとなると、莫大な振込手数料が掛かってしまう。そのため、その日に賃金の支払を求める従業者には、従来のような金融機関を利用した賃金の支払いは馴染まないので、予め金融機関より所定の金銭(現金)を引き出しておき、金融機関を介さずに雇用者が従業者ごとに現金を手渡すようにしている。
【0004】
しかしながら、雇用者が日払いで現金を支給する手段では、勤務が終了したごとに人事や経理が24時間対応ですぐに賃金の計算等の処理をしなければならないと共に、金融機関より毎日金銭を引き出しておかなければならず、やはり雇用者側にとっては非常に煩わしい手間の掛かるものである。しかも、従業者の勤務が終了するまで支給分の金銭を保管しなければならず、非常に危険なものである。
【0005】
また、給与支給日まで待てない従業者から前借の要望があった場合、雇用者は従業者に対し給与の一部として、前払いや仮払いを行っている。ところが、前払い等を行うと、給与計算時に前払い等を行った金額を実際の給与から差し引き、残りを給与として従業者に支払うという面倒な作業が発生してしまう。したがって、従業者に対して効率良く賃金の支払いを行うことが困難であった。
【0006】
そこで、金融機関を介して従業者に対して効率良く賃金の支払いを行うようにした手段として、たとえば、労働者が既に提供した労働についての給与の支払いを金融機関に対して求め、金融機関は労働者の労働データを企業から取得して労働データに基づいた給与を算出し、労働者からの求めに応じて給与の前払いを行うか否か判断した後、求めのあった金額を労働者の口座に振り込むようにしたものがある(特許文献1又は2参照)。
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1又は2に記載の手段では、労働者から金融機関に対して給与の支払いの求めがあった後、企業側に労働データの提供を求めて前払いの可否を判断しなければならず、その判断に時間を要して労働者の希望する日時にすぐに賃金の支払いを行うことが困難であった。また、金融機関が企業から労働データを取得して前払いの可否を判断しているため、金融機関に負担を要するものであった。しかも、労働者の立場からすると、自分が既に提供した労働についての給与であるにも拘らず、金融機関に対して給与の支払いを求め、金融機関の審査を受けて前払いを受けている感じを覚え、気分の良いものではなかった。
【0008】
このように、日給日払いはもちろんのこと、時給日払いや、週給日払い、月給日払い、といった従業者の希望する日時に、すぐに賃金の支払いを行うことを可能とした賃金の支払い手段は現在までのところ何ら提案されていない。
【特許文献1】特開2004−253010号公報
【特許文献2】特開2006−4263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、従業者からの要求に応じ、既に提供した労働についての賃金の支払いを、雇用者や金融機関に負担を掛けずに、従業者に対してすぐに行うことを可能とした仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の賃金支払装置は、従業者に対して賃金の支払いを行う雇用者が利用する雇用者端末と、雇用者より賃金の支払いを受ける従業者が利用する従業者端末と、にそれぞれ通信ネットワークを介して接続されると共に、前記雇用者が従業者に対して賃金を支払うために開設した口座を備える金融機関に設置された金融機関端末と通信回線を介してさらに接続され、前記雇用者が金融機関に開設した雇用者口座を介して雇用者から従業者に対して賃金を支払う指示を行う装置であって、前記従業者を特定する従業者識別情報と、前記雇用者が賃金の振込を行う振込先情報と、を互いに関連付けて記憶する第1記憶手段、前記雇用者端末より、従業者識別情報と、従業者に対して支払う賃金の振込額と、従業者への賃金支払に同意する雇用者の承認情報と、を含む賃金支払承認情報を受信し、従業者識別情報と、振込額と、を少なくとも含む振込情報を生成する振込情報生成手段、前記振込情報生成手段にて生成した振込情報を、従業者識別情報と、振込額と、を互いに関連付けて記憶する振込情報記憶手段、前記振込情報生成手段での振込情報の生成に応じ、前記振込情報記憶手段を参照して新たに生成された振込情報に含まれる従業者識別情報に基づいて既存の振込情報を特定し、既存の振込情報に含まれる振込額と、新たに生成された振込情報に含まれる振込額とを加算集計して振込額を更新する振込情報更新手段、前記従業者端末より、従業者識別情報と共に、賃金の支払いを求める振込要求情報を受信し、前記振込情報記憶手段を参照して従業者識別情報に基づき振込額を特定すると共に、前記第1記憶手段を参照して従業者識別情報に基づき振込先情報を特定し、特定した振込額及び振込先情報を含む振込実行情報を従業者端末へ送信して従業者による振込実行の承認を求める従業者承認要求手段、前記従業者承認要求手段での振込実行情報の送信に応じ、前記従業者端末より、前記振込実行情報と共に、振込実行に同意する従業者の振込実行承認情報を受信し、前記金融機関に対する振込実行指示として前記振込実行情報を金融機関端末へ送信する振込実行指示手段、を少なくとも有していることを特徴とする。
【0011】
本発明の賃金支払装置は、従業者に対して賃金の支払いを行う雇用者より賃金の支払いの委任を受けた振込代行者が利用する代行者端末と、雇用者より賃金の支払いを受ける従業者が利用する従業者端末と、にそれぞれ通信ネットワークを介して接続されると共に、前記振込代行者が従業者に対して賃金を支払うために開設した口座を備える金融機関に設置された金融機関端末と通信回線を介してさらに接続され、前記振込代行者が金融機関に開設した代行者口座を介して雇用者から従業者に対して賃金を支払う指示を行う装置であって、前記従業者を特定する従業者識別情報と、前記雇用者が賃金の振込を行う振込先情報と、を互いに関連付けて記憶する第1記憶手段、前記代行者端末より、従業者識別情報と、従業者に対して支払う賃金の振込額と、雇用者識別情報と、従業者への賃金支払に同意する雇用者の承認情報と、を含む賃金支払承認情報を受信し、従業者識別情報と、振込額と、雇用者識別情報と、を少なくとも含む振込情報を生成する振込情報生成手段、前記振込情報生成手段にて生成した振込情報を、従業者識別情報と、振込額と、雇用者識別情報と、を互いに関連付けて記憶する振込情報記憶手段、前記振込情報生成手段での振込情報の生成に応じ、前記振込情報記憶手段を参照して新たに生成された振込情報に含まれる従業者識別情報に基づいて既存の振込情報を特定し、既存の振込情報に含まれる振込額と、新たに生成された振込情報に含まれる振込額とを加算集計して振込額を更新する振込情報更新手段、前記従業者端末より、従業者識別情報と共に、賃金の支払いを求める振込要求情報を受信し、前記振込情報記憶手段を参照して従業者識別情報に基づき振込額を特定すると共に、前記第1記憶手段を参照して従業者識別情報に基づき振込先情報を特定し、特定した振込額、振込先情報、及び雇用者識別情報と、を含む振込実行情報を従業者端末へ送信して従業者による振込実行の承認を求める従業者承認要求手段、前記従業者承認要求手段での振込実行情報の送信に応じ、前記従業者端末より、当該振込実行情報と共に、振込実行に同意する従業者の振込実行承認情報を受信し、前記金融機関に対する振込実行指示として前記振込実行情報を金融機関端末へ送信する振込実行指示手段、を少なくとも有していることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の賃金支払装置は、従業者の勤務区分や、勤務時間といった勤怠情報から従業者ごとに賃金を計算するために必要な条件を記憶した第2記憶手段、従業者識別情報を含む当該従業者の勤怠情報の受信に応じ、前記第2記憶手段を参照して従業者に対して支払う賃金を算出する賃金算出手段、前記賃金算出手段での賃金の算出に応じ、従業者識別情報と、当該従業者に対して支払う賃金の振込額と、を含む賃金支払情報を前記雇用者端末へ送信し、従業者への賃金支払に同意する雇用者側の承認を求める雇用者承認要求手段、をさらに有するものとしても良い。
【0013】
また、本発明の賃金支払装置は、従業者の勤務日や出退勤時刻といった出退勤情報から従業者ごとに勤怠情報を生成するのに必要な条件を記憶した第3記憶手段、従業者識別情報を含む出退勤情報の受信に応じ、前記第3記憶手段を参照して従業者の勤怠情報を生成する勤怠情報生成手段、をさらに有するものとしても良い。
【0014】
また、本発明の賃金支払装置は、雇用者を特定する雇用者識別情報と、前記従業者へ賃金の振込を行う振込元情報と、を互いに関連付けて記憶する第4記憶手段、をさらに有し、前記振込情報生成手段が、雇用者識別情報を含む賃金支払承認情報を受信して当該雇用者識別情報をさらに含む振込情報を生成し、前記振込情報記憶手段は、従業者識別情報と互いに関連付けてさらに雇用者識別情報を記憶し、前記振込実行指示手段が、振込実行承認情報の受信後、前記第4記憶手段を参照して承認が得られた振込実行情報に含まれる雇用者識別情報に基づいて振込元情報を特定し、特定した振込元情報を含む振込実行情報を金融機関端末へ送信するものとしても良い。
【0015】
また、本発明の賃金支払装置は、前記雇用者識別情報と、当該雇用者が取り扱い可能な金額を示す残高額と、を互いに関連付けて記憶する第5記憶手段、前記振込実行指示手段での振込実行情報の送信に応じ、前記金融機関端末より、雇用者識別情報と、振込実行後の残高額と、を含む振込処理完了情報を受信し、当該雇用者識別情報に基づいて前記第5記憶手段に記憶する雇用者の残高額を最新の残高額に書き換える残高情報更新手段、をさらに有し、前記従業者承認要求手段が、前記振込要求情報の受信に応じた振込情報の特定後、特定した振込情報に含まれる振込額を抽出すると共に、前記第5記憶手段を参照して残高額を抽出し、振込額と残高額との大きさを比較して残高額が大きい場合に、引き続き振込先情報を特定して前記振込実行情報を従業者端末へ送信するものとしても良い。
【0016】
また、本発明の賃金支払装置は、前記振込実行指示手段が、専用回線を介して振込実行情報の送信を行うものとしても良い。
【0017】
また、本発明の賃金支払装置は、前記第1記憶手段は、一つの従業者識別情報に関連付けて複数の振込先情報を記憶し、前記従業者承認要求手段は、前記振込要求情報の受信に応じ、前記振込情報記憶手段を参照して従業者識別情報に基づき振込情報を特定すると共に、前記第1記憶手段を参照して従業者識別情報に基づき記憶されている複数の振込先情報の中から1つを特定することが可能な振込先選択要求情報を生成し、特定した振込情報及び生成した振込先選択要求情報を振込実行情報として従業者端末へ送信すると共に、前記振込先選択要求情報の送信に応じて前記従業者端末より、振込先を特定する振込先選択情報を受信し、前記第1記憶手段を参照して振込先選択情報に基づき振込先情報を抽出し、抽出した振込先情報を含む振分額指定要求情報を生成し、当該振分額指定要求情報を振込実行情報として従業者端末へ送信し、前記振込実行指示手段は、前記従業者端末より、振込額を指定する振分額情報を含む、振込実行に同意する従業者の振込実行承認情報を受信し、前記振込情報記憶手段を参照して従業者識別情報に基づき振込情報を特定してその振込額情報を抽出し、受信した振分額と抽出した振込額との大きさを比較して振分額の大きさが振込額の大きさ以下である場合、振込実行承認情報に含まれる振込先情報を特定し、特定した振込先情報及び振分額を振込実行情報として金融機関端末へ送信するものとしても良い。
【0018】
また、本発明の賃金支払装置は、前記従業者承認要求手段は、前記振込実行指示手段での振分額と振込額との大きさの比較の結果、振分額の大きさが振込額の大きさより小さく、振込実行後の振込残額が0以上である場合、再度、振込先選択要求情報を生成して従業者端末へ送信するものとしても良い。
【0019】
また、本発明の賃金支払方法は、従業者に対して賃金の支払いを行う雇用者が利用する雇用者端末と、雇用者より賃金の支払いを受ける従業者が利用する従業者端末と、にそれぞれ通信ネットワークを介して接続されると共に、前記雇用者が従業者に対して賃金を支払うために開設した口座を備える金融機関に設置された金融機関端末と通信回線を介してさらに接続され、前記従業者を特定する従業者識別情報と、前記雇用者が賃金の振込を行う振込先情報と、を互いに関連付けて記憶する第1記憶手段、を有する装置により、前記雇用者が金融機関に開設した雇用者口座を介して雇用者から従業者に対して賃金を支払う指示を行う方法であって、振込情報生成手段が、前記雇用者端末より、従業者識別情報と、従業者に対して支払う賃金の振込額と、従業者への賃金支払に同意する雇用者の承認情報と、を含む賃金支払承認情報を受信し、従業者識別情報と、振込額と、を少なくとも含む振込情報を生成するステップ、振込情報記憶手段が、前記振込情報生成手段にて生成した振込情報を、従業者識別情報と、振込額と、を互いに関連付けて記憶するステップ、振込情報更新手段が、前記振込情報生成手段での振込情報の生成に応じ、前記振込情報記憶手段を参照して新たに生成された振込情報に含まれる従業者識別情報に基づいて既存の振込情報を特定し、既存の振込情報に含まれる振込額と、新たに生成された振込情報に含まれる振込額とを加算集計して振込額を更新するステップ、従業者承認要求手段が、前記従業者端末より、従業者識別情報と共に、賃金の支払いを求める振込要求情報を受信し、前記振込情報記憶手段を参照して従業者識別情報に基づき振込額を特定すると共に、前記第1記憶手段を参照して従業者識別情報に基づき振込先情報を特定し、特定した振込額及び振込先情報を含む振込実行情報を従業者端末へ送信して従業者による振込実行の承認を求めるステップ、振込実行指示手段が、前記従業者承認要求手段での振込実行情報の送信に応じ、前記従業者端末より、前記振込実行情報と共に、振込実行に同意する従業者の振込実行承認情報を受信し、前記金融機関に対する振込実行指示として前記振込実行情報を金融機関端末へ送信するステップ、を少なくとも有していることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の賃金支払方法は、従業者に対して賃金の支払いを行う雇用者より賃金の支払いの委任を受けた振込代行者が利用する代行者端末と、雇用者より賃金の支払いを受ける従業者が利用する従業者端末と、にそれぞれ通信ネットワークを介して接続されると共に、前記振込代行者が従業者に対して賃金を支払うために開設した口座を備える金融機関に設置された金融機関端末と通信回線を介してさらに接続され、前記従業者を特定する従業者識別情報と、前記雇用者が賃金の振込を行う振込先情報と、を互いに関連付けて記憶する第1記憶手段、を有する装置により、前記振込代行者が金融機関に開設した代行者口座を介して雇用者から従業者に対して賃金を支払う指示を行う方法であって、振込情報生成手段が、前記代行者端末より、従業者識別情報と、従業者に対して支払う賃金の振込額と、雇用者識別情報と、従業者への賃金支払に同意する雇用者の承認情報と、を含む賃金支払承認情報を受信し、従業者識別情報と、振込額と、雇用者識別情報と、を少なくとも含む振込情報を生成するステップ、振込情報記憶手段が、前記振込情報生成手段にて生成した振込情報を、従業者識別情報と、振込額と、雇用者識別情報と、を互いに関連付けて記憶するステップ、振込情報更新手段が、前記振込情報生成手段での振込情報の生成に応じ、前記振込情報記憶手段を参照して新たに生成された振込情報に含まれる従業者識別情報に基づいて既存の振込情報を特定し、既存の振込情報に含まれる振込額と、新たに生成された振込情報に含まれる振込額とを加算集計して振込額を更新するステップ、従業者承認要求手段が、前記従業者端末より、従業者識別情報と共に、賃金の支払いを求める振込要求情報を受信し、前記振込情報記憶手段を参照して従業者識別情報に基づき振込額を特定すると共に、前記第1記憶手段を参照して従業者識別情報に基づき振込先情報を特定し、特定した振込額、振込先情報、及び雇用者識別情報と、を含む振込実行情報を従業者端末へ送信して従業者による振込実行の承認を求めるステップ、振込実行指示手段が、前記従業者承認要求手段での振込実行情報の送信に応じ、前記従業者端末より、当該振込実行情報と共に、振込実行に同意する従業者の振込実行承認情報を受信し、前記金融機関に対する振込実行指示として前記振込実行情報を金融機関端末へ送信するステップ、を少なくとも有していることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の賃金支払プログラムは、従業者に対して賃金の支払いを行う雇用者が利用する雇用者端末と、雇用者より賃金の支払いを受ける従業者が利用する従業者端末と、にそれぞれ通信ネットワークを介して接続されると共に、前記雇用者が従業者に対して賃金を支払うために開設した口座を備える金融機関に設置された金融機関端末と通信回線を介してさらに接続され、前記従業者を特定する従業者識別情報と、前記雇用者が賃金の振込を行う振込先情報と、を互いに関連付けて記憶する第1記憶手段、を有し、前記雇用者が金融機関に開設した雇用者口座を介して雇用者から従業者に対して賃金を支払う指示を行うことを実行させるためにコンピュータを、前記雇用者端末より、従業者識別情報と、従業者に対して支払う賃金の振込額と、従業者への賃金支払に同意する雇用者の承認情報と、を含む賃金支払承認情報を受信し、従業者識別情報と、振込額と、を少なくとも含む振込情報を生成する手段、前記生成した振込情報を、従業者識別情報と、振込額と、を互いに関連付けて振込情報記憶手段に記憶する手段、前記振込情報の生成に応じ、前記振込情報記憶手段を参照して新たに生成された振込情報に含まれる従業者識別情報に基づいて既存の振込情報を特定し、既存の振込情報に含まれる振込額と、新たに生成された振込情報に含まれる振込額とを加算集計して振込額を更新する手段、前記従業者端末より、従業者識別情報と共に、賃金の支払いを求める振込要求情報を受信し、前記振込情報記憶手段を参照して従業者識別情報に基づき振込額を特定すると共に、前記第1記憶手段を参照して従業者識別情報に基づき振込先情報を特定し、特定した振込額及び振込先情報を含む振込実行情報を従業者端末へ送信して従業者による振込実行の承認を求める手段、前記振込実行情報の送信に応じ、前記従業者端末より、前記振込実行情報と共に、振込実行に同意する従業者の振込実行承認情報を受信し、前記金融機関に対する振込実行指示として前記振込実行情報を金融機関端末へ送信する手段、として機能させることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の賃金支払プログラムは、従業者に対して賃金の支払いを行う雇用者より賃金の支払いの委任を受けた振込代行者が利用する代行者端末と、雇用者より賃金の支払いを受ける従業者が利用する従業者端末と、にそれぞれ通信ネットワークを介して接続されると共に、前記振込代行者が従業者に対して賃金を支払うために開設した口座を備える金融機関に設置された金融機関端末と通信回線を介してさらに接続され、前記従業者を特定する従業者識別情報と、前記雇用者が賃金の振込を行う振込先情報と、を互いに関連付けて記憶する第1記憶手段、を有し、前記振込代行者が金融機関に開設した代行者口座を介して雇用者から従業者に対して賃金を支払う指示を行うことを実行させるためにコンピュータを、前記代行者端末より、従業者識別情報と、従業者に対して支払う賃金の振込額と、雇用者識別情報と、従業者への賃金支払に同意する雇用者の承認情報と、を含む賃金支払承認情報を受信し、従業者識別情報と、振込額と、雇用者識別情報と、を少なくとも含む振込情報を生成する手段、前記生成した振込情報を、従業者識別情報と、振込額と、雇用者識別情報と、を互いに関連付けて振込情報記憶手段に記憶する手段、前記振込情報の生成に応じ、前記振込情報記憶手段を参照して新たに生成された振込情報に含まれる従業者識別情報に基づいて既存の振込情報を特定し、既存の振込情報に含まれる振込額と、新たに生成された振込情報に含まれる振込額とを加算集計して振込額を更新する手段、前記従業者端末より、従業者識別情報と共に、賃金の支払いを求める振込要求情報を受信し、前記振込情報記憶手段を参照して従業者識別情報に基づき振込額を特定すると共に、前記第1記憶手段を参照して従業者識別情報に基づき振込先情報を特定し、特定した振込額、振込先情報、及び雇用者識別情報と、を含む振込実行情報を従業者端末へ送信して従業者による振込実行の承認を求める手段、前記振込実行情報の送信に応じ、前記従業者端末より、当該振込実行情報と共に、振込実行に同意する従業者の振込実行承認情報を受信し、前記金融機関に対する振込実行指示として前記振込実行情報を金融機関端末へ送信する手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明の賃金支払装置によれば、雇用者端末より、従業者に対して支払う賃金の振込額と従業者への賃金支払に同意する雇用者の承認情報とを含む賃金支払承認情報を受信し、従業者識別情報と振込額とを少なくとも含む振込情報を生成して記憶しておくことで、雇用者が金融機関に開設した雇用者口座から従業者口座への賃金の振込をいつでも行なうことが可能な状態としている。また、本発明の賃金支払装置によれば、代行者端末より、従業者識別情報と従業者に対して支払う賃金の振込額と雇用者識別情報と従業者への賃金支払に同意する雇用者の承認情報とを含む賃金支払承認情報を受信し、従業者識別情報と振込額とを少なくとも含む振込情報を生成して記憶しておくことで、前記雇用者より賃金の支払いの委任を受けた振込代行者が金融機関に開設した見かけ上雇用者口座となる代行者口座から従業者口座への賃金の振込をいつでも行なうことが可能な状態としている。そして、従業者端末より、賃金の振込実行に同意する従業者の振込実行承認情報を受信することで、金融機関に対する振込実行指示として前記振込実行情報を金融機関に対して送信する。
【0024】
ゆえに、従業者が既に働いた分の賃金の自分の口座へ振り込みたいと希望した場合、既に雇用者の承認を得て振込待ち状態となっている振込情報に基づく賃金の振込指示を、従業者が自分で行なうことで、従業者の承認を得た振込実行指示を金融機関に対して行うものとなる。よって、金融機関において、前記雇用者口座又は前記代行者口座から従業者口座への賃金の振込が行なわれる。しかも、従業者に対して支払う賃金の振込額は事前に計算され、雇用者側にて承認を得たものとなっているので、従業者からの求めに応じて振込可否を判断することなど、雇用者や金融機関に対して負担を掛けることもない。さらに、金融機関に対して賃金の振込に対する求めを行う必要がないので、気分を害することなく堂々と賃金の振込を要求することができる。これにより、日給日払いはもちろんのこと、時給日払いや、週給日払い、月給日払い、といった従業者の希望する日時に、従業者が自分で指示(承認)することで、雇用者口座又は見かけ上雇用者口座となる代行者口座から従業者口座へすぐに賃金の振込を行うことが可能となる。
したがって、従業者からの要求に応じ、既に提供した労働についての賃金の支払いを、雇用者や金融機関に負担を掛けずに、従業者に対してすぐに行うことを可能とした仕組みを提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る賃金支払装置、賃金支払方法、及び賃金支払プログラムの一例について説明する。
本実施形態は、通信ネットワーク上に開設された賃金支払システムサイトにて、従業者が必要な時に自ら賃金の振込を指示(承認)することで、雇用者が開設した雇用者口座又は雇用者より賃金の支払いの委任を受けた振込代行者が開設した代行者口座を管理する金融機関において、雇用者口座又は見かけ上雇用者口座となる代行者口座を介して雇用者から従業者に対して賃金の支払いを行うようにした場合を例に説明する。
【0026】
なお、振込代行者とは、雇用者より事前に預かった金銭を従業者の口座へ振込む他、雇用者代わって金銭を立て替えて自らの金銭を従業者の口座へ振込むことを行なう。この際、従業者の口座への振込みは、振込代行者が扱うことのできる自分の口座(代行者口座)を介し、雇用者の名前で行なわれることになる。したがって、代行者口座は、見かけ上雇用者口座と同様に機能する。
【0027】
図1及び図2は、本発明においての実施の形態に係る賃金支払方法(以下、「本方法」という。)を実施するための賃金支払システム(以下、「本システム」という。)を概略的にそれぞれ示す全体構成図であり、図1は、雇用者が開設した雇用者口座を管理する金融機関において、雇用者口座を介して雇用者から従業者に対して賃金の支払いを行うようにした場合の全体構成図、図2は、雇用者より賃金の支払いの委任を受けた振込代行者が開設した代行者口座を管理する金融機関において、見かけ上雇用者口座となる代行者口座を介して雇用者から従業者に対して賃金の支払いを行うようにした場合の全体構成図である。
また、図3は、本発明に係る賃金支払装置(以下、「本サーバ」という)を用いた本システムの実施形態の一例を示すブロック図である。符号10は本サーバを示す。
図1及び図2に示すように、本サーバ10は、従業者に対して賃金の支払いを行う雇用者が利用する雇用者端末と、雇用者より賃金の支払いを受ける従業者が利用する従業者端末と、にそれぞれ通信ネットワークNWを介して接続された装置である。
【0028】
通信ネットワークNWの例としては、インターネットやLAN(Local Area Network)などのコンピュータ通信網がある。本サーバ10及び、従業者端末20、雇用者端末30、代行者端末40は、専用回線、公衆交換電話網(PSTN)、無線電話網、CATV網、衛星通信網等、その他の通信回線を介して通信ネットワークNWと接続している。また、本サーバ10と金融機関端末50は、専用回線によって接続している。この専用回線には、通信相手が固定された回線を占有する専用線の他、第三者が進入・傍聴・改竄しにくくする技術により帯域共有型の開放された通信網であるVPN(Virtual Private Network)回線等も含まれるものとする。
【0029】
従業者端末20、雇用者端末30又は代行者端末40は、共に本サーバ10と情報の送受信が可能な情報処理装置であればよく、たとえば、パーソナルコンピュータをはじめ、データ通信機能を有するPDA(Personal Digital Assistant)や携帯電話機などで実現される。
また、従業者端末20、雇用者端末30、及び代行者端末40は、図示しないが、CPU(中央処理装置)、プログラム記憶部、マウスやキーボード又はキーボタン等の入力装置、ディスプレイ等の出力装置、OS(オペレーティング・システム)、WWWブラウザ、等を有する。
【0030】
なお、図1及び図2において、一つの従業者端末20しか通信ネットワークNWを介して本サーバ10に接続されていないが、本サーバ10は、従業者の数だけ複数の従業者端末20とそれぞれ接続されている。また、本発明において本サーバ10は、一つの企業だけが専用する場合に限らず、複数の企業が併用する場合も可能である。その場合、本サーバ10は、複数の雇用者端末30とそれぞれ接続されているものとなる。
【0031】
次に、本サーバ10の構成について説明する。
本サーバ10は、図3に示すように、基本的に、従業者振込処理情報データベース(DB)1と、振込情報生成部11と、振込情報記憶部12と、振込情報更新部13と、従業者承認要求部14と、振込実行指示部15と、を少なくとも有している。また、本サーバ10は、必要に応じて、賃金計算情報テーブル(TB)1と、賃金算出部16と、雇用者承認要求部17と、を有するものとしても良い。また、本サーバ10は、勤怠情報生成テーブル(TB)2と、勤怠情報生成部18と、をさらに有するものとしても良い。また、本サーバ10は、雇用者振込処理情報データベース(DB)2をさらに有するものとしても良い。さらに、本サーバ10は、残高情報データベース(DB)3と、残高情報更新部19と、をさらに有するものとしても良い。
【0032】
これらの機能ブロックは、本サーバ10が保持するCPU(中央処理装置)やプログラム記憶部等により構成することができる。CPUは、プログラム記憶部に記憶されたプログラムに従い、本サーバ10の各構成要素を統制制御し、プログラム処理を実行する。プログラム記憶部は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等で構成され、本サーバ10が使用する各種プログラムを記憶している。
【0033】
なお、本サーバ10では、本発明に係る賃金支払プログラム(以下、「本プログラム」という。)を実行することで、以下に説明する本方法を実現する。
また、本プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体(以下、「本記録媒体」という。)を用いれば、図示しないコンピュータを本サーバ10と同様に機能させることができる。すなわち、図示しないコンピュータが、本記録媒体から本プログラムを読み取り、それを実行することで、本方法を実現することができる。
【0034】
従業者振込処理情報DB1は、従業者を特定する従業者識別情報(以下、「従業者ID」という。)と、前記雇用者が賃金の振込を行う振込先情報と、を互いに関連付けて記憶する手段である。
ここで、振込先情報とは、振込先を特定する情報をいい、たとえば金融機関番号、金融機関名、支店番号、支店名、口座番号、口座名といった振込処理に必要な情報を挙げることができる。また、振込先情報には、従業者が開設した金融機関において振込処理に必要な情報の他、従業者が指定する第三者が開設した金融機関において振込処理に必要な情報であっても良い。なお、従業者が指定する第三者とは、従業者が商品やサービス、電子マネー等を購入することで代金の支払先となる、たとえば店舗やクレジットカード会社等をいう。したがって、従業者が事前に所望の振込先情報を複数登録して(記憶させて)おけば、振込指示を行なう際に、適宜振込先を選択すると共に、選択された振込先にいくら振り込むのか振込額を分けて設定することができる。
【0035】
また、従業者振込処理情報DB1は、一つの従業者IDに関連付けて複数の振込先情報を記憶する機能を有している。
【0036】
図4は、従業者振込処理情報DB1に記憶されている情報の例を示す図である。
たとえば、図4に示す従業者振込処理情報データベースでは、従業者IDをインデックスとして、振込先情報1、振込先情報2、振込先情報3・・・といった複数の振込先情報を1レコードとしてデータベースを構成することを示している。
【0037】
雇用者振込処理情報DB2は、雇用者を特定する雇用者IDと、従業者へ賃金の振込を行う振込元情報と、を互いに関連付けて記憶する手段である。
ここで、振込元情報とは、振込元を特定する情報をいい、たとえば金融機関番号、金融機関名、支店番号、支店名、口座番号、口座名、といった振込処理に必要な情報を挙げることができる。また、振込元情報には、雇用者が開設した金融機関において振込処理に必要な情報の他、雇用者より賃金の支払いの委任を受けた振込代行者が開設した金融機関において振込処理に必要な情報も含まれる。なお、振込代行者の場合の振込元情報には、賃金の支払いの委任を行なった雇用者名を振込依頼者名として含める。したがって、雇用者また振込代行者が事前に所望の振込元情報を登録して(記憶させて)おけば、当該振込元情報が金融機関へ通知され、金融機関は振込元情報に基づいて振込処理を実施することになる。
【0038】
図5は、雇用者振込処理情報DB2に記憶されている情報の例を示す図である。
たとえば、図5に示す雇用者振込処理情報データベースでは、雇用者IDをインデックスとして、振込元情報を1レコードとしてデータベースを構成することを示している。
【0039】
残高情報DB3は、雇用者IDと、雇用者が取り扱い可能な金額を示す残高額と、を互いに関連付けて記憶する手段である。
ここで、残高額とは、金融機関に開設した雇用者口座又は代行者口座に実際に預金されている額の他、雇用者を対象として金融機関側にて設定された与信枠に基づいて算定された貸出額をいう。
【0040】
図6は、残高情報DB3に記憶されている情報の例を示す図である。
たとえば、図6に示す残高情報データベースでは、雇用者IDをインデックスとして、残高情報を1レコードとしてデータベースを構成することを示している。
【0041】
賃金計算情報TB1は、従業者の勤務区分や、勤務時間といった勤怠情報から従業者ごとに賃金を計算するために必要な条件を記憶する手段である。
ここで、従業者の勤務区分とは、たとえば平日・休日、朝・昼・夜・深夜といった勤務時間帯による時給を示す区分をいう。なお、勤怠情報から従業者ごとに賃金を計算するために必要な条件はこれに限定されず、任意に設定することができる。
【0042】
図7は、賃金計算情報TB1に記憶されている情報の例を示す図である。
たとえば、図7に示す賃金計算情報テーブルでは、従業者IDと、朝時給情報、昼時給情報、夜時給情報、深夜時給情報、時間外賃金情報、税金控除情報、保険控除情報を関連付けて構成することを示している。
【0043】
勤怠情報生成TB2は、従業者の勤務日や出退勤時刻といった出退勤情報から従業者ごとに勤怠情報を生成するのに必要な条件を記憶手段である。
【0044】
図8は、勤怠情報生成TB2に記憶されている情報の例を示す図である。
たとえば、図8に示す勤怠情報生成テーブルでは、1時間ごとに勤務時間帯区分を関連付けて構成することを示している。なお、出退勤情報から従業者ごとに勤怠情報を生成するのに必要な条件はこれに限定されず、任意に設定することができる。
【0045】
振込情報生成部11は、雇用者端末30より、従業者IDと、従業者に対して支払う賃金の振込額と、従業者への賃金支払に同意する雇用者の承認情報と、を含む賃金支払承認情報を受信し、従業者IDと、振込額と、を少なくとも含む振込情報を生成する処理を行なう。
この振込情報生成部11にて生成された振込情報は、振込情報記憶部12又は振込情報更新部13へ送信される。
【0046】
この際、振込情報生成部11は、たとえば、賃金支払承認情報受信部11aと、賃金支払承認情報処理部11bと、から構成されるものとすることができる。
すなわち、賃金支払承認情報受信部11aが、雇用者端末30より、従業者IDと、従業者に対して支払う賃金の振込額と、従業者への賃金支払に同意する雇用者の承認情報と、を含む賃金支払承認情報を受信する処理を行なう。
引き続き、賃金支払承認情報処理部11bが、従業者IDと、振込額と、を少なくとも含む振込情報を生成する処理を行なう。
【0047】
また、振込情報生成部11は、代行者端末40より、従業者IDと、従業者に対して支払う賃金の振込額と、雇用者IDと、従業者への賃金支払に同意する雇用者の承認情報と、を含む賃金支払承認情報を受信し、従業者IDと、振込額と、を少なくとも含む振込情報を生成する処理を行なう。
この振込情報生成部11にて生成された振込情報は、振込情報記憶部12又は振込情報更新部13へ送信される。
【0048】
この際、振込情報生成部11は、たとえば、賃金支払承認情報受信部11aと、賃金支払承認情報処理部11bと、から構成されるものとすることができる。
すなわち、賃金支払承認情報受信部11aが、代行者端末40より、従業者IDと、従業者に対して支払う賃金の振込額と、雇用者IDと、従業者への賃金支払に同意する雇用者の承認情報と、を含む賃金支払承認情報を受信する処理を行なう。
引き続き、賃金支払承認情報処理部11bが、従業者IDと、振込額と、を少なくとも含む振込情報を生成する処理を行なう。
【0049】
また、振込情報生成部11は、雇用者IDを含む賃金支払承認情報を受信して雇用者IDをさらに含む振込情報を生成する処理を行なう機能を有している。
この場合、振込情報生成部11では、賃金支払承認情報受信部11aが、雇用者端末30より、従業者IDと、従業者に対して支払う賃金の振込額と、従業者への賃金支払に同意する雇用者の承認情報と、雇用者IDと、を含む賃金支払承認情報を受信する処理を行なう。
そして、賃金支払承認情報処理部11bが、従業者IDと、振込額と、雇用者IDと、を含む振込情報を生成する処理を行なう。
【0050】
振込情報記憶部12は、振込情報生成部11にて生成した振込情報を、従業者IDと、振込額と、を互いに関連付けて記憶する手段である。
また、振込情報記憶部12は、従業者IDと互いに関連付けてさらに雇用者IDを記憶する機能を有している。
【0051】
図9は、振込情報記憶部12に記憶されている情報の例を示す図である。
たとえば、図9に示す振込情報記憶部では、従業者IDと、振込額情報と、雇用者IDと、を関連付けて構成することを示している。
【0052】
振込情報更新部13は、振込情報生成部11での振込情報の生成に応じ、振込情報記憶部12を参照して新たに生成された振込情報に含まれる従業者IDに基づいて既存の振込情報を特定し、既存の振込情報に含まれる振込額と、新たに生成された振込情報に含まれる振込額とを加算集計して振込額を更新する処理を行なう。
この振込情報更新部13にて更新された振込額情報は、振込情報記憶部12へ送信される。
【0053】
この際、振込情報更新部13は、たとえば、振込情報確認部13aと、振込額加算部13bと、から構成されるものとすることができる。
すなわち、振込情報確認部13aが、振込情報生成部11での振込情報の生成に応じ、振込情報記憶部12を参照して新たに生成された振込情報に含まれる従業者IDに基づいて既存の振込情報を特定する処理を行なう。
引き続き、振込額加算部13bが、既存の振込情報に含まれる振込額と、新たに生成された振込情報に含まれる振込額とを加算集計して振込額を更新する処理を行なう。
【0054】
従業者承認要求部14は、従業者端末20より、従業者IDと共に、賃金の支払いを求める振込要求情報を受信し、振込情報記憶部12を参照して従業者IDに基づき振込額を特定すると共に、従業者振込処理情報DB1を参照して従業者IDに基づき振込先情報を特定し、特定した振込額及び振込先情報を含む振込実行情報を従業者端末20へ送信して従業者による振込実行の承認を求める処理を行なう。
【0055】
この際、従業者承認要求部14は、振込要求情報受信部14aと、振込要求情報特定部14bと、振込実行情報送信部14eと、から構成されるものとすることができる。
すなわち、振込要求情報受信部14aが、従業者端末20より、従業者IDと共に、賃金の支払いを求める振込要求情報を受信する処理を行なう。
次いで、振込要求情報特定部14bが、振込情報記憶部12を参照して振込要求情報に含まれる従業者IDに基づき振込額を特定すると共に、従業者振込処理情報DB1を参照して従業者IDに基づき振込先情報を特定する処理を行なう。
そして、振込実行情報送信部14eが、特定した振込額及び振込先情報を含む振込実行情報を従業者端末20へ送信して従業者による振込実行の承認を求める処理を行なう。
【0056】
また、従業者承認要求部14は、振込要求情報の受信に応じた振込情報の特定後、特定した振込情報に含まれる振込額を抽出すると共に、残高情報DB3を参照して残高額を抽出し、振込額と残高額との大きさを比較して残高額が大きい場合に、引き続き振込先情報を特定して振込実行情報を従業者端末20へ送信する処理を行なう機能を有している。
【0057】
この際、従業者承認要求部14は、振込要求情報受信部14aと、振込要求情報特定部14bと、残高情報確認部14dと、振込実行情報送信部14eと、から構成されるものとすることができる。
すなわち、振込要求情報受信部14aが、従業者端末20より、従業者IDと共に、賃金の支払いを求める振込要求情報を受信する処理を行なう。
次いで、振込要求情報特定部14bが、振込情報記憶部12を参照して振込要求情報に含まれる従業者IDに基づき振込情報を特定すると共に、従業者振込処理情報DB1を参照して従業者IDに基づき振込先情報を特定する処理を行なう。
引き続き、残高情報確認部14dが、特定した振込情報に含まれる振込額を抽出すると共に、残高情報DB3を参照して残高額を抽出し、振込額と残高額との大きさを比較して残高額が大きい場合に、引き続き振込先情報を特定する処理を行なう。
そして、振込実行情報送信部14eが、特定した振込情報及び振込先情報を含む振込実行情報を従業者端末20へ送信して従業者による振込実行の承認を求める処理を行なう。
【0058】
また、従業者承認要求部14は、振込要求情報の受信に応じ、振込情報記憶部12を参照して従業者IDに基づき振込情報を特定すると共に、従業者振込処理情報DB1を参照して従業者IDに基づき記憶されている複数の振込先情報の中から1つを特定することが可能な振込先選択要求情報を生成し、特定した振込情報及び生成した振込先選択要求情報を振込実行情報として従業者端末20へ送信するすると共に、振込先選択要求情報の送信に応じて従業者端末20より、振込先を特定する振込先選択情報を受信し、従業者振込処理情報DB1を参照して振込先選択情報に基づき振込先情報を抽出し、抽出した振込先情報を含む振分額指定要求情報を生成し、当該振分額指定要求情報を振込実行情報として従業者端末へ送信する処理を行なう機能を有している。
【0059】
この際、従業者承認要求部14は、振込要求情報受信部14aと、振込要求情報特定部14bと、振込先選択要求情報生成部14cと、振込実行情報送信部14eと、から構成されるものとすることができる。
すなわち、振込要求情報受信部14aが、従業者端末20より、従業者IDと共に、賃金の支払いを求める振込要求情報を受信する処理を行なう。
次いで、振込要求情報特定部14bが、振込情報記憶部12を参照して従業者IDに基づき振込情報を特定すると共に、従業者振込処理情報DB1を参照して従業者IDに基づき記憶されている振込先情報の数を確認する処理を行なう。
引き続き、振込先選択要求情報生成部14cが、振込先情報の数が複数ある場合に、従業者IDに基づき記憶されている複数の振込先情報の中から1つを特定することが可能な振込先選択要求情報を生成し、特定した振込情報及び生成した振込先選択要求情報を振込実行情報として従業者端末20へ送信する処理を行なう。
【0060】
また、振込実行情報の従業者端末20への送信に伴い、振込要求情報受信部14aが、振込先選択要求情報の送信に応じて従業者端末20より、振込先を特定する振込先選択情報を受信する処理を行なう。
次いで、振込要求情報特定部14bが、従業者振込処理情報DB1を参照して振込先選択情報に基づき振込先情報を抽出する処理を行なう。
引き続き、振込先選択要求情報生成部14cが、抽出した振込先情報を含む振分額指定要求情報を生成する処理を行なう。
そして、振込実行情報送信部14eが、特定した振込情報及び生成した振込先選択要求情報を振込実行情報として従業者端末20へ送信して従業者による振込実行の承認を求める処理を行なう。
【0061】
さらに、従業者承認要求部14は、振込実行指示部15での振分額と振込額との大きさの比較の結果、振分額の大きさが振込額の大きさより小さく、振込実行後の振込残額が0以上である場合、再度、振込先選択要求情報を生成して従業者端末20へ送信する処理を行なう機能を有している。
【0062】
すなわち、振込要求情報受信部14aが、振込実行後の振込残額が0以上であることを通知する振込実行指示部15からの情報を受信する処理を行なう。
引き続き振込先選択要求情報生成部14cが、再度、従業者振込処理情報DB1を参照して従業者IDに基づき記憶されている複数の振込先情報の中から1つを特定することが可能な振込先選択要求情報を生成する処理を行なう。
そして、振込実行情報送信部14eが、振込残額情報及び生成した振込先選択要求情報を振込実行情報として従業者端末20へ送信して従業者による振込実行の承認を求める処理を行なう。
【0063】
振込実行指示部15は、従業者承認要求部14での振込実行情報の送信に応じ、従業者端末20より、振込実行情報と共に、振込実行に同意する従業者の振込実行承認情報を受信し、金融機関に対する振込実行指示として前記振込実行情報を金融機関端末50に対して送信する処理を行なう。
ここで、金融機関に対する振込実行指示とは、従業者によって承認された振込実行情報を金融機関端末50へ送信することをいい、振込実行情報には、振込額を含む振込情報と、振込先情報とが含まれている。なお、振込実行情報には、振込元情報を含めるものとしても良い。すなわち、雇用者が自ら開設した雇用者口座を介して賃金の支払いを行なう場合のように、振込元情報が不変であり、金融機関側に振込元情報の登録が可能である場合は、事前に金融機関側に振込元情報の登録を行うことで、振込実行情報に振込元情報を含めて送信することは不要である。一方、雇用者より賃金の支払いの委任を受けた振込代行者が開設した代行者口座を介して賃金の支払いを行なう場合のように、振込元情報に変更があり、金融機関側に振込元情報を登録することができない場合は、振込実行情報に振込元情報を含めて送信することを要する。
【0064】
この際、振込実行指示部15は、振込実行承認情報受信部15aと、振込情報送信部15dと、から構成されるものとすることができる。
すなわち、振込実行承認情報受信部15aが、従業者承認要求部14での振込実行情報の送信に応じ、従業者端末20より、振込実行情報と共に、振込実行に同意する従業者の振込実行承認情報を受信する処理を行なう。
そして、振込情報送信部15dが、金融機関に対する振込実行指示として前記振込実行情報を金融機関端末50に対して送信する処理を行なう。
【0065】
また、振込実行指示部15は、振込実行承認情報の受信後、雇用者振込処理情報DB4を参照して承認が得られた振込実行情報に含まれる雇用者IDに基づいて振込元情報を特定し、特定した振込元情報を含む振込実行情報を金融機関端末50に対して送信する機能を有している。
【0066】
この際、振込実行指示部15は、振込実行承認情報受信部15aと、振込元情報特定部15bと、振込情報送信部15dと、から構成されるものとすることができる。
すなわち、振込実行承認情報受信部15aが、従業者端末20より、振込実行に同意する従業者の振込実行承認情報を受信する処理を行なう。
引き続き振込元情報特定部15bが、雇用者振込処理情報DB4を参照して承認が得られた振込実行情報に含まれる雇用者IDに基づいて振込元情報を特定する処理を行なう。
そして、振込情報送信部15dが、特定した振込元情報を含む振込実行情報を金融機関端末50へ送信する処理を行なう。
【0067】
また、振込実行指示部15は、専用回線を介して振込実行情報の送信を行う機能を有している。専用回線を介して振込実行情報を金融機関端末50へ送信することで、金融機関端末50に対するセキュリティを担保することができる。
【0068】
また、振込実行指示部15は、従業者端末20より、振込額を指定する振分額情報を含む、振込実行に同意する従業者の振込実行承認情報を受信し、振込情報記憶部12を参照して従業者IDに基づき振込情報を特定してその振込額情報を抽出し、受信した振分額と抽出した振込額との大きさを比較して振分額の大きさが振込額の大きさ以下である場合、振込実行承認情報に含まれる振込先情報を特定し、特定した振込先情報及び振分額を振込実行情報として金融機関端末50へ送信する機能を有している。
【0069】
この際、振込実行指示部15は、振込実行承認情報受信部15aと、振込情報比較部15cと、振込情報送信部15dと、から構成されるものとすることができる。
すなわち、振込実行承認情報受信部15aが、従業者端末20より、振込額を指定する振分額情報を含む、振込実行に同意する従業者の振込実行承認情報を受信する処理を行なう。
引き続き振込情報比較部15cが、振込情報記憶部12を参照して従業者IDに基づき振込情報を特定してその振込額情報を抽出し、受信した振分額と抽出した振込額との大きさを比較して振分額の大きさが振込額の大きさ以下である場合、振込実行承認情報に含まれる振込先情報を特定する処理を行なう。
そして、振込情報送信部15dが、特定した振込先情報及び振分額を振込実行情報として金融機関端末50へ送信する処理を行なう。
【0070】
さらに、振込実行指示部15は、振分額と振込額との大きさを比較した結果、振分額の大きさが振込額の大きさ以下であり、振込実行後の振込残額が0以上であることを通知する情報を従業者承認要求部14へ送信する機能を有している。
【0071】
賃金算出部16は、従業者IDを含む従業者の勤怠情報の受信に応じ、賃金計算情報TB1を参照して従業者に対して支払う賃金を算出する処理を行なう。
この際、賃金算出部16は、勤怠情報受信部16aと、勤怠情報処理部16bと、から構成されるものとすることができる。
すなわち、勤怠情報受信部16aが、従業者IDを含む従業者の勤怠情報を受信する処理を行なう。
そして、勤怠情報処理部16bが、賃金計算情報TB1を参照して従業者に対して支払う賃金を算出する処理を行なう。
【0072】
雇用者承認要求部17は、賃金算出部16での賃金の算出に応じ、従業者IDと、従業者に対して支払う賃金の振込額と、を含む賃金支払情報を雇用者端末30へ送信し、従業者への賃金支払に同意する雇用者側の承認を求める処理を行なう。
【0073】
勤怠情報生成部18は、従業者IDを含む出退勤情報の受信に応じ、勤怠情報生成TB2を参照して従業者の勤怠情報を生成する処理を行なう。ここで、出退勤時刻情報は、たとえば従業者が出勤時又は退勤時に勤務先において利用するタイムレコーダより取得することがでる。この場合、タイムレコーダは、通信ネットワークを介して本サーバ10と接続された、いわゆるインターネットタイムレコーダであり、本発明では、説明の便宜上、このインターネットタイムレコーダを雇用者端末30として扱うものとする。
【0074】
この際、勤怠情報生成部18は、出退勤情報受信部18aと、出退勤情報処理部18bと、から構成されるものとすることができる。
すなわち、出退勤情報受信部18aが、従業者IDを含む出退勤情報を受信する処理を行なう。
そして、出退勤情報処理部18bが、勤怠情報生成TB2を参照して従業者の勤怠情報を生成する処理を行なう。
【0075】
残高情報更新部19は、振込実行指示部15での振込実行情報の送信に応じ、金融機関端末50より、雇用者IDと、振込実行後の残高額と、を含む振込処理完了情報を受信し、雇用者IDに基づいて残高情報DB3に記憶する雇用者の残高額を最新の残高額に書き換える処理を行なう。
【0076】
この際、残高情報更新部19は、振込処理完了情報受信部19aと、残高情報書換部19bと、から構成されるものとすることができる。
すなわち、振込処理完了情報受信部19aが、振込実行指示部15での振込実行情報の送信に応じ、金融機関端末50より、雇用者IDと、振込実行後の残高額と、を含む振込処理完了情報を受信する処理を行なう。
そして、残高情報書換部19bが、雇用者IDに基づいて残高情報DB3に記憶する雇用者の残高額を最新の残高額に書き換える処理を行なう。
【0077】
次に、本発明の実施の形態に係る本サーバ10を用いた本方法を実施するためのシステムであって、雇用者が開設した雇用者口座を管理する金融機関において、雇用者口座を介して雇用者から従業者に対して賃金の支払いを行うようにした場合の概要について、図1に基づき説明する。
【0078】
図1に示すように、まず、従業者が雇用者に対して労働を提供する(A.参照)。
そうすると雇用者端末30は、従業者の出退勤時刻を取得する(1.参照)。
雇用者端末30は、従業者の出退勤時刻から勤怠情報を生成する(2.参照)。
引き続き雇用者端末30は、生成した勤怠情報から従業者の労働に対する賃金を算出する(3.参照)。
そして、雇用者端末30は、算出した賃金の支払を承認し、賃金支払承認情報を本サーバ10へ送信する(4.参照)。
【0079】
本サーバ10は、雇用者端末30より送信された賃金支払承認情報を受信する(5.参照)。
引き続き本サーバ10は、受信した賃金支払承認情報に基づき振込情報を生成し、振込情報記憶部に一時的に記憶する(6.参照)。
また、本サーバ10は、新たな賃金支払承認情報の受信に応じて振込情報を更新する(7.参照)。
【0080】
従業者端末20は、振込要求情報を本サーバ10へ送信することで賃金の振込を要求し、さらに、振込実行情報を本サーバ10へ送信することで賃金の振込を承認する(8.参照)。
本サーバ10は、従業者端末20より送信された振込実行情報を受信する(9.参照)。
そして、本サーバ10は、振込実行情報を金融機関端末50へ送信することで、賃金の振込指示を金融機関に対して行う(10.参照)。
【0081】
その後、金融機関端末50は、振込実行情報に基づき、雇用者が金融機関に開設した雇用者口座から従業者の口座へ賃金の振込を行う(B.参照)。
したがって、従業者は自分の口座から賃金を引き出すことが可能となる。
また、金融機関端末50は、本サーバ10からの振込実行情報の送金による賃金の振込指示に応じ、振込結果を本サーバ10へ送信する(C.参照)。この振込結果とは、賃金の振込が行えたことを通知する(OK)情報や、賃金の振込が行えなかったことを通知する(NG)情報であり、賃金の振込が行えなかった場合、その原因を含めて通知する。賃金の振込が行えなかった場合の原因としては、口座番号ミス、支店番号ミス、指定された人(従業者)が存在しない、金額が制限を越えている(たとえば1日10万円以上稼いでいる場合振込できなくする)といったものを挙げることができる。
【0082】
本サーバ10は、金融機関端末50への振込実行情報の送信、又は金融機関端末50より送信された振込結果の受信に応じ、勤務実績、賃金、支払済金額、残高等といった情報を生成し、記憶する(D.参照)。
また、従業者端末20は、本サーバ10に対して勤務実績、賃金、支払済金額、残高等といった情報の閲覧を求めることに応じて、これら情報を取得し、閲覧を行なう(E1.参照)。
一方、雇用者端末30も、本サーバ10に対して勤務実績、賃金、支払済金額、残高等といった情報の閲覧を求めることに応じて、これら情報を取得し、閲覧を行なう(E2.参照)。
そして、雇用者端末30はさらに、社会保険、税金等の変更による正規給与支払額と実質振込金額の差分を算出し、翌月調整金額として調整・補正する(F.参照)。
【0083】
これにより、従業者からの要求に応じ、金融機関に開設した雇用者の口座を介して従業者が既に提供した労働についての賃金の支払いをすぐに行うことができる。しかも、賃金の支払いに際して、雇用者や金融機関に負担を掛けることもない。
【0084】
引き続き、本発明の実施の形態に係る本サーバ10を用いた本方法を実施するためのシステムであって、雇用者より賃金の支払いの委任を受けた振込代行者が開設した代行者口座を管理する金融機関において、見かけ上雇用者口座となる代行者口座を介して雇用者から従業者に対して賃金の支払いを行うようにした場合の概要について、図2に基づき説明する。
【0085】
図2に示すように、まず、従業者が雇用者に対して労働を提供する(A.参照)。
そうすると雇用者端末30は、従業者の出退勤時刻を取得する(21.参照)。
雇用者端末30は、従業者の出退勤時刻から勤怠情報を生成する(22.参照)。
引き続き雇用者端末30は、生成した勤怠情報から従業者の労働に対する賃金を算出する(23.参照)。
そして、雇用者端末30は、算出した賃金の支払を承認し、賃金支払承認情報を代行者端末40へ送信する(24.参照)。
【0086】
代行者端末40は、雇用者端末30より送信された賃金支払承認情報を受信する(25.参照)。
引き続き代行者端末40は、受信した賃金支払承認情報を本サーバ10へ送信する(26.参照)。
本サーバ10は、代行者端末40より送信された賃金支払承認情報を受信する(27.参照)。
引き続き本サーバ10は、受信した賃金支払承認情報に基づき振込情報を生成し、振込情報記憶部に一時的に記憶する(28.参照)。
また、本サーバ10は、新たな賃金支払承認情報の受信に応じて振込情報を更新する(29.参照)。
【0087】
従業者端末20は、振込要求情報を本サーバ10へ送信することで賃金の振込を要求し、さらに、振込実行情報を本サーバ10へ送信することで賃金の振込を承認する(30.参照)。
本サーバ10は、従業者端末20より送信された振込実行情報を受信する(31.参照)。
そして、本サーバ10は、振込実行情報を金融機関端末50へ送信することで、賃金の振込指示を金融機関に対して行う(32.参照)。
【0088】
その後、金融機関端末50は、振込実行情報に基づき、振込代行者が金融機関に開設した代行者口座から従業者の口座へ雇用者の名義で賃金の振込を行う(B.参照)。
したがって、従業者は自分の口座から賃金を引き出すことが可能となる。
また、金融機関端末50は、本サーバ10からの振込実行情報の送金による賃金の振込指示に応じ、振込結果を本サーバ10へ送信する(C.参照)。この振込結果とは、賃金の振込が行えたことを通知する(OK)情報や、賃金の振込が行えなかったことを通知する(NG)情報であり、賃金の振込が行えなかった場合、その原因を含めて通知する。賃金の振込が行えなかった場合の原因としては、口座番号ミス、支店番号ミス、指定された人(従業者)が存在しない、金額が制限を越えている(たとえば1日10万円以上稼いでいる場合振込できなくする)といったものを挙げることができる。
【0089】
本サーバ10は、金融機関端末50への振込実行情報の送信、又は金融機関端末50より送信された振込結果の受信に応じ、勤務実績、賃金、支払済金額、残高等といった情報を生成し、記憶する(D.参照)。
また、従業者端末20は、本サーバ10に対して勤務実績、賃金、支払済金額、残高等といった情報の閲覧を求めることに応じて、これら情報を取得し、閲覧を行なう(E1.参照)。
一方、雇用者端末30も、本サーバ10に対して勤務実績、賃金、支払済金額、残高等といった情報の閲覧を求めることに応じて、これら情報を取得し、閲覧を行なう(E2.参照)。
そして、雇用者端末30はさらに、社会保険、税金等の変更による正規給与支払額と実質振込金額の差分を算出し、翌月調整金額として調整・補正する(F.参照)。
【0090】
これにより、従業者からの要求に応じ、見かけ上雇用者口座となる代行者の口座を介して従業者が既に提供した労働についての賃金の支払いをすぐに行うことができる。しかも、賃金の支払いに際して、雇用者や金融機関に負担を掛けることもない。
【0091】
次に、図3に示した上述した本サーバ10により実行される本方法の一例を図面に基づき説明する。
<第1の実施の形態>
まず、第1の実施の形態として実行される方法の詳細な一例を図10に基づき説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態に係る賃金支払方法の詳細な処理の流れを示すシーケンス図である。
本実施の形態では、本サーバ10が、従業者による雇用者に対しての労働の提供が完了(勤務が終了)するごとに、雇用者端末30又は代行者端末40(以下、「雇用者端末30等」という)より、従業者の労働に対して算出した賃金の支払を承認する賃金支払承認情報を受信して振込情報を生成する。その後、従業者が必要な時に自分で賃金の振込を指示(承認)することで、本サーバ10が、従業者端末20より振込実行情報を受信する。そして、本サーバ10が、前記振込実行情報を金融機関端末50へ送信することで、雇用者が開設した雇用者口座又は振込代行者が開設した代行者口座を管理する金融機関において、雇用者口座又は見かけ上雇用者口座となる代行者口座を介して雇用者から従業者に対して賃金の支払いを行うようにした場合について説明する。
【0092】
まず、本サーバ10は、従業者IDと、振込先情報と、を互いに関連付けて従業者振込処理情報DB1に記憶しておく((A)参照)。
次に、雇用者端末30等は、従業者の勤務が終了した後、従業者IDと、従業者に対して支払う賃金の振込額と、従業者への賃金支払に同意する雇用者の承認情報と、必要に応じて雇用者IDを含む賃金支払承認情報を本サーバ10へ送信する((10)参照)。なお、必要に応じてとは、賃金支払承認情報を代行者端末40より受信した場合、従業者に対して賃金の支払いを行うことを委任(依頼)した雇用者の特定が必要になるので、この場合は雇用者IDを含むことを意味し、以下同様とする。
【0093】
本サーバ10は、雇用者端末30等より送信された賃金支払承認情報を受信する((20)参照)。
引き続き本サーバ10は、従業者IDと、振込額と、必要に応じて雇用者IDを含む振込情報を生成する((30)参照)。
そして、本サーバ10は、生成した振込情報を、従業者IDと、振込額と、必要に応じて雇用者IDと、を互いに関連付けて振込情報記憶部12に記憶する((40)参照)。
【0094】
また、雇用者端末30等は、引き続き従業者の勤務が終了した後、賃金支払承認情報を本サーバ10へ送信する((50)参照)。
本サーバ10は、雇用者端末30等より送信された賃金支払承認情報を受信する((60)参照)。
引き続き本サーバ10は、従業者IDと、振込額と、を少なくとも含む振込情報を生成する((70)参照)。
【0095】
次いで、本サーバ10は、振込情報記憶部12を参照して新たに生成された振込情報に含まれる従業者IDに基づいて既存の振込情報を特定し、新たに生成された振込情報に含まれる振込額と、既存の振込情報に含まれる振込額とを加算集計して振込額を更新する((80)参照)。
そして、本サーバ10は、更新された振込額を、従業者IDと、必要に応じて雇用者IDと、を互いに関連付けて振込情報記憶部12に記憶する((90)参照)。
【0096】
一方、従業者が賃金の支払を望む場合、従業者は従業者端末20を起動し、通信ネットワークNWを介して本サーバ10に接続し、本サーバ10に構築された賃金支払システムサイトにアクセスしてホームページをダウンロードする。
従業者は賃金支払システムサイトを訪問し、事前に付与されたユーザIDと、事前に設定したパスワードを入力し、ログインする。なお、ログイン中、従業者IDは一時的に記憶されている。
【0097】
この賃金支払システムサイトは、たとえば図11に示すような形で表すことが出来る。図11は、本サーバ10と接続した従業者端末20のディスプレイに表示された賃金支払システムサイトのログイン画面の一例を示す図である。この賃金支払システムログイン画面100には、「お客さまのIDとパスワードを入力して下さい。」といった案内と共に、このシステムの利用が可能な会員であることを確認するユーザID入力欄101と、パスワード入力欄102とからなる会員ログイン欄が表示されている。また、賃金支払システムログイン画面100には、会員ログイン欄に入力したユーザIDやパスワードにてログインを実行するための「ログイン」ボタン108と、作業の取り消しを求める「キャンセル」ボタン109とが表示されている。
【0098】
したがって、賃金支払システムサイトにて賃金の支払を望む従業者は、会員であれば、ユーザID入力欄101にユーザIDを入力し、パスワード入力欄102にパスワードを入力した後、「ログイン」ボタン108を選択してログインする。
賃金支払システムログイン画面100にて「ログイン」ボタン108を選択すると、認証の結果、会員登録されていることが認められログインすることで、引き続きメニュー選択画面が従業者端末20のディスプレイに表示される。
【0099】
このメニュー選択画面は、たとえば図12に示すような形で表すことが出来る。図12は、本サーバ10と接続した従業者端末20のディスプレイに表示されたメニュー選択画面の一例を示す図である。このメニュー選択画面110には、希望勤務時間の登録や休暇の届出を行う「勤務希望・休暇申請」ボタン111、勤務予定や勤務実績を確認する「勤務予定・勤務実績」ボタン112、支払われる賃金の給与明細を確認する「給与明細」ボタン113、支払われる賃金の振込を希望する「振込」ボタン114、支払われる賃金の振込を承認するパスワードの変更を希望する「パスワード変更」ボタン115、・・・及び賃金支払システムサイトでの作業を終了する「終了」ボタン119、がそれぞれ表示されている。
【0100】
したがって、賃金の支払を望む従業者は、「振込」ボタン114を選択する。
これにより、従業者端末20は、従業者IDと共に、賃金の支払いを求める振込要求情報を本サーバ10へ送信する((100)参照)。
本サーバ10は、従業者端末20より送信された振込要求情報を受信する((110)参照)。
次いで、本サーバ10は、振込情報記憶部12を参照して従業者IDに基づき振込額を特定すると共に、従業者振込処理情報DB1を参照して従業者IDに基づき振込先情報を特定する((120)参照)。
引き続き本サーバ10は、特定した振込額と振込先情報、必要に応じて雇用者IDを含む振込実行情報を従業者端末20へ送信して従業者による振込実行の承認を求める((130)参照)。
【0101】
従業者端末20は、本サーバ10より送信された振込実行情報を受信する((140)参照)。
すなわち、従業者端末20のディスプレイに表示されたメニュー選択画面110にて「振込」ボタン114を選択すると、引き続き振込実行承認画面が従業者端末20のディスプレイに表示される。
【0102】
この振込実行承認画面は、たとえば図13に示すような形で表すことが出来る。図13は、本サーバ10と接続した従業者端末20のディスプレイに表示された振込実行承認画面の一例を示す図である。この振込実行承認画面120には、従業者の氏名、従業者に対して支払われる本日までの給与額、振込手数料、実質振込金額、銀行名や支店名及び口座番号といった振込先口座情報、振込元企業情報として雇用者名称、といった振込を実行する内容を通知する振込実行確認情報欄121が表示されていると共に、振込を実行する内容に同意して承認を行なったことを証するためにパスワードの入力を求めるPW入力欄122が設けられている。また、第1の振込実行承認画面120には、振込実行に同意する振込実行承認情報を実行するための「送信」ボタン129が設けられている。図13において、従業者の氏名として○○○○、本日までの給与額として¥37,000、振込手数料として¥210、実質振込金額として¥36,790、振込先として××銀行、△△支店、口座番号888888、振込元企業情報として○×△株式会社が表示されている。なお、この○×△株式会社は、振込元情報として雇用者振込処理情報DB2に記憶された口座名、又は賃金の支払いの委任を行なった振込依頼者としての雇用者の名称である。
【0103】
したがって、振込実行に同意する従業者は、PW入力欄122にパスワードを入力した後、「送信」ボタン129を選択する。
これにより、従業者端末20は、振込実行に同意する従業者の振込実行承認情報を本サーバ10へ送信する((150)参照)。
【0104】
本サーバ10は、従業者端末20より送信された振込実行承認情報を受信する((160)参照)。
そして、本サーバ10は、振込実行情報を金融機関端末50へ送信することで、振込実行情報に基づく賃金の振込指示を金融機関に対して行う((170)参照)。
【0105】
これにより、従業者からの要求に応じ、従業者自身が振込指示(承認)をすることで、雇用者口座又は代行者口座から従業者口座へ振込を実行する指示がなされ、既に提供した労働についての賃金の支払いをすぐに行うことが可能となる。
【0106】
<第2の実施の形態>
また、本発明では、本サーバ10における雇用者端末30等から送信される賃金支払承認情報の受信に先立ち、雇用者端末30等から勤怠情報を受信し、本サーバ10において従業者に対して支払う賃金の振込額を計算した後、雇用者端末30に対して従業者への賃金支払に同意する雇用者側の承認を求めるようにすることもできる。すなわち、上述した第1の実施の形態とは、賃金支払承認情報の受信前に、勤怠情報を受信し、従業者に対して支払う賃金の振込額を計算する点が異なる。
【0107】
以下、その処理についての一例を図14に基づき説明する。
図14は、本発明の第2の実施の形態に係る賃金支払方法において勤怠情報から賃金支払承認情報を受信する場合の流れの一例を示すシーケンス図である。
なお、本実施の形態以降においては、先に説明した第1の実施の形態と異なる部分を中心に説明する。したがって、上記第1の実施の形態と同様の構成部分の説明は省略し、特に説明しない限り同じであるものとする。
【0108】
まず、本サーバ10は、従業者IDと、振込先情報と、を互いに関連付けて従業者振込処理情報DB1に記憶しておく((A)参照)。
また、本サーバ10は、勤怠情報から従業者ごとに賃金を計算するために必要な条件を記憶した賃金計算情報TB1に記憶しておく((B)参照)。
【0109】
本サーバ10が、たとえば雇用者端末30等から従業者IDを含む勤怠情報を受信する((B10)参照)。
引き続き本サーバ10は、賃金計算情報TB1を参照して従業者に対して支払う賃金を算出する((B20)参照)。
そして、本サーバ10は、従業者IDと、従業者に対して支払う賃金の振込額と、を含む賃金支払情報を雇用者端末30等へ送信し、従業者への賃金支払に同意する雇用者側の承認を求める((B30)参照)。なお、賃金支払情報が代行者端末40へ送信された場合、賃金支払情報は、代行者端末40より雇用者端末30へさらに送信され、従業者への賃金支払に同意する雇用者側の承認が求められるものとなる。
【0110】
雇用者端末30等は、本サーバ10から送信された賃金支払情報を受信する((B40)参照)。
引き続き雇用者端末30等は、従業者への賃金支払に同意し、賃金支払情報を承認する情報の入力を受け付ける((B50)参照)。
そして、雇用者端末30等は、従業者に対して支払う賃金の振込額と、従業者への賃金支払に同意する雇用者の承認情報と、を含む賃金支払承認情報を本サーバ10へ送信する((10)参照)。なお、雇用者端末30が代行者端末40より前記承認を求められた場合、従業者への賃金支払に同意する雇用者の承認情報は、これと逆の経路を辿り、雇用者端末30から代行者端末40へ送信され、そして、代行者端末40から本サーバ10へ送信されるものとなる。
【0111】
そして、本サーバ10は、雇用者端末30より送信された賃金支払承認情報を受信し((20)参照)、以後、上述した第1の実施の形態と同様の流れとなる。
【0112】
これにより、雇用者端末30等から勤怠情報を受信した場合でも、勤怠情報に基づいて従業者に対して支払う賃金の振込額を計算し、さらに、雇用者端末30に対して従業者への賃金支払に同意する雇用者側の承認を求めることで、雇用者端末30から送信される賃金支払承認情報を受信することができる。したがって、その後は上述した第1の実施の形態と同様に、従業者からの要求に応じ、従業者自身が振込指示(承認)をすることで、雇用者口座又は代行者口座から従業者口座へ振込を実行する指示がなされ、既に提供した労働についての賃金の支払いをすぐに行うことが可能となる。
【0113】
<第3の実施の形態>
また、本発明では、本サーバ10において雇用者端末30から送信される賃金支払承認情報の受信に先立ち、雇用者端末30等から出退勤情報を受信し、本サーバ10において出退勤情報から従業者ごとに勤怠情報を生成すると共に、従業者に対して支払う賃金の振込額を計算した後、雇用者端末30に対して従業者への賃金支払に同意する雇用者側の承認を求めるようにすることもできる。すなわち、上述した第2の実施の形態とは、勤怠情報の代わりに出退勤情報を受信する点が異なり、上述した第1の実施の形態とは、賃金支払承認情報の受信前に、出退勤情報を受信し、勤怠情報を生成した後、従業者に対して支払う賃金の振込額を計算する点が異なる。
【0114】
以下、その処理についての一例を図15に基づき説明する。
図15は、本発明の第3の実施の形態に係る賃金支払方法において出退勤情報から勤怠情報を生成する場合の流れの一例を示すシーケンス図である。
まず、本サーバ10は、従業者IDと、振込先情報と、を互いに関連付けて従業者振込処理情報DB1に記憶しておく((A)参照)。
また、本サーバ10は、勤怠情報から従業者ごとに賃金を計算するために必要な条件を賃金計算情報TB1に記憶しておく((B)参照)。
さらに、本サーバ10は、出退勤情報から従業者ごとに勤怠情報を生成するのに必要な条件を勤怠情報生成TB2に記憶しておく((C)参照)。
【0115】
本サーバ10が、たとえば雇用者端末30等から従業者IDを含む出退勤情報の受信する((C10)参照)。
引き続き本サーバ10は、勤怠情報生成TB2を参照して従業者の勤怠情報を生成する((C20)参照)。
その後、本サーバ10は、上述した第2の実施の形態と同様に、賃金計算情報TB1を参照して従業者に対して支払う賃金を算出する((B20)参照)。
そして、本サーバ10は、従業者IDと、従業者に対して支払う賃金の振込額と、を含む賃金支払情報を雇用者端末30へ送信し、従業者への賃金支払に同意する雇用者側の承認を求め、雇用者端末30より送信された賃金支払承認情報を受信し、以後、上述した第1の実施の形態と同様の流れとなる。
【0116】
これにより、雇用者端末30等から出退勤情報を受信した場合でも、出退勤情報に基づいて勤怠情報を生成し、さらに、勤怠情報に基づいて従業者に対して支払う賃金の振込額を計算した後、雇用者端末30に対して従業者への賃金支払に同意する雇用者側の承認を求めることで、雇用者端末30から送信される賃金支払承認情報を受信することができる。したがって、その後は上述した第1の実施の形態と同様に、従業者からの要求に応じ、従業者自身が振込指示(承認)をすることで、雇用者口座又は代行者口座から従業者口座へ振込を実行する指示がなされ、既に提供した労働についての賃金の支払いをすぐに行うことが可能となる。
【0117】
<第4の実施の形態>
また、本発明では、本サーバ10において複数の雇用者がそれぞれ利用する各雇用者端末30から送信される賃金支払承認情報の受信し、各従業者に対して賃金の支払を行なうようにすることもできる。すなわち、上述した第1の実施の形態とは、振込元(雇用者)を特定して各従業者に対して賃金の支払を行なう点が異なる。
【0118】
以下、その処理についての一例を図16に基づき説明する。
図16は、本発明の実施の形態に係る賃金支払方法において複数の振込元(雇用者)がいる場合の流れの一例を示すシーケンス図である。
まず、本サーバ10は、従業者IDと、振込先情報と、を互いに関連付けて従業者振込処理情報DB1に記憶しておく((A)参照)。
また、本サーバ10は、雇用者IDと、振込元情報と、を互いに関連付けて雇用者振込処理情報DB2に記憶しておく((D)参照)。
【0119】
雇用者端末30等は、従業者の勤務が終了した後、従業者に対して支払う賃金の振込額と、雇用者IDと、従業者への賃金支払に同意する雇用者の承認情報と、を含む賃金支払承認情報を本サーバ10へ送信する((D10)参照)。
本サーバ10は、雇用者端末30等より送信された雇用者IDを含む賃金支払承認情報を受信する((D20)参照)。
引き続き本サーバ10は、従業者IDと、振込額と、雇用者IDを含む振込情報を生成する((D30)参照)。
そして、本サーバ10は、生成した振込情報を、従業者IDと、振込額と、雇用者IDと、を互いに関連付けて振込情報記憶部12に記憶する((D40)参照)。
【0120】
また、雇用者端末30等は、引き続き従業者の勤務が終了した後、雇用者IDを含む賃金支払承認情報を本サーバ10へ送信する((D50)参照)。
本サーバ10は、雇用者端末30等より送信された雇用者IDを含む賃金支払承認情報を受信する((D60)参照)。
その後、振込情報を生成し、振込情報を更新し、更新された振込情報を振込情報記憶部12に記憶する処理は、上述した第1の実施の形態と同様である。
【0121】
また、従業者端末20が振込要求情報を本サーバ10へ送信し、本サーバ10振込要求情報の受信後、振込情報と振込先情報を特定し、特定した振込情報及び振込先情報を含む振込実行情報を従業者端末20へ送信して従業者による振込実行の承認を求める処理もまた、上述した第1の実施の形態と同様である。
さらに、従業者端末20が、本サーバ10より送信された振込実行情報を受信し、振込実行に同意する従業者の振込実行承認情報を本サーバ10へ送信する処理もまた、上述した第1の実施の形態と同様である。
【0122】
本サーバ10は、従業者端末20より送信された振込実行承認情報を受信する((D160)参照)。
引き続き本サーバ10は、雇用者振込処理情報DB2を参照して承認が得られた振込実行情報に含まれる雇用者IDに基づいて振込元情報を特定する((D170)参照)。
そして、本サーバ10は、特定した振込元情報を含む振込実行情報を金融機関端末50へ送信することで、振込実行情報に基づく賃金の振込指示を金融機関に対して行う((D170)参照)。
【0123】
これにより、複数の雇用者より賃金支払承認情報の受信した場合でも、振込元(雇用者)を特定して各従業者に対して賃金の支払を行なうことが可能となる。
【0124】
次に、上述した第1の実施の形態から第4の実施の形態における方法を実施する本サーバ10の動作の一例を、図17及び図18を参照しながら説明する。図17は、本サーバ10での振込情報を生成する処理の一例を示すフローチャートであり、図18は、本サーバ10で引き続き金融機関へ振込実行指示を行なう処理の一例を示すフローチャートである。
まず、図17に示されるように、勤怠情報生成部18が、出退勤情報受信部18aにて、従業者IDを含む出退勤情報を受信したか否か判断する(S11)。
その結果、勤怠情報生成部18が、出退勤情報を受信した場合(Y)、引き続き勤怠情報生成部18が、出退勤情報処理部18bにて、勤怠情報生成TB2を参照して従業者の勤怠情報を生成する(S12)。勤怠情報生成部18は、生成した勤怠情報を賃金算出部16へ送信する。
【0125】
一方、勤怠情報生成部18が、出退勤情報を受信していない場合(N)、次に、賃金算出部16が、勤怠情報受信部16aにて、従業者IDを含む従業者の勤怠情報を受信したか否か判断する(S13)。
その結果、賃金算出部16が、勤怠情報を受信した場合(Y)、引き続き賃金算出部16が、勤怠情報処理部16bにて、賃金計算情報TB1を参照して従業者に対して支払う賃金を算出する(S14)。賃金算出部16は、算出した賃金の振込額情報を雇用者承認要求部17へ送信する。
【0126】
引き続き雇用者承認要求部17は、従業者IDと、従業者に対して支払う賃金の振込額と、を含む賃金支払情報を雇用者端末30へ送信し、従業者への賃金支払に同意する雇用者側の承認を求める処理を行なう(S15)。
その後、振込情報生成部11が、賃金支払承認情報受信部11aにて、従業者IDと、従業者に対して支払う賃金の振込額と、従業者への賃金支払に同意する雇用者の承認情報と、必要に応じて雇用者IDを含む賃金支払承認情報を雇用者端末30より受信したか否か判断する(S16)。
一方、賃金算出部16が、勤怠情報を受信していない場合(N)もまた、次に、振込情報生成部11が、賃金支払承認情報受信部11aにて、従業者IDと、従業者に対して支払う賃金の振込額と、従業者への賃金支払に同意する雇用者の承認情報と、を含む賃金支払承認情報を受信したか否か判断する(S16)。
【0127】
その結果、振込情報生成部11が、賃金支払承認情報を受信した場合(Y)、引き続き振込情報生成部11が、賃金支払承認情報処理部11bにて、従業者IDと、振込額と、必要に応じて雇用者IDと、を少なくとも含む振込情報を生成する(S17)。
一方、振込情報生成部11が、賃金支払承認情報を受信していない場合(N)、次に、従業者承認要求部14が、振込要求情報受信部14aにて、従業者端末20より、従業者IDと共に、賃金の支払いを求める振込要求情報を受信したか否か判断する(S21)。
【0128】
また、振込情報生成部11での振込情報の生成に応じ、振込情報更新部13が、振込情報確認部13aにて、振込情報記憶部12を参照して新たに生成された振込情報に含まれる従業者IDに基づいて既存の振込情報を特定する(S18)。
引き続き、振込情報更新部13が、振込額加算部13bにて、既存の振込情報に含まれる振込額と、新たに生成された振込情報に含まれる振込額とを加算集計して振込額を更新する(S19)。振込情報更新部13は、更新した振込情報を振込情報記憶部12へ送信する。
そして、振込情報記憶部12が、更新された振込情報を、従業者IDと、振込額と、必要に応じて雇用者IDと、を互いに関連付けて記憶する(S20)。
【0129】
引き続き、図18に示されるように、従業者承認要求部14が、振込要求情報受信部14aにて、従業者端末20より、従業者IDと共に、賃金の支払いを求める振込要求情報を受信したか否か判断する(S21)。
【0130】
その結果、従業者承認要求部14が、振込要求情報を受信した場合(Y)、引き続き従業者承認要求部14が、振込要求情報特定部14bにて、振込情報記憶部12を参照して振込要求情報に含まれる従業者IDに基づき振込情報を特定して振込額を抽出する(S22)。
一方、従業者承認要求部14が、振込要求情報を受信していない場合(N)、そのまま本サーバ10での一連の動作は終了(エンド)する。
【0131】
また、従業者承認要求部14は振込額を抽出すると、引き続き振込要求情報特定部14bにて、従業者振込処理情報DB1を参照して従業者IDに基づき振込先情報を特定し、抽出する(S23)。
引き続き従業者承認要求部14は、振込要求情報特定部14bにて、振込額と振込先情報を含む振込実行情報を生成する(S24)。
そして、従業者承認要求部14は、振込実行情報送信部14eにて、生成した振込実行情報を従業者端末20へ送信して従業者による振込実行の承認を求める(S25)。
【0132】
次に、振込実行指示部15が、振込実行承認情報受信部15aにて、従業者端末20より、振込実行に同意する従業者の振込実行承認情報を受信したか否か判断する(S26)。
その結果、振込実行指示部15が、振込実行承認情報を受信した場合(Y)、引き続き振込実行指示部15が、振込元情報特定部15bにて、雇用者振込処理情報DB4を参照して承認が得られた振込実行情報に含まれる雇用者IDに基づいて振込元情報を特定し、抽出する(S27)。
一方、振込実行指示部15が、振込実行承認情報を受信していない場合(N)、そのまま本サーバ10での一連の動作は終了(エンド)する。
【0133】
そして、振込実行指示部15が、振込情報送信部15dにて、振込元情報を含む振込実行情報を金融機関端末50へ送信することで、振込実行情報に基づく賃金の振込指示を金融機関に対して行う(S28)。
これにより、本サーバ10での一連の動作は終了(エンド)する。
【0134】
<第5の実施の形態>
また、本発明では、金融機関において振込処理が可能か否か確認した後、金融機関に対して振込実行指示を行なうようにすることもできる。すなわち、上述した第1の実施の形態とは、振込を実施する雇用者又は振込代行者の口座残高を確認してから、従業者に対して賃金の支払を行なう点が異なる。
以下、その処理についての一例を図19に基づき説明する。
図19は、本発明の実施の形態に係る賃金支払方法において振込実施可能な口座残高を確認する場合の流れを示すシーケンス図である。
【0135】
まず、本サーバ10は、従業者IDと、振込先情報と、を互いに関連付けて従業者振込処理情報DB1に記憶しておく((A)参照)。
また、本サーバ10は、雇用者IDと、残高情報と、を互いに関連付けて残高情報DB3に記憶しておく((E)参照)。
そして、雇用者端末30が、従業者の勤務が終了した後、従業者に対して支払う賃金の振込額と、従業者への賃金支払に同意する雇用者の承認情報と、を含む賃金支払承認情報を本サーバ10へ送信する((10)参照)処理から、本サーバ10が、振込実行情報を金融機関端末50へ送信することで、振込実行情報に基づく賃金の振込指示を金融機関に対して行う((170)参照)処理までは、上述した第1の実施の形態と同様とする。
【0136】
金融機関端末50は、本サーバ10より送信された振込実行情報に基づき従業者の口座へ賃金の振込を実行する((E10)参照)。
引き続き金融機関端末50は、雇用者IDと、振込実行後の残高額情報と、を含む振込処理完了情報を本サーバ10へ送信する((E20)参照)。
【0137】
本サーバ10は、金融機関端末50より送信された振込処理完了情報を受信する((E30)参照)。
引き続き本サーバ10は、雇用者IDに基づいて残高情報DB3に記憶する雇用者の残高額を最新の残高額に書き換えて更新する((E40)参照)。
その後、雇用者端末30が、雇用者IDを含む賃金支払承認情報を本サーバ10へ送信し、本サーバ10が、雇用者端末30より送信された雇用者IDを含む賃金支払承認情報を受信して振込情報を生成し、振込情報を更新し、更新された振込情報を振込情報記憶部12に記憶する処理は、上述した第1の実施の形態と同様である。
また、従業者端末20が振込要求情報を本サーバ10へ送信処理もまた、上述した第1の実施の形態と同様である。
【0138】
本サーバ10は、従業者端末20より送信された振込要求情報を受信する((E110)参照)。
引き続き本サーバ10は、振込情報記憶部12を参照して従業者IDに基づき振込情報を特定する((E120)参照)。
次いで、本サーバ10は、特定した振込情報に含まれる振込額情報を抽出する((E121)参照)。
また、本サーバ10は、残高情報DB3を参照して残高額情報を抽出する((E122)参照)。
さらに、本サーバ10は、振込額と残高額との大きさを比較する((E123)参照)。
【0139】
そして、本サーバ10は、比較の結果、振込額が残高額より小さいと判断した場合、引き続き振込先情報を特定して振込実行情報を従業者端末20へ送信して従業者による振込実行の承認を求める((E130A)参照)。
一方、本サーバ10は、比較の結果、振込額が残高額より大きいと判断した場合、引き続き振込先情報を特定して振込不可情報を従業者端末20及び雇用者端末30へ送信し、振込処理が行なえないことを通知する((E130B)参照)。
【0140】
また、従業者端末20が、本サーバ10より送信された振込実行情報を受信し、従業者端末20が、振込実行に同意する従業者の振込実行承認情報を本サーバ10へ送信し、本サーバ10が、従業者端末20より送信された振込実行承認情報を受信する処理までは、上述した第1の実施の形態と同様とする。
その後、本サーバ10が、振込実行情報を金融機関端末50へ送信することで、振込実行情報に基づく賃金の振込指示を金融機関に対して行い((170)参照)、以後、上述した本第5の実施の形態を繰り返す。
【0141】
これにより、振込を実施する雇用者又は振込代行者の口座残高を確認してから、従業者に対して賃金の支払を行なうことが可能となる。
【0142】
次に、上述した第5の実施の形態における方法を実施する本サーバ10の動作の一例を、図20及び図21を参照しながら説明する。図20及び図21は、本サーバ10での振込実行指示前に口座残高を確認する処理の一例を示すフローチャートである。
まず、振込実行情報を金融機関端末50へ送信することで、振込実行情報に基づく賃金の振込指示を金融機関に対して行う(S28)処理までは、図18に示す処理と同様である。
【0143】
引き続き残高情報更新部19が、振込処理完了情報受信部19aにて、振込実行指示部15での振込実行指示に応じ、金融機関端末50より、雇用者IDと、振込実行後の残高額情報と、を含む振込処理完了情報を受信する(S29)。
次いで、残高情報更新部19が、残高情報書換部19bにて、雇用者IDに基づいて残高情報DB3に記憶する雇用者の残高額を最新の残高額に書き換え更新する(S30)。
【0144】
次に、従業者承認要求部14が、振込要求情報受信部14aにて、従業者端末20より、従業者IDと共に、賃金の支払いを求める振込要求情報を受信したか否か判断する(S31)。
その結果、従業者承認要求部14が、振込要求情報を受信した場合(Y)、引き続き従業者承認要求部14が、振込要求情報特定部14bにて、振込情報記憶部12を参照して振込要求情報に含まれる従業者IDに基づき振込情報を特定すると共に、従業者承認要求部14が、残高情報確認部14dにて、特定した振込情報から振込額を抽出する(S32)。
一方、従業者承認要求部14が、振込要求情報を受信していない場合(N)、そのまま本サーバ10での一連の動作は終了(エンド)する。
【0145】
また、従業者承認要求部14は振込額を抽出すると、引き続き残高情報確認部14dにて、残高情報DB3を参照して残高額情報を抽出する(S33)。
引き続き従業者承認要求部14が、残高情報確認部14dにて、振込額と残高額との大きさを比較し、振込額の方が小さいか否か判断する(S34)。
その結果、従業者承認要求部14が、振込額の方が小さいと判断した場合(Y)、引き続き振込要求情報特定部14bにて、従業者振込処理情報DB1を参照して従業者IDに基づき振込先情報を特定し、抽出する(S35)。
【0146】
次いで、従業者承認要求部14は、振込要求情報特定部14bにて、振込額と振込先情報を含む振込実行情報を生成する(S36)。
そして、従業者承認要求部14は、振込実行情報送信部14eにて、生成した振込実行情報を従業者端末20へ送信して従業者による振込実行の承認を求める(S37)。
【0147】
一方、従業者承認要求部14が、振込額の方が小さくない(すなわち、大きい)と判断した場合(N)、引き続き振込要求情報特定部14bにて、従業者振込処理情報DB1を参照して従業者IDに基づき振込先情報を特定し、抽出する(S41)。
次いで、従業者承認要求部14は、振込要求情報特定部14bにて、振込処理が行なえないことを通知する振込不可情報を生成する(S42)。
そして、従業者承認要求部14は、振込実行情報送信部14eにて、生成した振込不可情報を従業者端末20及び雇用者端末30へ送信し、雇用者には残高不足を示唆して資金の振込みを求める(S43)。
【0148】
次に、従業者承認要求部14による従業者端末20への振込実行情報の送信後、振込実行指示部15は、振込実行承認情報受信部15aにて、従業者端末20より、振込実行に同意する従業者の振込実行承認情報を受信したか否か判断する(S38)。
その結果、振込実行指示部15が、振込実行承認情報を受信した場合(Y)、引き続き振込実行指示部15が、振込元情報特定部15bにて、雇用者振込処理情報DB4を参照して承認が得られた振込実行情報に含まれる雇用者IDに基づいて振込元情報を特定し、抽出する(S39)。
一方、振込実行指示部15が、振込実行承認情報を受信していない場合(N)、そのまま本サーバ10での一連の動作は終了(エンド)する。
そして、振込実行指示部15が、振込情報送信部15dにて、振込元情報を含む振込実行情報を金融機関端末50へ送信することで、振込実行情報に基づく賃金の振込指示を金融機関に対して行う(S40)。
これにより、本サーバ10での一連の動作は終了(エンド)する。
【0149】
<第6の実施の形態>
また、本発明では、従業者が賃金の振込先を指定することもできる。すなわち、上述した第1の実施の形態とは、振込先を分けて賃金の振込を行なう点が異なる。
以下、その処理についての一例を図22に基づき説明する。
図22は、本発明の実施の形態に係る賃金支払方法において振込先を分ける場合の流れを示すシーケンス図である。
【0150】
まず、本サーバ10は、従業者IDと、複数の振込先情報と、を互いに関連付けて従業者振込処理情報DB1に記憶しておく((F)参照)。
そして、雇用者端末30が、従業者の勤務が終了した後、従業者に対して支払う賃金の振込額と、従業者への賃金支払に同意する雇用者の承認情報と、を含む賃金支払承認情報を本サーバ10へ送信する((10)参照)処理から、本サーバ10が、従業者端末20より送信された振込要求情報を受信する((110)参照)処理までは、上述した第1の実施の形態と同様とする。
【0151】
本サーバ10は、振込情報記憶部12を参照して従業者IDに基づき振込情報を特定する((F120)参照)。
引き続き本サーバ10は、従業者振込処理情報DB1を参照して従業者IDに基づき記憶されている複数の振込先情報の中から1つを特定することが可能な振込先選択要求情報を生成する((F121)参照)。
そして、本サーバ10は、生成した振込先選択要求情報を振込実行情報として従業者端末20へ送信する((F130)参照)。
【0152】
従業者端末20は、本サーバ10より送信された振込先選択要求情報を受信する((F140)参照)。
すなわち、従業者端末20のディスプレイに表示されたメニュー選択画面110にて「振込」ボタン114を選択すると、引き続き振込先選択要求画面が従業者端末20のディスプレイに表示される。
【0153】
この振込先選択要求画面は、たとえば図23に示すような形で表すことが出来る。図23は、本サーバ10と接続した従業者端末20のディスプレイに表示された第1の振込先選択要求画面の一例を示す図である。この第1の振込先選択要求画面130には、従業者の氏名表示欄131、従業者に対して支払われる本日までの給与額を示す振込額表示欄132、が表示されている。また、第1の振込先選択要求画面130には、第1の振込先を選択可能に表示する第1振込先表示欄133、第2振込先を選択可能に表示する第2の振込先表示欄134、第3の振込先を選択可能に表示する第3振込先表示欄135・・・といった複数の振込先表示欄と共に、作業を取り止めるための「キャンセル」ボタン139が設けられている。
【0154】
したがって、振込先を選択する従業者が何れかの振込先表示欄を選択すると、従業者端末20は、振込先を特定する振込先選択情報を本サーバ10へ送信する((F150)参照)。
本サーバ10は、従業者端末20より送信された振込先選択情報を受信する((F160)参照)。
引き続き本サーバ10は、従業者振込処理情報DBを参照して振込先選択情報に基づき振込先情報を抽出する((F161)参照)。
さらに、本サーバ10は、抽出した振込先情報を含む振分額指定要求情報を生成する((F162)参照)。
そして、本サーバ10は、生成した振分額指定要求情報を振込実行情報として従業者端末へ送信する((F163)参照)。
【0155】
従業者端末20は、本サーバ10より送信された振分額指定要求情報を受信する((F164)参照)。
すなわち、従業者端末20のディスプレイに表示された第1の振込先選択要求画面130にて何れかの振込先表示欄を選択すると、引き続き振分額指定要求画面が従業者端末20のディスプレイに表示される。
【0156】
この振分額指定要求画面は、たとえば図24に示すような形で表すことが出来る。図24は、本サーバ10と接続した従業者端末20のディスプレイに表示された振分額指定要求画面の一例を示す図である。この振分額指定要求画面140には、選択された振込先の銀行名や支店名、口座番号、口座名といった振込先口座情報141が表示されている。また、振分額指定要求画面140には、振込額の中からいくら振分けて振込むのか振分額を指定する振分額入力欄142が設けられていると共に、振込を実行する内容に同意して承認を行なったことを証するためにパスワードの入力を求めるPW入力欄143が設けられている。また、振分額指定要求画面140には、振込実行に同意する振込実行承認情報を実行するための「送信」ボタン149が設けられている。図24において、振込先として××銀行、△△支店、口座番号888888が表示されていると共に、振分額として振分額入力欄142に¥20,000が入力されている。
【0157】
したがって、振込実行に同意する従業者は、振分額入力欄142に振分額を指定して入力すると共に、PW入力欄143にパスワードを入力した後、「送信」ボタン149を選択する。
これにより、従業者端末20は、振込実行に同意する従業者の振込実行承認情報を本サーバ10へ送信する((F165)参照)。
【0158】
本サーバ10は、従業者端末20より送信された振込先情報及び振込額を指定する振分額情報を含む、振込実行に同意する従業者の振込実行承認情報を受信する((F166)参照)。
引き続き本サーバ10は、振込情報記憶部12を参照して従業者IDに基づき振込情報を特定してその振込額情報を抽出する((F167)参照)。
次いで、本サーバ10は、受信した振分額と抽出した振込額との大きさを比較する((F168)参照)。
本サーバ10は、比較の結果、振分額の大きさが振込額の大きさ以下である場合、振込実行承認情報に含まれる振込先情報を特定する((F169)参照)。
【0159】
そして、本サーバ10は、特定した振込先情報及び振分額を振込実行情報として金融機関端末50へ送信することで、振込実行情報に基づく賃金の振込指示を金融機関に対して行う((F170)参照)。
また、本サーバ10は、振分額と振込額との大きさの比較の結果、振分額の大きさが振込額の大きさより小さく、振込実行後の振込残額が0以上である場合、再度、振込先選択要求情報を生成して従業者端末20へ送信する処理を繰り返す((F171)参照)。
【0160】
従業者端末20は、本サーバ10より送信された振込先選択要求情報を受信する。
すなわち、従業者端末20のディスプレイに表示された振分額指定要求画面140にて振分額を入力し、振込実行後の振込残額が0以上である場合、再度、振込先選択要求画面130が従業者端末20のディスプレイに表示される。
【0161】
この振込先選択要求画面は、たとえば図25に示すような形で表すことが出来る。図25は、本サーバ10と接続した従業者端末20のディスプレイに表示された第2の振込先選択要求画面の一例を示す図である。この第2の振込先選択要求画面150には、従業者の氏名表示欄151、振分可能な振込額を示す振込残表示欄152、が表示されている。また、第2の振込先選択要求画面150には、第1の振込先を選択可能に表示する第1振込先表示欄153、第2振込先を選択可能に表示する第2の振込先表示欄154、第3の振込先を選択可能に表示する第3振込先表示欄155・・・といった複数の振込先表示欄と共に、作業を取り止めるための「キャンセル」ボタン159が設けられている。図25において、振込残として¥17,000が表示されている。
【0162】
したがって、振込先を選択する従業者が何れかの振込先表示欄を選択すると、従業者端末20は、振込先を特定する振込先選択情報を本サーバ10へ再度送信し、以後、上述した処理を繰り返す。
【0163】
これにより、従業者の特定の口座だけに限らず、従業者が有する複数の口座や、商品やサービス、電子マネー等を購入することで代金の支払先となる、たとえば店舗やクレジットカード会社等の口座を振込先として、振込先を複数に分けて賃金の振込を行なうことが可能となる。
【0164】
次に、上述した第6の実施の形態における方法を実施する本サーバ10の動作の一例を、図26及び図27を参照しながら説明する。図26及び図27は、本サーバ10での振込先を分ける処理の一例を示すフローチャートである。
【0165】
まず、従業者承認要求部14が、振込要求情報受信部14aにて、従業者端末20より、従業者IDと共に、賃金の支払いを求める振込要求情報を受信したか否か判断する(S51)。
その結果、従業者承認要求部14が、振込要求情報を受信した場合(Y)、引き続き従業者承認要求部14が、振込要求情報特定部14bにて、振込情報記憶部12を参照して振込要求情報に含まれる従業者IDに基づき振込情報を特定して振込額を抽出する(S52)。
一方、従業者承認要求部14が、振込要求情報を受信していない場合(N)、そのまま本サーバ10での一連の動作は終了(エンド)する。
【0166】
また、従業者承認要求部14は振込額を抽出すると、引き続き振込要求情報特定部14bにて、従業者振込処理情報DB1を参照して従業者IDに基づき記憶されている振込先情報の数を確認する。
引き続き従業者承認要求部14は、振込先選択要求情報生成部14cにて、振込額と複数の振込先情報を含み、振込先情報の中から1つを特定することが可能な振込先選択要求情報を生成する(S53)。
そして、従業者承認要求部14は、振込実行情報送信部14eにて、生成した振込先選択要求情報を振込実行情報として従業者端末20へ送信して従業者による振込実行の承認を求める(S54)。
【0167】
次に、従業者承認要求部14が、振込要求情報受信部14aにて、振込先選択要求情報の送信に応じて従業者端末20より、振込先を特定する振込先選択情報を受信したか否か判断する(S55)。
その結果、従業者承認要求部14が、振込先選択情報を受信した場合(Y)、引き続き従業者承認要求部14が、振込要求情報特定部14bにて、従業者振込処理情報DB1を参照して振込先選択情報に基づき振込先情報を抽出する(S56)。
一方、従業者承認要求部14が、振込先選択情報を受信していない場合(N)、そのまま本サーバ10での一連の動作は終了(エンド)する。
【0168】
次いで、従業者承認要求部14が振込先情報を抽出した後、従業者承認要求部14は、振込先選択要求情報生成部14cにて、抽出した振込先情報を含む振分額指定要求情報を生成する(S57)。
引き続き、従業者承認要求部14は、振込実行情報送信部14eにて、振込情報及び生成した振込先選択要求情報を振込実行情報として従業者端末20へ送信して従業者による振込実行の承認を求める(S58)。
【0169】
次に、振込実行指示部15が、振込実行承認情報受信部15aにて、従業者端末20より、振込実行に同意する従業者の振込実行承認情報を受信したか否か判断する(S59)

その結果、振込実行指示部15が、振込実行承認情報を受信した場合(Y)、引き続き振込実行指示部15が、振込情報比較部15cにて、受信した振込実行承認情報に含まれる振分額を抽出する(S60)。
一方、振込実行指示部15が、振込実行承認情報を受信していない場合(N)、そのまま本サーバ10での一連の動作は終了(エンド)する。
【0170】
振込実行指示部15が、振分額を抽出すると、引き続き振込実行指示部15が、振込情報比較部15cにて、振込情報記憶部12を参照して従業者IDに基づき振込情報を特定し、その振込額情報を抽出し、振分額と振込額との大きさを比較して振分額の大きさが振込額の大きさ以下であるか否か判断をする(S61)。
その結果、振込実行指示部15が、振分額の大きさが振込額の大きさ以下であると判断した場合(Y)、振込実行指示部15は、振込情報比較部15cにて、振込実行承認情報に含まれる振込先情報を特定する(S62)。
【0171】
引き続き振込実行指示部15は、振込情報送信部15dにて、特定した振込先情報及び振分額を含む振込実行情報と生成する(S63)。
そして、振込実行指示部15は、振込情報送信部15dにて、生成した振込実行情報を金融機関端末50へ送信することで、振込実行情報に基づく賃金の振込指示を金融機関に対して行う(S64)。
【0172】
また、振込実行指示部15は、振込情報比較部15cにて、振込実行後の振込残高が0であるか否か判断する(S65)。
その結果、振込実行指示部15が、振込実行後の振込残高が0であると判断した場合(Y)、これにより、本サーバ10での一連の動作は終了(エンド)する。
一方、振込実行指示部15が、振込実行後の振込残高が0でないと判断した場合(N)、振込実行指示部15は、振込実行後の振込残額が0以上であることを通知する情報を従業者承認要求部14へ送信する。
そして、従業者承認要求部14は、振込先選択要求情報生成部14cにて、振込額と複数の振込先情報を含み、振込先情報の中から1つを特定することが可能な振込先選択要求情報を生成する(S53)処理を繰り返す。
【0173】
以上のように本発明では、従業者からの要求に応じ、従業者自身が振込指示(承認)をすることで、既に提供した労働についての賃金の支払いを、雇用者が金融機関に開設した雇用者口座又は雇用者より賃金の支払いの委任を受けた振込代行者が金融機関に開設した代行者口座から従業者口座へすぐに賃金の振込を行うことが可能となる。しかも、賃金の振込において、雇用者や金融機関に負担を掛けないものとすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0174】
【図1】本発明の実施の形態に係る賃金支払装置を用いた賃金支払方法を実施するためのシステムの概要を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る賃金支払装置を用いた他の賃金支払方法を実施するためのシステムの概要を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る賃金支払システムに用いられる賃金支払装置の構成を簡略的に示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る賃金支払装置が備える従業者振込処理情報データベースの構造を示す一例である。
【図5】本発明の実施の形態に係る賃金支払装置が備える振込情報記憶部に記憶されている振込情報の構造を示す一例である。
【図6】本発明の実施の形態に係る賃金支払装置が備える賃金計算情報テーブルの構造を示す一例である。
【図7】本発明の実施の形態に係る賃金支払装置が備える勤怠情報生成テーブルの構造を示す一例である。
【図8】本発明の実施の形態に係る賃金支払装置が備える雇用者振込処理情報データベースの構造を示す一例である。
【図9】本発明の実施の形態に係る賃金支払装置が備える残高情報データベースの構造を示す一例である。
【図10】本発明の実施の形態に係る賃金支払方法における振込情報を生成する場合の流れの一例を示すシーケンス図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る賃金支払装置と接続した従業者端末のディスプレイに表示された賃金支払システムログイン画面の一例を示す模式図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る賃金支払装置と接続した従業者端末のディスプレイに表示されたメニュー画面の一例を示す模式図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る賃金支払装置と接続した従業者端末のディスプレイに表示された振込実行承認画面の一例を示す模式図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る賃金支払方法において勤怠情報から賃金支払承認情報を受信する場合の流れの一例を示すシーケンス図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る賃金支払方法において出退勤情報から勤怠情報を生成する場合の流れの一例を示すシーケンス図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る賃金支払方法において振込元(雇用者)を指定する場合の流れの一例を示すシーケンス図である。
【図17】本発明に係る賃金振込装置での振込情報を生成する処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】図17に引き続き金融機関へ振込実行指示を行なう処理の一例を示すフローチャートである。
【図19】本発明の実施の形態に係る賃金支払方法において振込実行指示前に口座残高を確認する場合の流れの一例を示すシーケンス図である。
【図20】本発明に係る賃金振込装置での振込実行指示前に口座残高を確認する処理の一例を示すフローチャートである。
【図21】図20に示す処理の続きを示すフローチャートである。
【図22】本発明の実施の形態に係る賃金支払方法において振込先を分ける場合の流れの一例を示すシーケンス図である。
【図23】本発明の実施の形態に係る賃金支払装置と接続した従業者端末のディスプレイに表示された第1の振込先選択要求画面の一例を示す模式図である。
【図24】本発明の実施の形態に係る賃金支払装置と接続した従業者端末のディスプレイに表示された第2の振込実行承認画面の一例を示す模式図である。
【図25】本発明の実施の形態に係る賃金支払装置と接続した従業者端末のディスプレイに表示された第2の振込先選択要求画面の一例を示す模式図である。
【図26】本発明に係る賃金振込装置での振込先を分ける処理の一例を示すフローチャートである。
【図27】図26に示す処理の続きを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0175】
DB1 従業者振込処理情報データベース(第1記憶手段)、DB2 雇用者振込処理情報データベース(第4記憶手段)、DB3 残高情報データベース(第5記憶手段)、TB1 賃金計算情報テーブル(第2記憶手段)、TB2 勤怠情報生成テーブル(第3記憶手段)、NW 通信ネットワーク、10 賃金支払装置(本サーバ)、11 振込情報生成部、12 振込情報記憶部、13 振込情報更新部、14 従業者承認要求部、15 振込実行指示部、16 賃金算出部、17 雇用者承認要求部、18 勤怠情報生成部、19 残高情報更新部、20 従業者端末、30 雇用者端末、50 金融機関端末。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雇用者が利用する雇用者端末と、従業者が保持する携帯端末である従業者端末と、にそれぞれ通信ネットワークを介して接続されると共に、前記雇用者が開設した口座である雇用者口座及び前記従業者が開設した口座である従業者口座を備える金融機関に設置された金融機関端末と通信回線を介してさらに接続され、前記雇用者口座を介した前記従業者口座への賃金の支払い指示処理を行う賃金支払装置であって、
従業者を識別できる情報である従業者識別情報に関連付けて、複数の前記従業者口座の口座情報である振込先情報を記憶する従業者口座情報記憶手段と、
雇用者を識別できる情報である雇用者識別情報に関連付けて、前記雇用者口座の口座情報である振込元情報を記憶する雇用者口座情報記憶手段と、
従業者識別情報と、雇用者が賃金支払を承認した賃金の振込額と、雇用者識別情報と、を含む振込情報を記憶する振込情報記憶手段と、
前記雇用者端末から送信された雇用者識別情報と従業者識別情報と当該雇用者から当該従業者に対して支払う賃金の振込額と当該賃金支払に同意する雇用者の承認情報とを含む賃金支払承認情報、を受信する賃金支払承認情報受信手段と、
前記賃金支払承認情報を受信すると、従業者識別情報と振込額と雇用者識別情報とを含む振込情報、を生成する振込情報生成手段と、
前記振込情報を生成すると、前記振込情報記憶手段を参照して新たに生成された振込情報に含まれる従業者識別情報に基づいて既存の振込情報を特定する既存振込情報特定手段と、
前記既存の振込情報を特定すると、当該既存の振込情報に含まれる振込額と、前記新たに生成された振込情報に含まれる振込額とを加算集計して振込額を更新する振込額更新手段と、
前記更新した振込情報を前記振込情報記憶手段へ記憶する振込情報登録手段と、
前記従業者端末から送信された従業者識別情報を含む振込要求情報、を受信する振込要求情報受信手段と、
前記振込要求情報を受信すると、前記振込情報記憶手段を参照し、当該振込要求情報に含まれる従業者識別情報に基づき、振込情報を特定して振込額を抽出する振込額抽出手段と、
前記振込額を抽出すると、前記従業者口座情報記憶手段を参照して従業者識別情報に基づき記憶されている複数の振込先情報を特定し、前記抽出した振込額及び当該複数の振込先情報を含む振込先選択要求情報を生成する振込先選択要求情報生成手段と、
前記生成した振込先選択要求情報を前記従業者端末へ送信する振込先選択要求手段と、
前記従業者端末から送信された振込先選択情報を受信する振込先選択情報受信手段と、
前記振込先選択情報を受信すると、前記従業者口座情報記憶手段を参照して振込先選択情報に基づき振込先情報を抽出する振込先情報抽出手段と、
前記抽出した振込先情報を含む振分額指定要求情報を生成する振分額指定要求情報生成手段と、
前記振分額指定要求情報を生成すると、前記振込情報及び当該振分額指定要求情報を前記従業者端末へ送信して従業者による振込実行の承認を求める従業者承認要求手段と、
前記従業者端末から送信された振分額と振込先情報とを含む振込先選択情報、を受信する振込実行承認情報受信手段と、
前記振込実行承認情報を受信すると、当該振込実行承認情報に含まれる振分額を抽出する振分額情報抽出手段と、
前記振分額を抽出すると、前記振込情報記憶手段を参照して従業者識別情報に基づき振込情報を特定し、振込額を抽出し、振分額の大きさが振込額の大きさ以下であるか否かを判別する振分額判別手段と、
前記振分額判別の結果、前記振分額の大きさが振込額の大きさ以下である場合、前記振込実行承認情報に含まれる振込先情報を特定し、当該振込先情報及び前記振分額を含む振込実行情報を生成する振込実行情報生成手段と、
前記生成した振込実行情報を前記金融機関端末へ送信することで、当該振込実行情報に基づく賃金の振込指示を金融機関に対して行う振込実行指示手段と、
前記振分額判別の結果、前記振分額の大きさが振込額の大きさ以下で、振込実行後の振込残額が0以上である場合、再度、前記振込先選択要求情報を生成する振込先選択要求情報再生成手段と、
を有することを特徴とする賃金支払装置。
【請求項2】
雇用者が利用する雇用者端末と、従業者が保持する携帯端末である従業者端末と、にそれぞれ通信ネットワークを介して接続されると共に、前記雇用者が開設した口座である雇用者口座及び前記従業者が開設した口座である従業者口座を備える金融機関に設置された金融機関端末と通信回線を介してさらに接続される、従業者を識別できる情報である従業者識別情報に関連付けて、複数の前記従業者口座の口座情報である振込先情報を記憶する従業者口座情報記憶手段と、雇用者を識別できる情報である雇用者識別情報に関連付けて、前記雇用者口座の口座情報である振込元情報を記憶する雇用者口座情報記憶手段と、従業者識別情報と、雇用者が賃金支払を承認した賃金の振込額と、雇用者識別情報と、を含む振込情報を記憶する振込情報記憶手段と、を有する賃金支払装置が、前記雇用者口座を介した前記従業者口座への賃金の支払い指示処理を行う処理方法であって、
前記雇用者端末から送信された雇用者識別情報と従業者識別情報と当該雇用者から当該従業者に対して支払う賃金の振込額と当該賃金支払に同意する雇用者の承認情報とを含む賃金支払承認情報、を受信するステップと、
前記賃金支払承認情報を受信すると、従業者識別情報と振込額と雇用者識別情報とを含む振込情報、を生成するステップと、
前記振込情報を生成すると、前記振込情報記憶手段を参照して新たに生成された振込情報に含まれる従業者識別情報に基づいて既存の振込情報を特定するステップと、
前記既存の振込情報を特定すると、当該既存の振込情報に含まれる振込額と、前記新たに生成された振込情報に含まれる振込額とを加算集計して振込額を更新するステップと、
前記更新した振込情報を前記振込情報記憶手段へ記憶するステップと、
前記従業者端末から送信された従業者識別情報を含む振込要求情報、を受信するステップと、
前記振込要求情報を受信すると、前記振込情報記憶手段を参照し、当該振込要求情報に含まれる従業者識別情報に基づき、振込情報を特定して振込額を抽出するステップと、
前記振込額を抽出すると、前記従業者口座情報記憶手段を参照して従業者識別情報に基づき記憶されている複数の振込先情報を特定し、前記抽出した振込額及び当該複数の振込先情報を含む振込先選択要求情報を生成するステップと、
前記生成した振込先選択要求情報を前記従業者端末へ送信する振込先選択要求手段と、
前記従業者端末から送信された振込先選択情報を受信するステップと、
前記振込先選択情報を受信すると、前記従業者口座情報記憶手段を参照して振込先選択情報に基づき振込先情報を抽出するステップと、
前記抽出した振込先情報を含む振分額指定要求情報を生成するステップと、
前記振分額指定要求情報を生成すると、前記振込情報及び当該振分額指定要求情報を前記従業者端末へ送信して従業者による振込実行の承認を求めるステップと、
前記従業者端末から送信された振分額と振込先情報とを含む振込先選択情報、を受信するステップと、
前記振込実行承認情報を受信すると、当該振込実行承認情報に含まれる振分額を抽出するステップと、
前記振分額を抽出すると、前記振込情報記憶手段を参照して従業者識別情報に基づき振込情報を特定し、振込額を抽出し、振分額の大きさが振込額の大きさ以下であるか否かを判別するステップと、
前記振分額判別の結果、前記振分額の大きさが振込額の大きさ以下である場合、前記振込実行承認情報に含まれる振込先情報を特定し、当該振込先情報及び前記振分額を含む振込実行情報を生成するステップと、
前記生成した振込実行情報を前記金融機関端末へ送信することで、当該振込実行情報に基づく賃金の振込指示を金融機関に対して行うステップと、
前記振分額判別の結果、前記振分額の大きさが振込額の大きさ以下で、振込実行後の振込残額が0以上である場合、再度、前記振込先選択要求情報を生成するステップと、
を行うことを特徴とする処理方法。
【請求項3】
雇用者が利用する雇用者端末と、従業者が保持する携帯端末である従業者端末と、にそれぞれ通信ネットワークを介して接続されると共に、前記雇用者が開設した口座である雇用者口座及び前記従業者が開設した口座である従業者口座を備える金融機関に設置された金融機関端末と通信回線を介してさらに接続される、従業者を識別できる情報である従業者識別情報に関連付けて、複数の前記従業者口座の口座情報である振込先情報を記憶する従業者口座情報記憶手段と、雇用者を識別できる情報である雇用者識別情報に関連付けて、前記雇用者口座の口座情報である振込元情報を記憶する雇用者口座情報記憶手段と、従業者識別情報と、雇用者が賃金支払を承認した賃金の振込額と、雇用者識別情報と、を含む振込情報を記憶する振込情報記憶手段と、を有する賃金支払装置に対して、前記雇用者口座を介した前記従業者口座への賃金の支払い指示処理を実行させるコンピュータプログラムであって、
前記賃金支払装置に対して、
前記雇用者端末から送信された雇用者識別情報と従業者識別情報と当該雇用者から当該従業者に対して支払う賃金の振込額と当該賃金支払に同意する雇用者の承認情報とを含む賃金支払承認情報、を受信するステップと、
前記賃金支払承認情報を受信すると、従業者識別情報と振込額と雇用者識別情報とを含む振込情報、を生成するステップと、
前記振込情報を生成すると、前記振込情報記憶手段を参照して新たに生成された振込情報に含まれる従業者識別情報に基づいて既存の振込情報を特定するステップと、
前記既存の振込情報を特定すると、当該既存の振込情報に含まれる振込額と、前記新たに生成された振込情報に含まれる振込額とを加算集計して振込額を更新するステップと、
前記更新した振込情報を前記振込情報記憶手段へ記憶するステップと、
前記従業者端末から送信された従業者識別情報を含む振込要求情報、を受信するステップと、
前記振込要求情報を受信すると、前記振込情報記憶手段を参照し、当該振込要求情報に含まれる従業者識別情報に基づき、振込情報を特定して振込額を抽出するステップと、
前記振込額を抽出すると、前記従業者口座情報記憶手段を参照して従業者識別情報に基づき記憶されている複数の振込先情報を特定し、前記抽出した振込額及び当該複数の振込先情報を含む振込先選択要求情報を生成するステップと、
前記生成した振込先選択要求情報を前記従業者端末へ送信する振込先選択要求手段と、
前記従業者端末から送信された振込先選択情報を受信するステップと、
前記振込先選択情報を受信すると、前記従業者口座情報記憶手段を参照して振込先選択情報に基づき振込先情報を抽出するステップと、
前記抽出した振込先情報を含む振分額指定要求情報を生成するステップと、
前記振分額指定要求情報を生成すると、前記振込情報及び当該振分額指定要求情報を前記従業者端末へ送信して従業者による振込実行の承認を求めるステップと、
前記従業者端末から送信された振分額と振込先情報とを含む振込先選択情報、を受信するステップと、
前記振込実行承認情報を受信すると、当該振込実行承認情報に含まれる振分額を抽出するステップと、
前記振分額を抽出すると、前記振込情報記憶手段を参照して従業者識別情報に基づき振込情報を特定し、振込額を抽出し、振分額の大きさが振込額の大きさ以下であるか否かを判別するステップと、
前記振分額判別の結果、前記振分額の大きさが振込額の大きさ以下である場合、前記振込実行承認情報に含まれる振込先情報を特定し、当該振込先情報及び前記振分額を含む振込実行情報を生成するステップと、
前記生成した振込実行情報を前記金融機関端末へ送信することで、当該振込実行情報に基づく賃金の振込指示を金融機関に対して行うステップと、
前記振分額判別の結果、前記振分額の大きさが振込額の大きさ以下で、振込実行後の振込残額が0以上である場合、再度、前記振込先選択要求情報を生成するステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2011−81831(P2011−81831A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274722(P2010−274722)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【分割の表示】特願2007−227203(P2007−227203)の分割
【原出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(506304831)キズナジャパン株式会社 (3)
【出願人】(501091833)メキキ・クリエイツ株式会社 (56)