説明

赤外線発生装置

【課題】ロータリーバーナーの封鎖部の焼損を抑制できる赤外線発生装置を提供する。
【解決手段】チャンバ12cを形成するためのシェル12と、シェル12の前方に配置された多孔性の放熱板40と、シェル12の後方に配置されたロータリーバーナー20およびファン13と、ロータリーバーナー20を収容する収容筒30とを有する。ロータリーバーナー20は、回転気化筒21、筒状の燃焼盤22、燃焼外筒23が、内側からこの順序で配置され、燃焼盤22の先端22fおよび燃焼外筒23の先端23fを合わせて封鎖部27が形成され、燃焼盤22と燃焼外筒23との間がガス室26となり、収容筒30と燃焼外筒23との間がファン13からの空気の一部Cを流す通路28となっている。収容筒30に、封鎖部27の前方を覆うように内側に延びる第1の部分31を含むガード部30aを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線を放射する赤外線発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、液体燃料燃焼式赤外線発生装置が開示されている。この赤外線発生装置では、燃焼筒の後部に、ノズル噴霧式バーナーが装着されている。また、この赤外線発生装置では、燃焼筒の前面に、多数の孔がほぼ均一に穿孔された穿孔金属板が装着されている。この赤外線発生装置では、燃焼筒内(チャンバ内、燃焼室)において液体燃料を燃焼させ、穿孔金属板(放熱板)の前面から赤外線を放射する。
【特許文献1】特開平5−322120号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
バーナーとしては、いわゆるロータリーバーナー(回転霧化式バーナー)が知られている。ロータリーバーナーでは、液体燃料を回転気化筒で気化させ、気化させた液体燃料と燃焼空気とを含む混合ガスを筒状の燃焼盤から吹き出させて燃焼させるため、環状の青火が生成される。このため、ロータリーバーナーは、ガンタイプバーナー(ノズル噴霧式バーナー)と比べて、燃焼騒音が小さく、燃焼効率が高い。したがって、ロータリーバーナーを上述のような赤外線発生装置に適用できれば、少ない燃焼量でより暖かく、しかも、運転音が比較的小さい赤外線発生装置が得られると考えられる。実際、本願発明者らの実験によれば、ロータリーバーナーを赤外線発生装置に適用すると、ガンタイプバーナーを適用した赤外線発生装置よりも、放熱板の表面の温度がより高くなり、赤外線放熱量(温かさ)も向上した。
【0004】
しかしながら、ロータリーバーナーを赤外線発生装置に適用するという試みは途上であり、単に、ガンタイプバーナーをロータリーバーナーに置換すればよいというものではない。ロータリーバーナーを赤外線発生装置に適用すると、放熱板の表面の温度が高くなるため、放熱板からの輻射により、ロータリーバーナーの先端部に与えられる熱負荷が高くなることがわかった。長期間使用していると、ロータリーバーナーの先端部が焼損するおそれもあるため、ロータリーバーナーを赤外線発生装置に適用するにあたり、この対策が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、赤外線発生装置であり、後方より前方が広がったチャンバを形成するためのシェルと、シェルの前方に配置された多孔性の放熱板と、シェルの後方に配置されたロータリーバーナーおよびファンと、ロータリーバーナーを収容する収容筒とを有する。ロータリーバーナーは、回転気化筒、筒状の燃焼盤、および、燃焼外筒が、内側からこの順序で配置されており、燃焼盤の先端および燃焼外筒の先端を合わせて封鎖部を形成することにより、燃焼盤と燃焼外筒との間をガス室としている。この赤外線発生装置は、液体燃料を回転気化筒で気化させ、気化させた液体燃料をファンから供給される燃焼空気とともに混合ガスとし、ガス室を介して混合ガスを燃焼盤から燃焼盤の内側へ吹出させて燃焼させ、放熱板から前方に赤外線を放射する。この赤外線発生装置において、収容筒と燃焼外筒との間は、ファンから供給される空気の一部を流す通路となり、収容筒の前方の部分には、封鎖部の前方を覆うように内側に延びる第1の部分を含むガード部が設けられている。
【0006】
燃焼効率が向上するなどの理由により、放熱板の表面の温度が高くなると、放熱板から前方へ輻射される熱量とともに、後方、すなわち、バーナー側へ輻射される熱量が増大する。ロータリーバーナーを適用した赤外線発生装置においては、放熱板からの輻射熱に対して、ロータリーバーナーの先端部を保護することが重要である。この赤外線発生装置では、収容筒の前方の部分に、ロータリーバーナーの先端部の前方、すなわち、燃焼盤の先端と燃焼外筒の先端とを合わせてなる封鎖部の前方を覆うように内側に延びる第1の部分を含むガード部を設けている。封鎖部の前方を覆うように内側に延びる第1の部分により、放熱板の輻射から封鎖部をガードすることができる。しかも、この赤外線発生装置によれば、収容筒と燃焼外筒との間は、ファンから供給される空気の一部を流す通路となっている。この通路を流れる空気の一部(フレッシュエアー)は、ガード部の第1の部分に沿って内側に流れ、ガード部の第1の部分およびロータリーバーナーの封鎖部を冷却(空冷)する。
【0007】
したがって、この赤外線発生装置によれば、ガード部の第1の部分およびロータリーバーナーの先端部(封鎖部)の温度上昇を抑制できるため、ロータリーバーナーの先端部の焼損を抑制できる。封鎖部はガス室の先端となり、混合ガスが滞留し易く、混合ガスにより冷却するために十分な流速を確保することが難しい部分である。ガード部を設けることにより、ガード部と封鎖部との間に、全体にわたり空気を常時流すことが可能となり、ガード部および封鎖部を冷却しやすい。
【0008】
この赤外線発生装置の一形態は、燃焼盤の先端と燃焼外筒の先端とをかしめる(圧着させる)などの方法により封鎖部を形成し、燃焼盤と燃焼外筒との間をガス室としたものである。このような場合、封鎖部は、ガス室よりも前方に突き出すことがある。封鎖部が、ガス室よりも前方に突き出た部分を備えている場合、放熱板からの輻射熱だけでなく、内側の火炎(環状の青火)からの輻射熱に対して、その部分を保護することが望ましい。
【0009】
この場合、ガード部は、封鎖部の突き出た部分の内側を覆うように、第1の部分の先端から後方に延びる第2の部分をさらに含むことが好ましい。第1の部分の先端から後方に延びる第2の部分により、火炎の輻射から封鎖部の突き出た部分をガードすることができる。しかも、収容筒と燃焼外筒との間の通路を流れる空気の一部(フレッシュエアー)は、ガード部の第1の部分に沿って内側に流れ、その後、第2の部分に沿って後方に流れる。このため、ガード部の第2の部分およびロータリーバーナーの封鎖部の突き出た部分も冷却(空冷)することができる。
【0010】
この赤外線発生装置において、ガード部の第1の部分は、少なくともその内側が傾斜部であり、収容筒の外周とのなす角度が鈍角または直角であっても良いが、鋭角であることがさらに好ましい。ガード部の第1の部分に、収容筒の外周とのなす角度が鋭角となるような傾斜部を設けることにより、ガード部の第1の部分に、放熱板と対向するような広がりを持たせることができる。すなわち、放熱板の輻射に対する広がりを確保することができる。したがって、ガード部の第1の部分により、放熱板の輻射を効果的にブロック(反射)でき、ロータリーバーナーの先端部(封鎖部)を、放熱板の輻射から良好に保護(ガード)できる。
【0011】
この場合、ガード部の第1の部分の傾斜部と回転気化筒の回転軸とのなす角度が、シェルの後方より前方が広がる内面の部分と回転気化筒の回転軸とのなす角度よりも小さいと、ガード部の第1の部分に、放熱板からの輻射熱が集中しやすくなるおそれがある。したがって、ガード部の第1の部分の傾斜部と回転気化筒の回転軸とのなす角度は、シェルの後方より前方が広がる内面の部分と回転気化筒の回転軸とのなす角度よりも大きいことが好ましい。
【0012】
放熱板からの輻射熱に対しガードするための広がりを確保し、放熱板からの輻射熱を効果的にブロック(反射)するためには、ガード部の第1の部分の傾斜部と回転気化筒の回転軸とのなす角度は、30°〜50°であることが好ましい。
【0013】
ガード部の第1の部分は、少なくともその内側が傾斜部であることが好ましい。ガード部の第1の部分は、外側が平坦部や湾曲部などであって、内側が傾斜部であるようなものや、ほぼ全域が傾斜部となっているようなものであることが好ましい。ガード部の第1の部分は、ほぼ全域が平坦部や湾曲部となっているものであってもよい。
【0014】
また、ガード部の第1の部分の傾斜部の径方向の幅は、第1の部分の径方向の幅の約半分であることが好ましい。すなわち、ガード部の第1の部分は、外側が平坦部や湾曲部など傾斜部以外の形状となっているとともに、内側が傾斜部となっており、外側の部分の幅と内側の傾斜部の部分との径方向の幅がほぼ等しいことが好ましい。放熱板の輻射に対する広がりを確保し、放熱板の輻射を効果的にブロック(反射)できる。
【0015】
さらに、この赤外線発生装置において、ガード部の第2の部分は、封鎖部の突き出た部分よりも長いことが好ましい。ガード部の第2の部分を封鎖部の突き出た部分よりも長くすることにより、ガード部の第2の部分を封鎖部の突き出た部分の根元あるいはその近傍にまで伸ばすことができる。したがって、ガード部の第2の部分により、火炎の輻射を効果的にブロック(反射)し、封鎖部の突き出た部分を、火炎の輻射から良好に保護(ガード)できる。
【0016】
上記の赤外線発生装置は、放熱板から後方に放出される輻射熱に対してバーナーを良好に保護できるので、高出力および/またはコンパクトな赤外線発生装置に適しており、例えば、赤外線暖房装置などに好適である。本発明の他の態様の1つは、上記の赤外線発生装置と、ロータリーバーナーで燃焼させる液体燃料を溜めるための燃料タンクとを有する赤外線暖房装置である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態にかかる赤外線発生装置について説明する。図1は、赤外線発生装置と燃料タンクとを備える赤外線ヒータ(赤外線暖房装置)の一例を正面図により示している。図2は、図1の赤外線ヒータを側面図により示している。図3は、図2の赤外線ヒータを一部断面にして示している。
【0018】
赤外線ヒータ1は、赤外線発生装置10と、赤外線発生装置10を収納するハウジング(外装)2と、ハウジング2の下方に配置された燃料タンク11と、ハウジング2および燃料タンク11を支持する下部フレーム3と、下部フレーム3に設けられた車輪4aおよび脚部4bとを備えている。下部フレーム3は、一部が上方に延び取手(ハンドル)5と繋がっている。この赤外線ヒータ1は、取手5を持ち上げることにより、車輪4aを利用し、任意の場所に移動でき、取手5を離すと、脚部4bがストッパとなり、その場所に設置できる。
【0019】
また、ハウジング2は、旋回台9を介して下部フレーム3に取り付けられた上部フレーム8に支持されている。ハウジング2は、旋回軸6を介して上下に旋回(回動)するように、上部フレーム8に支持されている。このため、赤外線発生装置10は、その軸線(シェル12(シェル12により形成されるチャンバ12c)の中心を通る線、ロータリーバーナー20の回転気化筒21の軸線(回転軸)、図3および図4参照)Lが略水平となる姿勢と、軸線Lが上側を向くように傾斜する姿勢との間で、上下に旋回(回動)可能となっている。また、旋回台9は、下部フレーム3に対して上部フレーム8を左右に旋回できる。したがって、脚部4bおよび車輪4aを備えた下部フレーム3に対して、ハウジング2の左右の向きを適当にセットできる。さらに、ハウジング2を左右の適当な角度範囲において繰り返し旋回させることができる。
【0020】
図3に示すように、ハウジング2の内部に収納された赤外線発生装置10は、後方より前方が広がったチャンバ12cを形成するためのシェル12と、シェル12の後方に設けられた(配置された)ファン13と、シェル12の後方であって、シェル12とファン13との間に設けられた(配置された)ロータリーバーナー20と、シェル12の前方に、シェル12の開放部(開口部)12dを覆うように設けられた(配置された)多孔性の放熱板(穿孔金属板、金属板、パネル、放熱パネル)40とを備えている。
【0021】
シェル12は、ほぼ角錐台状であって、前方が後方よりも広がり、前方に開放部12dが設けられた、耐熱性ステンレススチール製のシェル本体12aと、シェル本体12aの内側(内面)に設けられた断熱材12bとを備え、その内部に、前側に向かって径(断面積)が大きくなるように開いた形状のチャンバ12cが形成されている。なお、断熱材12bは、シェル本体12aの外側(外面)に設けてもよく、また、シェル12自体を断熱性の壁(断熱壁)により形成してもよい。また。シェル12およびチャンバ12cは、角錐台状に限らず、円錐台状などの他の前方に広がった形状であってもよい。
【0022】
シェル12の後方には、収容筒30が配置されており、そのさらに後方に、ファンカバー16が配置されている。ロータリーバーナー(回転霧化式バーナー)20は、収容筒30内に収容されている。ファン13およびモータ14は、ファンカバー16内に収容されている。モータ14は、ファン13を回転させる手段と、ロータリーバーナー20が備える回転気化筒21を回転させる手段とを兼ねている。
【0023】
ハウジング2の前方、すなわち、放熱板40の前方には、安全ガード7が取り付けられている。また、ハウジング2の上部には、ハウジング2の内部を換気するためのサーキュレータ65が設けられている。換気用の空気Aは、ハウジング2の後方下部に設けられた吸引口71および72から吸い込まれ、ハウジング2の前方上部に設けられた放出口73から放出される。ハウジング2の内部を換気することにより、ハウジング2の内部温度が極端に上昇するのを抑止できる。それとともに、加熱された換気用の空気Aをハウジング2の前面から放出することにより、放熱板40から放出される赤外線とともに、室内を暖房することができる。
【0024】
ハウジング2の後方には、ハウジング2の内部を前後に区切るように、遮熱板66が配置されている。遮熱板66の前方には、チャンバ12cを形成するシェル12と、収容筒30と、収容筒30に収納(収容)されたロータリーバーナー20とが設けられ、遮熱板66の後方には、ファンカバー16と、ファンカバー16に収納(収容)されたファン13とモータ14とが設けられている。したがって、本例では、ロータリーバーナー20の後方にモータ14が設けられ、モータ14の後方にファン13が設けられている。
【0025】
ロータリーバーナー20を収納した収容筒30と、ファン13およびモータ14を収納したファンカバー16とは、遮熱板66の前後にそれぞれ取り付けられている。遮熱板66の前方は、発熱する部分が収納された区画であり、換気用の空気Aにより換気される。遮熱板66によりハウジング2の前後を区切り、ハウジング2の後方の温度上昇を抑制することにより、ハウジング2の後方に熱が放出されたり、ファン13およびモータ14が熱膨張(熱変形)の影響を受けるのを抑制できる。
【0026】
図4は、図1の赤外線ヒータ1の概略構成を断面図(端面図)により示している。この赤外線ヒータ1の赤外線発生装置10が備えるロータリーバーナー20は、1100℃程度の耐熱性を有する耐熱性ステンレススチール製の収容筒30の内部に収容されている。ロータリーバーナー20は、筒状の回転気化筒21と、筒状の燃焼盤22と、筒状の燃焼外筒23とを含み、これらは内側(回転気化筒21の回転中心L側)からこの順序で配置されている。
【0027】
回転気化筒21は、前側に壁(端壁、底壁、前壁)21aを有する有底円筒状(カップ状)の部材である。回転気化筒21は、後方よりも前方が若干狭まっている。回転気化筒21の端壁21aの内側には、回転気化筒21に液体燃料Fを導くための略円錐形状の拡散体24が設けられている。拡散体24は、回転気化筒21と一体となってモータ14により回転する。
【0028】
燃焼盤22は、900℃程度の耐熱性を有する耐熱鋼板により形成された有底円筒状の部材であって、後側に壁(端壁、底壁、後壁)22aを有している。燃焼盤22は、後方よりも前方が若干広がっている。端壁22aは環状で、その中央には開口22bが設けられており、この開口22bと面するように回転気化筒21が設けられている。開口22bの縁と、回転気化筒21との隙間は、起動時などにおいて気化されない燃料Fが噴霧される燃料飛散孔(隙間)25となる。燃焼盤22の周壁22dには、複数の孔(開口、炎孔)22cが千鳥状に形成されている。
【0029】
燃焼盤22の外側に配置された燃焼外筒23は、300℃〜400℃程度の耐熱性を有する普通鋼板により形成された有底円筒状の部材である。燃焼外筒23は、後側に壁(端壁、底壁、後壁)23aを有し、燃焼盤22よりも一回り大きく形成されている。端壁23aは環状で、その内側23bから回転気化筒21の内側に向かって隔壁23cが立ち上がっている。隔壁23cの内側が、ファン13からの燃焼空気を回転気化筒21に供給するための空間となり、さらに、隔壁23cの先端は、回転気化筒21により気化された液体燃料Fと、ファン13から供給される燃焼空気とを、燃焼外筒23と燃焼盤22との間に導くための開口となっている。
【0030】
図5に示すように、このロータリーバーナー20では、燃焼盤22の周壁22dの先端22fと燃焼外筒23の周壁23dの先端23fとを合わせることにより封鎖部27が形成され、燃焼盤22と燃焼外筒23との間にガス室26が形成されている。このガス室26は、回転気化筒21により気化した液体燃料Fとファン13から供給される燃焼空気とが混合された混合ガスBを、燃焼盤22の多孔22cから吹き出すための空間または経路となる。本例では、封鎖部27は、燃焼外筒23の先端23fにより、内側の燃焼盤22の先端22fを巻き込むようにしながら、燃焼盤22の先端22fと燃焼外筒23の先端23fとをかしめる(圧着させる)ことにより形成されている。このため、封鎖部27は、ガス室26よりも前方に突き出た部分27aを備えている。上述のように、燃焼外筒23は、300℃〜400℃程度の耐熱性を有する普通鋼板により形成されており、封鎖部27は、燃焼盤22の先端22fと燃焼外筒23の先端23fとをかしめることにより形成されているため、封鎖部27の耐熱性もまた、300℃〜400℃程度である。
【0031】
ロータリーバーナー20は、燃料パイプ51を介して、燃料タンク11と接続されている。パイプ51の途中には、ポンプ52が設けられている。ポンプ52を駆動させることにより、燃料タンク11から供給された液体燃料Fは、燃料パイプ51を介して回転気化筒21の拡散体24に吹き付けられる。モータ14により、回転気化筒21と拡散体24とを一体に回転させると、液体燃料Fが遠心力によって拡散体24の内面に薄膜状に広がりながら、蒸発する(気化する)。そして、気化した液体燃料(蒸発した液体燃料)Fは、まず、燃料飛散孔25から吹き出されて燃焼する。次に、気化した液体燃料Fは、ファン13から供給される燃焼空気と混合してガス状となり、ガス室26を介して燃焼盤22の多孔22cから混合ガスBとして吹出され、燃焼盤22の近傍で燃焼する。本例のロータリーバーナー20では、燃焼盤22の周壁22dが前方に向かって若干広がっており、多孔22cが周壁22dに対して垂直にあけられている。このため、混合ガスBは、斜め前方に吹き出される(図4および図5参照)。
【0032】
燃焼盤22の内側には、フレームロッド18と、着火用の点火棒(電極)19とが配置されている。点火するときは、回転気化筒21に設けられた燃料飛散孔25から放出された燃料Fが、点火棒19によって着火される。そして、燃焼盤22の近傍で燃焼が起き、チャンバ12cの内部が加熱されると、回転気化筒21の拡散体24で気化した液体燃料Fと燃焼空気とが混合した混合ガスBが得られ、燃焼が継続される。
【0033】
燃焼盤22とその端壁22aとのコーナー部および燃焼外筒23とその端壁23aとのコーナー部には、それぞれ、残留した液体燃料Fをドレンとして排出する経路となるドレン孔61および62が設けられている。また、収容筒30には、孔62と対向する位置に、ドレン配管63が設けられている。ドレン配管63は、パイプ(チューブ)64を介して、燃料タンク11と連通されている。赤外線ヒータ1が、回転気化筒21の軸線Lが略水平となる姿勢で使用する場合であっても、また、回転気化筒21の軸線Lが上側を向くように傾斜する姿勢で使用する場合であっても、燃焼盤22の下側後方および燃焼外筒23の下側後方から、ロータリーバーナー20に残留した液体燃料Fを燃料タンク11に戻すことができる。このため、ロータリーバーナー20の内部、特に、燃焼盤22の下側および燃焼外筒23の下側に液体燃料がドレンとして溜まり難く、点火時、消火時、点火ミス時などに、ドレンまたその気化成分が未燃分として放出されたり、ドレンがモータ軸などを介してロータリーバーナー20の後方に滲み出したりすることを抑制できる。
【0034】
放熱板40は、耐熱性金属(例えば、ステンレススチール)の板材により形成され、中央部が前方に膨らむような湾曲形状に形成されている。典型的には、放熱板40は、上下方向は前方が凸となるように湾曲し、左右方向はほぼまっすぐに延びた円筒面(蒲鉾状の面)を形成する形状となっている。放熱板40には、複数の孔41が形成されている。複数の孔41は、放熱板40からの燃焼ガスの放出量を適切に調整するためのものである。複数の孔41の孔径および配置密度(開口率)を変えることにより、チャンバ12c内の圧力と外界との圧力差(放出される際の差圧)を制御できる。
【0035】
この赤外線発生装置10では、燃料タンク11から供給された液体燃料Fを気化した混合ガスBを、ロータリーバーナー20の燃焼盤22で環状に燃焼させ、その燃焼により発生した熱(主には、輻射熱および燃焼ガスによる熱伝達)で放熱板40を加熱する。燃焼により発生した燃焼ガスは、チャンバ12cを介して多孔状の放熱板40を加熱し、さらに、放熱板40の複数の孔41を通って前方に放出される。この赤外線発生装置10においては、混合ガスBの燃焼により得られる熱エネルギーは、放出される燃焼ガスによる放熱もあるが、主には、放熱板40から前方に放射される赤外線として外部に放出される。
【0036】
この赤外線発生装置10は、ロータリーバーナー(回転霧化式バーナー)20を備えており、バーナー20内で液体燃料Fを気化させて吹き出し、燃焼させる。このため、ロータリーバーナー20における燃焼は、気化が進んだ混合ガスBの燃焼による青火燃焼となり、燃焼効率が良い。
【0037】
また、混合ガスBは、筒状の燃焼盤22から環状に吹き出され、青火も環状に形成される。さらに、この赤外線発生装置10によれば、混合ガスBは短い距離で完全燃焼する。このため、放熱板40とロータリーバーナー20との距離を近づけることもできる。したがって、この赤外線発生装置10によれば、燃焼効率の良いロータリーバーナー20により、チャンバ12cの前面の放熱板40を効率的に加熱できる。したがって、この赤外線発生装置10によれば、少ない燃料量でより多くの赤外線を放出できるため、赤外線ヒータ1に好適であり、暖かい赤外線ヒータ1を提供できる。しかも、液体燃料Fをバーナー内部で気化した後に吹き出して燃焼するロータリーバーナー20は、運転音も比較的小さい。
【0038】
このように、ロータリーバーナーを適用した赤外線発生装置は、ガンタイプバーナーを適用した赤外線発生装置よりも、放熱板の表面の温度を高めることができる。しかも、ロータリーバーナーを適用した赤外線発生装置は、気化された燃料を含む混合ガスがロータリーバーナーの近傍で燃焼するので、ロータリーバーナーと放熱板とを比較的狭い間隔で対峙(対面)させる配置を採用することができる。したがって、ロータリーバーナーを適用した赤外線発生装置は、燃焼効率が高く、放熱板の全面を加熱しやすく、赤外線放熱量(温かさ)も良好であって、しかも、コンパクト化が容易であり、燃焼騒音も小さい、といった数々のメリットがある。
【0039】
その反面、ロータリーバーナー20を適用したこのタイプの赤外線発生装置10は、放熱板40の輻射熱により、ロータリーバーナー20が加熱されやすい。すなわち、この赤外線発生装置10においては、混合ガスBの燃焼により得られる熱エネルギーは、放熱板40から前方に赤外線として放射されるとともに、放熱板40から後方、すなわち、ロータリーバーナー20の方向にも放射される。ロータリーバーナー20を適用したこのタイプの赤外線発生装置10では、ロータリーバーナー20は高温になりやすい。特に、このタイプの赤外線発生装置10において、ロータリーバーナー20の先端部(封鎖部)27における熱の影響が多大であることが本願の発明者らの実験により明白になった。
【0040】
ロータリーバーナーの先端部(封鎖部)27はチャンバ12cに最も近く、放熱板40からの輻射熱により温度が上昇しやすいことが大きな要因であると考えられる。しかも、封鎖部27は、火炎(環状の青火)からの輻射熱によっても温度が上昇しやすい。封鎖部27は、これらの輻射熱の発生源に近いという要因の他に、ロータリーバーナー20を冷却する機能を果たす混合ガスBの流通経路の終点にあたるために、混合ガスBの流量が少なく、また、ガスの流れが滞り易いために輻射熱の影響を受けやすいと考えられる。さらに、混合ガスBが、筒状の燃焼盤22から内側に向かって環状に吹き出され、青火も環状に形成されるタイプのロータリーバーナー20であると、燃焼効率は良いが、ガス室26から混合ガスBは内側に噴き出され、ガス室26の先端から噴き出されず、ガス室26の先端におけるガスの流れは少ない。このため、ガス室26の先端で終端となる封鎖部27は混合ガスBによっては冷却されにくいと考えられる。
【0041】
封鎖部27の耐熱性能は、上述のように、300℃〜400℃程度であることが多い。したがって、以下のようなガード部が設けられていないと、ロータリーバーナー20に与えられる熱負荷が高くなり、ロータリーバーナー20の先端部(封鎖部)27が焼損するおそれがある。また、ロータリーバーナー20に与えられる熱負荷が高くなると、ロータリーバーナー20の温度が上がり、燃焼盤22と燃焼外筒23との間のガス室26内に炎が入り込む、いわゆるバック燃焼が発生しやすくなる。
【0042】
本例の赤外線発生装置10では、収容筒30と燃焼外筒23との間に、ファン13から供給される空気の一部を冷却空気Cとして流通させる通路28を形成するとともに、収容筒30の前方の部分に、ロータリーバーナー20の先端部(封鎖部)27を輻射熱から保護するためのガード部30aを設けている。
【0043】
図5は、図1の赤外線ヒータ1の一部(ロータリーバーナー20の先端部27近傍)を拡大した断面図により示している。ガード部30aは、封鎖部27の前方を覆うように(突出部分27aの前方を覆うように)内側に延びる第1の部分31と、突出部分27aの内側を覆うように、第1の部分31の先端から後方に延びる第2の部分32とを含んでいる。このガード部30aは、収容筒30の外周(周壁)30bの前側の部分(先端)を内側にプレス加工などにより湾曲させる(かしめる)ことにより形成されている。収容筒30と燃焼外筒23との間は、ファン13から供給される空気の一部Cが流通する通路28となっている。この通路28を流れる空気の一部(フレッシュエアー)Cは、ガード部30aに沿って内側に流れる。このため、ガード部30aは、輻射熱から封鎖部27を保護するととともに、ガード部30aは、常にガード部30aの全体に沿って流れる空気により冷却(空冷)される。したがって、ガード部30aを設けることにより、ロータリーバーナー20の先端部分の耐熱性を向上できる。さらに、収容筒30は、耐熱性ステンレススチール製であるため、収容筒30の前側の部分を曲げたガード部30aは、その点でも耐熱性が高い。
【0044】
ガード部30aは、収容筒30の外周(周壁)30bの前側の部分(先端)を内側に曲げることにより形成されている。このため、第1の部分31の外側の部分は、前方に膨らむ形状の湾曲部31aとなっている。また、第1の部分31の内側の部分(湾曲部31aの内側)は、収容筒30の外周30bとのなす角度αが鋭角となるように傾く傾斜部31bとなっている。第2の部分32は、傾斜部31bと連続し、傾斜部31bからさらに内側に曲げられており、収容筒30の外周30bとほぼ並行になっている。第2の部分32は封鎖部27の突出部分27aよりも長く、封鎖部27の突出部分27aの内面は、その根元の近傍まで、第2の部分32によって覆われている。
【0045】
本例のガード部30aは、第1の部分31の傾斜部31bの径方向の幅W2が、第1の部分31の径方向の幅Wの約半分となっている。すなわち、第1の部分31の傾斜部(内側の部分)31bの径方向の幅W2は、第1の部分31の湾曲部(外側の部分)31aの径方向の幅W1とほぼ等しい。
【0046】
第1の部分31の傾斜部31bは、ガード部30aに放熱板40と対向するような広がり(投影面積)を持たせるために有効である。ガード部30aに放熱板40と対向する十分な広がりを持たせるためには、第1の部分31の傾斜部31bと回転気化筒21の回転軸Lとのなす角度θ1を、シェル12の内面12sと回転気化筒21の回転軸Lとのなす角度θ2よりも大きくすることが好ましい。図5においては、回転気化筒21の回転軸Lと平行な軸(線)L´に対する角度で角度θ2を示している。
【0047】
なお、シェル12の内面12sは、前端側や後端側など、その一部分においては、水平方向に延びる部分や鉛直方向に延びる部分を含んでいる場合がある。このような場合には、シェル12の内面12sをシェル12の内面12sのうちの後方より前方が広がっている内面の部分12tに注目し、第1の部分31の傾斜部31bと回転気化筒21の回転軸Lとのなす角度θ1は、シェル12の内面12sのうちの後方より前方が広がっている内面の部分12tと回転気化筒21の回転軸Lとのなす角度θ2よりも大きくすることが好ましい。
【0048】
また、シェル12の内面12sは、若干湾曲することにより、途中で傾斜角度が変わる場合もある。このような場合には、シェル12の後方より前方が広がっている内面の部分12tの初期勾配(シェル12の後方より前方が広がっている内面の部分12tのうちの、ロータリーバーナー20側の端の回転気化筒21の回転軸Lに対する初期勾配)を角度θ2とし、第1の部分31の傾斜部31bと回転気化筒21の回転軸Lとのなす角度θ1を、内面の部分12tの初期勾配θ2よりも大きくするとよい。あるいは、シェル12の後方より前方が広がっている内面の部分12tのうちの、傾斜が最も大きくなる部分の角度をθ2とし、第1の部分31の傾斜部31bと回転気化筒21の回転軸Lとのなす角度θ1を、シェル12の後方より前方が広がっている内面の部分12tの最大傾斜角θ2よりも大きくするとよい。
【0049】
典型的には、第1の部分31の傾斜部31bと回転気化筒21の回転軸Lとのなす角度(第1の部分31の傾斜部31bと収容筒30の外周30bとのなす角度)θ1は、30°〜50°程度であることが好ましい。すなわち、第1の部分31の傾斜部31bと収容筒30の開口端(回転軸Lと直交する断面を含む開口端)とのなす角度は、40°〜60°程度であることが好ましい。本例では、シェル12の内面12sと回転気化筒21の回転軸Lとのなす角度θ2は、10°程度であり、第1の部分31の傾斜部31bと回転気化筒21の回転軸Lとのなす角度(初期勾配)θ1は、45°程度である。
【0050】
この赤外線発生装置10によれば、封鎖部27の前方を覆うように内側に延びる第1の部分31により、放熱板40の後方輻射(赤外線)が封鎖部27に直に当たるのを抑制し、その輻射熱から封鎖部27をガードすることができる。また、第1の部分31の先端から後方に延びる第2の部分32により、火炎の輻射熱から封鎖部27の突出部分27aをガードすることができる。さらに、収容筒30と燃焼外筒23との間は、ファン13から供給される空気の一部Cが流通する通路28となっている。この通路28を流れる空気の一部(フレッシュエアー)Cは、ガード部30aの第1の部分31に沿って内側に流れ、その後、第2の部分32に沿って後方に流れる。このため、ガード部30a(第1および第2の部分31および32を含む)を冷却(空冷)することができるとともに、ロータリーバーナー20の封鎖部27(突出部分27aを含む)を冷却(空冷)することができ、輻射熱、熱伝達などによる封鎖部27の温度上昇を抑制できる。
【0051】
また、この赤外線発生装置10によれば、ガード部30aにより構成される通路28の先端部分が略U字型のラビリンス構造となっているため、直接、または反射などにより伝達される、放熱板40の輻射熱や火炎からの輻射熱がガード部30aの内側に入り込み難い。一方、通路28が略U字型のラビリンス構造となっていても、空気はスムーズに流れるため、ガード部30aおよび封鎖部27を良好に空冷できる。さらに、この赤外線発生装置10によれば、燃焼盤22が後方よりも前方が若干広がっているため、通路28の出口(ガード部30aの先端)が狭くなっている。したがって、火炎や火炎側からの熱のガード部30a内側への入り込みがさらに抑制され、先端部(封鎖部)27の熱負荷をさらに低減できる。
【0052】
しかも、この赤外線発生装置10によれば、ガード部30aの第1の部分31に、傾斜角θ1が傾斜角θ2よりも大きくなるような傾斜部31b、具体的には、傾斜角θ1が30°〜50°程度となるような傾斜部31bを設けている。このため、ガード部30aに、放熱板40と対向するような広がりを持たせることができる。したがって、放熱板40の輻射を効果的にブロック(反射)でき、ロータリーバーナー20の先端部(封鎖部)27を、放熱板40の輻射から良好に保護(ガード)できる。
【0053】
また、この赤外線発生装置10によれば、ガード部30aの第2の部分32を封鎖部27の突出部分27aよりも長くしているため、結果として、ガード部30aの第2の部分32は、封鎖部27の突出部分27aの根元近傍にまで伸びている。したがって、ガード部30aの第2の部分32により、火炎の輻射を効果的にブロック(反射)でき、封鎖部27の突出部分27aを、火炎の輻射から良好に保護(ガード)できる。
【0054】
さらに、この赤外線発生装置10によれば、封鎖部27が焼損して混合ガスBが漏れ出し、燃焼効率が低下するような事態を未然に防止できると同時に、燃焼盤22と燃焼外筒23との間のガス室26内に炎が入り込む、いわゆるバック燃焼を抑制することもできる。バック燃焼は、ガス室26内の温度の上がり過ぎにより発生する。この赤外線発生装置10では、ロータリーバーナー20に与えられる熱負荷が高いが、上述のように、燃焼外筒23と収容筒30との間の通路28に、ファン13により供給される空気の一部を冷却空気Cとして流通させているため、燃焼外筒23を介してガス室26を適度に冷却できる。したがって、バック燃焼を抑制できる。
【0055】
なお、上記のガード部30aの形状は、ガス室26より前方に突き出た部分を備えた封鎖部27を輻射熱に対してカバーし、空冷するのに適した1つの実施形態であり、湾曲部31aの曲率を変えたり、湾曲部31aを平坦に近い状態にするなどの変形は可能であり、本願の発明の範囲に含まれる。また、第1の部分31と第2の部分32とを一体の湾曲した形状に形成したりすることも可能であり、さらに、ラビリンスの効果を高めるためにこれらの部分に湾曲した部分を追加するなどの変形も可能であり、本願の発明の範囲に含まれる。上記のガード部30aの形状は、収容筒の前側の部分(先端)をプレス加工するなどの方法により、比較的容易に形成することができる形状の1つである。さらに、ガード部は、収容筒とは別体(別部材)で構成し、スポット溶接などにより、収容筒の前側の部分に取り付けてもよい。
【0056】
以上のように、本例の赤外線ヒータ1および赤外線発生装置10によれば、ロータリーバーナー20の先端部(封鎖部)27の温度上昇を抑制できる。したがって、ロータリーバーナーを適用した赤外線ヒータおよび赤外線発生装置であって、長期間使用してもロータリーバーナー20の先端部27が焼損し難い、赤外線ヒータおよび赤外線発生装置を得ることができる。そして、この赤外線発生装置10では、ロータリーバーナー(回転霧化式バーナー)20により、回転気化筒21で気化させた液体燃料Fと燃焼空気とを含む混合ガスBを、ガス室26を介して筒状の燃焼盤22より吹き出して環状の青火を生成し、その燃焼により発生した熱により、チャンバ12cを介してシェル12の前方の放熱板40を加熱する。このため、ガンタイプバーナー(ノズル噴霧式バーナー)を備えた赤外線発生装置と比べて、燃焼効率が高く、より暖かく、しかも、運転音(燃焼騒音)が小さく、コンパクトな赤外線発生装置(低騒音で高出力の赤外線発生装置)が得られる。
【0057】
本発明の赤外線発生装置は、大量の赤外線を安価に放出できるので、室内外の暖房を主な目的としてヒータに適用されるのに適しているが、用途はヒータに限定されるものではない。他の用途、例えば、加熱あるいは乾燥を目的とした装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施形態にかかる、赤外線発生装置を備える赤外線暖房装置の一例を示す正面図。
【図2】図1の赤外線暖房装置を示す側面図。
【図3】図1の赤外線暖房装置を一部断面にして示す側面図。
【図4】図1の赤外線暖房装置の概略構成を示す図。
【図5】図1の赤外線暖房装置の一部を拡大して示す図。
【符号の説明】
【0059】
1 赤外線ヒータ(赤外線暖房装置)
10 赤外線発生装置、 11 燃料タンク
12 シェル、 12c チャンバ
12s シェルの内面、 13 ファン
20 ロータリーバーナー、 21 回転気化筒
22 燃焼盤、 22f 燃焼盤の先端
23 燃焼外筒、 23f 燃焼外筒の先端
26 ガス室、 27 封鎖部
27a 封鎖部の突き出た部分、 28 通路
30 収容筒、 30a ガード部
30b 収容筒の外周、 31 第1の部分
31b 傾斜部、 32 第2の部分
40 放熱板、 L 回転軸、 L´ 回転軸Lと平行な軸
C ファンから供給される空気の一部
W 第1の部分の径方向の幅、 W2 第1の部分の傾斜部の径方向の幅
θ1 第1の部分の傾斜部と回転気化筒の回転軸とのなす角度
θ2 シェルの後方より前方が広がる内面の部分と回転気化筒の回転軸とのなす角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
後方より前方が広がったチャンバを形成するためのシェルと、
前記シェルの前方に配置された多孔性の放熱板と、
前記シェルの後方に配置されたロータリーバーナーおよびファンと、
前記ロータリーバーナーを収容する収容筒とを有し、
前記ロータリーバーナーは、回転気化筒、筒状の燃焼盤、および、燃焼外筒が、内側からこの順序で配置され、前記燃焼盤の先端および前記燃焼外筒の先端を合わせて封鎖部を形成することにより、前記燃焼盤と前記燃焼外筒との間をガス室とし、液体燃料を前記回転気化筒で気化させ、気化させた液体燃料を前記ファンから供給される燃焼空気とともに混合ガスとし、前記ガス室を介して混合ガスを前記燃焼盤から前記燃焼盤の内側へ吹出させて燃焼させ、前記放熱板から前方に赤外線を放射する、赤外線発生装置であって、
前記収容筒と前記燃焼外筒との間が、前記ファンから供給される空気の一部を流す通路となり、
前記収容筒の前方の部分に、前記封鎖部の前方を覆うように内側に延びる第1の部分を含むガード部が設けられている、赤外線発生装置。
【請求項2】
請求項1において、前記封鎖部は、前記ガス室よりも前方に突き出た部分を備えており、
前記ガード部は、前記突き出た部分の内側を覆うように、前記第1の部分の先端から後方に延びる第2の部分を含む、赤外線発生装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記第1の部分は、少なくともその内側が傾斜部であり、前記収容筒の外周とのなす角度が鋭角である、赤外線発生装置。
【請求項4】
請求項3において、前記第1の部分の傾斜部と前記回転気化筒の回転軸とのなす角度が、前記シェルの後方より前方が広がる内面の部分と前記回転気化筒の回転軸とのなす角度よりも大きい、赤外線発生装置。
【請求項5】
請求項3または4において、前記第1の部分の傾斜部と前記回転気化筒の回転軸とのなす角度は、30°〜50°である、赤外線発生装置。
【請求項6】
請求項3ないし5のいずれかにおいて、前記第1の部分の傾斜部の径方向の幅は、前記第1の部分の径方向の幅の約半分である、赤外線発生装置。
【請求項7】
請求項2ないし6のいずれかにおいて、前記第2の部分は、前記突き出た部分よりも長い、赤外線発生装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の赤外線発生装置と、前記ロータリーバーナーで燃焼させる液体燃料を溜めるための燃料タンクとを有する、赤外線暖房装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−52779(P2009−52779A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−218223(P2007−218223)
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【出願人】(000103921)オリオン機械株式会社 (450)