説明

起床装置用空気袋

【課題】耐久性に優れ、かつ、生産性が良好な起床装置用空気袋を提供する。
【解決手段】ウレタン引き布で構成されたシート2のウレタン被着面を向かい合わせにして、その周縁部を溶着することで、シート2が一体となった溶着部3Aを形成して空気袋本体3を形成し、空気袋本体3の内部と外部とを連通して内部に空気を送り込むバルブ4を、空気袋本体3の中心から周縁部側へ偏心した位置に配置して、起床装置用空気袋を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、就寝者の起床を促す起床装置において用いられる起床装置用空気袋に関する。
【背景技術】
【0002】
空気袋を用いることで早期従業の作業員等(就寝者)の起床を促す起床装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような起床装置では、所定の時刻に自動的に空気袋を膨らませることで、他の人の睡眠を妨げることなく特定の就寝者の起床を促すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−123068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来、上記のような起床装置で用いられる空気袋は、ナイロン等からなるシートを重ね合わせ、周縁を接着剤により接着することで構成されていた。
【0005】
しかし、上記のように接着材により接着することで空気袋を構成する場合、空気袋の全周に渡って形成された接着層が時間の経過とともに次第にはがれていってしまい、耐久性が良好と言い難く、また接着に際しては接着材を塗布する作業が必要であるため、生産性が良好と言い難い点があった。
【0006】
本発明は係る実情に鑑みてなされたものであり、耐久性及び生産性を向上できる起床装置用空気袋の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、気密性の樹脂が塗布されたシートの周縁部を互いに重ね合わせて前記樹脂を溶着させることにより袋状に構成され、寝床の幅方向へ向けて配置される袋体と、この袋体を貫通して袋体の内外の空間を連通する通気管と、から構成され、前記通気管は、前記袋体の中心から周縁部側へ偏心した位置に配置されたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載した発明は、前記通気管は、前記袋体の面を貫通した状態で配置されたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載した発明は、前記袋体は、前記通気管が設けられた側の周縁部へ向けて幅寸法が漸次小さく形成されたことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載した発明は、前記袋体は、前記偏心方向を長手方向とする形状をなし、前記シートは、その長手方向の一端から他端近傍へ向う複数の溶着線を形成されて互いに溶着し、前記袋体には、その短手方向の一端側から他端側へ向けて蛇行しながら一連に続く空気の流入通路が形成されたことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載した発明は、前記袋体は、前記偏心方向を長手方向とする形状をなし、前記シートは、その短手方向に沿って一端から他端近傍へ向う複数の溶着線を形成されて互いに溶着し、前記袋体には、その長手方向の一端側から他端側へ向けて蛇行しながら一連に続く空気の流入通路が形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載した発明によれば、重ね合わされたシートの樹脂が溶着することで一体となり、袋体の周縁が強固に結合して気密状態が確実に保持されるため、起床装置用空気袋の耐久性を向上できる。また、袋体はシートを溶着することで構成されるため、接着材の塗布等の作業が不要であり、生産性を向上できる。
【0013】
また、通気管は袋体の中心から周縁部側へ偏心した位置に配置されることで、起床装置用空気袋は通気管側から早く膨張するため、ベッドが壁際に設置されている際に通気管を壁際の反対に向けて配置すれば、ベッド上の就寝者を壁に向けて寄せることができ、就寝者のベッドからの落下を防止できる。
【0014】
請求項2に記載した発明によれば、通気管が袋体の面から突出した状態となり、起床装置用空気袋をベッドに設置する際、通気管をベッドの側方から下方に向くように配置できるため、ベッド下のスペースを有効に利用し通気管がベッドの上下方向へ張り出すことを抑えることができ、また、通気管のベッドの幅方向への張り出しも抑えることができる。また、ベッドの下方に起床装置用空気袋に空気を供給する送風機を設置する場合には、送風機との接続のためのホースの引き回しも短くすることができる。
【0015】
請求項3に記載した発明によれば、ベッドにサイドレールが形成されるような場合に、起床装置用空気袋をサイドレールにおいて形成される隙間に挿通させることができ、起床装置用空気袋の配置を効率的かつ良好に行うことが可能となる。
【0016】
請求項4,5に記載した発明によれば、急激に起床装置用空気袋が膨張することがないため、就寝者にとって快適な態様で起床を促すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施の形態に係る起床装置用空気袋を有する起床装置の斜視図である。
【図2】第1の実施の形態に係る起床装置用空気袋の下面図である。
【図3】第1の実施の形態に係る起床装置用空気袋の上面図である。
【図4】第1の実施の形態に係る起床装置用空気袋の正面図である。
【図5】第1の実施の形態に係る起床装置用空気袋の側面図である。
【図6】第1の実施の形態に係る起床装置用空気袋においてシートが互い溶着される溶着部の縦断面を模式的に示した図である。
【図7】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図8】起床装置用空気袋に空気が充填された状態を示す図である。
【図9】第2の実施の形態に係る起床装置用空気袋の下面図である。
【図10】第3の実施の形態に係る起床装置用空気袋の下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は本実施の形態に係る起床装置用空気袋1を有する起床装置10の斜視図である。図1に示すように、起床装置10は、起床装置用空気袋(以下、空気袋と呼ぶ)1と、送風機11と、起床制御装置12とで構成されている。
【0019】
空気袋1は、内部に空気を収容可能な気密状の袋体であり、上面視で略長方形状を呈し、その長手方向がベッド13の幅方向に沿うようにして配置されている。空気袋1はベッド13の下のスペースに設置された送風機11とホース14を介して接続しており、送風機11にはベッド13が設置された部屋内に設置された起床制御装置12が有線接続されている。送風機11は、所定の時刻に起床制御装置12から作動の命令を受信し、空気袋1に対して空気を送り込むように構成されている。
【0020】
空気袋1は、図2〜図5に示すように、二枚のシート2から形成される空気袋本体3と、空気袋本体3内に空気を送り込むバルブ4とで構成されている。空気袋本体3は、上面視で略長方形状を呈し、その長手方向の長さ寸法はベッド13の幅方向と略同一の長さで、具体的には900〜1000mm程度に設定され、その幅方向の長さ寸法は、340mm程度に設定されている。また、バルブ4は、空気袋本体3の下面となる面、換言すれば、ベッド13と当接させられる面において、空気袋本体3の中心から偏心した位置に設けられている(図1も参照のこと)。
【0021】
空気袋本体3は二枚のシート2を重ね合わせることで形成され、シート2としては、基布2A(図6参照)の片面全域にウレタン樹脂層2B(図6参照)が被着(塗布)された気密状のシート、すなわち、所謂ウレタン引き布が用いられている。空気袋本体3は、このようなシート2のウレタン樹脂層2Bの被着面を相互に向かい合わせて重ね合わせ、その周縁部に熱を加えてシート2を互いに溶着させることで形成されている。
【0022】
空気袋本体3においてシート2が互いに溶着する溶着部3Aは、図1,図2に示すように、シート2の端からやや内側(端から5mm程度内側)においてシート2の形状に沿って全周に形成されている。図6は溶着部3Aの縦断面図である。本図に示すように溶着部3Aは、シート2のウレタン樹脂層2Bに熱が加えられ、ウレタン樹脂層2Bが溶融して一体となることで形成されている。
【0023】
このような溶着部3Aを形成する際には、溶着部3Aの形状に沿った、換言すれば、シート2の周縁の形状に沿った銅線或いは銅板等を熱し、シート2が重ね合わされた状態でシート2を押圧するようにする。このように空気袋本体3は、所謂ウェルダー加工でシート2を互いに溶着させることで形成されるが、もちろんの他の加工で構成しても構わない。また、先ではシート2の基布2Aはナイロンであると説明したが、ウレタン樹脂層2Bと相まって気密性を保持できるのであれば他の材質であっても構わず、また、シート2が互い溶着できるのであればシート2に塗布される樹脂はウレタン樹脂でなくても構わない。
【0024】
そして、空気袋本体3は、その長手方向の一側(片側)の両角に面取り加工が施されて先細り形状に、すなわち、周縁部へ向けて漸次幅寸法が小さくなるように形成されている。そして、この空気袋本体3の先細り形状に形成された側のシート2の一方には、バルブ4を設けるための貫通孔3Bが形成されている。より詳しくは、貫通孔3Bは、シート2の先細りとなった領域内であって、空気袋1の設置時に下面とされる側のシート2に形成されている。
【0025】
バルブ4は、硬質の樹脂材料等から形成される円筒状の部材であり、貫通孔3Bに挿入され、一端を空気袋本体3の内部に臨ませ、他端を空気袋本体3の外部に臨ませることで、空気袋本体3の内部と外部とを連通させる。バルブ4がシート2に固着された状態では、バルブ4の軸方向はシート2の面と略直交した状態となっている。
【0026】
図4や図7等に示すようにバルブ4は、その一端に径方向に張り出すフランジ部4Aを備えた円筒状の部材であり、フランジ部4Aから軸方向中央部にかけて雄ねじ部4Bが形成され、他端側には雄ねじで構成された接続部4Cが形成されている。そして、バルブ4には雄ねじ部4Bに螺合されるナット5が含まれており、ナット5がシート2を挟んでフランジ部4Aに締め付けることでバルブ4はシート2に固着されている。
【0027】
より詳しくは、フランジ部4Aを、ゴム材からなり貫通孔3Bと略同一径のシール部材6を介してシート2の裏面(ウレタン樹脂層2Bの形成側の面)に溶着し、雄ねじ部4Bにナット5を螺合して、ゴム材からなり貫通孔3Bと略同一径のシール部材7を介してシート2の表面側からナット5をフランジ部4Aに向けて締め上げることで、バルブ4はシート2に固着されている。このように空気袋1では、フランジ部4A、雄ねじ部4B及びナット5で構成される螺合構造により、バルブ4をシート2に固着させており、溶着部3Aと同様にバルブ4の固着作業においても接着の作業が不要となっている。なお、本実施の形態では、シール部材6をシート2の裏面と溶着させるようにしているが、フランジ部4Aをシート2の裏面と直接当接させて溶着するようにしても構わない。また、このような溶着加工もシート2のウレタン樹脂層2Bを溶融させることでなされるため、加工に手間がかかることはない。
【0028】
また、前述した送風機11から延びるホース14の空気袋1側の端部には雌ねじ部が形成され、このホース14の雌ねじ部には接続部4Cが螺合可能になっている。このようにバルブ4とホース14との接続について螺合構造を採用することで、空気袋1では接続作業の容易化が図られている。なお、接続部4Cを介して空気が空気袋本体3内に送り込まれた際は、図8に示すように空気袋本体3は円筒状に膨張する。
【0029】
このように第1の実施の形態では、気密性のウレタン樹脂層2Bが塗布されたシート2の周縁部を互いに重ね合わせて溶着させることにより空気袋本体3を構成し、空気袋本体3を貫通して袋体の内外の空間を連通するバルブ4を、空気袋本体3の中心から周縁部側へ偏心した位置に配置している。
【0030】
この構成では、重ね合わされたシート2のウレタン樹脂層2Bが溶着することで一体となり(溶着部3Aが形成され)、空気袋本体3の周縁が強固に結合して気密状態が確実に保持されるため、空気袋1の耐久性を向上でき、また、空気袋本体3はシート2を溶着することにより形成されるため、接着材の塗布等の作業が不要であり、空気袋1の生産性を向上できる。
【0031】
また、バルブ4は空気袋本体3の中心から周縁部側へ偏心した位置に配置されることで、空気袋1は通気管側から早く膨張するため、ベッドが壁際に設置されている際にバルブ4を壁際の反対に向けて配置すれば、ベッド上の就寝者を壁に向けて寄せることができ、就寝者のベッドからの落下を防止できる。
【0032】
また、本実施の形態では、バルブ4を空気袋1の面を貫通した状態で配置している。この構成では、バルブ4が空気袋1の面から突出した状態となり、空気袋1をベッドに設置する際、バルブ4をベッドの側方から下方に向くように配置できるため、ベッド下のスペースを有効に利用しバルブ4がベッドの上下方向へ張り出すことを抑えることができ、また、バルブ4のベッドの幅方向への張り出しも抑えることができる。また、ベッドの下方に空気袋1に空気を供給する送風機11を設置する場合には、送風機11との接続のためのホース14の引き回しも短くすることができる。
【0033】
また、本実施の形態では、空気袋1を、バルブ4が設けられた側の周縁部へ向けて幅寸法が漸次小さくなるように形成している。この構成では、ベッド13にサイドレールが形成されるような場合に、空気袋1をサイドレールにおいて形成される隙間に挿通させることができ、空気袋1の配置を効率的かつ良好に行うことが可能となる。
【0034】
<第2の実施の形態>
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。図9は、本実施の形態に係る空気袋20の下面図である。以下の説明では、第1の実施の形態との相違点について説明を行い、本実施の形態において第1の実施の形態と共通する部位については共通の符号を付して説明を省略する。
【0035】
図9に示すように空気袋20では、シート2の長手方向の一端から他端近傍へ向う複数の溶着線21,22,23が形成され、シート2は溶着線21,22,23上において互いに溶着している。
【0036】
溶着線21は、シート2のバルブ4側の端部からバルブ4の側方を通過しつつバルブ4の周方向に沿うように湾曲し、その後、シート2の長手方向に沿ってシート2の反対側の端部の近傍まで延出している。また、溶着線22は、シート2のバルブ4側と反対側の端部から延出し、シート2の短手方向において溶着線21よりも中央よりにおいてシート2の長手方向に沿ってバルブ4の近傍まで延出している。そして、溶着線23は、シート2のバルブ4側の端部から延出し、シート2の短手方向において溶着線22よりも外側においてシート2の長手方向に沿って、シート2の反対側の端部の近傍まで延出している。
【0037】
このような第2の実施の形態では、溶着線21,22,23が形成されることで、空気袋20の短手方向の一端側から他端側へ向けて蛇行しながら一連に続く空気の流入通路が空気袋20の内部に形成される。これにより、空気袋20に空気が送り込まれた場合、段階的に空気袋20が順次膨張されていく。具体的には、図9に示すように、室A→室B→室C→室Dの順で空気袋20が膨張されていく。これにより、本実施の形態では、急激に空気袋20が膨張することがないため、就寝者にとって快適な態様で起床を促すことが可能となる。
【0038】
なお、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様にウレタン引き布として構成されたシート2により空気袋本体3を形成するため、シート2には片面全域にウレタン樹脂層2Bが被着されているので、溶着線21,22,23の形成を容易に行うことができる。すなわち、溶着部3Aの形成の際と同様に、溶着部3A及び溶着線21,22,23の形状に合致した銅線或いは銅板等を熱して、シート2を押圧すれば良い。なお、第2の実施の形態で形成した溶着線の数は適宜変更されるものであって構わない。
【0039】
<第3の実施の形態>
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。図10は、本実施の形態に係る空気袋30の下面図である。以下の説明では、第1の実施の形態との相違点について説明を行い、本実施の形態において第1の実施の形態と共通する部位については共通の符号を付して説明を省略する。
【0040】
図10に示すように空気袋30では、シート2の短手方向に沿ってシート2の溶着部3Aの一端部から他端部近傍まで延びる複数の溶着線32A,32B,32C,32D,32E,32F,32Gと、溶着線32A〜32Gと平行した状態で隣接し、シート2の短手方向に沿ってシート2の他端部から一端部近傍まで延びる溶着線33A,33B,33C,33D,33E,33F,33Gとが形成され、シート2は、これら溶着線上において互いに溶着している。
【0041】
溶着線32A〜32Gは、シート2のバルブ4側からシート2の長手方向に向けて順に並んだ状態で形成され、それぞれが溶着線31Aからシート2の短手方向に沿ってシート2の一端部から他端部近傍まで延出している。また、溶着線33A〜33Gは、シート2のバルブ4側から長手方向に向けて順に並んだ状態で形成され、溶着線33Aは溶着線32Aと溶着線32Bとの間に、溶着線33Bは溶着線32Bと溶着線32Cとの間に、溶着線33Cは溶着線32Cと溶着線32Dとの間に、溶着線33Dは溶着線32Dと溶着線32Eとの間に、溶着線33Eは溶着線32Eと溶着線32Fとの間に、溶着線33Fは溶着線32Fと溶着線32Gとの間に、溶着線33Gは溶着線32Gと溶着部3Aとの間に形成されている。そして、溶着線33A〜33Gはそれぞれ、シート2の短手方向に沿ってシート2の他端部から一端部近傍まで延出している。
【0042】
このような第3の実施の形態では、溶着線32A〜32G及び溶着線33A〜33Gが形成されることで、空気袋30の長手方向の一端側から他端側へ向けて蛇行しながら一連に続く空気の流入通路が空気袋30の内部に形成される。これにより、空気袋30に空気が送り込まれた場合には、段階的に空気袋30が順次膨張されていく。具体的には、図10に示すように、室a→室b→室c→室d・・・の順で空気袋30が膨張されていく。これにより、本実施の形態では、急激に空気袋30が膨張することがないため、就寝者にとって快適な態様で起床を促すことが可能となる。なお、第3の実施の形態で形成した溶着線の数は適宜変更されるものであって構わない。
【0043】
そして、この第3の実施の形態でも、第1及び第2の実施の形態と同様にウレタン引き布として構成されたシート2により空気袋本体3を構成するため、シート2には片面全域にウレタン樹脂層2Bが被着されている。そのため、溶着線32A〜32G、溶着線33A〜33Gの形成を容易に行うことができる。すなわち、溶着部3Aの形成の際と同様に、溶着部3A及び溶着線31A、溶着線32A〜32G、及び溶着線33A〜33Gの形状に合致した銅線或いは銅板等を熱して、シート2を押圧すれば良い。
【0044】
ところで、第2の実施の形態で説明した溶着線21,22,23、並びに、第3の実施の形態で説明した溶着線32A〜32G及び溶着線33A〜33Gは、シート2のウレタン樹脂層2Bを溶着できるため極めて容易に形成できるのであり、このような溶着線を接着により形成しようとした場合には、加工が極めて困難である。この点から、空気袋本体3を樹脂が被着されたシート2から構成することは、空気袋1の加工性を極めて向上させるものと言える。
【0045】
以上で説明した本発明の第1〜第3の実施の形態では、空気袋1,20,30を寝床としての一例であるベッド13で用いることを前提としたが、本発明に係る空気袋1,20,30は布団、畳、床等でも用いることができるものであり、本発明に係る空気袋1,20,30は広義に寝床で用いられるものである。
【符号の説明】
【0046】
1 起床装置用空気袋
2 シート
2A 基布(シート)
2B ウレタン樹脂層(樹脂面)
3 空気袋本体(袋体)
4 バルブ(通気管)
21,22,23 溶着線
32A〜32G,33A〜33G 溶着線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気密性の樹脂が塗布されたシートの周縁部を互いに重ね合わせて前記樹脂を溶着させることにより袋状に構成され、寝床の幅方向へ向けて配置される袋体と、
この袋体を貫通して袋体の内外の空間を連通する通気管と、から構成され、
前記通気管は、前記袋体の中心から周縁部側へ偏心した位置に配置されたことを特徴とする起床装置用空気袋。
【請求項2】
前記通気管は、前記袋体の面を貫通した状態で配置されたことを特徴とする請求項1に記載の起床装置用空気袋。
【請求項3】
前記袋体は、前記通気管が設けられた側の周縁部へ向けて幅寸法が漸次小さく形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の起床装置用空気袋。
【請求項4】
前記袋体は、前記偏心方向を長手方向とする形状をなし、前記シートは、その長手方向の一端から他端近傍へ向う複数の溶着線を形成されて互いに溶着し、前記袋体には、その短手方向の一端側から他端側へ向けて蛇行しながら一連に続く空気の流入通路が形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の起床装置用空気袋。
【請求項5】
前記袋体は、前記偏心方向を長手方向とする形状をなし、前記シートは、その短手方向に沿って一端から他端近傍へ向う複数の溶着線を形成されて互いに溶着し、前記袋体には、その長手方向の一端側から他端側へ向けて蛇行しながら一連に続く空気の流入通路が形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の起床装置用空気袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−39655(P2011−39655A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−184567(P2009−184567)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(594034832)東北交通機械株式会社 (7)
【Fターム(参考)】