説明

超電導線材の特性展示装置および該超電導線材の特性展示装置の使用方法

【課題】超電導線材の特性を示すための装置に用いられた超電導コイルの超電導線材を巻き戻し可能として、巻き戻した超電導線材を他の用途に使用できるようにする。
【解決手段】両端が電源に接続される一次コイルと、両端を接続して閉回路とした二次コイルを備え、一次コイルと二次コイルとは超電導線材で形成し、定置する一次コイルの上方に二次コイルを軸線方向の端部同士を対向配置させ、一次コイルへの通電時に一次コイルに発生する磁束と二次コイルに発生する磁束の反発力により二次コイルを浮上させる超電導線材の特性展示装置であって、一次コイルは超電導線材の表面に絶縁層を設け、該超電導線材に非接着性の絶縁テープを重ねて巻枠に巻き付け、最外周の巻き終端に押さえ巻き用の粘着テープを取り付けて、巻き付け状態を保持し、超電導線材の特性展示後に、一次コイルは粘着テープを剥離して超電導線材を巻き戻しできる構成としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超電導線材の特性展示装置および該超電導線材の特性展示装置の使用方法に関し、詳しくは、超電導線材で形成したコイルを巻き戻し可能として、超電導線材を他の実験にも用いることができるようにするものである。
【背景技術】
【0002】
従来、超電導線材を巻回して形成した超電導コイルでは、特開平5−326247号公報(特許文献1)で開示しているように、巻線後に超電導コイルを樹脂に含浸させて、巻回した超電導線材を確実に絶縁している。
しかしながら、前記超電導コイルであると、超電導線材が含浸させた樹脂により強固に固定されているため、超電導線材を巻き戻すことができず、一度形成した超電導コイルの超電導線材を他の用途に用いることができない問題がある。
【0003】
【特許文献1】特開平5−326247号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、超電導線材の特性を示すための装置に用いられた超電導コイルの超電導線材を巻き戻し可能として、巻き戻した超電導線材を他の用途に使用できるようにすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明は、第1に、両端が電源に接続される一次コイルと、両端を接続して閉回路とした二次コイルを備え、前記一次コイルと二次コイルとは超電導線材で形成し、
定置する前記一次コイルの上方に前記二次コイルを軸線方向の端部同士を対向配置させ、前記一次コイルへの通電時に一次コイルに発生する磁束に反発する磁束を前記二次コイルに発生させ、一次コイルに発生する磁束と二次コイルに発生する磁束の反発力により二次コイルを浮上させる超電導線材の特性展示装置であって、
前記一次コイルは、超電導線材の長さ方向の両端に電源接続端子を取り付けていると共に該超電導線材の表面に絶縁層を設け、該超電導線材に非接着性の絶縁テープを重ねて巻枠に巻き付け、最外周の巻き終端に押さえ巻き用の粘着テープを取り付けて、巻き付け状態を保持し、
前記超電導線材の特性展示後に、前記一次コイルは前記粘着テープを剥離して超電導線材を巻き戻しできる構成としていることを特徴とする超電導線材の特性展示装置を提供している。
【0006】
本発明の超電導線材の特性展示装置によれば、一次コイルを樹脂に含浸させずに、超電導線材の表面に絶縁層を設け、該超電導線材に非接着性の絶縁テープを重ねて巻枠に巻き付けているため、一次コイルの超電導線材を巻き戻すことができる。よって、前記一次コイルを超電導線材の特性展示装置として用いた後に、一次コイルの超電導線材を巻き戻して、全長をそのままあるいは必要な分だけ切り取って超電導線材を他の用途に用いることができる。
超電導線材の他の用途としては、超電導変圧器の試作等の実験や、前記二次コイルに損傷が生じて使用できなくなった場合に、一次コイルから切り取った超電導線材で二次コイルを形成して、二次コイルの代わりに用いてもよい。
【0007】
前記一次コイルの超電導線材の表面に設けた絶縁層は、ポリイミドテープをラップして形成したり、エナメル焼き付けして形成している。
また、超電導線材と重ねて巻回する絶縁テープや最外周の巻き終端に取り付ける押さえ巻き用のテープとしてはポリイミドテープが挙げられる。
【0008】
なお、本発明の超電導線材の特性展示装置では、一次コイルへの通電により磁束が発生すると、一次コイルと対向配置させた二次コイルに、一次コイルに発生した磁束を打ち消すような電流が流れて、一次コイルに発生した磁束と反対方向の磁束が発生する。これにより、二次コイルを磁気的反発力により定置する一次コイルと離反する方向に移動させることができる。
また、二次コイルを超電導線材により形成しているため、超電導線材の両端を接続した接続部以外は抵抗がなく、二次コイルに一旦電流が流れると長時間流れ続け、二次コイルを一次コイルから離反した所定の位置に長時間浮上させておくことができる。
【0009】
前記長さ方向の両端に電源接続端子を取り付けた一次コイルは、さらに、長さ方向の中間位置に複数の追加電源接続端子の取付部を備え、これら取付部は、予め追加電源接続端子を超電導線材に取り付けており、あるいは、追加電源接続端子の取付可能位置である目印を施すと共に前記絶縁層で被覆していない追加端子取付部を設けていることが好ましい。
また、前記追加電源接続端子の取付部は、一対の追加電源接続端子を隣接して配置し、その間に切断ラインの目印を付していることがより好ましい。
【0010】
前記構成によれば、一次コイルの超電導線材に設けた追加電源接続端子の取付部に近接する位置または前記切断ラインで超電導線材を切断すると、切り取った超電導線材の切断側端部あるいは/および一次コイル側に残った超電導線材の切断側端部に追加電源接続端子の取付部が設けられた状態となる。よって、該取付部に取り付けた追加電源接続端子に電源に接続された電源線を接続することにより両端が電源に接続された一次コイルを容易に形成できると共に、切り取った超電導線材の取付部に取り付けた追加電源接続端子にも他の電線を接続することにより、切り取った超電導線材を他の用途に容易に用いることができる。
【0011】
また、本発明は、第2に、超電導線材の特性展示装置の使用方法であって、
前記一次コイルの終端の押さえ巻き用の粘着テープを外して超電導線材を巻き戻し、所要位置で切断し、該一次コイルのターン数を減少させ、
前記一次コイルのターン数の減少と二次コイルの浮上高さの相対関係を外観表示することを特徴とする使用方法を提供している。
【0012】
前記使用方法によれば、一次コイルの超電導線材を所要長さ切り取って一次コイルのターン数を減少させた状態で、超電導線材を切断する前と同じ大きさの電流を流すと、一次コイルのターン数が減少している分、一次コイルにより発生する磁束および二次コイルに発生する磁気的反発力が小さくなり、二次コイルの浮上高さが低くなる。これにより、一次コイルのターン数の減少と二次コイルの浮上高さの相対関係を外観表示することができる。
【0013】
さらに、本発明は、第3に、超電導線材の特性展示装置の使用方法であって、
前記一次コイルの終端の押さえ巻き用の粘着テープを外して超電導線材を巻き戻し、所要位置で切断し、切断して取得した超電導線材の両端の電源接続端子を任意の電気部品の端子と接続して、超電導線材を用いた他の実験に用いることを特徴とする使用方法を提供している。
【0014】
前記使用方法によれば、一次コイルを形成していた超電導線材を他の実験に用いることができ、1つの超電導線材を多様な用途に用いることで超電導線材の利用効率を高めることができる。
【発明の効果】
【0015】
前述したように、本発明によれば、超電導線材の特性展示装置に用いる一次コイルを樹脂に含浸させずに、超電導線材の表面に絶縁層を設けると共に、該超電導線材に非接着性の絶縁テープを重ねて巻枠に巻き付けているため、一次コイルの超電導線材を巻き戻すことができる。よって、前記一次コイルを超電導線材の特性展示装置として用いた後に、一次コイルの超電導線材をを他の用途に用いることができる。
また、一次コイルの超電導線材を所要長さ切り取って一次コイルのターン数を減少させた状態で、超電導線材を切断する前と同じ大きさの電流を流すと、一次コイルのターン数が減少している分、二次コイルの浮上高さが低くなり、一次コイルのターン数の減少と二次コイルの浮上高さの相対関係を外観表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図5は、本発明の第1実施形態を示し、超電導線材の特性展示装置10は、教材用や実験用として超電導の性能を外観表示するものである。
【0017】
超電導線材の特性展示装置10の本体11において、台座12の上面の中央に立設した磁性体からなるガイド軸13が一次コイル14と二次コイル15に貫通しており、これら一次コイル14と二次コイル15とを軸線方向の端部同士を対向させていると共に軸線を一致させた状態で配置している。一次コイル14は台座12上に定置している一方、二次コイル15はガイド軸13の軸線方向に摺動自在に取り付けている。
【0018】
また、台座12の上面には、一次コイル14と二次コイル15の周囲を囲むように4本の連結棒16を立設しており、これら連結棒16の上端に1つの把持板17を取り付けている。該把持板17は熱伝導率の低い樹脂により成形しており、一次、二次コイル14、15を冷却した状態でも把持板17を手で持つことができるようにしている。
【0019】
前記一次コイル14を形成する超電導線40は、図2に示すように、帯状のビスマス系超電導線材41の表面にポリイミドテープをラップして絶縁層42を設けており、超電導線40の長さ方向の両端は、絶縁層42を設けずに超電導線材41を露出させ、この両端で露出させた超電導線材41の同一面に電源接続端子43、44を半田付けにより取り付けている。さらに、超電導線40の長さ方向の中間位置に絶縁層42を設けずに超電導線材41を露出させた追加電源接続端子の取付部45を長さ方向に間隔をあけて複数設けている。各取付部45には、電源接続端子43、44の取付面と同一面側に一対の追加電源接続端子46を半田付けにより隣接して取り付けており、これら一対の追加電源接続端子46の間に切断ライン47の目印を着色により付している。
前記電源接続端子43、44及び追加電源接続端子46は共に銅からなり、厚さを2〜3mm、超電導線40の長さ方向に対応する方向の長さを20〜30mm、長さ方向に直交する方向の幅を20mmとし、幅方向の一端を超電導線材41の幅方向の上端側の端縁より突出させている。
【0020】
前記超電導線40の電源接続端子43、44及び追加電源接続端子46を取り付けていない側の面にポリイミドテープからなる非接着性の絶縁テープ48を重ねて、これら重ねた超電導線40と絶縁テープ48を、図3に示すように、絶縁テープ48が超電導線40の内周側に配置されるように巻枠49にシングルパンケーキコイル状に巻き付けている。このように巻回した超電導線40の最外周の巻き終端に押さえ巻き用の粘着テープ50を取り付けて、該粘着テープ50により巻き付け状態を保持して一次コイル14を形成している。本実施形態では、前記超電導線40を300ターン巻回して、内径70mm、外径160mm、高さ10mmのシングルパンケーキコイル状の一次コイル14を形成している。
なお、図3では隣接するターンの超電導線40と絶縁テープ48との間に隙間を設けているが、実際にはこの超電導線40と絶縁テープ48とは接触させている。
【0021】
前記一次コイル14を形成する超電導線40の両端に設けた電源接続端子43、44に、リード線18の端末に取り付けた端子(図示せず)を接続し、該リード線18を介して一次コイル14を電源20に接続している。本実施形態では、電源20は複数の1.5Vの乾電池21を並列に接続したものを用いている。
【0022】
一方、二次コイル15はビスマス系超電導線材を2ターン巻回して、全面を半田付けまたは銀で溶接して短絡環とし、閉回路を形成している。
【0023】
冷媒となる液体窒素を貯留する冷却容器30は、本体11の一次、二次コイル14、15を十分に収容できる大きさとしており、上面開口から本体11を挿入および引き出し可能としている。また、本体11を冷却容器30に収容した状態で、本体11の把持板17を冷却容器30の上面開口から突出させている。
【0024】
前記一次コイル14に電流を通電していない状態では、図4(A)に示すように、一次コイル14上に二次コイル15が配置されている。
この状態で、本体11を冷却容器30に収容して、一次、二次コイル14、15を超電導温度にまで冷却した後、電源20のスイッチをオンして、一次コイル14に所要の電流を流すと、図4(B)に示すように、一次コイル14の周りに矢印で示す磁束F1が発生する。すると、二次コイル15側では、磁束F1を打ち消そうとする磁束F2を発生させるように誘導電流が流れる。これにより、二次コイル15が一次コイル14に反発し、ガイド軸13の軸線に沿って上方へ浮上する。二次コイル15は超電導線からなるため溶接あるいは半田付けした接続部以外は抵抗がなく、極めて低抵抗であるため、一旦電流が流れると長時間流れ続け、二次コイル15が所要高さで浮上した状態で維持される。これにより、超電導線材の特性展示装置10により超電導線材の特性を外観表示することができる。
【0025】
次に、前記一次コイル14の他の用途への使用方法について説明する。
前記のように、超電導線材の特性展示装置10を展示した後、一次コイル14の外周側に設けた電源接続端子44からリード線18を取り外すと共に、図5に示すように、一次コイル14の終端の押さえ巻き用の粘着テープ50を外して超電導線40を巻き戻し、所要位置の切断ライン47で超電導線40を絶縁テープ48と共に切断する。一次コイル14から切り取った超電導線40Aには、長さ方向の一端に電源接続端子44が取り付けられている一方、切断した他端には追加電源接続端子46が取り付けられており、これら端子44、46に任意の電気部品(図示せず)の端子を接続して、切り取った超電導線40Aを他の実験に用いることができる。
【0026】
一方、超電導線40Aを切り取った残りの超電導線40Bの最外周の巻き終端に再び粘着テープ50を取り付けて、該粘着テープ50により巻き付け状態を保持して一次コイル14’を形成し、該一次コイル14’の超電導線40Bの切断側の端部に取り付けた追加電源接続端子46にリード線18を接続する。該一次コイル14’に超電導線40を切断する前と同一の大きさの電流を流すと、一次コイル14’のターン数が超電導線40の切断前よりも減少しているため、図4(C)に示すように、一次コイル14’の周りに発生する磁束F1及び二次コイル15の周りに発生する磁束F2が切断前よりも小さくなり、二次コイル15の浮上高さが低くなる。これにより、一次コイル14のターン数の減少と二次コイル15の浮上高さの相関関係を外観表示することができる。
また、一次コイルの超電導線40を切断した後にも切断前と同程度に二次コイル15を浮上させたい場合には、一次コイル14’に通電する電流を大きくすればよい。
この実験後、さらに一次コイル14’の超電導線40Bを切断して、切り取った超電導線を他の実験に用いると共に、残った超電導線で一次コイルを再び形成し、同様の実験を行ってもよい。
【0027】
前記構成によれば、一次コイル14を樹脂に含浸させずに、超電導線40に非接着性の絶縁テープ48を重ねて巻枠49に巻き付けているため、一次コイル14の超電導線40を巻き戻すことができる。よって、一次コイル14を超電導線材の特性展示装置10として用いた後に、一次コイル14の超電導線40を必要な分だけ切り取って、この切り取った超電導線40Aを他の用途に用いることができる。
また、一次コイル14の超電導線40を所要長さ切り取って一次コイル14のターン数を減少させた状態で、超電導線40を切断する前と同じ大きさの電流を流すと、一次コイル14のターン数が減少している分、二次コイル15の浮上高さが低くなり、一次コイルのターン数の減少と二次コイル15の浮上高さの相対関係を外観表示することができる。
【0028】
図6は、本発明の第2実施形態を示す。
本実施形態では、一次コイル14を形成するための超電導線40の長さ方向の中間位置に設けた追加電源接続端子の取付部45に予め追加電源接続端子46を取り付けていない追加端子取付部を設けている。超電導線40に設けた取付部45は第1実施形態と同様、2つの追加電源接続端子46を取り付けることができる大きさとし、超電導線40の長さ方向の中央に切断ライン47を設けている。また、超電導線40を巻回した状態でも取付部45の位置がわかるようにするため、図6(B)に示すように、取付部45の幅方向の上端面に着色により目印51を施している。
【0029】
前記超電導線40からなる一次コイル14を備えた超電導線材の特性展示装置10を展示した後、一次コイル14の超電導線40を、取付部45に設けた所要の目印51を設けた位置まで第1実施形態と同様の方法で巻き戻して切断ライン47で切断した後、該切断によって分割された両方の取付部45に追加電源接続端子46をそれぞれ半田付け接続している。
【0030】
前記構成によれば、第1実施形態と同様、超電導線材の特性展示装置10で超電導線材の性能を外観表示した後、一次コイル14の超電導線40を他の用途に用いることができると共に、超電導線40に予め追加電源接続端子46を取り付けていないため、超電導線4を高密度で巻回することができる。
なお、他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0031】
前記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、前記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明の超電導線材の特性展示装置は、超電導の性能を示すための教材用として好適に用いられるものである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1実施形態の超電導線材の特性展示装置を示す斜視図である。
【図2】超電導線の正面図である。
【図3】一次コイルの平面図である。
【図4】一次コイルと二次コイルの位置関係を示し、(A)は一次コイルに電流を通電していない状態、(B)は超電導線を切断する前の一次コイルに電流を通電して二次コイルを浮上させた状態、(C)は超電導線を切断した後の一次コイルに電流を通電して二次コイルを浮上させた状態を示す図面である。
【図5】一次コイルの超電導線を巻き戻して切断した状態を示す図面である。
【図6】第2実施形態の超電導線を示し、(A)は正面図、(B)は平面図である。
【符号の説明】
【0034】
10 超電導線材の特性展示装置
14 一次コイル
15 二次コイル
20 電源
40 超電導線
41 超電導線材
42 絶縁層
43、44 電源接続端子
45 追加電源接続端子の取付部
46 追加電源接続端子
47 切断ライン
48 非接着性の絶縁テープ
50 粘着テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端が電源に接続される一次コイルと、両端を接続して閉回路とした二次コイルを備え、前記一次コイルと二次コイルとは超電導線材で形成し、
定置する前記一次コイルの上方に前記二次コイルを軸線方向の端部同士を対向配置させ、前記一次コイルへの通電時に一次コイルに発生する磁束に反発する磁束を前記二次コイルに発生させ、一次コイルに発生する磁束と二次コイルに発生する磁束の反発力により二次コイルを浮上させる超電導線材の特性展示装置であって、
前記一次コイルは、超電導線材の長さ方向の両端に電源接続端子を取り付けていると共に該超電導線材の表面に絶縁層を設け、該超電導線材に非接着性の絶縁テープを重ねて巻枠に巻き付け、最外周の巻き終端に押さえ巻き用の粘着テープを取り付けて、巻き付け状態を保持し、
前記超電導線材の特性展示後に、前記一次コイルは前記粘着テープを剥離して超電導線材を巻き戻しできる構成としていることを特徴とする超電導線材の特性展示装置。
【請求項2】
前記長さ方向の両端に電源接続端子を取り付けた一次コイルは、さらに、長さ方向の中間位置に複数の追加電源接続端子の取付部を備え、これら取付部は、予め追加電源接続端子を超電導線材に取り付けており、あるいは、追加電源接続端子の取付可能位置である目印を施すと共に前記絶縁層で被覆していない追加端子取付部を設けている請求項1に記載の超電導線材の特性展示装置。
【請求項3】
前記追加電源接続端子の取付部は、一対の追加電源接続端子を隣接して配置し、その間に切断ラインの目印を付している請求項2に記載の超電導線材の特性展示装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の超電導線材の特性展示装置の使用方法であって、
前記一次コイルの終端の押さえ巻き用の粘着テープを外して超電導線材を巻き戻し、所要位置で切断し、該一次コイルのターン数を減少させ、
前記一次コイルのターン数の減少と二次コイルの浮上高さの相対関係を外観表示することを特徴とする使用方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の超電導線材の特性展示装置の使用方法であって、
前記一次コイルの終端の押さえ巻き用の粘着テープを外して超電導線材を巻き戻し、所要位置で切断し、切断して取得した超電導線材の両端の電源接続端子を任意の電気部品の端子と接続して、超電導線材を用いた他の実験に用いることを特徴とする使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−139408(P2008−139408A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−323461(P2006−323461)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】