説明

超音波創傷治療デバイス用の移動可能なアプリケーターノズル

【課題】創傷の面または部位に液体の粒子の一層信頼できしかも一定の流れを生成することが可能な、創傷の治療のために接触しない超音波治療に使用できる改善されたアプリケーターの提供。
【解決手段】ノズル(近位の部分、遠位の開口およびバルブ界面からなり、該近位の部分は、超音波創傷治療デバイスの一部と係合可能であり、該遠位の開口は、超音波創傷治療デバイスのトランスデューサーの先端の少なくとも一部をその間に通すことを可能にし、該バルブ界面はその間の軸を画成している)、バルブ(バルブ開口、上方の部分および下方の部分を含み、該下方の部分は、ノズルのバルブ界面と係合可能であり、該バルブ開口は、選択的に流体をその間に流すことを可能にする)およびカップ(穴を含み、該穴はバルブの少なくとも上方の部分と流体連絡している)からなる創傷を治療するためのアプリケーター。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波創傷治療デバイス用のアプリケーターに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波は、医学的な応用に広く使用されてきている。例えば、超音波は、多くの工業用の応用とともに診断および治療の目的に使用されてきている。超音波の診断の使用の1つは、対象物またはヒトの組織の下方に存在する構造物を検出するのに超音波を使用することを含む。この方法では、超音波トランスデューサーは、対象物または組織と接触して置かれ、そして組織中に向けられる高周波数(1−10MHz)の超音波を能率的に伝導することを助けるために、カップリング媒体を使用する。種々の下方に存在する構造と接触すると、超音波は、トランスデューサーに隣接するレシーバーに反射されて戻る。送られた超音波と受信された反射された超音波との比較により、下方に存在する構造の像が生成される。この技術は、組織の構成要素間の境界を同定するのに特に有用であり、そして不規則な物体、腫瘍などを検出するのに使用できる。
【0003】
診断の用途に加えて、超音波のエネルギーは、治療の目的に使用できる。超音波の2つの治療用の医学的用途は、エロゾルミストの生成と接触理学療法とである。エロゾルミストの生成は、湿った環境を生じさせそして医薬を肺に伝達するためのエロゾルミストを生成するためにネブライザーまたはインへラーを使用する。超音波ネブライザーは、十分な強さの超音波の液体中の通過により機能し、超音波は、液体の直下または液体内の点で液体の空気と液体との界面に向けられる。液体の粒子は、液体の表面から射出されて周囲の空気に入り、超音波により生成される毛状の波の崩壊をともなう。この技術は、非常に細かい濃密な霧またはミストを生成する。超音波により生成するエロゾルミストは、他の方法により生成されるエロゾルミストより好まれる。それは、小さい粒子サイズのエロゾルが超音波により得ることができるからである。超音波ネブライザーは、他のネブライザーの技術よりも改善をもたらすが、この方面での超音波エネルギーの使用は、或る制限がある。インへラーおよびネブライザーの主な欠点の1つは、生成されるエロゾルミストが、空気の流れなしに目標とする領域に向けられないことである。しかし、空気の流れの使用は、超音波の能率を低下させ、従って超音波ネブライザーの利用性および治療上の応用を制限する。
【0004】
超音波噴霧器例えばSonic and Materials Inc.Misonix Inc.Sono−Tek Inc.(例えば特許文献1および2参照)は、超音波デバイスの先端の中心のオリフィスを経て液体を通過させることにより機能する。これらの噴霧器の主な欠点は、均一ではない粒子サイズ、液体流の加熱、および超音波の非能率を含む。
【0005】
接触理学療法は、組織に物理的な変化を生じさせる目的で組織に直接超音波をかける。従来の超音波の理学療法では、超音波は、カップリング媒体を経て組織と接触する。トランスデューサーにより生成する超音波は、カップリング媒体を通って移動しそして組織に入る。カップリング媒体は、典型的に、液体の浴、治療される表面に塗られるゼリーまたは水を満たしたバルーンである。従来の技術は、約0.8−約3MHzの周波数で約0.25−約3w/cmの強度を有する超音波をもたらす。治療は、1週複数回、約1−約30分間皮膚の表面に適用する。カップリング媒体は、超音波トランスデューサーにより生成するエネルギーのいくらかを消失させる冷却効果をもたらす。
【0006】
さらに重要なことは、カップリング媒体または組織と超音波トランスデューサーとの間の直接接触が、トランスデューサーから皮膚の表面へ超音波を伝達することが望ましい。それは、周囲の空気が超音波の伝播にとり比較的不十分な媒体であるからである。
【0007】
いくつかの有利な効果が、接触超音波理学療法において報告されており、例えば以下のものがある。血液循環の局所的改善、組織の加熱、酵素活性の促進、筋肉の弛緩、痛みの低下、および自然治癒の過程の促進。これらの利点にかかわらず、これらの技術で使用される超音波の能率的な伝達が、デバイスと治療されるべき組織との間に直接的な接触を必要とするために、超音波を使用する医学的理学療法の現在の技術は制限されることになる。この直接的な接触は、たとえもしカップリング媒体を経たとしても、或る医学的応用では望ましくないだろう。
【0008】
直接的な接触の要求は、カップリング媒体の有無にかかわらず、現在の接触理学療法の方法およびデバイスを望ましくないものにし、そして多くの治療的な用途に次善的なものにする。いくつかの組織の症状に、接触超音波デバイスが物理的に利用できるが、接触をともなうデバイスの使用は、実際的ではなくそして望ましくない。例をあげれば、例えばトラウマ、火傷および手術から生ずる新しいまたは傷口の開いた創傷は、傷口の開いた創傷の構造的な性質およびこれら創傷にともなう痛みの症状の理由から、直接的な接触超音波治療に適していない。その上、従来の接触超音波は、損傷をうけた組織の表面に、超音波トランスデューサーの振動する先端が極めて接近することから、このタイプの傷口の開いた創傷に破壊的な作用を有することがある。さらに、傷口の開いた創傷は、感染されやすく、そして顕著な細菌および他の微生物の成長の可能性が既に潜んでいる。創傷と直接接触することは、創傷の汚染の危険および/またはデバイスまたはその使用者を汚染する危険を増加させることになりやすい。
【0009】
特許文献3は、創傷の治療のための超音波デバイスおよび方法を開示しており、その内容の全部は、参考として本明細書に引用される。この特許文献は、特に、アプリケーターを経て液状の粒子を創傷に噴霧するデバイスを開示している。液体の粒子は、超音波の伝播のための媒体となる。接触超音波理学療法のための従来の方法およびデバイスと対照的に、本発明のアプリケーターおよびデバイスおよび特許文献3に開示されたデバイスは、液体ミストを経て超音波エネルギーを伝達する接触しない方法を提供する。
【0010】
【特許文献1】米国特許4153201
【特許文献2】米国特許4655393
【特許文献3】米国特許6569099
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
分かっているように、改善されたアプリケーターは、創傷の面または部位に液体の粒子の一層信頼できしかも一定の流れを生成することが望ましい。本発明は、創傷の治療のために接触しない超音波治療に使用できる改善されたアプリケーターを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、概して、超音波創傷治療デバイスの領域に関し、そして特に、流体を患者に向かって噴霧できる移動可能なノズルに関し、それにより殺菌、治療および他の効果を得るために、有利な深さに組織を通って移動しそして浸透する超音波のための媒体を提供する。流体は、また、殺菌および/または治療の効果を含む有利な性質を有することができる。理論に束縛されることはないが、超音波エネルギーおよび/または流体の有利な性質は、創傷の表面上の流体の作用および/または有利な深さへの組織の浸透をともなう流体の効果によるものである。
【0013】
本発明の1つの側面によれば、創傷を治療するのに使用される移動可能なアプリケーターノズルが提供される。移動可能なアプリケーターのノズル(アプリケーターとも言われる)は、ノズル、バルブおよびカップ部分を含む。ノズルは、近位の部分、遠位の部分およびバルブ界面を含む。ノズルの近位の部分は、超音波創傷治療デバイスの一部と係合可能である。ノズルの遠位の部分では、超音波創傷治療デバイスのトランスデューサーの先端の少なくとも一部がその間を通過するようにされる。バルブは、ノズルのバルブ界面と係合可能であり、そしてバルブは、選択的に流体をその間に流れさせる。カップ部分は穴を含み、そして所望により穴開けデバイスを含む。穴はバルブと係合でき、そして穴開けデバイスは、カップ部分に挿入された瓶または他の流体容器に穴を開けることができる。
【0014】
使用にあたって、流体を含む瓶はカップ部分に置かれ、そして穴開けデバイスは、瓶に孔を開け、その孔は瓶に含まれている流体を瓶から排出させる。流体は、瓶の外に流れだし、バルブを経て超音波創傷治療デバイスの先端の一部上に流れる。流体は、ノズルからトランスデューサーの先端の上面に滴下し、トランスデューサーの先端のまわりに滴下し/それを包み、次に真空の作用が生じて、流体をトランスデューサーの先端の遠位の末端面に移動させる。
【0015】
超音波創傷治療デバイスの先端の最も遠位の部分に近い超音波創傷治療デバイスの一部の上に、流体が滴下することを含む。また、流体が、超音波創傷治療デバイスの先端の最も遠位の部分の上またはそのまわりに滴下することも含む。
【0016】
他の側面では、本発明は、創傷を治療する方法を提供する。この方法は、創傷への流体の噴霧によって接触しない距離で超音波エネルギーを伝達するのに使用される。方法は、超音波エネルギーを放出するトランスデューサーを含む超音波創傷治療デバイスを用意しそしてアプリケーターを用意することを含む。アプリケーターは、近位の部分、遠位の開口およびバルブ界面を含むノズルを含む。ノズルの近位の部分は、超音波創傷治療デバイスの一部と係合可能であり、遠位の開口は、超音波創傷治療デバイスのトランスデューサーの先端の少なくとも一部がその間を通過するようにする。アプリケーターは、バルブ開口、上方の部分および下方の部分をさらに含む。下方の部分は、ノズルのバルブ界面と係合可能であり、上方の部分は流体の源と流体連絡している。バルブの開口は、選択的に流体をその間を流れさせる。一度バルブが開かれそして流体がトランスデューサーの先端に流れることができるようになったとき、本発明の方法は、超音波エネルギーを放出されたようにトランスデューサーを作動することを含む。作動されたトランスデューサーの表面上に流れる流体は、噴霧を形成しそして超音波エネルギーおよび流体の噴霧は、アプリケーターを経てデバイスの外に出る。放出されたエネルギーおよび噴霧は、創傷に伝達される。
【0017】
或る態様では、トランスデューサーの先端は、約1kHzから約10000MHzの割合で振動する。或る態様では、トランスデューサーの先端は、約10kHzから約50kHzの割合で振動する。或る態様では、トランスデューサーの先端は、約40kHzから約45kHzの割合で振動する。
【0018】
他の側面では、本発明はキットを提供する。キットは、アプリケーターおよび流体を含む瓶を含む。アプリケーターは、本発明によるアプリケーターである。例えば、アプリケーターは、超音波創傷治療デバイスの一部と係合可能なノズル、バルブおよびカップ部分を含む。
【0019】
瓶は、超音波創傷治療デバイスとともに使用するようにデザインされる。瓶は、例えば、本発明によるアプリケーターとともに、または同様なアプリケーターとともに使用されるようにデザインされる。本発明によるアプリケーターとともに使用されるようにデザインされるとき、瓶はアプリケーターのカップ部分中に適合するように成形されそしてサイズを有する。瓶は、穴開けデバイスまたは針により穴を開けることができるように、例えばプラスチックのような材料から製造される。瓶は、超音波創傷治療デバイスと使用されるための流体を含む。流体は滅菌されて、使用にあたり、滅菌溶液の噴霧は患者に投与される。流体の例は、滅菌水、塩溶液、油、酸素化水または他の等張性または高張性の溶液を含むが、これらに限定されない。流体の例は、或る態様では、特定の医薬の処方に適切な前記の流体の任意のものまたは他の製薬上許容できる流体中で処方される医薬(例えば治療剤)例えば抗生物質、抗かび剤、抗ウイルス剤、成長因子、鎮痛剤、麻酔剤などをさらに含む。しかし、或る態様では、流体は医薬を含まない。
【0020】
或る態様では、キットは、使用のための説明書を含む。或る態様では、キットは、以下のものの1つ以上を清浄にするための1つ以上の衛生スワブを含む。瓶の表面、アプリケーターのカップ部分、孔開けデバイス、トランスデューサーアセンブリまたは超音波創傷治療デバイスの他の部分。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の移動可能なアプリケーターノズルの態様は、図面に関連して以下に詳細に記述されるだろう。図面では、同じ参照番号は同様または同一の要素を示す。本明細書で使用されるときそして従来通り、用語「遠位」は、使用者から最も遠い部分をいい、一方用語「近位」は、使用者に最も近い部分をいう。さらに、本明細書で使用されるとき、用語「創傷」は、表面の創傷例えば火傷および皮膚の病変;体内の創傷例えば潰瘍および手術による手術の切り口;外科の切断;骨折を含むけが;および超音波創傷治療を使用する治療を必要とする他の症状または適応をいう。
【0022】
図面では、本発明による移動可能なアプリケーターノズルまたはアプリケーターは、概して、参照番号100と命名される。アプリケーター100は、概して、ノズル200(図2)、カップ300(図3)、およびバルブ400(図3)を含む。図2について、ノズル200は、近位の部分202、遠位の部分204、複数の心合わせスロット212、遠位の開口214、およびバルブ界面220(図6にも示される)を含む。別の態様では、アプリケーター100は、チップハウジング230(図4および5参照)。最も遠位に延在しているノズル200の部分は、遠位の先端205である。
【0023】
本発明のアプリケーター100が、その全体を本明細書において参考として引用する特許文献3に記載されたデバイスのような超音波創傷治療デバイスとともに使用するようにデザインされることを含む。本発明は、また、その全体を本明細書において参考として引用する米国特許6478754および6663554並びに米国特許出願09/684044に関連する。
【0024】
超音波創傷治療デバイスの例は、発電機(図示せず)に操作可能に接続されたトランスデューサーアセンブリ500を含む。本明細書に記載されているように、超音波創傷治療デバイスは、トランスデューサーアセンブリに相互連絡できるアプリケーター100をさらに含む。簡単にいえば、発電機は、トランスデューサーアセンブリに電力を供給するのに必要な構成要素を含み、そしてまた操作者に助けになる情報をディスプレイするためのグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を含む。発電機は、3つの主な機能部分すなわち交流本線(AC MAINS)、メインボードおよびGUIボードからなる。ローカル交流本線は、病院グレードの分離可能な電気コードにより電気器具の差し込み口に接続されている。電気器具の差し込み口は、医学用明細書にリストされている電力入力モジュールである。或る態様では、電気器具の差し込み口は、115V/230Vの電圧の選択を有する電力入力モジュールであり、そして115V交流および60Hz(例えば、北米での操作)または230V交流および50Hz(例えば、ヨーロッパでの操作)で操作するようにデザインされる。
【0025】
本線ボードは、本線変圧器からの二次出力電圧を、内部エレクトロニックス用の低電圧の電力レールおよびトランスデューサーアセンブリへのドライブエレクトロニックス用のドライブ電圧に変換する。本線ボードは、ドライブエレクトロニックスをコントロールし、測定しそしてモニターするマイクロプロセッサを含む。トランスデューサーアセンブリは、本線ボードに接続する。エンジンとよばれるマイクロプロセッサは、システムの性能をモニターしそして情報をGUIボードに配置される二次マイクロプロセッサに連絡する。或る態様では、エンジンは、RS−232連結リンクを経て二次マイクロプロセッサに連絡する。或る態様では、エレクトロニックスは、フェーズ・ロック・ループ(PLL)をもつフィードバックループを有するプッシュ・プル変換器によりドライブエレクトロニックスの超音波部分を駆動して、超音波コンポーネントの中心周波数を追跡する。
【0026】
GUIボードは、操作者にグラフィカルユーザーインターフェースを提供する。例えば6つのキーを有するカスタムメンブランスイッチパネルにより、操作者はシステムのファンクションおよび操作パラメーターを選択できる。GUIボードに接続された購入されたグラフィカルLCDディスプレイが、情報を操作者にディスプレイするのに使用できる。例えば、システムの状態、操作のモードおよび処理時間に関する情報は、GUIを経てディスプレイできる。GUIは、その上のLCDのためのバックライト発電機を有することができる。GUIマイクロプロセッサは、人間とのインターフェースをコントロールしそしてシステムの操作をコントロールするために種々のアルゴリズムを実行することによってシステムを実行する。例えば、処理アルゴリズムは、GUIマイクロプロセッサで実行できる。或る態様では、超音波創傷治療デバイスは、全処理時間を記録する1つ以上のタイマー、選択された処理時間を零にカウントダウンするためのタイマー、および全処理時間が経過したかまたはデバイスの或る構成要素に問題があることを指示するためのアラームを含む。
【0027】
図3について、カップ300は、穴開けデバイス302,その間を延在する孔306を有する下方の部分304を含み、そして心合わせ構造308を含むことができる。カップ300は、その中に瓶600(図1)の少なくとも一部を保持するようにデザインできる。瓶600は、概して、流体602を保持し、それは塩分含有水でもよい。流体は、別に、滅菌水またはいくつかの他の等張性または高張性の溶液または溶液の組み合わせでもよい。流体は、塩分含有水または他の同様な溶液から完全にまたは本質的に構成されてもよく、または流体は、随意に治療剤を含んでもよい。流体は、随意に滅菌されてもよい。カップ300は、また、カップ300内の瓶600の把持および適合を強めるために、図3により示されるように瓶600の内表面の下方に1つ以上のインデント301のような構造を含む。含まれたとき、1つ以上のインデント301の構成は、カップ300からの瓶600の取り出し時に瓶600に損傷を与えるようにされる。
【0028】
バルブ400は、また図3に画かれる。バルブ400は、上方の部分402、下方の部分404およびスロット406を含む。バルブ400は、選択的に流体602を瓶600からそれを通過させそしてノズル200に向かわせる。或る態様では、バルブ400がアプリケーター100から分離または取り出し可能であるように構想される。例えば、取り出し可能なバルブは、使用後アプリケーターが超音波創傷治療デバイスの残りから脱着されるとき、アプリケーターから外れるようにデザインされる。このようなデザインおよびバルブの形成は、アプリケーターの再使用を妨げるのに使用できるだろう。他の態様では、バルブ400は、分離または取り出し可能ではないが、むしろカップ300に含まれそして一体化される。
【0029】
図1−3について、ノズル200、カップ300およびバルブ400は、機械的に互いに係合してアプリケーター100を形成する。特に、バルブ400の下方の部分404は、ノズル200のバルブ界面220の上に適合し;バルブ400の上方の部分402は、カップ300の孔306中に適合する。機械的に係合したとき、カップ300は、バルブ界面220(図2)により画成されるように、軸A−Aに関して約90度回転できる。カップ300を回転することは、流体602が流出できない閉じた位置から、流体602の流れのための通路をもたらす開いた位置にバルブ400を調節する。カップ300を回転させてその初めの位置に戻すことは、バルブ400を閉じることになる。
【0030】
図1,4および5に特に関して、アプリケーター100は、超音波創傷治療デバイスのトランスデューサーアセンブリ500(以下、トランスデューサーアセンブリという)と機械的に接続可能である。作動するとき、トランスデューサーアセンブリ500は、約1kHzから約10000MHzの周波数を有する超音波を生成する。超音波は、以下にさらに記述されるように、超音波エネルギーのためのカップリング剤として働く噴霧を経て、創傷の表面の下方を含む創傷表面に超音波エネルギーを伝達する。超音波エネルギーは、その全内容が参考として本明細書に引用される米国特許6569099により開示されているように創傷の治癒時間を短縮する殺菌、治療および他の作用をもたらす。理論に束縛されることなく、創傷に伝達される液体の噴霧は、また、創傷の表面および/またはその下方で創傷の治癒に対する他の作用を有することができると思われる。使用にあたって、トランスデューサーから放出された超音波エネルギー並びに流体がトランスデューサーの面に滴下するとき生成される流体の噴霧は、創傷に伝達される。
【0031】
特に、ノズル200の近位の部分202は、トランスデューサーアセンブリ500の遠位の部分504の上を滑動する。ノズル200の複数の心合わせスロット212(2つのスロットとして画かれている)は、トランスデューサーアセンブリ500の複数の心合わせピン508(図4)と係合する。接続されるとき、トランスデューサーアセンブリ500の先端505の遠位の末端506は、ノズル200の遠位の開口214の遠位に延在できるが、しかしノズル200の先端205の遠位である位置へ延在しない。すなわち、トランスデューサーアセンブリ500がアプリケーター100を経て挿入されるとき、トランスデューサーアセンブリ500の遠位の末端504は、遠位の開口214とノズル200の遠位の先端205との間に延在し、ノズル200の遠位の先端205は、トランスデューサーアセンブリ500の遠位の末端504のまわりに同軸で配置される。
【0032】
使用にあたって、カップ300は、「バルブ」400(図3に示されている)の上に挿入され、そしてバルブ400は、ノズル200のバルブ界面220の上に挿入される。トランスデューサーアセンブリ500は、心合わせスロット212および心合わせピン508により、ノズル200と心合わせされそしてカップリングされる。トランスデューサーアセンブリ500の遠位の末端506は、ノズル200の近位の部分202を経て挿入され、ノズル200の遠位の部分204を経て挿入を続けそしてノズル200の遠位の開口214を経てでる。瓶600は、次にカップ300中に置かれる。カップ300中へ瓶600を挿入すると、カップ300の穴開けデバイス302は、瓶600に孔を開ける。心合わせ構造308は、カップ300中に瓶600を適切に配置するのに使用者を助けることができる。或る態様では、アプリケーター100がトランスデューサーアセンブリ500とカップリングする前に、瓶600がカップ300中に挿入されることを含む。ノズル200中へのカップ300およびバルブ400の挿入、アプリケーター100およびトランスデューサーアセンブリ500のカップリングは、アプリケーター100をトランスデューサーアセンブリ500に対して利用可能にする。
【0033】
トランスデューサーアセンブリ500によりアプリケーター100を利用するために、使用者は、カップ300を約90度回転する。カップ300を回転することは、バルブ開口222(図6)をノズル200の孔と心合わせすることにより「バルブ」400を「開け」そして流体602をバルブ400に通過させる。ノズル200は、流体602がノズル200のバルブ界面220を経てトランスデューサーアセンブリ500の先端505の上に滴下するように特にデザインされる。流体602は、トランスデューサーアセンブリ500の先端505の遠位の末端506の位置に近位の先端505の一部の上に滴下する。
【0034】
特に有用な態様では、バルブ開口222(図6)は、トランスデューサーアセンブリ500の先端505の上に滴下する流体602が、先端505の周囲のまわりを包むように、所望の量の流体602を通過させる適切なサイズにされる。この効果は、Babaev効果または真空効果として知られており、そしてトランスデューサーアセンブリ500の先端505の周囲のまわりに流体602を運ぶかまたは適用する毛管作用を生ずる。
【0035】
バルブ開口222の直径が、約0.027インチ(約0069cm)から約0.037インチ(約0.094cm)の範囲に入ることを考え、そして約0.031インチ(約0.079cm)から約0.033インチ(約0.084cm)の一層特定の範囲に入る。さらに、このサイズのバルブ開口222は、流体602の比較的均一な粒子を発生する。粒子のサイズは、直径でほぼ60μmに等しい。例えば、ほぼ均一なサイズの粒子は、直径が40μm、45μm、50μm、55μm、60μm、または65μmに等しい。流体602が、米国特許6569099の図4aにより示されるように、トランスデューサーアセンブリ500の先端505の前面507の上に滴下することも含む。使用に当たって、流体が振動するトランスデューサーの先端の前面の上に滴下することを含む。
【0036】
一度バルブが開きそして流体がトランスデューサーの上に滴下を始めると、トランスデューサーの先端を流体が被覆するために遅れを必要とする。従って、或る態様では、使用者は、トランスデューサーアセンブリ500を作動する前に、トランスデューサーアセンブリ500の先端505の周囲を流体が被覆するために、例えば約3秒待つ。そのため、或る態様では、使用者は、バルブを開けそしてトランスデューサーを作動させる前(例えばトランスデューサーをオンにする前)に、流体がトランスデューサーアセンブリを被覆するのを開始させる。トランスデューサーアセンブリ500を作動するのに、使用者は、スイッチ510を入れる。2つのスイッチ510a、501bは、図面(それぞれ図1そして図4および5)に示されそして他のタイプのスイッチ510も含みさらに本発明の範囲内にある。スイッチ510を作動させると、トランスデューサーアセンブリ500の先端505は、先端505が約1kHzから約10000MHzの割合で振動すると、約60μmから約70μmの間を転置する。或る態様では、トランスデューサーの先端は、約30kHzから約50kHzの割合で、または約40kHzから約45kHzの割合で振動する。或る態様では、トランスデューサーの先端は、約40kHzの割合で振動する。前記の任意のものにおいて、例示された超音波創傷治療デバイスは、トランスデューサーの先端がプラスまたはマイナス1kHz以下で変化する所定の割合で振動するように、トランスデューサーアセンブリを調整する。
【0037】
このような転置は、治療上の利点をもたらすのに必要なエネルギーレベルを提供し、そして細菌および/または他の組織滲出物のエロゾル化を最低にする。先端505の転置は、トランスデューサーアセンブリ500の先端505とノズル200の遠位の開口214との間に真空作用を生じさせ、それは、ノズル200の遠位の開口214を経て流体602を先端505の周囲から遠方に移動させる。アプリケーター100を出ると、流体602はミストの形である。このような流体のミストの媒体は、超音波が空気中を移動するとき、超音波エネルギーが典型的に行う散逸効果を緩和する。特に、空気のインピーダンスは、それを超音波エネルギーの移動に比較的悪い媒体にする。液体ミストの使用は、改善されたエネルギー移動性をもたらし、従って一層能率的な超音波エネルギー移動を促進する。同時に、液体ミストの使用は、本明細書で開示された接触しないデバイスについて記述したように、患者の組織と直接接触する必要性を避けることができる。
【0038】
トランスデューサーの先端505の自由な末端面と噴霧されるべき表面または対象物との間の離れている距離は、少なくとも0.1インチ(2.5mm)の接触しない距離でなければならない。好ましくは、離れている距離は、約2.5mmから約51cm、より好ましくは、約15mmから約25mmである。或る態様では、アプリケーターノズルは、トランスデューサーの先端を超えて遠位に延在する。このようなデザインは、トランスデューサーの先端との意図しない患者または操作者の接触の防止を含む多数の利点を有する。接触しない距離は、ノズル200の最も遠位の端205と噴霧されるべき表面または対象物との間の距離として同様に記述できる。或る態様では、アプリケーターノズル200の最も遠位の端205からの接触しない距離は、少なくとも約5mmである。他の態様では、アプリケーターノズル200の最も遠位の端205からの接触しない距離は、約5mmから約15mmである。
【0039】
噴霧されそして瓶600内に用意されるべき流体602は、任意の適当な担体、例えば塩分含有水、水(通常のものまたは蒸留したもの)、または組織へ塗布されるべき油例えば植物、ピーナッツ、またはキャノーラ油であり、所望により可溶性の医薬(例えば抗生物質)、殺菌剤、コンディショナー、表面活性剤、エモリエントまたは他の活性成分を含む。流体602は、また、2つ以上の流体および/または顕微鏡的粒子を有する物質、例えば粉末などの組み合わせであってもよい。流体の例は、滅菌水、塩分含有溶液、油、酸素化水または他の等張性または高張性の溶液を含むが、これらに限定されない。流体の例は、或る態様では、医薬(例えば治療剤)例えば抗生物質、抗かび剤、抗ウイルス剤、成長因子、鎮痛剤、麻酔剤などをさらに含み、前記の流体の任意のものまたは特定の医薬の処方に適当な製薬上許容できる流体中で処方される。しかし、或る態様では、流体は医薬を含まない。流体は、使用にあたって、滅菌溶液の噴霧が患者に投与できるように滅菌できる。
【0040】
理解されるように、記述されたデバイスは、トランスデューサーアセンブリ500への流体602の伝達のための重力で供給されるシステムを可能にする。このようなシステムは、流体602を加圧しないだろう。流体602の加圧は、一定でない粒子のサイズおよび/または速度を生じさせ、それは、エロゾル化を生じさせるだろう。
【0041】
本発明の瓶600が、排除されるかまたはトランスデューサーアセンブリ500へ流体602を伝達する他の構造例えば流体バッグ(図示せず)により置換されるか、または排除および置換されることを含む。このような態様では、流体602は、所望により、加圧された状態でトランスデューサーアセンブリ500に伝達できる。望ましくは、加圧された流体602は、このような態様では、前記の態様のように、瓶600をでる流体602の圧力にほぼ等しい。
【0042】
この圧力は、比較的低くそして重力にともなう圧力およびバルブ開口222の開口のサイズにより左右される。瓶600に反対して流体バッグを使用する、このタイプのデバイスは、瓶600が特定の部位に近づくことを妨げられる場合に有用である。トランスデューサーアセンブリ500がほぼ垂直の方向付けに保持されるときおよび/または多量の流体が使用される(すなわち、流体バッグが瓶600より多い流体602を保持できる)ときに流体バッグを使用することが有用である。その上、瓶600が流体バッグにより置換されるとき(または他の好適な置換)、カップ300および/または穴開けデバイス302は、必要とされない。
【0043】
複数のバルブ開口222がアプリケーター100に含有されることを含む。複数のバルブ開口222は、特にトランスデューサーアセンブリ500がほぼ垂直の方向に方向付けされているとき、トランスデューサーアセンブリ500の先端505が流体602により均一に被覆されるようにするのに特に有用である。
【0044】
アプリケーター100が、トランスデューサーアセンブリ500の先端505とノズル200の遠位の開口214との間に均一な隙間を生じさせる心合わせ構造(図示せず)を含有することを含む。この均一な隙間は、約10mmから約20mmの範囲にあり、18mmが現在使用されそしてトランスデューサーアセンブリ500の先端505とノズル200の遠位の開口214との間の適切な真空作用をさらに確実にする。
【0045】
或る態様では、アプリケーターおよび/または超音波創傷治療デバイスは、アプリケーター100が1回の使用後取り替えられることを薦めるかまたは要求する手段を含む。アプリケーター100の1回の使用は、非滅菌の使用および/または患者間の交差(二次)汚染を予防するために製造者により勧められている。1つの態様では、メッセージは、超音波創傷治療デバイスまたはアプリケーター100に配置されたLCDまたは他のディスプレイによって表示できる。メッセージは、アプリケーター100の1回の使用後に表示され、そしてメッセージは、アプリケーター100のさらなる使用が、許されないかまたは奨励されないことそしてアプリケーター100は他のアプリケーター100により取り替えねばならないことを述べるだろう。別の方法として、光またはアラームが使用されて操作者に1回の使用後にアプリケーター100を取り替えることを気づかせる。
【0046】
上記のメッセージおよびアラームは、アプリケーター100の推薦される使用への遵守を気づかせそして奨励する(例えば、アプリケーターは1回のみ使用されそして廃棄されるべきである)ようにデザインされる。別の方法としてまたはさらに、アプリケーターまたは超音波創傷治療デバイスは、アプリケーターの再使用を防ぐ手段を含むことができる。換言すれば、アプリケーターまたは超音波創傷治療デバイスは、複数の患者および/または複数の創傷を治療するのに、操作者が1つのアプリケーター100を使用することを阻止または予防するメカニズムを含むことができる。アプリケーターの再使用を防ぐこのような手段の例の1つは、図4および5に画かれ、そして本明細書に詳述されるだろう。手段の他の例も含まれそして本明細書全体に記述される。
【0047】
アプリケーター再使用を阻止または予防する手段の例は、図4および5に画かれ、アプリケーター100の別の態様は、チップハウジング230を含む。チップハウジング230は、くさび止めしてトランスデューサーのスイッチ510bとロックし合う。ICチップ(図示せず)は、チップハウジング230内に収容され、そしてアプリケーター100がトランスデューサーアセンブリ500に装着する回数を制限するようにプログラムされる。具体的に、ICチップは、アプリケーター100の再使用を防ぐおよび/またはアプリケーター100が既に使用されているメカニズムを提供する。或る態様では、この特徴は、アプリケーター100が唯1回使用されるか、または1人のみの患者の治療に使用されることを確実にすることを助けるだろう。複数の患者の治療のためのアプリケーターの再使用を防ぐ方法は、非滅菌使用および/または患者間の交差汚染の可能性を防ぐことを助けることになる。
【0048】
操作にあたって、ICチップは、アプリケーター100がトランスデューサーアセンブリ500に装着する回数をカウントすることを続ける。再使用を防ぐために、一度アプリケーター100が装着したならば、ICチップは、信号を伝達して、ブロッカーを定置するためのソレノイドまたは他の手段(例えばソフトウエア)を作動し、一度移動したアプリケーター100がトランスデューサーアセンブリ500に再装着するのを防ぐ。信号は、アプリケーター100がトランスデューサーアセンブリ500から移動した後に伝達される。従って、操作者は、アプリケーターを初めの患者を治療するのに使用し、清浄のためにアプリケーターを取り出しそして次に同じ患者または次の患者を治療するために使用したアプリケーターを再び装着することができない。チップの他の機能も含まれそして本発明の範囲内にある。例えば、或る態様では、ICチップは、アプリケーターの使用を或る回数に制限する(例えば制限された再使用を可能にする)ようにプログラムされる。
【0049】
ICチップは、ICチップおよび/またはソレノイドを動かすための電力源例えば電池を含む。ICチップは、ASICおよび/またはコンポーネントの組み合わせ例えばタイミング回路;データ並びにアプリケーター100がトランスデューサーアセンブリ500に装着した回数を記憶するメモリ;電池;ソレノイド;ソレノイドを作動するためのコントロール回路;およびソレノイドと操作上連絡しているブロッカーである。
【0050】
アプリケーター100がトランスデューサーアセンブリ500に装着する回数をカウントするために、ICチップは、アプリケーター100がトランスデューサーアセンブリ500に装着するすべての回をトグルするトグルスイッチを含む。トグルスイッチがトグルすることは、ICチップにより感知されそしてICチップはそのカウントを1つ増加する。もしカウントがICチップにより記憶されている予定された数を超えるならば、アプリケーター100の取り出し後、ICチップは、上記のようにソレノイドまたはソフトウエアを作動する信号を伝達する。
【0051】
アプリケーター100が、トランスデューサーアセンブリ500に装着する回数を表示するためのLCDまたは他のディスプレイを含有することを含む。滅菌のアイコンもLCDまたは他のディスプレイにより表示できる。滅菌のアイコンは、アプリケーター100の滅菌が必要であるかまたは必要でないかを使用者に知らせるため、並びにアプリケーター100の滅菌が薦められないことを使用者に知らせるために、予め記憶された滅菌のアイコンの群から選択される。
【0052】
本発明の前記の側面または態様の任意のものの或る態様では、トランスデューサーアセンブリ500のスイッチ510が、バルブ400を同時に開閉し、そしてトランスデューサーアセンブリ500を作動/不作動させることができることも含む。このようなスイッチ510が存在するとき、それにより使用者は1回の動作でトランスデューサーアセンブリ500/アプリケーター100を有効に利用可能にする(すなわち、使用者は先ずカップ300を回転させ次にトランスデューサーアセンブリ500のスイッチ510を作動させる必要がない)。ソレノイドバルブ(図示せず)の使用は、トランスデューサーアセンブリ500/アプリケーター100のこのような利用を達成することが考えられる1つのメカニズムである。
【0053】
本発明の側面および態様の任意のものとして、ただ1つの通気孔または複数の通気孔210(図2)がノズル200に配置されることが、さらに含まれる。例えば、ノズルはノズル200の相対する側面に形成された2つの通気孔を含むことができる(例えば、ノズルの各側面に1つの通気孔)。通気孔210は、流体に関する圧力の関係をもたらすことを助け、そして真空の作用をもたらすのを助けることができる。或る態様では、1つ以上の通気孔は、約0.05インチ(約0.18cm)から約0.20インチ(約0.51cm)の直径を有する。或る態様では、1つ以上の通気孔は、約0.075インチ(約0.19cm)、約0.10インチ(約0.25cm)または約0.125インチ(約0.32cm)の直径を有する。或る態様では、1つ以上の通気孔は、約0.10インチ(約0.25cm)の直径を有する。前記の任意のものの或る態様では、1つ以上の通気孔の直径は、記述された直径から0.01インチ(約0.025cm)以下変化している。瓶600が複数の通気孔(図示せず)を含有することも含む。
【0054】
図1、3、4および5に画かれているように、ノズル200の遠位の部分204は、超音波エネルギーを集束しさらに定常波のポテンシャルを補完するようにカーブをつけられるおよび/またはそのような輪郭を有する。同様な特徴は、その全体を参考として本明細書に引用する米国特許出願09/774145に記載されている。この形状は、また、トランスデューサーの先端505とトランスデューサーアセンブリ500の患者および/または使用者との間の偶発的な接触を制限できる。
【0055】
アプリケーター100または超音波創傷治療デバイス500には、創傷表面からの接触しない距離または離れている距離を測定するためのレザーまたは超音波トランスデューサーを備えることができる。フィードバックコントロールメカニズムも、測定された接触しない距離が最適な有利な殺菌、治療および/または他の効果を得るために好適であるかどうかを示すために設けられる。フィードバックアセンブリは、測定された接触しない距離のデータを得るための超音波発生器内に設けられたトランスデューサーアセンブリおよび対応するエレクトロニックスと一体化され、そしてデータを処理して測定された接触しない距離が治療の目的に最適であるかどうかを決定する。
【0056】
もし接触しない距離が最適な接触しない距離ではないと決定されるならば、フィードバックコントロールメカニズムは、可聴のアラームを発するか、またはアプリケーター100のLCDディスプレイのようなディスプレイにメッセージを表示する。アラームまたはメッセージは、接触しない距離が長くできるかまたは短くできるかを指示する。もしアプリケーター100/超音波創傷治療デバイス500がロボットアームに設けられているならば、フィードバックコントロールメカニズムは、次に接触しない距離を長くするかまたは短くするために、ロボットアームをコントロールする。
【0057】
前記または以下のアプリケーター、方法、デバイスおよびキットの任意のものについて、本発明は、多数の流体の任意のものが使用できることを含む。これらの流体は、トランスデューサーの面に伝達されそしてトランスデューサーにより発生した超音波エネルギーは流体の噴霧を生ずる。本発明のアプリケーターおよび方法を使用して生じた流体の噴霧は、実質的に均一な粒子のサイズを有する。流体の例は、滅菌水、酸素化水、塩分を含む溶液、油または他の等張性または高張性の溶液を含むが、これらに限定されない。或る態様では、流体は治療剤を含まない(例えば流体は実質的に医薬を含まない)。或る他の態様では、流体は、1つ以上の治療用医薬例えば抗生物質、抗かび剤、抗ウイルス剤、成長因子、鎮痛剤、麻酔剤などをさらに含む。流体が治療用医薬を含むとき、医薬は、前記の流体(例えば水、塩分含有水など)の任意のもののなかで処方されるか、または医薬は、特定の医薬の処方に適切な他の製薬上許容できる担体中で処方される。或る態様では、流体(治療用医薬を含むかまたは治療用医薬を含まない)は、流体の貯蔵寿命を延長させるために適当な1つ以上の保存料をさらに含む。前記の任意のものの1つの態様では、流体(治療用医薬を含むかまたは治療用医薬を含まない)は、滅菌されている(例えば、流体はそれが瓶に添加される前またはその後に滅菌されている)。
【0058】
使用のために選択される特定の流体にかかわらず、流体は、超音波創傷治療デバイスのトランスデューサーの表面に適用され、トランスデューサーから放出された超音波エネルギーは流体と接触しそして流体の噴霧を発生し、さらに放出された超音波エネルギーおよび流体の噴霧の両者は、創傷に伝達される。創傷への伝達後、超音波エネルギーおよび/または流体の噴霧は、創傷に浸透し、そして治療上の作用を有する。治療上の作用の例は、創傷の治癒の改善、治癒時間の短縮および感染の低下または予防を含むが、これらに限定されない。放出された超音波エネルギーおよび流体の噴霧は、創傷から接触しない距離で創傷に伝達される。換言すれば、トランスデューの先端またはノズルの何れも創傷と接触しない。
【0059】
或る態様では、流体の噴霧は、創傷の組織の実質的な加熱を生じない温度で伝達される。これは、他の方法およびデバイスよりも顕著な進歩であり、そして治療中患者の快適さに顕著な改善をもたらすことになる。
【0060】
本発明は、患者への適用前に流体を含む多数の流体コンテナーの使用を含む。前記の任意のものの或る態様では、流体は、瓶内に含まれる。瓶が流体を含むように使用されるとき、瓶はアプリケーターのカップ上に適合するサイズと形状とを有する。流体602を含む瓶600の例は、図1に示される。
【0061】
或る他の態様では、他の流体コンテナーも含む。例えば、流体バッグが使用できる。流体バッグは、例えば、患者に静脈内流体を伝達するのにしばしば使用されるタイプのバッグであり、比較的多量の液体の伝達を可能にする。流体バッグは、長い治療時間および多量の流体を必要とする大きな創傷を治療するのに特に有用である。使用されるとき、流体バッグは、例えば可撓性のチューブを経てバルブに直接装着される。このような態様では、アプリケーターのカップ部分は必須ではなく、そして流体バッグは、バルブに直接、相互接続される(例えば流体バッグがバルブと流体連絡するように)。
【0062】
或る態様では、実質的に任意のサイズまたは形状の流体コンテナーが含まれる。しかし、大きなコンテナーが、流体により満たされたとき比較的重くなるとするならば、流体コンテナーは、調理台、カートに置かれるか、またはポールからつり下げられる。このような態様では、流体コンテナーは、例えば可撓性のチューブを経て、バルブに直接装着される。このような態様では、アプリケーターのカップ部分は必須でなく、流体コンテナーは、バルブに直接相互接続できる(例えば、流体バッグがバルブと流体連絡するように)。1つの態様では、流体コンテナーは、その上に超音波創傷治療デバイスが載っている同じカートに置かれるかまたは固定される。
【0063】
本発明のアプリケーターは、創傷の治療に実質的な改善をもたらす。アプリケーターは、一層均一な粒子サイズの流体噴霧の生成および伝達を生ずる。さらに、アプリケーターは、使い捨てであり、そしてトランスデューサー本体から容易に取り出されそして患者間で変えることができる。或る態様では、アプリケーターは各患者間で変えられる。各患者の創傷が新しいアプリケーターにより治療されるように使用間でアプリケーターを変えることは、患者間の汚染を防ぐ。
【0064】
患者間の新しいアプリケーターを使用する利点の可能性があるとして、本発明の或る態様は、アプリケーターの再使用を防ぐ手段を含む。このようなデバイスの1つの例であるICチップは、上記で詳述された。従って、前記の任意のものの1つの態様では、アプリケーターおよび/または超音波創傷治療デバイスは、アプリケーターの再使用を防ぐデバイスおよび他の手段のさらなる例は、タイマーを含む。タイマーは、時間の特定された連続的な期間を超えるデバイスの使用を防ぐのに使用される。一度特定の予め設定された時間を超えると、デバイスは停止し、そしてアプリケーターが取り出されるまで再出発できない。アプリケーターの取り出しおよび新しいまだ使用されていないアプリケーターによる取り替えは、タイマーを再設定し、そして超音波創傷治療デバイスのさらなる使用を許すのに必要である。例えば、最大の全治療時間は、35分と製造者により予め設定される。大多数の患者は30分以内の治療を必要とするものとすると、35分という最大全治療時間は、1つのアプリケーターを再使用して複数の患者を治療することを明らかに阻止するだろう。この治療時間は単なる例示である。製造者は、任意の最大の治療時間を予め設定して、デバイスを適切に使用する容易さを極めて減らすことなく、アプリケーターの再使用の防止を助けることになる。さらに、製造者は、特定の医師、創傷治療クリニックまたは病院により典型的に遭遇する患者および創傷のタイプに応じて最大の治療時間を予め設定できる。例えば、大きな慢性的な創傷または複数の創傷を有する患者群を治療する使用者は、一人の患者の治療中の最大の治療時間を超えることを避けるために、一層長い最大の治療時間をデバイスに予め設定するだろう。
【0065】
アプリケーターの再使用を防ぐための手段の他の例によって、バルブは発泡体を含むことができる。発泡体は、時間をかけて徐々に膨張して、発泡体は最後にバルブを塞ぎそして瓶(または他の流体コンテナー)からバルブを経てトランスデューの先端への流体の流れを阻止する。別の方法として、発泡体は、特定の時間の期間後非常に急速に膨張できる。例えば、発泡体は、発泡体が初めに流体と接触したほぼ35分後に非常に急速に膨張できる。急速に膨張した発泡体は、治療時間中流体の流れの特徴または滴のサイズの変化を防ぐことに好ましい。発泡体が徐々に膨張する発泡体であってもまたは急速に発泡する発泡体であっても、発泡体は、バルブ中のその存在が流体を汚染しないように実質的に不活性である。
【0066】
アプリケーターの再使用を防ぐ手段の他の例は、無線周波タグ(RFIDタグ)の使用を含む。RFIDタグを使用すると、超音波創傷治療デバイスは、アプリケーターがトランスデューサーアセンブリに装着した時間、そしてアプリケーターが既に使用されたかどうか(例えばトランスデューサーアセンブリに既に装着したかどうか)を確認する。1つの態様では、RFIDタグは、アプリケーターに置かれ、そしてRFIDタグのリーダーは、トランスデューサーアセンブリに置くことができる。リーダーは、超音波創傷治療デバイスのマイクロプロセッサに相互接続され、そしてアプリケーターのRFIDタグの読み取りを行うことができる。1つの態様では、リーダーによる未使用のアプリケーターに関するRFIDタグの確認がトランスデューサーアセンブリの作動前に必要である(例えばデバイスを使用するのに必要である)ので、リーダーは、超音波創傷治療デバイスのコントロールの流れ中に組み入れられる。一度リーダーがRFIDタグを確認しそしてアプリケーターがトランスデューサーアセンブリに装着されたことが確認されたならば、リーダーは、アプリケーターが「使用済」としてマークされるようにRFIDタグを改変できる。もしアプリケーターがトランスデューサーアセンブリから外され、そして操作者が同じまたは異なるトランスデューサーアセンブリに使用したアプリケーターを再装着しようと試みるならば、RFIDタグリーダーは、アプリケーターを使用済と確認しそしてトランスデューサーアセンブリの作動を許さないだろう。従って、RFIDタグは、アプリケーターの取り外しおよび再使用を防止する。
【0067】
多数のRFID技術が存在し、そして本発明は、種々のタイプのRFIDタグの使用を含む。例示として、RFIDタグは、パッシブRFIDタグがある。パッシブRFIDタグは、操作しそしてリーダーにデータを送るのに電池を要しない。一般に、パッシブRFIDタグが使用されるとき、リーダー(また検出器としても知られている)は、1つの周波数でRFIDタグ(例えばアプリケーターのタグ)をビーンという音を出しそして同じ周波数または異なる周波数で受け取った音を検出する。パッシブRFIDタグは、比較的簡単であり、例えば、タグは、共鳴回路を形成するコンデンサーを有するコイルである。
【0068】
本発明のデバイスに使用されうるRFIDタグの他のタイプは、セミアクティブRFIDタグである。セミアクティブRFIDタグは、タグ(この場合アプリケーターのタグ)とリーダー(この場合トランスデューサーアセンブリのリーダー)との間のデータの伝達の強さを改善する内部の電池を含む。
【0069】
本発明のデバイスに使用して好適なRFIDタグの他のタイプは、アクティブRFIDタグである。アクティブRFIDタグは、RFIDタグ中の受信機および送信機の両者に電力を送る電池を使用する。アクティブRFIDタグは、最長の伝送範囲を可能にする。このようなアクティブタグは本発明のデバイスで使用できるが、この技術を使用して達成できる追加の伝送範囲は、アプリケーターとトランスデューサーアセンブリとの間の比較的短い距離を考慮すると、不必要であろう。
【0070】
さらに、前記の任意のものにおいて、RFIDタグは、アプリケーターがトランスデューサーアセンブリに装着されるまでトランスデューサーアセンブリの作動を防ぐのに使用できる。換言すれば、トランスデューサーアセンブリの作動前に、システムは、アプリケーターのRFIDタグを読み取ることにより、アプリケーターの存在を検出する。もしアプリケーターがトランスデューサーアセンブリに装着したことを検出しないならば、トランスデューサーアセンブリは作動できない。このメカニズムは、安全性の特徴をもたらす。アプリケーターの形状がトランスデューサーアセンブリの先端を保護するのを助けることを考慮して、アプリケーターは、患者およびデバイスの操作者を振動するトランスデューサーの先端との偶然の接触から守ることを助ける。従って、トランスデューサーアセンブリの作動前にアプリケーターの装着を要するRFIDタグまたは他のメカニズムの使用は、追加の安全性の特徴をもたらし、そして患者および操作者がアプリケーターデザインの完全な保護の利点を得ることを確実にすることを助ける。
【0071】
本発明のアプリケーター並びに本明細書および米国特許6569099、6478754、6663554および米国特許出願09/684044に開示された超音波創傷治療デバイスおよびトランスデューサーアセンブリは、創傷ケアの改善された方法を可能にする。具体的に、本明細書および従来の出願で示されたデバイスが、創傷の治療を改善するのに使用して成功することができることが示されている。接触しない距離からの超音波エネルギーおよび流体の噴霧の伝達は有利な結果を生じ、それは、治癒時間の短縮、治癒の改善(例えば一層完全な創傷の閉止)および感染の発生の低下を含むが、これらに限定されない。理論に束縛されないが、これは、有利な深さに創傷の組織に浸透する放出された超音波エネルギーおよび/または流体の噴霧の能力によるものと思われる。さらに、創傷表面での超音波エネルギーおよび/または流体の噴霧の作用は、治療上の効果に寄与するものと思われる。
【0072】
それにより接触しない距離での超音波エネルギーおよび流体の噴霧の伝達が創傷の治癒を改善し感染を低下させる特別なメカニズムにかかわらず、結果は驚くべきものである。簡単にいえば、放出されたエネルギーおよび流体の噴霧は、創傷のサイズに比例して治療時間の間創傷に適用される。おおよそのサイズの創傷は超音波創傷治療デバイスに入り、そしてデバイスは創傷のサイズに基づいて治療時間を設定する。一般に、治療時間は、約5分から約30分に変化する。しかし、より短いそしてより長い治療時間も含まれる。一度放出されたエネルギーおよび流体の噴霧がアプリケーターから出ると、操作者はエネルギーおよび噴霧を創傷に導く。1つの薦められる態様では、創傷は、創傷全体にアプリケーターのヘッドを前後および/または上下に(接触しない距離で)徐々に移動させることにより治療される。噴霧のパターンは、例えば蛇行または実質的にチェッカー盤様のパターンである。この伝達方法は、2つの利点がある。第一に、この方法は、超音波エネルギーおよび液体の噴霧が全創傷に伝達されることを確実にすることを助ける。第二に、この方法は、もしデバイスが治療全体において実質的に同じ場所に保持されるならば生ずると思われる操作者の疲労を防ぐことを助けることができる。1つの態様では、アプリケーターは、超音波エネルギーおよび液体の噴霧が創傷の表面に対して実質的に直角に伝達されるように保持される。さらに、噴霧のパターンは、創傷の表面に関してアプリケーターを押したり引いたりしてアプリケーターを動かすことを含む(例えば、接触しない距離を維持しつつ創傷からの距離を変化させる)。このような噴霧のパターンは、表面域にわたって深さが異なる創傷の有効な距離での治療を確実に行うことを助ける。
【0073】
1つの態様では、人間の操作者の必要性を排除する。トランスデューサーアセンブリは、放出されるエネルギーおよび液体の噴霧を創傷に向かわせるようにプログラムされたロボットアームに固定される。
【0074】
上記に述べたように、或る態様では、放出された超音波エネルギーおよび流体の噴霧は、創傷のサイズに比例する治療時間で創傷に適用される。1つの態様では、本発明は、創傷のサイズに基づく治療時間を選択するための治療アルゴリズムを提供する。各治療用の時間は、創傷の面積に基づいて選択される。創傷の面積は、創傷の長さ(その最大の点で)および創傷の幅(その最大の点であって長さに垂直である)を測ることにより計算される。創傷の長さおよび幅は、例えばcmで測定される。創傷の面積(平方cmで)は、創傷の長さと幅とを乗ずることにより計算される。治療時間は、創傷の面積に比例する。
【0075】
アルゴリズムに基づいて、以下の治療時間が、創傷のサイズに基づいて選択される。10cmより狭い面積の創傷では3分間;10−20cmの面積を有する創傷では4分間;20−30cmの面積を有する創傷では5分間;30−40cmの面積を有する創傷では6分間;40−50cmの面積を有する創傷では7分間;50−60cmの面積を有する創傷では8分間;60−70cmの面積を有する創傷では9分間;70−80cmの面積を有する創傷では10分間;80−90cmの面積を有する創傷では11分間;90−100cmの面積を有する創傷では12分間。
【0076】
或る態様では、超音波創傷治療デバイスは、アルゴリズムによりプログラムされる。操作者は、キーボードを使用してデバイスに創傷のサイズを入れる。治療時間を創傷のサイズに基づいて選択する。或る態様では、超音波創傷治療デバイスは、治療時間からカウントダウンされるタイマーを含む。治療時間が経過する(例えばタイマーが時を刻んで零になった)とき、超音波創傷治療デバイスは、自動的に停止する。換言すれば、治療時間が経過した後、電力は断たれそしてトランスデューサーは振動を停止する。タイマーおよび自動遮断メカニズムは、創傷のサイズに比例する治療時間に関連するそれらの用途とは離れて有用性を有する。このようなタイマーは、治療時間のアルゴリズムがなくても使用される(例えば、タイマーは、全治療時間が人間の操作者により選択されるとき、使用できる)。さらにまたは別に、アラームの音は、治療時間が経過したとき操作者に注意を促すことになる。
【0077】
上記のアルゴリズムは、治療の周波数を導き出すものではない。その上、創傷が治癒するにつれ、治療時間は、創傷のサイズの減少に応じて再評価されそして再計算される。さらに、上記の治療アルゴリズムは、適切な治療時間を選択する唯一の方法ではない。創傷は、治療アルゴリズムに基づいて薦められるものより長いまたは短い期間で治療される。
【0078】
本発明は、種々のキットを含む。1つの態様では、キットは、アプリケーター(例えば、ノズル、バルブおよびカップ)並びにカップの上に適合するようなサイズおよび形状を有する瓶を含む。キットは、任意に、使用書および/または1以上の滅菌スワブを含む。滅菌スワブは、使用の前後に、瓶、アプリケーターのすべてまたは一部、トランスデューサーのすべてまたは一部、カップのすべてまたは一部、穴開けデバイス、超音波創傷治療デバイスのすべてまたは一部の1つ以上を拭くのに使用できる。
【0079】
或る態様では、瓶は、創傷の治療に使用して好適な滅菌流体を含む。前記のキットの任意のものは、キットの内容が滅菌されるように包装前に滅菌される。キットは、それらが1人の患者に使用されることを目的としている指示するようにマークされる。
【0080】
他の態様では、キットはカップ部分を含まない。このような態様では、アプリケーターはノズルおよびバルブを含む。これらのキットは、特に、流体バッグと関連して使用されることを目的としている。任意に、このアプリケーター(ノズルおよびバルブ)は、流体を含む流体バッグと可撓性のチューブ(アプリケーターのバルブへ流体バッグを相互接続するようなサイズおよび形状にされる)とともに包装される。これらのキットは、任意に、使用書および/または1つ以上の滅菌スワブを含む。
【0081】
前記の記述が、特定の態様の記述に過ぎないことを理解すべきであり、そして本発明の範囲を制限することを決して目的とするものではない。前記の側面および態様の任意のもののすべての操作上の組み合わせは含まれ、そして本発明の範囲内にある。他の可能性のある改変は、当業者に明らかでありそしてすべての改変は、当業者に明らかであり、さらにすべての改変は、請求の範囲により限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】ノズル、カップおよびバルブを含む本発明の移動可能なアプリケーターノズルの斜視図であり、移動可能なアプリケーターノズルは、超音波創傷治療デバイスのトランスデューサーに操作可能に装着されておりそして瓶をそのなかに挿入している。
【図2】図1の移動可能なアプリケーターノズルの斜視図である。
【図3】図1のカップおよびバルブの斜視図である。
【図4】超音波創傷治療デバイスのトランスデューサー中に一部挿入された別の態様の移動可能なアプリケーターノズルの斜視図である。
【図5】図4のトランスデューサー中に完全に挿入された図4の移動可能なアプリケーターノズルの斜視図である。
【図6】図2および4の移動可能なアプリケーターノズルのバルブ界面の断面図である。
【符号の説明】
【0083】
100 アプリケーター
200 ノズル
202 近位の部分
204 遠位の部分
205 遠位の先端
210 通気孔
212 スロット
214 遠位の開口
220 バルブ界面
222 バルブ開口
230 チップハウジング
300 カップ
301 インデント
302 穴開けデバイス
304 下方の部分
306 穴
308 心合わせ構造
400 バルブ
402 上方の部分
404 下方の部分
406 スロット
500 トランスデューサーアセンブリ
504 遠位の部分
505 先端
506 遠位の末端
507 505の前面
508 心合わせピン
510 スイッチ
510a スイッチ
510b スイッチ
600 瓶
602 流体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズル、バルブおよびカップからなる創傷を治療するためのアプリケーターであって、
該ノズルは近位の部分、遠位の開口およびバルブ界面を含み、該近位の部分は、超音波創傷治療デバイスの一部と係合可能であり、該遠位の開口は、超音波創傷治療デバイスのトランスデューサーの先端の少なくとも一部をその間に通すことが可能であり、該バルブ界面はそれを通る軸を画成し、
該バルブは、バルブ開口、上方の部分および下方の部分を含み、該下方の部分は、ノズルのバルブ界面と係合可能であり、該バルブ開口は、選択的に流体をそれを通って流れることを可能とし、さらに
該カップは穴を含み、該穴はバルブの少なくとも上方の部分と流体連絡しており、
それにより、流体が、カップの穴およびバルブを経て超音波創傷治療デバイスのトランスデューサーの先端の少なくとも一部の上に流れることができることを特徴とするアプリケーター。
【請求項2】
流体が、超音波創傷治療デバイスの先端の最も遠位の部分に近いトランスデューサーの先端の一部の上に滴下する請求項1のアプリケーター。
【請求項3】
カップが、カップの上に挿入される瓶を刺すことができる穴開けデバイスをさらに含む請求項1のアプリケーター。
【請求項4】
カップが、カップ中の瓶の配置を助ける心合わせ構造をさらに含む請求項1のアプリケーター。
【請求項5】
カップが、カップ中の瓶の嵌め合いを確実にする少なくとも1つのインデントをさらに含む請求項1のアプリケーター。
【請求項6】
カップが、瓶をカップから取り出すとき瓶に損傷をあたえる少なくとも1つのインデントをさらに含む請求項1のアプリケーター。
【請求項7】
バルブが、ノズルおよびカップの少なくとも1つから移動可能である請求項1のアプリケーター。
【請求項8】
カップが、バルブ界面により画成される軸に関して回転可能である請求項1のアプリケーター。
【請求項9】
カップの回転が、閉じた位置から少なくとも部分的に開いた位置にバルブを調節する請求項8のアプリケーター。
【請求項10】
カップが、トランスデューサーアセンブリのスイッチにより回転されるように形成される請求項8のアプリケーター。
【請求項11】
ノズルが、最も遠位に延在しているノズルの部分である遠位の先端、並びにノズルの遠位の開口とノズルの遠位の先端との間に延在している超音波創傷治療デバイスのトランスデューサーの先端の少なくとも一部をさらに含む請求項1のアプリケーター。
【請求項12】
バルブの開口の直径が、約0.027インチ(約0.069cm)から約0.037インチ(約0.094cm)の範囲にある請求項1のアプリケーター。
【請求項13】
バルブの開口の直径が、約0.031インチ(約0.079cm)から約0.033インチ(約0.084cm)の範囲にある請求項1のアプリケーター。
【請求項14】
バルブの開口の直径は、その間を通る流体が約60μmに等しい直径を有するようにする請求項1のアプリケーター。
【請求項15】
流体が、超音波創傷デバイスのトランスデューサーの先端の前面に滴下する請求項1のアプリケーター。
【請求項16】
バルブが、複数のバルブの開口をさらに含む請求項1のアプリケーター。
【請求項17】
アプリケーターに配置されたICチップをさらに含み、該ICチップは、アプリケーターがトランスデューサーアセンブリにより使用される回数を制限する請求項1のアプリケーター。
【請求項18】
アプリケーターが、単一の患者による使用のためにデザインされ、そしてアプリケーターがアプリケーターの再使用を防ぐ手段を含む請求項1のアプリケーター。
【請求項19】
バルブが発泡体を含む請求項18のアプリケーター。
【請求項20】
ノズルが少なくとも1つの通気孔をさらに含む請求項1のアプリケーター。
【請求項21】
ノズルが、ノズルとトランスデューサーアセンブリとの間の心合わせを助ける複数の心合わせスロットをさらに含む請求項1のアプリケーター。
【請求項22】
ノズル、バルブおよびカップの少なくとも1つが使い捨てである請求項1のアプリケーター。
【請求項23】
瓶をさらに含む請求項1のアプリケーター。
【請求項24】
瓶がカップの上に挿入される請求項23のアプリケーター。
【請求項25】
瓶が流体を含む請求項23のアプリケーター。
【請求項26】
流体が滅菌される請求項25のアプリケーター。
【請求項27】
超音波エネルギーを放出するトランスデューサーを用意する段階;
近位の部分、遠位の開口およびバルブ界面を含むノズル、およびバルブ開口、上方の部分および下方の部分を含むバルブをもつアプリケーターであって、該ノズルの近位の部分は、超音波創傷治療デバイスの一部と係合可能であり、該ノズルの遠位の開口は、超音波創傷治療デバイスのトランスデューサーの先端の少なくとも一部をその間に通すことを可能にし、該バルブの該下方の部分が、ノズルのバルブ界面と係合可能であり、該バルブの上方の部分が、流体の源と流体連絡しており、該バルブのバルブ開口が、選択的に流体をその間に流れさせるアプリケーターを用意する段階;
トランスデューサーを作動して超音波エネルギーを放出する段階;および
トランスデューサーおよびアプリケーターの少なくとも1つを回転して、流体の噴霧を発生させるために、流体を流体の源からバルブ開口を経てトランスデューサーの一部に向かって選択的に流れさせる段階を含み、その場合放出された超音波エネルギーは、創傷から少なくとも0.1インチ(約0.25cm)の接触しない距離で流体の噴霧により創傷に伝達されることを特徴とする創傷を治療する方法。
【請求項28】
アプリケーターが、バルブの少なくとも上方の部分と流体連絡している穴をさらに含む請求項27の方法。
【請求項29】
カップが、回転して流体の源からバルブ開口を経て創傷に向かって流体を選択的に流れさせる請求項28の方法。
【請求項30】
トランスデューサーが作動するとき、トランスデューサーの先端が約1kHzから約10000MHzの割合で振動する請求項27の方法。
【請求項31】
トランスデューサーの先端が約30kHzから約50kHzの割合で振動する請求項30の方法。
【請求項32】
流体の源が流体を含む瓶である請求項27の方法。
【請求項33】
放出された超音波エネルギーおよび流体の噴霧が、創傷のサイズに比例する治療時間で創傷に伝達される請求項27の方法。
【請求項34】
放出された超音波エネルギーおよび流体の噴霧が、創傷に関して蛇行またはチェッカー盤様のパターンでアプリケーターを動かすことにより創傷に伝達される請求項27の方法。
【請求項35】
請求項1のアプリケーター、および流体を含有する瓶を含むことを特徴とするキット。
【請求項36】
使用書;並びに瓶、アプリケーターのカップ部分、穴開けデバイスまたは超音波創傷治療デバイスの一部の表面の1つ以上を清浄にするための1つ以上の滅菌スワブをさらに含む請求項35のキット。
【請求項37】
流体が滅菌される請求項35のキット。
【請求項38】
アプリケーター上に配置されるRFIDタグをさらに含み、該RFIDタグは、アプリケーターがトランスデューサーアセンブリにより使用できる回数を制限する請求項1のアプリケーター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−543510(P2008−543510A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518499(P2008−518499)
【出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/024833
【国際公開番号】WO2007/002598
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(507413088)セレレーション インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】