説明

超音波変換器のための熱移動および音響整合層

【課題】前側および後側を画定する圧電要素を含む超音波変換器を提供する。
【解決手段】超音波変換器900は、圧電要素910の前側912に接続されるレンズ908と、圧電要素910の後側914に接続されるヒートシンク924と、圧電要素910とヒートシンク924との間に配置される後側整合層920と、を含む。後側整合層920は圧電要素910およびヒートシンク924に熱的に接続されており、圧電要素910からヒートシンク924に熱を伝導する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術の実施形態は、概して、改善された熱的特性を提供するように構成される超音波変換器に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2010年7月9日に出願された米国特許出願第12/833,101号の一部継続出願であってその優先権を主張するものであり、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
図1に示されるように、従来の超音波変換器100は、レンズ102と、インピーダンス整合層104および106と、圧電要素108と、バッキング110と、超音波システムに接続するための電気素子とを含む種々の層から構成され得る。
【0004】
圧電要素108は、電気信号を、ターゲットに向かうように伝達される超音波に変換することができ、また、受信した超音波を電気信号に変換することができる。矢印112は、変換器100から伝達されるおよび変換器100のところで受信される超音波を描いている。受信された超音波は超音波システムによりターゲットのイメージを生成するのに使用され得る。
【0005】
変換器100から出るエネルギーを増大させるために、インピーダンス整合層104、106が圧電要素108とレンズ102との間に配置される。従来では、整合層104、106が共振振動数において伝達される超音波の所望の波長の約1/4から1/2の距離xだけ圧電要素108とレンズ102とを分離する場合に、最適なインピーダンス整合が達成されると考えられている。従来の考え方は、このような構成が、超音波が整合層104、106から出るときに、整合層104、106内で反射された超音波を同位相で維持することができるということである。
【0006】
変換器100から超音波を伝達することによりレンズ102が加熱される可能性がある。しかし、患者に接触する変換器は、患者が不快に感じるのを回避しさらには規定の制限温度に適合するように摂氏約40度の最高表面温度を有する。したがって、レンズ温度は、波伝達パワー(wave transmission power)および変換器の性能を制限する因子となる可能性がある。
【発明の概要】
【0007】
多くの既知の熱管理技術は、レンズに向かう超音波エネルギーの反射を最小にするために変換器の後側に焦点を当てている。しかし、改善された熱的特性を有する改善された超音波変換器が必要とされている。
【0008】
本技術の実施形態は、概して、超音波変換器と、超音波変換器を製造する方法とに関する。
【0009】
一実施形態では、超音波変換器が前側および後側を画定する圧電要素を含み、この圧電要素は、電気信号を、ターゲットに向かうように前側から伝達される超音波に変換するように構成され、また、この圧電要素は、受信した超音波を電気信号に変換するように構成される。超音波変換器は、圧電要素の前側に接続されるレンズと、圧電要素の後側に接続されるヒートシンクと、圧電要素とヒートシンクとの間に配置される後側整合層とを含む。後側整合層は圧電要素およびヒートシンクに熱的に接続される。後側整合層は、圧電要素からヒートシンクに熱を伝導させるように構成される。
【0010】
一実施形態では、超音波変換器は、前側および後側を画定する圧電要素を含む。圧電要素は、電気信号を、ターゲットに向かうように前側から伝達される超音波に変換するように構成される。圧電要素は、受信した超音波を電気信号に変換するように構成される。超音波変換器は、圧電要素の前側に接続されるレンズと、圧電要素の後側に接続されるヒートシンクと、圧電要素およびヒートシンクの両方に接続される後側整合層とを含む。後側整合層は、圧電要素の端部を越えてヒートシンクまで延在するように構成される翼部を含む。後側整合層は、圧電要素からヒートシンクに熱を伝導するように構成される。
【0011】
一実施形態では、超音波変換器を製造する方法が、整合層を圧電要素の前側に取り付けることと、後側整合層を圧電要素の後側に取り付けることと、後側整合層をヒートシンクに接続することとを含み、ここでは、ヒートシンクが圧電要素の後側に面する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来技術の超音波変換器の層を示す断面図である。
【図2A】本技術の実施形態に従って使用される超音波変換器の層を示す断面図である。
【図2B】本技術の実施形態に従って使用される超音波変換器の整合層の性質を表す表である。
【図3】本技術の実施形態に従って使用される超音波変換器の層を示す断面図である。
【図4】本技術の実施形態に従って使用される超音波変換器の層を示す断面図である。
【図5】本技術の実施形態に従って使用される超音波変換器の層を示す断面図である。
【図6】本技術の実施形態に従って使用される超音波変換器の層を示す斜視図である。
【図7】本技術の実施形態に従って使用される超音波変換器のコンピュータシミュレーションの結果である。
【図8】従来の変換器および本技術の実施形態に従って構築される変換器の、レンズ表面のところにおける温度測定値の実験結果を表すグラフである。
【図9】本技術の実施形態に従って使用される超音波変換器の層を示す断面図である。
【図10】本技術の実施形態に従って使用される超音波変換器を示す斜視図である。
【図11】本技術の実施形態に従って使用される超音波変換器の層を示す断面図である。
【図12】シミュレーションデータを表すグラフである。
【図13】シミュレーションデータを表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上記の概要さらには特定の実施形態の以下の詳細な説明は添付図面と併せて読むことにより、より良く理解される。本発明を説明することを目的として、図面には特定の実施形態が示される。しかし、本発明が添付図面に示される構成および手段のみに限定されないことを理解されたい。
【0014】
本技術の実施形態は、概して、改善された熱的特性を提供するように構成される超音波変換器に関する。図面では、同様の要素は同様の参照符号を付されて示される。
【0015】
図1は、従来技術の超音波変換器100の層の断面図である。変換器100は背景技術で説明されており、レンズ102と圧電要素108との間に配置される2つの整合層104、106を含む。整合層104、106はレンズ102と圧電要素108との間に組み合わせの距離xを形成し、この距離xは、共振振動数において伝達される超音波の所望の波長の約1/4から1/2の距離である。
【0016】
図2Aは、本技術の実施形態に従って使用される超音波変換器200の層の断面図を描いている。変換器200は、レンズ102と、インピーダンス整合層203〜206と、圧電要素108と、バッキング110と、超音波システムに接続するための電気素子とを含む。バッキング110はヒートシンクおよび熱管理部分を含む。特定の実施形態では、整合層203〜206、圧電要素108およびレンズ102は、例えば工具類および/またはプレス機械によって加えられる圧力下で硬化するエポキシ材料または接着材料を使用して一体に接着され得る。
【0017】
従来の超音波変換器を用いる場合と同様に、圧電要素108は、電気信号を、ターゲットに向かうように伝達される超音波に変換することができ、また、受信した超音波を電気信号に変換することができる。矢印112は変換器200から伝達されるおよび変換器200のところで受信される超音波を描いている。受信された超音波は超音波システムによりターゲットのイメージを生成するのに使用され得る。
【0018】
変換器100から出るエネルギーを増大させるために、インピーダンス整合層203〜206が圧電要素108とレンズ102との間に配置される。整合層203〜206が、距離x(共振振動数において伝達される超音波の所望の波長の約1/4から1/2の距離)未満またはそれより大きくてよい距離yだけ圧電要素108とレンズ102とを分離する。
【0019】
図1に示されるように、従来の変換器は一般に2つの整合層104、106を含む。このような整合層は一般にエポキシおよび充填材を含む。比較的高い音響インピーダンスおよび比較的高い熱伝導率を有する圧電要素の近くに整合層を有することで、熱的特性および/または音響性質を改善することができることが分かっている。本明細書に示される実施形態は、3つまたは4つの整合層を備える発明性のある変換器を示している。しかし、実施形態はわずかに2つの整合層を含んでもよく、また、例えば5つまたは6つの整合層といったように4つを超える整合層を含むこともできる。
【0020】
図2Bは、発明性のある超音波変換器の実施形態の整合層203〜206の性質の表である。圧電要素108と整合層205との間に配置される整合層206は、約10〜20MRaylの音響インピーダンスおよび約30W/mKを超える熱伝導率を有する材料を含んでよい。整合層206は約0.22λ未満の厚さを有してよく、ここではλは共振振動数において伝達される超音波の所望の波長である。特定の実施形態では、整合層206は、例えば、銅、銅合金、中にグラファイトパターンが埋め込まれた銅、マグネシウム、マグネシウム合金などの、金属(複数可)、シリコンなどの半導体材料、アルミニウム(プレートまたはバー)、および/あるいは、アルミニウム合金を含んでよい。金属は、超音波が高速で層を通って移動することができるように比較的高い音響インピーダンスを有していてよく、したがって、所望の音響特性を得るためにより厚い整合層が必要となる。
【0021】
整合層206と整合層204との間に配置される整合層205は、約5〜15MRaylの音響インピーダンスおよび約1〜300W/mKの熱伝導率を有する材料を含んでよい。整合層205は約0.25λ未満の厚さを有してよい。特定の実施形態では、整合層205は、例えば、銅、銅合金、中にグラファイトパターンが埋め込まれた銅、マグネシウム、マグネシウム合金、アルミニウム(プレートまたはバー)、アルミニウム合金などの金属(複数可)、充填されたエポキシ(filled epoxy)、ガラスセラミック、複合材セラミック、および/またはマコール(macor)を含んでよい。
【0022】
整合層205と整合層203との間に配置される整合層204は、約2〜8MRaylの音響インピーダンスおよび約0.5〜50W/mKの熱伝導率を有する材料を含んでよい。整合層204は約0.25λ未満の厚さを有してよい。特定の実施形態では、整合層204、例えば、シリカ充填材などの充填材を有するエポキシなどの非金属を含むことができる。特定の実施形態では、整合層204は例えばグラファイトタイプの材料を含むことができる。充填材を有するエポキシなどの非金属は、超音波が低速で層を通って移動することができるように比較的低い音響インピーダンスを有していてよく、したがって、所望の音響特性を得るためにより薄い整合層が必要となる。
【0023】
整合層204とレンズ102との間に配置される整合層203は、約1.5〜3MRaylの音響インピーダンスおよび約0.5〜50W/mKの熱伝導率を有する材料を含んでよい。整合層203は0.25λ未満の厚さを有してよい。特定の実施形態では、整合層203は、例えば、プラスチックなどの非金属、および/または、シリカ充填材などの充填材を有するエポキシを含んでよい。
【0024】
一実施形態では、整合層203〜206の音響インピーダンスは、整合層203〜206の圧電要素108からの距離が増すにつれて減少する。すなわち、整合層206は整合層205より高い音響インピーダンスを有することができ、整合層205は整合層204より高い音響インピーダンスを有することができ、整合層204は整合層203より高い音響インピーダンスを有することができる。このようにして減少していく音響インピーダンスを有する3つ以上の整合層を提供することにより、例えば感度および/または境界の帯域幅(border bandwidth)を増大させるといったように、音響性質を改善することが可能となる。このように音響性質を改善することにより、例えば人体などの、ターゲット内の構造の感知することが改善される。
【0025】
一実施形態では、整合層205、206の熱伝導率は整合層203、204の熱伝導率より高い。比較的高い熱伝導率を有する整合層(例えば、整合層205および/または206など)を圧電要素108の近くに配置することにより、熱的特性を改善することができる。例えば、これらの整合層は、圧電要素108によって発生された熱を、例えば整合層203および204などの低い熱伝導率を有する整合層よりも容易に放散することができる。
【0026】
図3は、本技術の実施形態に従って使用される超音波変換器300の層の断面図を描いている。変換器300は、第1のインピーダンス整合層303、第2のインピーダンス整合層304、第3のインピーダンス整合層305、圧電要素308およびバッキング310を含む。示される層は大きい切欠き312および小さい切欠き314を含む。大きい切欠き312は、整合層303〜305を通過しさらに圧電要素308を通過してバッキング310内まで延在する。大きい切欠き312は圧電要素308の複数の部分の間に電気的分離を形成することができる。小さい切欠き314は整合層303〜305を通過してさらに圧電要素308を部分的に通過するように延在する。小さい切欠きは圧電要素308を完全には通過して延在せず、したがってバッキング310内までは延在しない。小さい切欠き314は圧電要素308の複数の部分の間に電気的分離を形成しない。小さい切欠き314は、例えば層の隣接する部分の間の水平方向の振動を減衰することにより、音響性能を改善することができる。特定の実施形態では、切欠きは、切欠き深さと切欠き幅との比が約30対1になるように設けられてよい。特定の実施形態では、大きい切欠きは約1.282ミリメートルの切欠き深さを有するように設けられてよく、小さい切欠きは約1.085ミリメートルの切欠き深さを有するように設けられてよく、両方のタイプの切欠きも例えば0.045ミリメートルの切欠き幅を有するように設けられる。特定の実施形態では、切欠きは例えば約0.02ミリメートルから0.045ミリメートルの切欠き幅を有するように設けられてよい。整合層203〜206の厚さを最小にすることにより、図3に示される変換器の層をダイシングすることが可能となり、音響性能を改善することが可能となることが分かっている。また、整合層203〜206の厚さを最小にすることにより、切欠き幅に対する切欠き深さの比を30対1未満にしてダイシングを行うことが可能となることが分かっている。ダイシングソーを使用するダイシングなどの現在のダイシング技術を使用する場合、30対1を超える切欠き幅に対する切欠き深さの比を得ることは困難である。例えば、レーザーまたは既知の別の手法を使用して変換器の層内に切欠きを作ることができる。
【0027】
図4は、本技術の実施形態に従って使用される超音波変換器400の層の断面図を描いている。変換器400は図2Aに示される変換器200と同様に構成される。しかし、変換器400は整合層206の代わりに整合層401を含む。整合層401は圧電要素108と整合層205との間に配置され、図2Aに示される整合層206と同様の材料および厚さを有することができる。整合層401は、圧電要素108の端部を越えてバッキング110まで延在する翼部402を含む。
【0028】
翼部402は、翼部402が圧電要素108の端部を越えて延在するように整合層401を設けることにより形成され得る。複数のノッチ403が整合層401の表面内に設けられてよく、また、圧電要素108の端部を越える整合層401の部分は、ノッチ403から離れて圧電要素108およびバッキング110に向かうように折曲していてよく、その結果、ノッチ403が図4に示されるように折曲部の外側エルボーのところおよび/またはその外側エルボーの周りに配置されるようになる。翼部402が圧電要素108の端部およびバッキング110の端部の周りに配置されると、この折曲処理は完了する。
【0029】
翼部402は、圧電要素108から、バッキング110のところにあるヒートシンクおよび/または熱管理部分に熱を伝導するように構成される。整合層401および翼部402の比較的高い熱伝導率は、変換器400のバッキング110への所望の熱移動およびレンズ102から離れる所望の熱移動を補助することができる。翼部402はまた、圧電要素108とバッキング110との間に通常配置されるフレキシブル回路などの適切な接地回路へと接続することにより、変換器400のためのアースを形成することができる。翼部402はさらに変換器400のための電気シールドとしても機能することができる。
【0030】
図5は、本技術の実施形態に従って使用される超音波変換器500の層の断面図を描いている。変換器500は図2Aに示される変換器200と同様に構成される。しかし、変換器500は整合層206の代わりに整合層501を含む。整合層501は圧電要素108と整合層205との間に配置され、図2Aに示される整合層206と同様の材料および厚さを有することができる。しかし、整合層501は圧電要素108の端部を越えて延在する。例えば、一実施形態では、整合層501は、圧電要素108の端部を約1ミリメートル以下だけ越えて延在してよい。整合層510の延長部分には、圧電要素108の端部上をバッキング110まで延在するシート502が取り付けられる。シート502は、熱伝導性エポキシを使用して整合層501に取り付けられてよい。シート502は、例えば、グラファイトおよび/または熱伝導性エポキシといったような整合層501と同じ材料などの、比較的高い熱伝導率を有する材料を含む。シート502は、圧電要素108から、バッキング110のところにあるヒートシンクおよび/または熱管理部分に熱を伝導するように構成される。整合層501およびシート502の比較的高い熱伝導率は、変換器500のバッキング110への所望の熱移動およびレンズ102から離れる所望の熱移動を補助することができる。
【0031】
図6は、本技術の実施形態に従って使用される超音波変換器600の斜視図を描いている。変換器600は、翼部402を備えるインピーダンス整合層401、圧電要素308およびバッキング310を含む。他のインピーダンス整合層およびレンズは図6には描かれていない。描かれている層は大きい切欠き312および小さい切欠き314を含み、これらの切欠きは、アジマス方向(a)に対して実質的に垂直であり、エレベーション方向(e)に実質的に平行である。大きい切欠き312は、整合層を通過してさらに圧電要素308を通過してバッキング310内まで延在する。小さい切欠き314は整合層を通過してさらに圧電要素308を部分的に通過するように延在する。小さい切欠きは圧電要素308を完全には通過して延在せず、したがってバッキング310内までは延在しない。翼部402が変換器600の4つの側面の周りに配置され、圧電要素308およびバッキング310に向かうように折曲され、その結果、翼部402が、圧電要素308から、バッキング110のところにあるヒートシンクおよび/または熱管理部分に熱を伝導することができるようになる。別の実施形態では、翼部402は、変換器の1つ、2つ、3つまたは4つの側面の周りに設けられてよい。例えば、特定の実施形態では、翼部402は変換器の対向する2つの側面のみに沿って設けられてよく、この場合、これらの翼部は切欠き312および314に対して実質的に垂直に配置される。このような実施形態では、翼部402はアジマス方向(a)に沿って延在し、エレベーション方向(e)に沿って延在しない。
【0032】
図7は、本技術の実施形態に従って使用される超音波変換器のコンピュータシミュレーションの結果を表している。図7は、3つの整合層を備える3.5MHzの一次元リニアアレイ変換器のシミュレーション研究の結果を表している。圧電要素に最も近い整合層(第1の整合層)は、13.9MRaylの音響インピーダンスを有するアルミニウムバーを含む。第2の整合層は、6.127MRaylの音響インピーダンスを有する充填されたエポキシを含む。第3の整合層は、2.499MRaylの音響インピーダンスを有する定義されない物質を含む(これは、例えば、プラスチック、および/または、シリカ充填材などの充填材を有するエポキシであってよい)。これらの音響インピーダンスの場合、シミュレーションにより、層が、それぞれ、0.2540ミリメートル(アルミニウムバー)、0.1400ミリメートル(充填されたエポキシ)、0.1145ミリメートル(定義されない材料)の厚さを有することができることが示される。このコンピュータシミュレーションは、内側の整合層から外側の整合層までの距離(図2に示される整合層206から203までの距離yなど)を、共振振動数において伝達される超音波の所望の波長の約1/4の厚さの整合層を有してよい図1に示されるような従来の変換器の整合層より薄くすることができることを実証している。このようなシミュレーションには、所望の特性を決定するために、例えば、KLMモデル、Masonモデルおよび/または有限要素法シミュレーションが使用されてよい。
【0033】
音響性能の研究のためのシミュレーションは、所望の音響インピーダンスおよび所望の熱伝導率を有する整合層の厚さを最小にしてそれにより切断処理をより効果的に実施することを可能にするために、整合層の特性を最適化するのに使用され得る。
【0034】
図8は、従来の変換器および本技術の実施形態に従って構築される変換器の、レンズ表面のところにおける温度測定値の実験結果を表すグラフ800である。このグラフは、時間に対するレンズ表面のところの温度をプロットしている。従来の変換器の温度測定値は線802で示されており、本技術の実施形態に従って構築される変換器の温度測定値は線804で示されている。実験中、同じ条件下および同じ設定で両方の変換器を超音波システムに接続した。本技術の実施形態に従って構築される変換器は、40分以上、レンズ表面温度を従来の変換器より摂氏約3度から4度低く維持した。
【0035】
図9は超音波変換器900の層の断面図を描いている。変換器900は、レンズ908と圧電要素910との間に配置される3つの整合層902、904および906を含む。別の実施形態は異なる数の整合層を含むことができる。例えば、一部の実施形態は整合層を2つのみ含んでよく、また、別の実施形態は4つ以上の整合層を含んでもよい。圧電要素910は、電気信号を、ターゲットのところに誘導される超音波に変換することができ、また、受信した超音波を電気信号に変換することができる。圧電要素910は前側912および後側914を画定するような形状である。本開示では、前側912は、レンズ908に向かって超音波が発せられる圧電要素910の側を含むように画定される。後側914は、前側912の反対側でレンズ908から離れる方を向く圧電要素910の側を含むように画定される。超音波変換器900は、圧電要素910の後側914に接続される不整合層(dematching layer)916と、不整合層916に取り付けられるフレックス(flex)918とを含む。圧電要素910は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)またはPZT複合材料のような圧電材料であってよい。別の実施形態によると、圧電材料には、PMN−PTなどの単結晶がさらに含まれてよい。超音波変換器900はまた、後側整合層920、熱バッキング(thermal backing)922およびヒートシンク924を含む。
【0036】
一部の実施形態では、整合層902、904および906、圧電要素910、ならびに、レンズ908は、プレス機械を含む工具類によって供給される圧力などの圧力下で硬化するエポキシまたは別の接着材料を使用して一体に接着され得る。矢印927は、超音波変換器900から伝達されるおよび超音波変換器900で受信される超音波を描いている。受信された超音波は、ターゲットのイメージを生成するために超音波システムによって使用され得る。
【0037】
整合層902、904および906は、超音波変換器900から伝達される波のエネルギーを増大させるために圧電要素910とレンズ908との間に配置される。整合層902、904および906の各々はエポキシおよび1つまたは複数の異なる充填材で作られ得る。充填材は、一実施形態に従って整合層902、904および906の各々の音響インピーダンスを調整するのに使用され得る。図10に示される実施形態は3つの整合層を含むが、別の実施形態はより少ない整合層または追加の整合層を有することもできる。例えば、別の実施形態は、図9に示される整合層902、904および906の代わりに、1つの整合層、2つの整合層、または、4つ以上の整合層を有することができる。
【0038】
上で説明したように、3つの整合層902、904および906の各々の厚さは、超音波変換器900の共振振動数における波長の1/4以下であってよい。しかし、別の実施形態では、整合層902、904および906は超音波変化器900の共振振動数における波長の1/4より大きくてよい。例えば、整合層のうちの1つまたは複数は一実施形態では共振振動数における波長の約1/2であってよい。各整合層902、904および906の音響インピーダンスは、圧電要素910とレンズ908との間の音響インピーダンスの不整合を軽減するように選択され得る。整合層902、904および906により、圧電要素910とレンズ908との間での超音波の反射および/または屈折が減少する。レンズ908は約1.5MRaylの音響インピーダンスを有することができ、圧電要素910は30MRaylの音響インピーダンスを有することができる。別の実施形態では、レンズ908は1.2MRaylから1.6MRaylまでの範囲のいずれかの音響インピーダンスを有することができ、圧電要素910は20MRaylから40MRaylまでの範囲のいずれかの音響インピーダンスを有することができる。第1の整合層902は10〜20MRaylの音響インピーダンスを有することができ、第2の整合層904は5〜15MRaylの音響インピーダンスを有することができ、第3の整合層906は2〜8MRaylの音響インピーダンスを有することができる。
【0039】
整合層902、904および906の各々は、整合層902、904および906の各々の間の境界で反射する波によって生じる弱めあう干渉を最小化するために所望の波長の約1/4以下であってよい。整合層902、904および906の各々は、例えば、銅、銅合金、中にグラファイトパターンが埋め込まれた銅、マグネシウム、マグネシウム合金、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属、充填されたエポキシ、ガラスセラミック、複合材セラミック、および/またはマコールを含んでよい。
【0040】
一実施形態では、整合層902、904および906の音響インピーダンスは、整合層902、904および906の圧電要素910からの距離が増すにつれて減少していく。すなわち、第1の整合層902は第2の整合層904より高い音響インピーダンスを有することができ、第2の整合層904は第3の整合層906より高い音響インピーダンスを有することができる。1つの実施形態では、整合層902、904および906の各々は30W/mKを超えるような比較的高い熱伝導率を有することができる。
【0041】
不整合層916は、レンズ908に伝達される超音波の力を増大させるために圧電要素910より高い音響インピーダンスを有する。一実施形態では、不整合層916は例えば炭化物合金などの金属で作られてよく、例示の一実施形態では40MRaylから120MRaylの音響インピーダンスを有する。不整合層916の音響インピーダンスは、圧電要素を音響的に「クランプ」(acoustically “clamp”)して、ほとんどの音響エネルギーが圧電要素910の前側912から伝達されるように、比較的高くなっている。別の実施形態が、異なる材料から作られたりおよび/または異なる範囲から選択される音響インピーダンスを有したりする不整合層を使用することもできることを認識されたい。別の実施形態では、超音波変換器は不整合層を有さなくてもよい。
【0042】
後側整合層920はフレックス918に取り付けられる。後側整合層920は一実施形態ではアルミニウムであってよいが、アルミニウム合金、銅、銅合金および別の金属を含む熱伝導性材料も使用され得る。
【0043】
後側整合層920はフレックス918および不整合層916を介して圧電要素910に間接的に接続される。本開示では、「間接的に接続される」という表現は、1つまたは複数の追加の構造または構成要素を介して互いに接続される2つの構造を含むこととして定義される。一実施形態では、圧電要素910、不整合層916およびフレックス918は、伝導性添加物を有するエポキシなどの熱伝導性材料を用いて一体に接着され得る。熱は圧電要素910から不整合層916さらにはフレックス918を通って後側整合層920まで伝導される。一実施形態では、フレックス918は約100μm未満のように比較的薄くてよい。フレックス918は絶縁性ポリイミド層と共に銅トレースを含む可能性があるが、フレックス918が薄いため、熱は不整合層916からフレックス918を通って後側整合層920まで効果的に移動する。以下では後側整合層920のさらなる詳細を説明する。
【0044】
不整合層916は圧電要素910の後側から発せられる音響エネルギーの大部分を排除するが、一部の音響エネルギーは不整合層916、フレックス918および後側整合層920を通して伝達される可能性がある。この音響エネルギーを減衰させるために、超音波変換器900は熱バッキング922を含む。熱バッキング922は、圧電要素910からの超音波を弱めることができるように比較的高い音波減衰性(acoustic attenuation)を有する材料から作られる。例えば、熱バッキング922は二酸化チタンなどの充填材を有するエポキシで作られ得る。熱バッキング922は約2mmの厚さであってよい。別の実施形態では、熱バッキング922は1mmから2mmの間の厚さであってよい。しかし、熱バッキング922は充填材を有するエポキシで作られる場合、比較的低い熱伝導率を有する傾向があり、例えば、二酸化チタンを有するエポキシの熱伝導率は一般に10W/m.K未満である。
【0045】
ヒートシンク924は熱バッキング922に取り付けられ、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの高い比熱容量を有する材料を含む。熱が熱バッキング922を通して効果的には伝導されないことから、後側整合層920は、圧電要素910の縁部を越えて延在する翼部926を含む。翼部926はヒートシンク924に接触するように折曲され得る。翼部926は、熱伝導性ジョイントを作るような熱伝導性エポキシ、はんだ、または任意の別の技術により、ヒートシンク924に接続され得る。本開示では、「熱伝導」という用語は、少なくとも10W/m.Kの率で熱を移動させる伝導性接続部を含むこととして定義される。しかし、伝導性接続部は好適には20W/m.Kを超える率で熱を移動させる。例示の実施形態では、後側整合層920は、ヒートシンク924に接触するような位置に達するように後側整合層920を折り曲げるのを容易にするために、後側整合層920の前側表面内に複数のノッチ928を含むことができる。
【0046】
一実施形態では、描かれる層は、圧電要素910の複数の部分の間に電気的分離を形成するために、整合層902、904および906ならびに圧電要素910を通る複数の大きい切欠き(図示せず)を含むことができる。さらに、描かれる層は、水平方向の振動を効果的に減衰するために、整合層902、904および906ならびに圧電要素910の一部分を通過する複数の小さい切欠きを含むことができる。
【0047】
図10は図9に示される超音波変換器900の斜視図である。図9および10の間で共通の構成要素を示すのに共通の参照符号が示される。図10は、ヒートシンク924に接触するように下方向に折曲される前の伸長位置にある翼部926を示している。図9の断面図は4つの翼部926のうちの2つのみを示している。図10では、後側整合層920は明らかに4つの翼部926を含んでいる。図10には座標軸930も示されている。図10に示される実施形態は、超音波変換器900からx軸の正方向および負方向の両方に延在しさらには超音波変換器900からy軸の正方向および負方向の両方に延在する翼部926を含む。
【0048】
別の実施形態の後側整合層は4つより少ない翼部を含んでもよい。例えば、一実施形態(図示せず)は翼部を2つのみ有する整合層を有することができる。実施形態が2つの翼部のみを有する場合、ダイシング処理中に翼部がいずれの切欠きにも実質的に平行になるように配置されることが有利である場合がある。すなわち、切欠きのダイシングがy方向である場合、圧電要素910のダイシングされない部分が圧電要素910から翼部926までの良好な熱的経路を提供できるように、y軸の正方向および負方向に延在する翼部を有することが有利である場合がある。
【0049】
図10に示される実施形態などの、4つの翼部926を有する実施形態では、ダイシング処理中に作られるいずれの隙間も、熱伝導性であるが電気絶縁性であるRTVまたはエポキシのような物質で充填されてよい。ダイシング処理中に作られる切欠きを充填することにより、熱が圧電要素910から後側整合層920を通ってヒートシンク924まで流れることが可能となる。超音波変換器900が使用される前に図10に示される翼部926がヒートシンク924に熱的に接続されることを当業者であれば認識されたい。さらに、別の実施形態が、ダイシング処理中に作られるいずれの切欠きに対しても実質的に垂直になるように配置される1つまたは複数の翼部を有してよいことを認識されたい。
【0050】
図11は超音波変換器950の層の断面図を描いている。図9に関連して上で説明した構成要素と実質的に同一である構成要素を示すのに共通の参照符号が使用される。上で説明した構成要素を再度詳細には説明しない。超音波変換器950は、圧電要素910の端部955を越えて延在する2つの部分954を含む後側整合層952を含む。熱伝導性シート956が各部分954をヒートシンク924に熱的に接続する。図9に示される実施形態と同様に、後側整合層952はヒートシンク924に熱を伝導するように構成される。後側整合層952は例示の実施形態ではアルミニウムまたはアルミニウム合金であってよい。熱伝導性シート956もアルミニウムまたはアルミニウム合金であってよい。熱伝導性シート956は後側整合層952に直接的に接続されるか、あるいは、熱伝導性のエポキシまたははんだなどの材料を用いて後側整合層952に接着されてよい。
【0051】
特定の実施形態では、本明細書で説明される技術は、一次元リニアアレイ変換器、二次元変換器および/または環状アレイ変換器と併せて適用され得る。特定の実施形態では、本明細書で説明される技術は任意の幾何形状の変換器と併せて適用され得る。
【0052】
図12はシミュレーションデータを示すグラフを表している。グラフ970は、後側整合層を有さない従来の超音波変換器と、アルミニウムのバッキング上に200μmの後側整合層を有する一実施形態による超音波変換器との両方の、送受伝達機能(transmit/receive transfer function)を示している。従来の超音波変換器のプロットは線で示され、後側整合層を有する超音波変換器のプロットはドット付きの線で示される。2つのプロットが等しいスペクトルの部分は、グラフ970ではドット付きの線のみが示される。送受伝達機能は大部分の振動数にわたってほぼ等しい。送受伝達機能は1.5MHzから2.8MHzと、3.2MHzから4.5MHzとで区切られる。他のすべての振動数では、一実施形態による超音波変換器および従来の超音波変換器の送受伝達機能はグラフ970では見ることができない。一実施形態による変換器および従来の超音波変換器の送受伝達機能のグラフの相似性は、一実施形態による超音波変換器の音響性能が従来の超音波変換器の音響性能に非常に近いことを示している。このシミュレーションは、一実施形態による超音波変換器の音響性能が、後側整合層が介在しても妨害されないことを実証する。
【0053】
図13はシミュレーションデータを示すグラフを表している。グラフ975は、後側整合層を有さない従来の超音波変換器と、アルミニウムのバッキング上に200μmの後側整合層を有する一実施形態による超音波変換器との両方の、パルスエコーを示している。従来の超音波変換器のプロットは線で示され、後側整合層を有する超音波変換器のプロットはドット付きの線で示される。2つのプロットが等しいスペクトルの部分では、グラフ975ではドット付きの線のみが示される。従来の超音波変換器および一実施形態による超音波変換器の両方のパルスエコーはほぼ等しい。これらのパルスエコーは、約0.9sから1.1sの時間と、ちょうど1.2sから1.8s近くの時間とにおいて異なっている。グラフ975上の他のすべての時間においては、従来の超音波変換器のパルスエコーおよび一実施形態による超音波変換器のパルスエコーはグラフ975上では区別することができない。これは、一実施形態による超音波変換器の音響性能が従来の超音波変換器に非常に類似すること、および、後側整合層が介在することが一実施形態による超音波変換器の音響性能を妨害しないことを示している。
【0054】
本明細書の技術を適用することにより、音響性質および/または熱的特性が改善されるという技術的効果が得られる。例えば、変換器のレンズから離れるように熱を誘導することにより、パワーレベルを上げて変換器を使用することが可能となり、それにより信号品質およびイメージ品質が向上する。
【0055】
本明細書で説明される本発明は、本明細書で説明される変換器に加えて、このような変換器を製造する方法にも及ぶ。
【0056】
複数の実施形態を参照しながら本発明を説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更がなされ得また均等物が代用され得ることを当業者であれば理解するであろう。さらに、特定の状況および材料を本発明の教示に適合させるために、本発明の範囲から逸脱することなく多くの修正がなされ得る。したがって、本発明は開示される特定の実施形態のみに限定されないことが意図され、本発明は添付の特許請求の範囲内にあるすべての実施形態を含む。
【符号の説明】
【0057】
100 従来の超音波変換器
102、908 レンズ
104、106 整合層
108、308、910 圧電要素
110、310 バッキング
112、927 矢印
200、300、400、500、600、900、950 超音波変換器
203、204、205、206、303、304、305、401、501、902、904、906 インピーダンス整合層
312 大きい切欠き
314 小さい切欠き
402、926 翼部
403 ノッチ
502 シート
912 前側
914 後側
916 不整合層
918 フレックス
920、952 後側整合層
922 熱バッキング
924 ヒートシンク
930 座標軸
955 圧電要素の端部
954 圧電要素の端部を越えて延材する2つの部分
956 熱伝導性シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波変換器(900)であって、
前側(912)および後側(914)を画定する圧電要素(910)であって、電気信号を、ターゲットに向かうように前記前側(912)から伝達される超音波に変換するように構成されるとともに、受信した超音波を電気信号に変換するように構成される、圧電要素(910)と、
前記圧電要素(910)の前記前側(912)に接続されるレンズ(908)と、
前記圧電要素(910)の前記後側(914)に接続されるヒートシンク(924)と、
前記圧電要素(910)と前記ヒートシンク(924)との間に配置される後側整合層(920)であって、前記圧電要素(910)および前記ヒートシンク(924)に熱的に接続され、前記後側整合層(920)が前記圧電要素(910)から前記ヒートシンク(924)に熱を伝導させるように構成される、後側整合層(920)と
を含む超音波変換器(900)。
【請求項2】
前記レンズ(908)が前記圧電要素(910)に間接的に接続される、請求項1記載の超音波変換器(900)。
【請求項3】
前記後側整合層(920)が前記圧電要素(910)に間接的に接続される、請求項1記載の超音波変換器(900)。
【請求項4】
前記後側整合層(920)が前記ヒートシンク(924)に間接的に接続される、請求項3記載の超音波変換器(900)。
【請求項5】
前記後側整合層(920)が前記ヒートシンク(924)に直接的に接続される、請求項1記載の超音波変換器(900)。
【請求項6】
前記レンズ(908)と前記圧電要素(910)との間に配置される第1の整合層(902)をさらに含み、前記第1の整合層(902)が第1の音響インピーダンスおよび30W/mKを超える熱伝導率を有する、請求項2記載の超音波変換器(900)。
【請求項7】
前記第1の整合層(902)に取り付けられて前記第1の整合層(902)と前記レンズ(908)との間に配置される第2の整合層(904)をさらに含み、前記第2の整合層(904)が前記第1の音響インピーダンス未満の第2の音響インピーダンスを有する、請求項3記載の超音波変換器(900)。
【請求項8】
前記圧電要素(910)と前記ヒートシンク(924)との間に配置される熱バッキング(922)をさらに含み、前記熱バッキング(922)が10W/m.K未満の熱伝導率を有する、請求項1記載の超音波変換器(900)。
【請求項9】
前記圧電要素(910)および前記ヒートシンク(924)に取り付けられる熱伝導性シート(956)をさらに含み、前記熱伝導性シート(956)が前記圧電要素(910)から前記ヒートシンク(924)に熱を伝導するように構成される、請求項1記載の超音波変換器(900)。
【請求項10】
超音波変換器(900)であって、
前側(912)および後側(914)を画定する圧電要素(910)であって、電気信号を、ターゲットに向かうように前記前側(912)から伝達される超音波に変換するように構成されるとともに、受信した超音波を電気信号に変換するように構成される、圧電要素(910)と、
前記圧電要素(910)の前記前側(912)に接続されるレンズ(908)と、
前記圧電要素(910)の前記後側(914)に接続されるヒートシンク(924)と、
前記圧電要素(910)と前記ヒートシンク(924)との両方に接続される後側整合層(920)であって、前記圧電要素(910)の端部を越えて前記ヒートシンク(924)まで延在するように構成される翼部(926)を含み、前記圧電要素(910)から前記ヒートシンク(924)に熱を伝導するように構成される、後側整合層(920)と
を含む超音波変換器(900)。
【請求項11】
前記後側整合層(920)と前記ヒートシンク(924)との間に配置される熱バッキング(922)をさらに含み、前記熱バッキング(922)が前記圧電要素(910)からの超音波を弱めるように構成される、請求項10記載の超音波変換器(900)。
【請求項12】
前記翼部(926)および前記ヒートシンク(924)に取り付けられる熱伝導性シート(956)をさらに含む、請求項10記載の超音波変換器(900)。
【請求項13】
前記熱伝導性シート(956)がエポキシにより前記翼部(926)および前記ヒートシンク(924)に取り付けられる、請求項12記載の超音波変換器(900)。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−66177(P2013−66177A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−200021(P2012−200021)
【出願日】平成24年9月12日(2012.9.12)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】