説明

超音波画像表示装置及びその制御プログラム

【課題】超音波プローブの選択ボタンがどの位置に表示されているのか迷う恐れを低減することができる超音波画像表示装置を提供する。
【解決手段】装置本体11に接続された複数の超音波プローブ2のうち、使用する超音波プローブ2を選択する選択ボタンを、前記装置本体11に接続された超音波プローブ2毎に所定方向に並ぶようにタッチパネル式ディスプレイに表示させる選択ボタン表示制御部を備え、選択ボタン表示制御部は、予めHDD10に記憶された前記所定方向における前記選択ボタンの表示順序に従って、前記選択ボタンを表示させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波画像表示装置に接続された複数の超音波プローブのうち、使用する超音波プローブを選択する選択ボタンを有する超音波画像表示装置及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波画像表示装置は、対象に対して超音波プローブから超音波の送受信を行ない、得られたエコー信号に基づく超音波画像を表示する。超音波プローブには、コンベックスプローブ、リニアプローブ、セクタプローブなど様々な種類がある。また、同じコンベックスプローブやリニアプローブ等であっても、周波数や大きさなどによって複数の種類がある。
【0003】
このように、超音波プローブには複数の種類があり、超音波画像表示装置の装置本体に設けられたコネクタには、複数の超音波プローブを接続することができるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−187589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、装置本体に複数の超音波プローブが接続される超音波画像表示装置においては、使用する超音波プローブを選択する選択ボタンがタッチパネル式ディスプレイに表示される。より詳細には、装置本体において、接続された超音波プローブの種類が認識され、認識された超音波プローブを示す選択ボタンが所定方向に並ぶようにして表示されている。操作者が選択ボタンを押すことにより、対応する超音波プローブによる超音波の送受信が可能になる。
【0006】
従来、前記選択ボタンは、その選択ボタンに対応する超音波プローブが接続されたコネクタの位置に応じた位置に表示されるようになっている。従って、前記選択ボタンの表示位置は、対応する超音波プローブが接続されたコネクタの位置に応じて変わるので、操作者にとって、使用しようとする超音波プローブの選択ボタンがどの位置に表示されているのか認識するのが困難な場合があった。
【0007】
また、タッチパネル式ディスプレイを有さない超音波画像表示装置においては、押下式の選択ボタンが設けられており、この選択ボタンを押下することにより、対応する超音波プローブによる超音波の送受信が可能になる。この場合、ある選択ボタンによって選択される超音波プローブは、装置本体のコネクタの位置に応じて決まっているため、超音波プローブが接続されたコネクタの位置によって、選択ボタンの位置が変わる。従って、操作者が、使用しようとする超音波プローブの選択ボタンの位置を認識するのが困難な場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するためになされた一の観点の発明は、装置本体に接続された複数の超音波プローブのうち、使用する超音波プローブを選択する選択ボタンを、前記装置本体に接続された超音波プローブ毎に所定方向に並ぶようにタッチパネル式ディスプレイに表示させる選択ボタン表示制御部を備え、この選択ボタン表示制御部は、予め記憶された前記所定方向における前記選択ボタンの表示順序に従って、前記選択ボタンを表示させることを特徴とする超音波画像表示装置である。
【0009】
また、他の観点の発明は、装置本体に接続された複数の超音波プローブのうち、使用する超音波プローブを選択する選択ボタンであって、所定方向に複数個並ぶ選択ボタンと、この選択ボタンによって選択される超音波プローブを前記選択ボタンに対して割り当てる割当部と、を備え、前記割当部は、予め記憶された前記所定方向における割り当て順序に従って割り当てを行なうことを特徴とする超音波画像表示装置である。
【発明の効果】
【0010】
上記一の観点の発明によれば、前記装置本体において前記超音波プローブが接続されたコネクタの位置とは関係なく、予め記憶された前記所定方向における表示順序に従って前記選択ボタンが表示されるので、操作者が超音波プローブを選択する際に対応する選択ボタンがどの位置に表示されているか迷う恐れを低減することができる。
【0011】
上記他の観点の発明によれば、前記装置本体において前記超音波プローブが接続されたコネクタの位置とは関係なく、予め記憶された前記所定方向における割り当て順序に従って前記選択ボタンに対する超音波プローブの割り当てが行われるので、操作者が超音波プローブを選択する際に対応する選択ボタンの位置について迷う恐れを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態における超音波診断装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態における超音波画像表示装置の外観の一例を示す図である。
【図3】図2の左側面図である。
【図4】実施形態の超音波画像表示装置における表示制御部を示すブロック図である。
【図5】選択ボタンが表示されたタッチパネル式ディスプレイを示す図である。
【図6】実施形態の超音波画像表示装置における制御部を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施形態における超音波画像表示装置の作用を示すフローチャートである。
【図8】超音波プローブのプローブコネクタが接続された装置本体のプローブコネクタ付近の拡大図である。
【図9】図8と同じ種類の超音波プローブが、図8とは異なる位置に接続された装置本体のプローブコネクタ付近の拡大図である。
【図10】第二実施形態においてHDDに記憶された検査部位毎の選択ボタンの表示順序の一例を示す図である。
【図11】第三実施形態における超音波画像表示装置の外観の一例を示す図である。
【図12】第三実施形態における超音波画像表示装置の操作部に設けられた選択ボタンを示す図である。
【図13】第三実施形態の超音波画像表示装置における表示制御部を示すブロック図である。
【図14】第三実施形態の超音波画像表示装置における制御部を示すブロック図である。
【図15】第三実施形態における超音波画像表示装置の作用を示すフローチャートである。
【図16】選択ボタンに対する超音波プローブの割り当てを説明するための図である。
【図17】第三実施形態において、超音波プローブのプローブコネクタが接続された装置本体のプローブコネクタ付近の拡大図である。
【図18】選択ボタンに対する超音波プローブの割り当ての他例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について説明する。
(第一実施形態)
先ず、第一実施形態について、図1〜図9に基づいて説明する。図1〜図3に示す超音波画像表示装置1は、患者の生体組織の超音波画像を表示する超音波診断装置であり、超音波プローブ2、プローブ切替部3、送受信部4、エコーデータ処理部5、表示制御部6、表示部7、操作部8、制御部9及びHDD(Hard Disk Drive)10を備える。
【0014】
前記送受信部4、前記エコーデータ処理部5、前記表示制御部6、前記操作部8、前記制御部9及び前記HDD10は、装置本体11に設けられている。また、この装置本体11には、アーム12(図2、図3参照)を介して前記表示部7が設けられるとともに、前記超音波プローブ2がプローブコネクタ2aを介して接続されている。
【0015】
前記超音波プローブ2は、複数の超音波振動子(図示省略)から被検体に対して超音波を送信する。前記超音波プローブ2は、音線順次で超音波の走査を行なって超音波を送信する。また、前記超音波プローブ2は、超音波のエコー信号を受信する。
【0016】
前記超音波プローブ2は、前記装置本体11に設けられたコネクタ(図示省略)に前記プローブコネクタ2aによって接続される。本例では、前記装置本体10に前記超音波プローブ2を4個まで接続することができるようになっている。
【0017】
前記プローブコネクタ2aには、前記超音波プローブ2の種類が記憶されたメモリ(memory)2bが設けられている。このメモリ2bは、本発明における種類記憶部の実施の形態の一例である。
【0018】
ここで、前記超音波プローブ2の種類について説明する。一般的に、超音波プローブには、コンベックス走査を行なうコンベックスプローブ、リニア走査を行なうリニアプローブ、セクタ走査を行なうセクタプローブがあり、走査方式の違いによる種類分けがある。また、同じコンベックスプローブやリニアプローブ等であっても、周波数や大きさなどが異なる複数種類の超音波プローブがある。さらに、2Dプローブや3Dプローブの種類分けもある。以上より、ここでいう超音波プローブの種類とは、走査方式に応じた種類の別を意味するのみならず、同じコンベックスプローブ、リニアプローブ、セクタプローブであっても種類が異なる場合があるものとする。また、3Dプローブも種類の一つとして挙げられる。
【0019】
なお、図1においては、前記超音波プローブ2は、その種類にかかわらず単純化して四角形で示されている。
【0020】
前記プローブ切替部3は、後述する選択ボタンSBの操作によって、使用する超音波プローブ2の切替えを行なう。具体的には、前記プローブ切替部3は、前記選択ボタンSBによって選択された超音波プローブ2を前記送受信部4と電気的に接続し、前記超音波プローブ2と前記送受信部4との信号のやりとりを可能にする。
【0021】
前記送受信部4は、前記超音波プローブ2から所定の走査条件で超音波を送信するための電気信号を、前記制御部9からの制御信号に基づいて前記超音波プローブ2に供給する。また、前記送受信部4は、前記超音波プローブ2で受信したエコー信号について、A/D変換、整相加算処理等の信号処理を行なう。
【0022】
前記エコーデータ処理部5は、前記送受信部4から出力されたエコー信号のデータに対し、超音波画像を作成するための処理を行なう。例えば、前記エコーデータ処理部5は、対数圧縮処理及び包絡線検波処理等のBモード処理などを行なう。
【0023】
前記表示制御部6は、図4に示すように、表示画像制御部61及び選択ボタン表示制御部62を有している。前記表示画像制御部61は、前記エコーデータ処理部5で得られたデータを、スキャンコンバータ(scan converter)によって走査変換して超音波画像データを作成する。また、前記表示画像制御部61は、前記超音波画像データに基づく超音波画像を前記表示部7に表示させる。超音波画像は、例えばBモード画像である。
【0024】
前記選択ボタン表示制御部62は、前記装置本体11に接続された超音波プローブ2のうち、使用する超音波プローブ2を選択する選択ボタンSBを、前記操作部8の後述するタッチパネル式ディスプレイ8aに表示させる選択ボタン表示制御機能を実行する。前記選択ボタン表示制御部62は、本発明における選択ボタン表示制御部の実施の形態の一例である。
【0025】
前記選択ボタンSBは、前記装置本体11に接続された複数の超音波プローブ2を示すボタンである。前記選択ボタン表示制御部62は、前記装置本体11に接続された複数の超音波プローブ2に対応する複数の選択ボタンSBを、超音波プローブ2毎に、図5に示すように、所定方向に並ぶように前記タッチパネル式ディスプレイ8aに表示させる。本例では、前記選択ボタンSBは横方向に表示されている。
【0026】
図5においては、選択ボタンSB−A,SB−C,SB−E,SB−Fが表示されている。この場合、前記装置本体11に接続された超音波プローブ2は、超音波プローブ2−A,2−C,2−E,2−Fである。アルファベット「A」、「C」、「E」、「F」は超音波プローブの種類を意味する。前記選択ボタンSB−Aは、前記超音波プローブ2−Aに対応する選択ボタンであり、前記選択ボタンSB−Cは、前記超音波プローブ2−Cに対応する選択ボタンである。また、前記選択ボタンSB−Eは、前記超音波プローブ2−Eに対応する選択ボタンであり、前記選択ボタンSB−Fは、前記超音波プローブ2−Fに対応する選択ボタンである。操作者が、前記選択ボタンSB−Aを押すことにより前記超音波プローブ2−Aが選択されてこれを使用することができ、前記選択ボタンSB−Cを押すことにより前記超音波プローブ2−Cが選択されてこれを使用することができる。また、操作者が前記選択ボタンSB−Eを押すことにより前記超音波プローブ2−Eが選択されてこれを使用することができ、前記選択ボタンSB−Fを押すことにより、前記超音波プローブ2−Fが選択されてこれを使用することができる。
【0027】
ちなみに、前記送受信部4、前記エコーデータ処理部5、前記表示制御部6の機能は、ソフトウェア(software)によって前記制御部9が実行させるようになっていてもよい。
【0028】
前記表示部7は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)などで構成される。図2、図3ではLCDで構成される表示部7が示されている。
【0029】
前記操作部8は、操作者が指示や情報を入力するためのキーボード及びポインティングデバイス(図示省略)などを含んで構成されている。また、前記操作部8は、前記タッチパネル式ディスプレイ8aを有する。このタッチパネル式ディスプレイ8aには、操作用のボタンなどが表示される。操作用のボタンは、例えば前記選択ボタンSBである。
【0030】
前記制御部9は、特に図示しないがCPU(Central Processing Unit)を有して構成される。この制御部9は、前記HDD10に記憶された制御プログラムを読み出し、前記超音波画像表示装置1の各部における機能を実行させる。
【0031】
前記制御部9は、図6に示すように認識部91を有している。この認識部91は、制御部9が実行させる機能の一例であり、前記装置本体11に接続された超音波プローブ2の種類を認識する。より詳細には、前記認識部91は、前記プローブ切替部3を介して前記プローブコネクタ2aのメモリを参照して、各超音波プローブ2の種類を認識する。前記認識部91は、本発明における認識部の実施の形態の一例である。
【0032】
前記認識部91は、前記装置本体11においてどのコネクタにどの種類の超音波プローブ2が接続されているかを認識している。従って、操作者によって前記選択ボタンSBが押されると、認識部91から前記プローブ切替部3に対して制御信号が出力され、押された選択ボタンSBに対応する超音波プローブ2が前記プローブ切替部3によって前記送受信部4と電気的に接続される。
【0033】
前記HDD10には、前記制御プログラムのほか、前記タッチパネル式ディスプレイ8aに表示される前記選択ボタンSBの所定方向における表示順序が記憶されている。前記HDD10には、前記装置本体11に接続される可能性がある超音波プローブに対する選択ボタンSBの表示順序が記憶されている。前記HDD10は、本発明における表示順序記憶部の実施の形態の一例である。
【0034】
ちなみに、前記選択ボタンSBの所定方向における表示順序は、デフォルトとして前記HDD10に記憶されていてもよいし、操作者が前記操作部8において入力することによって前記HDD10に記憶されてもよい。
【0035】
本例では、超音波プローブ2−A,2−B,2−C,2−D,2−E,2−F,2−Gに応じた選択ボタンSB−A,SB−B,SB−C,SB−D,SB−E,SB−F,SB−Gの表示順序が記憶されている。ここでは、表示順序として、前記タッチパネル式ディスプレイ8aにおいて、左側から右側へ向かう方向における表示順序が記憶されるものとする。例えば、前記HDD10に記憶された選択ボタンSBの表示順序は、選択ボタンSB−A,SB−B,SB−C,SB−D,SB−E,SB−F,SB−Gの順序になっている。この場合、例えば前記装置本体11に超音波プローブ2−A,2−C,2−Eが接続された場合、前記タッチパネル式ディスプレイ8aには、左側から右側に向かって、前記選択ボタンSB−A,SB−C,SB−Eの順序で表示される。
【0036】
前記HDD10に記憶される前記選択ボタンSBの表示順序は、前記超音波プローブ2の使用頻度に応じたものであってもよい。例えば、超音波プローブ2の使用頻度の順に、対応する選択ボタンSBが左側から右側に並ぶように、前記選択ボタンSBの表示順序が前記HDD10に記憶されていてもよい。上述の例でいえば、前記超音波プローブ2−Aが最も使用頻度が高く、次いで前記超音波プローブ2−Bが使用頻度が高く、前記超音波プローブ2−Gが最も使用頻度が低い。
【0037】
さて、本例の超音波画像表示装置1の作用について説明する。ここでは、前記選択ボタンSBの表示について主に説明する。図7のフローチャートにおいて、ステップS1では、前記超音波プローブ2が前記装置本体11に接続される。次に、ステップS2では、接続された超音波プローブ2の種類を前記認識部91が認識し、前記表示制御部6の選択ボタン表示制御部62へ出力する。
【0038】
次に、ステップS3では、前記選択ボタン表示制御部62は、前記認識部91から入力された超音波プローブ2の種類に対応する選択ボタンSBを、前記HDD10に記憶されている前記選択ボタンSBの表示順序に従って、前記タッチパネル式ディスプレイ8aに表示させる。
【0039】
例えば、図8に示すように、前記装置本体11に、超音波プローブ2−A,2−C,2−E,2−Fが接続されている場合(図8では超音波プローブ2のプローブコネクタ2aのみ図示)が、前記選択ボタン表示制御部62は、上記図5に示すように、左側から右側に向かって選択ボタンSB−A,SB−C,SB−E,SB−Fの順序で、前記タッチパネル式ディスプレイ8aに選択ボタンSBを表示させる。
【0040】
図8では、前記装置本体11に、左側から右側に向かって、超音波プローブ2−A,2−F,2−C,2−Eの順番で超音波プローブ2が接続されている。例えば、図8と超音波プローブの種類が同じであれば、図9に示すように、左側から右側に向かって、超音波プローブ2−E,2−A,2−F,2−Cの順番で超音波プローブ2が接続されても、図5に示す順序で前記選択ボタンSBが表示される。従って、本例の超音波画像表示装置1によれば、前記装置本体11における前記超音波プローブ2の接続場所とは関係なく、前記HDD10に記憶されている表示順序に従って前記選択ボタンSBが表示されるので、操作者が前記選択ボタンSBによって使用する超音波プローブ2を選択する際に、対応する選択ボタンSBがどの位置に表示されているか迷う恐れを低減することができる。
【0041】
(第二実施形態)
次に、第二実施形態について説明する。以下、第一実施形態と異なる事項についてのみ説明する。
【0042】
本例では、前記HDD10に、前記選択ボタンSBの表示順序が、検査部位ごとに複数パターン記憶されている。例えば、前記HDD10には、図10に示すように、検査部位(1)については、選択ボタンSBの表示順序として、前記タッチパネル式ディスプレイ8aにおける左側から順に、選択ボタンSB−A,SB−B,SB−C,SB−D,SB−E,SB−F,SB−Gの順序が記憶されている。また、検査部位(2)については、左側から順に、選択ボタンSB−D,SB−E,SB−F,SB−A,SB−B,SB−C,SB−Gの順序が記憶されている。さらに、検査部位(3)については、選択ボタンSB−G,SB−A,SB−C,SB−B,SB−E,SB−D,SB−Fの順序が記憶されている。
【0043】
ちなみに、本例においても、前記選択ボタンSBの所定方向における表示順序は、デフォルトとして前記HDD10に記憶されていてもよいし、操作者が前記操作部8において入力することによって前記HDD10に記憶されてもよい。
【0044】
ここで、検査部位に応じて、使用頻度が高い超音波プローブが異なっている。例えば、甲状腺や乳腺など表在の超音波検査を行なう場合には、リニアプローブの使用頻度が高い。また、腹部など比較的深い部分までが示された超音波画像によって診断を行なう場合には、コンベックスプローブの使用頻度が高い。さらに、肋間からのスキャンを行なう心臓の超音波検査においては、セクタプローブの使用頻度が高い。
【0045】
前記HDD10に記憶された表示順序は、使用頻度が高い超音波プローブに対応する選択ボタンSBが左側に表示されるような順序になっている。例えば、検査部位が甲状腺や乳腺などの表在である場合、リニアプローブに対応する選択ボタンの表示位置が左側になるような順序が前記HDD10に記憶されている。また、検査部位が腹部など比較的深い部分である場合、コンベックスプローブに対応する選択ボタンの表示位置が左側になるような順序が前記HDD10に記憶されている。さらに、検査部位が心臓である場合、セクタプローブに対応する選択ボタンの表示位置が左側になるような順序が前記HDD10に記憶されている。
【0046】
本例では、前記選択ボタンSBが表示される前に、操作者が前記操作部8において、検査部位を入力する。前記選択ボタン表示制御部62は、入力された検査部位に応じた前記選択ボタンSBの表示順序の情報と、前記認識部91から入力された超音波プローブ2の種類の情報とに基づいて、前記選択ボタンSBの表示を行なう。
【0047】
本例によれば、検査部位毎に前記選択ボタンSBの表示順序が記憶されているので、検査部位に応じて選択ボタンSBの表示順序が変わる。本例では、使用頻度が高い超音波プローブ2に対応する選択ボタンSBが左側に表示されるような順序で、検査部位毎に前記選択ボタンSBの表示順序が記憶されているので、検査部位が変わっても、使用頻度が高い超音波プローブ2に対応する選択ボタンSBが常に左側になるように表示され、操作者が使用する超音波プローブ2を選択する際の迷いを低減することができる。
【0048】
次に、第二実施形態の変形例について説明する。上述の説明では、前記選択ボタンSBの表示順序が検査部位毎に複数パターン記憶されているが、これに限られるものではない。例えば、操作者を登録しておくことができる場合、前記選択ボタンSBの表示順序が、操作者毎に複数パターン記憶されていてもよい。これにより、操作者に応じて選択ボタンSBの表示順序を変えることができる。
【0049】
(第三実施形態)
次に、第三実施形態について説明する。以下、第一、第二実施形態と異なる事項について説明する。
【0050】
本例の超音波診断装置1′は、図11に示すように前記タッチパネル式ディスプレイ8aを有していない。前記操作部8は、前記タッチパネル式ディスプレイ8aに表示される選択ボタンSBの代わりに、図12に示すように、横方向に並ぶ4つの選択ボタンSB1,SB2,SB3,SB4を有している。これら選択ボタンSB1〜SB4は押下式のボタンであり、これら選択ボタンSB1〜SB4を押下することにより、使用する超音波プローブ2が選択される。すなわち、押された選択ボタンSBに対応する超音波プローブ2が前記プローブ切替部3によって前記送受信部4と電気的に接続される。
【0051】
前記選択ボタンSB1〜SB4の数は、前記装置本体11において、前記超音波プローブ2が接続されるコネクタの数と同じ数になっている。従って、前記装置本体11に接続される超音波プローブ2の最大数と同じ数の選択ボタンが設けられている。
【0052】
なお、本例の超音波画像表示装置1′の全体ブロック図は図1と同様であるので図示省略する。
【0053】
本例では、前記表示制御部6は、図13に示すように選択ボタン表示制御部62を有していない。
【0054】
前記制御部9は、図14に示すように、前記認識部91のほか、割当部92を有している。この割当部92は、前記選択ボタンSB1〜SB4によって選択される超音波プローブ2を前記選択ボタンSB1〜SB4に割り当てる割当機能を実行する。詳細は後述する。
【0055】
前記HDD10には、前記選択ボタンSB1〜SB4に対する超音波プローブ2の割り当て順序が記憶されている。前記選択ボタンSB1〜SB4が並ぶ方向である横方向において、左側から右側に向かう方向における割り当て順序が記憶されている。詳細は後述する。前記HDD10は、本発明における割り当て順序記憶部の実施の形態の一例である。
【0056】
ちなみに、前記選択ボタンSB1〜SB4に対する超音波プローブ2の割り当て順序は、デフォルトとして前記HDD10に記憶されていてもよいし、操作者が前記操作部8において入力することによって前記HDD10に記憶されてもよい。
【0057】
前記選択ボタンに対する超音波プローブ2の割り当て順序も、第一実施形態と同様に前記超音波プローブ2の使用頻度に応じたものであってもよい。
【0058】
さて、本例の超音波画像表示装置1′の作用について図15のフローチャートに基づいて説明する。この図15において、ステップS1,S2は図7と同様であるので、ステップS3′について説明する。
【0059】
ステップS3′では、前記割当部92は、前記認識部91によって認識された超音波プローブ2を、前記HDD10に記憶された割り当て順序に従って、前記選択ボタンSB1〜SB4に割り当てる。
【0060】
例えば、前記選択ボタンSB1〜SB4が並ぶ横方向において左側から右側へ向かう方向に、超音波プローブ2−A,2−B,2−C,2−D,2−E,2−F,2−Gの順序で、前記選択ボタンSB1〜SB4に対する超音波プローブ2の割り当てが行われるように、前記HDD10に割り当て順序が記憶されているとする。この場合、例えば図8に示すように、装置本体11に、左側から右側に向かって、超音波プローブ2−A,2−F,2−C,2−Eの順番で超音波プローブ2が接続された場合、図16に示すように、前記選択ボタンSB1に対しては前記超音波プローブ2−Aが割り当てられ、前記選択ボタンSB2に対しては、前記超音波プローブ2−Cが割り当てられる。また、前記選択ボタンSB3に対しては前記超音波プローブ2−Eが割り当てられ、前記選択ボタンSB4に対しては、前記超音波プローブ2−Fが割り当てられる。なお、図16において「2−A」「2−C」「2−E」「2−F」の文字は説明の便宜上示されたものであり、実際には表示されないものとする。
【0061】
上述のように前記選択ボタンSB1〜SB4への超音波プローブ2の割り当てが行われた場合、前記選択ボタンSB1を押下することにより前記超音波プローブ2−Aが選択され、前記選択ボタンSB2を押下することにより前記超音波プローブ2−Cが選択される。また、前記選択ボタンSB3を押下することにより前記超音波プローブ2−Eが選択され、前記選択ボタンSB4を押下することにより前記超音波プローブ2−Fが選択される。
【0062】
ちなみに、図9に示すように、前記装置本体11に、左側から右側に向かって、超音波プローブ2−E,2−A,2−F,2−Cの順番で超音波プローブ2が接続されても、前記選択ボタンSB1〜SB4に対する超音波プローブ2の割り当ては図16に示すものとなる。
【0063】
また、図17に示すように、前記装置本体11に、左側から右側に向かって、超音波プローブ2−C,2−B,2−G,2−Eの順番で超音波プローブ2が接続された場合、図18に示すように、前記選択ボタンSB1に対しては前記超音波プローブ2−Bが割り当てられ、前記選択ボタンSB2に対しては、前記超音波プローブ2−Cが割り当てられる。また、前記選択ボタンSB3に対しては前記超音波プローブ2−Eが割り当てられ、前記選択ボタンSB4に対しては、前記超音波プローブ2−Gが割り当てられる。
【0064】
以上説明した本例の超音波診断装置1′によっても、前記装置本体11における前記超音波プローブ2の接続場所とは関係なく、前記HDD10に記憶されている割り当て順序に従って前記選択ボタンSB1〜SB4に対して超音波プローブ2が割り当てられる。従って、操作者がHDD10に記憶されている割り当て順序を把握していれば、使用する超音波プローブ2を選択する際に、どの選択ボタンを押下すればよいか迷う恐れを低減することができる。
【0065】
なお、この第三実施形態においても、第二実施形態と同様に、前記HDD10に、前記選択ボタンSBに対する超音波プローブ2の割り当て順序が、検査部位毎に複数パターン記憶されていてもよい。これにより、検査部位に応じて前記選択ボタンSBに対する超音波プローブ2の割り当て順序を変えることができる。
【0066】
また、前記HDD10に、前記選択ボタンSBに対する超音波プローブ2の割り当て順序が、操作者毎に複数パターン記憶されていてもよい。これにより、操作者に応じて前記選択ボタンSBに対する超音波プローブ2の割り当て順序を変えることができる。
【0067】
以上、本発明を前記実施形態によって説明したが、本発明はその主旨を変更しない範囲で種々変更実施可能なことはもちろんである。
【符号の説明】
【0068】
1 超音波画像表示装置
2 超音波プローブ
2a プローブコネクタ
2b メモリ(種類記憶部)
8a タッチパネル式ディスプレイ
10 HDD(表示順序記憶部)
11 装置本体
62 選択ボタン表示制御部
91 認識部
92 割当部
SB 選択ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に接続された複数の超音波プローブのうち、使用する超音波プローブを選択する選択ボタンを、前記装置本体に接続された超音波プローブ毎に所定方向に並ぶようにタッチパネル式ディスプレイに表示させる選択ボタン表示制御部を備え、
該選択ボタン表示制御部は、予め記憶された前記所定方向における前記選択ボタンの表示順序に従って、前記選択ボタンを表示させる
ことを特徴とする超音波画像表示装置。
【請求項2】
前記装置本体に接続された超音波プローブの種類を認識する認識部を備え、
前記選択ボタン表示制御部は、前記認識部で認識された超音波プローブの種類に対応する選択ボタンを表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波画像表示装置。
【請求項3】
前記所定方向における前記選択ボタンの表示順序が記憶されている表示順序記憶部を備えることを特徴とする請求項請求項1又は2に記載の超音波画像表示装置。
【請求項4】
前記表示順序記憶部には、超音波プローブの使用頻度に応じた表示順序が記憶されていることを特徴とする請求項3に記載の超音波画像表示装置。
【請求項5】
前記表示順序記憶部には、表示順序が検査部位毎に複数パターン記憶されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の超音波画像表示装置。
【請求項6】
前記表示順序記憶部には、表示順序が操作者毎に複数パターン記憶されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の超音波画像表示装置。
【請求項7】
装置本体に接続された複数の超音波プローブのうち、使用する超音波プローブを選択する選択ボタンであって、所定方向に複数個並ぶ選択ボタンと、
該選択ボタンによって選択される超音波プローブを前記選択ボタンに対して割り当てる割当部と、
を備え、
前記割当部は、予め記憶された前記所定方向における割り当て順序に従って割り当てを行なう
ことを特徴とする超音波画像表示装置。
【請求項8】
前記装置本体に接続された超音波プローブの種類を認識する認識部を備え、
前記割当部は、前記認識部で認識された超音波プローブの割り当てを行なう
ことを特徴とする請求項7に記載の超音波画像表示装置。
【請求項9】
前記選択ボタンに対する前記超音波プローブの割り当て順序が記憶されている割り当て順序記憶部を備えることを特徴とする請求項請求項7又は8に記載の超音波画像表示装置。
【請求項10】
前記割り当て順序記憶部には、超音波プローブの使用頻度に応じた割り当て順序が記憶されていることを特徴とする請求項9に記載の超音波画像表示装置。
【請求項11】
前記割り当て順序記憶部には、割り当て順序が検査部位毎に複数パターン記憶されていることを特徴とする請求項9又は10に記載の超音波画像表示装置。
【請求項12】
前記割り当て順序記憶部には、割り当て順序が操作者毎に複数パターン記憶されていることを特徴とする請求項9又は10に記載の超音波画像表示装置。
【請求項13】
前記超音波プローブは、該超音波プローブの種類が記憶された種類記憶部を備え、
前記認識部は、前記種類記憶部の記憶情報を参照して前記超音波プローブの種類を認識する
ことを特徴とする請求項2又は8に記載の超音波画像表示装置。
【請求項14】
前記種類記憶部は前記超音波プローブにおけるプローブコネクタに設けられていることを特徴とする請求項13に記載の超音波画像表示装置。
【請求項15】
コンピュータに、
装置本体に接続された複数の超音波プローブのうち、使用する超音波プローブを選択する選択ボタンを、前記装置本体に接続された超音波プローブ毎に所定方向に並ぶようにタッチパネル式ディスプレイに表示させる選択ボタン表示制御機能を実行させる超音波画像表示装置の制御プログラムであって、
前記選択ボタン表示制御機能は、予め記憶された前記所定方向における前記選択ボタンの表示順序に従って、前記選択ボタンを表示させる
ことを特徴とする超音波画像表示装置の制御プログラム。
【請求項16】
コンピュータに、
装置本体に接続された複数の超音波プローブのうち使用する超音波プローブを選択する選択ボタンであって所定方向に複数個並ぶ選択ボタンによって選択される超音波プローブを、前記選択ボタンに対して割り当てる割当機能を実行させる超音波画像表示装置の制御プログラムであって、
前記割当機能は、予め記憶された前記所定方向における割り当て順序に従って割り当てを行なう
ことを特徴とする超音波画像表示装置の制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2013−27497(P2013−27497A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164880(P2011−164880)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】