説明

超音波診断装置、超音波画像記録装置、超音波画像再生装置

【課題】検査画像を高画質のまま記録媒体に記録すると共に、記録媒体に記録された画像に基づいて計測や検索を効率的に行うことのできる超音波診断装置を提供する。
【解決手段】超音波診断装置1は、被検体の検査画像を取得して画像表示部17に表示する。DVD記録読込部27にDVDメディア29が挿入され、録画指示を受けると、超音波診断装置1は検査画像と記録画像との差に相当する領域に不足画像の追加を行う。DVD記録手段19は、検査画像を基に記録画像を作成すると同時に、当該検査画像に対応する情報ヘッダファイル49を作成して、検査画像と共にDVDメディア29に記録する。これにより、検査画像を高画質のまま記録することが可能である。また、情報ヘッダファイル49を利用することで、操作性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査画像を記録及び再生する超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波診断装置により取得される検査画像は、外部機器であるVCR(Video Cassette Recorder)やDVD(Digital Versatile Disk)レコーダを使用してビデオテープやDVDメディアに録画される。超音波診断装置は、外部機器に録画する際には、デジタルデータである画像データをアナログ変換して外部機器に出力する。
【0003】
また、デジタルデータのままDVD規格に準拠して録画を行う場合には、AVI(Audio Video Interleave)ファイルフォーマットで作成された検査画像は、DVD規格の画像サイズにリサイズされていた。
【0004】
また、ビデオテープやDVDメディアに記録された超音波診断画像の計測を行うための情報を、画面上部に表示されるバーコードで管理する方法がある(「特許文献1」参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平7−313510号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、外部機器に録画する際に、デジタルデータである画像データをアナログ変換すると画質が劣化するという問題点がある。また、ユーザは、録画した画像の中から目的の画像を検索するためには、記録されている画像の場所を特定する必要がある。また、画像の計測を行うためには、計測のための情報を管理するバーコードを表示させて操作を行う必要がある。
【0007】
また、AVIファイルフォーマットの検査画像をデジタルデータのまま超音波診断装置用のDVD規格の画像サイズにリサイズして録画すると、民生DVDレコーダ、プレーヤでは再生することができないという問題点がある。
また、「特許文献1」が示すように、画面上部にバーコードを表示させて超音波診断画像の計測を行うための情報を示す方法では、操作が煩雑になるという問題点がある。
【0008】
本発明は、このような問題を鑑みてなされたもので、その目的とするところは、検査画像を高画質のまま記録媒体に記録すると共に、記録媒体に記録された画像に基づいて計測や検索を効率的に行うことのできる超音波診断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するための第1の発明は、被検体からの反射超音波信号に基づいて検査画像を構成して再生する超音波診断装置において、前記検査画像の所定領域について、所定画像の追加又は画像の削除を行って記録画像サイズの記録画像を作成する記録画像作成手段と、前記記録画像作成手段によって作成された前記記録画像を記録媒体に保存する記録画像保存手段と、前記記録媒体に保存された前記記録画像の所定領域について、前記記録画像作成手段によって追加された前記所定画像を削除又は所定画像を追加して検査画像サイズの検査画像を作成する検査画像作成手段と、前記検査画像作成手段によって作成された前記検査画像を再生する検査画像再生手段とを、具備することを特徴とする超音波診断装置である。
【0010】
検査画像は、被検体からの反射超音波信号に基づいて構成される超音波画像である。
記録画像は、DVDメディアやHDD(Hard Disk Drive)装置等の記録媒体に記録される画像である。記録画像と検査画像とは、保存形式や画像サイズ(解像度)が異なる場合がある。
【0011】
記録画像サイズとは、記録画像の画像規格であり、主としてDVD規格を示す。日本やUSA等で採用されているNTSC(National Television Standards Comminttee)方式のDVD規格の記録画像サイズは720×480である。ヨーロッパやアジア諸国等で採用されているPAL(Phase Alternation by Line)方式のDVD規格の記録画像サイズは720×576である。
【0012】
検査画像サイズとは、超音波診断装置で取得される検査画像の画像規格を示す。NTSC方式の超音波診断画像の検査画像サイズは640×480である。PAL方式の超音波診断画像の検査画像サイズは760×576である。
【0013】
所定領域とは、記録画像サイズと検査画像サイズとの差に相当する領域である。NTSC方式では、記録画像サイズ(DVD規格)は検査画像サイズ(超音波診断画像)よりも幅の画素数が80画素多い。従って、NTSC方式における所定領域とは、例えば検査画像から記録画像を作成する際に検査画像の両外側に不足する帯状領域40×480を示す。
【0014】
逆にPAL方式では、記録画像サイズ(DVD規格)は検査画像サイズ(超音波診断画像)よりも幅の画素数が40画素少ない。従って、PAL方式における所定領域とは、例えば記録画像を作成する際に、検査画像の両端に余っている帯状領域20×576を示す。
【0015】
所定画像とは、検査画像を基に記録画像サイズの記録画像を作成するために、所定領域に追加される追加画像である。例えば追加画像として、所定領域に「黒色」画像データが追加されると、検査画像の両外側に黒帯状の領域が追加された記録画像が作成される。NTSC方式では、記録画像サイズ(DVD規格)は検査画像サイズ(超音波診断画像)よりも幅の画素数が80画素多いので検査画像の両外側に帯状領域40×480の追加画像である所定画像が追加されて、記録画像が作成される。
【0016】
第1の発明の超音波診断装置は、検査画像の所定領域について、所定画像の追加又は画像の削除を行って記録画像サイズの記録画像を作成し、記録画像を記録媒体に保存する。また、超音波診断装置は、記録媒体に保存される記録画像の所定領域について、所定画像を削除又は所定画像を追加して検査画像サイズの検査画像を作成して再生する。
【0017】
第1の発明の超音波診断装置は、検査画像の画質を低下させず、高画質のままで記録媒体に記録することができる。また、超音波診断装置は、画質を劣化させることなく、記録媒体に記録された記録画像サイズの記録画像を検査画像サイズの検査画像として再生することができる。
【0018】
また、記録画像の属性に関する属性情報と記録画像の録画に関する録画情報とを、記録画像と共に記録媒体に保存するようにしても良い。
属性情報は、被検者名、検査日時、検査部位、検者名等の情報である。録画情報は記録画像の画面モード、栞情報等に関する情報である。
属性情報を利用することで検索が容易になる。また、録画情報を利用することで、記録画像の検索や計測の効率化を図ることができる。
【0019】
第2の発明は、被検体からの反射超音波信号に基づいて構成された検査画像を記録する超音波画像記録装置において、前記検査画像の所定領域について、所定画像の追加又は画像の削除を行って記録画像サイズの記録画像を作成する記録画像作成手段と、前記記録画像作成手段によって作成された前記記録画像を記録媒体に保存する記録画像保存手段とを、具備することを特徴とする超音波画像記録装置である。
【0020】
第2の発明は、被検体からの反射超音波信号に基づいて構成された検査画像を記録する超音波画像記録装置に関する発明である。
【0021】
第3の発明は、被検体からの反射超音波信号に基づいて構成された検査画像を再生する超音波画像再生装置において、記録手段に保存される記録画像サイズの記録画像の所定領域について、画像を削除又は所定画像を追加して検査画像サイズの検査画像を作成する検査画像作成手段と、前記検査画像作成手段によって作成された前記検査画像を再生する検査画像再生手段と、を具備することを特徴とする超音波画像再生装置である。
【0022】
第3の発明は、被検体からの反射超音波信号に基づいて構成された検査画像を再生する超音波画像再生装置に関する発明である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、検査画像を高画質のまま記録媒体に記録すると共に、記録媒体に記録された画像に基づいて計測や検索を効率的に行うことのできる超音波診断装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、図面に基づいて本発明の実施の形態に係る超音波診断装置1について説明する。尚、NTSC方式の画像データを用いるものとして説明する。
図1は、超音波診断装置1の構成及び機能を示す図である。
【0025】
(1.超音波診断装置1の構成)
超音波診断装置1は、探触子3と、超音波送受信部5と、超音波信号変換部7と、ドプラユニット9と、画像表示部17と、DVD記録読込部27と、画像生成手段11と、DVD記録手段19と、DVD再生手段31とから構成される。
【0026】
探触子3は、被検体の体内に超音波を送出し、生体組織から反射する反射超音波信号を受信する。探触子3は超音波の発生源であると共に、反射波を受信する振動子を内蔵する。
超音波送受信部5は、探触子3に駆動信号を送出すると共に、探触子3が受信する反射超音波信号を処理して超音波信号変換部7に送る。
【0027】
超音波信号変換部7は、超音波送受信部5から送られる反射超音波信号を輝度変調する。超音波信号変換部7は音声情報をドプラユニット9に送り、画像情報を画像生成手段11に送る。
【0028】
ドプラユニット9は、超音波信号変換部7から送られる音声情報にドプラ演算を行い、ドプラ音声を出力する。ドプラ音声として血流音や心拍音等を観測することができる。
【0029】
画像生成手段11は、画像合成手段13及びグラフィック処理手段15を有する。画像合成手段13は、超音波信号変換部7から送られた信号を基に、2次元のグラフィック画像を合成する。グラフィック処理手段15は、画像合成手段13で作成された画像と、ソフトウェアにより描画されたグラフィックとを合成する。
【0030】
画像表示部17は、CRTや液晶表示装置等の表示装置である。画像表示部17は、グラフィック処理手段15で作成された画像を表示する。
【0031】
DVD記録手段19は、画像・音声取り込み手段21と画像追加手段22と、動画変換手段23と情報ヘッダファイル作成手段25とから成る。DVD記録手段19は、画像生成手段11から送られる検査画像としての検査画像データ42(図2)を基に、記録画像としての動画像データ57及びDVD画像データ58(図3及び図5)を作成して、DVD記録読込部27に送る。
【0032】
画像・音声取り込み手段21は、グラフィック処理手段15から送られる検査画像と、ドプラユニット9から送られるドプラ音声を取得する。画像・音声取り込み手段21は、検査画像にドプラ音声を加えて検査画像データ42を作成する。
画像追加手段22は、検査画像データ42の所定の領域に画像を追加して動画像データ57を作成する。
動画変換手段23は、動画像データ57をDVD規格に準拠した形式のDVD画像データ58(図5)に変換する。
情報ヘッダファイル作成手段25は、計測や動画管理を行うための情報を格納する情報ヘッダファイル49(図4)を作成する。
【0033】
DVD記録読込部27は、DVDメディア29にDVD画像データ58及び情報ヘッダファイル49を記録したり、DVDメディア29からDVD画像データ58及び情報ヘッダファイル49を読み込む。DVD記録読込部27は、DVDドライブに相当する。
DVDメディア29は、DVDメディアであり、DVD−R、DVD−RW、DVD+R、DVD+RW、DVD−RAM等の種類がある。尚、DVD−R、DVD+Rは読み出し専用のメディアである。
【0034】
DVD再生手段31は、動画再生手段33及び情報ヘッダファイル読込手段35を有する。動画再生手段33は、DVD画像データ58及び情報ヘッダファイル49に基づいて検査画像データ42を作成し、グラフィック処理手段15に送り画像表示部17で再生させる。情報ヘッダファイル読込手段35は、情報ヘッダファイル49の情報を読み込む。
【0035】
尚、画像生成手段11及びDVD記録手段19及びDVD再生手段31等が実行する処理に関しては、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置によって、ハードディスク等の記憶媒体に保持される実行プログラムをメモリ等の記憶装置に呼び出して実行することにより、実現することができる。
【0036】
(2.検査画像データ42及び動画像データ57)
図2は、検査画像データ42を示す図である。
図3は、動画像データ57を示す図である。
検査画像データ42は、超音波診断装置1によって取得された検査画像の画像データである。
動画像データ57は、DVDメディアやHDD装置等の記録媒体に記録される記録画像の画像データである。尚、DVDメディア29に記録される場合には、動画像データ57はDVDメディア記録用のDVD画像データ58に変換される。
【0037】
検査画像サイズ41は、検査画像データ42のサイズである。DVD画像サイズ45は、DVD規格に準拠する画像サイズである。NTSC方式では、検査画像サイズ41は、640×480であり、DVD画像サイズ45は、720×480である。
【0038】
画像データ不足領域43は、DVD画像サイズ45と検査画像サイズ41との差に相当する領域である。NTSC方式の場合、データ不足領域43は、検査画像データ42の両外側のそれぞれ40×480の帯状の領域となる。
追加画像データ47は、画像データ不足領域43に追加された所定の画像データ(例えば、「黒色」画像データ)である。
【0039】
(3.情報ヘッダファイル49)
図4は情報ヘッダファイル49を示す図である。
情報ヘッダファイル49は、1レコードに属性情報51と録画情報53とを有し、1レコードは1つの動画像データ57に対応する。
【0040】
属性情報51は、動画像データ57の属性に関する情報を示す。属性情報51は、被検者名(ID)、検査日時、検査部位、検者名(ID)等の情報である。
録画情報53は、動画像データ57の録画に関する情報を示す。録画情報53は、動画像データ名、画面モード、栞情報(チャプタ番号及びチャプタ位置)等の情報である。尚、栞情報は、検者が被検体の体内を観測しつつチェックする動画像の位置に記録されるマークである。
【0041】
(4.DVDメディア29)
図5は、DVDメディア29を示す図である。
DVDメディア29にはDVD画像データ58と、それぞれのDVD画像データ58に対応する内容の情報ヘッダファイル49が記録される。DVD画像データ58は、動画像データ57からDVDメディア記録用に変換された画像データである。尚、動画像データ57とDVD画像データ58との間の変換処理において、画像サイズは変化しない。
【0042】
(5.動画像データ記録処理)
次に、図6を参照しながら、動画像データ記録処理について説明する。
図6は、動画像データ記録処理を示すフローチャートである。
【0043】
検者によって記録開始ボタン等が押下されて記録開始が指示されると、超音波診断装置1は、動画像データ記録処理を開始する(ステップ1001)。
情報ヘッダファイル作成手段25は、録画対象である検査画像データ42に関する属性情報51を情報ヘッダファイル49に記録する(ステップ1002)。
【0044】
画像・音声取り込み手段21は、グラフィック処理手段15及びドプラユニット9から、それぞれ、画像データ及び音声データを取得し、検査画像データ42を作成する(ステップ1003)。
尚、画像・音声取り込み手段21は、一時的に超音波診断装置1のHDD装置等に格納されている画像データ及び音声データを選択して読み出して、検査画像データ42を作成するようにしてもよい。
【0045】
画像追加手段22は、検査画像データ42の両外側の画像データ不足領域43に追加画像データ47を追加し、DVD画像サイズ45の動画像データ57を作成する(ステップ1004)。
【0046】
情報ヘッダファイル作成手段25は、動画像データ57に関する録画情報53を情報ヘッダファイル49に記録する(ステップ1005)。録画情報53は、動画像データ57と対応づけられる。従って、動画像データ57を用いて生体組織の計測を行う際に、栞情報や画面モード等の録画情報53を参照して効率よく計測を行うことができる。
【0047】
記録先の設定がDVDメディア29の場合(ステップ1006のYES)、動画変換手段23は、動画像データ57をDVDメディア記録用のDVD画像データ58に変換する(ステップ1007)。
【0048】
DVD記録読込部27は、DVD画像データ58をDVDメディア29に記録する(ステップ1008)。尚、この時点ではまだ情報ヘッダファイル49はDVDメディア29には書き込まれない。
【0049】
ステップ1006に戻り、記録先の設定がHDD装置の場合(ステップ1006のNO)、画像追加手段22は、動画像データ57をHDD装置に記録する(ステップ1009)。
【0050】
検者によって記録終了ボタン等が押下されて記録終了が指示されていなければ(ステップ1010のNO)、超音波診断装置1は、ステップ1003からの処理を繰り返す。
検者によって記録終了ボタン等が押下されて記録終了が指示されると(ステップ1010のYES)、超音波診断装置1は、ステップ1011以降の処理に進む。
尚、超音波診断装置1が備えるHDD装置等に一時的に格納されている検査画像データ42をDVDメディア29に移動あるいはコピーする場合は、移動あるいはコピーが終了した時点でステップ1011以降の処理に進む。
【0051】
記録先の設定がDVDメディア29の場合(ステップ1011のYES)、DVD記録読込部27は、情報ヘッダファイル49をDVDメディア29に保存し、動画像データ記録処理を終了する(ステップ1012)。
【0052】
記録先の設定がHDD装置の場合(ステップ1011のNO)、DVD記録読込部27は、情報ヘッダファイル49をHDD装置に保存し、動画像データ記録処理を終了する(ステップ1012)。
【0053】
このように、超音波診断装置1は、検査画像データ42をアナログ変換を行わずにデジタルデータのまま、DVDメディア29やHDD装置等の記録媒体に記録することが可能である。従って、画質を劣化させず高画質のまま記録することができる。
【0054】
また、検査画像データ42に所定の画像データを追加することによりサイズ変更を行って動画像データ57を作成するので、動画像データ57の画質は劣化しない。
【0055】
また、DVDメディア29に記録されたDVD画像データ58は、民生DVDレコーダ、プレーヤで再生することができる。
【0056】
(6.計測処理)
次に、図7を参照しながら、計測処理について説明する。
図7は、計測処理を示すフローチャートである。
【0057】
超音波診断装置1は、画像表示部17に表示される画像を用いて、生体組織の計測処理を行う。計測処理は、例えば、被検体の患部の長さや面積等を算出する処理である。また、所定の計測値を用いて、胎児の月齢や体重等を算出することもできる。
【0058】
DVDメディア29がDVD記録読込部27に挿入され、検者によって再生処理開始が指示されると、超音波診断装置1は、DVDメディア29に記録されている動画の再生を行う(ステップ2001)。
DVD記録読込部27は、DVDメディア29から読み込んだDVD画像データ58及び情報ヘッダファイル49を、それぞれ、動画再生手段33及び情報ヘッダファイル読込手段35に送る。
【0059】
動画再生手段33は、DVD画像データ58を動画像データ57に再変換し、追加画像データ47を削除して検査画像データ42を作成する。検査画像データ42は、グラフィック処理手段15に送られ画像表示部17に表示される。
【0060】
検者によって計測処理開始が指示されると、超音波診断装置1は、計測処理を開始する(ステップ2002)。
超音波診断装置1は、情報ヘッダファイル49の有無やDVDメディア29のプロパティ等を参照して、再生中のDVDメディア29が超音波診断装置1で記録されたものであるか否かを判断する。
【0061】
再生中のDVDメディア29が超音波診断装置1で記録されたものでなければ(ステップ2003のNO)、超音波診断装置1は、画像表示部17に「計測不可」のエラー画面59(図8)を表示し、処理を終了する(ステップ2004)。
【0062】
図8は、エラー画面59を示す図である。エラー画面59には「このDVDメディアに記録された動画では計測できません。」等のメッセージ61が表示される。
【0063】
再生中のDVDメディア29が、超音波診断装置1で記録されたものであれば(ステップ2003のYES)、情報ヘッダファイル読込手段35は、情報ヘッダファイル49から計測に必要な録画情報53を取得する(ステップ2005)。
【0064】
超音波診断装置1は、取得した録画情報53を計測の前提条件として設定する(ステップ2006)。
超音波診断装置1は、検者の計測実行操作に従って計測を実行する(ステップ2007)。
【0065】
このように、生体組織の計測時に情報ヘッダファイル49の録画情報53に記録されている情報を使用するので、従来のように計測情報を管理するバーコードを画面上に表示する必要がなく、表示画面の品質や操作性を向上させることができる。
【0066】
(7.動画像の検索)
次に、図9を参照しながらDVDメディア29に記録されている動画像の検索について説明する。
図9は、DVDメディア29に記録されている動画像の検索処理を示すフローチャートである。
【0067】
検者は、DVDメディア29をDVD記録読込部27に挿入する(ステップ3001)。DVDメディア29が超音波診断装置1で記録されたものでなければ(ステップ3002のNO)、超音波診断装置1は、画像表示部17に「検索不可」のエラー画面63(図10)を表示して検索処理を終了する(ステップ3003)。
【0068】
図10はエラー画面63を示す図である。
エラー画面63には、「このDVDメディアに記録された動画を検索できません。」等のメッセージ65が表示される。
【0069】
DVDメディア29が、超音波診断装置1で記録されたものであれば(ステップ3002のYES)、超音波診断装置1は、画像表示部17に検索画面67(図11)を表示する(ステップ3004)。
【0070】
図11は、検索画面67を示す図である。
検索画面67には、検索項目69を選択する領域と、検索条件71を入力する領域と、「検索」ボタン73とが表示される。検索項目69及び検索条件71は複数設定することができる。
【0071】
例えば、検索項目69として「被検者ID」「検査日時」が選択され、検索条件71として「AB002」「2006.9.1 00:00 〜2006.9.3.22:00:00」が入力される。
【0072】
超音波診断装置1は、検索項目69及び検索条件71に基づいて、DVDメディア29に記録されている情報ヘッダファイル49を検索する(ステップ3005)。
【0073】
情報ヘッダファイル49の中に、検索項目69及び検索条件71に合致するDVD画像データ58がなければ(ステップ3006のNO)、超音波診断装置1は、検索項目69と検索条件71の再入力処理を行う(ステップ3008)。尚、検索項目69と検索条件71の再入力がなければ、超音波診断装置1は、検索処理を終了する。
【0074】
情報ヘッダファイル49の中に、検索項目69及び検索条件71に合致するDVD画像データ58があれば(ステップ3006のYES)、超音波診断装置1は、画像表示部17に検索結果画面75(図12)を表示する(ステップ3007)。
【0075】
図12は、検索結果画面75を示す図である。
検索結果画面75には、検索項目69及び検索条件71に合致する内容の検索結果一覧77が表示される。検索結果一覧77には、検索条件71に合致する動画像の一覧がサムネイル画像と共に表示される。
検者は、検索結果一覧77の中から動画像を選択して、各種処理(再生、測定、削除、コピー等)を行うことができる。
【0076】
このように、生体組織の計測時に情報ヘッダファイル49に記録されている情報を使用して、簡単に動画像の検索を行うことができる。従って、効率的に動画像の検索や管理を行うことができる。
【0077】
(8.効果等)
以上詳細に説明したように、本発明の実施の形態に係る超音波診断装置1では、検査画像データ42に画像データを追加し動画像データ57を作成してデジタルデータのまま記録媒体に記録するので、画質劣化のない高画質画像を保持する効果がある。
また、本発明の実施の形態に係る超音波診断装置1により動画像データ57に対応するDVD画像データ58が記録されたDVDメディア29は、民生DVDレコーダ、プレーヤで再生することができる。
また、属性情報51や録画情報53を有する情報ヘッダファイル49が動画像データ57に対応するDVD画像データ58と共にDVDメディア29に記録されるので、情報ヘッダファイル49を用いて動画像データ57の管理及び検索を効率的に行うことができる。また、従来のように生体組織の計測時にバーコードを表示させる必要がないので、操作性が向上する。
【0078】
本発明の実施形態に係る超音波診断装置によって作成されたDVDメディアは、一般のDVDレコーダやDVDプレーヤで再生可能である。さらに、このDVDメディアでは、超音波診断装置で動画検索を行うことができ、バーコードを表示させずに計測を実行することができ、デジタル/アナログ変換による画質劣化もない。
【0079】
尚、本発明の実施形態では、NTSC方式の場合について説明したが、PAL方式の場合にも適用することができる。PAL方式では、DVD規格の記録画像サイズは720×576、超音波診断画像の検査画像サイズは760×576である。PAL方式において、超音波診断画像である検査画像からDVD規格の記録画像を作成するには、例えば、両外側のそれぞれ20×586の帯状の領域について画像データを削除すればよい。逆に、記録画像から検査画像を作成するには、両外側のそれぞれ20×586の帯状の領域について、所定の画像データ(例えば、「黒色」画像データ)を追加すればよい。
【0080】
本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に限られるものではない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】超音波診断装置1の構成図
【図2】検査画像データ42を示す図
【図3】動画像データ57を示す図
【図4】情報ヘッダファイル49を示す図
【図5】DVDメディア29を示す図
【図6】動画像データ記録の手順を示すフローチャート
【図7】計測の手順を示すフローチャート
【図8】エラー画面59を示す図
【図9】動画像の検索の手順を示すフローチャート
【図10】エラー画面63を示す図
【図11】検索画面67を示す図
【図12】検索結果画面75を示す図
【符号の説明】
【0082】
1………超音波診断装置
3………探触子
5………超音波送受信部
7………超音波信号変換部
9………ドプラユニット
11………画像生成手段
13………画像合成手段
15………グラフィック処理手段
17………画像表示部
19………DVD記録手段
21………画像・音声取り込み手段
22………画像追加手段
23………動画変換手段
25………情報ヘッダファイル作成手段
27………DVD記録読込部
29………DVDメディア
31………DVD再生手段
33………動画再生手段
35………情報ヘッダファイル読込手段
41………検査画像サイズ
42………検査画像データ
43………画像データ不足領域
45………DVD画像サイズ
47………追加画像データ
49………情報ヘッダファイル
51………属性情報
53………録画情報
57………動画像データ
58………DVD画像データ
59、63………エラー画面
61、65………メッセージ
67………検索画面
69………検索項目
71………検索条件
73………「検索」ボタン
75………検索結果画面
77………検索結果一覧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体からの反射超音波信号に基づいて検査画像を構成して再生する超音波診断装置において、
前記検査画像の所定領域について、所定画像の追加又は画像の削除を行って記録画像サイズの記録画像を作成する記録画像作成手段と、
前記記録画像作成手段によって作成された前記記録画像を記録媒体に保存する記録画像保存手段と、
前記記録媒体に保存された前記記録画像の所定領域について、前記記録画像作成手段によって追加された前記所定画像を削除又は所定画像を追加して検査画像サイズの検査画像を作成する検査画像作成手段と、
前記検査画像作成手段によって作成された前記検査画像を再生する検査画像再生手段と、
を、具備することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記記録画像の属性に関する属性情報と前記記録画像の録画に関する録画情報とを、前記記録画像と共に前記記録媒体に保存することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
被検体からの反射超音波信号に基づいて構成された検査画像を記録する超音波画像記録装置において、
前記検査画像の所定領域について、所定画像の追加又は画像の削除を行って記録画像サイズの記録画像を作成する記録画像作成手段と、
前記記録画像作成手段によって作成された前記記録画像を記録媒体に保存する記録画像保存手段と、
を、具備することを特徴とする超音波画像記録装置。
【請求項4】
被検体からの反射超音波信号に基づいて構成された検査画像を再生する超音波画像再生装置において、
記録手段に保存された記録画像サイズの記録画像の所定領域について、画像を削除又は所定画像を追加して検査画像サイズの検査画像を作成する検査画像作成手段と、
前記検査画像作成手段によって作成された前記検査画像を再生する検査画像再生手段と、
を具備することを特徴とする超音波画像再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−119155(P2008−119155A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−304758(P2006−304758)
【出願日】平成18年11月10日(2006.11.10)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】