説明

超音波診断装置及び画像データ生成用制御プログラム

【課題】通常の記憶容量を有したデータ記憶部を用いて分解能に優れた長期間の時系列的な画像データをシネ表示する。
【解決手段】前記RAWデータの間引き条件を設定する間引き条件設定手段と、前記間引き条件に基づいて前記RAWデータに対する間引き処理を行なう間引き処理手段と、間引き処理後のRAWデータを保存するRAWデータ記憶手段と、前記RAWデータ記憶手段から読み出した前記間引き処理後のRAWデータを処理して画像データを生成する画像データ生成手段と、前記画像データを表示する表示手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、有限の記憶容量を有するデータ記憶部に一旦保存されたRAWデータを用いて時系列的な画像データを生成する際、長時間かつ良質な画像データを容易に生成することが可能な超音波診断装置及び画像データ生成用制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置は、複数の振動素子が配列された超音波プローブを用いて被検体の複数方向に対し超音波送受信を行ない、このとき得られた反射波に基づいて生成した画像データや時系列データをモニタ上に表示するものであり、超音波プローブの先端部を体表に接触させるだけの簡単な操作で体内の2次元画像データや3次元画像データをリアルタイムで観測することができるため各種臓器の形態診断や機能診断に広く用いられている。
【0003】
被検体の組織あるいは血球からの反射波により生体情報を得る超音波診断法は、超音波パルス反射法と超音波ドプラ法の2つの大きな技術開発により急速な進歩を遂げ、上記技術を用いて得られるBモードデータやカラードプラデータ(以下では、これらを纏めてRAWデータと呼ぶ。)を用いて診断に有効な画像データの生成と表示が行なわれる。
【0004】
又、心臓等の機能診断等を行なう場合には、所定期間内に被検体の診断対象領域から収集された時系列的なRAWデータをデータ記憶部に一旦保存し、保存されたRAWデータを繰り返して読み出すことにより前記期間内の動画像を得る、所謂、シネ表示法が行なわれている。
【0005】
シネ表示を目的として時系列的なRAWデータを上述のデータ記憶部に保存する場合、空間分解能やコントラスト分解能、更には、時間分解能に優れたRAWデータを長時間に渡って保存することが望まれるが、このようなRAWデータを保存するためには極めて大きな記憶容量を有した高性能なデータ記憶部が必要となる。このため、保存前のRAWデータに対する間引き処理によりデータ記憶部に保存するRAWデータのデータ容量を低減させる方法が行なわれ、更に、RAWデータに対し可逆的あるいは非可逆的な圧縮処理と伸長処理を行なう方法も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2000−501948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のデータ圧縮を目的とする間引き処理は、RAWデータの特性や超音波診断装置に備えられた各ユニットの状態に関係なく予め設定された固定間引き条件に基づいて行なわれてきた。このため、当該診断対象領域の診断に要求される分解能(空間分解能、コントラスト分解能及び時間分解能)を有した画像データの生成を可能にするRAWデータを長時間に渡って収集することは不可能であった。
【0008】
又、圧縮されたRAWデータに対し伸長処理を行なって保存前の時系列的なRAWデータを再生する方法は、伸長処理に多くの時間を要するため臨床の場で適用することは困難であるという問題点を有していた。
【0009】
本実施例は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、一旦保存されたRAWデータを用いて時系列的な画像データの生成を行なう際、保存前の時系列的なRAWデータに対しその変動量に応じた間引き処理を行なうことにより長時間かつ良質な画像データを容易に生成することが可能な超音波診断装置及び画像データ生成用制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、請求項1に係る超音波診断装置は、被検体に対する超音波送受信によって収集された時系列的なRAWデータに基づいて画像データを生成する超音波診断装置において、前記RAWデータの間引き条件を設定する間引き条件設定手段と、前記間引き条件に基づいて前記RAWデータに対する間引き処理を行なう間引き処理手段と、間引き処理後のRAWデータを保存するRAWデータ記憶手段と、前記RAWデータ記憶手段から読み出した前記間引き処理後のRAWデータを処理して画像データを生成する画像データ生成手段と、前記画像データを表示する表示手段とを備えたことを特徴としている。
【0011】
又、請求項14に係る画像データ生成用制御プログラムは、被検体に対する超音波送受信によって収集された時系列的なRAWデータに基づいて画像データを生成する超音波診断装置に対し、前記RAWデータの間引き条件を設定する間引き条件設定機能と、前記間引き条件に基づいて前記RAWデータに対する間引き処理を行なう間引き処理機能と、間引き処理後のRAWデータを処理して画像データを生成する画像データ生成機能と、前記画像データを表示する表示機能を実行させることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施例における超音波診断装置の全体構成を示すブロック図。
【図2】同実施例の超音波診断装置が備える超音波プローブ及び送受信部の具体的な構成を示すブロック図。
【図3】同実施例の超音波診断装置が備える受信信号処理部の具体的な構成を示すブロック図。
【図4】同実施例の超音波診断装置が備える間引き条件設定部の具体的な構成を示すブロック図。
【図5】同実施例の間引き条件保管部に予め保管されている各種間引き条件の具体例を示す図。
【図6】同実施例のRAWデータ間引き処理部によって間引き処理されたRAWデータを示す図。
【図7】同実施例の画像データ生成部によって再生された間引き時相のRAWデータを説明するための図。
【図8】同実施例における画像データ生成手順を示すフローチャート。
【図9】同実施例の変形例における間引き処理法を説明するための図。
【図10】第2の実施例における超音波診断装置の全体構成を示すブロック図。
【図11】同実施例の超音波診断装置が備える間引き条件設定部の具体的な構成を示すブロック図。
【図12】同実施例における収縮期及び拡張期の設定方法を説明するための図。
【図13】同実施例の間引き条件保管部に予め保管されている間引き条件の具体例を示す図。
【図14】同実施例における画像データ生成手順を示すフローチャート。
【図15】第1の実施例及び第2の実施例の変形例における間引き条件設定方法を示す図。
【図16】第1の実施例及び第2の実施例の他の変形例における間引き条件設定方法を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して実施例を説明する。
【実施例1】
【0014】
以下に述べる第1の実施例の超音波診断装置では、被検体の診断対象領域から収集される時系列的な2次元RAWデータ(以下では、RAWデータと呼ぶ。)の中から抽出した隣接するRAWデータの位置ずれを検出することによりその変動量を検出する。そして、この変動量(位置ずれ)に対応した間引き条件を用いて前記時系列的なRAWデータに対する間引き処理を行ない、間引き処理後のRAWデータをRAWデータ記憶部に保存する。次いで、RAWデータ記憶部から読み出した間引き処理後のRAWデータに対し前記間引き条件に対応する間引きパラメータを用いた補間処理を行なって時系列的なRAWデータを再生し、再生したRAWデータを用いて画像データの生成と表示を行なう。
【0015】
尚、以下の実施例では、振動素子が1次元配列された超音波プローブによって収集される時系列的な2次元のRAWデータに対して間引き処理と保存を行ない、間引き処理後のRAWデータを用いて時系列的な画像データを生成する場合について述べるが、これに限定されるものではなく、例えば、振動素子が2次元配列された超音波プローブによって収集される時系列的な3次元のRAWデータに対して間引き処理を行なっても構わない。
【0016】
又、被検体の腹部領域にて収集された時系列的なRAWデータに対してフレーム方向の間引き処理(フレーム間引き)を行ない、RAWデータ記憶部に一旦保存された間引き処理後のRAWデータに基づいて間引き時相におけるRAWデータを再生する場合について述べるが、診断対象領域は腹部領域以外の領域でもよく、間引き処理はフレーム間引きに限定されない。
【0017】
(装置の構成)
本実施例における超音波診断装置の構成と機能につき図1乃至図7を用いて説明する。尚、図1は、超音波診断装置の全体構成を示すブロック図であり、図2は、この超音波診断装置が備える超音波プローブ及び送受信部の具体的な構成を示すブロック図である。又、図3及び図4は、前記超音波診断装置が備える受信信号処理部及び間引き条件設定部の具体的な構成を示すブロック図である。
【0018】
図1に示す本実施例の超音波診断装置100は、被検体の診断対象領域に対して超音波パルス(送信超音波)を送信し前記診断対象領域から得られた超音波反射波(受信超音波)を電気信号(受信信号)に変換する複数の振動素子を備えた超音波プローブ2と、診断対象領域の所定方向に対して超音波パルスを送信するための駆動信号を上述の振動素子へ供給しこれらの振動素子から得られた複数チャンネルの受信信号を整相加算(位相を揃えて加算合成)する送受信部3と、整相加算後の受信信号を処理して2次元的なBモードデータ及びカラードプラデータ(以下では、これらを纏めてRAWデータと呼ぶ。)を生成する受信信号処理部4と、時系列的に収集されるRAWデータの中から所定の時刻あるいは所定の周期にて選択した時間方向(フレーム方向)に隣接する2つのRAWデータを用いてRAWデータ間の位置ずれを検出し、その検出結果に基づいてRAWデータに対する間引き条件を設定する間引き条件設定部5と、受信信号処理部4から供給されたRAWデータに対する間引き処理を間引き条件設定部5において設定された間引き条件に基づいて行なうRAWデータ間引き処理部6と、上述の間引き処理によりその一部が削除された時系列的なRAWデータ(以下では、間引き処理後のRAWデータと呼ぶ。)に間引き条件の識別情報である間引きパターン番号を付加して保存するRAWデータ記憶部7を備えている。
【0019】
又、超音波診断装置100は、上述の間引き条件に対応した間引きパラメータを含む各種の間引きパラメータが予め保管されている間引きパラメータ保管部8と、RAWデータ記憶部7から読み出した間引き処理後のRAWデータを間引きパラメータ保管部8から読み出した前記間引き条件に対応する間引きパラメータに基づいて補間処理することにより時系列的なRAWデータを再生し、再生されたRAWデータに基づいて時系列的な画像データを生成する画像データ生成部9と、得られた画像データを表示する表示部10を備え、更に、診断対象領域に対する超音波走査(超音波送受信方向)を制御する走査制御部11と、被検体情報の入力やRAWデータ収集条件及び画像データ生成条件の設定等を行なう入力部12と、上述の各ユニットを統括的に制御するシステム制御部13を備えている。
【0020】
以下に、本実施例の超音波診断装置100が備える各ユニットの構成と機能につき更に詳しく説明する。
【0021】
図1の超音波プローブ2は、図2に示すようにその先端部に1次元配列されたN個の振動素子21を有し、振動素子21の各々は、Nチャンネルの多芯ケーブルを介して送受信部3の入出力端子に接続されている。
【0022】
振動素子21は電気音響変換素子であり、送信時には電気パルス(駆動信号)を超音波パルス(送信超音波)に変換し、受信時には超音波反射波(受信超音波)を電気的な受信信号に変換する機能を有している。この超音波プローブ2は、セクタ走査/リニア走査/コンベックス走査等の何れかに対応しており、医師や検査士らは診断目的や診断部位に応じて任意に選択することが可能であるが、本実施例では、N個の振動素子21が1次元配列されているセクタ走査用の超音波プローブ2を用いた場合について述べる。
【0023】
次に、送受信部3は、図2に示すように被検体に対して送信超音波を放射するための駆動信号を超音波プローブ2に設けられたN個の振動素子21へ供給する送信部31と、振動素子21から得られたNチャンネルの受信信号を整相加算する受信部32を備えている。
【0024】
送信部31は、レートパルス発生器311、送信遅延回路312及び駆動回路313を備え、レートパルス発生器311は、送信超音波の繰り返し周期を決定するレートパルスをシステム制御部13から供給される制御信号に基づいて生成する。
【0025】
送信遅延回路312は、Nチャンネルの遅延回路から構成され、送信において細いビーム幅を形成するために所定の深さに送信超音波を集束するための遅延時間(集束用遅延時間)と所定の送受信方向θpに送信超音波を放射するための遅延時間(偏向用遅延時間)を前記レートパルスに与える。一方、Nチャンネルからなる駆動回路313は、超音波プローブ2に内蔵されたN個の振動素子21を駆動するための駆動パルスを前記レートパルスに基づいて生成する。
【0026】
次に、受信部32は、Nチャンネルから構成されるプリアンプ321、A/D変換器322及び受信遅延回路323と加算器324を備えている。プリアンプ321は、振動素子21によって電気信号に変換され多芯ケーブルを介して供給された微小な受信信号を増幅して十分なS/Nを確保し、このプリアンプ321において増幅された受信信号はA/D変換器322にてデジタル信号に変換される。
【0027】
受信遅延回路323は、被検体の所定の深さにて反射した超音波反射波を集束するための集束用遅延時間と所定の送受信方向θpに対して強い受信指向性を設定するための偏向用遅延時間を、A/D変換器322から供給された受信信号に与え、加算器324は、受信遅延回路323から出力されたNチャンネルからなる上述の受信信号を加算合成する。即ち、受信遅延回路323と加算器324により所定方向から得られた受信信号は整相加算される。
【0028】
次に、図1の受信信号処理部4は、図3に示すように受信部32の加算器324から出力された受信信号を処理してBモードデータを生成するBモードデータ生成部41と、前記受信信号を直交位相検波してドプラ信号を検出するドプラ信号検出部42と、検出されたドプラ信号に基づいて血管内の血流情報を反映したカラードプラデータを生成するカラードプラデータ生成部43と、Bモードデータ及びカラードプラデータを保存するデータ記憶部44を備えている。
【0029】
Bモードデータ生成部41は、被検体の診断対象領域に対する2次元走査(第1の2次元走査)において受信部32から供給される整相加算後の受信信号を包絡線検波する包絡線検波器411と、包絡線検波後の受信信号を対数変換してBモードデータを生成する対数変換器412を備えている。但し、包絡線検波器411と対数変換器412は順序を入れ替えて構成してもよい。
【0030】
一方、ドプラ信号検出部42は、π/2移相器421、ミキサ422−1及び422−2、LPF(低域通過フィルタ)423−1及び423−2を備え、診断対象領域に対する2次元走査(第2の2次元走査)において受信部32から供給される受信信号を直交位相検波してドプラ信号を検出する。
【0031】
カラードプラデータ生成部43は、ドプラ信号検出部42によって検出されたドプラ信号を一旦保存するドプラ信号記憶部431と、このドプラ信号に含まれる生体組織等の移動に起因した信号成分(クラッタ成分)を排除し血流に起因した信号成分(血流成分)を抽出するMTIフィルタ432と、抽出された血流に起因する信号成分に対して自己相関演算を行ない、その演算結果に基づいて得られた特性値(例えば、血流の速度値、分散値、パワー値)を用いてカラードプラデータを生成する自己相関演算部433を備えている。そして、Bモードデータ生成部41によって生成されたBモードデータ及びカラードプラデータ生成部43によって生成されたカラードプラデータは超音波送受信方向θpに対応させてデータ記憶部44に順次保存され2次元的なRAWデータ(2次元BモードRAWデータ及び2次元カラードプラRAWデータ)が生成される。
【0032】
次に、図1に示した間引き条件設定部5の具体的な構成につき図4を用いて説明する。この間引き条件設定部5は、図4に示すように隣接RAWデータ記憶部51、位置ずれ検出部52、閾値保管部53、間引き条件保管部54及び間引き条件選択部55を備え、隣接RAWデータ記憶部51には、受信信号処理4のデータ記憶部44から時系列的に供給されるRAWデータの中から所定周期で抽出された時間方向に隣接する2つのRAWデータ(第1のRAWデータ及び第2のRAWデータ)が保存される。
【0033】
位置ずれ検出部52は、隣接RAWデータ記憶部51に保存された第1のRAWデータ及び第2のRAWデータを読み出し、例えば、第1のRAWデータに対し所定の関心領域を設定する。そして、前記関心領域の内部に存在している前記RAWデータのデータ要素及びこれらのデータ要素の各々に対応した第2のRAWデータのデータ要素が有する値(要素値)の差分自乗和あるいは差分絶対値和を算出することにより診断対象領域の変動等に起因したRAWデータの位置ずれを検出する。
【0034】
尚、第1のRAWデータの関心領域に存在しているM個からなるデータ要素の要素値をS1m(m=1乃至M)、前記データ要素の各々に対応した第2のRAWデータのデータ要素が有する要素値をS2m(m=1乃至M)とすれば、上述の差分自乗和(A1)及び差分絶対値和(A2)は、次式(1)に基づいて算出される。
【数1】

【0035】
一方、閾値保管部53には、上述の差分自乗和A1あるいは差分絶対値和A2に基づくRAWデータ間の位置ずれBxに対して予め設定された複数の閾値(例えば、B1、B2及びB3(B1<B2<B3))が保管され、間引き条件保管部54には、位置ずれBxと閾値B1乃至B3との関係に対応した各種の間引き条件が間引きパターン番号を付帯情報として予め保管されている。
【0036】
尚、RAWデータに対するデータ間引き法として、時系列的なRAWデータに対する時間方向(フレーム方向)の間引き(フレーム間引き)、RAWデータのデータ要素が有するビット数の間引き(ビット間引き)、送受信方向におけるデータ要素の間引き(データ要素間引き)及び前記送受信方向と略直交する方向における送受信ビームの間引き(ビーム間引き)がある。そして、高い時間分解能が要求される循環器領域の診断では、通常、ビット間引き/データ間引き/ビーム間引きの何れかあるいはこれらの方法の中から選択した複数の方法が適用され、高い空間分解能やコントラスト分解能が要求される腹部領域等の診断ではフレーム間引きが適用される。
【0037】
図5は、間引き条件保管部54に保管されている間引き条件の具体例を示したものであり、例えば、RAWデータ間の位置ずれBxが、B2≦Bx<B3及びBx<B2に対応する「ビット間引き(1/2)」及び「ビット間引き(1/4)」の間引き条件に対して間引きパターン番号「Bt−1」及び「Bt−2」が付加され、B2≦Bx<B3、B1≦Bx<B2及びBx<B1に対応する「データ要素間引き(1/2)」乃至「データ要素間引き(1/4)」の間引き条件に対して間引きパターン番号「De−1」乃至「De−3」が付加される。
【0038】
同様にして、B2≦Bx<B3、B1≦Bx<B2及びBx<B1に対応するビーム間引き(1/2)乃至ビーム間引き(1/4)の間引き条件に対して間引きパターン番号「Bm−1」乃至「Bm−3」が付加され、B2≦Bx<B3、B1≦Bx<B2及びBx<B1に対応するフレーム間引き(1/2)乃至フレーム間引き(1/4)の間引き条件に対して間引きパターン番号「Fr−1」乃至「Fr−3」が付加される。尚、上記間引き条件の括弧内に示されている(1/K)は、間引き方向に対するRAWデータあるいはRAWデータを構成するデータ要素の数やビット数が1/Kになるような間引き条件を意味している。
【0039】
図4へ戻って、間引き条件選択部55は、入力部12からシステム制御部13を介して供給される当該被検体の診断対象領域情報、位置ずれ検出部52から供給されるRAWデータ間の位置ずれ及び閾値保管部53から供給される閾値等に基づき、間引き条件保管部54に保管されている各種間引き条件の中から好適な間引き条件を選択することにより当該RAWデータに対する間引き条件を設定する。
【0040】
例えば、入力部12から供給される診断対象領域情報が「腹部領域」であり、位置ずれ検出部52から供給される位置ずれBxが閾値保管部53から供給される閾値B1乃至B3に対してB1≦Bx<B2の関係にある場合、間引き条件選択部55は、間引き条件保管部54に保管されている各種間引き条件の中から「フレーム間引き(1/3)」を選択することにより当該RAWデータの間引き処理に好適な間引き条件を設定する。そして、設定された間引き条件「フレーム間引き(1/3)」は、その付帯情報である間引きパターン番号「Fr−2」と共にRAWデータ間引き処理部6へ供給される。
【0041】
次に、図1に示したRAWデータ間引き処理部6は、間引き条件設定部5において設定された上述の間引き条件とこの間引き条件に付加されている間引きパターン番号を受信する。そして、受信信号処理部4から順次供給されるRAWデータに対し上述の間引き条件を適用して間引き処理を行ない、間引き処理後のRAWデータは、前記間引きパターン番号を付帯情報としてRAWデータ記憶部7に保存される。
【0042】
例えば、間引き条件設定部5から供給される間引き条件「フレーム間引き(1/3)」に基づいた間引き処理がRAWデータ間引き処理部6によって行なわれる場合、図6に示すように、受信信号処理部4において生成された時系列的なRAWデータに対する間引き条件「フレーム間引き(1/3)」の間引き処理により、フレーム方向(時間方向)に対して1/3に間引かれたRAWデータF1、F4,F7,F10、・・・が間引きパターン番号「Fr−2」を付帯情報としてRAWデータ記憶部7に保存される。
【0043】
尚、間引き条件設定部5の位置ずれ検出部52において検出されたRAWデータの位置ずれBxが閾値B3より大きい場合、これらの情報を間引き条件選択部55を介して受信したRAWデータ間引き処理部6は、受信信号処理部4のデータ記憶部44から時系列的に供給されるRAWデータをそのままRAWデータ記憶部7に保存する。即ち、Bx>B3の場合には、RAWデータに対する間引き処理は行なわれない。
【0044】
次に、図1の間引きパラメータ保管部8には、間引き条件設定部5の間引き条件保管部54に保管された各種間引き条件(図5参照)の各々に対応する間引きパラメータが同一の間引きパターン番号を付帯情報として予め保管されている。
【0045】
一方、画像データ生成部9は、RAWデータ記憶部7に保存されている間引き処理後のRAWデータとこれらのRAWデータに付加されている間引きパターン番号を読み出し、間引きパラメータ保管部8に保管されている各種間引きパラメータの中から前記間引きパターン番号と同一の間引きパターン番号が付加されている間引きパラメータを読み出す。そして、この間引きパラメータに基づいて間引き処理後のRAWデータを所定の時相に配置し、更に、これらのRAWデータを用いた補間処理を行なって間引かれた時相(間引き時相)におけるRAWデータを再生する。
【0046】
図7は、RAWデータ記憶部7から読み出された間引き処理後のRAWデータF1、F4、F7、F10、・・・と、これらのRAWデータを用いた補間処理により再生されたRAWデータF2、F3、F5、F6、・・・・を示している。この場合、間引き処理後のRAWデータF1、F4,F7,F10、・・・は、間引きパラメータ保管部8から供給される間引きパラメータに基づいて時相t1、t4、t7、t10に配置され、これらのRAWデータを用いた補間処理により間引き時相t2、t3、t5、t6、・・・におけるRAWデータが再生される。
【0047】
更に、画像データ生成部9は、RAWデータ記憶部7から読み出した間引き処理後のRAWデータ及び上述の補間処理によって再生したRAWデータの各々におけるデータ要素を実際の超音波送受信方向に対応させて再配置し、距離方向、方位方向及びフレーム方向(図7参照)に対するフィルタ処理を必要に応じて行ない時系列的な画像データを生成する。
【0048】
次に、表示部10は、図示しない表示データ生成部、変換処理部及びモニタを備えている。前記表示データ生成部は、画像データ生成部9において生成された上述の画像データを所定の表示フォーマットに変換し、更に、被検体情報やRAWデータ収集条件等の付帯情報を付加して表示データを生成する。一方、前記変換処理部は、前記表示データ生成部によって生成された表示データに対しD/A変換やテレビフォーマット変換等の変換処理を行なって前記モニタに表示する。
【0049】
走査制御部11は、入力部12からシステム制御部13を介して供給されるRAWデータ収集条件に基づき、診断対象領域におけるBモードデータの収集を目的とした第1の2次元走査及びカラードプラデータの収集を目的とした第2の2次元走査の走査方向とこれらの走査に必要な送信遅延時間及び受信遅延時間を設定する。
【0050】
入力部12は、表示パネルやキーボード、各種スイッチ、選択ボタン、マウス等の入力デバイスを備えたインターフェースであり、診断対象領域情報を含む被検体情報の入力、RAWデータ収集条件の設定、画像データ生成条件及び画像データ表示条件の設定、更には、各種コマンド信号の入力等を行なう。
【0051】
システム制御部13は、図示しないCPUと記憶回路を備え、前記記憶回路には入力部12にて入力あるいは設定された上述の各種情報が保存される。そして、前記CPUは、上述の入力情報及び設定情報に基づいて超音波診断装置100の各ユニットを統括的に制御し、診断対象領域から時系列的に収集されたRAWデータに対する間引き処理、間引き処理されたRAWデータの保存、間引き処理後のRAWデータを用いた間引き時相におけるRAWデータの再生、間引き処理後のRAWデータ及び再生された間引き時相のRAWデータに基づく時系列的な画像データの生成等を実行させる。
【0052】
(画像データの生成手順)
次に、本実施例における画像データの生成手順につき図8のフローチャートを用いて説明する。画像データの生成に先立ち超音波診断装置100の操作者は、入力部12において診断対象領域情報を含む被検体情報の入力、RAWデータ収集条件の設定、画像データ生成条件及び画像データ表示条件の設定等を行ない、更に、超音波プローブ2を被検体の所定位置に配置した状態でRAWデータ収集開始コマンドの入力を行なう。そして、このコマンド信号がシステム制御部13に供給されることにより、時系列的なRAWデータの収集が当該被検体の診断対象領域(腹部領域)に対して行なわれる(図8のステップS1)。
【0053】
このとき、図2に示した送信部31のレートパルス発生器311は、システム制御部13から供給される基準信号を分周してレートパルスを生成し送信遅延回路312へ供給する。送信遅延回路312は、走査制御部11から供給される走査制御信号に基づいて所定の深さに超音波を集束するための集束用遅延時間と、最初の送受信方向θ1に超音波を送信するための偏向用遅延時間を前記レートパルスに与え、このレートパルスをNチャンネルの駆動回路313へ供給する。次いで、駆動回路313は、送信遅延回路312から供給されたレートパルスに基づいて生成した駆動信号を超音波プローブ2の振動素子21に供給して被検体内に送信超音波を放射する。
【0054】
放射された送信超音波の一部は、音響インピーダンスの異なる被検体の臓器境界面や組織にて反射し、振動素子21によって受信されてNチャンネルの電気的な受信信号に変換される。次いで、この受信信号は、受信部32のプリアンプ321にて増幅された後A/D変換器322においてデジタル信号に変換され、更に、Nチャンネルの受信遅延回路323において所定の深さからの受信超音波を収束するための集束用遅延時間と送受信方向θ1からの受信超音波に対し強い受信指向性を設定するための偏向用遅延時間が与えられた後加算器324にて整相加算される。
【0055】
そして、整相加算後の受信信号が供給された受信信号処理部4の包絡線検波器411及び対数変換器412は、この受信信号に対して包絡線検波と対数変換を行なってBモードデータを生成し、得られたBモードデータはデータ記憶部44に保存される。
【0056】
送受信方向θ1におけるBモードデータの生成と保存が終了したならば、走査制御部11は、送信部31の送信遅延回路312及び受信部32の受信遅延回路323における遅延時間を制御してθ方向にΔθずつ順次更新された送受信方向θp(θp=θ1+(p−1)Δθ、(p=2〜P))の各々に対して同様の手順で超音波を送受信して2次元走査を行なう。そして、このとき得られたBモードデータも送受信方向に対応させてデータ記憶部44に保存される。
【0057】
更に、走査制御部11は、システム制御部13から供給される指示信号に基づいて上述の送受信方向θp(p=1〜P)に対するBモードデータの収集を目的とした超音波送受信(第1の2次元走査)と略並行してカラードプラデータの収集を目的とした超音波送受信(第2の2次元走査)を行なう。
【0058】
即ち、走査制御部11は、先ず、送信部31の送信遅延回路312における送信遅延時間と受信部32の受信遅延回路323における受信遅延時間を制御して送受信方向θ1に対する超音波送受信を所定回数(L回)繰り返し、各々の超音波送受信において受信部32から得られた受信信号は、受信信号処理部4のドプラ信号検出部42に供給される。次いで、この受信信号は、ドプラ信号検出部42において直交位相検波されてドプラ信号が検出され、このドプラ信号は、カラードプラデータ生成部43のドプラ信号記憶回路431に一旦保存される。
【0059】
送受信方向θ1に対する所定回数(L回)の超音波送受信によって得られたドプラ信号の保存が終了したならば、システム制御部13は、ドプラ信号記憶回路431に保存されているドプラ信号の中から所定位置(深さ)に対応したL個のドプラ信号を順次読み出してMTIフィルタ432に供給する。そして、MTIフィルタ432は、供給されたドプラ信号をフィルタ処理して血流に起因したドプラ成分を抽出し、自己相関演算器433に供給する。
【0060】
自己相関演算器433は、MTIフィルタ432から供給されたドプラ信号を用いて自己相関演算を行ない、更に、この演算結果に基づいて血流情報を算出する。このような演算を他の位置(深さ)に対しても行ない、算出された送受信方向θ1における血流情報(カラードプラデータ)はデータ記憶部44に保存される。
【0061】
更に、走査制御部11は、送信遅延回路312及び受信遅延回路323における遅延時間を制御し送受信方向θp(θp=θ1+(p−1)Δθ(p=2〜P))の各々に対して同様の手順で超音波を送受信して2次元走査を行ない、各々の送受信方向にて得られたカラードプラデータも送受信方向に対応させてデータ記憶部44に保存される。即ち、データ記憶部44においてはBモードデータ及びカラードプラデータに基づいたRAWデータが生成される。そして、送受信方向θp(θp=θ1+(p−1)Δθ(p=1〜P))に対する超音波送受信を繰り返すことによりデータ記憶部44では時系列的なRAWデータが順次生成され、得られたこれらのRAWデータは、間引き条件設定部5及びRAWデータ間引き処理部6へ供給される(図8のステップS2)。
【0062】
一方、受信信号処理4のデータ記憶部44から時系列的に供給されるRAWデータの中から所定周期で抽出された時間方向に隣接する2つのRAWデータは、間引き条件設定部5の隣接RAWデータ記憶部51に保存される。そして、間引き条件設定部5の位置ずれ検出部52は、隣接RAWデータ記憶部51に保存された2つのRAWデータを読み出し、これらRAWデータのデータ要素が有する要素値の差分自乗和あるいは差分絶対値和を算出することにより診断対象領域の変動等に起因したRAWデータの位置ずれを検出する(図8のステップS3)。
【0063】
次いで、間引き条件設定部5の間引き条件選択部55は、入力部12からシステム制御部13を介して供給される診断対象領域情報(腹部領域)、位置ずれ検出部52から供給されるRAWデータ間の位置ずれ及び閾値保管部53から供給される閾値等に基づき、間引き条件保管部54に保管されている各種間引き条件の中から好適な間引き条件を選択することにより当該RAWデータの間引き処理における間引き条件を設定する(図8のステップS4)。
【0064】
間引き条件設定部5による間引き条件の設定が終了したならば、RAWデータ間引き処理部6は、間引き条件設定部5において設定された上述の間引き条件とこの間引き条件に付加されている間引きパターン番号を受信し、受信信号処理部4から供給される時系列的なRAWデータに対し上述の間引き条件を適用して間引き処理を行なう(図8のステップS5)。そして、間引き処理後のRAWデータは、前記間引きパターン番号を付帯情報としてRAWデータ記憶部7に保存される(図8のステップS6)。
【0065】
一方、画像データ生成部9は、RAWデータ記憶部7に保存されている間引き処理後のRAWデータとこれらのRAWデータに付加されている間引きパターン番号を読み出し、間引きパラメータ保管部8に保管されている各種間引きパラメータの中から前記間引きパターン番号と同一の間引きパターン番号が付加されている間引きパラメータを読み出す。そして、この間引きパラメータに基づいて間引き処理後のRAWデータを所定の位置(時相)に配置し、更に、これらのRAWデータを用いた補間処理により、RAWデータ間引き処理部6の間引き処理によって削除された間引き時相のRAWデータを再生する(図8のステップS7)。
【0066】
更に、画像データ生成部9は、RAWデータ記憶部7から読み出した間引き処理後のRAWデータ及び上述の補間処理によって再生した間引き時相のRAWデータの各々におけるデータ要素を実際の超音波送受信方向に対応させて再配置した後、距離方向、方位方向及びフレーム方向に対するフィルタ処理を行なって時系列的な画像データを生成する(図8のステップS8)。そして、得られた画像データを表示部10のモニタに表示する(図8のステップS9)。
【0067】
この場合、RAWデータ記憶部7に保存された所定期間のRAWデータに対する読み出しを繰り返すことにより、表示部10では、画像データの繰り返し表示(シネ表示)が行なわれる。
【0068】
尚、上述の実施例では、被検体の腹部領域から収集されたRAWデータに対してフレーム方向の間引き処理(フレーム間引き)を行なう場合について述べたが、高い時間分解能を有した画像データが要求される循環器領域のRAWデータに対しては、ビット間引き、データ要素間引きあるいはビーム間引きが好適である。
【0069】
図9は、RAWデータに対するデータ要素間引き及びビーム間引きを説明するための図であり、図9(a)は、RAWデータの距離方向(送受信方向)におけるデータ要素を1/3に間引くデータ要素間引き(1/3)を、又、図9(b)は、前記距離方向と直交する方位方向の送受信数(ビーム数)を1/2に間引くビーム間引き(1/2)を夫々示している。
【0070】
この場合、画像データ生成部9は、RAWデータ記憶部7に保存されている間引き処理後のRAWデータ(図9(a)あるいは図9(b))とこれらのRAWデータに付加されている間引きパターン番号「De−2」あるいは「Bm−1」を読み出し、間引きパラメータ保管部8に保管されている各種間引きパラメータの中から前記間引きパターン番号と同一の間引きパターン番号が付加されている間引きパラメータを読み出す。そして、この間引きパラメータに基づいて間引き処理後のデータ要素を所定の位置に配置し、更に、これらのデータ要素を用いた補間処理により間引き処理にて削除されたデータ要素を再生する。
【0071】
更に、画像データ生成部9は、間引き処理後のデータ要素及びこれらのデータ要素を用いて新たに再生したデータ要素を実際の超音波送受信方向に対応させて再配置した後、距離方向及び方位方向に対するフィルタ処理を行なって画像データを生成する。
【0072】
以上述べた第1の実施例によれば、RAWデータ記憶部に一旦保存されたRAWデータを用いて時系列的な画像データの生成を行なう際、保存前の時系列的なRAWデータに対しその変動量に応じた間引き処理を行なうことにより長時間かつ良質な画像データを容易に生成することができる。
【0073】
特に、変動量の計測は、前記時系列的なRAWデータの中から抽出された時間方向に隣接するRAWデータの位置ずれに基づいて行なわれるため、精度の高い計測を短時間で行なうことができる。又、位置ずれの計測は、所定の周期で繰り返し行なうことが可能なため、変動量が時間的に変化するような場合においてもその大きさに応じて間引き条件を更新することにより常に最適な間引き処理を行なうことができる。
【0074】
更に、間引き処理後のRAWデータを用いた補間処理により間引き処理にて削除された時相(間引き時相)のRAWデータを再生することができ、従って、間引き処理前の時系列的なRAWデータと略同等のRAWデータを得ることができる。
【0075】
一方、当該RAWデータに対する間引き処理は、上述の位置ずれや被検体の診断対象領域に基づいて設定された間引き条件に従って行なわれるため、前記診断対象領域の診断に必要な分解能を有した画像データの生成を可能とするRAWデータを長時間に渡って保存することが可能となる。
【0076】
又、間引き時相におけるRAWデータの再生処理は、前記間引き条件に対応させて予め設定された間引きパラメータに基づいて行なわれるため、画像データの生成を短時間かつ容易に行なうことができる。従って、RAWデータ記憶部に一旦保存された間引き補正後のRAWデータを瞬時に読み出すことにより画像データのリアルタイム表示が可能となり、前記RAWデータ記憶部に保存された間引き補正後のRAWデータを所定時間後に繰り返し読み出すことにより長時間に渡る画像データのシネ表示が可能となる。特に、画像データのリアルタイム表示により、RAWデータ記憶部に保存された間引き処理後のRAWデータの良否を確認することができる。
【実施例2】
【0077】
次に、第2の実施例について説明する。この第2の実施例における超音波診断装置では、被検体から検出されるECG波形(心電波形)に基づいて設定した収縮期及び拡張期において前記被検体の診断対象領域から収集される時系列的な2次元RAWデータ(以下では、RAWデータと呼ぶ。)を各々の期間に対して予め設定された間引き条件を用いて間引き処理し、間引き処理後のRAWデータをRAWデータ記憶部に保存する。次いで、RAWデータ記憶部から読み出した間引き処理後のRAWデータに対し前記間引き条件に対応した間引きパラメータに基づく補間処理を行なって時系列的なRAWデータを再生し、再生したRAWデータを用いて画像データの生成と表示を行なう。
【0078】
尚、本実施例でも、振動素子が1次元配列された超音波プローブ2を用いて収集される時系列的な2次元のRAWデータに対して間引き処理と保存を行ない、間引き処理後のRAWデータを用いて時系列的な画像データを生成する場合について述べるが、これに限定されるものではなく、例えば、振動素子が2次元配列された超音波プローブを用いて収集される時系列的な3次元のRAWデータに対して間引き処理と保存を行ない、間引き処理後の3次元RAWデータを用いて時系列的な画像データの生成を行なっても構わない。
【0079】
(装置の構成)
本実施例における超音波診断装置の構成につき図10乃至図13を用いて説明する。尚、前記超音波診断装置の全体構成を示す図10のブロック図において、図1に示した超音波診断装置100の各ユニットと同一の構成及び機能を有するユニットは同一の符号を付加し詳細な説明は省略する。
【0080】
図10に示す本実施例の超音波診断装置200は、被検体の診断対象領域に対して超音波パルス(送信超音波)を送信し前記診断対象領域から得られた超音波反射波(受信超音波)を電気信号(受信信号)に変換する複数の振動素子を備えた超音波プローブ2と、診断対象領域の所定方向に対して超音波パルスを送信するための駆動信号を上述の振動素子へ供給しこれらの振動素子から得られた複数チャンネルの受信信号を整相加算(位相を揃えて加算合成)する送受信部3と、整相加算後の受信信号を処理して2次元的なBモードデータ及びカラードプラデータ(RAWデータ)を生成する受信信号処理部4と、被検体から検出されたECG波形に基づいてRAWデータに対する間引き条件を設定する 間引き条件設定部15と、受信信号処理部4から供給されたRAWデータに対する間引き処理を間引き条件設定部15において設定された間引き条件に基づいて行なうRAWデータ間引き処理部6aと、上述の間引き処理によりその1部が削除された間引き処理後のRAWデータに間引き条件の識別情報である間引きパターン番号を付加して保存するRAWデータ記憶部7aを備えている。
【0081】
又、超音波診断装置200は、上述の間引き条件に対応した間引きパラメータを含む各種の間引きパラメータが予め保管されている間引きパラメータ保管部8aと、RAWデータ記憶部7から読み出した間引き処理後のRAWデータを間引きパラメータ保管部8aから読み出した前記間引きパターン番号に対応する間引きパラメータに基づいて補間処理することにより時系列的なRAWデータを再生し、再生されたRAWデータに基づいて時系列的な画像データを生成する画像データ生成部9aと、得られた画像データを表示する表示部10を備え、更に、診断対象領域に対する超音波走査(超音波送受信方向)を制御する走査制御部11と、被検体情報の入力やRAWデータ収集条件及び画像データ生成条件の設定等を行なう入力部12と、上述の各ユニットを統括的に制御するシステム制御部13と、被検体のECG波形を計測するECG計測ユニット14を備えている。
【0082】
ECG計測ユニット14は、ECG波形の検出を目的として当該被検体の体表面に装着される複数個の計測用電極と、これらの計測用電極によって検出されたECG波形を所定の振幅に増幅する増幅回路と、増幅されたECG波形をデジタル信号に変換するA/D変換器(何れも図示せず)を備えている。
【0083】
一方、間引き条件設定部15は、図11に示すようにR波検出部151、収縮期/拡張期設定部152、間引き条件保管部153及び間引き条件選択部154を備え、R波検出部151は、ECG計測ユニット14から供給されるA/D変換後のECG波形の最大値を検出することによりR波を検出する。
【0084】
収縮期/拡張期設定部152は、R波検出部151によって検出されたR波に基づいて心拍周期を計測し、この心拍周期を所定の割合で分割することにより収縮期及び拡張期を設定する。図12は、R波検出部151によって検出されるECG波形EcのR波と、R波の発生周期によって計測される心拍周期T0と、心拍周期T0を所定の割合で分割することにより期間[t1−t2]において設定される収縮期Ts及び期間[t2−t3]において設定される拡張期Tdを示している。
【0085】
間引き条件保管部153には、収縮期及び拡張期に対して設定された各種の間引き条件が間引きパターン番号を付帯情報として予め保管されている。図13は、間引き条件保管部153に保管されている間引き条件の具体例を示したものであり、例えば、収縮期に対する「フレーム間引き(1/2)」の間引き条件には間引きパターン番号「Fr−s」が付加され、拡張期に対する「フレーム間引き(1/4)」の間引き条件には間引きパターン番号「Fr−d」が付加される。
【0086】
そして、間引き条件選択部154は、間引き条件保管部153に保管されている各種間引き条件の中から収縮期及び拡張期の間引き条件を選択することにより当該RAWデータの間引き処理に用いる間引き条件を設定する。
【0087】
図10へ戻って、RAWデータ間引き処理部6aは、間引き条件設定部15において設定された収縮期の間引き条件「フレーム間引き(1/2)」及び拡張期の間引き条件「フレーム間引き(1/4)」とこれらの間引き条件に付加されている間引きパターン番号「Fr−s」及び「Fr−d」を受信する。次いで、受信信号処理部4のデータ記憶部44から供給される収縮期[t1−t2]のRAWデータに対して間引き条件「フレーム間引き(1/2)」の間引き処理を行ない、拡張期[t2−t3]のRAWデータに対して間引き条件「フレーム間引き(1/4)」の間引き処理を行なう。そして、間引き処理された期間[t1−t2]のRAWデータには間引きパターン番号「Fr−s」を、又、期間[t2−t3]のRAWデータには間引きパターン番号「Fr−d」を夫々付加してRAWデータ記憶部7aに保存する。
【0088】
一方、画像データ生成部9aは、RAWデータ記憶部7aに保存されている収縮期[t1−t2]のRAWデータ及び拡張期[t2−t3]のRAWデータとこれらのRAWデータに付加されている間引きパターン番号「Fr−s」及び「Fr−d」を読み出し、間引きパラメータ保管部8aに保管されている各種間引きパラメータの中から前記間引きパターン番号と同一の間引きパターン番号が付加されている間引きパラメータを読み出す。そして、この間引きパラメータに基づいて前記RAWデータを所定の時相に配置し、更に、これらのRAWデータを用いた補間処理を行なって間引き時相におけるRAWデータを再生する。
【0089】
更に、画像データ生成部9aは、RAWデータ記憶部7aから読み出した間引き処理後のRAWデータ及び上述の補間処理によって再生したRAWデータのデータ要素を実際の超音波送受信方向に対応させて再配置し、距離方向、方位方向及びフレーム方向に対するフィルタ処理を行なって時系列的な画像データを生成する。
【0090】
(画像データの生成手順)
次に、本実施例における画像データの生成手順につき図14のフローチャートを用いて説明する。画像データの生成に先立ち超音波診断装置200の操作者は、被検体体表面の所定位置にECG計測ユニット14の電極を装着する。次いで、入力部12における被検体情報の入力、RAWデータ収集条件、画像データ生成条件及び画像データ表示条件の設定、被検体に対する超音波プローブ2の配置等を行なった後RAWデータ収集開始コマンドを入力部12において入力する。そして、このコマンド信号がシステム制御部13へ供給されることにより時系列的なRAWデータの収集が当該被検体の診断対象領域に対して行なわれる(図14のステップS11)。そして、このコマンド信号を受信したシステム制御部13は、送受信部3、受信信号処理部4及び走査制御部11を制御し、図8のステップS2と同様の手順により時系列的なRAWデータを生成する(図14のステップS12)。
【0091】
一方、間引き条件設定部15のR波検出部151は、ECG計測ユニット14から供給されるA/D変換後のECG波形の最大値を検出することによりR波を検出し、収縮期/拡張期設定部152は、R波に基づいて計測した心拍周期を所定の割合で分割することにより収縮期及び拡張期を設定する(図14のステップS13)。そして、間引き条件選択部154は、間引き条件保管部153に保管されている各種間引き条件の中から、例えば、収縮期の間引き条件「フレーム間引き(1/2)」及び拡張期の間引き条件「フレーム間引き(1/4)」とその付帯情報である間引きパターン番号「Fr−s」及び「Fr−d」を選択することによりRAWデータの間引き処理における間引き条件を設定する(図14のステップS14)。
【0092】
次に、RAWデータ間引き処理部6aは、間引き条件設定部15において設定された収縮期の間引き条件「フレーム間引き(1/2)」及び拡張期の間引き条件「フレーム間引き(1/4)」とこれらの間引き条件に付加されている間引きパターン番号「Fr−s」及び「Fr−d」を受信する。次いで、受信信号処理部4のデータ記憶部44から供給される収縮期[t1−t2]のRAWデータに対して間引き条件「フレーム間引き(1/2)」の間引き処理を行ない、拡張期[t2−t3]のRAWデータに対して間引き条件「フレーム間引き(1/4)」の間引き処理を行なう(図14のステップS15)。
【0093】
そして、間引き処理された収縮期[t1−t2]のRAWデータには間引きパターン番号「Fr−s」が、又、拡張期[t2−t3]のRAWデータには間引きパターン番号「Fr−d」が夫々付加されてRAWデータ記憶部7aに保存される(図14のステップS16)。
【0094】
次に、画像データ生成部9aは、RAWデータ記憶部7aに保存されている収縮期[t1−t2]のRAWデータ及び拡張期[t2−t3]のRAWデータとこれらのRAWデータに付加されている間引きパターン番号「Fr−s」及び「Fr−d」を読み出し、間引きパラメータ保管部8aに保管されている各種間引きパラメータの中から前記間引きパターン番号と同一の間引きパターン番号が付加されている間引きパラメータを読み出す。そして、この間引きパラメータに基づいて前記RAWデータを所定の時相に配置し、更に、これらのRAWデータを用いた補間処理を行なって間引き時相におけるRAWデータを再生する(図14のステップS17)。
【0095】
更に、画像データ生成部9aは、RAWデータ記憶部7aから読み出した間引き処理後のRAWデータ及び上述の補間処理によって再生したRAWデータのデータ要素を実際の超音波送受信方向に対応させて再配置し、距離方向、方位方向及びフレーム方向に対するフィルタ処理を行なって心拍周期T0における時系列的な画像データを生成する(図14のステップS18)。そして、得られた画像データを表示部10のモニタに表示する(図14のステップS19)。
【0096】
以上述べた第2の実施例によれば、RAWデータ記憶部に一旦保存されたRAWデータを用いて時系列的な画像データの生成を行なう際、保存前の時系列的なRAWデータに対し心臓の収縮期及び拡張期に応じた間引き処理を行なうことにより長時間かつ良質な画像データを容易に生成することが可能となる。
【0097】
特に、間引き処理後のRAWデータを用いた補間処理により間引き処理にて削除された時相(間引き時相)のRAWデータを再生することができ、従って、間引き処理前の時系列的なRAWデータと略同等のRAWデータを得ることができる。
【0098】
一方、当該RAWデータに対する間引き処理は、収縮期や拡張期に対応させて予め設定された間引き条件に基づいて行なわれるため、診断に必要な分解能を有した画像データの生成を可能とするRAWデータを長時間に渡って保存することが可能となる。
【0099】
又、間引き時相におけるRAWデータの再生処理は、前記間引き条件に対応させて予め設定された間引きパラメータに基づいて行なわれるため、画像データの生成を短時間かつ容易に行なうことができる。従って、RAWデータ記憶部に一旦保存された間引き補正後のRAWデータを瞬時に読み出すことにより画像データのリアルタイム表示が可能となり、前記RAWデータ記憶部に保存された間引き補正後のRAWデータを所定時間後に繰り返し読み出すことにより長時間に渡る画像データのシネ表示が可能となる。
【0100】
以上、本発明のいくつかの実施例を説明したが、これらの実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。即ち、これら実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。又、これら実施例やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0101】
例えば、上述の実施例では、振動素子が1次元配列された超音波プローブ2によって収集される時系列的な2次元のRAWデータに対して間引き処理と保存を行ない、間引き処理後のRAWデータを用いて時系列的な画像データを生成する場合について述べたが、振動素子が2次元配列された超音波プローブによって収集される時系列的な3次元のRAWデータに対して間引き処理を行なってもよく、又、ビット間引きやデータ要素間引きを行なう場合には、受信信号処理部4のBモードデータ生成部41あるいはカラードプラデータ生成部43から直接供給される1次元のRAWデータに対して間引き処理を行なっても構わない。
【0102】
又、被検体から収集されたRAWデータに対してフレーム方向の間引き処理(フレーム間引き)を行ない、RAWデータ記憶部7(7a)に一旦保存された間引き処理後のRAWデータに基づいて間引き時相におけるRAWデータを再生する場合について述べたが、間引き処理はフレーム間引きに限定されない。例えば、腹部領域にて得られたRAWデータに対してビット間引き、データ要素間引きあるいはビーム間引きを行なってもよく、循環器領域にて得られたRAWデータに対してフレーム間引きを行なってもよい。
【0103】
又、上述の実施例では、RAWデータ記憶部7(7a)に保存された間引き処理後のRAWデータを用いて間引き時相のRAWデータを再生し、間引き処理後のRAWデータ及び再生されたRAWデータに基づいて時系列的な画像データを生成する場合について述べたが、RAWデータ記憶部7(7a)に保存された間引き処理後のRAWデータのみを用いて画像データを生成してもよい。この方法によれば、間引き処理後のRAWデータを用いた画像データの生成に要する時間を更に短縮することができる。尚、フレーム間引きされたRAWデータを用いて画像データを生成する場合、RAWデータ記憶部7(7a)からのデータ読み出しは前記RAWデータの時相に対応したトリガパルスに従って行なわれる。
【0104】
更に、上述の実施例では、隣接するRAWデータの位置ずれやECG波形の収縮期/拡張期に基づいて間引き条件を設定する場合について述べたが、基準時刻からの経過時間、表示部10が有するモニタのサイズ、更には、入力部12から供給される撮影モードの優先度等に基づいて当該RAWデータの間引き処理に好適な間引き条件を設定してもよい。
【0105】
例えば、CHI(Contrast Harmonic Imaging)法のように造影剤が投与された被検体に対して超音波撮影を行なう場合、時間計測機能を有する図示しない間引き条件設定部は、図15に示すように造影剤が投与された時刻(基準時刻)toからの経過時間を計測し、期間[t0−t1]において収集されたRAWデータに対して「フレーム間引き無し」の間引き条件を設定し、期間[t1−t2]において収集されたRAWデータに対して「フレーム間引き(1/2)」の間引き条件を設定する。更に、期間[t2−t3]、期間[t3−t4]、・・・の各々において収集されたRAWデータに対して「フレーム間引き(1/3)」、「フレーム間引き(1/4)」、・・・の間引き条件を設定する。このような間引き条件の設定により、特に詳細な観察が要求される造影剤投与直後において良質な画像データを得ることができる。
【0106】
又、表示部10において大きさが異なる複数のモニタが使用されるような場合、システム制御部13を介して前記モニタのサイズ情報を受信した間引き条件設定部は、当該被検体から得られた時系列的なRAWデータに対してモニタサイズに対応した距離方向のデータ要素間引きあるいは方位方向のビーム間引きを行なうための間引き条件を設定してもよい。
【0107】
更に、上述の第1の実施例におけるBモード及びカラードプラモードのように複数の撮影モードが同時に行なわれる場合、入力部12から供給される撮影モードの優先度(例えば、図16参照)に基づいてRAWデータの間引き処理に好適な間引き条件を設定してもよい。この場合、優先度の高い撮影モードに対しては間引き無しあるいは低間引き率の間引き条件が設定され、優先度の低い撮影モードに対しては高間引き率の間引き条件が設定される。
【0108】
尚、上述の実施例における間引き条件設定部及びRAWデータ間引き処理部の機能は汎用のCPUにインストールされたソフトウエアプログラムによって実行することも可能である。
【符号の説明】
【0109】
2…超音波プローブ
3…送受信部
31…送信部
32…受信部
4…受信信号処理部
5…間引き条件設定部
51…隣接RAWデータ記憶部
52…位置ずれ検出部
53…閾値保管部
54…間引き条件保管部
55…間引き条件選択部
6、6a…RAWデータ間引き処理部
7、7a…RAWデータ記憶部
8、8a…間引きパラメータ保管部
9、9a…画像データ生成部
10…表示部
11…走査制御部
12…入力部
13…システム制御部
15…間引き条件設定部
151…R波検出部
152…収縮期/拡張期設定部
153…間引き条件保管部
154…間引き条件選択部
100、200…超音波診断装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に対する超音波送受信によって収集された時系列的なRAWデータに基づいて画像データを生成する超音波診断装置において、
前記RAWデータの間引き条件を設定する間引き条件設定手段と、
前記間引き条件に基づいて前記RAWデータに対する間引き処理を行なう間引き処理手段と、
間引き処理後のRAWデータを保存するRAWデータ記憶手段と、
前記RAWデータ記憶手段から読み出した前記間引き処理後のRAWデータを処理して画像データを生成する画像データ生成手段と、
前記画像データを表示する表示手段とを
備えたことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記間引き条件設定手段は、前記時系列的なRAWデータの中から選択した時間方向に隣接するRAWデータの位置ずれに基づいて前記間引き条件を設定することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記間引き条件設定手段は、前記RAWデータの位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、予め設定された各種間引き条件の中から前記時系列的なRAWデータの間引き処理に好適な間引き条件を前記位置ずれに基づいて選択する間引き条件選択手段を有することを特徴とする請求項2記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記間引き条件設定手段は、前記被検体のECG波形に基づいて前記RAWデータの間引き条件を設定することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記間引き条件設定手段は、前記ECG波形に基づいて収縮期及び拡張期を設定する収縮期/拡張期設定手段と、予め設定された各種間引き条件の中から前記収縮期及び前記拡張期に対応した間引き条件を選択する間引き条件選択手段を有することを特徴とする請求項4記載の超音波診断装置。
【請求項6】
撮影モードの優先度を設定する優先度設定手段を備え、複数の撮影モードが実行される場合、前記間引き条件設定手段は、各々の撮影モードにおいて収集された前記時系列的なRAWデータの間引き条件を前記撮影モードの優先度に基づいて設定することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記間引き条件設定手段は、前記表示手段が備えるモニタの大きさに基づいて前記RAWデータの間引き条件を設定することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記間引き条件設定手段は、基準時刻からの経過時間を計測する時間計測手段を備え、前記時間計測手段によって計測された経過時間に基づいて前記RAWデータの間引き条件を設定することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項9】
前記間引き処理手段は、前記時系列的なRAWデータに対するフレーム間引き、ビット間引き、データ要素間引きあるいはビーム間引きの少なくとも何れかを前記間引き条件に基づいて行なうことを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項10】
前記画像データ生成手段は、前記RAWデータ記憶手段から読み出した前記間引き処理後のRAWデータを処理して前記間引き処理において間引かれたRAWデータを再生し、再生された前記RAWデータ及び前記間引き処理後のRAWデータを用いて時系列的な前記画像データを生成することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項11】
前記画像データ生成手段は、前記RAWデータ記憶手段から読み出した前記間引き処理後のRAWデータを用いた補間処理により前記RAWデータを再生することを特徴とする請求項10記載の超音波診断装置。
【請求項12】
各種間引きパラメータが保管されている間引きパラメータ保管手段を備え、前記画像データ生成手段は、前記各種間引きパラメータの中から選択した前記間引き条件に対応する間引きパラメータを用いて前記RAWデータを再生することを特徴とする請求項10記載の超音波診断装置。
【請求項13】
前記表示手段は、前記画像データ生成手段によって生成された所定期間の前記時系列的な画像データをシネ表示することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項14】
被検体に対する超音波送受信によって収集された時系列的なRAWデータに基づいて画像データを生成する超音波診断装置に対し、
前記RAWデータの間引き条件を設定する間引き条件設定機能と、
前記間引き条件に基づいて前記RAWデータに対する間引き処理を行なう間引き処理機能と、
間引き処理後のRAWデータを処理して画像データを生成する画像データ生成機能と、
前記画像データを表示する表示機能を
実行させることを特徴とする画像データ生成用制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−5787(P2012−5787A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146950(P2010−146950)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】