超音波診断装置
【課題】操作性の良い簡単な構成で操作者の手または腕に対してかかる負荷を軽減することが可能な超音波診断装置を提供する。
【解決手段】操作パネルは、少なくともキーボードが配置された第1の面と操作部材が配置された第2の面とを備え、第2の面は、第1の面より前方に設けるとともに、前記キーボードと前記操作部材との間に部材を配置しない領域を設け、操作者の手または手首を支えられるようにしたことを特徴とする超音波診断装置。
【解決手段】操作パネルは、少なくともキーボードが配置された第1の面と操作部材が配置された第2の面とを備え、第2の面は、第1の面より前方に設けるとともに、前記キーボードと前記操作部材との間に部材を配置しない領域を設け、操作者の手または手首を支えられるようにしたことを特徴とする超音波診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置では、患者情報を入力した後、患者の医用画像を確認しながら、撮像系の位置決めや、撮像条件や画像処理の設定等の様々な操作をこなしていかなければならない。そのため、超音波診断装置は一般に操作キーやトラックボール、スイッチなど多くの操作部材が配置された操作パネルを備えている。
【0003】
臨床医など操作者は、超音波診断装置を操作することに日中の多くの時間を費やすことが多いが、長時間超音波診断装置の操作パネルを操作すると、操作者の手または腕に対して負荷がかかり、疲労や反復性ストレス障害を引き起こす可能性がある。
【0004】
このような問題を解決するため、リストパッドを操作パネルとキーボードに設け、キーボードを操作パネルの下から伸張可能に構成し、キーボードのリストパッドと操作パネルのリストパッドを一体化できるようにした超音波検査イメージングシステムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、メインパネル上に独立して回転可能に構成されたサブパネルを設け、該サブパネルに一部の使用頻度の高いスイッチ等を配置し、該サブパネルを回転させて使用頻度の高いスイッチ等を操作者の方向に向けられるようにした超音波診断装置用操作パネルが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2005−526564号公報
【特許文献2】特開平5−277107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されている操作パネルでは、キーボードを操作パネルの下に収容できるように構成されているので、構成が複雑であり部品点数が多くなっている。また、キーボードを収容する収容部の開口を覆うようにするためキーボードのリストパッドは各キーのキートップよりも高くなっている。そのため、手首を自然な状態で支えられないので、操作性が良くない。
【0008】
また、特許文献2に開示されている超音波診断装置用操作パネルは、リストパッドやパームレストなど手や腕を支える部材は設けられていないので長時間操作パネルを操作すると、操作者の手または腕に対して負荷がかかり、疲労や反復性ストレス障害を引き起こす可能性がある。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、操作性の良い簡単な構成で操作者の手または腕に対してかかる負荷を軽減することが可能な超音波診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明は以下のような特徴を有するものである。
【0011】
1.操作パネルを備え、該操作パネルに配置された操作部材を操作して接続している超音波探触子から超音波を被検体の内部に送波し、反射波を受信して前記被検体の内部を映像化する超音波診断装置であって、
前記操作パネルは、
少なくともキーボードが配置された第1の面と前記操作部材が配置された第2の面とを備え、
前記第2の面は、前記第1の面より前方に設けるとともに、前記キーボードと前記操作部材との間に部材を配置しない領域を設け、操作者の手または手首を支えられるようにしたことを特徴とする超音波診断装置。
【0012】
2.前記第2の面は、前記第1の面より低いことを特徴とする前記1に記載の超音波診断装置。
【0013】
3.操作者の手または手首を支える領域は、
前記第1の面に設けたことを特徴とする前記1または2に記載の超音波診断装置。
【0014】
4.前記第1の面は、
前記第2の面に配置された前記操作部材より高いことを特徴とする前記1から3の何れか1項に記載の超音波診断装置。
【0015】
5.前記操作パネルは、
前記操作部材のうち使用頻度の高い操作部材を配置し、前記第2の面に垂直な回転軸を中心に回転可能に構成した副操作パネルを前記第2の面に備えることを特徴とする前記1から4の何れか1項に記載の超音波診断装置。
【0016】
6.前記副操作パネルに配置された操作部材を操作する際に、操作者の手または手首を支えることができるパームレストを前記副操作パネルに設けたことを特徴とする前記1から5の何れか1項に記載の超音波診断装置。
【0017】
7.前記副操作パネルの前記使用頻度の高い操作部材を配置した領域と前記パームレストの間に前記パームレストを握れるように穴を設けたことを特徴とする前記6に記載の超音波診断装置。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、操作パネルは、少なくともキーボードが配置された第1の面と操作部材が配置された第2の面とを備え、第2の面は、第1の面より前方に設けられている。また、キーボードと操作部材の間に部材を配置しない領域を設けているので、操作者が第2の面を越えてキーボードを操作する際に、部材を配置しない領域に手や手首を乗せてキーボード操作を行うことができる。
【0019】
したがって、操作性の良い簡単な構成で操作者の手または腕に対してかかる負荷を軽減することが可能な超音波診断装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態の超音波診断装置の外観構成を示す斜視図である。
【図2】本実施形態の超音波診断装置の上面図の一部である。
【図3】本実施形態の操作パネルの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る実施の一形態を図面に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
【0022】
図1は、本実施形態の超音波診断装置の外観構成を示す斜視図、図2は、本実施形態の超音波診断装置の上面図の一部、図3は、本実施形態の操作パネルの側面図である。
【0023】
図中のX、Y、Zは3次元の座標軸であり、以下必要に応じて座標軸を基に説明する。
【0024】
超音波診断装置100は、図略の生体等の被検体に対して超音波(超音波信号)を送波し、受信した被検体で反射した超音波の反射波(エコー、超音波信号)から被検体内の内部状態を超音波画像として画像化し、表示部75に表示する。表示部75は、例えば液晶パネルなどから成る表示装置である。
【0025】
超音波探触子2は、被検体に対して超音波(超音波信号)を送波し、被検体で反射した超音波の反射波を受信する。超音波探触子2は、検査用途に応じて形状や性能の異なる多くの種類が用意されており、検査用途に応じて選択する。例えば、表在臓器にはリニア型、腹部領域ではコンベックス型、心臓領域ではセクタ型などが用いられる。
【0026】
超音波探触子2の信号を伝送するケーブル3の一端には第1のコネクタ51が設けられている。超音波探触子2は、第1のコネクタ51と超音波診断装置本体30の側面32に設けられた第2のコネクタ52とを接続して信号の送受信を行うように構成されている。第1のコネクタ51と第2のコネクタ52とは着脱可能であり、検査用途に応じた超音波探触子2を選択し超音波診断装置本体30に接続して使用する。
【0027】
図1では、一つの超音波探触子2がホルダー6に収容され、第1のコネクタ51が超音波診断装置本体30に接続され、ケーブル3の一部がケーブルフック9に掛けられている状態を示している。本実施形態では、図2に示すように超音波診断装置本体30の両側にそれぞれ3つのホルダー6が設けられ超音波探触子2を6つ収容できるようになっている。また、側面32にはそれぞれのホルダー6の近傍にそれぞれ第2のコネクタ52が設けられ、6つの超音波探触子2を超音波診断装置本体30に接続できるように構成されている。
【0028】
図2に示すように操作パネル7には超音波診断装置100の各種操作を行うためのスイッチ、トラックボール、キーボードなどの操作部材が設けられている。
【0029】
本実施形態の操作パネル7は、スイッチ23やトラックボール22などが配置された主操作パネル18と、スイッチ20、21などが配置された副操作パネル14と、キーボード10、タッチパッド11、各種操作キーなどが配置されたキーボード部13からなる。
【0030】
図3は、操作パネル7を図2のX軸正方向から見た側面図である。
【0031】
図3のように、主操作パネル18と副操作パネル14とは同一面(第2の面)上にあり、キーボード部13の面(第1の面)より図中に示す高さDだけ低く、キーボード部13の面(第1の面)より前方(正面31側)に設けられている。
【0032】
キーボード部13は、被検体の個人情報等のデータの入力などを行うために設けられている。
【0033】
操作者は、主に超音波診断装置本体30の正面31側から第1の面のキーボード10を操作するので、前方の第2の面に配置された操作部材に腕や手が触れて誤操作にならないようにする必要がある。
【0034】
本実施形態では、第2の面が第1の面より低くなっているのでキーボード10の操作時に腕や手が触れるおそれが少ない。さらに、図3に示す例ではスイッチ21、23などの第2の面に配置された操作部材は、第2の面から突出した部分(キートップ)の高さが第1の面より低くなっているので、誤操作のおそれはより少なくなっている。
【0035】
キーボード10と主操作パネル18に配置されたスイッチ23やトラックボール22などの操作部材との間に部材を配置しない領域12、領域41が設けられている。
【0036】
本実施形態では、タッチパッド11の両側に設けられた領域12は、手のひらや手首を置けるスペースを有し、パームレストとして機能する。
【0037】
このように構成すると、操作者が領域12に手のひらや手首を置いてキーボード操作を行えるので、操作者の手首や手または腕に対してかかる負荷を軽減することができる。
【0038】
また、領域41は、第1の面と第2の面の斜面であり、キーボード10の配置された第1の面と主操作パネル18の配置された第2の面を明確に区分し、操作者の誤操作を防止することができる。
【0039】
なお、本実施形態では、第1の面上に手のひらや手首を置ける領域12が設けられているが、領域12の高さは第1の面より高くても良い。また、第2の面上に部材を配置しない領域を設け、手のひらや手首を置けるようにしても良い。あるいは、第1の面と第2の面の斜面に手のひらや手首を置けるようにしても良い。
【0040】
一般に操作パネル7に部材を配置しない領域を設けると、超音波診断装置の大型化につながり好ましくないと考えられるが、本実施形態では、部材を配置しない領域を最適配置して超音波診断装置の大型化を抑制しながら操作性の向上を実現している。
【0041】
副操作パネル14には主に超音波画像を撮像する際に用いられる使用頻度の高い操作部材が配置されている。例えば、フリーズキー、フォーカス位置設定キー、表示深度設定キーなどの操作部材である。副操作パネル14には手首を置いてスイッチ20、21など各操作部材を操作することができる位置にパームレスト15が設けられている。操作者は、パームレスト15に手や手首を置いて操作部材の操作を行うことができるので、手または腕にかかる負荷を軽減することができる。
【0042】
また、パームレスト15と副操作パネル14の操作部材の配置された領域との間には穴16が設けられている。このように構成すると、操作者は穴16に指を入れてパームレスト15の部分をハンドルのように握ることができる。
【0043】
副操作パネル14は、第2の面に垂直な回転軸を中心に回転可能に構成され図2に示す矢印方向に回転する。操作者は、必要に応じてパームレスト15の部分をハンドルのように握って所望の方向に副操作パネル14を向けることができる。また、パームレスト15の部分をハンドルのように握って超音波診断装置100を移動させることも可能である。このように簡単な操作で操作者が副操作パネル14を操作しやすい状態に設定することができる。
【0044】
主操作パネル18には主に撮像した画像に画像処理を行って診断する際に用いる操作部材が設けられている。主操作パネル18は、超音波診断装置100の正面前方に配置されているので、操作者は表示部75に表示される画像を見ながら主操作パネル18の操作をしやすく、手または腕に対してかかる負荷も少ない。
【0045】
操作パネル7の下方にはDVDドライブ4、ゼリーウォーマー5が設けられている。ゼリーウォーマー5は、被検体の診断部位に塗布するゼリーの入った容器を収容し、ゼリーを体温程度に温めるものである。
【0046】
以上このように、本発明によれば、操作性の良い簡単な構成で操作者の手または腕に対してかかる負荷を軽減することが可能な超音波診断装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0047】
2 超音波探触子
3 ケーブル
4 ドライブ
5 ゼリーウォーマー
6 ホルダー
7 操作パネル
9 ケーブルフック
10 キーボード
11 タッチパッド
12 領域
13 キーボード部
14 副操作パネル
15 パームレスト
16 穴
18 主操作パネル
20 スイッチ
21 スイッチ
22 トラックボール
23 スイッチ
30 超音波診断装置本体
31 正面
32 側面
41 領域
51 第1のコネクタ
52 第2のコネクタ
75 表示部
100 超音波診断装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置では、患者情報を入力した後、患者の医用画像を確認しながら、撮像系の位置決めや、撮像条件や画像処理の設定等の様々な操作をこなしていかなければならない。そのため、超音波診断装置は一般に操作キーやトラックボール、スイッチなど多くの操作部材が配置された操作パネルを備えている。
【0003】
臨床医など操作者は、超音波診断装置を操作することに日中の多くの時間を費やすことが多いが、長時間超音波診断装置の操作パネルを操作すると、操作者の手または腕に対して負荷がかかり、疲労や反復性ストレス障害を引き起こす可能性がある。
【0004】
このような問題を解決するため、リストパッドを操作パネルとキーボードに設け、キーボードを操作パネルの下から伸張可能に構成し、キーボードのリストパッドと操作パネルのリストパッドを一体化できるようにした超音波検査イメージングシステムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、メインパネル上に独立して回転可能に構成されたサブパネルを設け、該サブパネルに一部の使用頻度の高いスイッチ等を配置し、該サブパネルを回転させて使用頻度の高いスイッチ等を操作者の方向に向けられるようにした超音波診断装置用操作パネルが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2005−526564号公報
【特許文献2】特開平5−277107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されている操作パネルでは、キーボードを操作パネルの下に収容できるように構成されているので、構成が複雑であり部品点数が多くなっている。また、キーボードを収容する収容部の開口を覆うようにするためキーボードのリストパッドは各キーのキートップよりも高くなっている。そのため、手首を自然な状態で支えられないので、操作性が良くない。
【0008】
また、特許文献2に開示されている超音波診断装置用操作パネルは、リストパッドやパームレストなど手や腕を支える部材は設けられていないので長時間操作パネルを操作すると、操作者の手または腕に対して負荷がかかり、疲労や反復性ストレス障害を引き起こす可能性がある。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、操作性の良い簡単な構成で操作者の手または腕に対してかかる負荷を軽減することが可能な超音波診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明は以下のような特徴を有するものである。
【0011】
1.操作パネルを備え、該操作パネルに配置された操作部材を操作して接続している超音波探触子から超音波を被検体の内部に送波し、反射波を受信して前記被検体の内部を映像化する超音波診断装置であって、
前記操作パネルは、
少なくともキーボードが配置された第1の面と前記操作部材が配置された第2の面とを備え、
前記第2の面は、前記第1の面より前方に設けるとともに、前記キーボードと前記操作部材との間に部材を配置しない領域を設け、操作者の手または手首を支えられるようにしたことを特徴とする超音波診断装置。
【0012】
2.前記第2の面は、前記第1の面より低いことを特徴とする前記1に記載の超音波診断装置。
【0013】
3.操作者の手または手首を支える領域は、
前記第1の面に設けたことを特徴とする前記1または2に記載の超音波診断装置。
【0014】
4.前記第1の面は、
前記第2の面に配置された前記操作部材より高いことを特徴とする前記1から3の何れか1項に記載の超音波診断装置。
【0015】
5.前記操作パネルは、
前記操作部材のうち使用頻度の高い操作部材を配置し、前記第2の面に垂直な回転軸を中心に回転可能に構成した副操作パネルを前記第2の面に備えることを特徴とする前記1から4の何れか1項に記載の超音波診断装置。
【0016】
6.前記副操作パネルに配置された操作部材を操作する際に、操作者の手または手首を支えることができるパームレストを前記副操作パネルに設けたことを特徴とする前記1から5の何れか1項に記載の超音波診断装置。
【0017】
7.前記副操作パネルの前記使用頻度の高い操作部材を配置した領域と前記パームレストの間に前記パームレストを握れるように穴を設けたことを特徴とする前記6に記載の超音波診断装置。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、操作パネルは、少なくともキーボードが配置された第1の面と操作部材が配置された第2の面とを備え、第2の面は、第1の面より前方に設けられている。また、キーボードと操作部材の間に部材を配置しない領域を設けているので、操作者が第2の面を越えてキーボードを操作する際に、部材を配置しない領域に手や手首を乗せてキーボード操作を行うことができる。
【0019】
したがって、操作性の良い簡単な構成で操作者の手または腕に対してかかる負荷を軽減することが可能な超音波診断装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態の超音波診断装置の外観構成を示す斜視図である。
【図2】本実施形態の超音波診断装置の上面図の一部である。
【図3】本実施形態の操作パネルの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る実施の一形態を図面に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
【0022】
図1は、本実施形態の超音波診断装置の外観構成を示す斜視図、図2は、本実施形態の超音波診断装置の上面図の一部、図3は、本実施形態の操作パネルの側面図である。
【0023】
図中のX、Y、Zは3次元の座標軸であり、以下必要に応じて座標軸を基に説明する。
【0024】
超音波診断装置100は、図略の生体等の被検体に対して超音波(超音波信号)を送波し、受信した被検体で反射した超音波の反射波(エコー、超音波信号)から被検体内の内部状態を超音波画像として画像化し、表示部75に表示する。表示部75は、例えば液晶パネルなどから成る表示装置である。
【0025】
超音波探触子2は、被検体に対して超音波(超音波信号)を送波し、被検体で反射した超音波の反射波を受信する。超音波探触子2は、検査用途に応じて形状や性能の異なる多くの種類が用意されており、検査用途に応じて選択する。例えば、表在臓器にはリニア型、腹部領域ではコンベックス型、心臓領域ではセクタ型などが用いられる。
【0026】
超音波探触子2の信号を伝送するケーブル3の一端には第1のコネクタ51が設けられている。超音波探触子2は、第1のコネクタ51と超音波診断装置本体30の側面32に設けられた第2のコネクタ52とを接続して信号の送受信を行うように構成されている。第1のコネクタ51と第2のコネクタ52とは着脱可能であり、検査用途に応じた超音波探触子2を選択し超音波診断装置本体30に接続して使用する。
【0027】
図1では、一つの超音波探触子2がホルダー6に収容され、第1のコネクタ51が超音波診断装置本体30に接続され、ケーブル3の一部がケーブルフック9に掛けられている状態を示している。本実施形態では、図2に示すように超音波診断装置本体30の両側にそれぞれ3つのホルダー6が設けられ超音波探触子2を6つ収容できるようになっている。また、側面32にはそれぞれのホルダー6の近傍にそれぞれ第2のコネクタ52が設けられ、6つの超音波探触子2を超音波診断装置本体30に接続できるように構成されている。
【0028】
図2に示すように操作パネル7には超音波診断装置100の各種操作を行うためのスイッチ、トラックボール、キーボードなどの操作部材が設けられている。
【0029】
本実施形態の操作パネル7は、スイッチ23やトラックボール22などが配置された主操作パネル18と、スイッチ20、21などが配置された副操作パネル14と、キーボード10、タッチパッド11、各種操作キーなどが配置されたキーボード部13からなる。
【0030】
図3は、操作パネル7を図2のX軸正方向から見た側面図である。
【0031】
図3のように、主操作パネル18と副操作パネル14とは同一面(第2の面)上にあり、キーボード部13の面(第1の面)より図中に示す高さDだけ低く、キーボード部13の面(第1の面)より前方(正面31側)に設けられている。
【0032】
キーボード部13は、被検体の個人情報等のデータの入力などを行うために設けられている。
【0033】
操作者は、主に超音波診断装置本体30の正面31側から第1の面のキーボード10を操作するので、前方の第2の面に配置された操作部材に腕や手が触れて誤操作にならないようにする必要がある。
【0034】
本実施形態では、第2の面が第1の面より低くなっているのでキーボード10の操作時に腕や手が触れるおそれが少ない。さらに、図3に示す例ではスイッチ21、23などの第2の面に配置された操作部材は、第2の面から突出した部分(キートップ)の高さが第1の面より低くなっているので、誤操作のおそれはより少なくなっている。
【0035】
キーボード10と主操作パネル18に配置されたスイッチ23やトラックボール22などの操作部材との間に部材を配置しない領域12、領域41が設けられている。
【0036】
本実施形態では、タッチパッド11の両側に設けられた領域12は、手のひらや手首を置けるスペースを有し、パームレストとして機能する。
【0037】
このように構成すると、操作者が領域12に手のひらや手首を置いてキーボード操作を行えるので、操作者の手首や手または腕に対してかかる負荷を軽減することができる。
【0038】
また、領域41は、第1の面と第2の面の斜面であり、キーボード10の配置された第1の面と主操作パネル18の配置された第2の面を明確に区分し、操作者の誤操作を防止することができる。
【0039】
なお、本実施形態では、第1の面上に手のひらや手首を置ける領域12が設けられているが、領域12の高さは第1の面より高くても良い。また、第2の面上に部材を配置しない領域を設け、手のひらや手首を置けるようにしても良い。あるいは、第1の面と第2の面の斜面に手のひらや手首を置けるようにしても良い。
【0040】
一般に操作パネル7に部材を配置しない領域を設けると、超音波診断装置の大型化につながり好ましくないと考えられるが、本実施形態では、部材を配置しない領域を最適配置して超音波診断装置の大型化を抑制しながら操作性の向上を実現している。
【0041】
副操作パネル14には主に超音波画像を撮像する際に用いられる使用頻度の高い操作部材が配置されている。例えば、フリーズキー、フォーカス位置設定キー、表示深度設定キーなどの操作部材である。副操作パネル14には手首を置いてスイッチ20、21など各操作部材を操作することができる位置にパームレスト15が設けられている。操作者は、パームレスト15に手や手首を置いて操作部材の操作を行うことができるので、手または腕にかかる負荷を軽減することができる。
【0042】
また、パームレスト15と副操作パネル14の操作部材の配置された領域との間には穴16が設けられている。このように構成すると、操作者は穴16に指を入れてパームレスト15の部分をハンドルのように握ることができる。
【0043】
副操作パネル14は、第2の面に垂直な回転軸を中心に回転可能に構成され図2に示す矢印方向に回転する。操作者は、必要に応じてパームレスト15の部分をハンドルのように握って所望の方向に副操作パネル14を向けることができる。また、パームレスト15の部分をハンドルのように握って超音波診断装置100を移動させることも可能である。このように簡単な操作で操作者が副操作パネル14を操作しやすい状態に設定することができる。
【0044】
主操作パネル18には主に撮像した画像に画像処理を行って診断する際に用いる操作部材が設けられている。主操作パネル18は、超音波診断装置100の正面前方に配置されているので、操作者は表示部75に表示される画像を見ながら主操作パネル18の操作をしやすく、手または腕に対してかかる負荷も少ない。
【0045】
操作パネル7の下方にはDVDドライブ4、ゼリーウォーマー5が設けられている。ゼリーウォーマー5は、被検体の診断部位に塗布するゼリーの入った容器を収容し、ゼリーを体温程度に温めるものである。
【0046】
以上このように、本発明によれば、操作性の良い簡単な構成で操作者の手または腕に対してかかる負荷を軽減することが可能な超音波診断装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0047】
2 超音波探触子
3 ケーブル
4 ドライブ
5 ゼリーウォーマー
6 ホルダー
7 操作パネル
9 ケーブルフック
10 キーボード
11 タッチパッド
12 領域
13 キーボード部
14 副操作パネル
15 パームレスト
16 穴
18 主操作パネル
20 スイッチ
21 スイッチ
22 トラックボール
23 スイッチ
30 超音波診断装置本体
31 正面
32 側面
41 領域
51 第1のコネクタ
52 第2のコネクタ
75 表示部
100 超音波診断装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作パネルを備え、該操作パネルに配置された操作部材を操作して接続している超音波探触子から超音波を被検体の内部に送波し、反射波を受信して前記被検体の内部を映像化する超音波診断装置であって、
前記操作パネルは、
少なくともキーボードが配置された第1の面と前記操作部材が配置された第2の面とを備え、
前記第2の面は、前記第1の面より前方に設けるとともに、前記キーボードと前記操作部材との間に部材を配置しない領域を設け、操作者の手または手首を支えられるようにしたことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記第2の面は、前記第1の面より低いことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
操作者の手または手首を支える領域は、
前記第1の面に設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記第1の面は、
前記第2の面に配置された前記操作部材より高いことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記操作パネルは、
前記操作部材のうち使用頻度の高い操作部材を配置し、前記第2の面に垂直な回転軸を中心に回転可能に構成した副操作パネルを前記第2の面に備えることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記副操作パネルに配置された操作部材を操作する際に、操作者の手または手首を支えることができるパームレストを前記副操作パネルに設けたことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記副操作パネルの前記使用頻度の高い操作部材を配置した領域と前記パームレストの間に前記パームレストを握れるように穴を設けたことを特徴とする請求項6に記載の超音波診断装置。
【請求項1】
操作パネルを備え、該操作パネルに配置された操作部材を操作して接続している超音波探触子から超音波を被検体の内部に送波し、反射波を受信して前記被検体の内部を映像化する超音波診断装置であって、
前記操作パネルは、
少なくともキーボードが配置された第1の面と前記操作部材が配置された第2の面とを備え、
前記第2の面は、前記第1の面より前方に設けるとともに、前記キーボードと前記操作部材との間に部材を配置しない領域を設け、操作者の手または手首を支えられるようにしたことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記第2の面は、前記第1の面より低いことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
操作者の手または手首を支える領域は、
前記第1の面に設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記第1の面は、
前記第2の面に配置された前記操作部材より高いことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記操作パネルは、
前記操作部材のうち使用頻度の高い操作部材を配置し、前記第2の面に垂直な回転軸を中心に回転可能に構成した副操作パネルを前記第2の面に備えることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記副操作パネルに配置された操作部材を操作する際に、操作者の手または手首を支えることができるパームレストを前記副操作パネルに設けたことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記副操作パネルの前記使用頻度の高い操作部材を配置した領域と前記パームレストの間に前記パームレストを握れるように穴を設けたことを特徴とする請求項6に記載の超音波診断装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2011−142987(P2011−142987A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−4754(P2010−4754)
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】
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