説明

超音波診断装置

【課題】 画像表示装置の画像表示面を90°回転させて下向きに倒すことができる支持構造を有する超音波診断装置を提供すること。
【解決手段】 画像表示装置、超音波プローブ、操作パネル、装置本体及び支持機構を備える超音波診断装置であって、前記支持機構は、支持機構本体及び支持アームを含み、前記画像表示装置は、支持機構本体に取付けられ、前記支持アームにより前記装置本体に支持されており、前記支持機構本体には、前記画像表示装置を上下方向へ回転する回転機構と、前記画像表示装置を前記回転機構に対して上昇/下降移動させる位置選択機構と、前記画像表示装置が前記回転機構に対して前記上昇/下降移動する範囲内の最上端位置以外の位置にある場合に、前記画像表示装置の水平倒し位置への回転を阻止する回転阻止機構と、を設けることを特徴とする超音波診断装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
超音波診断装置に関し、特に、超音波診断装置において、画像表示装置の画像表示面を90°回転させて下向きに倒すことができる支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置は、図1に示すように、超音波プローブ200を介して被験者に対して超音波ビームを走査して送受信し、走査によって得られる2次元情報を超音波画像として画像表示装置100に表示させることにより、リアルタイムで被験者を観察するため、医療分野では必要不可欠なデバイスとなっている。このような超音波診断装置の画像表示装置100として、通常にLCD(LiquidCrystalDisplay)と呼ばれる液晶表示装置を用いており、操作者や被験者が画像を何れの角度からも画像表示面を無理なく観察できるようにするためには、左右方向に水平回転(Swivel)するか又はピッチ角を変更するように上下回転(tilt)できる可動支持機構、或いは、自在アームを備えている可動支持機構を設けることにより当該LCDを支持することがある。このような液晶表示装置は、前記可動支持機構により超音波診断装置の本体400又は操作パネル300に支持されて、超音波診断装置の本体400又は操作パネル300に対して左右、上下方向に回転するか、又は前後、左右方向に移動できる。以下の説明において、「左右方向」とは診断・検査中の液晶表示装置の左右両側の方向、「上下方向」とは診断・検査中の液晶表示装置の上と下の方向と言う。また、「左右方向に回転する」とは、液晶表示装置をその左右両側へ回転させることを、「上下方向に回転する」とは、液晶表示装置をそのピッチ角を変更するように上下方向へ回転させることをいう。
【0003】
従来技術として、一端が回転支持部により超音波診断装置のフレームの上部に垂直に位置決めされる第1の旋回アームと、一端が前記第1の旋回アームの他端に相対回転可能に支持される第2の旋回アームと、一端が前記第2の旋回アームの他端に相対回転可能に支持される第3の旋回アームとを含み、表示部が該第3の旋回アームの他端に垂直連結される表示部支持アームを備える超音波診断装置の表示部支持構造が提案されている。
【0004】
しかしながら、このような表示部の支持構造は、表示部を上下方向に回転させることができないので、観察者の観察範囲が制限され、即ち、所定の高さ位置でしか表示部の画像を観察できない。
【0005】
そして、上述の問題を解決するために、一端が主軸により超音波診断装置のフレームの上部に垂直に位置決めされる下アームと、一端が支軸により相対左右/上下回転可能に前記下アームの他端に支持される上アームと、一端が前記上アームの他端に固定され、他端が表示部を上下回転可能に支持するジョイントとを含む表示部支持アームを備える超音波診断装置の表示部支持構造が提案されている。そのため、当該構造によって、表示部の上下方向の小さい角度範囲(90°未満)内の回転を実現できるので、観察者がどの高さ位置にあるか、例えば観察者が座るか立つかに係わらず、はっきりした画像を気軽に観察することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−142331号公報
【特許文献2】特開2007−97775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、超音波診断装置は、小型、可搬型の医療機器であり、検査室から病棟或いは処置室などへ装置を移動することが多い。装置を移動する際には前方視界を妨げないように、画像表示装置を倒して前方視界を確保する必要がある。一方、利用しない場合にも画像表示面に埃や傷が付くのを防止するために、画像表示装置を倒す必要がある。よって、最近では、画像表示面を90°回転して下向きに倒すことができる装置が開発されているが、上述の特許文献1、2の表示部支持構造は、何れもこの機能を実現できない。
【0008】
この問題を解決するために、現在、画像表示装置を倒す(下向きにほぼ90°回転させる)表示部の可動支持構造である表示部支持構造が開発されており、このような可動支持構造は、従来と同じのように画像表示装置の中心から遠くない箇所に回転支点Bを設置する場合に、図19Aに示すように、画像表示装置1を下向きに倒すとすれば、画像表示装置1の下端が支持アーム1b又は操作パネル300などと干渉し、これによって、図19Bに示すように、上下回転の支点Bを画像表示装置の下端近傍に設ける必要があった。支点Bを下向きに移設すれば、重心位置Gが支点Bから大きく離れる。画像表示装置の重心位置Gが支点Bから大きく離れることによって、大きなモーメントが発生し、表示部1の自重で倒れやすくなる。それを防止するため、支点Bに大きな摩擦力を付加しなければならず、診断や検査中に画像表示装置を上下に回転させる時の操作力が大きくなって使いにくくなるという欠点があった。かつ、支点BをLCDの下端へ移動させれば、LCDの画像表示部は、相応に上向きに移動するので、画像表示の中心は高くなり、それにつれて操作者の視線も上昇するため、操作者の負担を大きくし、操作者に観察の不快感をもたらすという欠点がある。
【0009】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、画像表示装置の画像表示面を90°回転させて下向きに倒すことができる支持構造を有する超音波診断装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記目的を達成するため、次のような手段を講じている。
【0011】
本実施形態に係る超音波診断装置は、画像表示装置、超音波プローブ、操作パネル、装置本体及び支持機構を備える超音波診断装置であって、前記支持機構は、支持機構本体及び支持アームを含み、前記画像表示装置は、支持機構本体に取付けられ、前記支持アームにより前記装置本体に支持されており、前記支持機構本体には、前記画像表示装置を上下方向へ回転する回転機構と、前記画像表示装置を前記回転機構に対して上昇/下降移動させる位置選択機構と、前記画像表示装置が前記回転機構に対して前記上昇/下降移動する範囲内の最上端位置以外の位置にある場合に、前記画像表示装置の水平倒し位置への回転を阻止する回転阻止機構と、を設けることを特徴とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は超音波診断装置全体の外観図である。
【図2A】図2Aは第1の実施の形態に係るLCDの支持機構1全体及び主な部分を示す斜視図である。
【図2B】図2Bは第1の実施の形態に係るLCDの支持機構1全体及び主な部分を示す斜視図である。
【図2C】図2Cは第1の実施の形態に係るLCDの支持機構1全体及び主な部分を示す斜視図である。
【図3】図3は第1の実施の形態に係るLCD取付板2とハンドル機構部4との接続構造を示す斜視図である。
【図4】図4は第1の実施の形態に係るフレーム3を示す斜視図である。
【図5】図5は第1の実施の形態に係る回転機構部5の分解斜視図である。
【図6】図6は第1の実施の形態に係る回転機構部5の正面断面図である。
【図7A】図7Aは第1の実施の形態に係るLCDが最下端に位置する時の支持機構本体1a全体の斜視図である。
【図7B】図7Bは第1の実施の形態に係るLCDが最上端に位置する時の支持機構本体1a全体の斜視図である。
【図8】図8はハンドル機構部4の握り部43及びリンク42を取り外した時の支持機構本体1aの斜視図である。
【図9A】図9Aはハンドル機構部4の主な動作を概略的に説明する動作説明図である。
【図9B】図9Bはハンドル機構部4の主な動作を概略的に説明する動作説明図である。
【図10A】図10Aは支持機構本体1aの一部の斜視図である。
【図10B】図10Bは図10AのA部分における制御ブロック21と係合部5121との係合を概略的に示す斜視図である。
【図11A】図11Aは止め金22と止め溝526との間の互いの移動、嵌合関係を示す動作説明図である。
【図11B】図11Bは止め金22と止め溝526との間の互いの移動、嵌合関係を示す動作説明図である。
【図11C】図11Cは止め金22と止め溝526との間の互いの移動、嵌合関係を示す動作説明図である。
【図11D】図11Dは止め金22と止め溝526との間の互いの移動、嵌合関係を示す動作説明図である。
【図12A】図12Aは手でLCDを移動する時の動作説明図である。
【図12B】図12Bは手でLCDを移動する時の動作説明図である。
【図13A】図13Aは第1の実施の形態に係るLCDを上向きに移動させて折り畳む時の動作説明図である。
【図13B】図13Bは第1の実施の形態に係るLCDを上向きに移動させて折り畳む時の動作説明図である。
【図13C】図13Cは第1の実施の形態に係るLCDを上向きに移動させて折り畳む時の動作説明図である。
【図13D】図13Dは第1の実施の形態に係るLCDを上向きに移動させて折り畳む時の動作説明図である。
【図14A】図14Aは実施例1に係る下降速度抑制機構を表す図面である。
【図14B】図14Bは実施例1に係る下降速度抑制機構を表す図面である。
【図14C】図14Cは実施例1に係る下降速度抑制機構を表す図面である。
【図14D】図14Dは実施例1に係る下降速度抑制機構を表す図面である。
【図15A】図15Aは実施例1に係る下降速度抑制機構を表す図面である。
【図15B】図15Bは実施例1に係る下降速度抑制機構を表す図面である。
【図16A】図16Aは実施例1に係る下降速度抑制機構を表す図面である。
【図16B】図16Bは実施例1に係る下降速度抑制機構を表す図面である。
【図16C】図16Cは実施例1に係る下降速度抑制機構を表す図面である。
【図17A】図17Aは第2の実施の形態に係る支持機構本体の斜視図である。
【図17B】図17Bは第2の実施の形態に係る図17AにおけるB部分の拡大斜視図である。
【図18A】図18Aは第3の実施の形態に係るLCDを折り畳む時の動作を概略的に示す動作説明図である。
【図18B】図18Bは第3の実施の形態に係るLCDを折り畳む時の動作を概略的に示す動作説明図である。
【図18C】図18Cは第3の実施の形態に係るLCDを折り畳む時の動作を概略的に示す動作説明図である。
【図18D】図18Dは第3の実施の形態に係るLCDを折り畳む時の動作を概略的に示す動作説明図である。
【図19A】図19Aは従来の技術のLCDの支持機構を概略的に示す説明図である。
【図19B】図19Bは従来の技術のLCDの支持機構を概略的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施の形態)
以下、図1を参照しながら本超音波診断装置の主な構成を概略的に説明する。図1は超音波診断装置全体の外観図である。
【0014】
図1に示すように、超音波診断装置は、主に画像表示装置(例えばLCDである)100、超音波プローブ200、操作パネル300及び装置本体400などを含む。装置本体400は、その底面に取付けたキャスタで移動可能な構造を用い、その内部に各種の制御及び処理などを行う制御装置が搭載されている。
【0015】
図2A、Bは、第1の実施の形態に係るLCDの折畳(下向きにほぼ90°回転する)支持機構全体の外観を示す。LCD100の支持機構1は、図2A、Bに示すように、支持機構本体1aと支持アーム1bを含む。この支持アーム1bは、超音波診断装置本体400に回転可能に取付けられている。
【0016】
また、図2Cのように、支持機構本体1aは、LCD取付板2、フレーム3、ハンドル機構部4及び回転機構部5を含む。LCDは、LCD取付板2によって支持機構本体1aのフレーム3に相対スライド可能に取付けられている。
【0017】
以下、図3〜6を参照しながら、上記支持機構本体1aを構成する各部を詳しく説明する。図3は第1の実施の形態に係るLCD取付板2とハンドル機構部4との接続構造を示す斜視図である。図4は第1の実施の形態に係るフレーム3を示す斜視図である。図5は第1の実施の形態に係る回転機構部5の分解斜視図である。図6は第1の実施の形態に係る回転機構部5の正面断面図である。
【0018】
図3に示すように、LCD取付板2は、ほぼ正方形であり(但し、正方形に限らず、長方形などの形状であってもよい)、その角部近傍には、ねじなどの固定手段によりLCD100を固定するための取付孔23が形成されている。このLCD取付板2の図中の上下方向のほぼ中央位置には、一対の制御ブロック21が設置されており、この制御ブロック21は、LCD取付板2からLCD取付板2とほぼ垂直に所定の高さで伸びることにより、フレーム3を挟むようにLCD取付板2とハンドル機構部4とを接続固定し、次に、上記ほぼ垂直に伸びる部分から、このLCD取付板2とほぼ水平な方向に沿って図面の斜め下方(つまりLCDの下端)に伸びることで、上記制御ブロック21を構成する。上記制御ブロック21のLCD取付板2と垂直に伸びる部分には、ねじなどの固定手段によりハンドル機構部4のブリッジ接続部41と固定接続するための取付孔が設けられる。上記制御ブロック21のLCD取付板2とほぼ水平に伸びる部分は、後述する第1の回転ブロック51の切欠き部516と第2の回転ブロック52の切欠き部523とで構成される係合部5121と係合するために用いられる。LCDが最下端(検査操作位置)に位置する場合に、係合部5121と上記制御ブロック21とが係合されているので、後述する第1の回転ブロック51と第2の回転ブロック52との間の相対回転が停止して、一体に回転する。
【0019】
また、上記一対の制御ブロック21はそれぞれの下方に断面「L」字形の止め金22が設置され、この止め金22には、上記「L」字形の一辺となり、後述する止め溝526と係合し、最下端に位置する及び上昇する過程のLCDが水平位置まで下向きに回転するのを防止できる立上り部が設けられている。その「L」字形の他辺は、ねじ又は接着などの固定手段により上記LCD取付板2に固定されている。当該LCD取付板には、中間段が凹む段差付き円柱状とし上面にねじを備える複数のガイドローラ24が設けられており(本実施形態の例では、上下左右の四つであり、左右の二つがブリッジ接続部41により遮られる)、ねじを捩り込むか又は外すことにより当該ガイドローラ24をフレーム3に設置されたガイド溝35に取付けられる。該ガイドローラ24とガイド溝35とでガイド機構を構成した。当然ながら、このような方式に限らず、従来技術におけるスライドレール等の機構を用いてもよい。
【0020】
また、図3に示すように、握り部43は、ブリッジ接続部41によりLCD取付板2の制御ブロックに接続されることにより、ハンドル機構部4は、LCD100と共にガイドされてフレーム3に対して上下移動可能である。図8、9に示すように、ブリッジ接続部41には、連結棒42、ロックレバー44、ねじりバネ45及び押圧棒46が回転可能に設けられており、ねじりバネ45は、ロックレバー44に取付けられて、常にロックレバー44に対して後述するフレーム3上のロック孔32と係合する方向へ付勢する。押圧棒46は、握り部43と共に連結棒42に固定接続されて一体に回転する。上記ロックレバー44は、その一端がこの押圧棒46により押圧されることにより、ねじりバネ45による付勢力に抗してロック孔32から離れる方向へ回転可能である。該ロックレバー44とロック孔32とでロック・アンロック機構を構成した。
【0021】
上記LCD取付板2、上記フレーム3、ロック・アンロック機構及び上記ガイド機構で、位置選択機構を構成した。
【0022】
このハンドル機構部4は以下の通り動作する。握り部43を手で押圧すると(図9Aでブランク矢印に示される方向)、ロックレバー44は、リンク42を介して握り部43の回転に連動する押圧棒46によりその一端が押圧されることにより、上記ねじりバネ45による付勢力に抗してロック孔32から離れる方向へ回転し(図9B)、即ち、ロックをアンロックする方向へ回転する。手が握り部43から離れると、ロックレバー44は、ねじりバネ45の付勢により、ロック孔32と嵌合する方向へ付勢され、最終にロック孔32に嵌合しロックされる。当然ながら、上述の嵌合ロック機構に限らず、従来の技術における嵌合ロック用の機構は、何れも採用することが可能である。
【0023】
次に、図4の斜視図を参照しながら本発明に係るフレーム3を説明する。フレーム3は、ほぼ矩形とし、矩形の四つの辺がほぼ垂直に立ち上がり、立ち上がった左右の両側辺の一方には(例えば、図の左側辺)、ハンドル機構部4の連結棒42が貫通可能な長穴31が設けられており、連結棒42は、この長穴31に沿って図中の上下方向にスライド可能である。このフレーム3の、上記ロックレバー44と係合しロックする位置に対応する位置には、上下2つのロック孔32が設けられており、上方に位置するロック孔32は、LCDを最上端(折畳む)位置まで移動させる時に、ロックレバー44と嵌合してそれをロックする孔であり、下方に位置するロック孔32は、LCDを最下端(検査操作)位置まで移動させる時に、ロックレバー44と嵌合してそれをロックする孔である。
【0024】
そして、該フレーム3には、上記ガイドローラ24に合せて上下方向に上記ガイドローラ24をガイドするガイド溝35が設けられており、上記ガイドローラ24とガイド溝35はガイド部を構成する。該ガイド溝の位置及び数は、特に限定されず、上記ガイドローラに対応すればよい。当然ながら、該フレーム3には、上記制御ブロック21と止め金22を貫通させて、ブリッジ接続部41を制御ブロック21に固定するブロック貫通孔36が設けられており、このブロック貫通孔36の位置及び数も、制御ブロック及び止め金の位置及び数に対応し、LCDが最上端及び最下端までスライドできるように制御ブロック21と止め金22がそれに沿って上下スライドすればよい。
【0025】
図7A、Bに示すように、一対の引張バネ33のそれぞれは、一対の滑車34のそれぞれを介してその一端が該フレーム3の底端近傍に固定接続され、他端がLCD取付板2のほぼ中央位置の制御ブロック21に接続されて、LCDの重量を相殺することにより、LCDを上下移動させる操作力の均一化とロックレバー44の上下位置での動作の安定化を実現する。また、滑車34により引張バネ33を「U」字形とし、よって、必要なバネ長さを保証し、バネ定数を減少することにより、操作力をさらに均一化する。
【0026】
以下、LCD100と支持機構本体1aのLCD取付板2、フレーム3とを回転可能に支持する回転機構部5を詳しく説明する。図5は、回転機構部5の分解斜視図である。図6は、該回転機構部5の横断面図である。図5、6に示すように、回転機構部5は、主に、一対の第1の回転ブロック51、一対の第2の回転ブロック52、及び第3の回転ブロック53を含み、上記一対の第2の回転ブロック52は、第3の回転ブロック53に対して対称配置されており、一対の第1の回転ブロック51も、第2の回転ブロック52を挟んで第3の回転ブロック53に対して対称配置されている。第3の回転ブロックも左右対称の構造である。かつ、第1〜第3の回転ブロックに設置される後述する構造も対称に存在し、それらが「一対」であることをさらに強調しない。
【0027】
第1の回転ブロック51は、図5、6に示すように、半円部510と矩形部512とで一体に構成され、矩形部512の側面には、フレーム3に取付けるための取付平面部513が設置され、この取付平面部513には、ねじなどの固定手段で当該第1の回転ブロック51をフレーム3に固定し取付けるための取付孔が設置される。該第1の回転ブロック51には、後述のプラグ50及び第3の回転ブロック53の軸534を挿入させるための、回転機構部5の軸方向に沿う貫通孔514が設けられており、該貫通孔514と同軸に該貫通孔の径方向の外側の、第1の回転ブロック51の軸方向端面の半円部510側には、第2の回転ブロック52に設置される後述する第2のピン522をガイドするための円弧形の第2のガイド溝511が設けられる。そして、該第1の回転ブロック51の図中の上方には、LCD取付板2に設置される制御ブロック21と係合するように後述する第2の回転ブロック52の切欠き部523と一緒に係合部5121を構成することにより、第1の回転ブロック51と第2の回転ブロック52とを一体に回転させる切欠き部516が設置される。
【0028】
第2のブロック52は、図5、6に示すように、ほぼ円形とし、第1の回転ブロック51に対向する軸方向の端面には、上記第2のガイド溝511に挿入される第2のピン522が設けられており、他方の端面には、後述する第3の回転ブロック53に設置される第1のガイド溝531に挿入される第1のピン521、及び、後述するねじりバネ533の端部が挿入されるためのねじりバネ固定孔525が設けられている。当然ながら、該第2の回転ブロック52の軸心には、軸受けなどを介して後述する軸534と嵌合するための貫通孔524が設けられている。当該実施の形態には、図6に示すように、軸534は、貫通孔514、524を貫通して、第1の回転ブロック51の軸方向の他方の端面に固定されるプラグ50の軸と回転可能に嵌合する。
【0029】
また、該第2の回転ブロック52の外周面に沿って上下方向の止め溝526が設けられてもよく、この止め溝526は、半径方向の断面形状が「コ」の字形(この形状に限らず、他の止め金と嵌合できる形状であってもよい)で、LCDが最下端に位置する時、及び下から上へ移動する上昇過程において、LCD取付板2に設置される止め金22が該留め溝526に嵌合してLCDの回転角度を制限することにより、この時のLCDが水平位置まで回転することを防止し、また、LCDが最上端まで移動し、止め金22と止め溝とが全く離れる場合にしか、LCDが水平位置まで回転しなく、具体的な動作は、図11A〜11Dに示され、図11A〜11Dは止め金22と止め溝526との間の互いの移動、嵌合関係を示す動作説明図である。LCDが最下端に位置する時は、同図11Bに示す嵌合状態にあり、上昇の過程は、同図11Cに示す嵌合状態にあり、最上端に位置する時は、同図Dに示す嵌合状態にある。
【0030】
該図から、図11B、11Cの状態にある場合に、第2の回転ブロック52は、止め金と係合して、フレーム3に対して回転できないことが分かる。
【0031】
また、LCD取付板2に取付けられた制御ブロック21、止め金22、第1の回転ブロック51及び第2の回転ブロック52における係合部5121、及び第2の回転ブロック52の止め溝526で、回転阻止機構を構成した第3の回転ブロック53は、図5、6に示すように、ほぼ円柱状とし、ねじりバネ535を固定するためのリング状の一対のねじりバネ固定溝536が軸方向に対称に設置されており、ねじりバネ固定溝536には、ねじりバネ533が固定設置されており、かつ、このねじりバネの一端がこの溝の端面から伸び出して上記ねじりバネ固定孔525に挿入されることにより、このねじりバネ533によりLCDの自重により発生するモーメントを相殺する。リング状のねじりバネ固定溝536の中央位置には、第3の回転ブロック53の軸534が設けられており、この軸534は、第3の回転ブロック53の軸に沿って第1の回転ブロック51の貫通孔514まで延び、この軸は皿バネ532を挿通し、この皿バネ532は、軸方向に第2の回転ブロックと第3の回転ブロックとの間に位置し、それらの間に摩擦力を大きくするように軸方向圧力が発生することにより、LCD自重による回転機構の回転の問題を防止し、回転時の操作力を制御する。当然ながら、皿バネに限らず、第2の回転ブロックと第3の回転ブロックとの間の摩擦力を大きくすることができる他のものを用いてもよい。
【0032】
また、該第3の回転ブロック53のねじりバネ固定溝の、第3の回転ブロック53の半径方向の外側には、上記第1のピン521と係合する第1のガイド溝531が設けられる。かつ、該第3の回転ブロック53は、装置本体400に回転可能に支持される支持アーム1bに固定されるか、又は一体に接続される。
【0033】
よって、図7に示すように、LCD取付板2に固定されるLCD100は、支持機構本体1aのフレーム3にスライド可能に取付けられ、ハンドル機構部4は、LCD取付板と固定接続されることにより、フレーム3に沿って一緒に上下スライド可能であり、回転機構部5は、その取付平面部513を介して上記フレーム3に固定されているので、LCD100、LCD取付板2、フレーム3、ハンドル機構部4は、全体として支持アーム1bに対して上下方向に回転できる。
【0034】
以下、図7、12、13を参照しながら当該実施の形態の支持機構1の動作を説明する。
【0035】
まず、図7A及び図13Aに示すように、LCDが最下方のLCD表示面の観察位置つまり最下端に位置し、ハンドル機構部4のロックレバー44は、ねじりバネ45により、フレーム3に形成され下方のロック孔32に係合してロックされ、この時、ハンドル機構部4がロックされて移動できないので、該ハンドル機構部4に固定接続されるLCD取付板2及びLCD100もロックされて上下移動できない。この時、LCDを上下回転すると、LCD取付板2の制御ブロック21は、回転機構部5の第1の回転ブロックの切欠き部516及び第2の回転ブロック52の切欠き部523からなる係合部5121に係合するので、第1の回転ブロック51と第2の回転ブロック52が一体に回転する。そして、図5に示すように、第1の回転ブロック51と第2の回転ブロック52が一体になって第3の回転ブロック53に対して回転する。この時、第2のブロック52が第3のブロック53に対して回転し、第1の回転ブロック51と第2の回転ブロック52とが相対的に静止しているので、第1のピン521と第1のガイド溝531との嵌合だけが機能し、第2のピン522と第2のガイド溝514との嵌合は機能しない。この時、第1のガイド溝531の周方向の長さは、例えば第2の回転ブロック52が上向き25°、下向き10°回転させる長さに設定されると、第2の回転ブロックの回転範囲を35°に限定できる。当然ながら、該回転範囲は、第1のガイド溝531の周方向の長さを変更することにより、所望の角度範囲に制限される。
【0036】
次に、操作者は、図12Aにおけるブランク矢印の方向に力を加えることで、ねじりバネ45の付勢に抗してロックレバー44をロック孔32から押出し、これにより、ハンドル機構部4のロックをアンロックし、それを上下移動可能にする。この時、操作者が、手で矢印の方向へハンドル機構部4の握り部43を押圧すると共にLCDを持ち上げると、LCD100、LCD取付板2、ハンドル機構部4は、一緒にフレーム3に対して上向きに移動する。このように、該ハンドル機構部4に固定されるLCDなどは、手による推進力で上向きに移動する(図12B参照)。この時、制御ブロック22と係合部5121との係合がアンロックされるが、図11Cに示すように、LCDが最上端位置に達するまで、依然として止め金22と止め溝526が相対的にスライドするように嵌合しているので、第2の回転ブロック52が第1の回転ブロック51と共に、依然としてフレーム3に対して回転できないため、上述と同じように、第1のピン521だけが機能して、上記第1のピン521に嵌合する第1のガイド溝531によりLCD100の回転角度が制限される。よって、この時に制御ブロック21と係合部5121との係合がアンロックされたとしても、LCD100は、最上端位置に達するまで90°回転することなく、LCDの上昇動作の安定性を確保する。
【0037】
最後に、LCD100が最高の位置に上昇した場合(図7B)、止め金22と止め溝526との係合がアンロックされる(図11D参照)。よって、第1の回転ブロック51と第2の回転ブロック52との間にはほとんど摩擦力がなく、かつ、第2の回転ブロックと第3の回転ブロックとの間には摩擦力を大きくする皿バネ532があるので、第2の回転ブロック52が、フレーム3に固定される第1の回転ブロックに対して第3の回転ブロック53と一緒に回転する。この時、第2のピン522は、主として機能し、かつ、第1の回転ブロック51に設置された第2のガイド溝511と嵌合して、LCDの回転角度を制限する。この時、第2のガイド溝511の周方向の長さは、例えば第1の回転ブロック51が第2、第3回転ブロックに対して上向き25°、下向き90°回転させる長さに設定されると、第1の回転ブロックの回転範囲を115°に限定できる。これによって、LCD100は、図13Dに示すように回転する。当然ながら、該回転範囲は、第2のガイド溝511の周方向の長さを変更することにより、所望の角度範囲に制限される。上記これらガイド溝とガイド用のピンとで回転範囲制限部を構成した。
【0038】
このように、LCDの検査操作状態から折畳んだ状態への切替え動作を実現する。当然ながら、この折畳んだ状態から検査操作状態への動作は、これと逆であるだけなので、ここではさらに記述しない。
【0039】
この第1の実施の形態によれば、検査操作時に、操作者は、画像表示装置を検査操作に適する最下端位置に設置して画面を観察し、該画像表示装置を小さい回転角度範囲内に回転可能にして観察角度に適応する。搬送する必要があって折畳む場合に、画像表示装置を上向きに移動さえすれば、回転角度範囲を変更して下向きに90°回転して折畳むことができ、かつ、画像表示装置を最上端位置まで上向きに移動させる過程には、下向きに90°回転することがないので、診断・検査時の画像表示面調整の操作性に影響を与えず、移動・保管中の画像表示装置の画像表示面を下向きに倒すことができることで、装置移動性を向上し、画像表示面の汚れや損傷を防ぐことができ、かつ、操作者の負担を大きくすることなく、操作者に観察の快適感を与えることができる。
【0040】
上記最下端位置とは、画像表示装置100が回転機構5に対してその上昇/下降移動する範囲内の最下端に位置することをいい、この場合に、ガイドローラ24は、ガイド溝35の最下端にある。上記最上端位置とは、画像表示装置100が回転機構5に対してその上昇/下降移動する範囲内の最上端に位置することをいい、この場合に、ガイドローラ24は、ガイド溝35の最上端にある。
【0041】
しかし、画像表示装置100は、その自重により、最上端位置から最下端位置に下降する過程において、急下降することで、ガイドローラ24がガイド溝35の底端に衝突し、破砕し易い部材である表示画面が破損するなどの問題が現れ易い。よって、操作者は画像表示装置100に対し上記上向きの持ち上げ力よりも小さい力を慎重且つゆっくりと持続的に加える必要があり、操作上の不快感をもたらす。かつ、当該装置を初めて操作する人にとっては、加える力が均一でないことから画像表示装置100などの損傷をもたらし易い。
【0042】
上記問題を鑑み、更なる研究を行った結果、さらに、上記画像表示装置100の下降時の下降速度を抑制することにより、当該下降速度を、上記画像表示装置100がその自重により下降する自由速度に比して低下させる、超音波診断装置に設置される下降速度抑制機構Kを提案した。
【0043】
以下、実施例を参照しながら当該下降速度抑制機構Kを説明する。
【0044】
(実施例1)
図14A、14Bを参照しながら下降速度抑制機構Kの実施例1を説明する。図14は、下降速度抑制機構Kの構造を明瞭に示すために、その各部材の相対的運動を全面的に表現できるいわゆる側面図を以って説明を行う。ここで、その他の図面は省略する。
【0045】
LCD取付板2には、画像表示装置100の上昇/下降方向に伸びるラックK11、カムK12が固定され、当該ラックK11の歯は、ラックK11の後述するピニオンK21に面する側に形成され、当該カムK12は、上記ラックK11の歯に近接するように当該ラックK11の下端外側に形成されている。また、カムK12は、案内溝K121を備え、当該案内溝K121は、閉鎖した環状を形成し、後述する滑車K22をガイドする。このラックK11とカムK12から画像表示装置側固定部材K1を構成する。
【0046】
フレーム3には、支持機構側付勢部材であるレバーK2が固定されている。具体的には、当該レバーK2は、その略中心に位置する支点K20を介してフレーム3に回転自在に固定されている。当該レバーK2は、その一端に軸心に対して減衰回転し上記ラックK11の歯に噛合可能なピニオンK21を備え、他端に、上記案内溝K121にガイドされるように嵌合される滑車K22を備える。
【0047】
図14Aに示すように、画像表示装置100を用いて検査動作を行う場合に、画像表示装置100は最下端位置にあり、ラックK11の上端の歯はピニオンK21に噛合い、滑車K22はカムK12の案内溝K121の右上角に位置する。
【0048】
次に、図14Bに示すように、画像表示装置100が上昇し始めると、ラックK11は、ピニオンK21に対し、それを時計回りに回転させる力を加える。ピニオンK21は軸心に対して減衰するため回転し難いので、当該ピニオンK21は、それが所在するレバー2の一端に右向きの力を加える。これにより、レバーの他端の滑車K22は、案内溝K121に沿って左向きにその左上角まで水平にスライドする。その結果、ピニオンK21は、ラックK11の歯から離れてその外に位置し、ラックK11に力を加えないので、画像表示装置100は順調に上昇することができる。
【0049】
図14Cに示すように、画像表示装置100が上昇しているところで、滑車K22は、案内溝K121にその左上角から下向きに直線的にスライドする。画像表示装置100が最上端位置に達しようとする直前に、滑車K22はカムK12の左下角に位置し、ピニオンK21はラックK11の下端外側に位置する。画像表示装置100が引き続き上昇すると、滑車K22は上記左下角の斜下方の右下角へ直線的にスライドし、右下角に達した時に、ピニオンK21はラックK11に完全に噛合い、画像表示装置100は最上端位置(つまり、画像表示装置の上昇/下降移動する範囲内の最上端位置)に達する。
【0050】
次に、図14Dに示すように、画像表示装置100が最上端位置から下降しているところで、滑車K22は、案内溝K121の右下角により制限され、右方又は下方へ移動することができず、ピニオンK21とラックK11の歯は始終噛合っている。ピニオンK21は軸心に対して減衰するため、ラックK11とピニオンK21との噛合速度は低い。画像表示装置100の下降速度は、当該噛合により決まるため、画像表示装置100の下降速度は、その自重による下降の速度よりも小さく抑制される。
【0051】
また、画像表示装置100が下降しているところで、LCD取付板2に固定されたカムK12も、画像表示装置100と一緒に下降するため、滑車K22は、案内溝K121に対して上向きに直線的にスライドする。画像表示装置100が最終的に最下端位置まで下降した時に、ラックK11、カムK12及びピニオンK21は、上記図14Aに示す状態に戻る。
【0052】
上述のように、カムK12の案内溝K121は、四つの角部を有する四辺形に形成され、滑車K22を、上記軌跡の動作を行うように案内する。また、ラックK11とピニオンK21の噛合い、及びカムK12と滑車K22の協力が、互いに干渉しないことを確保するために、ラックK11とカムK12は互いにずれた平行する面に配置され、かつ、ピニオンK21はラックK11のある面に配置され、滑車K22はカムK12のある面に配置され、レバーK2は当該2つの面の間に配置されることが好ましい。
【0053】
(実施例2)
図15A、Bを参照しながら、下降速度抑制機構Kの実施例2を説明する。
【0054】
LCD取付板2には、画像表示装置の上昇/下降方向に伸びるレールK3が固定され、当該レールK3だけにより画像表示装置側固定部材が構成される。当該レールK3のLCD取付板2に固定された面に隣接するある側面は、レール面となる。当該レール面は粗面であることが好ましい。
【0055】
フレーム3に固定されている支持機構側付勢部材は、固定子である電磁コイルK41と、可動子である柱K42と、電磁コイルK41が収納されているコイルフレームK40とで構成される。当該コイルフレームK40を支点としてフレーム3に対して固定される。電磁コイルK41の励磁時に、柱K42がレールK3のレール面に接触し、電磁コイルK41の励磁を解除した時に、柱K42がレール面から離れる。
【0056】
図15Aに示すように、画像表示装置100が最下端位置から上昇し始めると、電磁コイルK41の励磁を解除し、柱K42がレールK3から離れ、レールK3に力を加えず、画像表示装置100は順調に上昇する。
【0057】
図15Bに示すように、画像表示装置100が最上端位置から下降し始めると、電磁コイルK41が励磁し、柱K42が、レールK3のレール面に接触してレールK3に上向きの摩擦力を加えることで、レールK3の下降速度を低下させる。画像表示装置100の下降速度は、当該レールK3の下降速度により決まるので、画像表示装置100の下降速度は、その自重による下降の速度よりも小さく抑制される。
【0058】
(実施例3)
図16A、B、Cを参照しながら、下降速度抑制機構Kの実施例3を説明する。
【0059】
LCD取付板2には、画像表示装置の上昇/下降方向に伸びるレールK5が固定され、当該レールK5のみで画像表示装置側固定部材が構成される。当該レールK5のLCD取付板2に固定された面に隣接する2つの側面は、レール面となる。
【0060】
フレーム3には、支持機構側付勢部材である2つのレバーK6、K6が固定されている。具体的には、当該レバーK6、K6は、それぞれの一端部である支点K60、K60を介してフレーム3に回転自在に固定される。当該レバーK6、K6の対向する内側寄りの他端部K61、K61は、それぞれレールK5の2つのレール面に接触する。前記支点K60、K60となる端部は、前記端部K61、K61よりもレール面から離れる。よって、当該2つのレバーK6、K6は、ハの字形を構成し上記レールK5をその間に挟んでいる。また、端部K61、K61は、弾性変形が可能である。
【0061】
図16Aに示すように、画像表示装置100が最下端位置にある場合に、端部K61、K61は、レールK5と相対的運動がなく、端部K61、K61は弾性変形が発生しない。
【0062】
図16Bに示すように、画像表示装置100が上昇すると、レールK5は、他端部K61、K61に上向きの力を加える。2つのレバーK6、K6は、それぞれ支点K60、K60を中心に、レール面から離れる反時計回りの方向に回転する。しかし、レバーK6、K6各々の重心が支点K60と端部K61との間にあるので、レバーK6、K6は支点K60、60を中心に重力により時計回りに回転し、レール面から離れたばかりの端部K61、K61は、それぞれレールに接近して、またレール面に当接する。このように、画像表示装置100が上昇する過程において、2つのレバーK6、K6がレール面に繰り返して接離することにより、レールK5への付勢力を減少させて、画像表示装置100は比較的に順調に上昇することができる。
【0063】
図16Cに示すように、画像表示装置100が最上端位置まで上昇して、下降し始めると、レールK5は、端部K61、K61に下向きの力を加える。2つのレバーK6、K6は、それぞれ支点K60、K60を中心に、レールK5に接近する時計回りの方向に回転し、レール面を押圧して弾性変形が発生する。当該弾性変形によりレールK5に抵抗力を加えることで、レールK5の下降速度を低下させる。画像表示装置100の下降速度は、当該レールK5の下降速度により決まるので、画像表示装置100の下降速度は、その自重による下降の速度よりも小さく抑制可能である。
【0064】
上記の各実施例のように、下降速度抑制機構Kを設けることにより、画像表示装置100の下降時の下降速度を抑制することができ、画像表示装置の破損などを防止することができる。
【0065】
(第2の実施の形態)
以下、図17A、17Bを用いて第2の実施の形態を説明する。本実施の形態では、上記第1の実施の形態と同じ部分について、詳細な図示及び説明を省略し、ここで、その相違点だけについて記述する。
【0066】
図17Aに示すように、第2の実施の形態では、第1の実施の形態における引張バネ33及び滑車34の代わりに一対のコンストンバネ8を用い、ハンドル機構部4の変わりにレール機構7を設ける。上記コンストンバネ8のリールは、フレーム3のほぼ上端中央位置に固定され、引出した自由端は、レール機構7の被ガイド板71に固定される。上記レール機構7は、被ガイド板71とフレーム3に固定される一対のレール37とを備える。被ガイド板71は、ねじなどの固定手段でLCD取付板2の制御ブロック21に固定接続され、その図面の左右両側に上下方向を貫通するガイド部を備えることにより、レール37が該ガイド部を貫通するようにこの被ガイド板71をガイドする。該被ガイド板71とレール37とでもう一つのガイド機構を構成した。
【0067】
また、被ガイド板71の左右両端のフレーム3と垂直な側面のうち一方の側面(例えば、左側の側面)には、2つの位置決め孔73、74が設けられており、この2つの位置決め孔73、74は、それぞれLCDの最上端位置と最下端位置に対応する。フレーム3には、固定ブロック38がさらに設けられ、この固定ブロック38には、上記位置決め孔の方向つまり図中の左右方向に向いて貫通孔が開設される。「L」字形の牽引棒72の一方の辺は、この貫通孔を貫通してLCDの最上端位置と最下端位置に対応して上記位置決め孔73、74とそれぞれ嵌合する。また、この固定ブロック38と被ガイド板71の位置決め孔を設けた側面との間に、上記「L」字形の牽引棒72の一方の辺となる軸は引張バネ75を外嵌し、この引張バネ75は、常に上記牽引棒72の一端を上記位置決め孔に挿入させる方向へ上記牽引棒72に付勢する。上記「L」字形の牽引棒72の他方の辺には、牽引ボタン76を設けることにより、操作者がこの牽引ボタン76を握って図17Bのブランク矢印に示す方向へ牽引棒72を引っ張る。この牽引棒72と位置決め孔73、74とでもう一つのロック・アンロック機構を構成した。
【0068】
当該第2の実施の形態のレール機構7は以下の通り動作する。即ち、LCD100が最下端に位置する時に、矢印に示す方向へ牽引ボタン76を引っ張ると、牽引棒72の一端が引張バネ75による付勢力に抗して下位置決め孔74から引き出され、この時、牽引ボタン76を引っ張ると共にLCDを上方へ移動させることができる。最上端位置まで移動する時に、引張ボタン76を弛め、牽引棒72は、その一端が引張バネ75による付勢力により上位置決め孔73に挿入されることにより、LCD100が最上端位置に移動した。次の折畳み動作については、上記第1の実施の形態と同じなので、ここで再度記述しない。
【0069】
本実施の形態は、上記構造により上記第1の実施の形態と同じ作用効果を奏することができる。また、本実施の形態では、引張バネ33の代わりにコンストンバネ8を用いることにより、操作力がより均一になる。
【0070】
(第3の実施の形態)
以下、図18を用いて第3の実施の形態を簡単に説明する。本実施の形態では、上記第1の実施の形態と同じ部分について、詳細な図示及び説明を省略し、ここでは、その相違点だけについて記述する。
【0071】
第3の実施の形態では、第1の実施の形態の支持機構本体1aの代わりに以下の構造が設置されている。即ち、LCD取付板2(図示せず)には、上下方向に配列された2つの回転軸81、82が固定されるか、または一体に形成され、上回転軸81は、検査・診断時に用いられる回転軸であり、LCD100の重心位置近傍にあるが、移動・保管時に用いられる下回転軸82は上回転軸の下方にある。この2つの回転軸は、以下の構造を用いることができる。即ち、第1の実施の形態における第1の回転ブロックに相当する部分は、LCD取付板2に固定され、第1の実施の形態における第3の回転ブロックに相当する部分は、下述する軸取付座84、85に固定嵌合され(締りばめ)、第1の実施の形態における第2の回転ブロックに相当する部分を省略する。第1の回転ブロックに相当する部分と第2の回転ブロックに相当する部分におけるガイド溝とガイドピンの嵌合により、上回転軸81の回転範囲と下回転軸82の回転範囲は、それぞれ第1の実施の形態でLCDが最上端と最下端に位置する時の回転範囲と同じようになる。軸接続部83は、プラスチックなどの弾性物質からなり、所定の力により回転軸81又は82を着脱できる着脱可能な嵌合機構であり、上下回転軸81、82を取付けるための上下2つの軸取付座84、85を備える。軸取付座84、85は、回転軸81、82の半円形周面に合せる半円形柱面を有し、その半径は、回転軸の半径より僅かに小さくなるべきである。
【0072】
該第3の実施の形態では、以下の通り動作する。検査・診断時に、上回転軸81だけを軸接続部83に挿入して嵌合する(図18A参照)。移動・保管時に、まず上下回転軸81、82を皆軸取付座84、85に嵌合した後(図18B、18C参照)、軸取付座84と上回転軸81との嵌合をアンロックし(図18D参照)、このように、下回転軸82を回転軸として、LCDを下向きに倒すように回転できる。
【0073】
本実施の形態では、上記構造により上記第1の実施の形態と同じ作用効果を奏することができる。また、本実施の形態では、LCD取付板2に固定された2つの回転軸81、82と軸接続部83との嵌合構造を用いることにより、支持機構本体の構成をさらに簡素化できる。
【0074】
なお、上記第1〜3の実施の形態は、以下の通り変形してもよい。即ち、第2の回転ブロック52にガイド用の第1及び第2のピンが設置されるとともに、第3の回転ブロック53と第1の回転ブロック51に第1、第2のガイド溝が設置された構造の代わりに、第3の回転ブロック53と第1の回転ブロック51にそれぞれガイド用の第1、第2のピンが設置されるとともに、第2の回転ブロック52に上記第1、第2のピンにそれぞれ対応する第1、第2のガイド溝が設置される。
【0075】
当然ながら、本発明について、当業者は創造性のある労働を必要とせずに他の変更を行うことができる。上記実施の形態は、本発明をより容易に理解するために挙げた例に過ぎず、本発明を限定するものではない。従って、本発明の範囲内で、上記実施の形態で開示された各部品とパーツは、同じ役割を果たす物に取り替え新たに設計したり改良したりすることができる。さらに、これらの部品又はパーツのいかなる可能な組合せも、本発明の範囲内に含まれているので、その利点が本発明の実施例の持つ利点と似通ってさえいればよいのである。
【0076】
上記説明によれば、本発明の各種の改良と変化は可能である。従って、付加した特許請求の範囲内で、ここで特定した記載を除いても、本発明は他の方式で実現することができると理解すべきである。
【符号の説明】
【0077】
100…画像表示装置、200…超音波プローブ、300…操作パネル、400…装置本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示装置、超音波プローブ、操作パネル、装置本体及び支持機構を備える超音波診断装置であって、
前記支持機構は、支持機構本体及び支持アームを含み、前記画像表示装置は、支持機構本体に取付けられ、前記支持アームにより前記装置本体に支持されており、
前記支持機構本体には、
前記画像表示装置を上下方向へ回転する回転機構と、
前記画像表示装置を前記回転機構に対して上昇/下降移動させる位置選択機構と、
前記画像表示装置が前記回転機構に対して前記上昇/下降移動する範囲内の最上端位置以外の位置にある場合に、前記画像表示装置の水平倒し位置への回転を阻止する回転阻止機構と、を設けることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記位置選択機構は、前記画像表示装置を固定取付けるための取付板と、前記回転機構を取付け前記取付板が相対的に上下スライド移動可能なフレームと、前記画像表示装置が前記回転機構に対して前記上昇/下降の移動範囲における最上端位置又は最下端位置にある場合に、前記取付板を前記フレームに対してロックするか又はアンロックするロック・アンロック機構と、前記取付板を、前記フレームに対して上下スライド移動させるようにガイドするガイド機構とを含むことを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記回転機構は、前記フレームに固定取付ける一対の第1の回転ブロックと、この第1の回転ブロックに対して回転可能であり、外周面がほぼ円筒形である一対の第2の回転ブロックと、この第2の回転ブロックに対して回転可能な第3の回転ブロックとを含み、
前記第2の回転ブロックは、前記第3の回転ブロックの回転軸に左右対称に設けられ、前記第1の回転ブロックは、左右対称に前記第2の回転ブロックを挟んで前記第3の回転ブロックの回転軸に設けられることを特徴とする請求項2記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記回転阻止機構は、前記取付板に取付けられた制御ブロック、止め金、係合部及び止め溝を含み、
前記第1の回転ブロックは、その外周に軸方向に延びる第1の切欠き部が設けられ、
前記第2の回転ブロックは、その外周に軸方向に延びる第2の切欠き部と、前記止め溝とが設けられ、
前記第1の切欠き部が第2の切欠き部と一緒に前記係合部を構成し、
前記制御ブロックは、前記フレームに設けられたブロック貫通孔を貫通するように前記係合部に係合して第1の回転ブロックと第2の回転ブロックとを一体に回転させることにより、前記画像表示装置が前記回転機構に対して最下端に位置する時の水平倒し位置への回転を制限し、
前記止め金は、前記止め溝に挿入可能であり、前記フレームに設けられたブロック貫通孔を貫通するように前記止め溝に係合することにより、相対移動中に前記画像表示装置の水平倒し位置への回転を制限することを特徴とする請求項3記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記止め溝は、外周面に沿う一部の円弧とこの円弧の両端を接続する弦とで形成された領域を切り取って形成され、半径方向の断面形状が「コ」の字形の溝であることを特徴とする請求項4記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記回転機構は、回転範囲制限部をさらに含み、
この回転範囲制限部は、
前記第1の回転ブロックに設置されたガイドピン又は円弧状のガイド溝と、該第1の回転ブロックのガイドピン又はガイド溝に合せて第2の回転ブロックの第1の回転ブロックに対向する面に相応的に設置された円弧状ガイド溝又はガイドピンとを含む第1の回転範囲制限部と、
前記第2の回転ブロックの他面に設置されたガイドピン又は円弧状のガイド溝と、
該第2の回転ブロックのガイドピン又はガイド溝に合せて第3の回転ブロックの第2の回転ブロックに対向する面に相応的に設置された円弧状ガイド溝又はガイドピンとを含む第2の回転範囲制限部と、を含み、
前記回転範囲制限部は、前記ガイド溝の円弧長さにより前記画像表示装置の上下方向の回転範囲を制限するものであり、前記第1の回転ブロックと第2の回転ブロックとが一体に回転する時に、第2の回転範囲制限部におけるガイド溝の円弧長さにより回転範囲を制限し、前記第2の回転ブロックと第3の回転ブロックとが一体に回転する時に、第1の回転範囲制限部におけるガイド溝の円弧長さにより回転範囲を制限することを特徴とする請求項4記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記画像表示装置が前記回転機構に対して最下端位置にある場合に、前記画像表示装置を前記第2の回転範囲制限部で制限された範囲内に回転可能であり、前記画像表示装置が前記回転機構に対して最上端位置にある場合に、前記画像表示装置を前記第1の回転範囲制限部で制限された範囲内に回転可能であることを特徴とする請求項6記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記第1の回転範囲制限部に制限された下向きの回転角度最大値は90°であることを特徴とする請求項7記載の超音波診断装置。
【請求項9】
前記第1の回転ブロックは、その軸方向に平行し、前記フレームに固定取付けるための取付面をさらに設けており、
前記第3の回転ブロックの軸心には、両側に延びるように前記回転軸が設けられて、その外周面の軸方向中央位置において前記支持アームに固定接続されていることを特徴とする請求項4記載の超音波診断装置。
【請求項10】
前記ガイド機構は、前記取付板に設置された複数のガイドローラと、前記複数のガイドローラに対応して前記フレームに設置された複数のガイド溝とを含むことを特徴とする請求項2記載の超音波診断装置。
【請求項11】
前記ロック・アンロック機構は、フレームに設置された上下2つのロック孔と、リンクを介して取付板に回転可能に接続されてそれぞれ前記ロック孔に係合せてロックするロックレバーと、付勢バネとを含み、
前記ロック孔の位置は、前記画像表示装置が前記回転機構に対して最上端位置と最下端位置にある場合に、前記ロックレバーが前記付勢バネの付勢によりそれぞれ上下の前記ロック孔に係合せてロックされるように設定されており、
前記画像表示装置を上下移動させる時に、前記付勢バネによる付勢力に抗するように前記ロックレバーを動作させてロックをアンロックすることを特徴とする請求項10記載の超音波診断装置。
【請求項12】
前記ガイド機構は、前記フレームを挟むように前記取付板の前記制御ブロックに固定設置された被ガイド板と、前記被ガイド板に設置された一対の貫通孔と合せてガイドを行い、前記フレームに設置された一対のレールとを含むことを特徴とする請求項2記載の超音波診断装置。
【請求項13】
前記ロック・アンロック機構は、前記被ガイド板の側面に設置された上下2つの位置決め孔と、フレームに固定された固定ブロックにスライド可能に設置される牽引棒と、付勢バネとを含み、
前記位置決め孔の位置は、前記画像表示装置が前記回転機構に対して最上端位置と最下端位置にある場合に、前記牽引棒が前記付勢バネの付勢によりそれぞれ上下の前記位置決め孔に係合せてロックされるように設定されており、
前記画像表示装置を上下移動させる時に、前記付勢バネによる付勢力に抗するように牽引棒を動作させてロックをアンロックすることを特徴とする請求項12記載の超音波診断装置。
【請求項14】
前記第3の回転ブロックの前記回転軸には、第2の回転ブロックと第3の回転ブロックとの間に第2の回転ブロックと第3の回転ブロックとの間の摩擦力を増大させる皿バネが設けられていることを特徴とする請求項9記載の超音波診断装置。
【請求項15】
前記支持機構本体には、さらに、画像表示装置の重量を相殺又は軽減できる機構が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項16】
前記画像表示装置の重量を相殺又は軽減できる機構は、引張バネであり、その一端が前記取付板に接続され、他端が前記フレームに接続されていることを特徴とする請求項15記載の超音波診断装置。
【請求項17】
前記画像表示装置の重量を相殺又は軽減できる機構は、コンストンバネであり、その一端が前記取付板に接続され、他端が前記フレームに接続されていることを特徴とする請求項15記載の超音波診断装置。
【請求項18】
画像表示装置、超音波プローブ、操作パネル、装置本体、及び支持機構を備える超音波診断装置であって、
前記支持機構は、支持機構本体及び支持アームを含み、
前記支持機構本体は、前記画像表示装置を固定取付けるための取付板と、前記画像表示装置を上下方向回転させるための回転軸を構成し、該取付板に取付けられる上回転軸及び下回転軸と、弾性物質からなる軸接続部と、を含み、
前記軸接続部は、前記支持アームに固定接続され、上下回転軸を取付けるための上下2つの軸取付座を備え、
前記下回転軸は、前記画像表示装置を水平位置まで回転可能なものであることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項19】
前記画像表示装置が下降する際の下降速度を、前記画像表示装置が自重により下降する自由速度より小さくするように抑制する下降速度抑制機構を、さらに備えることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項20】
前記下降速度抑制機構は、
前記画像表示装置と一体に上下動する方式で当該画像表示装置に対して固定される画像表示装置側固定部材と、
支点を介して支持機構に対して固定され、前記画像表示装置側固定部材を上向きに付勢する抑制状態と、前記画像表示装置側固定部材を付勢しない解放状態との間に切り替え可能な支持機構側付勢部材と、を含み、
前記画像表示装置が上昇する際に、前記支持機構側付勢部材は前記開放状態にあり、
前記画像表示装置が下降する際に、前記支持機構側付勢部材は前記抑制状態にあり、当該画像表示装置の下降速度をその自重による下降速度より小さくすることを特徴とする請求項19記載の超音波診断装置。
【請求項21】
前記支持機構側付勢部材は、支点を介して支持機構に対して回転自在に支持されることを特徴とする請求項20記載の超音波診断装置。
【請求項22】
前記画像表示装置側固定部材は、前記上昇/下降移動する方向に伸びるラックと、ガイド溝を形成したカムとを備え、
前記支持機構側付勢部材は、その一端が、軸心に対して減衰回転し前記ラックに噛合可能なピニオンを有し、他端が、前記カムの前記ガイド溝によりガイドされる滑車を有し、前記支点が前記ピニオンと前記滑車との間に位置し、
前記画像表示装置が上昇する際に、前記ガイド溝による前記滑車へのガイドにより、前記支持機構側付勢部材を前記解放状態にし、前記ピニオンが前記ラックから離れ、
前記画像表示装置が下降する際に、前記ガイド溝による前記滑車へのガイドにより、前記支持機構側付勢部材を前記抑制状態にし、前記ピニオンが前記ラックに噛合わせることを特徴とする請求項21記載の超音波診断装置。
【請求項23】
ラックとカムは、互いにずれた平面に配置され、ピニオンは、ラックが所在する平面に配置され、滑車はカムが所在する平面に配置され、支持機構側付勢部材は、当該2つの平面の間に配置されていることを特徴とする請求項22記載の超音波診断装置。
【請求項24】
前記画像表示装置側固定部材は、前記上昇/下降移動する方向に伸びるガイドレールであり、
前記支持機構側付勢部材は、
前記支点となるコイルフレームに収納される電磁コイルと、
前記電磁コイルの励磁時に、前記ガイドレールに接触して上向きの摩擦力を加え、前記励磁を解除した時に、前記ガイドレールから離れる、コアである柱とを備えることを特徴とする請求項20記載の超音波診断装置。
【請求項25】
前記柱の前記ガイドレールに接離する部分は、弾性変形可能であることを特徴とする請求項24記載の超音波診断装置。
【請求項26】
前記下降速度抑制機構は、
前記画像表示装置と一体に上下動する方式で当該画像表示装置に対して固定される画像表示装置側固定部材と、
支点を介して支持機構に対して固定され、前記画像表示装置側固定部材を上向きに付勢する抑制状態と、前記画像表示装置側固定部材を前記上向きの付勢力よりも小さい力で付勢する解放状態との間に切り替え可能な支持機構側付勢部材と、を含み、
前記画像表示装置が上昇する際に、前記支持機構側付勢部材は前記解放状態にあり、
前記画像表示装置が下降する際に、前記支持機構側付勢部材は前記抑制状態にあり、当該画像表示装置の下降速度をその自重による下降速度より小さくすることを特徴とする請求項19記載の超音波診断装置。
【請求項27】
前記支持機構側付勢部材は、支点を介して支持機構に対して回転自在に固定されることを特徴とする請求項26記載の超音波診断装置。
【請求項28】
前記画像表示装置側固定部材は、前記上昇/下降移動する方向に伸びるガイドレールであり、
前記支持機構側付勢部材は、前記ガイドレールを挟む八字形となる2つのレバーであり、
前記2つのレバーの対向する内側寄りの端部は、それぞれ前記ガイドレールに接触し、前記2つのレバーの対向する外側寄りの端部は、前記支点とされることを特徴とする請求項26記載の超音波診断装置。
【請求項29】
前記2つのレバーの対向する内側寄りの端部は、弾性変形可能であることを特徴とする請求項28記載の超音波診断装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図19A】
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【図19B】
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【公開番号】特開2011−147786(P2011−147786A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11847(P2011−11847)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】