説明

超音波診断装置

【課題】 超音波診断装置の被検者レポートにおいて、被検者情報、計測結果、
超音波画像等の表示内容、表示位置、表示サイズ等の情報のうち個々の使用目的
にあった被検者レポートを作成する。
【解決手段】 被検体に超音波を送信し、該被検体からの反射エコー信号を受信
し、該受信信号を画像化処理により超音波画像を形成し、該超音波画像を用いて
各種計測処理し、被検者情報及び計測結果、超音波画像を被検者レポートとして
表示する超音波診断装置において、前記被検者情報、計測結果、及び超音波画像
の中から被検者レポートに必要な情報及び/又は超音波画像を診療科毎に選択す
る診断情報選択手段と、該診断情報選択手段の出力を被検者レポートとして表示
する被検者レポート表示手段とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置に関し、特に、診断結果が表示される被検者レポートに関するものであり、例えば、診療科毎又は病名毎の個々の使用目的に応じて必要な被検者情報及び超音波画像を任意に選択し、また、その情報の表示位置を任意に設定し、被検者レポートを作成する技術に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の超音波診断装置は、被検体に超音波を送信し、該被検体からの反射エコー信号を受信し、その受信信号を画像化処理し、超音波画像を形成する装置である。また、表示装置にその超音波画像を表示し、その超音波画像上でさまざまな計測を行うことが可能である。超音波画像と計測結果は、被検者情報と共に被検者レポートとして表示され、診断に使用されている。ここで、被検者情報には、被検者名、年齢、性別、身長、及び体重等が含まれ、別途入力される。被検者情報及び計測結果は一時的に装置内部のメモリに蓄えられたり、記憶装置に保存されたりする。また、超音波画像データは、読み取り可能な記憶媒体として保存することも可能である。
【0003】
従来の被検者レポート(診断レポート)は、計測結果が例えば計測分類別に表示される。例えば、図19に示すように、Bモード用被検者レポート1901、Mモード用被検者レポート1902、及びドプラモード用被検者レポート1903のように、計測分類別に表示される。また、超音波画像も既定のフォーマットで既定の表示位置に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-198453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の被検者レポートでは、以下の問題点があった。
【0006】
1)従来の被検者レポートのフォーマットは、あらかじめ用意されており、その変更はできない。そのため、複数の診療科を有する病院等で共用して使う場合、診療科によって必要なパラメータが異なっているが、同一のフォーマットによる被検者レポートを利用しなければならず、必要なパラメータを探す手間が生じていた。
【0007】
2)前記従来の被検者レポートのフォーマットでは、被検者の病名が既知である場合、病名によって必要なパラメータが異なっているが、同一のフォーマットによる被検者レポートを利用しなければならず、必要なパラメータを探す手間が生じていた。
【0008】
3)前記従来の被検者レポートのフォーマットでは、必要なパラメータが最初のページに表示されているとは限らないため、被検者レポートの利用者は、診断の度に必要なパラメータを探す手間が生じていた。また、パラメータ名は類似しているため見間違いも生じやすかった。
【0009】
4)前記従来の被検者レポートのフォーマットには、データ算出用の診断に直接必要のないデータまでが表示されているため、パラメータの数が膨大となっており、そのため、被検者レポートの項数が多く保存が煩雑になってしまう。
【0010】
本発明の目的は、超音波診断装置の被検者レポートにおいて、被検者情報、計測結果、超音波画像等の表示内容、表示位置、表示サイズ等の情報のうち個々の使用目的にあった被検者レポートを作成することが可能な技術を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、被検者レポート(診断レポート)において、被検者情報、計測結果、超音波画像等の表示内容、表示位置、表示サイズ等の情報のうち必要な情報を診療科毎又は病名毎の個々の使用目的に応じて選択して作成することが可能な技術を提供することにある。
【0012】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0014】
(1)被検体に超音波を送信し、該被検体からの反射エコー信号を受信し、該受信信号を画像化処理により超音波画像を形成し、該超音波画像を用いて各種計測処理し、被検者情報、計測結果、及び超音波画像を被検者レポートとして表示する超音波診断装置において、前記被検者情報、計測結果、及び超音波画像の中から被検者レポートに必要な情報及び/又は超音波画像を診療科毎又は病名毎の個々の使用目的に応じて選択する診断情報選択手段と、該診断情報選択手段の出力を被検者レポートとして表示する被検者レポート表示手段とを備えたものである。
【0015】
(2)被検体に超音波を送信し、該被検体からの反射エコー信号を受信し、該受信信号を画像化処理により超音波画像を形成し、該超音波画像を用いて各種計測処理し、被検者情報、計測結果、及び超音波画像とを被検者(診断)レポートとして表示する超音波診断装置において、複数の超音波画像と、識別IDにより割り当てられた前記被検者情報及び前記計測結果とが、あらかじめ記憶されている記憶装置と、被検者情報、計測結果、及び超音波画像のそれぞれの識別ラベルの中から被検者レポートに必要な情報を選択する情報種類選択手段と、該選択された情報の表示位置、表示内容、表示サイズの中から必要な項目を指定する項目指定手段と、前記情報種類選択手段及び前記項目指定手段に基づいて、前記情報の種類、前記表示内容、前記表示位置を関連付けて前記記憶装置に記憶する被検者レポート情報記憶手段と、前記記憶装置に記憶されている前記複数の超音波画像の中から、表示させる画像を選択する画像選択手段と、前記記憶装置に記憶された被検者レポート情報と前記画像選択手段で選択された超音波画像とを合成し、それを被検者レポートとして表示する被検者レポート表示手段とを備えたものである。
【0016】
(3)前記(2)の手段の超音波診断装置において、前記被検者レポート画面設定時に、前記被検者レポートの情報にさらにコメント欄情報を加えたものである。すなわち、前記被検者レポート画面設定時に、前記コメント欄を設け、前記被検者レポート画面設定時にはコメント入力ができるようにしたものである。
【0017】
(4)前記(3)の手段の超音波診断装置において、前記被検者レポートの情報にさらに図挿入欄情報を加えたものである。すなわち、前記被検者レポート画面設定時に、図を用いた被検者レポート画面を任意に作成することができるようにしたものである。
【0018】
(5)前記(4)の手段の超音波診断装置において、前記被検者レポートの情報の図挿入欄情報の中に図柄を入れたものである。すなわち、挿入する図を装置又は操作者があらかじめ用意し、この用意された図を選択することにより、被検者レポート画面に容易に図を配置することができるようにしたものである。
【0019】
(6)前記(2)乃至(5)の手段のいずれか1つの超音波診断装置において、前記あらかじめ記憶されている被検者(診断)レポートのフォーマットを複数のテンプレートにおきかえ、前記複数のテンプレートの中から、表示させるテンプレートを選択するものである。すなわち、実際に表示した被検者レポート画面を、一般のパソコン上に読み書き可能な情報とするためにファイル化し、保存可能としたものである。また、複数のテンプレートを設定しておき、その中から選択して用いることもできる。
【0020】
(7)前記(2)乃至(6)の手段のいずれか1つの超音波診断装置において、前記被検者レポート画面を記憶装置又は記録媒体に格納しておく。
【0021】
前記した手段によれば、例えば、診療科毎又は病名毎の個々の使用目的に応じた被検者レポートを作成することができ、診断効率の向上を達成できる。また、パラメータ名も任意に指定可能であるため、分かりやすい識別ラベルの指定ができ、見間違いも防止できる。
【発明の効果】
【0022】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡潔に説明すれば、下記のとおりである。 本発明によれば、例えば、診療科毎又は病名毎の個々の使用目的に応じた被検者レポートを作成することができるので、診断効率の向上を達成できる。
【0023】
また、パラメータ名も任意に指定可能であるため、分かりやすい識別ラベルの指定ができるので、見間違いも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施例1の超音波診断装置の概略構成を示すブロック図
【図2】本実施例1の超音波診断装置の制御手段の機能構成を示すブロック図
【図3】本実施例1の超音波診断装置の被検者レポート情報記憶手順を示すフローチャート
【図4】本実施例1の超音波診断装置の被検者レポート表示手順を示すフローチャート
【図5】本実施例1の超音波診断装置の情報パラメータと識別IDの関係を示す図
【図6】本実施例1の超音波診断装置の被検者レポートにおける情報の種類、表示内容、表示位置の関係を示す図
【図7】本実施例1の超音波診断装置の記憶装置に記憶させる際の情報の種類、表示内容、表示位置の関係を示す図
【図8】本実施例1の超音波診断装置の被検者レポートの表示例を示す図
【図9】本実施例2の超音波診断装置の制御手段の機能構成を示すブロック図
【図10】本実施例2の超音波診断装置の被検者レポート情報記憶手順を示すフローチャート
【図11】本実施例2の超音波診断装置の被検者レポート表示手順を示すフローチャート
【図12】本発明の実施例3の超音波診断装置の被検者レポート情報記憶手順を示すフローチャート
【図13】本実施例3の超音波診断装置の被検者レポート表示手順を示すフローチャート
【図14】本発明の実施例4の超音波診断装置の制御手段の機能構成を示すブロック図
【図15】本発明の実施例5の超音波診断装置の制御手段の機能構成を示すブロック図
【図16】本実施例5の超音波診断装置の重要パラメータ順テンプレートの例を示す図
【図17】本実施例5の超音波診断装置の病名毎テンプレートの例を示す図
【図18】本実施例5の超音波診断装置の被検者レポート情報記憶手順を示すフローチャート
【図19】従来の被検者レポートの表示内容の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明について、本発明による実施形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【実施例1】
【0026】
図1は本発明の超音波診断装置の実施例1の概略構成を示すブロック図である。図1において、101は探触子、102は超音波送受信装置、103は表示装置、104は制御手段、105は入力装置、106は記録装置、107は被検者情報入力装置、108は計測処理装置である。
【0027】
本実施例1の超音波診断装置は、図1に示すように、被検体内に超音波を送受信する探触子101と、この探触子101を駆動して被検体内の診断部位に超音波を打ち出すと共に前記探触子101で受信した反射エコー信号を受信して画像化処理する超音波送受信装置102と、この超音波送受信装置102からの画像化処理信号を受信して診断部位の超音波画像を表示する表示装置(例えば、CRT又は液晶モニタ)103と、各種開始命令、被検者レポートに必要な情報の選択、必要な項目の入力をする入力装置(例えば、キーボード等)105と、被検者情報を入力する被検者情報入力装置107と、前記表示された超音波画面上で計測を行う計測処理装置108と、前記各装置を制御する制御手段(例えば、入力信号に応じて種々の処理及び各装置の制御、表示装置に記号、語句、線等のグラフィック情報を表示する制御等)104と、設定された被検者レポート情報、超音波画像等を記憶する記憶装置106とを備えている。
【0028】
前記被検者情報入力装置107及び計測処理装置108は、制御手段104に設けてもよい。記憶装置106は、記憶する内容別に、別々の媒体であってもよい。入力装置105には、前記したキーの他、使用の際の利便性を考慮し種々の命令キーを配置してもよい。記憶装置106には、超音波画像に関して、その被検者名や日付等も同時に記憶させるようにしてもよい。
【0029】
以下、図2から図8を参照して本実施例1の超音波診断装置を詳細に説明する。 図2は本実施例1の超音波診断装置の制御手段104の機能構成を示すブロック図、図3は本実施例1の被検者レポート情報記憶手順のフローを説明するためのフローチャート、図4は本実施例1の被検者レポート表示手順のフローを説明するためのフローチャート、図5は本実施例1における情報パラメータと識別IDの関係を示す図、図6は本実施例1の被検者レポートにおける情報の種類、表示内容、表示位置の関係を示す図、図7は本実施例1における記憶装置に記憶させる際の情報の種類、表示内容、表示位置の関係を示す図、図8は本実施例1における被検者レポートの表示例である。
【0030】
図2から図8において、200は中央演算処理装置(CPU)、201は情報種類選択手段、202は項目指定手段、203は被検者レポート情報記録手段、204は画像選択手段、205は被検者レポート表示手段、601は被検者レポート、602は被検者情報、603は計測結果、604は識別ラベル、605は超音波画像である。
【0031】
本実施例1の超音波診断装置の制御手段104は、中央演算処理装置(CPU)200、情報種類選択手段201、項目指定手段202、被検者レポート情報記録手段203、画像選択手段204、及び被検者レポート表示手段205を備える。
【0032】
情報種類選択手段201は、被検者情報及び計測結果、超音波画像、それらの識別ラベルの中から被検者レポートに必要な情報を選択する手段であり、入力装置105により選択される。
【0033】
前記項目指定手段202は、情報種類選択手段201で選択された情報について、その表示位置、表示内容、表示サイズの中から必要な項目を指定する手段である。表示位置は、例えば、図6に示すように、被検者レポート601で、横ブロックの位置をX1、X2、・・・、Xn、縦ブロックの位置をY1、Y2、・・・、Ynと指定できるようにし、(横ブロックの位置、縦ブロックの位置)の記載により指定する。また、サイズ変更可能な矩形をあらかじめ表示し、それを移動させて指定してもよい。表示内容は、例えば情報の種類が識別ラベルの場合には“被検者名”、“年齢”、“性別”等の入力、識別IDの場合は識別ID番号の入力により指定する。表示サイズは、例えば(横ブロックの位置、縦ブロックの位置)の記載により範囲を指定する。また、サイズ変更可能な矩形をあらかじめ表示し、そのサイズを変更させることで指定してもよい。
【0034】
被検者レポート情報記憶手段203は、情報種類選択手段201及び項目指定手段202に基づいて、被検者レポートに必要なデータを記憶装置106に記憶する手段である。
【0035】
前記記憶装置106には、被検者情報及び計測結果の全情報パラメータに対して、図5に示すような識別IDが割り振られて関連付けがされ、読み出しができるように、あらかじめ記憶されている。
【0036】
画像選択手段204は、記憶装置106に記憶されている複数の超音波画像の中から、表示させる画像を選択する手段である。例えば、記憶されている超音波画像を一覧表示し、その中から選択するようにしてもいいし、記憶されている被検者の超音波画像を、ある検索条件に基づき自動的に読み出し表示させてもよい。検索条件は、利用者に指定させてもいいし、超音波画像の記憶順等、装置側であらかじめ設定してもよい。
【0037】
本実施例1の被検者レポート情報記憶手順(以下、情報記憶手順と呼ぶ)について説明する。
【0038】
実際の超音波診断の際には、まず、図2及び図3に示すように、被検者情報が被検者情報入力装置107により入力され、超音波診断装置が駆動し、超音波画像が表示装置103に表示される。その表示された超音波画像は、記憶装置106に記憶される。また、表示されている超音波画像を用いて種々の計測が行われ、被検者情報及び計測結果は記憶装置106に記憶される。
【0039】
その後、情報記憶手順開始命令により、情報記憶手順が開始される。その情報記憶手順開始命令は、例えば入力装置105により行われる。入力装置105には、情報記憶手順開始命令キーを設けて入力してもよい。
【0040】
まず、情報種類選択手段201において、被検者レポートに必要な情報が選択される(301)。具体的には、被検者情報及び計測結果、超音波画像、それらの識別ラベルの中から、少なくとも1つ選択される(302)。選択には、例えば入力装置105を用いる。入力装置105には、それぞれの情報に対応するキーを設けて選択してもよい。
【0041】
次に、情報種類選択手段201で選択された情報に応じて項目指定手段202において、情報の表示位置、表示内容、表示サイズの中から必要な項目が指定される。具体的には、選択された情報が、被検者情報及び計測結果の場合には、表示位置、及び情報パラメータが指定される(303〜305)。選択された情報が、識別ラベルの場合には、表示位置及び表示内容が指定される(306〜308)。選択された情報が、超音波画像の場合には、表示位置及び表示サイズが指定される(309、310)。以上の項目の指定は、例えば、入力手段105による語句、記号の入力により行われる。
【0042】
情報種類選択手段201及び項目指定手段202による選択及び指定は、被検者レポートに必要な情報の種類の選択及び項目の指定が完了するまで繰り返される(311)。
【0043】
次に、前記情報種類選択手段201と前記項目指定手段202に基づいて、被検者レポート情報記憶手段203において、図7に示すように、情報の種類(被検者情報及び計測結果、識別ラベル、超音波画像等)、表示内容(識別ID、語句、記号、画像サイズ等)、表示位置(被検者レポート上のアドレス)が関連付けられ、記憶装置106に記憶される(312)。
【0044】
本実施例1の被検者レポート表示手順(以下、表示手順と呼ぶ)について説明する。 図4に示すように、表示手順開始命令により、表示手順が開始される。その表示手順開始命令は、例えば入力装置105により行う。入力装置105には、表示手順開始命令キーを設けて入力してもよい。
【0045】
次に、被検者レポート表示手段205により、記憶装置内に記憶されている情報の種類が読み出され(401)、その読み出された情報の種類に応じて(402)、情報の表示位置、表示内容の中から被検者レポートの表示に必要な項目が読み出される。具体的には、記憶装置内に記憶されている情報が、被検者情報及び計測結果の場合には、識別IDに対応する被検者情報又は計測結果が割り出され、割り出された被検者情報又は計測結果が記憶装置から取り出され、アドレス位置に表示される(403〜405)。識別ラベルの場合には、語句、記号が読み出され、アドレス位置に表示される(406、407)。超音波画像の場合には、表示サイズが読み出され、画像選択手段により超音波画像を割り出し、表示サイズに超音波画像を表示するために拡大/縮小の変換倍率が算出され、算出された変換倍率で超音波画像がアドレス位置に表示される(408〜411)。記憶内容全て表示するまで前記ステップ401〜411を繰り返す(412)。
【0046】
被検者レポート601は、例えば、図8に示す構成になり、被検者情報602、計測結果603、識別ラベル604、超音波画像605が表示される。 被検者レポート画面のフォーマットを設定し、記憶させることにより、以後の被検者レポート表示時には、記憶した内容に基づき被検者レポートを表示させることが可能である。
【0047】
前記のように、超音波診断装置の被検者レポートにおいて、被検者情報、計測結果、超音波画像等の表示内容、表示位置、表示サイズ等を、任意に設定できるため、例えば、診療科毎又は病名毎の個々の使用目的に応じた被検者レポートを作成することができ診断効率の向上を達成できる。また、パラメータ名も任意に指定可能であるため、分かりやすい識別ラベルの指定ができ、見間違いも防止できる。
【実施例2】
【0048】
図9は本発明の実施例2の超音波診断装置の制御手段の機能構成を示すブロック図、図10は本発明の超音波診断装置の実施例2の被検者レポート情報記憶手順のフローを説明するためのフローチャート、図11は本発明の超音波診断装置の実施例2の被検者レポート表示手順のフローを説明するためのフローチャートである。 本実施例2の超音波診断装置は、前記実施例1と「コメント表示手段901を具備している」点が異なる。コメント表示手段901は、コメント入力欄にコメントを表示する手段である。
【0049】
本実施例2の被検者レポート情報記憶手順は、図10及び図11に示すように、前記実施例1と「情報種類選択手段201における選択する情報の種類にコメント欄が追加されている」点で異なる。つまり、情報種類選択手段201において、被検者情報及び計測結果、超音波画像、コメント欄、それらの識別ラベルの中から、少なくとも1つ被検者レポートに必要な情報の選択が可能となる(302)。その後、項目指定手段202において、選択された情報がコメント欄の場合には、表示位置、表示サイズの指定がされる(1001、1002)。
【0050】
被検者レポート情報記憶手段203では、コメント欄の場合には、情報の種類(コメント欄)、表示内容(表示サイズ)、表示位置(被検者レポート上のアドレス)が関連づけられ、記憶装置に記憶される(312)。
【0051】
次に、被検者レポート表示手順を、図11を参照して説明する。前記実施例1と異なる点は、被検者レポート表示手段205において、記憶装置106に記憶されている情報が、コメント欄の場合には、表示サイズが読み出され、アドレス位置に、読み出された表示サイズでコメント欄が表示される点である(1101、1102)。
【0052】
次に、コメント表示手段901により、入力された内容がコメント欄に表示される。コメント入力には、例えば、入力手段105又は被検者情報入力装置107により行う。
【0053】
コメント入力手段901を設けて、コメント入力をできるようにすることで、被検者レポートの再確認時等に有用なデータとして利用できるだけでなく、検索のキーワードとして利用できるため被検者レポートの利便性を向上させることができる。
【実施例3】
【0054】
図12は本発明の実施例3の超音波診断装置の被検者レポート情報記憶手順を示すフローチャート、図13は本実施例3の被検者レポート表示手順を示すフローチャートである。
【0055】
本実施例3と前記実施例2と異なる点は、情報種類選択手段201において、選択される情報の種類に図の挿入欄が追加されている点である。つまり、被検者情報及び計測結果、超音波画像、コメント欄、図の挿入欄、それらの識別ラベルの中から、少なくとも1つ被検者レポートに必要な情報の選択が可能である(302)。
【0056】
次に、項目指定手段202において、選択された情報が図の挿入欄の場合には、図柄が指定される(1201、1202)。例えば、入力装置105に図柄指定のキーを設け、その図柄指定キーにより図柄の指定を行う。
【0057】
次に、被検者レポート情報記憶手段203では、図の挿入欄の場合には、情報の種類(図柄)、表示内容(表示サイズ)、表示位置(被検者レポート上のアドレス)が関連づけられ、記憶装置106に記憶される(312)。
【0058】
本実施例3の被検者レポート表示手順と実施例2の被検者レポート表示手順との異なる点は、記憶装置106に記憶されている情報が、図の挿入欄の場合には、図柄が読み出され、アドレス位置に、読み出された図が表示される点である(1301、1302)。
【0059】
図の表示ができるようにすることにより、被検者レポートを見やすくすることができるので、診断効果を向上することができる。
【実施例4】
【0060】
図14は本発明の実施例4の超音波診断装置の制御手段の機能構成を示すブロック図であり、1401は図柄選択手段である。
【0061】
本実施例4の超音波診断装置は、図14に示すように、「前記実施例3の機能構成にさらに図柄選択手段1401を具備し、また、記憶装置106に、あらかじめ記憶させる内容に複数の図柄が追加されている」点が実施例3とは異なる。図柄選択手段1401は、記憶装置106に記憶された図柄から必要な図柄を選択する手段である。
【0062】
本実施例4の被検者レポート情報記憶手順を図12〜図14を参照し、実施例3と比較して説明する。
【0063】
項目指定手段202において、選択された情報が図の挿入欄の場合には、図柄選択手段1401により記憶装置106に記憶された複数の図柄から必要な図柄が選択指定される。例えば、入力装置105に図柄指定のキーを設けて選択させ、図柄の指定を行う。
【0064】
その他は、実施例3と同様である。
【0065】
複数の図柄をあらかじめ記憶装置106に記憶させ、図柄選択手段1401により選択できるようにすることで、容易に図柄の指定ができるようになり、超音波診断装置の操作性の向上を図ることができる。
【実施例5】
【0066】
図15は本発明の実施例5の超音波診断装置の制御手段の機能構成を示すブロック図、図16は本実施例5の重要パラメータ順テンプレートの例を示す図、図17は本実施例5の病名毎テンプレートの例を示す図、図18は本実施例5の被検者レポート情報記憶手順を示すフローチャートである。
【0067】
前記図15〜図17において、1501はテンプレート選択手段、1601は重要パラメータ順テンプレート1ページ、1602は重要パラメータ順テンプレート2ページ、1701は病名別テンプレートである。
【0068】
本実施例5の超音波診断装置は、図15に示すように、「前記実施例4の情報種類選択手段201の替わりにテンプレート選択手段1501を具備し、また、記憶装置106にあらかじめ記憶する内容に複数のテンプレートが追加されている」点が実施例4とは異なる。テンプレート選択手段1501とは、記憶装置106に記憶された複数のテンプレートから必要なテンプレートを選択する手段である。
【0069】
テンプレートとは、図16及び図17に示すように、あらかじめ必要な情報パラメータ及び超音波画像が選択されている被検者レポートである。図16は重要パラメータを第1ページに表示し、さらに、必要のないパラメータを削除したテンプレートの例であり、図17は病名別に必要とされるパラメータを抽出したテンプレートの例である。
【0070】
本実施例5の情報記憶手順を、図15及び図18を参照し、実施例4と比較して説明する。 前記実施例4と異なる点は、「情報記憶手順開始命令により、まず、テンプレート選択手段1501において、記憶装置106に記憶されている複数のテンプレートから、必要なテンプレートが選択される」点である(1801)。テンプレートの選択は、例えば、入力装置105により行う。入力装置105には、テンプレート選択キーを設けて入力してもよい。
【0071】
次に、その選択されたテンプレートに基づいて、項目指定手段202において、被検者レポートに必要な情報が選択される。被検者情報及び計測結果、超音波画像、コメント欄、図挿入欄、それらの識別ラベルの中から、少なくとも1つテンプレートで選択されている被検者レポートに必要な情報が選択される(1802)。
【0072】
その後、選択されたテンプレートに基づいて、項目指定手段202において、情報の表示位置、表示内容、表示サイズの指定が自動的に行われる(1803〜1814)。なお、項目指定手段202において、項目の指定の変更も可能である。 項目指定手段202による指定は、テンプレートで指定された情報の項目の指定が完了するまで繰り返される(1815)。
【0073】
次に、被検者レポート情報記憶手段203において、情報の種類、表示内容、表示位置が関連づけられ、記憶装置に記憶される(1816)。その他の手順は、前記実施例4と同様である。
【0074】
複数のテンプレートをあらかじめ記憶装置に記憶し、任意に選択できるようにすることにより、情報種類選択手段201及び項目指定手段202による選択の手間が省け、超音波診断装置の操作性の向上が図れる。
【0075】
また、前述したように、被検者レポート画面のフォーマットをはじめから操作者が作成するのではなく、あらかじめ用意しているテンプレートから選択し、修正して目的の検者レポート画面のフォーマットを作成することができる。
【0076】
なお、前記実施例1〜実施例5において、表示された被検者レポートを記憶装置106に記憶させるために、被検者レポート画面記憶手段を設けてもよい。
【0077】
また、被検者レポート画面記憶手段には、別途記憶媒体に読み取り可能に記憶させる機能を付加してもよい。この場合に入力装置に保存命令キーを配置して、その命令キーにより被検者レポートを記憶させるようにしてもよい。
【0078】
このように別途記憶媒体に記憶させることにより、例えば、ノートパソコン(PC)などの携帯機器に表示させることが可能になり、診察の利便性が向上する。
【0079】
以上、本発明者によってなされた発明を、実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは無論である。
【符号の説明】
【0080】
101 探触子、102 超音波送受信装置、103 表示装置、104 制御手段、105 入力装置、106 記録装置、107 被検者情報入力装置、108 計測処理装置、200 中央演算処理装置(CPU)、201 情報種類選択手段、202 項目指定手段、203 被検者レポート情報記録手段、204 画像選択手段、205 被検者レポート表示手段、601 被検者レポート、602 被検者情報、603 計測結果、604 識別ラベル、605 超音波画像、901 コメント入力手段、1401 図柄選択手段、1501 テンプレート選択手段、1601 重要パラメータ順テンプレート1ページ、1602 重要パラメータ順テンプレート2ページ、1701 病名別テンプレート、1901 Bモード用被検者レポート、1902 Mモード用被検者レポート、1903 ドプラモード用被検者レポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に超音波を送信し、該被検体からの反射エコー信号を受信し、該受信信号を画像化処理により超音波画像を形成し、該超音波画像を用いて各種計測処理し、被検者情報、計測結果、及び超音波画像を被検者レポートとして表示する超音波診断装置において、前記被検者情報、計測結果、及び超音波画像の中から被検者レポートに必要な情報及び/又は超音波画像を診療科毎又は病名毎の個々の使用目的に応じて選択する診断情報選択手段と、該診断情報選択手段の出力を被検者レポートとして表示する被検者レポート表示手段とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−212468(P2011−212468A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167844(P2011−167844)
【出願日】平成23年7月30日(2011.7.30)
【分割の表示】特願2001−184164(P2001−184164)の分割
【原出願日】平成13年6月19日(2001.6.19)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】