説明

超音波誘導式プローブ装置およびその使用方法

本発明は、医療用経皮プローブを超音波誘導するための改良された装置および方法を対象とする。この装置は、この超音波変換器ハウジングは自体を貫通する通路(126)を有する超音波変換器ハウジング(100)を含み、ハウジングのこの通路の中のプローブガイドの中を通し、超音波変換器(120)に対する既知の角度関係で標的まで延びる経路に沿って、超音波装置によって画像化された標的に対する前進しているプローブの相対的な経路および位置が分かるように、プローブを誘導するように構成されている。この装置は、無菌プローブガイドを含む無菌スリーブ(110)を含むことができ、ガイド開口を含む変換器ハウジングを無菌バリヤによって患者から分離することができる。この装置はさらに、プローブガイドの中にプローブを固定するためのクランプ(150)、ならびに超音波装置によって形成されたソノグラムにオーバレイした仮想プローブのリアルタイム画像化のための手段および方法を含むことができる。


【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
医療用プローブ装置(medical probe device)は多くの目的に利用され、目的の主なものにはカテーテル法、穿刺および生検手技が含まれる。これらの装置を使用したプローブの経皮配置はしばしば、触知可能な構造または可視構造に依存した術式を用いて実施される。これは単純な手技でもまたは危険のない手技でもない。例えば、経皮プローブの適当な挿入および配置は、解剖学的目標の正確な位置確認、医療提供者に対する患者の適切な配置、およびプローブの挿入点からの標的の深さおよび角度の認識によって決まる。プローブ配置の失敗による危険には、最初の不正確な配置に続く手技のやり直しによる患者の不安感、不快感などの軽微なものから、気胸、動脈または静脈の裂傷、緊急時における救命流体または薬物の送達の遅れなどの深刻なものまである。
【0002】
経皮プローブの正確な配置を支援するために、超音波誘導式の術式および装置が開発された。超音波誘導式の術式は通常、2人の人間、すなわち内部標的の位置を突きとめ、標的の画像をモニタの中心に維持する超音波オペレータと、ソノグラム(sonogram)に基づいてプローブを標的に誘導することを試みる医療提供者とを必要とする。このような術式は知覚的に非常に難しい。例えば、プローブを標的組織に向かわせる人と超音波を操作する人とが同じでないことで、これらの術式は複雑になる。さらに、全体に細い円筒形のプローブは通常小さく、超音波ビームをほとんど反射しない。さらに、円筒形プローブと超音波ビームは一般に互いに垂直でないので、プローブから反射された少量の超音波エネルギーは、入射ビームに対してある角度で反射し、その結果、反射エネルギーは超音波変換器によってほとんど検出されない。その結果、ソノグラム中でプローブ自体を視覚化することは難しく、プローブを配置する人は、超音波オペレータが超音波変換器を物理的に揺り動かすことによって得られる極小の視覚的フィードバックを使用して、プローブを正確な位置に誘導することを試みなければならない。変換器を揺り動かすことによって、観察者は、内部領域の一連の平面ソノグラムを見ることができ、訓練によって観察者は、プローブが偏向し周囲の組織に侵入したときのソノグラムの微妙な変化を認識し、超音波ビームの組織への透過をプローブが遮断したときに生成されるプローブの深さの微妙な超音波陰影アーチファクト(artifact)をピックアップすることを学ぶことができる。
【0003】
超音波誘導式のプローブ術式のこれらの困難を軽減する試みにおいて、超音波変換器のハウジングに取り付けることができるプローブガイド(probe guide)を含むシステムが開発された。しかしこのような装置にも問題は存在する。例えば、このプローブガイドは、これらの装置の超音波変換器ハウジングの片側にあり、プローブはしばしば、ソノグラム上に表示された超音波ビームの平面に対して、固定されたある角度で挿入され、超音波検査ビームとプローブの点との交点を空間内の非常に狭い領域に限定する。さらに、手で誘導する方式の超音波術式と同様に、プローブから変換器に超音波エネルギーはごくわずかしか反射されない。実際、入射超音波ビームとこれらの装置の中のプローブとの間の角度のため、これらの装置を使用したときに、プローブ先端の位置を突きとめる視覚的な手がかりをソノグラム上で識別することがよりいっそう難しくなる可能性がある。さらに、これらのうちの多くの装置では、プローブが、プローブガイドの設定角度に応じた固定された深さ範囲で超音波ビームの中を通過し、この深さ範囲が標的の深さに対応しない可能性があり、その場合には、標的とプローブ先端の接合をソノグラム上に表示することができない可能性がある。
【0004】
【特許文献1】米国特許第5291090号明細書(Dias)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
当技術分野で求められているのは、超音波を利用してプローブを経皮標的まで誘導するための改良された装置および方法である。
【0006】
経皮プローブを配置しようとするときに生じる他の問題は、正確に配置した後のプローブの移動に関する。例えば、多くの手技では、プローブを首尾よく配置した後に、プローブ先端がある時間、例えばカテーテルワイヤ(catheter wire)が挿入されまたは生検材料が採取される間、標的位置にとどまることが望ましい。しばしば、プローブを所定の位置に保持している手の小さな動きによってプローブ先端は標的から外れ、問題となる。したがって当技術分野で求められているのは、体内でのプローブ先端の移動を制限するため、配置後にプローブを固定することができる装置および方法である。
【0007】
医療専門家があらゆる場面で直面する継続中の他の問題は、手技中の無菌領域の維持である。したがって、当技術分野でさらに求められているのは、超音波誘導式プローブおよび超音波誘導法を利用している間、無菌領域を維持することができることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この開示の目的上、本明細書では用語「プローブ」が、本発明の超音波装置によって誘導することができ、本発明の超音波装置とともに使用することができる装置と定義される。用語「プローブ」は例えば、針、管、生検装置または本明細書に記載された装置によって誘導することができる他のアイテムを指す。
【0009】
さらに、本明細書では用語「プローブ装置」が、プローブとともに利用することができる装置と定義されるが、その装置がプローブ自体を含む必要は必ずしもない。
【0010】
一実施形態では本発明が、超音波ビームを送信するための超音波変換器を含む超音波変換器ハウジングを含むプローブ装置を対象とする。この超音波変換器ハウジングは、ハウジングのベースを貫通するプローブガイド開口を画定することができる。システムの所望の特性に応じて、プローブガイド開口は、超音波変換器によって画定された領域を貫通し、またはこの領域の外側を貫通することができる。
【0011】
一実施形態ではこの装置がさらに、超音波変換器ハウジングに取外し可能に取り付けることができる無菌シールを含む。無菌シールは例えば、プローブガイド開口の中に取外し可能に受け取られることができる無菌プローブガイドを含む。
【0012】
無菌シールはさらに、超音波変換器ハウジングのベースがその上にぴったりとはまるシールベースを含むことができる。一実施形態では無菌シールが無菌スリーブ(sleeve)を含み、この無菌スリーブを、プローブガイド内でのプローブの移動を妨げることなく超音波変換器ハウジングの外面を実質的に覆うように適合させることができる。例えばこの無菌スリーブは、不織ウェブ材料、熱可塑性材料などのしなやかな使い捨て可能な材料を含む。
【0013】
一実施形態では、医療用プローブ装置が、当技術分野で広く知られているものなどの脈管標的を視覚化するための直線超音波アレイを含む直線非侵襲性プローブ装置である。特定の一実施形態では、変換器ハウジングによって画定されるプローブガイド開口が、直線アレイ装置の平らなベースに対して垂直である。他の実施形態ではこの医療用プローブ装置が、超音波変換器を構成する素子のアレイがアーチ形の輪郭を画定した凸形装置である。いくつかの実施形態では装置のベースがさらに、変換器ハウジング内の超音波変換器の湾曲に対応することができるアーチ形の輪郭を画定する。このような装置は、器官視覚化装置などの大きな標的を視覚化するための装置でしばしば一般的である。凸形プローブ装置の特定の一実施形態では、プローブガイド開口が、プローブガイド開口がベースからハウジングを出る点でとったベースの接線に対して垂直である。
【0014】
本発明の医療用プローブ装置はクランプ(clamp)を含むことができる。特定の一実施形態ではクランプが、プローブガイドの中にプローブを固定するために超音波変換器ハウジングと連絡した機械式クランプである。
【0015】
他の実施形態では医療用プローブ装置が、処理ユニットと連絡した移動検出器などの検出器を含む。例えば、この検出器は、プローブがプローブガイドの中を誘導されるときのプローブの移動を検出し、その情報をデータストリームによって処理ユニットに伝達する。処理ユニットはさらに超音波変換器と接触することができ、ソノグラムを形成するために利用することができる。処理ユニットは、データストリーム中の情報を使用して、標的に対するプローブの相対位置に関する情報をモニタ上に表示することができる。例えば、このデータストリームを利用して、プローブが場の中を移動するときのプローブの仮想リアルタイム画像を形成し、プローブの画像をソノグラム上に表示することができる。一般にこの実施形態ではプローブの経路が、ソノグラム上に表示された平面に平行な線を画定する。
【0016】
一実施形態では、プローブのリアルタイム位置に関する情報の代わりに、またはプローブのリアルタイム位置に関する情報に加えて、プローブ経路に関する情報がモニタ上に表示される。例えば、プローブがたどるソノグラムの平面に平行な経路を示すターゲティング線(targeting line)がモニタ上に表示される。
【0017】
他の実施形態では、本発明が、超音波装置とともに利用することができる無菌シールを対象とする。例えばこの無菌シールは、超音波装置とともに使用されて、超音波変換器ハウジングとハウジングの中を誘導されるプローブとの間の無菌バリヤを提供する無菌プローブガイドを含む。一実施形態では無菌プローブガイドが、超音波変換器ハウジングによって画定されたプローブガイド開口の中にシールが受け取られるときに一体に取り付けることができる分離可能な上部および下部を含む。一実施形態では無菌シールが、無菌プローブガイド内でのプローブの移動を妨げることなく超音波変換器ハウジングを実質的に取り囲むことができる、無菌プローブガイドから連続した無菌スリーブを含む。例えばこの無菌スリーブは、超音波変換器ハウジングを包み込むことができるしなやかな材料を含み、かつ/またはこのスリーブは、変換器ハウジングの1つないし複数の表面を覆うことができるしなやかでないベースを含む。一実施形態では、無菌プローブガイドの中にプローブを固定するためのクランプが無菌シールと一体である。
【0018】
本明細書に開示される装置はさまざまな医療手技で利用することができる。これらの装置を利用して、例えば血管、組織塊または流体で満たされた体腔を標的とすることができる。本発明の特定の一実施形態ではこれらの装置が中心静脈カテーテル法の最中に利用される。
【0019】
添付図への参照を含む本明細書の残りの部分には、当業者から見た本発明の最良の形態を含む、本発明の完全かつ権能付与的な開示がより具体的に記載される。
【0020】
本明細書および図面中での参照符号の反複使用は、本発明の要素の同じ特徴または類似の特徴を表すことを意図したものである。本発明の他の目的、特徴および態様は、以下の詳細な説明に開示されており、または以下の詳細な説明から明白である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明のさまざまな実施形態を詳細に参照し、それらの1つまたは複数の例を以下に示す。それぞれの実施形態は本発明の説明として提供されるのであって、本発明を限定するものではない。実際、その範囲または趣旨から逸脱することなく本発明にさまざまな修正および変更を加えることができることは当業者には明白である。例えば、1つの実施形態の一部として示されまたは説明された特徴を別の実施形態で使用して、さらに別の実施形態を得ることができる。したがって本発明は、添付の請求項およびそれらの等価物の範囲に含まれる修正および変更を包含する。
【0022】
本発明は、医療手技中に経皮プローブを誘導する際に使用する改良された装置および方法を対象とする。より具体的には本発明の超音波装置は、自体を貫通し、プローブを収容するように構成された開口を有する超音波変換器ハウジングを含む。一実施形態ではこの開口がプローブガイドの役目を果たす。任意選択でこの開口を、プローブの取外し可能なプローブガイドを収容するように構成することができる。
【0023】
本明細書に開示された装置を使用すると、超音波装置によって画像化された標的に対する、装置の中を誘導されるプローブの相対的な経路、したがってプローブ先端の相対的な位置を、よりはっきりと知ることができる。さらに、好ましい一実施形態では、本明細書に開示された装置が、手技中に超音波変換器とプローブの両方を制御することができるひとりの術者によって利用される。
【0024】
本明細書に開示された装置を使用すると、ソノグラム上に画像化された平面に平行な線に沿ってプローブ先端を経皮標的まで誘導することができる。この線は、ソノグラム上に画像化された平面内にあるか、またはこの平面に隣接してあるが、いずれにしてもこの平面に平行である。本明細書に開示された装置を利用すると、たとえソノグラム上でプローブを識別することができない場合でも、標的までのプローブの経路を知ることができる。プローブは、ある直線に沿って、超音波ハウジングベースに対する所定の角度関係で、変換器ハウジングによって画定されたプローブガイド開口から、プローブガイド開口の出口を越えて標的に向かって進み、その間、ソノグラム上に画像化することができる平面に平行に、超音波によって画像化された標的まで移動する。したがってプローブの経路とソノグラム画像はともに変換器の向きによって定義され、これらを標的に関して調整することができる。標的を突き刺すためには、この既知の経路に沿ってプローブを所望の距離だけ誘導すればよい。本発明の特定の一実施形態では、プローブの経路が、プローブガイド開口の出口のところで超音波変換器ハウジングのベースに対して垂直である。開示されたターゲティング装置の使用によって、前進するプローブと超音波ビームによって形成された画像との間の角度に起因する、以前から知られている超音波誘導式手技の当て推量および困難を排除することができる。
【0025】
本発明の一実施形態では、ともに超音波装置によって形成されたソノグラム上にオーバレイさせることができるプローブの既知の移動経路の画像、または前進するプローブ自体の画像すなわち「仮想プローブ」を生成することによって、このターゲティング方法がさらに改良される。特定の一実施形態では、移動検出器が、プローブガイド内でのプローブの移動を記録し、その情報が、例えばプローブのリアルタイム画像としてスクリーンまたはモニタ上に表示される。この実施形態では、標的に対するプローブ先端の相対位置およびプローブ先端が標的を突き刺す瞬間を、モニタ上の仮想プローブを見ている手技中の術者がリアルタイムで手技中に見ることができる。
【0026】
一実施形態では、本明細書に開示された発明が、超音波変換器ハウジングの患者および/またはプローブの近くの表面を覆うことができる無菌シールを対象とする。有益には、本発明の無菌シールは無菌プローブガイドを含むことができる。手技中、無菌プローブガイドは、超音波変換器ハウジングを貫通したプローブガイド開口の中に位置することができる。プローブ挿入手技中、プローブは、無菌プローブガイドの中を通ることができるが、超音波変換器ハウジングとは接触しない。手技中の超音波変換器ハウジングとプローブの間の無菌バリヤの存在は、感染を予防することによって、患者の安全を大いに高めることができる。さらに一実施形態では、無菌シールが、超音波変換器ハウジングを実質的に覆うスリーブを含む。したがって、無菌シールの存在によって、手技後に超音波変換器ハウジングおよび関連機器を滅菌する必要がなく、簡単な洗浄の後、新しい無菌シールを付けてすぐに再使用することができる。そのため、1台の超音波変換器をより頻繁に使用することができ、装置をずっと経済的にすることができる。
【0027】
しかし、取外し可能なプローブガイドは本発明の装置の要件ではない。他の実施形態ではプローブガイドがプローブガイド開口である。いずれにせよ、本明細書に開示された装置を利用して、既知の移動経路に沿ってプローブをハウジングから標的に向かって直接に誘導することができる。
【0028】
また、本発明の無菌シールは、本明細書に開示された超音波装置とともに使用するのに特によく適しているが、超音波変換器ハウジングによってプローブガイド開口が画定される他の超音波変換器とともに利用することもできることを理解されたい。
【0029】
多くの手技は、経皮プローブを首尾よく標的に挿入した後に、プローブがある時間、標的のところにとどまることを要求する。例えば、中心静脈カテーテル配置のための一般的な手技であるセルディンガー法(Seldinger technique)では、まず、注射器に取り付けられたカニューレ針(cannulated needle)が静脈内に誘導される。針先が静脈の内腔に入った後、針は保持され、その間に注射器が針から外され、針の中を通してガイドワイヤが静脈内に供給される。この過程では、針のわずかな移動だけで針先が静脈から外れ、手技全体をやり直さなければならない。
【0030】
標的に挿入した後のプローブ先端のこのような移動を防ぐため、本発明の装置の一実施形態はプローブのためのクランプを含む。この実施形態ではこの装置が、カテーテル挿入、生検手技、流体または気体の吸引といった後続の手技のあいだプローブを超音波変換器ハウジングに対してしっかりと保持し、プローブの移動を防ぐことができるクランプを含む。このような手技中に超音波変換器ハウジングは、小さなプローブだけを保持するのに比べてはるかに容易にプローブを所望の位置に保持することができるので、超音波変換器ハウジングに対してプローブがしっかりと固定され、変換器ハウジングが手で保持され、患者との接触によってさらに安定化されたときには、プローブ先端の移動は、プローブだけを手で保持するときに比べてはるかに起こりにくい。
【0031】
本発明に従って、図1に、本発明に基づく超音波変換器ハウジング(全体を100で表す)の一実施形態を示す。この実施形態では変換器ハウジングが、超音波を送受信する超音波変換器(全体を120で表す)を含む。超音波変換器120は、当技術分野で広く知られている任意のタイプの超音波変換器とすることができる。例えば、一実施形態ではこの超音波変換器が、2次元または3次元アレイとして配置された1つまたは複数の圧電性結晶材料から形成された圧電変換器である。このような材料には、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの強誘電性圧電性セラミックス結晶材料が含まれる。一実施形態では、アレイを構成する素子が、参照によって本明細書に組み込まれる特許文献1に記載されているものなどの、単一の圧電基板上に取り付けられた個々の電極または電極セグメント(segment)である。超音波変換器120は一般に複数の素子から形成されるが、単結晶デバイスも本発明によって包含される。
【0032】
複数の素子を利用することによって、そうしなければプローブガイド開口が変換器、例えば変換器を構成する素子のアレイの切れ目を貫通する実施形態で起こり得るソノグラム中のブレーク効果(break effect)またはエッジ効果(edge effect)を制限しまたは防ぐように、アレイを構成する個々の素子を制御することができる超音波変換器を提供することができるので、ある種の実施形態では多素子超音波変換器の使用が有利である。例えば、本発明の装置では、個々の結晶のファイヤリング(firing)順序をさまざまな制御システムによって操作することができ、ソノグラム中の可能な「盲点」を防ぎ、ソノグラム中の個々の生体構造の縁を明瞭にすることができる。このような制御システムは当技術分野では広く知られており、したがって詳細に説明することはしない。
【0033】
超音波変換器ハウジング100は、超音波変換器ハウジング100のベース128と直線超音波変換器120の平面の両方に対して実質的に垂直なプローブガイド開口126を画定する。そのため、この特定の実施形態では、プローブガイド開口126の中を誘導されるプローブが、発射された超音波ビームの方向と一致した、装置によって形成されるソノグラムの平面に平行に移動することができる。したがって、この示された実施形態では、超音波変換器ハウジングが標的の上方の標的の中心に置かれたときに、プローブは単に、場の中を標的の深さまでまっすぐ下へ誘導され、プローブと標的の間に、発射された超音波ビームの方向に対する接近角がないので、術者は、プローブで標的を突くことに確信を持つことができる。
【0034】
超音波変換器120は一般に、データを処理してモニタ上にソノグラムを形成する当技術分野で広く知られている処理ユニットへ通じるケーブル124に、信号線を介して接続される。図1に示された特定の実施形態では、ケーブル124が、超音波変換器ハウジング100のハンドル122の内部にあるが、これは本発明の要件ではない。ハンドル122は一般に、装置を利用している間、手で快適に保持されるように、変換器ハウジング100のベース128に対してある角度にセットされる。
【0035】
図から分かるように、この特定の実施形態では超音波変換器120は、プローブガイド開口126のところで超音波変換器ハウジング100のベース128を横切る方向において不連続な直線アレイとなっている。プローブは、超音波変換器120に対して実質的に垂直な経路に沿って、プローブガイド開口126の中を、超音波変換器120を通り越して誘導することができる。
【0036】
他の実施形態では、プローブガイド開口が超音波変換器ハウジングによって画定され、変換器ハウジングのベースを貫通する限りにおいて、超音波変換器の幾何学的配置はさまざまであることができ、変換器に対するプローブガイド開口の相対位置についても同様である。その例として、図10A〜10Fに、開示の装置の超音波変換器120の例示的ないくつかの配向ならびに変換器ハウジングのベース128を貫通するプローブガイド開口126の相対位置の平面図を示す。ただしこれらは限定を意味するものではない。図10Aは全体に円形の超音波変換器120を含む。この実施形態では、プローブガイド開口126が変換器によって取り囲まれた領域を通ることができるが、変換器に切れ目が生じないように変換器の中心を通っている。あるいはプローブガイド開口126は、図10Bに示すように、超音波変換器120の切れ目のところで変換器を貫通することができる。図10Cに変換器の他の可能な幾何学的配置を示す。この実施形態では、超音波変換器120が全体にT字形であり、超音波変換器120の2つの線状部分の交点の中心にプローブガイド開口126がある。図10Dに示す他の代替実施形態では、超音波変換器120が長方形であり、この長方形アレイの中心にプローブガイド開口126がある。図10Eは、超音波変換器120が分離された2つの部分からなり、これらの2つの部分間にプローブガイド開口126がある他の実施形態を示している。他の実施形態ではプローブガイド開口126が、超音波変換器120によって画定された領域の外にあり、この実施形態でも、プローブガイド開口の中を通るプローブの経路を、変換器によって形成されるソノグラムの平面に対して平行とすることができる。超音波変換器に対するプローブガイド開口の相対位置と同様に、超音波変換器の適当な任意の平面幾何学的配置が開示の装置によって包含される。
【0037】
さらに、本明細書に開示される装置は、図1に示したものなどの直線変換器に限定されない。図11に示した他の実施形態では超音波変換器が、より大きな標的をこの装置によって画像化する手技において一般的に使用されているものなどの凸形変換器である。凸形変換器は例えば、出生前超音波装置および大器官スキャン装置において一般的である。このような装置には、装置によって発射された超音波ビームがより幅の広い場として扇形に広がるアーチ形の断面輪郭を有する超音波変換器が含まれる。図11は本発明に基づく凸形超音波装置の一実施形態を示す。見て分かるとおり、超音波変換器ハウジング200は凸形ベース228を有する。超音波変換器ハウジング200の中には、図示のようなアーチ形の断面輪郭を有する超音波変換器220がある。超音波変換器ハウジング200は、変換器ハウジング200と、アーチ形のベース228と、この特定の実施形態ではアーチ形の超音波変換器220とを貫通するプローブガイド開口126を画定する。この特定の実施形態ではプローブガイド開口126が、プローブガイド開口126の出口におけるアーチ形ベース228の接線に対して垂直である。他の実施形態では、プローブガイド開口が、開口におけるベースの接線に対して、直線変換器に関して先に説明したプローブガイド開口とは異なる角度をとり、異なる方向を向く。
【0038】
再び図1を参照すると、変換器ハウジング100は、超音波変換器120を貫通するプローブガイド開口126を画定する。プローブガイド開口126は、プローブガイド開口126の短い方の長さ部分に沿ってプローブガイド開口126の寸法がわずかに増大した凹部111を含むことができる。後に詳細に開示するが、凹部111を使用して、取外し可能なプローブガイドをプローブガイド開口の中に保持することができる。
【0039】
変換器ハウジング100およびその個々の部分の特定の幾何学的配置は一切、本発明にとって必須ではないことを理解されたい。例えば、図1には、ともに実質的に円筒形の形状を有する超音波変換器ハウジング100とプローブガイド開口126とが示されているが、他の任意の形状を等しく利用することができる。例えば変換器ハウジング100のベース128は長方形、正方形または他の適当な形状とすることができる。さらに、超音波ハウジング100は、表面に置かれたときに、図に示すように実質的に垂直に延び、またはベース128が表面に平らに置かれたときにある角度で斜めに延びることができる。ある種の実施形態では、超音波ハウジング100の形状が、解剖学的構造の特定の位置に合致するように特に設計される。例えば超音波ハウジング100は、鎖骨下静脈への鎖骨下接近、内頸静脈への接近、または他のいくつかの特定の用途に対して特定的に利用される形状に形成することができる。
【0040】
さらに、好ましい実施形態ではプローブガイド開口126が、図1に示すように、直線変換器ハウジングの平らな直線ベース128に対して垂直だが、これは本発明の要件ではない。他の実施形態では、超音波変換器ハウジングによって画定され、かつ超音波変換器ハウジングのベースを貫通するプローブガイド開口が、プローブガイド開口のところでベースとある別の角度をなす。
【0041】
一実施形態では、プローブガイド開口126が標的に導かれるプローブのプローブガイドの役目を果たす。他の実施形態では、プローブガイド開口の中に取外し可能なプローブガイドが配置される。例えば、本発明の一実施形態は、変換器ハウジングのプローブガイド開口の中に取外し可能に取り付けることができる無菌プローブガイドを含む無菌シールを含む。図2に、超音波変換器ハウジング100と協働して、医療手技中の患者と超音波変換器ハウジング100との間の無菌バリヤを提供する無菌シール(全体を110で表す)の特定の一実施形態を示す。無菌シール110は、分離可能な上ピース(全体を112で表す)および下ピース(全体を114で表す)114を含む。無菌シール110は、滅菌することができるいくつかの異なる材料から形成することができる。例えば、一度使用した後に無菌シール110全体を適当に廃棄することができるように、無菌シール110を、当技術分野で広く知られている使い捨ての無菌材料から形成することができる。
【0042】
無菌シール110は、超音波透過材料から形成されたシールベース116を含む下ピース114を含む。シールベース116は適当な任意のサイズおよび形状とすることができる。シールベース116は一般に、その最も長い部分の長さが約0.5インチ(1.27cm)から約6インチ(15.24cm)である。例えば、使用中の装置の安定性を促進するため、シールベース116はその最も長い部分の長さを約0.5インチ(1.27cm)とすることができる。しかし他の実施形態では、その最も長い部分の長さを、約1インチ(2.54cm)、約2インチ(5.08cm)、またはそれ以上など、これよりも大きくすることができる。さらに、超音波変換器ハウジングベース128がシールベース116の中にしっかりと着座し、使用中にあちこち滑らないようにするため、シールベース116は一般に、超音波変換器ハウジング100のベース128と同じ幾何学的形状である。
【0043】
シールベース116からは下部118が立ち上がっている。下部118は、その中を通るプローブガイド119の一部を画定する。プローブガイド119は、下部118とシールベース116の両方を完全に貫いて延びている。下部118は、円筒形の外面を有する下セクション121と、より小さな円筒形の外面を有する上セクション130とを含む。セクション130は、無菌シール110を超音波変換器ハウジング100に組み付ける間、プローブガイド119の無菌面を保護する取外し可能なキャップ127を含んでもよい。後に詳述するが、下部118はさらに、無菌シール110を超音波変換器ハウジング100に組み付けるときに利用することができるタブ117を含む。
【0044】
無菌シール110の下ピース114はさらに無菌ドレープ132を含む。無菌ドレープ132はシールベース116に接着しまたは他の方法でシールベース116に取り付けることができる。無菌ドレープ132は一般に、無菌ドレープまたは無菌シート用に一般的に使用されている織ウェブ材料、不織ウェブ材料などの柔軟でしなやかないくつかの適当な材料のうちの任意の材料から形成され、あるいは、しなやかで滅菌可能な他の適当な天然または合成材料から形成することができる。図2では無菌ドレープ132が、ロールに巻かれた形態で示されている。無菌シール110を変換器ハウジング100に組み付ける際に、無菌ドレープ132を広げて、変換器ハウジング100の上面を覆い、手技中の変換器ハウジング100と患者の間の無菌バリヤの一部とすることができる。この実施形態では、無菌ドレープ132と無菌ベース116が協力して、無菌プローブガイド119の一端から連続し、超音波変換器ハウジング100の外面を実質的に覆うことができる無菌スリーブを形成する。
【0045】
無菌シール110はさらに上ピース112を含む。上ピース112は上部123を含み、上部123は、上部123の一端のプローブガイド119の上セクションと、プローブガイド119の上セクションの下にあってプローブガイド119の上セクションと連続したわずかに大きい通路125とを画定する。このより大きな通路125のサイズは、無菌シール110の組付け時に上ピース112と下ピース114を結合したときに、通路125が下部118の上セクション130にぴったりとはまり、上部123の基部134がセクション121の頂部に着座するように決められる。無菌シール110を組み付けるため、下部118のセクション130からキャップ127を取り外し、上部123を下部118の上に滑らせて、上ピース112の最上部から下ピース114のシールベース116を貫通して延びる中断のないプローブガイド119を形成することができる。上ピース112はさらにシールド135およびタブ117を含む。これらの使用については図3を参照することによってさらに理解することができる。
【0046】
図3に、互いに対して取外し可能に取り付けられた無菌シールの上ピース(全体を112で表す)と下ピース(全体を114で表す)とを含む完全に組み付けられた無菌シール110の中に保持された超音波変換器ハウジング100を含む本発明の一実施形態の切断図を示す。図3に示された結合配置をよりよく理解するため、次に、この特定の実施形態の組付け工程を詳細に説明する。
【0047】
プローブガイド開口126を画定する超音波変換器ハウジング100を、無菌シールの下ピース114のシールベース116の中に着座させて、下部118が、変換器ハウジングのプローブガイド開口126を貫通して延びるようにする。組付け工程のこの部分の間、下部118のセクション130は一般に保護キャップ127(図2に示されている)で覆われている。下部118の長さは一般に、超音波変換器ハウジング100をシールベース116上に着座させた後に、下部118がプローブガイド開口126を完全に貫通し、セクション130の一部が超音波変換器ハウジング100の最上部を越えて延びるような長さでなければならない。変換器ハウジングのベース128とシールベース116の間に空気が入ることを防ぎ、超音波の透過を促進するため一般に、着座中のこれらの2つのベースの間に少量の超音波ゲルが配置される。下部118の上に変換器ハウジング100を滑らせると、タブ117はスライドし、凹み111の中にスナップばめされ、無菌シールの下ピース114と変換器ハウジング100を一体にロックするのを助ける。無菌シール110の下ピース114上に超音波変換器ハウジング100が配置されたら、無菌ドレープ132を広げて、ハンドル122の少なくとも一部を含む変換器ハウジング100の上面を覆う。無菌ドレープ132は、超音波変換器ハウジング100の最上部を越えて延びるセクション130の部分が、広げられた無菌ドレープ132を貫通することができるサイズの小さな開口を画定することができる。この時に、下部118から保護キャップ127(図3には示されていない)を取り外すことができ、上部123を、変換器ハウジングのプローブガイド開口126の中の下部118の上に滑らせて、通路125がセクション130の上にぴったりとはまるようにする。タブ117は凹み111の中にスナップばめまたは滑りばめすることができ、変換器ハウジングのプローブガイド開口126の中に、無菌シールの上ピース112をロックするのを助ける。シールド135は、超音波変換器ハウジング100の上面に無菌ドレープ132を押し付け、無菌バリヤを保証するのに役立つ。
【0048】
前述の組付け工程の結果、プローブガイド119は、無菌シールの上ピース112の最上部からシールベース116を貫通して中断なく延びる。さらに、本発明への大きな利益として、プローブガイド119は無菌であり、さらに、超音波変換器ハウジング100の中にあって、プローブガイド119の中を誘導されるプローブの経路が、超音波変換器120の使用によって形成されるソノグラムに対して分かっている。
【0049】
手技の後、無菌シール110は、単にこの組付け工程を逆にたどることによって分解することができる。タブ117は、引っ張ったりまたはねじったりすることによって、あるいは上部123および下部118をプローブガイド開口から取り出すことを可能にする他のレバー作用によって引っ込めることができる。
【0050】
本発明の無菌シールは、特定の特性を有し、当技術分野で知られている任意の超音波変換器ハウジングの形状に一致するように設計することができることを理解されたい。例えば他の実施形態では、無菌シールの上ピースと下ピースが一体構造であり、互いに対して取外し可能に取り付けられる必要がなく、互いに対して一体である。さらに、無菌シールは、変換器ハウジングによって画定されたプローブガイド開口の中に配置することができる無菌プローブガイドだけからなっていてもよい。他の実施形態では、無菌スリーブがもっぱら、無菌プローブガイド119の一端から連続するしなやかな無菌ドレープだけから形成される。他の実施形態では、無菌スリーブが、例えば成形された熱可塑性材料などの他の材料から形成される。このような実施形態では、無菌スリーブが例えば、互いにスナップばめしまたは他の方法で互いに取り付けて、超音波変換器ハウジングを実質的に覆い、プローブガイド開口内のプローブの移動が無菌スリーブの存在によって妨げられないような通路をその中に画定することができる、しなやかでない上部および下部を含むことができる。明らかに、無菌シールの多数の可能な配置が等しく有効であり、唯一の要件は、無菌シールが、変換器ハウジングのプローブガイド開口の中に取外し可能に受け取られることができる無菌プローブガイドを含むことである。
【0051】
一実施形態では、超音波変換器ハウジングが、軸、例えばプローブガイド開口と平行な軸にちょうつがい式に取り付けられる。この特定の実施形態では、超音波変換器ハウジングが、一体型の無菌プローブガイドを取り巻いて閉じることができ、またはプローブガイド自体を形成することができる二枚貝の殻のような形状を有することができる。可能な他の実施形態では、超音波変換器ハウジングが、変換器ハウジングの縁から変換器ハウジングプローブガイド開口に通じる開いたスロットを有する。この実施形態では、分離可能な一体型の無菌プローブガイドを側面からこのスロットを通して、変換器ハウジングのプローブガイド開口の中に滑り込ませることができる。本発明の超音波装置は、変換器ハウジングのベースを貫通するプローブガイド開口を超音波変換器ハウジングが画定する任意の配置を包含する。
【0052】
本発明の一実施形態によれば、超音波プローブ装置がクランプを含む。クランプは、適当な任意の構成のクランプとすることができ、一実施形態では、プローブガイド開口の中にプローブをしっかりと保持し、プローブの先端の移動を制限しまたは防ぐために、クランプが変換器ハウジングと機械的に連絡している。これは例えば、内部標的にプローブを挿入した後の後続の手技中のプローブ先端の移動ができるだけ小さいことが好ましいときに特に有益である。例えば、中心静脈カテーテル法の最中、カニューレ針による静脈の最初の穿刺の後、静脈への長いガイドワイヤの挿入の前に、プローブ先端の移動によって、プローブ先端が静脈から外れ、手技全体をやり直すことが必要となることがある。
【0053】
図4〜6に本発明のクランプの一実施形態を示す。これらの図を参照すると、上部423の末端の等角図(図4)および切断平面図(図5)が示されている。上部(全体を423で表す)は、図6および7に示された固定レバー150と嵌り合うように設計されている。この特定の実施形態では、上部423を、圧力を加えると変形し圧力を除くと元の形状に戻るいくぶんしなやかなプラスチック材料などの材料から形成することができる。上部423は、上部423の壁を貫いてプローブガイド119の深さまで延びロッキングタブ(locking tab)140を形成するカットアウト(cut out)138を画定する。上部423はさらに、固定レバー150を上部423に取外し可能に取り付けることができるように曲がることができるキャップ142を含む。
【0054】
図5は、V−V線に沿って図4の上部423の切断平面図を示す。見て分かるとおり、上部423のこの部分の外輪郭は円形ではない。上部423の外輪郭は平らなセクション136を含む。平らなセクション136は、上部423の面に沿って高さ「h」(図4に示されている)にわたって延びている。これらの図には、上部423の外面からプローブガイド119まで延びるカットアウト138も示されている。図示のとおりロッキングタブ140は、カットアウト138に直接に隣接した上部423のセクションである。
【0055】
図6および7に、上部423のキャップ142を越えて滑るように設計された固定レバー150を示す。固定レバー150はハンドル152を含み、中心通路154を画定する。上部423のキャップ142の下側にぴったりとはまるように、固定レバー150は一般に高さ「h」のレバーである。図7によりはっきりと示されているように、通路154は、通路154の内面壁から短い距離だけ延びる平らなセクション137を含む。
【0056】
図8Aおよび8Bに、本発明のクランプのこの特定の実施形態の組付け後の平面図を示す。固定レバー150は上部423の末端部分の上に滑らせることができる。キャップ142(図8Aおよび8Bには示されていない)は固定レバー150を上部423に保持することができ、カニューレプローブ156をプローブガイド119中に滑らせると、カニューレプローブ156をプローブガイド119の中に摩擦ばめで保持することができる。プローブ先端が首尾よく内部標的に到達した後、図8Aの矢印によって示されているように固定レバー150を回転させて、図8Bに示すように、プローブガイド119の中にプローブ156を固定することができる。固定レバーを回転させると、固定レバーの平らなセクション137が、プローブ156に対してロッキングタブ140を変形させ、これによってプローブガイド119のサイズを低減させ、かつ/またはプローブガイド119を変形させ、プローブガイド119の中にプローブ156をきつく固定し、プローブ156の移動を制限しまたは防ぐ。
【0057】
これらの図はクランプの特定の一実施形態を示すが、本明細書に開示されるプローブ装置とともに使用される他の実施形態のクランプも企図され、したがって構成要素の特定の幾何学的形状または配置は、本発明のクランプにとって重要ではないことを理解されたい。例えば、クランプは、上記実施形態で説明したような回転固定レバーで締め付ける必要はなく、任意選択で、トリガ機構、鍵、押しボタン、ねじまたは等価の作動装置の使用によって作動させることもできる。一実施形態では回転固定レバーが、クランプを締め付けるねじ部分を含む。例えば、回転機構を使用して、機械ねじまたは管用ねじを含むクランプを締め付けることができる。管用ねじはクランプの部分間の確実な取付けを提供することができ、クランプを締め付けるために必要な回転距離が短いので、一実施形態では管用ねじが好ましい。さらに、適当なテンショニング装置(tensioning device)を利用して、変換器ハウジングに対するプローブの移動を制限することもできる。例えばクランプが、プローブを押してプローブガイドの中にプローブを固定することができる止めねじまたはばね機構を含む。さらに、クランプはプローブを、プローブガイドに沿った任意の点、図示の実施形態に示されているようにローブガイドの頂部の近く、または任意選択で変換器ハウジング内のより下の方に固定することができる。さらに、これらの図に示すようにクランプは無菌シールと一体とすることができ、または、無菌シールが超音波変換器ハウジングの一部を取り囲まないときには、超音波装置とともに使用することができる。例えばクランプは、変換器ハウジングと一体とすることができ、または超音波変換器ハウジングに取外し可能に取付け可能とすることができる。
【0058】
好ましい一実施形態では、変換器ハウジングのハンドルを保持している人と同じ人がクランプを操作する。例えば、一方の手で内部標的にプローブ先端を挿入、配置した後に、術者は、もう一方の手で装置の中にプローブを固定することができ、このもう一方の手は、皮膚の表面で変換器ハウジングを保持している同じ手である。したがってこの実施形態では、このターゲティング手技全体をひとりで実施することができる。
【0059】
超音波装置、特に本発明の超音波装置の基本構造に起因して、プローブがプローブガイドを通過し、ソノグラム上に画像化された平面に平行に体内を進むとき、プローブ自体はソノグラム上で事実上見ることができない。実際、プローブガイドがプローブガイド開口のところで変換器ハウジングのベースに垂直な実施形態では、プローブがビームの方向と一致した方向に移動し、その場合、超音波装置からプローブは全く「見えない」。しかし、ソノグラムを見たときにプローブ経路全体が分かるので、開示された装置ではこのことは問題にならない。ソノグラムを見るとき、変換器ハウジングのベースは、ソノグラムの上縁または上縁の近くにある。変換器ハウジングのベースからプローブが出る点は分かっており、ベースとプローブ経路の間の角度関係(すなわちベースに対するプローブガイドの角度)も分かっているので、プローブが体内でたどる経路は既知である。皮下の標的をプローブで突き刺すのに、術者は、この既知の経路と画像化された標的とを整列させるだけでよい。
【0060】
本発明の一実施形態では、プローブのこの既知の経路がソノグラムに追加され、ターゲティング手技がよりいっそう単純化される。例えば、本発明の一実施形態は、プローブガイド開口がハウジングを出る(または変換器を貫通する)ソノグラム上の点から延び、超音波場を横切って既知の角度で直線として突き出すターゲティング線を、ソノグラムに追加することを含む。したがって、このターゲティング線が装置によって画像化された標的と交差するようにした場合、術者は、プローブが標的に正確に導かれていることを確信することができる。他の実施形態では、他のターゲティング情報がソノグラム上に表示される。例えば一実施形態では、標的へのプローブの接近を示す情報が表示される。例えば一実施形態では、既知のターゲティング線に沿って移動するときの仮想プローブのリアルタイム画像がソノグラム上に表示される。
【0061】
図9に、仮想プローブの画像をソノグラム上にオーバレイすることができる本発明の一実施形態を示す。この特定の実施形態では超音波システムが検出器158を含む。検出器158は、超音波装置に入り、プローブガイド119の中を通過して体内に入るプローブ156の移動を認識し監視することができる。プローブ156は次いで、プローブ画像168としてモニタ164上に画像化することができる。モニタ164はさらにソノグラム166を示すことができる。
【0062】
当技術分野で広く知られている可能な異なるさまざまな検出器を検出器158として利用することができる。検出器158は例えば、赤外線(IR)、超音波、光学、レーザまたは他の移動検出機構を利用することができる。さらに、本発明にとって検出器158の位置は重要ではない。図9に示された実施形態では検出器158が、無菌シール110のシールド135上に位置する。しかし他の実施形態では、検出器がシステム内の別の場所に位置することができ、これには例えば、変換器ハウジング100と一体の位置、またはプローブ自体の一部分など変換器ハウジング100の外部が含まれる。
【0063】
検出器158からの信号は、注射器170あるいはプローブ156の他の部分から反射されてデータストリームを生成することができ、このデータストリームは、情報ケーブル159によって処理ユニット162に送ることができる。処理ユニット162は例えば、標準ラップトップまたはデスクトップコンピュータプロセッサ、あるいは当技術分野で知られている自己内蔵型の超音波システムの部分とすることができ、適当な認識および解析ソフトウェアをロードすることができ、検出器158からのデータストリームを受け取り解析することができる。処理ユニットはさらに、ケーブル124を介して超音波変換器からデータを受け取る当技術分野で広く知られている標準画像化ソフトウェアを含むことができる。プローブ156は所定の長さのプローブとすることができ、この所定の長さは、使用者によって処理ユニット162に入力された入力データとし、またはデフォルトの長さとしてシステムに予めプログラムしておくことができる。したがって、検出器158および超音波変換器120から受け取られたデータストリームを解析することによって、超音波変換器120、超音波変換器ハウジングのベース128、検出器158または都合のよい他の基準点に対するプローブ先端157の相対位置を計算するように、処理ユニット162をプログラムすることができる。処理ユニット162は、この位置情報をケーブル163を介してモニタ164にディジタル情報として伝達することができ、この情報は例えば、数値フォーマットとして、または血管160などの標的の画像167を含むソノグラム166とともに表示された仮想プローブ168の任意選択のリアルタイム画像として、モニタ上に表示することができる。
【0064】
このように、本発明の装置を利用して、手技全体を通じて、標的へのプローブの接近を実際にモニタ上に示すことができる。さらに、ある種の実施形態では、本発明を利用して、後続の手技の間、プローブ先端が標的のところにとどまっていることを保証することができる。例えば、プローブ156から反射された信号によって検出器158がプローブ156の移動を監視する実施形態では、プローブ156が検出器158から「見えている」限り、プローブ156の画像168はモニタ164上にとどまり続けることができる。したがってこの特定の実施形態では、カテーテル法の場合のように注射器170が取り外され、ガイドワイヤと置き換えられる場合でも、プローブ156の画像168はモニタ164上にとどまり続けることができ、観察者は、標的160に対するプローブ先端157の相対的な移動に気づくことができる。
【0065】
本明細書に開示された超音波誘導式プローブ装置および方法は、多くの異なる医療手技で利用されることができる。この装置の例示的な応用には以下のものが含まれる。ただしこれらに限定されるわけではない。
・中心静脈カテーテル法
・心臓カテーテル法(中心動脈アクセス(access))
・透析カテーテルの配置
・胸部生検
・穿刺術
・心膜穿刺術
・胸腔穿刺術
・関節穿刺術
・腰椎穿刺
・硬膜外カテーテルの配置
・経皮脈管内中心カテーテル(PICC)ラインの配置
・甲状腺結節生検
・胆嚢ドレーン(drain)の配置
・関節鏡検査手技
・腹腔鏡検査法
【0066】
これらの例示的な手技の一部は、過去において超音波が使用されたものであり、これらの手技の全ておよび上に明示しなかった他の手技は、手技の安全性ならびに患者の安全および快適性を向上させ、さらに超音波装置をより経済的に使用するために、開示された超音波誘導式装置を利用することができる。さらに、本明細書に開示された装置は、すでに市販されている標準プローブキットとともに利用されることができる。
【0067】
例示目的で示した上記の例を、本発明の範囲を限定するものと解釈してはならないことを理解されたい。本発明の例示的ないくつかの実施形態を詳細に説明したが、本発明の新規の教示および利点から実質的に逸脱することなくこれらの例示的な実施形態に多くの変更を加えることができることを当業者は容易に理解しよう。したがって、このような変更は全て、請求項およびその全ての等価物に定義された本発明の範囲に含まれる。さらに、ある実施形態の利点のうちの一部の利点しか達成しない多くの実施形態が考えられること、および特定の利点を含まないからといって、そのような実施形態が本発明の範囲に含まれないとは必ずしも言えないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の超音波変換器ハウジングの一実施形態を示す図である。
【図2】分離可能な上部および下部を含む、本発明に基づく無菌シールの一実施形態を示す図である。
【図3】超音波変換器ハウジングによって画定されたプローブガイド開口の中に無菌プローブガイドを形成するために無菌シールによって取り囲まれた超音波変換器ハウジングを含む、本発明の装置の一実施形態を示す図である。
【図4】一体型のクランプを含む本発明に基づく無菌シールプローブガイドの頂部の一実施形態の等角図である。
【図5】線V−Vに沿ってとった図4のプローブガイドの切断平面図である。
【図6】図4のプローブガイドとともに使用するのに適した固定レバーを示す図である。
【図7】線VII−VIIに沿ってとった図6の固定レバーの平面図である。
【図8A】図4〜7のクランプによって保持された非固定位置にあるプローブの切断平面図である。
【図8B】図4〜7のクランプによって保持された固定位置にあるプローブの切断平面図である。
【図9】仮想プローブの画像をソノグラムに相関させることができる本発明の他の実施形態を示す図である。
【図10A】超音波変換器と変換器ハウジングによって画定されたプローブガイド開口との間の1つの関係を示す、本発明の超音波変換器の一実施形態の平面図である。
【図10B】超音波変換器と変換器ハウジングによって画定されたプローブガイド開口との間の他の関係を示す、本発明の超音波変換器の他の実施形態の平面図である。
【図10C】超音波変換器と変換器ハウジングによって画定されたプローブガイド開口との間の他の関係を示す、本発明の超音波変換器の他の実施形態の平面図である。
【図10D】超音波変換器と変換器ハウジングによって画定されたプローブガイド開口との間の他の関係を示す、本発明の超音波変換器の他の実施形態の平面図である。
【図10E】超音波変換器と変換器ハウジングによって画定されたプローブガイド開口との間の他の関係を示す、本発明の超音波変換器の他の実施形態の平面図である。
【図10F】超音波変換器と変換器ハウジングによって画定されたプローブガイド開口との間の他の関係を示す、本発明の超音波変換器の他の実施形態の平面図である。
【図11】凸形超音波変換器を含む、本発明の超音波変換器ハウジングの他の実施形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波変換器とベースとを含む超音波変換器ハウジング
を含み、前記超音波変換器ハウジングは前記ベースを貫通したプローブガイド開口を画定し、さらに
無菌プローブガイドを含む無菌シール
を含み、前記無菌プローブガイドは、前記超音波変換器ハウジングに取外し可能に取付け可能であり、前記無菌プローブガイドを前記超音波変換器ハウジングに取り付けたときに、前記無菌プローブガイドは前記プローブガイド開口の中に受け取られる
ことを特徴とする医療用プローブ装置。
【請求項2】
前記無菌シールはさらに、前記無菌プローブガイド内でのプローブの移動を妨げることなく前記超音波変換器ハウジングの外面を実質的に覆うように適合された無菌スリーブを含むことを特徴とする請求項1に記載の医療用プローブ装置。
【請求項3】
前記無菌スリーブはしなやかな材料を含むことを特徴とする請求項2に記載の医療用プローブ装置。
【請求項4】
前記無菌スリーブは成形された熱可塑性材料を含むことを特徴とする請求項2に記載の医療用プローブ装置。
【請求項5】
直線超音波変換器を含む直線非侵襲性医療用プローブ装置であることを特徴とする請求項1に記載の医療用プローブ装置。
【請求項6】
前記プローブガイド開口は、前記超音波変換器ハウジングの前記ベースに対して垂直であることを特徴とする請求項5に記載の医療用プローブ装置。
【請求項7】
アーチ形の輪郭を画定する超音波変換器を含む非侵襲性医療用プローブ装置であることを特徴とする請求項1に記載の医療用プローブ装置。
【請求項8】
前記プローブガイド開口は、前記プローブガイド開口のところの前記ベースの接線に対して垂直であることを特徴とする請求項7に記載の医療用プローブ装置。
【請求項9】
前記プローブガイド開口の中にプローブを固定するためのクランプをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の医療用プローブ装置。
【請求項10】
モニタをさらに含み、ソノグラムを表示するために前記超音波変換器は前記モニタに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の医療用プローブ装置。
【請求項11】
前記無菌プローブガイドの中を誘導されるプローブの経路は、前記ソノグラムの平面に平行な線を画定することを特徴とする請求項10に記載の医療用プローブ装置。
【請求項12】
前記無菌プローブガイド内でのプローブの移動を検出するための検出器をさらに含み、前記無菌プローブガイド内でのプローブの前記移動に関する情報を表示するために、前記検出器は処理ユニットに連絡されていることを特徴とする請求項10に記載の医療用プローブ装置。
【請求項13】
前記情報は、仮想プローブの画像として前記モニタ上に表示されることを特徴とする請求項12に記載の医療用プローブ装置。
【請求項14】
超音波ビームを場の中に送信し前記超音波ビームの反射を受け取るための超音波変換器を含む超音波変換器ハウジング
を備え、前記超音波変換器は、受け取られた前記反射に応答して出力信号を生成し、前記超音波変換器ハウジングは、前記場の中の経路に沿ってプローブを誘導するためのプローブガイド開口を画定し、さらに
モニタ
を備え、前記モニタは前記超音波変換器に連絡されており、前記モニタは、前記変換器からの前記出力信号に基づいてソノグラムを表示するように構成されており、前記モニタはさらに、前記場の中のプローブの前記経路に関する情報を表示するように構成されている
ことを特徴とする医療用プローブ装置。
【請求項15】
前記経路は前記ソノグラムの平面に平行であることを特徴とする請求項14に記載の医療用プローブ装置。
【請求項16】
前記プローブガイド開口内でのプローブの移動を検出するための検出器をさらに含み、前記検出器は、検出された前記移動に応答して出力信号を生成することを特徴とする請求項14に記載の医療用プローブ装置。
【請求項17】
前記検出器からの前記出力信号によって運ばれた情報は、前記プローブの仮想画像の形態で前記モニタ上に表示されることを特徴とする請求項16に記載の医療用プローブ装置。
【請求項18】
前記プローブガイド開口の中に取外し可能に受け取られることができる無菌プローブガイドを含む無菌シールをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の医療用プローブ装置。
【請求項19】
前記無菌シールはさらに、前記無菌プローブガイドから連続した無菌スリーブを含み、前記無菌スリーブは、前記無菌プローブガイド内でのプローブの移動を妨げることなく前記超音波変換器ハウジングを実質的に取り囲むように構成されていることを特徴とする請求項18に記載の医療用プローブ装置。
【請求項20】
前記プローブガイド開口の中にプローブを固定するためのクランプをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の医療用プローブ装置。
【請求項21】
中心静脈カテーテル法において使用されるためのものであることを特徴とする請求項14に記載の医療用プローブ装置。
【請求項22】
ベースと、超音波ビームを送信するための超音波変換器とを含む超音波変換器ハウジング
を含み、前記超音波変換器ハウジングは前記ベースを貫通したプローブガイド開口を画定し、さらに
前記超音波変換器ハウジングと連絡した、前記プローブガイド開口の中にプローブを固定するための機械式クランプ
を含むことを特徴とする医療用プローブ装置。
【請求項23】
前記プローブガイド開口の中に取外し可能に受け取られることができるプローブガイドをさらに含むことを特徴とする請求項22に記載の医療用プローブ装置。
【請求項24】
直線超音波変換器を含む直線非侵襲性医療用プローブ装置であることを特徴とする請求項22に記載の医療用プローブ装置。
【請求項25】
前記プローブガイド開口は、前記超音波変換器ハウジングの前記ベースに対して垂直であることを特徴とする請求項24に記載の医療用プローブ装置。
【請求項26】
非侵襲性医療用プローブ装置であり、前記ベースはアーチ形の輪郭を画定することを特徴とする請求項22に記載の医療用プローブ装置。
【請求項27】
前記プローブガイド開口は、前記プローブガイド開口のところの前記ベースの接線に対して垂直であることを特徴とする請求項26に記載の医療用プローブ装置。
【請求項28】
無菌プローブガイドを含み、前記無菌プローブガイドは、前記無菌プローブガイドの中のプローブと超音波変換器ハウジングとの間の無菌バリヤを提供するために、前記超音波変換器ハウジングによって画定されたプローブガイド開口の中に取外し可能に取付け可能であることを特徴とする無菌シール。
【請求項29】
前記無菌プローブガイドの一端から連続した無菌スリーブをさらに含み、前記無菌スリーブは、前記無菌プローブガイドが前記プローブガイド開口内に取り付けられたときに、前記無菌プローブガイド内でのプローブの移動を妨げることなく前記超音波変換器ハウジングの外面を実質的に覆うように適合されていることを特徴とする請求項28に記載の無菌シール。
【請求項30】
前記無菌スリーブはしなやかな材料を含むことを特徴とする請求項29に記載の無菌シール。
【請求項31】
前記無菌スリーブは、前記超音波変換器ハウジングによって画定された前記プローブガイド開口内に前記無菌プローブガイドが取り付けられたときに超音波変換器ハウジングの前記ベースと合致するように適合されたベースを含むことを特徴とする請求項29に記載の無菌シール。
【請求項32】
前記無菌プローブガイドの中にプローブを固定するためのクランプをさらに含むことを特徴とする請求項28に記載の無菌シール。
【請求項33】
前記無菌プローブガイドが分離可能な上部および下部を含むことを特徴とする請求項28に記載の無菌シール。
【請求項34】
ベースと、ソノグラムを形成するためのアーチ形の素子アレイを含む超音波変換器とを含む超音波変換器ハウジングを含み、前記超音波変換器ハウジングは、前記ベースおよび前記超音波変換器を貫通したプローブガイド開口を画定することを特徴とする医療用プローブ装置。
【請求項35】
前記超音波変換器は個々の素子のアレイを含み、前記プローブガイド開口は、前記素子アレイの切れ目のところで前記アレイを貫通することを特徴とする請求項34に記載の医療用プローブ装置。
【請求項36】
前記プローブガイド開口は、前記超音波変換器によって画定された領域内で前記超音波変換器を貫通することを特徴とする請求項34に記載の医療用プローブ装置。
【請求項37】
前記プローブガイド開口は、前記プローブガイド開口のところの前記ベースの接線に対して垂直であることを特徴とする請求項34に記載の医療用プローブ装置。
【請求項38】
超音波変換器とベースとを含む超音波変換器ハウジングを含み、前記超音波変換器ハウジングはプローブガイド開口を画定し、前記プローブガイド開口は前記ベースを貫通し、前記超音波変換器によって画定された領域の外側で前記超音波変換器ハウジングを貫通し、前記プローブガイド開口の中を誘導されるプローブは、前記超音波変換器によって形成されるソノグラムの平面に平行な経路に沿って移動することを特徴とする医療用プローブ装置。
【請求項39】
前記プローブガイド開口は、前記超音波変換器ハウジングの前記ベースに対して垂直であることを特徴とする請求項38に記載の医療用プローブ装置。
【請求項40】
前記超音波変換器は直線超音波変換器であることを特徴とする請求項38に記載の医療用プローブ装置。
【請求項41】
前記超音波変換器はアーチ形の輪郭を画定することを特徴とする請求項38に記載の医療用プローブ装置。
【請求項42】
経皮プローブを内部標的まで誘導するための方法であって、
超音波ビームを送信し前記超音波ビームの反射を受け取るための超音波変換器を含み、自体を貫通するプローブガイド開口を画定した超音波変換器ハウジングを用意すること、
無菌プローブガイドを含む、取外し可能に取付け可能な無菌シールを用意すること、
前記プローブガイド開口の中に前記無菌プローブガイドを受け取ること、および
前記無菌プローブガイドの中を通してプローブを経皮標的まで誘導すること
を含むことを特徴とする方法。
【請求項43】
前記超音波ビームの前記反射に応答して前記経皮標的のソノグラムをモニタ上に形成することをさらに含むことを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記無菌プローブガイドの中を誘導される前記プローブの経路は、前記ソノグラムの平面に平行な線を画定することを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記経路は前記ソノグラム上に示されることを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記プローブガイド内での前記プローブの移動に応答してデータストリームを生成すること、および
前記データストリームの中に含まれる情報のリアルタイム画像を形成すること
をさらに含むことを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記リアルタイム画像は、前記ソノグラム上にオーバレイされた仮想プローブの画像であることを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記経皮標的を前記プローブと接触させること、および
前記プローブガイドの中に前記プローブを固定すること
をさらに含むことを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項49】
前記経皮標的は血管の内腔であることを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項50】
ひとりの術者によって実施されることを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項51】
プローブを標的まで誘導する方法であって、
超音波ビームを送信し前記超音波ビームの反射を受け取るための超音波変換器を含み、前記超音波変換器ハウジングのベースに対する既知の角度関係で自体を貫通するプローブガイド開口を画定した超音波変換器ハウジングを用意すること、
前記プローブガイド開口の中を通し、前記既知の角度関係に基づいて画定された経路に沿ってプローブを標的に向かって誘導すること、
前記超音波変換器によって受け取られた前記反射に応答してソノグラムを形成すること、および
前記ソノグラム上に前記経路の画像を形成すること
を含むことを特徴とする方法。
【請求項52】
プローブを標的まで誘導する方法であって、
超音波ビームを場の中に送信し前記超音波ビームの反射を受け取るための超音波変換器を含み、自体を貫通するプローブガイド開口を画定した超音波変換器ハウジングを用意すること、
前記プローブガイド開口の中を通して前記超音波ビームの前記場の中にプローブを誘導すること、
前記超音波変換器によって受け取られた前記反射に応答してソノグラムを形成すること、
前記プローブガイド開口内での前記プローブの移動を検出すること、
前記検出された移動に応答してデータストリームを生成すること、
前記データストリームの中に含まれる情報から、前記ソノグラム上の前記場の中に前記プローブの画像を形成すること
を含むことを特徴とする方法。
【請求項53】
前記プローブガイド内での前記プローブの移動は、前記ソノグラムの平面に平行な線を画定することを特徴とする請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記標的を前記プローブの端と接触させること、および
前記プローブガイドの中に前記プローブを固定すること
をさらに含むことを特徴とする請求項52に記載の方法。
【請求項55】
プローブを標的まで誘導する方法であって、
素子のアレイから超音波ビームを送信し前記超音波ビームの反射を受け取るための超音波変換器を含み、自体を貫通するプローブガイド開口を画定した超音波変換器ハウジングを用意すること、
前記プローブガイド開口の中を通してプローブを標的に向かって誘導すること、
前記標的を前記プローブの端と接触させること、および
前記プローブガイドの中に前記プローブを機械的に固定すること
を含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【図11】
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【公表番号】特表2007−510514(P2007−510514A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539726(P2006−539726)
【出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/037268
【国際公開番号】WO2005/046444
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(506159138)ソーマ ディベロップメント エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】