説明

足の保護部材

足を保護する挿入部材(1)は、サンダルスタイルの靴の足指ポスト/鼻緒部材(6)の周りに配置されるのに適した柔軟なクッションを備え、前記クッションは、使用時に靴と使用者の足とによって大部分が隠される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足へのダメージ/痛みを減らすために履物の中に取り付けられる保護部材に関する。さらに、特に、本発明は、サンダルスタイルの靴、すなわち、上部分と下部分が、使用者の足指の間を通るように設けられたストラップ(strap)あるいは鼻緒(thong)などによって連結される靴の中に取り付けられる部材に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、サンダルスタイルの靴の流行は、今までよりも幅広く多様化し、売りに出されている。このスタイルの靴は、大部分が、歴史的に、平ら/ヒールがなかったのに対して、最近、これまでの休日/ビーチ(beach)の服装をより一層補うために、ファッション/余暇の服装を身につけている場合に増大して、ハイヒールタイプの方向に進んでいる。このことにより、長い間に渡って、このスタイルの靴を履く女性がますます増えている。
【0003】
大部分の女性は、このスタイルの靴を履いた場合、不快を感じることがわかっている。すなわち、鼻緒部材に押し付けられるため、鼻緒部材が足指の間にこすれ、また(特に、ハイヒールタイプにおいて)、足指の間の皮膜に対して圧力がかかって痛みが引き起こされる。この痛みおよび不快さの結果、このスタイルの靴を履きたいと考えている多くの女性がそうすることを避け、その他の者は、単に、ファッションのために痛みに耐えていた。
【0004】
さらに、多くのスタイルの靴とともに、単純な粘着性のばんそうこう(adhesive plaster)が、パッドとして付加されて足を保護するために使用されてきたにもかかわらず、このスタイルの靴の開放された性質により、このような予防措置が非常にみっともなく、多くの女性はこの方法をとりたがっていない。
【0005】
この問題に特別に取り組む人がいないにもかかわらず、靴の快適性を改善して足に対する損傷を減少させるために、挿入部材および他の同様な仕掛けを生み出すための多種多様な試みがなされ、多くの付属品が以下のように議論されてきた。
【0006】
WO94/01496(SCHERING−PLOUGH)において、全面的な中敷からヒールパッドおよび足指の頂点パッドにまで及ぶ足を快適にするパッドが幅広く開示されている。この開示された発明は、これらのパッドの構造物に用いられる特別なポリシロキサンエラストマーに方向付けられる。また、足指ポスト(toe post)を有する履物は特に開示されていない。
【0007】
US2003/0230312(DUMTTRASCU)において、前足の前方に、目立たない、すなわち“しゃれた”履物を身につけることができるように特別に意図された粘着性の皮膚保護パッチが開示されている。この開示された発明は、実際のところ、透明であることが好ましく特別に形成されたばんそうこう(sticking plaster)である。足指ポストのスタイルの靴に著しい不快さが現れる足指の間の皮膜に保護が形成されることを言及していることは開示されていない。しかしながら、この文献は、一つの最も適切な背景技術を示している。
【0008】
US5,683,354(LEVY)において、人間の手あるいは足の指のための粘着性のある帯具が開示されている。この開示された帯具(ばんそうこう)は、表向きは星形状になっており、放射状に延びる多くのポイントが、従来のばんそうこうがずれて粘着力が低下する傾向にある手指および足指等のような“体の曲がる部分”の周りに、粘着力を補助することが主張されていることが開示されている。この開示は、足指ポストの保護概念における材料効果は含まれていない。
【0009】
US2002/0095107(MARTIN)において、手指または足指を保護するスリーブが開示されている。足指ポストの保護物の計画を与える特別なものはなく、技術の現在の状態を明示するためにここに含まれている。
【発明の開示】
【0010】
上述の先行技術文献のうち、DUMITRESCUだけは、足の快適性およびファッションの問題に確かに取り組んでいる。しかしながら、前記文献においては、サンダルスタイルの靴に使用することが開示されていない。それは各足指の周りを覆う部分を有し、そのうちのいくつかは、このタイプの靴に連結して取り付けられた場合に露呈されるからである。また、開示されたパッチが、足自体に粘着されることはとりあげるほどのことではなく、汗により粘着性が弱まる傾向になるため、塗布および粘着力の寿命という点において、いずれも問題をもたらす。
【0011】
本発明の目的は、上述したスタイルの履物に使用するために挿入部材を提供することであり、より多くの女性がすでに述べた痛みに苦しむことなくサンダルスタイルの靴を履くことができ、また、すでに履いているそれらの靴によって苦しめられる不快さの程度が減少される。
【0012】
“ハーフパイプ(half-pipe)”形状という言葉は、完全なハーフパイプ形状に制限されることではなく、ここでの定義として目的が実行されるためなら、いかなる部分的にくぼんだ円筒(partial hollow cylinder)形状をも含むことを意味している。
【0013】
本発明による挿入部材は、サンダルスタイルの靴の足指ポスト/鼻緒部材の周りに配置される柔軟なクッションを備え、前記クッションは、使用時に靴と使用者の足によって大部分が隠される。
【0014】
挿入部材は、使用時にその部分が見られる場合においても、足よりも目立つことがないように、透明であることが好ましい。
【0015】
挿入部材は、略平面状に構成され、前記平面形状は、使用する前に、使用者によって鼻緒部材の周りで変形される。
【0016】
挿入部材の中央部分は、その端部分よりも厚く形成されることが好ましい。
【0017】
挿入部材は、靴の鼻緒部材に着脱可能に粘着することができるように、一方の側に設けられる粘着層を有している。
【0018】
挿入部材は、鼻緒部材の周囲に配置される“ハーフパイプ”形状部材を有する形成/モールド部材からなっていてもよい。
【0019】
挿入部材は、更に、靴の中敷きの部分に沿って配置される略平面状部材を備え、2つの足指の間を通る“ハーフパイプ”形状部材を有し、使用時に、平面部材に使用者の足の母指球が配置され、前記足指と靴の鼻緒部材との間にクッションが提供される。
【0020】
また、挿入部材は、(実際は、粘着面ではない)凹凸面(relieved surface)を有し、前記凹凸面は、多数の突出物(pimple)/突起部を含むことが好ましく、前記突起部は、循環する空気が増大する効果によって、使用者に快適さを付加的に提供し、汗が滞留することを減少させるとともに、摩擦を減少させる。また、この突起部により、挿入部材の柔軟性/曲げ特性が改良される。
【0021】
挿入部材は、柔軟性およびクッション性の両方を提供するシリコンゲルあるいは類似の化合物から形成されることが好ましい。
【0022】
本発明は、一例として与えられる前述の実施の形態を参考にしてより一層理解される。
【0023】
第1の実施の形態1において、略平面状クッションが設けられ、このうち中央部分2は、端部3よりも厚く形成されている。また、靴に付着する粘着層を有する下面4が設けられている。他方の面は多数の突起部5を有し、中央の突起部は、外側の突起部よりも大きく形成されている。
【0024】
使用する際、消費者により、まず、自分の履物に適した長さにクッションが切られ、裏紙(図示せず)が取り除かれ、その後、クッションの粘着面4が靴の鼻緒部材6に貼り付けられる(図示のように、クッションは、中実鼻緒7と、2つの隣り合うストラップで構成されているものとの両方に有効である)。靴を履いた場合、クッションは、足指と、足指の間の皮膜と、靴との間に柔軟なパッドが付加的に提供され、突起部5により、接触範囲が減らされ、このことにより、摩擦が減り、また空気を接触範囲の周りに通す。このため、汗をかく傾向が減らされる。突起部は、他の場合よりも巻き付けられ/曲げられたクッションが反発する傾向が低減されるため、中実パッドよりもクッション厚さを厚くすることができる。
【0025】
粘着剤により、必要である限り所定の位置にクッションが保持され、その後、クッションが取り除かれる。
【0026】
第2の実施の形態において、略垂直なハーフパイプ形状部材10と略平面状部材11とを有する単一のモールドクッション9が設けられている。使用する際、垂直部材10は、靴の鼻緒部材の周りに配置され、その後、使用者は、平面状部材11の上面に足を置く。本実施の形態において、クッションは、靴の鼻緒部材と垂直部材との相互作用と、足と中敷きとの間の平面状部材を踏む使用者の体重との両方によって所定の位置に保持される。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入部材は、サンダルスタイルの靴の足指ポスト/鼻緒部材の周りに配置される柔軟なクッションを備え、
前記クッションは、使用時に靴と使用者の足とによって大部分が隠されることを特徴とする挿入部材。
【請求項2】
前記挿入部材は、使用時にその部分が見られる場合においても足より目立つことがないように、透明であることを特徴とする請求項1に記載の挿入部材。
【請求項3】
前記挿入部材は、略平面状に構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の挿入部材。
【請求項4】
挿入部材の中央部分は、端部分より厚く形成されることを特徴とする請求項3に記載の挿入部材。
【請求項5】
前記挿入部材は、略垂直のハーフパイプ形状部材を有する単一のモールド部材からなることを特徴とする請求項1または2に記載の挿入部材。
【請求項6】
前記モールド部材は、更に、略平面状部材を有することを特徴とする請求項5に記載の挿入部材。
【請求項7】
前記挿入部材は、一方の側に設けられた粘着層を有していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の挿入部材。
【請求項8】
前記挿入部材は、(実際は粘着面に対向する)凹凸面を有し、前記凹凸面は、多数の突出物/突起部からなっていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の挿入部材。
【請求項9】
前記挿入部材は、柔軟性とクッション性の両方を提供するシリコンゲルあるいは類似の化合物から形成されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の挿入部材。

【公表番号】特表2009−512529(P2009−512529A)
【公表日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−537184(P2008−537184)
【出願日】平成18年10月23日(2006.10.23)
【国際出願番号】PCT/GB2006/003946
【国際公開番号】WO2007/049024
【国際公開日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【出願人】(502058482)エルアールシー・プロダクツ・リミテッド (11)
【Fターム(参考)】