説明

足サイズ換算器

【課題】サイズ表示方式の違い、靴によるサイズの違い、サイズ表示の間隔の違いによる対応のずれを修正して日本サイズを正確な外国サイズに換算する。
【解決手段】カード型の本体1にそれより小径のフィルム状の円板2を重ね、その中心に鳩目3を打ち込んで両者を接合し、本体1の表面に円板2を軸止する。本体1には円板2の外周に沿って円弧状の固定スケール4を刻成し、円板2の対向縁部に移動スケール5を刻成する。固定スケール4と移動スケール5は、いずれか一方を外国サイズ、他方を日本サイズとする。本体1には固定スケール4の他、円板2の外周に移動スケール5の移動方向と移動量を規定するマーカ6を刻成し、円板2の対向縁部にインデックス7を刻成する。靴の種類毎にマーカ6を設定し、その中の1つにインデックス7を合わせると該当の靴のサイズ表示に対する日本サイズの誤差が最小となる位置に移動スケール5がくるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外国製品の靴選びの際に有効な日本サイズを外国サイズに換算する足サイズ換算器に関する。
【背景技術】
【0002】
我が国のサイズ表示方式は裸足で計った寸法(ヌードサイズ)を靴のサイズとしているが、欧米では捨て寸(爪先のゆとり)を含んだ靴そのもの長さを靴のサイズとしている。
そのため日本サイズで23表示の靴は、外国サイズでは8〜15mmの捨て寸を含んだ23.8〜24.5cmの靴に相当する。
また、同じ国の同じサイズ表示の靴でもメーカ、モデル、デザインなどによってサイズが異なる。
従って、日本サイズを正確な外国サイズに換算するためには、サイズ表示方式の違い、メーカ、モデル、デザインなどの靴による違いを考慮する必要がある。
【0003】
また、日本サイズと外国サイズではサイズ表示の間隔が異なり、例えば日本サイズでは1/2cm間隔で数字を刻んでいるが、イタリアサイズはそれより短い1/3cm間隔で数字を刻んでいる。
そのため仮に日本サイズの24.0がイタリアサイズの36.0に相当する場合でも、それより2サイズ上(24.0→24.5→25.0)の25.0は、イタリアサイズで2サイズ上(36.0→36.5→37.0)の37.0に相当せず、3サイズ上の37.5(=25.0×3/2)に相当する。
【0004】
この差は標準より離れる程大きくなり、例えば日本サイズの24.0を標準とすると、標準より6サイズ下の21.0は、イタリアサイズでは9サイズも下の31.5(=21.0×3/2)に相当する。
にもかかわらず、今までは、日本サイズと外国サイズを1対1に単純に対応させた換算表を用いて読み替えていたので、標準より大きい靴や小さい靴では、数字のずれが大きくなっていた。
そのためサイズの種類が少ない場合は、今までの換算表で何とか対応できたが、サイズの種類が多くなると、数字のずれが大きくなりすぎて、今までの換算表では対応できなくなっていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は以上のような点であり、本発明は、サイズ表示方式の違い、靴によるサイズの違い、サイズ表示の間隔の違いによる対応のずれを修正して日本サイズを正確な外国サイズに換算できる足サイズ換算器を提供することを目的になされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため本発明は、外国サイズのスケールと日本サイズのスケールを対向して配置し、そのいずれか一方を他方に対して移動可能になし、それぞれのスケールにはその国のサイズ表示の間隔で数字を刻むと共に、その一方と他方に靴の種類ごとに設定したマーカと、このマーカに合わせると日本サイズに対するその靴のサイズ表示が最も一致する位置にスケールを移動するインデックスとを備えることを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、外国サイズのスケールと日本サイズのスケールを対向して配置し、それぞれのスケールにはその国のサイズ表示の間隔で数字を刻むので、サイズ表示の間隔の違いによる対応のずれがなくなる。
また、靴の種類ごとに設定したマーカにインデックスを合わせると日本サイズに対するその靴のサイズ表示が最も一致する位置にスケールを移動するので、サイズ表示方式の違いや靴の違いによる対応のずれも簡単に修正でき、日本サイズを正確な外国サイズに換算できるようになる。
また、従来の換算表のように日本サイズと外国サイズの数字を無理やり1対1に対応させる必要がなく、アナログのスケールで中間の数字も読み取れるので換算時の誤差を最小にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0009】
図1に、本発明を実施した回転式の足サイズ換算器の平面図を示す。
回転式の足サイズ換算器は、カード型の本体1にそれより小径のフィルム状の円板2を重ね、その中心に鳩目3を打ち込んで両者を接合し、本体1の表面に円板2を軸止する。
本体1の形状は矩形の他、多角形や円形であってもよい。
本体1には円板2の外周に沿って円弧状の固定スケール4を刻成し、円板2の対向縁部に移動スケール5を刻成する。
固定スケール4と移動スケール5は、いずれか一方を外国サイズ、他方を日本サイズとする。図の例では固定スケール4に外国サイズ(イタリアサイズ)を、移動スケール5に日本サイズを配置している。外国サイズと日本サイズの配置は逆の場合もある。
【0010】
本体1には固定スケール4の他、円板2の外周に移動スケール5の移動方向と移動量を規定するマーカ6を刻成し、円板2の対向縁部にインデックス7を刻成する。マーカ6とインデックス7の配置は逆の場合もある。
マーカ6は、メーカ、モデル、デザインなどによって異なるサイズの誤差を補正するもので、靴の種類毎にマーカ6(図の例ではA、B、C、D、E)を設定し、その中の1つにインデックス7を合わせると該当の靴のサイズ表示に対する日本サイズの誤差が最小となる位置に移動スケール5がくるようになっている。
日本サイズの誤差が最小となる位置は、例えばメーカが見本として作製した基準サイズの靴を足長サイズの異なる数人が試し履きし、その中で最もフィットした人の足長サイズが日本サイズのどの辺りに位置するかを見つけて決定する。
なお、マーカ6に付けた記号とメーカ名、モデル名、デザイン名などの対応を一覧にした早見表8を本体1の表面に掲載する。
【0011】
マーカ6に付けた記号には数字や文字を表記する他にメーカ名、モデル名、デザイン名などを直接表記してもよい。また、マーカ6を数字や文字でなく色で識別してもよい。
インデックス7は、どのような形でもよく、図の例では1本の矢印で表記しているが、マーカ6と同じ数の棒線または矢印で表記してもよい。その場合、複数のマーカ6とインデックス7の組み合わせを色で識別してもよい。
【0012】
回転式の足サイズ換算器は以上のような構成で、日本サイズを外国サイズに換算するときは、まず、本体1の早見表8を参照して試し履きする靴のメーカ、モデル、デザインに対応するマーカ6の記号を見つける。マーカ6の記号は靴や靴箱に直接表記されている場合もある。
次に、円板2を回転してインデックス7をその記号が表記されているマーカ6に合わせる。
その状態で日本サイズに合致する外国サイズの数値を読めば、それが求める外国サイズの数値となる。日本サイズが外国サイズの中間にくるときは、位置が近い方の数値を選択する。
【0013】
図2に、本発明を実施したスライド式の足サイズ換算器の平面図を示す。
スライド式の足サイズ換算器は、封筒状の本体1にシート状の平板9を挿入し、本体1の長さ方向に沿って帯状の窓10を開け、窓10を通して平板9の一部を露出する。
平板9は、本体1に挿入した状態で長さ方向の移動を可能にするため、幅方向のサイズを本体1と略同じに、長さ方向のサイズを本体1より短くしている。
本体1には窓10の一辺に沿って固定スケール4を刻成し、平板9の露出部の対向辺に移動スケール5を刻成する。
固定スケール4と移動スケール5は、いずれか一方を外国サイズ、他方を日本サイズとする。図の例では固定スケール4に外国サイズ(イタリアサイズ)を、移動スケール5に日本サイズを配置している。外国サイズと日本サイズの配置は逆の場合もある。
【0014】
本体1には固定スケール4の他、窓10の他辺に移動スケール5の移動方向と移動量を規定するマーカ6を刻成し、平板9の露出部の対向辺内側にインデックス7を刻成する。
マーカ6とインデックス7の配置は逆の場合もある。
マーカ6は、メーカ、モデル、デザインなどによって異なるサイズの誤差を補正するもので、靴の種類毎にマーカ6(図の例ではA、B、C、D、E)を設定し、その中の1つにインデックス7を合わせると該当の靴のサイズ表示に対する日本サイズの誤差が最小となる位置に移動スケール5がくるようになっている。
日本サイズの誤差が最小となる位置は、例えばメーカが見本として作製した基準サイズの靴を足長サイズの異なる数人が試し履きし、その中で最もフィットした人の足長サイズが日本サイズのどの辺りに位置するかを見つけて決定する。
なお、マーカ6に付けた記号とメーカ名、モデル名、デザイン名などの対応を一覧にした早見表8を本体1の表面に掲載する。
【0015】
マーカ6に付けた記号には数字や文字を表記する他にメーカ名、モデル名、デザイン名などを直接表記してもよい。また、マーカ6を数字や文字でなく色で識別してもよい。
インデックス7は、どのような形でもよく、図の例では1本の矢印で表記しているが、マーカ6と同じ数の棒線または矢印で表記してもよい。その場合、複数のマーカ6とインデックス7の組み合わせを色で識別してもよい。
【0016】
スライド式の足サイズ換算器は以上のような構成で、日本サイズを外国サイズに換算するときは、まず、本体1の早見表8を参照して試し履きする靴のメーカ、モデル、デザインに対応するマーカ6の記号を見つける。マーカ6の記号は靴や靴箱に直接表記されている場合もある。
次に、平板9をスライドしてインデックス7をその記号が表記されているマーカ6に合わせる。
その状態で日本サイズに合致する外国サイズの数値を読めば、それが求める外国サイズの数値となる。日本サイズが外国サイズの中間にくるときは、位置が近い方の数値を選択する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明を実施した回転式の足サイズ換算器の平面図である。
【図2】本発明を実施したスライド式の足サイズ換算器の平面図である。
【符号の説明】
【0018】
1 本体
2 円板
3 鳩目
4 固定スケール
5 移動スケール
6 マーカ
7 インデックス
8 早見表
9 平板
10 窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外国サイズのスケールと日本サイズのスケールを対向して配置し、
そのいずれか一方を他方に対して移動可能になし、
それぞれのスケールにはその国のサイズ表示の間隔で数字を刻むと共に、
その一方と他方に、
靴の種類ごとに設定したマーカと、
このマーカに合わせると日本サイズに対するその靴のサイズ表示が最も一致する位置にスケールを移動するインデックスと、
を備えることを特徴とする足サイズ換算器。
【請求項2】
前記スケールが円形または線形で他方に対し一方を回転またはスライドしてスケールを移動することを特徴とする請求項1記載の足サイズ換算器。
【請求項3】
前記マーカおよびインデックスの形状が棒線または矢印であることを特徴とする請求項1記載の足サイズ換算器。
【請求項4】
前記マーカは少なくとも数字、文字、記号、名称、色のうちいずれかにより識別されることを特徴とする請求項1記載の足サイズ換算器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−298447(P2007−298447A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−127679(P2006−127679)
【出願日】平成18年5月1日(2006.5.1)
【出願人】(506150995)
【Fターム(参考)】