説明

足指ストラッププロテクターおよびこのプロテクターを含む履物

【課題】特に靴、サンダル、またはフリップフロップの形態のような履物の足指ストラップのためのプロテクターを提供する。
【解決手段】このプロテクターは、長さ方向軸における第1の端部およびその反対側の第2の端部を備えた管または管状本体を含む。この管または管状本体は、内腔を少なくとも部分的に取り囲む円形スリーブの形態であり、足指ストラップを少なくとも部分的に含むために第1の端部に第1の開口を備え、第2の端部に反対側の第2の開口を備える。管または管状本体の内壁が、第1の端部から第2の端部に延び、外壁が、第1の端部から第2の端部に延びている。円形スリーブの形態である管または管状本体は、互いに面する接触領域である近接した長さ方向の第1の領域および第2の領域を備えるように、第1の端部から第2の端部および外壁から内壁に延びたスリットを備えている。管または管状本体は、エラストマー材料を含む。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、靴、サンダル、またはフリップフロップ(flip-flop)などの履物の足指ストラップのためのプロテクター、ならびにこのようなプロテクターを含む靴、サンダル、またはフリップフロップなどの履物に関する。
【0002】
〔発明の背景〕
現在の履物には、個々の使用者の特別な要求に対応した非常に広範な形態および種類がある。しかしながら、大量生産であるため、個々の着用者の要求を満たすのが困難な場合もある。したがって、インソールまたは他のタイプのプロテーゼの使用が避けられないこともある。これは、日常用の履物またはスポーツ用の履物、およびサンダルにも当てはまる。
【0003】
ドイツ特許公開第4442735号に、隣接する足指間の距離を調節および維持するための手段を備えたインソールが開示されている。この手段は、プレートまたはピンの形態であって、金属またはプラスチックから形成できると記載されている。足指の調節に用いるための靴用のピンも、日本国特許公開第10233401号および同第11169201号に開示されている。
【0004】
整形外科用、具体的には外反母趾に使用できるように構成された靴がドイツ実用新案第20116526号に開示されている。足指の領域において、インソールから上方に突き出たピンの位置を、使用者の要求によって調節することができる。このようなピンは、ゴムから形成するか、または少なくとも部分的にゴム層によって覆うことができる。
【0005】
ドイツ実用新案第202004006639号は、サンダルまたはフリップフロップを履いた時に、隣接する足指間、特に親指と人指し指との間の領域を保護することを目的としている。このドイツ実用新案第202004006639号の装置は、V状の角度をなす互いに連結された2つの半体を含む。両方の半体は、履いた時に隣接する足指の内側の部分の解剖学的構造に適応できるように、少なくとも部分的に外向きに湾曲した半チューブの形態を有する。このドイツ実用新案第202004006639号のプロテクター装置は、足をサンダルに載せることができる前に、まず隣接する足指間の中間の空間に挿入しなければならない。このようなサンダルの足指ストラップは、足指プロテクターの互いに連結された半体の外面間に挿入しなければならない。このようなプロテクターの使用は、半チューブ状の一方または両方の半体が使用者の足指の解剖学的構造に正確に適応せず、緩いか、またはきついかのいずれかの不快な感触を与えることがあり、問題となることがある。さらに、サンダルの足指ストラップが、プロテクターの両方の半体によって形成されたV状スリットから滑り出ると、再び挿入するのが困難である。当然、両方の半体が接合されているプロテクターの区画は、使用中に大きな力を受けるため、容易に損傷を受けるか、または完全に切断されることがある。
【0006】
ドイツ実用新案第9303990.5号によると、サンダルの履き心地は、足指ストラップに加えて、このストラップから延び、足のパッドと足指との間に配置できる横断リブを設けて改善することができる。
【0007】
履き心地を良くするために特定の手段を備えているような靴を提供する代わりに、ドイツ特許第60002326T2号では、熱可塑性繊維およびこの繊維に設けられた粘弾性ゲルの層を含む織物から形成された足指を保護するためのスリーブを使用している。このように、薄くて肌触りの良い比較的強い保護手段が設けられる。
【0008】
安全かつ確実に履くことができる履物、特にサンダルやフリップフロップなどの軽い履物を提供するのが望ましい。
【0009】
したがって、本発明の目的は、特に使用者の個々の解剖学的構造に配慮する必要なく、靴、サンダル、またはフリップフロップなどの履き心地を改善するための手段を提供することである。
【0010】
〔発明の概要〕
本発明の問題は、特に靴、サンダル、またはフリップフロップの形態のような履物の足指ストラップのためのプロテクターにおいて、
管または管状本体であって、
特に、空間を少なくとも部分的に取り囲む円形スリーブの形態で、長さ方向軸に沿って第1の端部およびその反対側の第2の端部を備え
足指ストラップを少なくとも部分的に含むために前記第1の端部に第1の開口を備え、前記第2の端部に反対側の第2の開口を備えている、
管または管状本体、
を含み、
前記管または管状本体の内壁が、前記第1の端部から前記第2の端部に延び、外壁が、前記第1の端部から前記第2の端部に延びており、
前記管または管状本体、特に円形スリーブが、前記第1の端部から前記第2の端部へ延び、かつ前記外壁から内壁へ延びるスリットを備え、これにより、前記管または管状本体、特に円形スリーブは、隣接する長さ方向の第1の領域および第2の領域、特に互いに面する接触領域、を備え、
前記管または管状本体が、エラストマー材料、を含む、プロテクター、
によって解決された。
【0011】
本発明の意味する足指ストラップは、例えば、布地、ポリマー材料、紐、または織物などからなるより柔軟なストラップまたはより硬質なストラップ、またはピンとすることもさえもできる。
【0012】
管または管状本体は、足指ストラップの少なくとも一部に係合できる内側の空間を残している。具体的には、管または管状本体の弾性特性により、管または管状本体の長さ方向軸に垂直な横断方向におけるこの内側の空間の直径は、足指ストラップの大きさまたは幅に合わせて容易に調節することができる。
【0013】
別の実施形態によると、管または管状本体の長さ方向軸は、内壁に接触しないで、第1の開口と第2の開口との間の空間内に配置可能である。
【0014】
一実施形態では、管または管状本体は、少なくともその長さ方向軸の主部分に沿って実質的に円形の断面を有する。
【0015】
好適な実施形態では、少なくとも長さ方向軸の主部分に沿った管または管状本体は、非円形の断面を有する。この非円形の断面は、互いに最も離間した管または管状本体の外壁の対向する部分を繋いでいる横断長軸、およびこの横断長軸に垂直であって横断長軸の長さの中間で交差する横断短軸を有する。このようにして、四分円が生じる。
【0016】
したがって、親指に面している、横断長軸の一方側には隣接した2つの四分円が存在し、隣接する第2の足指に面している、横断長軸の他方側には残り2つの四分円が存在する。これらの2対の四分円の内、プロテクターが履物の足指ストラップに取り付けられた時にこの履物の前方に面するように構成された、横断短軸の一方側に2つの近接する四分円が存在し、この履物の踵方向を向くように構成された、横断短軸の他方側に位置する、隣接する別の対の四分円が存在する。
【0017】
好適な実施形態では、横断長軸は、約5mm〜約25mm、特に約6mm〜約20mm、例えば8mm〜18mmまたは9mm〜16mmの長さを有し、かつ/または横断短軸は、約3mm〜約20mm、特に約4mm〜約15mm、例えば5mm〜14mmの長さを有する。
【0018】
加えて、管または管状本体の平均厚みは、通常は、約1mm〜約5mm、特に約1.5mm〜4mmである。管または管状本体によって生じる孔または空間は、約3mm〜約20mm、特に約4mm〜約15mm、例えば8mm〜10mmの範囲の横断平面における平均の幅または長さ、すなわち対向する内壁区画間の距離、を好適には有する。この孔または空間の断面形状は、非対称、例えば卵形または楕円形の場合、横断長軸方向の幅は、好適には約5mm〜約20mm、特に約6mm〜約15mmの範囲、例えば8mmであり、横断短軸方向の幅は、約2mm〜約12mm、特に約3mm〜約8mmの範囲、例えば5mmであるのが好ましい。
【0019】
一般に、スリットは、任意の位置、例えば横断長軸上に配置されることもできるし、または横断短軸からずらして配置されることもできる。好適な実施形態では、スリットは、四分円の1つの中に配置される。すなわち、この実施形態では、スリットは、横断平面に延在する横断長軸または横断短軸が管または管状本体に交差する位置には位置しない。例えば、スリットは、横断長軸から少なくとも5°を超える角度、特に15°を超える角度に配置され、かつ/または横断短軸から少なくとも5°を超える角度、特に15°を超える角度に配置されることもできる。
【0020】
具体的には、スリットは、横断長軸から0°〜50°、好ましくは0°〜45°の角度に位置している。好適な実施形態によると、スリットは、横断長軸から少なくとも25度の角度に位置し、横断短軸から少なくとも40°の角度に位置している。特に好適な実施形態では、スリットは、横断長軸からずれて約15°〜約40°、例えば25°〜35°、例えば30°の角度に位置している。上記した実施形態では、スリットは、履物の踵方向に向くように設計された2つの近接した四分円の1つに位置するのが最も好ましい。
【0021】
一般に、一実施形態では、スリットは、管または管状本体の長さ方向軸に本質的に平行である。
【0022】
別法では、スリットは、第1の端部と第2の端部との間で曲げることもできる。これは、スリットの長さ方向の湾曲が1つの湾曲点を含む場合に好ましい。
【0023】
足、特に足指の解剖学的構造により、隣接する足指間に足指ストラップが配置されると、管または管状本体の幅は、前側から踵側への方向において、この方向に対して垂直な幅(すなわち、隣接する足指間)よりも大きい。原則として、本発明のプロテクターの管または管状本体は、長さ方向長さの一部または全体にわたって、規則的または不規則的な非円形の断面形状を有することができる。このような断面形状として、卵形、楕円形、台形、卵形のような形状、楕円のような形状、または台形のような形状が好ましい。また、管または管状本体を部分的または完全に、長方形、正方形状、三角形、または他の任意の多角形の断面形状にすることもできる。
【0024】
好ましくは、本発明のプロテクターでは、第1の端部(上部)および/または第2の端部(下部)に配置されるか、または隣接して配置された、長さ方向軸に対して垂直な横断軸に位置する外壁の対向する区画間の距離は、第1の端部と第2の端部の間に位置する長さ方向軸に対して垂直な横断軸における外壁の対向する区画間の距離よりも大きい。
【0025】
したがって、別の好適な実施形態では、管または管状本体の長さ方向の断面が、少なくとも周方向の角度の一部にわたって、または本質的に周方向に、本質的に凹状の湾曲を有する外壁を提供している。
【0026】
別法では、好ましくは、管または管状本体の長さ方向の断面が、少なくとも周方向の角度の一部にわたって、または本質的に周方向に、円形セグメントの形状を本質的に有する少なくとも部分的な湾曲を有する外壁を提供している。この円弧の半径は、約15mm〜約80mm、特に約20mm〜約70mmであるのが好ましい。
【0027】
一実施形態では、長さ方向の第1の接触領域および第2の接触領域は、管または管状本体が基本状態(ground state)では、5mm以下、特に2mm以下の平均距離を有する。本発明に従った別の実施形態では、第1の接触領域および第2の接触領域は、管または管状本体が基本状態では、少なくとも部分的に互いに当接する。本発明において、管または管状本体の基本状態とは、管または管状本体が、外部または内部から力が加えられていない時にとる構造を意味する。
【0028】
一般に、第1の接触領域および第2の接触領域は、基本状態では、互いに密着するかまたは大きく離間しないようにスリットが比較的狭いのが好ましい。
【0029】
これに関連して、第1の接触領域および第2の接触領域は、管または管状本体の基本状態では、少なくとも部分的に当接することも可能である。
【0030】
一般に、第1の接触領域と第2の接触領域が互いに当接した時に、スリットのこの当接した区画の外壁が本質的に連続するようにすると、履き心地を改善することができる。
【0031】
本発明のプロテクターは、さらに別の実施形態を提供する。この実施形態では、第1の接触領域および/または第2の接触領域に沿って測定した管または管状本体の内壁と外壁との間の距離が、第1の接触領域および第2の接触領域に隣接して測定した管または管状本体の内壁と外壁との間の最も短い距離よりも大きい。
【0032】
本発明の別の態様では、第1の接触領域は、雄型閉止装置を備えており、第2の接触領域は、雌型閉止装置を備えている。これらの雄型閉止装置と雌型閉止装置は、互いに取外し可能に係合するように構成されている。対応する閉止装置を使用することにより、足指ストラップに配置された時にプロテクターのより強固かつ確実な結合を実現することができる。
【0033】
本発明のプロテクターを少なくとも部分的に対称に形成することが有利であることが分かった。例えば、管または管状本体が、前部から踵部に向いた長さ方向の横断面に延在する鏡面に対して本質的に対称となるように管または管状本体を形成すること、および/または管または管状本体の上部および下部すなわち半体部分が、管または管状本体の長さ方向軸のほぼ中間に形成される横断面に延在する鏡面に対して本質的に対称になるように管または管状本体を形成することが好ましい。このようにして、左右の靴、サンダル、またはフリップフロップに交換可能に配置できるという点で、本発明のプロテクターの使用が容易になる。さらに、上下逆に配置された時に、全く同じ快適性で履くことができる。したがって、別の好適な実施形態によると、管または管状本体の第1の端部および/または第2の端部が、本質的に平坦であり、具体的には互いに平行である。
【0034】
管または管状本体の弾性特性により、管または管状本体内の空間は、必ずしも足指ストラップの寸法を有する必要がなく、エラストマー材料が圧縮可能でもおよび伸長可能でもあるので、大きくても小さくてもよい。特に、スリットにより、きわめて大きいストラップ寸法も本発明のプロテクターにより収容されることができる。
【0035】
別の実施形態に従えば、内壁および/または外壁は、少なくとも部分的または本質的に完全に平滑または不規則な表面を有する。例えば、平滑にするのではなく、内壁および/または外壁は、管または管状本体の横断面の方向またはこの横断面に垂直な方向に少なくとも部分的なリッジおよび/または溝のパターンを有することができる。内壁に不規則な面を用いることにより、足指ストラップに対するプロテクターのグリップを改善して、プロテクターが足指ストラップを簡単に上下に移動させるかもしれないリスクを低減することができる。外壁、特に履いた時に足指に接触することになる領域に不規則な面パターンを設けることで、履き心地が良くなり、かつ、使用の際にプロテクターを所定の場所に維持することが支援される。
【0036】
好ましくは、本発明のプロテクターの製造に用いられるエラストマー材料は、天然ゴムまたは合成ゴム、または熱可塑性エラストマー(TPE)である。より好ましくは、エラストマー材料は、シリコーンゴム、特に液状シリコーンゴムである。
【0037】
適当な合成弾性ポリマー材料の例は、例えばイソプレン、ブタジエン、またはクロロブタジエンなどの共役ジエンから形成されたポリマー、またはスチレンおよびアクリロニトリルなどのビニル誘導体および共役ジエンから形成されたコポリマー材料を含む。具体例として、適当な合成ゴム材料には、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリロ−ブタジエンゴム(NBR)、または水素化形態のエチレン−プロピレン−(ジエン)ゴム(EPM、EPBM)、エチレン酢酸ビニルゴム、液状シリコーンゴムを含むシリコーンゴムが含まれる。
【0038】
適当な液状シリコーンは、通常はポリオルガノシロキサン系である。このようなポリマーは、Si原子の自由原子価がメチル基、フェニル基、ビニル基などの有機基または水素、またはヒドロキシル基によって飽和されているシロキサン鎖(−Si−O−Si−O)を備えている。一般に、液状シリコーンは、約1,000の反復単位を含むことができる。対照的に、固形シリコーンゴムは、約6,000〜10,000の反復単位を含む。加硫反応が、通常は、遷移金属触媒ヒドロシリル化によってビニル基とシラン基(Si−H)の間で起こる。液状シリコーンは、通常は、粘度の低いビニルポリシロキサンおよび水素機能ポリシロキサンまたはシロキサンを含む2成分混合物を用いている。適当な触媒は、貴金属、特にプラチナを用いている。一般に、必要な触媒の量は、ppm範囲である。通常は副産物を生成しない追加反応により、ビニル機能ポリシロキサンが、水素機能シロキサンに結合する。好ましくは、2成分系では、既に触媒を含むのはビニル機能ポリシロキサンである。特に適した水素機能シロキサンまたはシランは、好ましくは1分子中に少なくとも3つのSiH基を含むメチル水素シロキサン(methyl hydrogen siloxane)を含む。適当な液状シリコーンまたはこれらに対応する2成分系は、当業者に周知であり、例えば、ジーイー・ベイヤー・シリコーンズ(GE Bayer Silicones)社のSiloprene(登録商標)LSR、ワッカー・ケミー(Wacker Chemie)社のElastosil(登録商標)LR、ダウ・コーニング(Dow Corning)社のC6−550またはSilastic(登録商標)、またはローディア(Rhodia)社のSilbione(登録商標)を購入することができる。もちろん、異なるシリコーン、例えば種類の異なるシリコーンを混合物に用いることもできる。
【0039】
加硫速度は、触媒濃度および/または阻害剤の添加によって制御することができる。適当な阻害剤は、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、および1−エチル−1−シクロヘキサノールなどの高級アルコールである。
【0040】
管または管状本体は、例えば、射出成型、低温重合、押出し、キャスティング、圧縮成型、または発泡成型によって形成される。具体的には、管または管状本体は、好ましくは一体成形である射出成型によって、好ましくは一体に形成される。
【0041】
液状シリコーンの射出成型に適した射出成型装置は、当業者に周知であり、例えば、ドイツ特許公開第4014244号、同第10145160号、または同第103027号に開示されている。加硫温度は、通常は130℃〜230℃、特に140℃〜220℃、最も好ましくは145℃〜170℃の範囲である。例えば、ドイツ特許公開第4014244号によると、反応2成分系は、冷却導管を用いて型内に共に移送することができる。柔軟な製品を得るため、または製品に大きく湾曲した外形を付与するために、液状シリコーンの硬化を比較的低い温度(低温重合、例えば40℃)で行い、通常は、比較的長い反応時間(例えば、24時間)およびサイクル時間を許容することも可能である。
【0042】
適当なエラストマー材料には、熱可塑性エラストマーも含まれる。このような熱可塑性エラストマーは、通常は、グラフトポリマー、および互いに本質的に適合しない熱可塑性シーケンス(thermoplastic sequences)およびエラストマーシーケンス(elastomeric sequences)を有するコポリマーである。軟質エラストマーシーケンスは、通常は、周囲温度よりも低いガラス転移温度を有するが、硬質熱可塑性シーケンスは、通常は、周囲温度よりも高いガラス転移温度を有する。熱可塑性エラストマーの例は、例えば、アミドエラストマー、コポリエステルエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリスチレンエラストマー、およびポリウレタンエラストマーを含む。熱可塑性ポリアミドエラストマーは通常、硬質ポリアミドシーケンスおよび軟質ポリエーテルおよび/またはポリエステルシーケンスを有するブロックコポリマーから生成される。熱可塑性コポリエステルエラストマーは通常、ポリアルキレンエーテルジオールシーケンス(および/または長鎖脂肪族二炭酸エステル(long chained aliphatic dicarbonic esters))および部分結晶性ポリブチレンテレフタレート(partially crystalline polybutulene terephthalate)のシーケンスに基づいている。適当なポリオレフィンエラストマーは通常、アイソタクチックポリプロピレンおよびエチレン−プロピレンゴムの混合物に基づいている。熱可塑性ポリスチレンエラストマー(TPS)は通常、アニオン重合によって生成され、スチレンから生成されたシーケンス(SB)およびブタジエンから生成されたシーケンス(SBS)を含む。熱可塑性ポリウレタンエラストマーは通常、HDIやIPDIなどの脂肪族ジイソシアネートを用いた、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、またはポリカーボネートジオールなどの長鎖ジオール重付加反応によって生成される。上記したエラストマー材料およびこれらの調製品は、当業者に周知である。
【0043】
本発明のプロテクターの代替の実施形態によると、管または管状本体は、内壁セグメントおよび外壁セグメントからなる。この実施形態の管または管状本体の内壁セグメントは、特にシリコーンエラストマーまたは熱可塑性エラストマー(TPE)などの管または管状本体の外壁セグメントの材料よりも硬質なポリマー材料、特に熱可塑性ポリマーから少なくとも部分的に形成される。この実施形態の内壁セグメントおよび外壁セグメントは、管または管状本体を形成する。すなわち、内壁セグメントは、外壁セグメントの方向に寸法を有し、外壁セグメントは、内壁セグメントの方向に寸法を有する。別の実施形態では、1つまたは複数の層を内壁セグメントと外壁セグメントとの間に組み込むことができる。
【0044】
内壁セグメントに用いることができる一般的な熱可塑性ポリマーは、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびこれらのコポリマー形態、ポリ塩化ビニル、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエステル、例えば、ポリブチレンテレフタレート、およびポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアセタール、例えば、POM、ポリスチレン、スチレンコポリマー、例えば、ABS、ASA、およびSAN、およびポリフェニレンエーテル(polyphenyleneyether)である。
【0045】
外壁セグメントには、管および管状本体に関連して上記したエラストマー材料および好適なエラストマー材料を用いることができる。上記した実施形態では、管または管状本体は、2K射出成型法(2K injection molding process)によって形成されるのが好ましい。
【0046】
2K射出成型法は、当分野で周知であり、米国特許第3479425号に開示されている。
【0047】
上記した本発明の足指ストラップのためのプロテクターは、少なくとも1本の足指ストラップを備えた靴、サンダル、またはフリップフロップなどの履物に用いることができ、このような履物に使用できるように構成することができる。プロテクター装置の弾性特性およびスリットによって、このような足指ストラップは、使用の際、容易かつ確実に係合して所定の場所に安全に保持される。したがって、本発明では、本発明に従った足指ストラップのための少なくとも1つのプロテクターを含む靴、サンダル、またはフリップフロップなどの履物を請求する。この文脈において、プロテクターを履物のインソールおよび/またはストラップと一体にすることも可能である。
【0048】
最も好ましくは、履物と共に着用した時に、プロテクターの管または管状本体のスリットが、履物の前部、および特に踵部に向く。別の好適な実施形態では、スリットは、中心からずれて、履物の前部、および特に踵部に向く。
【0049】
本発明により、安全かつ確実に使用でき、足指ストラップから容易に外れない、そして足指ストラップを備えている履物の履き心地を大きく改善する、靴、サンダル、またはフリップフロップなどの履物の足指ストラップのためのプロテクターが提供されることが分かった。足指ストラップによって起こる擦れや痛みが、効果的に緩和されるか、または除去されさえもすることもある。さらに、本発明のプロテクター装置を左右の履物の足指ストラップに交換可能に使用できるだけではなく、サイズの小さい履物に使用されるのと全く同じ本発明のプロテクター装置をサイズの大きい履物に使用することもできる。さらに、足指ストラップのサイズおよび形状にかかわらず、上記した利点を得ることができる。したがって、本発明に従った足指ストラップのためのプロテクターは、様々な種類およびサイズの履物および足指ストラップに適合しうる。
【0050】
本発明のさらなる特徴および利点は、限定目的ではない添付の図面に描かれた本発明に従ったプロテクターの限定目的ではない好適な実施形態の詳細な説明から明らかになるであろう。
〔詳細な説明〕
【0051】
図1は、足指ストラップのプロテクター(以降、単にプロテクター1と呼ぶ)の上部区画を示している。管状本体2は、足指ストラップ(不図示)を含むための内側の空間4を有する。管状本体2は、スリット6を備えている。このスリット6は、プロテクター1の上部の第1の端部8から下部の第2の端部10(不図示)まで延び、かつ管状本体2の内壁12から外壁14まで延びて、足指ストラップを内側の空間4に導入するための開口を形成している。管状本体2がベースとしているエラストマー材料により、スリット6は、弾性特性により、容易に開き、足指ストラップが挿入されると閉じて元に戻る。図1のプロテクター1は、基本状態で示されている。この基本状態では、スリット6によって形成された対向した第1の接触面16と第2の接触面18とが互いに当接しないで、例えば0.1mm〜2.5mm、例えば1.5mmの僅かな距離を維持している。管状本体2は、長さ方向の寸法および横断方向の寸法を有しており、長さ方向の横断鏡面を中心に本質的に対称である(図6を除く)。図1に示されている実施形態に従えば、管状本体2の壁部すなわちスリーブ34の厚みは、その対向した長さ方向部分22、24よりも前側の横断部分20で薄くすることができる。前側の横断部分20は、約2mmの厚みを有することができ、壁部の長さ方向部分22、24は、平均約3.5mmの厚みを有することができる。通常は、例えばフリップフロップなどの足指ストラップに配置されると、プロテクター1のスリット6を含む部分32は踵側に向き、反対側の前側の横断部分20は履物の前部に向く。図1から分かるように、スリット6は、図2に詳細に示されているように、中心からずれて位置している。
【0052】
図2は、図1のプロテクター1の概略的な上面図である。プロテクター1は、横断長軸Aおよび横断短軸Bによって生成される座標系によって四分円I〜IVに分割されている。横断長軸Aは、プロテクター1の横断鏡面の縦方向前部から踵にかけて実質的に延在している。横断長軸Aは、互いに最も離間している管状本体2の外壁部分14を通っている。横断短軸Bは、横断長軸Aに対して直交しており、外壁14の点aと点a’との間の距離の中間で横断長軸Aに交差している。図2から容易に分かるように、プロテクター1の実施形態は、ややテーパ状の横断面を有する。具体的には、四分円IおよびIVにおける外壁14、少なくとも上部8の少なくともいくつかの点が、四分円IIおよびIIIにおける少なくともいくつかの点よりも互いに離間している。
【0053】
プロテクター1の外形に関係なく、内側の空間4は、スリット6を除いて、通常はむしろ対称に設計されている。
【0054】
基本的には、管状本体2の前側の横断部分20を含むプロテクター1の広い部分が、履物の前に向いており、比較的細い部分および/またはスリット6を含む部分が、履物の踵部に向いている。好適には、図2に示されているように、スリット6は、四分円III(またはII)に位置しており、横断長軸Aまたは横断短軸B上には配置されていない。好適な実施形態では、スリット6すなわち第1および第2の接触面16および18と横断長軸Aとの間に生じる角度は、約20°〜40°、具体的には、図2に示されているように約30°である。または、別の実施形態では、スリット6は、(横断長軸Aまたは横断短軸B上に配置しない限りは)管状本体の四分円IまたはIVの一方に配置することもできる。
【0055】
図3は、図1および図2に従ったプロテクター1の概略的な側面図である。第1の端部(上部)8および第2の端部(下部)10における直径は、これらの第1の端部と第2の端部との間の区画の直径よりも大きい。図3に示されているように、外壁14は、円形セグメントの形態を有することができ、下に位置する円は、例えば約60mmの半径を有する。管状本体2を中間部分26に向かってテーパ状にすることにより、プロテクター1の形状が、解剖学的構造に適合し、これにより、履き心地が良くなる。
【0056】
図4は、本発明に従ったプロテクター1の実施形態の別の概略的な側面図を示しているが、外壁14が、よりはっきりした曲率を有している。外壁14の曲率を形成する円形セグメントに一致する半径は、この実施形態では、24mmの範囲である。
【0057】
図5は、本発明に従ったプロテクター1の別の実施形態を示している。
【0058】
図5の実施形態と図1〜図3の実施形態との違いは、スリット6の第1および第2の接触面16、18が基本状態で平行ではなく、内側の空間4に近づくにつれて広がっている点だけである。このようにすると、少なくとも一部のケースで、特に管状本体2のエラストマー材料が比較的硬質の場合には、プロテクター1の足指ストラップからの可逆的な取外しが容易になる。
【0059】
図6は、本発明に従ったプロテクター1の別の実施形態を示している。このプロテクター装置は、スリット6が長さ方向軸にもはや本質的に平行ではなく、第1の端部8から第2の端部10にかけて湾曲した形態に設計されているという点で、図1〜図3の実施形態とは本質的に異なっている。この実施形態では、基本状態の管状本体2の第1および第2の接触面16、18が、好適には少なくとも部分的に互いに当接する。好適な実施形態では、スリットは、管状本体2の第1の端部において横断長軸Aからずれており、第2の端部においても横断長軸A(また、具体的には横断短軸Bからもずれている)からずれている。この実施形態は、スリットが上端部8から下端部10にかけて横断長軸Aに交差していない変更形態、およびスリットが横断長軸Aを実際に横切る、または、横断長軸Aと交差している、変更形態の少なくとも2つの変更形態を含む。前者の変更形態の方が、後者の変更形態よりも好ましい。
【0060】
もちろん、長さ方向軸に実質的に平行な直線ではない、上端部8と下端部10との間のスリットの任意の他の湾曲も、本発明のプロテクターに用いることができると考えられる。例えば、ジグザグ形のスリットや、管状本体の長さ方向軸に平行でないスリット要素によって連結された長さ方向軸に実質的に平行な要素を有するスリットも可能である。管状本体の長さ方向軸に平行でない非線形のスリットを用いることにより、プロテクターが履物の足指ストラップから外れるのを効果的に防止できることもある。
【0061】
図7は、接触面16および18がそれぞれ、雄型閉止装置28および雌型閉止装置30を備えているという点で図1〜図3に示されているプロテクターとは本質的に異なる、本発明に従ったプロテクター1の別の実施形態を示している。第1の接触面16と第2の接触面18を互いに向かって押圧すると、一致するフックの形態に成形された雄型閉止装置28および雌型閉止装置30が互いに係合して、これにより、スリット6を閉じる。このようにして、足指ストラップ(不図示)が、使用の際に内側の空間4内に締め付けられて閉じ込められる。有利なことに、単に、管状本体2の長さ方向の側壁22および24に加えられる近接した足指の圧力によって、雄型閉止装置28と雌型閉止装置30との間の安全かつ確実な閉止を容易に維持することができる。第1の接触面16と第2の接触面18が互いに当接している管状本体の後部32の領域では、外壁面14は、好適には連続するように設計されている。この方式では、長さ方向の外面に、雄型または雌型閉止装置の突出要素によって段やリムが形成されていない。管状本体2に用いられる材料の弾性特性によって、雄型および雌型閉止装置による閉止を、足指ストラップを取り外すために手で容易に開くことができる。
【0062】
当業者が変更形態および変形形態を提案することができるが、出願者の意図は、本特許の範囲内で具現することであり、当分野に寄与する本特許の範囲に適正に含まれうる全ての変形形態および変更形態が含まれる。
【0063】
〔実施の態様〕
(1)特に靴、サンダル、またはフリップフロップの形態のような履物の足指ストラップのためのプロテクターにおいて、
管または管状本体であって、
特に、空間を少なくとも部分的に取り囲む円形スリーブの形態で、長さ方向軸に沿って第1の端部およびその反対側の第2の端部を備え
足指ストラップを少なくとも部分的に含むために前記第1の端部に第1の開口を備え、前記第2の端部に反対側の第2の開口を備えている、
管または管状本体、
を含み、
前記管または管状本体の内壁が、前記第1の端部から前記第2の端部に延び、外壁が、前記第1の端部から前記第2の端部に延びており、
前記管または管状本体、特に円形スリーブが、前記第1の端部から前記第2の端部へ延び、かつ前記外壁から内壁へ延びるスリットを備え、これにより、前記管または管状本体、特に円形スリーブは、隣接する長さ方向の第1の領域および第2の領域、特に互いに面する接触領域を備え、
前記管または管状本体が、エラストマー材料を含む、プロテクター。
(2)実施態様(1)に記載の足指ストラップのためのプロテクターにおいて、
前記管または管状本体は、少なくともその長さ方向軸の主部分に沿って本質的に円形の断面を有する、プロテクター。
(3)実施態様(1)に記載の足指ストラップのためのプロテクターにおいて、
前記管または管状本体は、少なくとも長さ方向軸の主部分に沿って非円形の断面を有しており、
前記非円形の断面は、
互いに最も離間した前記管または管状本体の前記外壁の対向する部分を繋いでいる横断長軸、および、
この横断長軸に垂直であり、前記横断長軸の長さの中間で交差し、これにより、四分円を形成する横断短軸、
を備える、プロテクター。
(4)実施態様(3)に記載の足指ストラップのためのプロテクターにおいて、
前記横断長軸は、約5mm〜約25mm、特に約6mm〜約20mmの範囲の長さを有し、かつ/または横断短軸は、約3mm〜約20mm、特に約4mm〜約15mmの長さを有する、プロテクター。
(5)実施態様(3)または(4)に記載の足指ストラップのためのプロテクターにおいて、
前記スリットは、前記四分円の1つの中に位置している、プロテクター。
【0064】
(6)実施態様(5)に記載の足指ストラップのためのプロテクターにおいて、
前記スリットは、前記横断長軸から少なくとも5°を超える角度、特に15°を超える角度に位置しており、かつ/または前記横断短軸から少なくとも5°を超える角度、特に15°を超える角度に位置している、プロテクター。
(7)実施態様(1)〜(6)のいずれかに記載の足指ストラップのためのプロテクターにおいて、
前記第1の端部および/または前記第2の端部に配置された、またはその近傍に配置された、前記長さ方向軸に対して垂直な横断軸に位置する前記外壁の対向する区画間の距離が、前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置された、前記長さ方向軸に対して垂直な横断軸に位置する前記外壁の対向する区画間の距離よりも大きい、プロテクター。
(8)実施態様(1)〜(7)のいずれかに記載の足指ストラップのためのプロテクターにおいて、
前記管または管状本体の長さ方向の断面が、少なくとも周方向の角度の一部にわたって、または本質的に周方向に、本質的に凹状に湾曲されている外壁を提供する、プロテクター。
(9)実施態様(1)〜(8)のいずれかに記載の足指ストラップのためのプロテクターにおいて、
前記管または管状本体の長さ方向の断面が、少なくとも周方向の角度の一部にわたって、または本質的に周方向に、少なくとも部分的に湾曲を有する外壁を提供し、前記湾曲は、本質的に円形セグメントの形状を有する、プロテクター。
(10)実施態様(9)に記載の足指ストラップのためのプロテクターにおいて、
前記円形セグメントの円の半径は、15mm〜80mmの範囲、特に20mm〜70mmである、プロテクター。
【0065】
(11)実施態様(1)〜(10)のいずれかに記載の足指ストラップのためのプロテクターにおいて、
前記第1の接触領域は、雄型閉止装置を備えており、前記第2の接触領域は、雌型閉止装置を備えており、
前記雄型閉止装置と前記雌型閉止装置とが、互いに取外し可能に係合するように構成されている、プロテクター。
(12)実施態様(1)〜(11)のいずれかに記載の足指ストラップのためのプロテクターにおいて、
前記エラストマー材料は、天然または合成ゴムまたは熱可塑性エラストマー(TPE)である、プロテクター。
(13)実施態様(12)に記載の足指ストラップのためのプロテクターにおいて、
前記エラストマー材料は、シリコーンゴム、特に液状シリコーンゴムである、プロテクター。
(14)実施態様(1)〜(13)のいずれかに記載の足指ストラップのためのプロテクターにおいて、
前記管または管状本体の内壁セグメントは、前記管または管状本体の外壁セグメントの材料、具体的にはシリコーンエラストマーまたは熱可塑性エラストマー(TPE)よりも硬質であるポリマー材料、特に熱可塑性ポリマーから少なくとも部分的に形成されている、プロテクター。
(15)実施態様(14)に記載の足指ストラップのためのプロテクターにおいて、
前記管または管状本体は、2K射出成型法によって形成されている、プロテクター。
【0066】
(16)実施態様(1)〜(15)のいずれかに記載の足指ストラップのための少なくとも1つのプロテクターを含む、特に靴、サンダル、またはフリップフロップなどの履物。
(17)実施態様(16)に記載の履物において、
前記プロテクターは、前記履物のインソールおよび/またはストラップの一体的な部分である、履物。
(18)実施態様(16)または(17)に記載の履物において、
前記スリットは、特に中心からずれて、履物の前部および特に踵部の方向に向いている、履物。
(19)実施態様(1)〜(15)のいずれかに記載の少なくとも1つの足指ストラップのためのプロテクターの使用において、
前記プロテクターを、特に靴、サンダル、またはフリップフロップなどの履物の足指ストラップに係合させる、足指ストラップのためのプロテクターの使用。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に従ったプロテクターの第1の実施形態の上部の概略的な斜視図である。
【図2】図1の実施形態の上面図である。
【図3】本発明の第1のプロテクター装置の概略的な側面図である。
【図4】本発明に従ったプロテクターの第2の実施形態の概略的な側面図である。
【図5】本発明に従ったプロテクターの第3の実施形態の概略的な斜視図である。
【図6】本発明に従ったプロテクターの第4の実施形態の概略的な斜視図である。
【図7】本発明に従ったプロテクターの第5の実施形態の概略的な上面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に靴、サンダル、またはフリップフロップの形態のような履物の足指ストラップのためのプロテクターにおいて、
管または管状本体であって、
特に、空間を少なくとも部分的に取り囲む円形スリーブの形態で、長さ方向軸に沿って第1の端部およびその反対側の第2の端部を備え
足指ストラップを少なくとも部分的に含むために前記第1の端部に第1の開口を備え、前記第2の端部に反対側の第2の開口を備えている、
管または管状本体、
を含み、
前記管または管状本体の内壁が、前記第1の端部から前記第2の端部に延び、外壁が、前記第1の端部から前記第2の端部に延びており、
前記管または管状本体、特に円形スリーブが、前記第1の端部から前記第2の端部へ延び、かつ前記外壁から内壁へ延びるスリットを備え、これにより、前記管または管状本体、特に円形スリーブは、隣接する長さ方向の第1の領域および第2の領域、特に互いに面する接触領域を備え、
前記管または管状本体が、エラストマー材料を含む、プロテクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロテクターにおいて、
前記管または管状本体は、少なくともその長さ方向軸の主部分に沿って本質的に円形の断面を有する、プロテクター。
【請求項3】
請求項1に記載のプロテクターにおいて、
前記管または管状本体は、少なくとも長さ方向軸の主部分に沿って非円形の断面を有しており、
前記非円形の断面は、
互いに最も離間した前記管または管状本体の前記外壁の対向する部分を繋いでいる横断長軸、および、
この横断長軸に垂直であり、前記横断長軸の長さの中間で交差し、これにより、四分円を形成する横断短軸、
を備える、プロテクター。
【請求項4】
請求項3に記載のプロテクターにおいて、
前記横断長軸は、約5mm〜約25mm、特に約6mm〜約20mmの範囲の長さを有し、かつ/または、横断短軸は、約3mm〜約20mm、特に約4mm〜約15mmの長さを有する、プロテクター。
【請求項5】
請求項3または4に記載のプロテクターにおいて、
前記スリットは、前記四分円の1つの中に位置している、プロテクター。
【請求項6】
請求項5に記載の足指ストラップのためのプロテクターにおいて、
前記スリットは、前記横断長軸から少なくとも5°を超える角度、特に15°を超える角度に位置しており、かつ/または前記横断短軸から少なくとも5°を超える角度、特に15°を超える角度に位置している、プロテクター。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のプロテクターにおいて、
前記第1の端部および/または前記第2の端部に配置された、またはその近傍に配置された、前記長さ方向軸に対して垂直な横断軸に位置する前記外壁の対向する区画間の距離が、前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置された、前記長さ方向軸に対して垂直な横断軸に位置する前記外壁の対向する区画間の距離よりも大きい、プロテクター。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載のプロテクターにおいて、
前記管状本体の長さ方向の断面が、少なくとも周方向の角度の一部にわたって、または本質的に周方向に、本質的に凹状に湾曲されている外壁を提供する、プロテクター。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の足指ストラップのためのプロテクターにおいて、
前記管または管状本体の長さ方向の断面が、少なくとも周方向の角度の一部にわたって、または本質的に周方向に、少なくとも部分的に湾曲を有する外壁を提供し、前記湾曲は、本質的に円形セグメントの形状を有する、プロテクター。
【請求項10】
請求項9に記載のプロテクターにおいて、
前記円形セグメントの円の半径は、15mm〜80mmの範囲、特に20mm〜70mmである、プロテクター。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載のプロテクターにおいて、
前記第1の接触領域は、雄型閉止装置を備えており、前記第2の接触領域は、雌型閉止装置を備えており、
前記雄型閉止装置と前記雌型閉止装置とが、互いに取外し可能に係合するように構成されている、プロテクター。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載のプロテクターにおいて、
前記エラストマー材料は、天然または合成ゴムまたは熱可塑性エラストマー(TPE)である、プロテクター。
【請求項13】
請求項12に記載のプロテクターにおいて、
前記エラストマー材料は、シリコーンゴム、特に液状シリコーンゴムである、プロテクター。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載のプロテクターにおいて、
前記管または管状本体の内壁セグメントは、前記管または管状本体の外壁セグメントの材料、具体的にはシリコーンエラストマーまたは熱可塑性エラストマー(TPE)よりも硬質であるポリマー材料、特に熱可塑性ポリマーから少なくとも部分的に形成されている、プロテクター。
【請求項15】
請求項14に記載のプロテクターにおいて、
前記管または管状本体は、2K射出成型法によって形成されている、プロテクター。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれかに記載の足指ストラップのための少なくとも1つのプロテクターを含む、特に靴、サンダル、またはフリップフロップなどの履物。
【請求項17】
請求項16に記載の履物において、
前記プロテクターは、前記履物のインソールおよび/またはストラップの一体的な部分である、履物。
【請求項18】
請求項16または17に記載の履物において、
前記スリットは、特に中心からずれて、履物の前部および特に踵部の方向に向いている、履物。
【請求項19】
請求項1〜15のいずれかに記載の少なくとも1つの足指ストラップのためのプロテクターの使用において、
前記プロテクターを、特に靴、サンダル、またはフリップフロップなどの履物の足指ストラップに係合させる、足指ストラップのためのプロテクターの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−114075(P2008−114075A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−288790(P2007−288790)
【出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【出願人】(597046982)ジョンソン・アンド・ジョンソン・ゲーエムベーハー (13)
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Gmbh
【住所又は居所原語表記】Kaiserswerther Strasse 270,D−40474 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】