説明

足湯システム

【課題】適切な自立型電力供給装置を有する可般型の足湯システムを提供する。
【解決手段】足湯システム1は、足を入れるための足湯浴槽10と浴水を加熱及び温度調節する加熱・保温装置20とを備えている。少なくとも加熱・保温装置20に必要な電力を供給する太陽光パネル30が設けられている。太陽光パネル30は、組み立て式フレームからなる柱31を有し、足湯浴槽10の屋根として形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーラ発電等の自立型電力及び蓄電装置を用いることによって、場所や時間を選ばずに使用可能な状態にさせることができる移動可能な足湯システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、移動可能な足湯として、例えば、特許文献1には、図6に示すように、ヒータ等の水を加熱する図示しない湯沸し装置を格納した湯沸し装置格納部101と浴水槽器102とを設けた足風呂浴槽100が開示されている。この足風呂浴槽100は、一般家庭用の簡易足風呂専用浴槽の技術である。
【0003】
また、例えば、特許文献2には、多人数での使用を想定し、トラックでの運搬を前提に設計された移動足湯装置が開示されている。この移動足湯装置200は、図7に示すように、浴を形成する足湯槽201と湯を浄化する浄化槽202と湯を加熱する湯沸かし器203とを備え、ポンプ204によって湯沸かし器203と足湯槽201との間で浄化槽202を介して湯を循環できるようになっている。この移動足湯装置200はトラックの荷台に載る大きさに形成されており、足湯槽201は、上部が開放された直方体の輪郭をした鋼製フレーム205の内側に内張りされた木板206により形成されている。また、足湯槽201の上縁の周囲には、多人数が同時に腰掛け可能な腰掛け板207が着脱自在に設けられている。この構成により、多人数が同時に使用できる移動足湯装置200となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−212367号公報(2006年8月17日公開)
【特許文献2】実用新案登録第3153202号公報(2009年8月5日登録)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の足湯システムでは、飲食業や大衆娯楽施設への展望も挙げられているが、外部からの電力供給が不可欠であり、いつでも何処でも手軽に使えるわけではないという問題点を有している。特に、イベントで使用するには、電力源の確保・運搬・移動式への対応が必要である。
【0006】
ここで、このようなイベントに使用される足湯システムの電源として、例えば、夜店等で使用されている自立型電力供給装置としての小型ガソリンエンジン発電装置を利用することも可能であるが、騒音が大きく、足湯システムには不向きである。また、無騒音の蓄電池等を電源として使用することが考えられるが、長時間の使用には限界がある。
【0007】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、適切な自立型電力供給装置を有する可般型の足湯システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の足湯システムは、上記課題を解決するために、足を入れるための浴槽と浴水を加熱及び温度調節する浴水加熱温調装置とを備えた可搬型の足湯システムにおいて、少なくとも上記浴水加熱温調装置に必要な電力を供給する太陽光パネルが設けられていると共に、上記太陽光パネルは、組み立て式フレームからなる柱を有し、上記浴槽の屋根として形成されていることを特徴としている。
【0009】
上記の発明によれば、足湯システムは、足を入れるための浴槽と浴水を加熱及び温度調節する浴水加熱温調装置とを備えている。このため、浴水加熱温調装置にて浴水を加熱し温度調節して所望の温度の湯にし、浴槽の湯を一定温度に保つことができる。そして、本発明の足湯システムは可搬型であるので、浴槽及び浴水加熱温調装置を適宜分離・分解して持ち運び可能な大きさとすることができる。尚、可搬型とは、トラック等の運搬車での搬送の可能性までを含む概念である。
【0010】
ここで、従来、このような足湯システムにおいては、浴水加熱温調装置に必要な電力を供給する電源装置がなかったので、屋外において、例えばイベントに使用することが困難であった。
【0011】
この点、本発明では、少なくとも上記浴水加熱温調装置に必要な電力を供給する太陽光パネルが設けられている。そして、太陽光パネルは、組み立て式フレームからなる柱を有し、上記浴槽の屋根として形成されている。
【0012】
したがって、太陽光パネルにて、少なくとも上記浴水加熱温調装置に必要な電力を供給することができる。この太陽光パネルからなる自立型電力供給装置は、従来の小型ガソリンエンジン発電装置に比べて、全くの無騒音であり、かつ、昼間のイベントでの使用においては、浴水加熱温調装置に必要な電力を充分に供給することができる。
【0013】
また、本発明では、太陽光パネルは、浴槽の屋根として形成されているので、イベント会場において、屋外にて足湯システムを使用する場合に、日よけとなる。したがって、足湯を利用する際に、太陽光パネルを屋根とした日陰にて利用することができる。
【0014】
さらに、本発明では、太陽光パネルは、組み立て式フレームからなる柱を有している。したがって、太陽光パネルを屋根として使用しても、柱が組み立て式フレームからなっているので、柱と太陽光パネルとを切り離すことができる。この結果、柱と太陽光パネルとを分離して、容易に搬送することができる。
【0015】
したがって、適切な自立型電力供給装置を有する可般型の足湯システムを提供することができる。
【0016】
また、本発明の足湯システムでは、前記太陽光パネルにて発電された電力を蓄電する蓄電装置が設けられていることが好ましい。
【0017】
これにより、電力供給を、太陽光パネル等の自立型電力装置と蓄電池等の蓄電装置との併用方式とすることによって、外部電力を必要とせず、かつ任意の時間及び場所での使用が可能である。
【0018】
また、太陽光パネルと蓄電池等の蓄電装置との併用方式とするため、太陽光パネルのみで全電力をまかなう必要はない。このため、必ずしも多数枚の太陽光パネルを必要としないので、太陽光パネルのコストを抑え、低コストにて足湯システムを構成することができる。
【0019】
また、太陽光パネルを用いることによって、足湯だけでなく、エコ技術という観点からも集客効果が得られる。
【0020】
また、本発明の足湯システムでは、前記湯を浄化する浄化装置が設けられていることが好ましい。
【0021】
これにより、浄化装置にて湯を浄化することによって、衛生面においても好ましい足湯システムを提供することができる。
【0022】
また、本発明の足湯システムでは、前記浴槽には取り外し自在のテーブルが架け渡されていると共に、上記浴槽の縁には、座って足を入れるための椅子が設けられていることが好ましい。
【0023】
これにより、浴槽の縁には、座って足を入れるための椅子が設けられているので、椅子に座って足湯を利用することができる。また、浴槽には取り外し自在のテーブルが架け渡されているので、テーブルに飲食物等を置くことができる。したがって、イベント会場において、飲食が可能であってかつ足湯を利用できる休憩所として足湯システムを提供することができる。
【0024】
また、本発明の足湯システムでは、前記浴槽は、方形に形成されていると共に、上記浴槽の各辺の縁には、前記浴水加熱温調装置を覆い隠し又は椅子として機能する箱状体がそれぞれ設けられていることが好ましい。
【0025】
これにより、浴槽の各辺の縁に設けた箱状体を椅子として用いることができる。この箱状体は、中が空洞の直方体であるので、軽量かつ簡単な構造でありながら椅子としての強度を確保することができる。また、箱状体は中が空洞であるので、前記浴水加熱温調装置を覆い隠すことができる。したがって、浴水加熱温調装置等の機器を露出させない足湯システムを提供することができる。
【0026】
また、本発明の足湯システムでは、前記箱状体には、前記太陽光パネルの柱を挿入する挿入孔が設けられていることが好ましい。
【0027】
これにより、箱状体の挿入孔に、太陽光パネルの柱を挿入することができる。したがって、柱の支持力が格段に向上する。したがって、屋外において、強風が吹いても容易に太陽光パネルの屋根が吹き飛ばない足湯システムを提供することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の足湯システムは、以上のように、少なくとも上記浴水加熱温調装置に必要な電力を供給する太陽光パネルが設けられていると共に、上記太陽光パネルは、組み立て式フレームからなる柱を有し、上記浴槽の屋根として形成されているものである。
【0029】
それゆえ、適切な自立型電力供給装置を有する可般型の足湯システムを提供するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明における足湯システムの実施の一形態を示すものであって、足湯システムの構成を示す斜視図である。
【図2】上記足湯システムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明における足湯システムの、他の実施の形態を示すものであって、足湯システムの構成を示す斜視図である。
【図4】上記足湯システムの変形例の構成を示す斜視図である。
【図5】本発明における足湯システムのさらに他の実施の形態を示すものであって、足湯システムの構成を示す斜視図である。
【図6】従来の足湯システムの構成を示す斜視図である。
【図7】従来の他の足湯システムの構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1及び図2に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0032】
本実施の形態の足湯システムは、例えば、地域物産展等の地域イベントの際に用いられるものである。
【0033】
すなわち、例えば、少子高齢化や若者の流出等により地方都市の活力低下は深刻な状況であり、その対策が全国の地方自治体でも共通の課題となっている。地方都市には魅力的な種々の地域資源が存在するにも関わらず、その多くが地域活性化に活用できていない。そこで、物産展示のPRの手段として、地域物産展等の地域イベントが開催されている。
【0034】
本実施の形態の足湯システムは、このような地域物産展等の地域イベントの際に用いることによって、「エコ」又は「足湯」という観点からPRし、癒しの効果を有し、健康にも良く、集客効果を高めるために使用される。また、自治体等が企画する自然環境分野に対する取り組みにも適用可能である。さらに、小中高等学校等へ設置し、環境教育としての展開も可能である。その他にも、疲弊した商店街の活性化策として本足湯システム1を設置し、地域住民と来客とのコミュニケーションの支援にも適用できる。また、地震や集中豪雨等の自然災害での被災直後の被災地において、被災者の癒しといった精神的効果をも有している。
【0035】
このような足湯システム1は、図1に示すように、足を入れるための浴槽としての足湯浴槽10と、浴水を加熱及び温度調節する浴水加熱温調装置としての加熱・保温装置20とを備えており、可搬型の足湯システムとなっている。そして、足湯システム1には、少なくとも加熱・保温装置20に必要な電力を供給する太陽光パネル30が設けられていると共に、太陽光パネル30は、組み立て式フレームからなる柱31を有し、足湯浴槽10の屋根として形成されている。
【0036】
上記足湯浴槽10は、例えば、高さ30cm×幅2m×奥行き1mの方形の箱型浴槽であり、材質が例えばFRP(繊維強化プラスチック)等の軽量部材からなっており、足湯浴槽10単品で持ち運びができるようになっている。満水時には、例えば200〜300kg程度となる。尚、本発明においては、浴槽の形状、大きさ及び材質は必ずしもこれに限らず、トラックに搬送して持ち運びできる形状、大きさ及び材質であればよい。
【0037】
上記加熱・保温装置20は、図示しないヒータ、温調装置及び循環ポンプを備え、給水管及び排水管との2つの管を有する給排水管21にて足湯浴槽10の水を加熱・保温装置20に取り入れ、ヒータ及び温調装置にて一定温度にし、給排水管21にて足湯浴槽10に供給することによって、足湯浴槽10の水を適切な温度の湯に保つようになっている。すなわち、温調装置は保温装置としても機能するものである。
【0038】
尚、循環ポンプ及び給排水管21は、湯及び冷水等の流体を循環させるための循環装置を構成するものとなっている。しかしながら、本発明においては、必ずしも水を給排水管21にて循環させる必要はない。例えば、水タンクを用意しておき、水タンクから水を加熱・保温装置20に導入し、加熱・保温装置20にてその水を一定温度にし、供給管にて足湯浴槽10に湯を注いでもよい。したがって、この場合、供給管は、耐熱性のあるビニールホースでもよい。
【0039】
本実施の形態では、図1に示すように、浄化装置22を付加することも可能である。浄化装置22は、足湯浴槽10の湯を殺菌・除菌・消毒を行うための殺菌装置として機能するものである。これにより、足湯浴槽10の湯を給排水管21にて循環する際に、浄化装置22を経由させることによって、足湯浴槽10の湯を浄化し、清潔に保つことが可能となる。浄化装置22の内容としては、例えば、紫外線を湯に照射することにより、殺菌効果を高めることができる。また、抗菌濾過材に通すことにより、浴水に溶け込んだミクロ単位の微細な汚れを取り除くことができる。
【0040】
次に、本実施の形態では、上記太陽光パネル30は、組み立て式フレームからなる柱31を有し、足湯浴槽10の屋根として形成されている。また、柱31は、床板32に立設されている。さらに、柱31は、2つの棒を継ぎ足したものからなっている。このように、柱31は組み立て式フレームからなっているので、例えば、柱31を太陽光パネル30から取り外し、分解して、個々のフレームにすることができる。この結果、太陽光パネル30は一枚の平板とし、柱31は個々のフレームとすることにより、容易に持ち運ぶことができ、トラック等にて搬送することができる。また、上記床板32は、例えば、縦90cm×横180cm×厚さ1.2cmの合板を4枚横並べにして敷き、裏面をテープ止めしたものからなっている。このため、搬送時には、容易に4枚に分解して、搬送することができる。また、柱31は、平板の床板32に立設されるため、地面に立設されるのに比べて、平板への柱31の着地高さが均等になる。
【0041】
上記太陽光パネル30にて、発電された電力は、チャージコントローラ33を経て蓄電装置としての蓄電池34に蓄電され、インバータ35を介して加熱・保温装置20及び浄化装置22の電源として供給される。
【0042】
本実施の形態では、太陽光パネル30は、足湯浴槽10の屋根として使用されている。大きさは、例えば横3m×縦1.5mであり、加熱・保温装置20及び浄化装置22の消費電力に十分な電力を発電できることとなっている。そして、本実施の形態では、蓄電池34が設けられているので、日中において太陽光パネル30にて発電した電力を蓄電池34に蓄えておき、夜間において、加熱・保温装置20及び浄化装置22の電源として利用することも可能である。尚、太陽光パネル30の裏面に照明を取り付けることを特徴とするも可能である。これにより、蓄電池34にて蓄電した電力にて、照明することが可能となる。
【0043】
ここで、本実施の形態の足湯システム1における電力の流れと温水の流れとを、図2に基づいて説明する。図2は足湯システム1における電力の流れと温水の流れとを示すブロック図である。
【0044】
すなわち、図2に示すように、太陽光パネル30で発電した電力を、チャージコントローラ33を介して蓄電池34へと蓄える。そして、蓄電池34より供給される電力を各装置に適した電流特性に変換するためにインバータ35を接続する。また、電力を供給された各装置と足湯浴槽10との間で流体を循環させることによって、温度が一定に保たれ、安全で清潔な足湯を提供することができる。
【0045】
次に、本実施の形態では、足湯浴槽10には取り外し自在のテーブル41が架け渡されていると共に、足湯浴槽10の縁には、座って足を入れるための椅子42が設けられている。これにより、椅子42に座りながら、足湯浴槽10に足を漬けることができると共に、テーブル41にて飲食等をすることができる。
【0046】
上記椅子42は、公園に存在するベンチ等の長椅子でもよいし、個別の椅子が複数設けられたものであってもよい。個別の椅子42とした場合には、出入りの容易さ及び衛生面を配慮したものとすることができる。テーブル41は、本実施の形態では、平板の天板と平板からなる脚とからなっている。しかし、必ずしもこれに限らず、平板の天板と一般的な4本の脚とからなっていてもよい。
【0047】
このように、本実施の形態の足湯システム1は、足を入れるための足湯浴槽10と浴水を加熱及び温度調節する加熱・保温装置20とを備えている。このため、加熱・保温装置20にて浴水を加熱し温度調節して所望の温度の湯にし、浴槽の湯を一定温度に保つことができる。そして、本実施の形態の足湯システム1は可搬型であるので、足湯浴槽10及び加熱・保温装置20を適宜分離・分解して持ち運び可能な大きさとすることができる。すなわち、本実施の形態の足湯システム1は、各構成要素がそれぞれに分離可能であるため、持ち運びが可能である。したがって、何時でも、どこでも、手軽に使用が可能である。尚、可搬型とは、トラック等の運搬車での搬送の可能性までを含む概念である。
【0048】
ここで、従来、このような足湯システムにおいては、加熱・保温装置20に必要な電力を供給する電源装置がなかったので、屋外において、例えばイベントに使用することが困難であった。
【0049】
この点、本実施の形態では、少なくとも加熱・保温装置20に必要な電力を供給する太陽光パネル30が設けられている。そして、太陽光パネル30は、組み立て式フレームからなる柱31を有し、足湯浴槽10の屋根として形成されている。
【0050】
したがって、太陽光パネル30にて、少なくとも加熱・保温装置20に必要な電力を供給することができる。この太陽光パネル30からなる自立型電力供給装置は、従来の小型ガソリンエンジン発電装置に比べて、全くの無騒音であり、かつ、昼間のイベントでの使用においては、加熱・保温装置20に必要な電力を充分に供給することができる。したがって、電力消費量がゼロであり、環境負荷が従来技術のものと比較して低い。
【0051】
また、本実施の形態では、太陽光パネル30は、足湯浴槽10の屋根として形成されているので、イベント会場において、屋外にて足湯システム1を使用する場合に、日よけとなる。したがって、足湯を利用する際に、太陽光パネル30を屋根とした日陰にて利用することができる。
【0052】
さらに、本実施の形態では、太陽光パネル30は、組み立て式フレームからなる柱31を有している。したがって、太陽光パネル30を屋根として使用しても、柱31が組み立て式フレームからなっているので、柱31と太陽光パネル30とを切り離すことができる。この結果、柱31と太陽光パネル30とを分離して、容易に搬送することができる。
【0053】
したがって、適切な自立型電力供給装置を有する可般型の足湯システム1を提供することができる。
【0054】
すなわち。自立型電力による足湯システム1であり、環境負荷に優しく電力消費量ゼロという「エコ」の観点での技術的効果がある。また、営利目的ではなく、環境に配慮した集客・PR手段として従来技術よりも優れた手法として効果が期待できる。さらに、車への搭載により移動式足湯として活用可能であり、被災直後の被災地において被災者の癒しといった精神的効果も有する。
【0055】
また、本実施の形態の足湯システム1では、太陽光パネル30にて発電された電力を蓄電する蓄電池34が設けられている。
【0056】
これにより、電力供給を、太陽光パネル30等の自立型電力装置と蓄電池34等の蓄電装置との併用方式とすることによって、外部電力を必要とせず、かつ任意の時間及び場所での使用が可能である。
【0057】
また、太陽光パネル30と蓄電池34等の蓄電装置との併用方式とするため、太陽光パネル30のみで全電力を賄う必要はない。このため、必ずしも多数枚の太陽光パネル30を必要としないので、太陽光パネル30のコストを抑え、低コストにて足湯システム1を構成することができる。尚、蓄電池34を複数設けておくことによって、メンテナンス費用を低減できる。
【0058】
また、太陽光パネル30を用いることによって、足湯だけでなく、エコ技術という観点からも集客効果が得られる。
【0059】
また、本実施の形態の足湯システム1では、湯を浄化する浄化装置22が設けられている。
【0060】
これにより、浄化装置22にて湯を浄化することによって、衛生面においても好ましい足湯システム1を提供することができる。
【0061】
また、本実施の形態の足湯システム1では、足湯浴槽10には取り外し自在のテーブル41が架け渡されていると共に、足湯浴槽10の縁には、座って足を入れるための椅子42が設けられている。
【0062】
これにより、足湯浴槽10の縁には、座って足を入れるための椅子42が設けられているので、椅子42に座って足湯を利用することができる。また、足湯浴槽10には取り外し自在のテーブル41が架け渡されているので、テーブル41に飲食物等を置くことができる。したがって、イベント会場において、飲食が可能であってかつ足湯を利用できる休憩所として足湯システム1を提供することができる。
【0063】
〔実施の形態2〕
本発明に係る他の実施の形態について図3及び図4に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0064】
本実施の形態の足湯システム2は、図3に示すように、蓄電池34が蓄電池ケース43に収納されている点が異なっている。
【0065】
すなわち、本実施の形態では、蓄電池34は、蓄電池ケース43に収納されており、これによって、足湯浴槽10の湯がかからないようになっている。すなわち、蓄電池34は電気を流すものであり、水がかかると感電のおそれがあるということを防止できるものとなっている。尚、蓄電池ケース43は、蓄電池34と合わせて例えば約200kgの重さとなっている。
【0066】
また、本実施の形態では、足湯浴槽10における長手方向の両端部に高さ調整台44a・44bが設けられている。この結果、足湯浴槽10と蓄電池34との間に高さ調整台44aが設けられていることになるので、蓄電池34を足湯浴槽10の湯からさらに遠ざけるようになっている。この高さ調整台44aの高さは足湯浴槽10の高さと等しいものとなっている。
【0067】
また、本実施の形態では、足湯浴槽10の長手方向の他端には、足湯浴槽10の高さと等しい高さを有する高さ調整台44bが設けられている。そして、高さ調整台44a・44bに太陽光パネル30の柱31が立設している。尚、必ずしもこれに限らず、高さ調整台44aに図示しない挿入孔を形成し、太陽光パネル30の柱31を挿入することも可能である。これにより、太陽光パネル30の支持が強固になる。
【0068】
この結果、本実施の形態の足湯システム2では、足湯浴槽10のみが太陽光パネル30からなる屋根の下にあり、蓄電池34、加熱・保温装置20及び浄化装置22等の機械類が外部に存在する形態となっている。
【0069】
したがって、足湯浴槽10の傍に機械類が存在するというイメージを排除することができる。
【0070】
また、本実施の形態の組み立て式フレームからなる柱31には、柱補強部材31aが設けられている。これによって、柱31の強度を高めることができる。
【0071】
尚、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、蓄電池34、加熱・保温装置20及び浄化装置22等の機械類が太陽光パネル30からなる屋根の外に存在するが、特にこれに限定するものではなく、図4に示すように、蓄電池34、加熱・保温装置20及び浄化装置22等の機械類を太陽光パネル30からなる屋根の下の設けることが可能である。
【0072】
これにより、イベント会場において、にわか雨等が降ってきた場合においても、蓄電池34、加熱・保温装置20及び浄化装置22等の機械類が濡れるということがない。
【0073】
尚、この場合、上記蓄電池ケース43に、図示しない挿入孔を形成し、太陽光パネル30の柱31を挿入することが可能である。これにより、太陽光パネル30の支持が強固になる。
【0074】
〔実施の形態3〕
本発明に係る他の実施の形態について図5に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1及び実施の形態2と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1及び実施の形態2の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0075】
本実施の形態の足湯システム3では、図5に示すように、足湯浴槽10の長手方向の両端部に箱状体からなる高さ調整台54a・54bが設けられている。そして、これら高さ調整台54a・54bには、柱31を挿入するための挿入孔55が設けられており、この挿入孔55を通して柱31が立設される。したがって、風が吹いても容易には飛ばされない太陽光パネル30とすることができる。
【0076】
また、高さ調整台54aは、本実施の形態では、蓄電池34、加熱・保温装置20及び浄化装置22等の機械類を全て覆い隠すものとなっている。したがって、機械類が露出しない足湯システム3とすることができる。
【0077】
さらに、本実施の形態では、椅子51も箱状体にて形成している。この椅子51の高さ柱31は足湯浴槽10の高さと一致していると共に、奥行きも人が座れる奥行きを有している。そして、この椅子51は、箱状体からなっているので、軽量であり、かつ足湯浴槽10に並べて置くだけで、簡易に椅子を設けることができる。
【0078】
このように、本実施の形態の足湯システム3では、足湯浴槽10は、方形に形成されていると共に、足湯浴槽10の各辺の縁には、少なくとも加熱・保温装置20を覆い隠し又は椅子42として機能する箱状体としての高さ調整台54a・54b及び椅子52がそれぞれ設けられている。
【0079】
これにより、足湯浴槽10の各辺の縁に設けた箱状体としての椅子52を椅子として用いることができる。この箱状体は、中が空洞の直方体であるので、軽量かつ簡単な構造でありながら椅子52としての強度を確保することができる。また、箱状体は中が空洞であるので、少なくとも加熱・保温装置20を覆い隠すことができる。したがって、加熱・保温装置20等の機器を露出させない足湯システム3を提供することができる。
【0080】
また、本実施の形態の足湯システム3では、箱状体には、太陽光パネル30の柱31を挿入する挿入孔55が設けられていることが好ましい。
【0081】
これにより、箱状体としての高さ調整台54a・54bの挿入孔55に、太陽光パネル30の柱31を挿入することができる。したがって、柱31の支持力が格段に向上する。したがって、屋外において、強風が吹いても容易に太陽光パネル30の屋根が吹き飛ばない足湯システム3を提供することができる。
【0082】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明の足湯システムは、地域物産展等の地域イベントの際に用いることによって、「エコ」、「足湯」という観点からPRでき、集客効果を大きくすることができる。また、自治体等が企画する自然環境分野に対する取り組みにも適用可能である。さらに、小中高等学校等へ設置し、環境教育としての展開も可能である。その他にも、疲弊した商店街の活性化策として本足湯システムを設置し、地域住民と来客とのコミュニケーションの支援に適用できる。
【符号の説明】
【0084】
1 足湯システム
2 足湯システム
3 足湯システム
10 足湯浴槽(浴槽)
20 加熱・保温装置(浴水加熱温調装置)
21 給排水管
22 浄化装置
30 太陽光パネル
31 柱
31a 柱補強部材
32 床板
33 チャージコントローラ
34 蓄電池(蓄電装置)
35 インバータ
41 テーブル
42 椅子
43 蓄電池ケース
44a・44b 高さ調整台(箱状体)
52 椅子
54a・54b 高さ調整台(箱状体)
55 挿入孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
足を入れるための浴槽と浴水を加熱及び温度調節する浴水加熱温調装置とを備えた可搬型の足湯システムにおいて、
少なくとも上記浴水加熱温調装置に必要な電力を供給する太陽光パネルが設けられていると共に、
上記太陽光パネルは、組み立て式フレームからなる柱を有し、上記浴槽の屋根として形成されていることを特徴とする足湯システム。
【請求項2】
前記太陽光パネルにて発電された電力を蓄電する蓄電装置が設けられていることを特徴とする請求項1記載の足湯システム。
【請求項3】
前記湯を浄化する浄化装置が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の足湯システム。
【請求項4】
前記浴槽には取り外し自在のテーブルが架け渡されていると共に、
上記浴槽の縁には、座って足を入れるための椅子が設けられていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の足湯システム。
【請求項5】
前記浴槽は、方形に形成されていると共に、
上記浴槽の各辺の縁には、前記浴水加熱温調装置を覆い隠し又は椅子として機能する箱状体がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項4記載の足湯システム。
【請求項6】
前記箱状体には、前記太陽光パネルの柱を挿入する挿入孔が設けられていることを特徴とする請求項5記載の足湯システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−72387(P2011−72387A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−224730(P2009−224730)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【Fターム(参考)】