説明

足首安楽補助具

【課題】 睡眠中における寝具内にて、掛布団の重さによる足首への圧迫から生じる不快感を取り除くこと、つま先が足の底側に屈曲することで起こりやすくなるこむら返りの防止、また長期寝たきりから起こりうる尖足の危険の予防、となる簡易な足首安楽補助具を提供する。
【解決手段】 立体の台形または三角形状からなる弾性のある材質物を布等で被覆した補助具であり、寝具内において使用者の足元に設置され、敷布団またはベッドマットレス等の下を通したり、あるいはベッドマットレスの側面上方周囲にめぐらせたりしたベルトが、補助具両側面に設けられた着脱自在パーツに連結されることで敷具に固定されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、就寝中における掛布団の重さからくる足首への圧迫による不快感、及び長時間圧迫状態から生じ易くなるこむら返り、また長期寝たきり等による尖足の予防にもなりうる、足首を保護し、安楽に保つ補助具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、就寝時においては重力や掛布団の重みのために足先が常に足の底側に伸ばされる形となり、この状態が足首の不快感を招き、時にはこむら返りを起こしたり、介護を必要とする長期寝たきりのお年寄りの足首の腱が縮んだまま固まり、尖足になってしまう危険もあった。そこで、座布団の二つ折り等を足裏に当てる、ベッドのフットボードに体の位置を下げて足裏を当てる等の対処がなされていた。
【0003】
また足首への圧迫解消のため、足元に掛布団保持器具を置き空間を確保する、足首に装着したベルト等でつま先を吊り尖足位を防止する、ブーツ状器具にて足首角度を保持するなどの技術は知られている。また、多目的使用を目的としたクッション体を足裏に当て、足首角度の保持も行われている。
なお、足を載せ、足元を高くする足枕はよく知られており形状は似ているが、掛布団の圧迫からくる不快感の解消の目的からはかけ離れる。
【0004】
なお、本発明に関連する公知技術として次の特許文献1、2、3、4、5を挙げることができる。
【特許文献1】 特開2001−54534号公報
【特許文献2】 実開平5−74353号公報
【特許文献3】 実開平7−44293号公報
【特許文献4】 実開平7−27571号公報
【特許文献5】 登録実用新案第3089365号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら次のような問題点があった。
足元に座布団等を置いただけでは、固定されていないために足先に押されてずれてしまうことがある。またベッドのフットボードに足を当てるのでは足先が冷たい、体の位置が従来の就寝位置からずれる、といった不便がある。
また、器具等を使い足元の掛布団を持ち上げる場合は、重力からくる自然な足先の屈曲は免れない。さらに積極的尖足予防、治療器具として、ブーツ式装着具、足首からのベルト等によるつま先吊り上げ式の保持具があるが、この場合は常時装着のため常に足首の角度固定状態にあり、着脱の手間がある。
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
立体の台形または三角形状からなる弾性のある材質物を布等で被覆した形状で、両側面に着脱自在なパーツを有する本体と、該パーツに連結されるベルトとで構成される、足首安楽補助具である。
【発明の効果】
【0007】
就寝中、足裏が補助具の正面平担部に当たり、足先が足底方向に反り返ることなく適宜な角度に固定され、尖足状態を防ぐことが出来る。これにより就寝中突然起こるこむら返りを防ぐことが出来る。また日常的に使用することで、足首の角度が良い状態に保たれるのでアキレス腱の縮みもなく、尖足が予防される。
補助具の高さは成人の平均足裏サイズ程度にすることで、補助具によって掛布団が支えられ布団の圧迫を避けることが出来るので、足首に負担がかからない。さらに補助具両側面に設けられた連結部よりのびるベルトが、敷布団またはベッドマットレス等敷具の下を通り一周して補助具と敷具を押さえつけたり、あるいはベッドマットレスの側面上方周囲にめぐらせることで固定されるので、就寝中足先に押されて補助具が動いてしまうこともない。また、ベルトと補助具本体の連結部が側面に設けられているため、就寝者は上体を起こすだけで補助具の位置調整が簡単に出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
(イ)台形または三角形状の弾性材質の立体物を布で被覆する、または布等で型を起こして縫製し、中に詰物をいれて形成した本体(1)を作る。
(ロ)本体(1)の両側面に着脱自在な連結パーツ(2a)(2b)を設ける。
(ハ)ベルト(3)の両端に着脱自在な連結パーツ(2c)(2d)を設ける。
(二)ベルト(3)を敷布団、またはベッドマットレス等敷具の下をくぐらせるか、又はベッドマットレス側面上方周囲にめぐらせ、就寝者の足元位置付近に置かれた本体(1)の側面連結パーツ(2a)と(2b)に、ベルト連結パーツ(2c)と(2d)をそれぞれ繋ぐ。
本発明は以上のような構成である。
【0009】
使い方は、就寝者の足裏に本体(1)の正面平担部(4)が当たるように設置する。これにより足首角度は常に一定を保つことが出来る。ただし同じ体勢に疲れ、つま先を伸ばしたいときには、膝を曲げるなどすれば足首はすぐ自由になる。また正面平担部(4)にポケット(5a)(5b)を設け、季節に応じて携帯カイロ、保冷材等を入れれば、足元をいっそう快適にすることが出来る。本体(1)の高さは成人の平均的足裏サイズ程度にし、掛布団の圧迫が足首にかからないようにする。本体(1)はベルト(3)にて固定されるが、本体内部下方にゴム板等重い材質物(6)を一部使用するとさらに安定が増す。補助具本体底部表面に滑り止め加工を施せばいっそうのずれ防止となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の斜視図
【図2】本発明の正面図
【図3】本発明の右側面図
【図4】本発明の使用状態を示す斜視図
【図5】本発明の他の使用状態を示す側面図
【図6】本発明の他の形状を示す右側面図
【符号の説明】
【0011】
1 本体
2a、2b、2c、2d 連結パーツ
3 ベルト
4 正面平担部
5a、5b ポケット
6 重い材質物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体の台形または三角形状からなる弾性のある材質物を布等で被覆し、両側面に着脱自在なパーツを有する本体と、該パーツに連結されるベルトで構成された足首安楽補助具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−6238(P2008−6238A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−201288(P2006−201288)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】(506061886)
【Fターム(参考)】