説明

身体の腔を浄化するためのシステム及び方法

身体の腔を浄化するためのシステム及び方法が提供される。ある実施形態は、排出管内の糞便物質のサイズを減少する。ある実施形態は、排出管を一掃するための装置及び方法を含む。ある実施形態は、浄化装置の断面プロファイルを減少している。ある実施形態は、過剰に高い又は低い圧力への露出を防止することによって腸組織を保護する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
これは、2010年1月11日に出願された米国仮特許出願第61/293758号、及び2010年6月13日に出願された米国仮特許出願第61/354226号からの優先権を主張するPCT出願である。この出願は、同じ受理官庁に2011年1月11日に出願された同じ組織の出願人によって追加のPCT出願とともに提出されている。
【0002】
技術分野
本発明は、その一部の実施形態では、身体の管及び/又は身体の腔を浄化するためのシステムに関し、特に限定されないが、下部GI管を浄化するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
良く知られた浣腸器は、結腸を浄化するためのシステムとして長い歴史を持つ。浣腸器は、直腸を通って下部結腸内に挿入される管であり、結腸内に水又は他の液体を噴射するために使用される。浄化は、糞便物質と混合される噴射液体が自然な方法によって身体から排出されるときに達成される。
【0004】
より最近では、閉鎖された水治療法(又は洗浄)システムが導入され、そこでは低圧力下で液体を供給することができる液体源管が排出管と対にして組み合わされる。浄化サイクルの第一段階では、液体は低圧力のために直腸から結腸に流れ、結腸空洞を満たし、糞便と混合し、それを部分的に溶解する。浄化サイクルの第二段階では、液体及び糞便物質の混合物は次いで排出管を通して腸から排出されることができる。浣腸器と同様に、かかるシステムの検鏡は通常、身体の中に約6〜8センチメートル導入される。一例はwww.dotoloresearch.comで示されている。
【0005】
結腸鏡(さらに下部GI系内の盲腸まで達することができる手で駆動される可撓性内視鏡)は、GI管の浄化に使用するために提案されている。しかしながら、内視鏡の作用するチャネルのサイズ限界のため、浄化のために使用されるときの結腸鏡の処理能力は大きくなく、局所的な糞便場所を浄化するためにせいぜい適切な程度であろう。結腸鏡は、1.5メートルの長さより長い内腔にわたって分散された2リットル以下の糞便で満たされうる下部GI管を浄化するためには効果的でない。
【0006】
www.easy−glide.comのイージーグライドは、内視鏡に接続し、注流チャネルを通じて腸内に水を噴射し、近くの標準医療真空ラインに接続された排気チャネルを通して吸引力を与えることによって腸から物質を吸収するシステムを発表している。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、その一部の実施形態では、身体の腔を浄化するため、及び物質を身体の腔の中及び外に移送するためのシステムに関する。本明細書に与えられた実施形態は、身体の管からの浄化された物質の排出を容易にし、浄化時に身体の組織への損傷を防止する安全特徴を与える。
【0008】
本明細書に使用される用語「浄化装置」は、結腸又は腸の他の部分を浄化するための装置に関する。「浄化装置」は、独立した装置、内視鏡もしくは結腸鏡に取り付け可能な装置、又は内視鏡もしくは結腸鏡の一部であってもよい。
【0009】
多くの浄化装置は排出管を含み、それを通して物質が腸から除去され、身体の外に移送されることができる。用語「排出管」、「排気管」、「排気内腔」、「排出内腔」、「排出チャネル」及び「排気チャネル」はこの文献では交換可能に使用される。全ては、管/内腔/チャネルであって、それを通じて物質が腸から除去され、身体の外に移送されることができる管/内腔/チャネルを示す。
【0010】
現在業界で知られている浄化装置は、液体を結腸内に供給して糞便物質と混合し、希釈し、部分的に溶解し、かくして液体と糞便物質の生じた混合物は可撓性管のような排気管を通じて排出されることができる。
【0011】
本発明の一部の実施形態の潜在的な利点は、生じることがあるかなりの量の糞便物質、及び/又は消化されていない食品の部分(例えばコーンの種子)のような糞便物質の不溶解性成分を取り扱う。これらは、管への入口又は管自体を詰まらせることによって排気管の処理を遅らせる傾向があり、それは処理量の低減及び操作時間の長期化に導き、ときには浄化装置の使用を妨げる。
【0012】
本明細書に与えられる一部の実施形態は、その一部の態様では、排気管内の糞便物質を「粒状化する」ためのシステム及び方法を提供する。(本明細書で使用される用語「粒状化」は、粉砕、破壊、裁断、切断、それ以外ではかかる物質の大きな片を小さな片につぶすことを示し、小さな片は、排気管を通して移送されることができるスラリーに含められ、管をブロックするか又は詰まらせる傾向を減少するだろう)。これらには、排気管内で高速度液体噴射を使用して糞便物質を切断及び裁断するための方法及び装置、及び物質を粉砕することによって、物質を乱流にさらすことによって、及びそれを対抗的な引張力に供することによってそれを引き離すことによって、排気管内の物質を裁断するための方法及び装置が含められる。
【0013】
本明細書に与えられる一部の実施形態は、その一部の態様では、排出管を一掃するための装置及び方法を含む。かかる一掃は、排出に加えて又は排出の代わりになされることができる。
【0014】
本明細書に与えられる一部の実施形態は、その一部の態様では、排気管内の機械的裁断装置に機械力を送出するための機構を含む。
【0015】
本明細書に与えられる一部の実施形態は、その一部の態様では、浄化装置の断面プロファイルを減少する設計特徴を含む。
【0016】
本明細書に与えられる一部の実施形態は、その一部の態様では、腸組織と浄化装置の可動部分の間の接触を防止することによって、腸の過剰膨張による過剰圧力への組織の露出を防止することによって、身体の一部に対してよりむしろ(管の内側のような)人工的要素に対して水の潜在的に危険な噴射を向けることによって、及び/又は排気管における吸引による危険に低い圧力への組織の露出を防止することによって、腸組織を保護する。
【0017】
本発明の例示的な実施形態では、実施形態の種々の特徴は上記の種類の二つ以上からの特徴を与えるために組み合わされる。
【0018】
本発明の例示的な実施形態では、結腸に対しては、システムの外径は0.5〜4cm、例えば1〜2.5cmである。本発明の例示的な実施形態では、結腸内に挿入される管の長さは0.5〜4メートル、例えば1〜2.5メートルである。任意選択的に、開口は、0.2〜3cmの直径、例えば0.5〜2cmの直径の糞便片を受けるために寸法決定されている。任意選択的に、開口は、それを通して腸の突出の可能性及び程度を減少するために4cm未満、又は3もしくは2もしくは1cm未満、又は中間サイズ未満に寸法決定される。任意選択的に、可動部分は、例えば開口から1cm,2cm,3cm又はそれより多い又は中間の距離に位置される。
【0019】
本発明の例示的な実施形態によれば、腸内に挿入可能であり、かつ物質を前記腸から身体の外に移送するための排出管を含む浄化装置であって、以下のものを含む浄化装置が提供される:
a)前記排出管の遠位端の近くに配置された閉鎖機構であって、開放すると物質を前記腸から前記排出管内に流すことができ、閉鎖すると前記排出管内の流体が前記排出管の前記遠位端を通って前記腸内に流れることを少なくとも部分的に防止する閉鎖機構。
任意選択的に、装置は以下のものをさらに含む:
b)流体供給源に対する近位接続及び前記排出管内の少なくとも一つの遠位オリフィスを有する流体供給管。
代替的に又は追加的に、装置は以下のものをさらに含む:
c)前記排出管の遠位端に接続可能な真空源。
【0020】
本発明の例示的な実施形態によれば、以下のことを含む、結腸を浄化するための方法が提供される:
a)結腸内に液体を導入する;
b)前記結腸から物質を排出するための排出管を準備する;
c)前記排出管の遠位端の近くに配置された閉鎖機構を時々閉鎖する、但し前記閉鎖機構は、閉鎖すると前記排出管内の流体が前記排出管の遠位端を通って流れることを少なくとも部分的に防止する;
d)前記閉鎖機構が閉鎖されている間、前記排出管の中間部分と前記排出管の近位端の間に圧力差を誘導し、それによって前記排出管を一掃する。
任意選択的に、該方法は、前記閉鎖機構に近位の位置で前記排出管内に流体を供給することによって前記圧力差を誘導することを含み、前記閉鎖機構が閉鎖されている間に前記流体が供給される。
任意選択的に又は代替的に、該方法は、前記閉鎖機構が閉鎖されている間に前記排出管の近位端を真空源に取り付けることによって前記圧力差を誘導することを含む。
任意選択的に、前記閉鎖機構は機械的に閉鎖される。
【0021】
本発明の例示的な実施形態では、前記閉鎖機構は水圧によって閉鎖される。
【0022】
本発明の例示的な実施形態では、前記閉鎖機構は一方向弁である。
【0023】
本発明の例示的な実施形態によれば、結腸からの糞便物質を排出管に吸引することによって結腸を浄化するための方法であって、以下のことを含む方法が提供される:
a)排出管を含む浄化装置を結腸内に挿入する;
b)結腸に水を注いで糞便物質を遊離させる;
c)遊離された糞便物質を前記排出管内に吸引する;
d)前記糞便物質の反対側が排出管の一部であるようにして前記吸引された糞便物質に高速度流体噴射を向ける;及び
e)前記噴射によって前記吸引された糞便物質のサイズを縮小し、それによって前記排出管を通して前記結腸からの前記糞便物質を吸引する。
【0024】
本発明の例示的な実施形態によれば、以下のものを含む浄化装置が提供される:
a)内腔を有する、結腸内に挿入可能なチューブ;
b)前記内腔内に配置された第一螺旋状装置;
c)前記内腔内に配置された第二螺旋状装置;及び
d)前記第一及び第二螺旋状装置を前後に一列に並べて回転するための機構。
任意選択的に、前記第一及び第二螺旋状装置は、少なくとも0.5mm離れた巻き間隔を有する。
任意選択的に又は代替的に、前記第二螺旋状装置は前記第一螺旋状装置内に配置され、それと実質的に共軸である。
任意選択的に又は代替的に、前記第一螺旋状装置は前記チューブに取り付けられている。
任意選択的に又は代替的に、前記チューブは滑らかな外部表面及び粗い内部表面を有する。
任意選択的に又は代替的に、前記第二螺旋状装置は前記第一螺旋状装置のサイズに合わせて配置されている。
任意選択的に又は代替的に、前記第二螺旋状装置は前記第一螺旋状装置とは反対方向に回転するように構成されている。
【0025】
本発明の例示的な実施形態によれば、以下のものを含む浄化装置が提供される:
a)並んで動き、かつ内腔の長さの少なくとも一部分に沿って互いに流体連通する複数のローブを含む排出管;及び
b)前記ローブの一つの中に収納され、かつ前記ローブ内で自由に回転することができるが、前記ローブの形状によって前記複数のローブの別の物の中に側方に移動することを防止されている少なくとも一つの回転可能な装置。
任意選択的に、該装置は、二つのローブの各々に回転可能な装置を含む。
任意選択的に、前記二つの回転可能な装置は螺旋状の形を有し、それぞれをそのローブ内に配置するとき、前記螺旋が重複する。
任意選択的に又は代替的に、前記回転可能な装置は螺旋状装置である。
【0026】
本発明の例示的な実施形態では、前記回転可能な装置はブラシである。
任意選択的に、前記ブラシは、前記ブラシが配置されるローブから前記複数のローブの別の物の中に延びるのに十分な長さの剛毛を含む。
【0027】
本発明の例示的な実施形態では、前記二つの回転可能な装置は独立して回転する。
任意選択的に、前記回転可能な装置のうちの少なくとも一つは前記内腔の前記ローブ内で自由に突出したり引っ込んだりすることができる。
【0028】
本発明の例示的な実施形態では、前記回転可能な装置はパドルを含む。
【0029】
本発明の例示的な実施形態によれば、以下のものを含むツールを含む排出管を含む浄化装置が提供される:
a)前記排出管内で物質と相互作用するように設計された遠位作業部分;及び
b)近位エネルギー源から遠位部分に回転力を伝達する中間部分。
【0030】
本発明の例示的な実施形態によれば、以下のものを含む、腸内に挿入可能な浄化装置が提供される:
a)物質移送機構を含み、かつ腸内に配置されるように寸法決定された排出管;
b)前記装置が腸内に挿入されるときに前記腸に水を供給するように配置された流体投入ノズル;
c)前記装置が腸内に挿入されるときに前記腸内の圧力を測定するように配置された圧力センサー;
d)前記センサーが予め設定された量より上の圧力を報告するときに反応するように構成されたコントローラ、但し、前記反応は以下の(i)〜(iii)の少なくとも一つを含む:
(i)前記ノズルを通る水の供給を停止又は減少する;
(ii)排出速度を増加する;及び
(iii)前記排出管を一掃する。
【0031】
本発明の例示的な実施形態によれば、以下のものを含む浄化装置が提供される:
a)内腔を有する、結腸内に挿入可能なチューブ、但し前記チューブの外壁は滑らかであり、前記チューブの内壁は粗い;
b)前記内腔内に配置され、かつ少なくとも0.5mm離れた巻き間隔を有する螺旋状装置;及び
c)前記螺旋状装置を回転するための機構。
【0032】
本発明の例示的な実施形態によれば、以下のものを含む、腸を浄化するための浄化装置が提供される:
a)流体を前記腸に送出するための管;
b)前記腸内の周囲圧力を測定するように作動可能な圧力センサー;及び
c)前記センサーによって測定された測定腸内圧力の関数として前記流体送出管を通る流体の送出を制御するように構成されたコントローラ。
【0033】
本発明の例示的な実施形態によれば、以下のもの含む浄化装置が提供される:
a)物質移送機構を含む排出管;
b)前記排出管内に配置された圧力センサー;及び
c)前記センサーによって報告された測定圧力の関数として前記物質移送機構を制御するように構成されたコントローラ。
【0034】
本発明の例示的な実施形態によれば、第一遠位開口及び物質移送機構を含む排出管を有する、腸内に挿入可能な浄化装置において、前記排出管が追加の開口をさらに含み、それによって前記腸内からの流体が、前記排出管内の真空によって前記排出管内に吸引されるときに前記排出管に入ることができることを特徴とする装置が提供される。
任意選択的に、該装置は、前記追加の開口の少なくとも一つに流体を与えるための流体源をさらに含む。
任意選択的に又は代替的に、前記追加の開口の少なくとも幾つかは前記排出管の側方の開口である。
任意選択的に又は代替的に、前記流体源は、前記追加の開口の少なくとも一つを洗浄する流体を与えるように配置されている。
【0035】
本発明の例示的な実施形態によれば、流体源に接続された中空中央パイプを含む排気内腔、前記パイプ上に装着された螺旋状装置、及び前記中央パイプを回転することによって前記螺旋状装置を回転するためのモータを含む浄化装置が提供される。
任意選択的に、前記中央パイプは開口を含み、前記排気内腔内の圧力が予め設定された値より低下する場合にその開口を通して流体が与えられる。
【0036】
本発明の例示的な実施形態によれば、排気内腔、及び前記排気内腔内の圧力が予め決められた値より低下するときに前記排気内腔内に流体流れを与えるために使用される専用流体供給チャンネルを含む浄化装置が提供される。
【0037】
本発明の例示的な実施形態によれば、結腸内に挿入するために寸法決定された排出管、及び前記排出管の壁にねらいを定められた高速度噴射源を含む、糞便分解のための装置が提供される。
【0038】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的用語および/または科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載される方法および材料と類似または同等である方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができるが、例示的な方法および/または材料が下記に記載される。矛盾する場合には、定義を含めて、本特許明細書が優先する。加えて、材料、方法および実施例は例示にすぎず、限定であることは意図されない。
【0039】
本発明の実施形態の方法および/またはシステムを実行することは、選択されたタスクを、手動操作で、自動的にまたはそれらを組み合わせて実行または完了することを含んでいる。さらに、本発明の装置、方法および/またはシステムの実施形態の実際の機器や装置によって、いくつもの選択されたステップを、ハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェア、あるいはオペレーティングシステムを用いるそれらの組合せによって実行できる。
【0040】
例えば、本発明の実施形態による選択されたタスクを実行するためのハードウェアは、チップまたは回路として実施されることができる。ソフトウェアとして、本発明の実施形態により選択されたタスクは、コンピュータが適切なオペレーティングシステムを使って実行する複数のソフトウェアの命令のようなソフトウェアとして実施されることができる。本発明の例示的な実施形態において、本明細書に記載される方法および/またはシステムの例示的な実施形態による1つ以上のタスクは、データプロセッサ(例えば複数の命令を実行する計算プラットフォーム)を含んでもよい「コントローラ」によって実行されてもよい。任意選択的に、データプロセッサは、命令および/またはデータを格納するための揮発性メモリ、および/または、命令および/またはデータを格納するための不揮発性記憶装置(例えば、磁気ハードディスク、および/または取り外し可能な記録媒体)を含む。任意選択的に、ネットワーク接続もさらに提供される。ディスプレイおよび/またはユーザ入力装置(例えば、キーボードまたはマウス)も、任意選択的にさらに提供される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本明細書では本発明のいくつかの実施形態を単に例示し添付の図面を参照して説明する。特に詳細に図面を参照して、示されている詳細が例示として本発明の実施形態を例示考察することだけを目的としていることを強調するものである。この点について、図面について行う説明によって、本発明の実施形態を実施する方法は当業者には明らかになるであろう。
【0042】
【図1】図1は、本発明の一部の実施形態による、装置の排気内腔内の物質を裁断するための高圧流体投入を含む浄化装置を示す。
【0043】
【図2A−2C】図2A−2Cは、本発明の一部の実施形態による、排気通路を一掃するための機構を含む浄化装置を示す。
【図2D−2F】図2D−2Fは、本発明の一部の実施形態による、排気通路を一掃するための機構を含む浄化装置を示す。
【0044】
【図3A−3C】図3A−3Cは、本発明の一部の実施形態による、装置の断面積を減少するために多数の流体投入パイプ及び/又は平坦にされた排気内腔を使用する浄化装置を示す。
【0045】
【図4A−4C】図4A−4Cは、本発明の一部の実施形態による、内腔の長さにわたって動く複数のともに整列された(実質的に平行な)ローブを含む多数のローブを有する排気内腔をそれぞれに有する浄化装置を示す。
【図4D−4F】図4D−4Fは、本発明の一部の実施形態による、内腔の長さにわたって動く複数のともに整列された(実質的に平行な)ローブを含む多数のローブを有する排気内腔をそれぞれに有する浄化装置を示す。
【0046】
【図5A−5C】図5A−5Cは、 本発明の一部の実施形態による、浄化装置の排気管から外に物質を運搬するため、及び容易な移送のために運搬される物質を小片に破壊するための方法を示す。
【図5D−5F】図5D−5Fは、 本発明の一部の実施形態による、浄化装置の排気管から外に物質を運搬するため、及び容易な移送のために運搬される物質を小片に破壊するための方法を示す。
【0047】
【図6A−6B】図6A−6Bは、本発明の一部の実施形態による、腸に水を注ぐための水噴射を与える浄化装置を示す。
【0048】
【図6C】図6Cは、本発明の一部の実施形態による、活性遠位ヘッド及び中間出力列を含む物質移送機構を有する浄化装置を示す。
【0049】
【図7A−7C】図7A−7Cは、本発明の一部の実施形態による、安全特徴を与えるために圧力センサーを使用する浄化装置を示す。
【図7D】図7Dは、本発明の一部の実施形態による、安全特徴を与えるために圧力センサーを使用する浄化装置を示す。
【0050】
【図8A−8B】図8A−8Bは、本発明の一部の実施形態による、浄化装置の排気内腔における危険な圧力真空を防止するための流体バイパスの使用を示す。図8Bは、本発明の一実施形態によるバイパスオリフィスを示す。図8Aは、バイパスなしの同様の構成を示す。
【0051】
【図9A−9C】図9A−9Cは、本発明の一部の実施形態による、バイパスオリフィスを開き続けるために使用される水噴射を示す。
【0052】
【図10A−10C】図10A−10Cは、本発明の一部の実施形態による、中空中央部分を含む螺旋状物質移送機構を示す。図10B−10Cはまた、内部バイパスを含む。
【図10D】図10Dは、本発明の一部の実施形態による、中空中央部分を含む螺旋状物質移送機構を示す。図10Dはまた、内部バイパスを含む。
【0053】
【図11】図11は、本発明の一部の実施形態による、追加のバイパス構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本発明は、その一部の実施形態では、身体の管及び/又は身体の腔を浄化するためのシステムに関し、特に限定されないが、下部GI管を浄化するためのシステムに関する。
【0055】
本明細書で与えられかつ議論された様々な実施形態からの特徴は混合されかつ組み合わされることができることが注意されるべきである。図面及び図面の議論は、一緒に使用されることを意図される特徴から分離した説明及び理解を簡単にするために選択されている。与えられた特徴の特定の利用が述べられている場合、これらの利用は例示にすぎず、限定して考えられるべきではないことが注意される。記載された実施形態は、この開示に述べられた目的(これに限定されない)を含む目的及び様々な要求に答えるために使用されることができる特徴を示す。
【0056】
実施形態は下記の一般的な順序で以下に与えられる:
・浄化装置の排出管を一掃するために好適であることができる特徴を示す実施形態(図2A−2F)
・以下の一つ以上によって浄化装置の排出管内の糞便物質の「粒状化」のために好適であることができる特徴を示す実施形態:
○高速度液体噴射を使用する糞便物質の切断及び裁断(図1)
○排出管内の粉砕(図5A−6B)
○排出管内の乱流の作成(図4A−4F)
○対抗的な引張力にそれらを供することにより物質片を分離して引っ張る(図4A−4F)
・排出管内の粒状化ツールに機械力を与えるために好適であることができる特徴を示す実施形態(図6B)
・浄化装置の断面プロファイルを縮小するために好適であることができる特徴を示す実施形態(図3A−3C)、及び
・以下の一つ以上によって腸組織を保護するために好適であることができる特徴を示す実施形態
○液体が浄化目的のために供給されるときに腸の過剰膨張による過剰圧力に対する組織の露出の防止、及び
○吸引力が排出管内で作られるときに危険な低圧に対する組織の露出の防止。
【0057】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳しく説明する前に、本発明は、その適用において、下記の説明に示されるか、および/または図面および/または実施例において例示される構成要素および/または方法の組み立ておよび構成の細部に必ずしも限定されないことを理解しなければならない。本発明は他の実施形態が可能であり、または様々な方法で実施または実行されることが可能である。
【0058】
一掃システムを含む浄化装置
本発明の一部の実施形態による自己一掃システムを有する内視鏡又は他の浄化装置300を示す図2A−2Fに注意されたい。
【0059】
図2A−2Fは、結腸133に挿入可能であり、かつ前記結腸から身体の外に物質を移送するための排出管128(本明細書では、「排気内腔128」とも称される)を含む浄化装置300を与える。管128は、管128の遠位端134の近くに配置された閉鎖機構144を含む。閉鎖機構144は、ヒンジ147上で回転する回転可能なフラップ146を含んでもよく、又は水圧で作動される一方向弁であってもよく、又は他の閉鎖機構であってもよい。
【0060】
閉鎖機構144が開放されるとき、腸133からの物質が管128内に流され、身体の外に移動されることができる。閉鎖機構144が閉鎖されるとき、それは管128からの流体が遠位端134を通って腸133内に流れることを少なくとも部分的に(一部の実施形態では完全に)防止する。閉鎖機構144が閉鎖されるとき、それは管128内の流体の動きが腸133の組織に影響するのを部分的に又は実質的に又は完全に防止する。
【0061】
浄化装置300は、図2Cに示されるように、コントローラ200によって任意選択的に制御される弁によって任意選択的に操られる、高圧流体源1441及び/又は高容量流体源1442及び/又は真空源1443を含んでもよい。
【0062】
流体源1441及び1442は、もし存在するなら、遠位オリフィス149A及び149Bを有する流体投入チャネル149に接続する。これらのオリフィスは、チャネル149内の流体を、閉鎖機構144の近位の位置で、任意選択的には機構144の近くで管128に入るように案内する。
【0063】
浄化装置300はまた、コントローラ200によって操られる弁によっても任意選択的に制御される真空源1443を含んでもよい。
【0064】
浄化装置300を使用する一部の方法によれば、浄化装置300は、注流チャネル(図示せず)を通して腸133内に水のような浄化液を導入するために使用されることができ、管128は、腸133からの物質を管128の遠位端134を通して、近位的には管128を通して身体の外に案内するために使用されることができる。管128は、かかる物質を管128を通して身体の外に移動するための物質移送機構137(これらの図には示されていないが、本明細書の他の場所で示される)を含んでもよい。
【0065】
浄化装置300を使用する一部の方法によれば、時々(例えば、周期的及び規則的、又は流れ障害がユーザによってもしくはコントローラ200によって検出されるときのいずれか)、閉鎖機構144が閉鎖されて管128の内部を腸133から分離し、次いで管128の中間部分と管128の近位端の間に圧力差が作られる。液体又は気体又は両方の混合物のこの圧力差は、管の内容物を管の近位端に押すことによって管128を一掃する。図2Aは、開放した機構144を示し、図2Bは、閉鎖した機構144を示し、図2Cは、任意選択的に源1441及び/又は源1442から供給される流体(気体又は液体)、及び任意選択的に源1443から付与される真空、及び管128内の物質がその近位端に向かって身体の外に流れることを起こさせる圧力差の形成を示す。
【0066】
閉鎖機構144は、機械的に(例えば接続棒(図示せず)によって)、電磁的に、又は他の方法で開閉されてもよい。その閉鎖は任意選択的にコントローラ200により操られる。
【0067】
図2D,2E,及び2Fは、任意選択的に水圧によって閉鎖されかつ任意選択的に水圧又は弱いばね(図示せず)によって開放される一方向弁154である閉鎖機構144の代替実施例を示す。図2Dは、弁154をその開放位置で示し、そこでは弁154は任意選択的にオリフィス149を閉鎖するのにも役立つ。図2Eは、オリフィス149を通る流体の流れを示し、そこでは水圧は弁154をその閉鎖位置の方へ動かす。図2Fは、弁154を停止具156に対してその閉鎖位置で示し、そこでは弁154は管128の中間及び近位部分内の流体流れによる影響から腸133を隔てる。
【0068】
排出管における物質を裁断するために高圧流体噴射を使用する浄化装置
本発明の一部の実施形態による、排出管128内に含まれる糞便物質を切断又はそうでなければ粒状化するための高圧水を使用する浄化装置を与える図1を参照されたい。
【0069】
結腸を浄化するための既知のシステムは、結腸に水を注いだり、結腸を洗浄したり、かつ/又は結腸内の糞便物質を希釈もしくは除去したり、また結腸から排出内腔を通して身体から外に糞便物質を洗浄するために水を使用する。
【0070】
これらの装置は、糞便物質を裁断したり又は移動させたりするために高圧流体を使用しない。実際、水噴射出力はFDAによって制限され、それは、結腸内に導入された水の圧力が水噴射からの圧力によって起こりうる組織への損傷を防止するために十分に低いことを要求する。結果として、糞便は、腸壁から及び大きい塊の衝撃を受けた糞便部分から離される傾向があるが、大きい塊のサイズのため及び腸自体には低い水圧だけが与えられるため、それらは排出管を容易に通過しないだろう。
【0071】
本発明の例示的な実施形態では、高圧噴射が糞便を寸断するために使用されるが、それらは囲まれているので、それらは組織に接触したり、組織を損傷することができない。本発明の例示的な実施形態では、噴射は0.1m/s〜10m/s又はそれ以上、例えば15m/s又は20m/s、又は例えば1m/s,5m/s,7m/s又はそれらの中間速度を有する。任意選択的に、噴射の速度及び断面は、3cm又はそれより小さい距離から任意選択的に介在水があるときに組織に衝突するなら噴射がGI組織の損傷及び/又は貫通を起こすようなものである。任意選択的に又は代替的に、使用される圧力は、ノズルが組織と接触したなら噴射が組織を貫通及び/又は損傷するようなものである。例えば、圧力は4bar以上、10bar以上、20bar以上、又はそれらの中間圧力であってもよい。任意選択的に、噴射は粒状物質を含み、それは組織に力強く投げ付けられるなら組織を損傷するが、糞便物質を破壊することを助けるだろう。
【0072】
図1は、腸133内に挿入可能でかつ排出管128を含む腸浄化装置130を示す。装置130は、側方開口138に接続された、管128内への高圧流体源1301を使用して、管128の内側の保護された環境内で高速度高圧水噴射139を生成し、管128に含まれる糞便物質を切断又はそうでなければ粒状化する。
【0073】
本発明の一部の実施形態によれば、結腸からの糞便物質を排出管内に吸引することによって結腸を浄化するための方法が提供され、この方法は、装置130を結腸内に挿入し、結腸に水を注いで糞便物質を遊離させ、吸引力を使用して遊離した糞便物質を管128内に吸引し、高圧流体の源1301を側方開口138A及び138Bに接続して管128の内部の方に向けられた高速度流体噴射を生成し、そこで噴射139が遊離した糞便物質と相互作用し、遊離した糞便物質片のサイズを縮小し、それによって前記結腸から前記管を通して前記糞便物質を吸引することを容易にすることを含む。
【0074】
装置130は、流体源(任意選択的には高圧1301)に近位で接続されかつ装置130の排気管128の壁131の側方開口138に遠位で接続された流体投入管136を含む。高圧流体(例えば水)が流体投入管136内に進むのを弁1302(任意選択的にコントローラ1303によって遠隔制御される)によって許可されるとき、高圧流体の開口138A及び任意の追加の開口138Bの通過が排気管128の内容物に向けられた高速度高圧流体「噴射」139を創成する。一部の実施形態では、噴射139は排出管128の全ての遠位開口132から離れるように向けられ、それによって開口132の外側の身体の組織を噴射139との直接接触にさらされることから保護する。
【0075】
排気管128は、任意選択的には物質を管128を通して身体の外に移送するための物質移送機構137を含んでもよい。図1に示された例示的な実施形態では、機構137は螺旋状ばね1371として具体化される。
【0076】
装置130はまた、GI壁への損傷を避けるために十分低い圧力で流体1351(典型的には水)を腸133内に導入するための任意の第二流体投入パイプ135を持つ。
【0077】
万一内腔128が糞便のような介在する物質対象を含んでいなくても、噴射139が内腔128内の(移送機構137のような)装置130の内部構成要素に向かって又は壁131に向かって向けられ、遠位開口132の方へ向けられないように噴射139が向けられるように、開口138は配置されかつ構成される。
【0078】
本発明の一部の実施形態では、装置130を使用する方法は、内腔128内の糞便物質又は他の物体の方へ水又は他の流体の高圧噴射を向けることを含む。低容量高圧流体流れが使用される。これらはかかる物質に対して効果的な切断又は裁断効果を持つからである。装置130の外側の身体の組織は高圧にさらされない。なぜならば噴射139は遠位開口132の方へではなく、装置130の内部部品の方へ向けられるからである。それらの身体組織は、高圧低容量流れが使用されるので、この方法の結果として強力でかつ/又は貫通する流体流れにさらされない。
【0079】
装置130内に生成された高速噴射139は切断機及び裁断機として作用することができ、大きい糞便の塊を、より容易に移送されかつ排気内腔128を詰まらせにくい小さい塊に破壊する効果を有することができる。腸組織は、工程が開放したGI内腔ではなく、装置130内で起こるので流体噴射の力から保護され、もし高圧流体流れの衝撃をとるために糞便が全く存在しないなら、噴射139は内腔128の硬い壁131に当って跳ね返るか、又はそうでなければ拡散され、結果として腸組織を損傷しないだろう。
【0080】
本発明の例示的な実施形態では、装置の裁断区域は2〜20cmの長さ、例えば3〜7cmの長さである。任意選択的に、かかる裁断区域にわたって、もし例えば軸方向に回転する裁断コイル(例えば図5A−5C)が裁断のために使用されるなら、コイル間の間隔は20%〜90%、例えば50%又はそれより多く低下する。任意選択的に又は代替的に、かかる裁断区域にわたってコイルの直径は、例えば2〜6倍増加することができる。本発明の例示的な実施形態では、初期直径及びコイル間の間隔はそれぞれ3mm及び10mmである。一部の実施形態では、コイル間の初期間隔は小さく、次いで成長し、次いで任意選択的に減少する。本発明の一部の実施形態では、コイルの回転のスピードは1分あたり1〜7000回転、例えば3000〜5000回転又はそれより多い回転であり、任意選択的に外部回路及びユーザ入力によって制御可能であるか、及び/又は手による回転スピードによって設定される。
【0081】
本発明の一部の実施形態では、2〜10個の噴射から与えられ、任意選択的に隣接噴射間で2mm〜30mmの間隔を有する。任意選択的に、噴射は内腔に沿って異なる軸方向位置にある。任意選択的に又は代替的に、噴射は異なる周囲の位置にある。
【0082】
排気管内の物質の運搬及び/又は裁断
浄化装置の排気管から外に物質を運搬し、その物質を「粒状化」する(容易な移送のために運搬物質を小片に破壊する)ための方法を示す図5A〜5Cを参照されたい。
【0083】
図5Aは、図に示されているように、巻きが互いに密接に巻かれている内部ばね21Aが、同様に巻きが互いに密接に巻かれている外部ばね20A内に配置されている浄化装置11Aを示す。内部ばね21A及び外部ばね20Aはともに、ばね螺旋巻き間に間隙又は段差が「ゼロ」であると呼ばれることがあるものを持ち、それは、示されているように、連続巻き間に空間が残っていないことを意味する。使用時には、内部ばね21Aが回転され、糞便物質22を近位方向に動かし、最終的にはそれらを身体の外に出す効果を生み出す。内部ばね21Aの回転は糞便物質22を粒状化し、それらを身体の腔からその外側に動かす。図に示されているように、内部ばね21A及び外部ばね20Aは一般的には反対方向に巻かれるように作られ、一方は時計廻りに、他方は反時計廻りに巻かれる。動いている内部ばね21A及び静止外部ばね20Aとの物質片の物理的な相互作用はともに物質片22を近位方向に動かすが、物質片22と内部及び外部ばねの間の摩擦相互作用によって物質片22を小片に破壊する傾向も持つ。しかしながら、図5Aのシステムは、物質を近位方向に装置11Aの外に移送する際には低スピードのみを生み出し、小片のみが内部と外部ばねの間に嵌合するので糞便物質22の小片のみを取り扱う空間が利用可能である。
【0084】
「ゼロ間隙」の外部ばね20Aを使用することは、装置11Aが直線で配置される限り安全であるが、もし一般的に腸を浄化する工程で当てはまるように装置11Aが曲がった経路内に強制的に進められるなら安全でなくなるかもしれない。一つの危険は、外部ばね20Aの湾曲がばね巻き間の間隙を作り、その空間内に腸壁の一部がつかまって損傷されうるときに腸壁の部分が損傷されうることである。この問題は、米国特許第4923460号に詳細に議論されている。
【0085】
図5Bは、ばね螺旋の各巻き間に「広い」間隙又は段差を有する内部ばね(21B)を持つ浄化装置11Bを示す。この実施形態では、外部ばね20Aは図5Aに示されているようにゼロ間隙巻きを有する。広い間隙の内部ばね21Aを回転することは、内部ばね21Aの広い「段差」がばね21Aの回転時に物質を迅速に進めるので物質を近位方向に移送する際に効果的であり、装置11Bは、広い間隔の内部ばね21Aが大きい糞便片22に対する余裕を持つのでそれらを取り扱うことを可能にするが、内部ばねの広い間隙が外部ばね20Aに対して糞便片22を強制する傾向を持たないので「粒状化効果」(糞便物質を小片に破壊すること)が小さい。
【0086】
図5Cは、ばね螺旋巻き間に「広い」間隙又は段差を有する内部ばね21Bが同様に「広い」間隙を有する外部ばね20Bと相互作用する浄化装置IICを示す。この設計は、それが外部ばね螺旋巻き間の間隙のために物質の運搬に劣るという欠点を有する:もし流体又は小さい糞便部分が内部ばね21Bによって近位方向に動かされ、結腸の幾何学的形状又は他の要因による抵抗に遭遇するなら、そのとき糞便部分及び流体は図5Cの22Aで示されるように外部ばね20Bの巻き間から逃避する傾向を持ち、22Bで示されるように戻る方向に動き、より遠位の位置で外部ばね20Bに再侵入するだろう。換言すれば、装置11Cは、糞便物質を粒状化及び運搬するための機械として効率的に機能しないかもしれない。さらに、巻き間に「広い」間隙を有する外部ばね20Bは、結腸壁がかかる巻きの内側で容易につかまれるので安全ではなく、損傷され、せん孔されることさえある。
【0087】
図5D−5Fは、本発明の一部の実施形態による糞便物質を移送及び粒状化するための装置を示す。図5Dは、図5Cに示された装置11Cと同様の装置11Dを示すが、記載された装置が図5A−5Cにない可撓性外部パイプ又は管23内に含まれている点でそれとは異なる。管23は図5A−5Cを参照して上で記載された望ましくない効果を防止する。糞便物質及び流体は極めて効率的な方法で近位方向に移動し、内部及び外部ばねに接触するか又はつかまれる結腸壁の危険が除去され、システムは高粒状化出力と高速運搬スピードの両方を与えることができる。
【0088】
一部の実施形態では、管23は、滑らかな外部表面と滑らかでないか又は粗い内部表面(それは排気内腔を規定する)を持つ。壁23の滑らかでない内部は、壁23の内側を接着又は溶接された螺旋形態として形成されることができ、螺旋形態は螺旋状の内側ばね21Bと同じ方向で又は反対方向で巻かれる。一部の実施形態では、これらの巻きは少なくとも0.5mm離れている。この実施形態の内部ばね21Bは装置11B及び11Cのために上で記載されたように形成されることができる。一部の実施形態では、内部ばね21Bの巻きはまた、少なくとも0.5mm離れている。
【0089】
代替的に、内部ばね21Bは、螺旋状ブラシ又は他の形態のブラシ、パドル、プロペラ、又は他の回転可能な物体のように、パイプ23内に配置可能でかつパイプ23内で自由に回転したり、進んだり、後退したりするように操作可能であるいかなる他の形態の物体としても具体化されることができる。
【0090】
図5Eは、図5Aの装置11Aによって創成されうる粒状化効果を示す。外部ばね20Aと内部ばね21Aの間の小さい糞便部分22は、部分22によって遭遇される「隆起」が小さいので最小の粒状化効果しか遭遇しない。逆に、図5Fは、ばね21Bの巻きによって与えられる大きい隆起を示し、その大きい隆起は強い粒状化効果を生み出し、一方この実施形態のばね21Bの間隔のあいた巻きは大きい糞便片22を取り扱うことを可能にする。
【0091】
図6A及び6Bは、水噴射生成ユニットを含む浄化装置21Aを示し、そこでは水源からパイプ24を介して挿入される流体はハウジング25の内腔を通って進み、ノズル26から腸内に出る。ノズル26から出る水噴射は、糞便物質を小さな部分に破壊するために使用されることができ、それは次いで身体の外に遠位方向に移送されることができる。水噴射生成ユニットは、本明細書に与えられた実施形態のいずれかに含まれてもよい。
【0092】
糞便物質を粒状化及び/又は排出するための例示的な実施形態
排出管内に乱流を作り、細片に粒状化及び切断し、それらを対抗する引張力に供することによってそれらを分離することによって、浄化装置の排出管内の糞便物質の「粒状化」を容易にする特徴を含む実施形態を示す図4A−4Fを参照されたい。
【0093】
図4A−4Fは、本発明の一部の実施形態による、内腔の長さの少なくとも一部に沿って並んで動く複数のともに配列されたローブを含む多数のローブを有する排気内腔をそれぞれ有する浄化装置を示す。
【0094】
図4Aは、(任意選択的な)内視鏡光学部品4、一つ以上の流体投入管2、及びハウジング5内で造形されかつ第一ローブ101及び第二ローブ102を含む物質排気内腔1Dをハウジング5内に含む装置10Dを示す。ローブ101及び102はそれらの長さの少なくとも一部に沿って流体連通しており、それは流体及び他の物質がそれらの間を流れることができると言うことができる。各ローブは中心軸(図では「+」として示される)を有し、任意選択的に図4Aで示されるように少なくとも一部が円形境界を持つ断面を有する。内腔1Dは全体として概ね「数字の8」の形状を有し、任意選択的に図4Aに示されるように流体投入内腔2Aのための空間を与える。
【0095】
図4Bは、二つのローブを有する排気内腔1Eが一つ又は両方のローブで回転可能な装置を含む浄化装置10Eを示す。図4Bは、ローブ101に回転可能な装置6A及びローブ102に回転可能な装置6Bを示す。しかしながら、装置10Eは一つの回転可能な装置又は二つを含んでもよいことが理解されるべきである。
【0096】
ローブ101及び102は、それらの間の流体連通がそれらの長さの少なくとも一部に沿って可能であるという意味で互いに開放している。
【0097】
ローブ101及び102は、装置6A及び6Bがそのローブ内でそれぞれ独立して回転可能であり、かつ任意選択的にそのローブ内でそれぞれ独立して進退可能であるような方法で、螺旋状装置6A及び6Bに対して寸法決定及び造形される。しかしながら、「肩」1G又は他の同様の形成は、装置6A及び6Bが一方のローブから他方のローブ内へ「側方へ」動くことを防止する。
【0098】
一部の実施形態では、装置6A及び6Bは、図4Bの小さい矢印によって示される方向に、即ちローブ101内では時計廻りに、ローブ102内では反時計廻りに回転されることができる。一部の実施形態では、両方が図に示された方向とは反対方向に、即ちローブ101内では反時計廻りに、ローブ102内では時計廻りに回転されることができる。これらの方向は、それらの共通の内腔1E内で互いに近づく装置6A及び6Bの部分が平行運動に近づけられ、そこでそれらが一緒に最も近づいたり、次いで引き離されたりする。
【0099】
代替的には、一部の実施形態では、装置6A及び6Bは反対方向に回転されることができ(即ち、両ローブで時計廻りか、又は両ローブで反時計廻り)、それは二つの装置6A及び6Bを反対方向に動かし、そこでそれらは、それらの最も近い接近になる。付加的に、一部の実施形態では、回転可能な装置の一つ又は両方は回転方向を交互にさせることができる。
【0100】
一部の実施形態では、装置6A及び6Bは螺旋状装置(6A及び6Bとしても示されている)である。もし装置1Eが腸内に挿入されるなら、ある方向の螺旋状装置の回転は腸の方へ物質を引っ張るのに役立ち、一方、反対方向の回転は腸から物質を離すように引っ張るのに役立つ。腸の方へ物質を引っ張る方向の一方の螺旋状装置の回転、及び腸から離れるように物質を引っ張る方向の他方の装置の回転は、剪断力を創成し、それは螺旋間につかまった物質の粒状化に寄与するだろう。
【0101】
一般に、上記の動きの多様性(腸の方へ又は腸から離れる方へ引っ張ったり、回転したり、平行運動又は反対運動を作ったり、及び螺旋又は他の回転装置をそれらの内腔で前後に独立して動かす)は、引っ張ったり、押したり、切断する力を創成し、それは内腔1E内の物質を切断、粉砕、及びそうでなければ粒状化するのに役立つことができる。
【0102】
一部の実施形態では、追加の粒状化効果は、螺旋状装置6A及び6Bが図4Cに示されるように重複させられるときに生み出すことができる。重複する螺旋状装置は効率的なポンピング作用を与えることができ、しかも内腔1Eの内容物を裁断するのに寄与することができる。
【0103】
螺旋状装置6A及び6Bは、螺旋ばねであることができ、螺旋ねじ山によって包囲された棒又はパイプであることができ、結腸鏡作用チャネルを浄化するために使用されるものと同様の螺旋ブラシとして形成されることができ、又はステンレス鋼もしくは別の材料から作られたワイヤー又はロープワイヤーであることができる。
【0104】
螺旋以外の形を有する構成要素もまた、ローブ101及び102の一つ又は両方に使用されることができる。一例が図4Dに与えられ、そこで二つのパドル形状形態106A及び106Bが螺旋状装置6A及び6Bの面に与えられている。パドルを回転すると、剪断及び引裂力を発生する乱流を創成する。形状もまた、使用されることができ、106A及び106Bの標識はこれらの形状にも言及することが理解されるべきである。一般に、内腔1E内で乱流を与え、及び/又は内腔1E内で近位方向に物質を進ませる傾向を持ついかなる形状も使用することができる。
【0105】
内腔1Eに使用される形状は内腔の長さに沿って変動しうることも注目される。例えば、図4Dに示されたようなパドル形状は内腔1Eの遠位端で与えられることができ、プロペラ形状はローブ101及び102の同じ軸に沿ってパドル形状に対して遠位に与えられることができ、螺旋状装置はそれらのローブのより近位の部分に与えられることができる。もし我々が「駆動装置」としてローブ101及び102の長さに及ぶ全てのこれらの形状に言及するなら、そのとき一部の実施形態では、装置10Eは様々な駆動装置を与えられてもよく、その中からユーザは、患者の特性又は浄化工程の特定の所望の効果もしくは所望の最適化に依存して使用したいと思う組み合わせを選択することができる。一般に、一部の実施形態では、各駆動装置はそのローブ内で自由に回転することができ、及び/又はそのローブ内で独立して自由に進退することができ、さらに各駆動装置は各駆動装置の長手方向軸がローブの一つの中に(内腔1Eの形状によって)保持されるように拘束される。
【0106】
図4Eは、二つより多いローブが排気管1Fに使用される追加の代替実施形態を示す。これらの実施形態並びに図4A〜4Fに示された他の実施形態では、各ローブは駆動装置を含んでもよく、又は代替的に一部のローブのみが駆動装置を含み、他のローブが装置を欠き、動く排気物質自体のために利用可能であってもよい。図4Eは、(螺旋状装置6として示される)駆動装置を含む中央ローブ103を示し、一方、側部ローブ101及び102を欠いている。
【0107】
図4Fは、図4Eの実施形態と同様の実施形態を示すが、駆動装置はローブ103内で回転可能なブラシ105として具体化されるが、その可撓性の剛毛は側部ローブ101及び102内に侵入するのに十分な長さであり、従って身体から外への物体の移送を容易にするためにローブ101及び102において空きスペースを与え、一方、駆動力のための源及び乱流の源を与え、おそらくブラシ105からの剛毛によって行なわれる裁断及び切断活動を与える。
【0108】
遠位操作部分と近位出力移送部分を有する排出管内の回転ツール
本願の様々な図は、糞便物質を粒状化し、かつ/又はそれを身体の外に追い出すために使用可能な排出管内に配置された螺旋ツール及び他の回転ツールを示す。一部の実施形態では、かかる回転ツールは排出管の長さに及ぶ。一部の実施形態では、遠位操作部分及び近位出力移送部分(その主要機能は回転出力又は他の出力を遠位部分に伝達することである)を有するツールを使用することが効率的であることが見い出される。図6Cは、本発明の一部の実施形態によるかかるツールを示す。
【0109】
図6Cは、物質を粒状化し、かつ/又は前記物質を内腔128内の近位方向に追い出すように設計された遠位操作部分171を有するツール137を含む排気内腔128を有する浄化装置128を示す。機構137はまた、中心部分172を含み、それは、回転出力を近位モータ又は他のエネルギー源(図示せず)から遠位部分171に伝達するように設計されたロープ又は棒又は他の可撓性コネクタを含む。
【0110】
浄化装置の断面全体を減少するために多数の管及び造形された管を使用する
結腸を浄化するために使用される装置は、結腸に入るためには肛門括約筋及び/又は反射鏡を通らなければならない。いったん結腸に入ると、装置は結腸内で操作可能でなければならず、結腸は幾つかの鋭いカーブを含む。断面を減少した装置が望ましい。
【0111】
本発明の一部の実施形態による、多数の投入管が装置断面を減少するために使用される浄化装置構成を示す図3A−3Cを参照されたい。
【0112】
図3Aに示された浄化装置10Aは、断面直径S1を有する排出内腔を含む。ハウジング3(例えば押し出しハウジング)は、水を結腸内に導入するために使用可能な複数の流体投入管2を含む。装置10Aの全体直径はR1である。排出内腔1Aは、図1を参照して述べた機構137のような物質移送機構を含んでもよい。
【0113】
図3Bは、内視鏡又は結腸鏡4を含む浄化装置10Bを与える。内視鏡4は、断面直径S1を有する排出内腔1Aとともに構成されるか、又はそれに取り付け可能である。ハウジング5、任意選択的には押し出しハウジングは、水を結腸内に挿入可能にするために使用可能な複数の流体投入管2を含む。装置10Bの最大直径は、図3Bに見られる円の直径R2である。図3Bの排出内腔1Aは、図3Aに示された排出内腔1Aと同一の直径として示されているが、全体の装置直径(図3Bの円の直径R2)は図3Aの全体の装置直径(円の直径R1)より大きい。結腸の直径は制限され、図3Bに示されたもののような大きい口径の装置は幾つかの点で問題でありうる。それは剛くて、操縦するのが難しく、患者の腸壁を損傷することによって痛みを生じ、回復を遅らす傾向を持つだろう。
【0114】
図3Cは、内視鏡4、及び断面S3が図に示されている平坦にされかつわずかに湾曲した楕円として造形された排出内腔1Cを含む装置10Cを示す。平坦にされた内腔1Cは図3Bの円筒形内腔1Aより有利である。なぜならば装置10Cの全直径(図3Cの円の直径R3)は、同一の排出内腔断面積について装置10Bの全直径(円の直径R2)より小さいからである。
【0115】
腸の過剰膨張による過剰圧力に対する組織の露出の防止
(例えば図6A及び6Bの装置の使用によって)流体を結腸内に挿入することは、腸内に危険に高い流体圧力をもたらす場合があり、それはおそらく破裂又は他の組織損傷に導く。
【0116】
本発明の一部の実施形態による、腸に過剰圧力を誘導することに対して保護する浄化装置13Aを示す図7Aを参照されたい。
【0117】
装置13Aは、腸を浄化するための浄化装置であり、それは、前記腸に流体を送出するための管、前記腸内の周囲圧力を測定するために操作可能な圧力センサー31、及びセンサー31によって測定された測定腸内圧力の関数として前記流体送出管を通る流体の送出を制御するように構成されたコントローラ200を含む。
【0118】
装置13Aは、物質移送機構137及び流体投入ノズル30を含む排出管128を含む。図7Aは、ノズル30が腸内に水を供給しているが多量の糞便32が管128が腸からその水をなくすことを防止している状況を示す。腸内の圧力の深刻な上昇がもたらされ、それは腸の損傷、さらには破裂を起こしうる。
【0119】
腸内の過剰な圧力を防止するために、13Aは、腸内の周囲圧力を測定することが可能な圧力センサー31を含む。センサー31は、コントローラ200(図7Dに示される)に報告する。コントローラ200は、もしセンサー31で測定された圧力が危険に高くなるなら、又はもし測定された圧力がある予め決められた量を越えるなら、ノズル30を通る水の送出を停止するように構成される。あるいは、コントローラ200は、ノズル30に吸引力を付与して腸から水を除去することによって、又はこの開示のどこかに述べられた方法を使用して内腔128を一掃することによって問題を解決しようとしてもよい。
【0120】
吸引力が排出管内に作られるときの危険に低い圧力への組織の露出の防止
もし物質移送機構137を含む浄化装置が、その遠位端が糞便片によってブロックされるか又は部分的にブロックされるときに浄化装置の遠位端から離れるように大きな糞便片を迅速に移送するなら、装置の排気内腔に真空が生成されることがある。浄化と関連した他の方法もまた、排出管内に強い真空を作ることがある。
【0121】
かかる真空は、浄化装置内に組織を引っ張ったり、かつ/又はその強い吸引力の結果としてそれらの組織を損傷するのに十分に強い力に腸組織をさらすことができる。
【0122】
図7B−11は、本発明の一部の実施形態による、この問題に関する特徴を有する実施形態を示す。
【0123】
図7Bは、圧力センサー311が内腔128内で、任意選択的にはその遠位端の近くに配置される浄化装置を示す。センサー311は、内腔128の危険に低い圧力を検出するために使用されることができる。もし例えば内腔128の遠位開口が図7Cに示されているように腸壁131に対して押し上げるようになり、腸内からの流体が内腔128内に流れるのを妨げるなら、移送機構137の継続した操作は、特にもし大きい糞便片が機構137によって内腔128の長さに沿って迅速に移送されるなら、内腔128内に低い圧力を起こすことがありうるだろう。この状況を処理するために、危険に低い圧力が内腔128に存在することを(図7Dに示された)コントローラ200に報告するためにセンサー311が与えられる。コントローラ200は、次いでこれらの条件下で機構137の操作を停止し、排出管の一掃を命令し、またはそれに利用可能な他の修正行動をとるように構成されることができる。
【0124】
図7Dは、水投入供給管上の弁202によってノズル30への水投入を制御できるように、及び/又は移送機構137の作用を制御できるように、特にもし圧力センサー311が予め決められた値以下に低下する圧力を検出し、内腔128内の圧力の危険な低下を示すなら、機構137が操作を停止するか又は方向を逆転するように構成及び接続されたコントローラ200を示す。
【0125】
図8A及び8Bは、排気内腔128に不意に発生した真空によって起こされる組織の損傷を防止するための代替的な方法及び装置を示す。図8Aは、図7Cを参照して述べた危険な状況を再現し、そこでは内腔128内の物質移送機構137の作用は真空を作り、腸壁は内腔128の遠位端の方へ、そしてその中に引っ張られ、そこでの吸引力によって損傷される危険状態にある。図8Aは、流体バイパスが全く存在しない構成を示す。これは、本発明の一実施形態による構成を示す図8Bと対比されることができ、そこでは内腔128への追加のかつ任意選択的な側方開口34が与えられ、それは腸の他の部分から内腔128内への通過をもたらし、そこの圧力を上昇させる。任意選択的に、しかし好ましくは、少なくとも一つの開口34Bが水源220の近くに配置される。(例えば内腔128の遠位端で開口134に向かって腸壁を吸引することによって)内腔128の遠位端134がブロックされている場合に、(任意選択的に水源220によって与えられる)流体は開口34Bを通って内腔128内に流れることができ、それによって内腔128の真空を低下し、それによって腸壁に対する損傷を防止する。
【0126】
図9A−9Cは、本発明の実施形態による、水源220が開口34Bの方にそれを横切って向けられる実施形態の追加の利点を示す。もし流体が内腔128の相対的に低い圧力のために開口34Bを通して内腔128に入るなら、糞便片22又は他の物質は開口34Bの方へ動かされ、開口34Bをブロックするかもしれないことが理解されることができる。この状況は図9Bに示され、そこでは大きい糞便片22が開口34Bにとどまっている。
【0127】
水ノズル220を開口34Bの近くに配置し、噴射221をそのノズルから開口34Bを横切るように向けることによって、この危険な状況が解決されることができ、そこではノズル220からの水噴射221は、図9Bに示されているように開口34Bをブロックするか又は開口34Bをブロックする危険にさらす片22を動かすのに十分強くされることができる。図9Cは、水噴射221が開口34Bをうまく浄化した後の状況を示し、開口34Bは再び開口し、危険な吸引力が内腔128内で発達するのを防止するために利用可能である。
【0128】
過剰に低い圧力を防止するために要求されるときに排気内腔に流体を与えることができる追加の構成は、本発明の一部の実施形態による図10A〜10Dによって示される。
【0129】
図10A−10Dは、本発明の一部の実施形態による、中空中央部分35を含む螺旋状物質移送機構137を示す。任意選択的には、図10Aに示されているように、中央部分35は、中央シリンダー35の外部に装着された螺旋構造35Aを支持する。その螺旋構造は螺旋状ブラシ350であってもよい。シリンダー35は回転されてもよく、それによって螺旋構造35Aを回転し、螺旋構造35Aを物質移送装置137として機能させることができる。
【0130】
任意選択的に、シリンダー35は中空であり、流体投入管として作用する。任意選択的に、中空シリンダー35は、シリンダー35の遠位端の近くの腸に水又は他の流体を送出するために設計されたノズル35Bを含む。
【0131】
図10Bは、シリンダー35が一つ以上のバイパスオリフィス36Bを含む点で装置13Dとは異なる浄化装置13Eを示す。シリンダー35の内部内腔は流体源に接続される。過剰な又は危険な真空が装置13Eの内腔128内で発達する場合には、水のような流体はシリンダー35から開口36Bを通って内腔128内に進むことができ、それによって内腔128内の圧力を上昇させ、危険な吸引力のレベルが内腔128内で発達するのを防止する。
【0132】
オリフィス36Bを通しての水又は他の流体の供給は、圧力センサー31からの信号に反応してコントローラによって命令されてもよい。あるいは、オリフィス36Bは、オリフィス36Bの近くに又はシリンダー35内のどこかで自動弁(例えばゴムフラップ)を与えられてもよく、シリンダー35の内部内腔と内腔128の間に大きな圧力差が発達するときに流体をシリンダー35から内腔128内に流れることを可能にし、それによって排出管内の圧力を低下する。
【0133】
図10Cは、オリフィス36Bを通る流体が全くない、正常に機能する装置13Dを示し、一方、図10Dは、内腔128の遠位端がブロックされる状況を示し、大きい糞便片32の動きが内腔128に吸引力を生じ、流体がオリフィス36Bから吸引され、その吸引力を減少している。
【0134】
図9A−9Cは、「外部バイパス」と称されうるものを示し、それにより腸からの流体は排気内腔128内に吸引され、その中の真空を低下することができる。図10A−10Dは、「内部バイパス」と称されうるものを示し、そこでは専用の源からの流体は、その源から直接の流体流れを内腔128の内部に与え、その中の真空を低下する。
【0135】
本発明の一実施形態による、内部バイパスを含む別の構成を示す図11を参照されたい。図11に示された浄化装置13Fでは、専用の流体供給チャネル37が使用され、内腔128中の危険に低い圧力の場合において内腔128内への流体流れを与える。上で述べたように、かかる流れの制御は、センサーに反応するコントローラによって、又は圧力差が予め決められた量の値を越えるときに開放する弁によって行なうことができる。
【0136】
本出願から成熟する特許の存続期間の期間中には、多くの関連する内視鏡が開発されることが予想され、内視鏡の用語の範囲は、すべてのそのような新しい技術を先験的に包含することが意図される。
【0137】
用語「含む/備える(comprises、comprising、includes、including)」、「有する(having)」、およびそれらの同根語は、「含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」ことを意味する。
【0138】
用語「からなる(consisting of)」は、「含み、それらに限定される(including and limited to)」ことを意味する。
【0139】
本明細書中で使用される場合、単数形態(「a」、「an」および「the」)は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数の参照物を包含する。
【0140】
明確にするため別個の実施形態の文脈で説明されている本発明の特定の特徴が、単一の実施形態に組み合わせて提供されることもできることは分かるであろう。逆に、簡潔にするため単一の実施形態で説明されている本発明の各種の特徴は別個にまたは適切なサブコンビネーションで、あるいは本発明の他の記載される実施形態において好適なように提供することもできる。種々の実施形態の文脈において記載される特定の特徴は、その実施形態がそれらの要素なしに動作不能である場合を除いては、それらの実施形態の不可欠な特徴であると見なされるべきではない。
【0141】
本発明はその特定の実施態様によって説明してきたが、多くの別法、変更および変形があることは当業者には明らかであることは明白である。従って、本発明は、本願の請求項の精神と広い範囲の中に入るこのような別法、変更および変形すべてを包含するものである。
【0142】
本明細書で挙げた刊行物、特許および特許出願はすべて、個々の刊行物、特許および特許出願が各々あたかも具体的にかつ個々に引用提示されているのと同程度に、全体を本明細書に援用するものである。さらに、本願で引用または確認したことは本発明の先行技術として利用できるという自白とみなすべきではない。節の見出しが使用されている程度まで、それらは必ずしも限定であると解釈されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
腸内に挿入可能であり、かつ物質を前記腸から身体の外に移送するための排出管を含む浄化装置であって、以下のものを含む浄化装置:
a)前記排出管の遠位端の近くに配置された閉鎖機構であって、開放すると物質を前記腸から前記排出管内に流すことができ、閉鎖すると前記排出管内の流体が前記排出管の前記遠位端を通って前記腸内に流れることを少なくとも部分的に防止する閉鎖機構。
【請求項2】
以下のものをさらに含む、請求項1に記載の装置:
b)流体供給源に対する近位接続及び前記排出管内の少なくとも一つの遠位オリフィスを有する流体供給管。
【請求項3】
以下のものをさらに含む、請求項1又は2に記載の装置:
c)前記排出管の遠位端に接続可能な真空源。
【請求項4】
以下のことを含む、結腸を浄化するための方法:
a)結腸内に液体を導入する;
b)前記結腸から物質を排出するための排出管を準備する;
c)前記排出管の遠位端の近くに配置された閉鎖機構を時々閉鎖する、但し前記閉鎖機構は、閉鎖すると前記排出管内の流体が前記排出管の遠位端を通って流れることを少なくとも部分的に防止する;
d)前記閉鎖機構が閉鎖されている間、前記排出管の中間部分と前記排出管の近位端の間に圧力差を誘導し、それによって前記排出管を一掃する。
【請求項5】
前記閉鎖機構に近位の位置で前記排出管内に流体を供給することによって前記圧力差を誘導することを含み、前記閉鎖機構が閉鎖されている間に前記流体が供給される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記閉鎖機構が閉鎖されている間に前記排出管の近位端を真空源に取り付けることによって前記圧力差を誘導することを含む、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記閉鎖機構が機械的に閉鎖される、請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記閉鎖機構が水圧によって閉鎖される、請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記閉鎖機構が一方向弁である、請求項1〜3,7,8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
結腸からの糞便物質を排出管に吸引することによって結腸を浄化するための方法であって、以下のことを含む方法:
a)排出管を含む浄化装置を結腸内に挿入する;
b)結腸に水を注いで糞便物質を遊離させる;
c)遊離された糞便物質を前記排出管内に吸引する;
d)前記糞便物質の反対側が排出管の一部であるようにして前記吸引された糞便物質に高速度流体噴射を向ける;及び
e)前記噴射によって前記吸引された糞便物質のサイズを縮小し、それによって前記排出管を通して前記結腸からの前記糞便物質を吸引する。
【請求項11】
以下のものを含む浄化装置:
a)内腔を有する、結腸内に挿入可能なチューブ;
b)前記内腔内に配置された第一螺旋状装置;
c)前記内腔内に配置された第二螺旋状装置;及び
d)前記第一及び第二螺旋状装置を前後に一列に並べて回転するための機構。
【請求項12】
前記第一及び第二螺旋状装置が、少なくとも0.5mm離れた巻き間隔を有する、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第二螺旋状装置が前記第一螺旋状装置内に配置され、それと実質的に共軸である、請求項11又は12に記載の装置。
【請求項14】
前記第一螺旋状装置が前記チューブに取り付けられている、請求項11〜13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記チューブが滑らかな外部表面及び粗い内部表面を有する、請求項11〜14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
前記第二螺旋状装置が前記第一螺旋状装置のサイズに合わせて配置されている、請求項11〜15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
前記第二螺旋状装置が前記第一螺旋状装置とは反対方向に回転するように構成されている、請求項11〜16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
以下のものを含む浄化装置:
a)並んで動き、かつ排出管の長さの少なくとも一部分に沿って互いに流体連通する複数のローブを含む排出管;及び
b)前記ローブの一つの中に収納され、かつ前記ローブ内で自由に回転することができるが、前記ローブの形状によって前記複数のローブの別の物の中に側方に移動することを防止されている少なくとも一つの回転可能な装置。
【請求項19】
二つのローブの各々に回転可能な装置を含む、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記二つの回転可能な装置が螺旋状の形を有し、それぞれをそのローブ内に配置するとき、前記螺旋が重複する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記回転可能な装置が螺旋状装置である、請求項18〜20のいずれかに記載の装置。
【請求項22】
前記回転可能な装置がブラシである、請求項18〜20のいずれかに記載の装置。
【請求項23】
前記ブラシが、前記ブラシが配置されるローブから前記複数のローブの別の物の中に延びるのに十分な長さの剛毛を含む、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記二つの回転可能な装置が独立して回転する、請求項19に記載の装置。
【請求項25】
前記回転可能な装置のうちの少なくとも一つが前記装置の前記ローブ内で自由に突出したり引っ込んだりすることができる、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記回転可能な装置がパドルを含む、請求項18〜20のいずれかに記載の装置。
【請求項27】
以下のものを含むツールを含む排出管を含む浄化装置:
a)前記排出管内で物質と相互作用するように設計された遠位作業部分;及び
b)近位エネルギー源から遠位部分に回転力を伝達する中間部分。
【請求項28】
以下のものを含む、腸内に挿入可能な浄化装置:
a)物質移送機構を含み、かつ腸内に配置されるように寸法決定された排出管;
b)前記装置が腸内に挿入されるときに前記腸に水を供給するように配置された流体投入ノズル;
c)前記装置が腸内に挿入されるときに前記腸内の圧力を測定するように配置された圧力センサー;
d)前記センサーが予め設定された量より上の圧力を報告するときに反応するように構成されたコントローラ、但し、前記反応は以下の(i)〜(iii)の少なくとも一つを含む:
(i)前記ノズルを通る水の供給を停止又は減少する;
(ii)排出速度を増加する;及び
(iii)前記排出管を一掃する。
【請求項29】
以下のものを含む浄化装置:
a)内腔を有する、結腸内に挿入可能なチューブ、但し前記チューブの外壁は滑らかであり、前記チューブの内壁は粗い;
b)前記内腔内に配置され、かつ少なくとも0.5mm離れた巻き間隔を有する螺旋状装置;及び
c)前記螺旋状装置を回転するための機構。
【請求項30】
以下のものを含む、腸を浄化するための浄化装置:
a)流体を前記腸に送出するための管;
b)前記腸内の周囲圧力を測定するように作動可能な圧力センサー;及び
c)前記センサーによって測定された測定腸内圧力の関数として前記流体送出管を通る流体の送出を制御するように構成されたコントローラ。
【請求項31】
以下のもの含む浄化装置:
a)物質移送機構を含む排出管;
b)前記排出管内に配置された圧力センサー;及び
c)前記センサーによって報告された測定圧力の関数として前記物質移送機構を制御するように構成されたコントローラ。
【請求項32】
第一遠位開口及び物質移送機構を含む排出管を有する、腸内に挿入可能な浄化装置において、前記排出管が追加の開口をさらに含み、それによって前記腸内からの流体が、前記排出管内の真空によって前記排出管内に吸引されるときに前記排出管に入ることができることを特徴とする装置。
【請求項33】
前記追加の開口の少なくとも一つに流体を与えるための流体源をさらに含む、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記追加の開口の少なくとも幾つかが前記排出管の側方の開口である、請求項32又は33に記載の装置。
【請求項35】
前記流体源が、前記追加の開口の少なくとも一つを洗浄する流体を与えるように配置されている、請求項33に記載の装置。
【請求項36】
流体源に接続された中空中央パイプを含む排気内腔、前記パイプ上に装着された螺旋状装置、及び前記中央パイプを回転することによって前記螺旋状装置を回転するためのモータを含む浄化装置。
【請求項37】
前記中央パイプが開口を含み、前記排気内腔内の圧力が予め設定された値より低下する場合にその開口を通して流体が与えられる、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
排気内腔、及び前記排気内腔内の圧力が予め決められた値より低下するときに前記排気内腔内に流体流れを与えるために使用される専用流体供給チャンネルを含む浄化装置。
【請求項39】
結腸内に挿入するために寸法決定された排出管、及び前記排出管の壁にねらいを定められた高速度噴射源を含む、糞便分解のための装置。

【図1】
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【図2A−2C】
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【図2D−2F】
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【図3A−3C】
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【図4A−4C】
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【図4D−4F】
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【図5A−5C】
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【図5D−5F】
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【図6A−6B】
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【図6C】
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【図7A−7C】
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【図7D】
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【図8A−8B】
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【図9A−9C】
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【図10A−10C】
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【図10D】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−516300(P2013−516300A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548515(P2012−548515)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【国際出願番号】PCT/IB2011/050121
【国際公開番号】WO2011/083451
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(512181994)モータス ジーアイ メディカル テクノロジーズ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】